JP2007044677A - Co2分離用メソポーラス複合体およびそれを用いるco2分離法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通常の高分子膜では性能が低下してしまう100℃以上の高温域での高選択的CO分離が可能であるCO分離用複合体を工業的有利に製造する。
【解決手段】(1)多孔質支持体に流動パラフィンを含浸させ、(2)前記(1)で得た流動パラフィン含浸多孔質支持体の面に、界面活性剤および酸化物源からなるゲル薄膜を形成させることにより多層構造体とし、ついで(3)該多層構造体を焼成することにより流動パラフィンと界面活性剤とを除去することによって、メソポーラス複合体を調製し、ついで(4)該メソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜に、塩基性官能基を導入することによって、多孔質支持体上にCO分離膜を積層したCO分離用複合体を製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、CO分離用メソポーラス複合体およびその製造方法、ならびに該複合体を用いたCO分離方法に関する。
COは、生物の呼吸をはじめ、燃焼廃棄物、あるいは火力発電所、製鉄プラントおよびセメントプラント等から発生する排気ガス中に多量に含まれ、現在、COに起因する地球の温室効果が問題視されている。COは、地球環境へ及ぼす影響の他に、宇宙船、潜水艦、深海艇等の密閉環境においても問題となる。そのため、種々のCO吸着剤を用いた排ガスの処理方法が提案されている。例えば、物理吸着によりCOを吸着除去する吸着剤として、Na−Xゼオライトなどのゼオライト系吸着剤を用いた排ガスの処理方法が提案されている。しかし、ゼオライト系吸着剤は、水分に対する吸着能が著しく大きいため、COを含有する排ガス中に水分が共存する場合には、水分の吸着によりCOに対する吸着が著しく損われる。また、COを固定化するのに活性炭や活性炭繊維などの多孔質担体上にアミンを添着させた吸着剤を用いた排ガスの処理方法が提案されている(特許文献1)。さらに、多孔質担体上にN−メチルアラニン酸のアルカリ金属塩を担持させたCO吸着剤を用いた排ガスの処理方法が提案されている(特許文献2)。しかし、これらアミン添着多孔質担体ではアミンの添着量が少ないため、CO吸着量が少ないという問題がある。さらに、COを含むガスとの気液接触により、COと化学反応させてCOを吸収する液状アミン吸収剤による排ガスの処理方法も知られている。しかし、液状アミン吸収剤を用いる場合には、アミンが大気中に洩れるので設備を密閉化する必要があり、したがって設備が大型化すると共に、装置の操作及び保守が煩雑化する。上記したように排ガス中のCOを高効率且つ経済的に選択的吸着させ、脱着させる方法は未だ開発されていない。
また、高分子膜をCO分離膜として用いることも検討されているが、高分子膜では例えば100℃以上の高温域で、分子運動や伸張によって性能が低下してしまうという問題があった。
一方、近年、MCM−41(特許文献3)やFSM−16(非特許文献1)に代表される、均一なメソ孔(細孔径)を有するメソポーラスシリカが注目されている。メソポーラスシリカは界面活性剤のミセルを鋳型にして合成されるため、メソポーラスシリカの細孔径は界面活性剤の炭素鎖長に依存する。よって、メソポーラスシリカは、均一な細孔径を持ち、細孔の大きさを制御できるという長所がある。かかるメソポーラスシリカは、その細孔内に、ゼオライトの細孔(2nm以下)に入らないような嵩高い分子に対する触媒や種々の機能を有するゲスト種を導入できることから、光学材料、電子材料への応用も考えられている。
このような規則的な構造を持つメソポーラスシリカをガスや溶液の分離に応用する場合、これらの材料を基板上に均一に保持する技術が必要である。基板上に均一なメソポーラス薄膜を製造する方法としては、スピンコート法(特許文献4、非特許文献2)、ディップコート法(非特許文献3)、基板の表面に膜を析出させる方法(非特許文献4)などがある。
特開平5−161843号公報 特開昭61−101244号公報 特開平5−503499号公報 特開2005−104808号公報 J.S.Beck, J.C.Vartuli, W.J.Roth, M.E.Leonowicz, C.T.Kresge, K.D.Schmitt, C.T.W.Chu, D.H.Olson, E.W.Sheppard, et al.:"A new family of mesoporous molecular sieves prepared with liquid crystal templates", J.Am.Chem.Soc.1992,114(27), pp.10834−10843. Ogawa M.: "A simple sol−gel route for the preparation of silica−surfactant mesostructured materials", Chem.Commun.,1996,pp.1149−1150. Lu, Y.; Ganguli, R.; Drewien, C.; Anderson, M.; Brinker, C., Gong, W.; Guo, Y.; Soyez, H.; Dunn, B.; Huang, M.; Zink, J.:"Continuous Formation of Supported Cubic and Hexagonal Mesoporous Films by Sol−Gel Dip Coating", Nature,1997,389,pp.364−368. Yang H; Kuperman A; Coombs N; MamicheAfara S; Ozin GA:"Synthesis of Oriented Mesoporous Silica Films on Mica", Nature,1996,379,pp.703−705.
従来より、メソポーラスシリカ薄膜は、主に、シリコンやガラス基板などの非多孔質基板上に合成される例が多い。メソポーラスシリカ薄膜をCOの分離膜として用いるには、物質の透過性を有する多孔質基板を支持体として用いる必要がある。しかし、多孔質基板を支持体として採用する場合であって、多孔質基板の細孔が粗い場合には、多孔質基板表面に粗い細孔が存在するため、メソポーラスシリカ薄膜を多孔質基板上に製膜しようとすると、多孔質基板の細孔内にメソポーラス材料が入り込み、均一にメソポーラス材料を保持することが難しく、ガスや溶液の分離膜に有用な、多孔質基板上に均一に製膜され、かつ多孔質基板の内部にメソポーラス材料が実質的に存在しない膜を形成することができなかった。
本発明は、通常の高分子膜では性能が低下してしまう100℃以上の高温域での高選択的CO分離が可能であるCO分離用複合体を提供することを目的とし、さらには、このようなCO分離用複合体を工業的有利に製造することを目的とする。また、本発明は、該CO分離用複合体を用いて、COを含有する混合ガスから効率的にCOを分離することを目的とし、また、該CO分離用複合体を用いて、COを含有する排ガスからCOを分離して、効率的に排ガスを処理することをも目的とする。
本発明者らは、(1)従来より、メソポーラス体の細孔径は合成時に鋳型とする有機塩基や界面活性剤ミセルのサイズ、集合状態を変化させることで、およそ2〜20mmの間で自由に制御可能であり、これまでに種々の物質が報告されていること、(2)これらの細孔は鋳型合成という特徴から細孔径が均一という特徴を持ち、メソポーラス空間を鋳型としたゲスト化合物の合成や、内表面の水酸基との反応を利用した官能基化が可能であること、および(3)このような材料を薄膜成型できれば、リジッドなど空間に結合された官能基の分子運動が抑制され、通常の高分子材料のように高温域での膨張による自由体積の増加に伴う選択性透過を抑制できるものと思われることに着目し、多孔質支持体に流動パラフィンを含浸させ、得られた流動パラフィン含浸多孔質支持体の面に、界面活性剤および酸化物源からなるゲル薄膜を形成させ、ついで得られた多層構造体を焼成して流動パラフィンと界面活性剤とを除去することにより、多孔質支持体上にメソポーラス酸化物薄膜が積層したメソポーラス複合体を創製することに成功すると共に、該メソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜に、塩基性官能基(例えば、アミノ基)を導入することにより、通常の高分子膜では性能が低下してしまう100℃以上の高温域での高選択的CO分離が可能であるCO分離用複合体が得られることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
《1》 メソポーラス酸化物薄膜が多孔質支持体上に積層されてなるメソポーラス複合体であって、前記多孔質支持体の内部に前記薄膜を構成する酸化物が実質的に存在しないメソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜に、塩基性官能基が導入されていることを特徴とするCO分離用複合体、
《2》 塩基性官能基がアミノ基である前記《1》に記載のCO分離用複合体、
《3》 メソポーラス酸化物薄膜の細孔径が2〜10nmかつ細孔容積が0.5〜1.4cc/gである前記《1》または《2》に記載のCO分離用複合体、
《4》 (1)多孔質支持体に流動パラフィンを含浸させ、(2)前記(1)で得た流動パラフィン含浸多孔質支持体の表面に、界面活性剤および酸化物源からなるゲル薄膜を形成させることにより多層構造体とし、ついで(3)該多層構造体を焼成することにより流動パラフィンと界面活性剤とを除去することによって、メソポーラス複合体を調製し、ついで(4)該メソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜に、塩基性官能基を導入することを特徴とする多孔質支持体上にCO分離膜を積層したCO分離用複合体の製造方法、
《5》 塩基性官能基の導入を、メソポーラス酸化物薄膜と、末端に塩基性官能基を有するシランカップリング剤とを化学結合させることにより行う前記《4》に記載の製造方法、
《6》 シランカップリング剤が、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミンから選ばれる一以上である前記《5》に記載の製造方法、
《7》 多孔質支持体が、アルミナ、コージェライト、ジルコニア、チタニア、バイコールガラスまたは焼結金属である前記《4》〜《6》のいずれかに記載の製造方法、
《8》 酸化物源がシリカ源であり、該シリカ源が、コロイダルシリカ、ケイ酸ソーダ、テトラアルキルアンモニウムシリケートまたはシリコンアルコキシドである前記《4》〜《7》のいずれかに記載の製造方法、
《9》 界面活性剤が、カチオン界面活性剤である前記《4》〜《8》のいずれかに記載の製造方法、
《10》 ゲル薄膜形成を、界面活性剤および酸化物源を含む混合溶液を塗布・乾燥することにより行う前記《4》〜《9》のいずれかに記載の製造方法、
《11》 塗布を、スピンコーティング法により行う前記《10》に記載の製造方法、
《12》 焼成を、300〜700℃で行う前記《4》〜《11》のいずれかに記載の製造方法、および
《13》 COを含有する混合ガスを、前記《1》〜《3》のいずれかに記載のCO分離用複合体または前記《4》〜《12》のいずれかに記載の方法により得られるCO分離用複合体と接触させて、COを選択的に透過させることを特徴とするCOの分離方法、
に関する。
本発明のCO分離用複合体は、COの選択的透過性に優れており、通常の高分子膜では性能が低下してしまう100℃以上の高温域での高選択的CO分離が可能である。また、本発明により、COの選択的透過性に優れたCO分離用複合体を工業的有利に製造でき、さらには、該CO分離用複合体を用いることにより、COを含有する混合ガスから効率的にCOを分離することができる。
本発明のCO分離用複合体は、メソポーラス酸化物薄膜が多孔質支持体上に積層されてなるメソポーラス複合体であって、前記多孔質支持体の内部に前記薄膜を構成する酸化物が実質的に存在しないメソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜に、塩基性官能基が導入されていることを特徴とする。
このようなCO分離用複合体は、(1)多孔質支持体に流動パラフィンを含浸させる工程、(2)前記工程(1)で得た流動パラフィン含浸多孔質支持体の面に、界面活性剤および酸化物源からなるゲル薄膜を形成させることにより多層構造体とする工程、ついで(3)該多層構造体を焼成することにより流動パラフィンと界面活性剤とを除去することによって、メソポーラス複合体を調製する工程、ついで(4)該メソポーラスシリカ複合体のメソポーラスシリカ薄膜に、塩基性官能基を導入する工程を経て製造される。
(多孔質支持体)
本発明に用いられる多孔質支持体としては、例えば、アルミナ、コージェライト、ジルコニア、チタニア、バイコールガラス、焼結金属などの多孔質体が挙げられるが、これらに限らず、種々の多孔質体を用いることができ、前記メソポーラス酸化物薄膜の構成材料と同じ種類のものであってよく、例えば、メソポーラス酸化物薄膜がメソポーラスシリカ薄膜である場合には、シリカであってもよい。
前記多孔質支持体の形状は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、通常は、板状もしくはチューブ状である。
前記多孔質支持体の孔径は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、通常、0.05〜1μmであり、好ましくは0.06〜0.6μmである。
[工程(1)]
本工程では、前記多孔質支持体に流動パラフィンを含浸させる。かかる含浸手段は、前記多孔質支持体の孔内を流動パラフィンで塞げれば特に限定されず、公知の含浸手段、すなわち、浸漬、塗布およびスプレーのいずれの含浸手段であってもよい。前記多孔質支持体に流動パラフィンを含浸させることによって、前記多孔質支持体の細孔を流動パラフィンで封孔することができ、流動パラフィン含浸多孔質支持体を調製することができる。この流動パラフィン含浸多孔質支持体は、次工程(2)において、下記の界面活性剤および酸化物源を含む混合液が前記多孔質支持体の孔内に侵入しないため、多孔質支持体表面に均一なメソポーラス酸化物薄膜を形成することができる。
[工程(2)]
本工程では、工程(1)で得た流動パラフィン含浸多孔質支持体の表面に、界面活性剤および酸化物源からなるゲル薄膜を形成させることにより、ゲル薄膜と前記支持体とから構成される多層構造体とする。前記ゲル薄膜の形成は、例えば、流動パラフィン含浸多孔質支持体の表面に、界面活性剤および酸化物源を含む混合溶液(以下、前駆体溶液ともいう)を塗布したのち、乾燥することによって行われる。塗布方法は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、通常、スピンコーティング法やディップコーティング法が好ましい。とくに、多孔質支持体上に均一な厚さでメソポーラス酸化物薄膜の前駆体溶液を保持させることができるという観点から、スピンコーティング法がより好ましい。
前記スピンコーティング法は、多孔質支持体を一定速度で回転させ、該多孔質支持体上に、界面活性剤および酸化物源を含む混合液を滴下し、均一塗布し、ついで乾燥することにより、ゲル薄膜を得る方法である。なお、スピンコーティング時における回転速度は2000〜5000rpmが好ましい。
また、前記ディップコーティング法は、界面活性剤および酸化物源を含む混合液内に、多孔質支持体を浸し、ついで一定速度で引き上げ、乾燥することにより、ゲル薄膜を得る方法である。
前記前駆体溶液は、例えば、界面活性剤を含む溶液と酸化物源を含む溶液とを混合撹拌することにより、または酸化物源を含む溶液に界面活性剤を含む溶液を加えることにより調製することができる。また、この調製の際に、例えばpH調整剤などの各種添加剤を適宜に用いることができる。
前記界面活性剤は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
前記イオン性界面活性剤としては、例えば、カチオン界面活性剤などが挙げられ、より具体的には例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムクロリドといった臭化物や塩化物が挙げられる。このほかにも、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウム塩、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、セチルトリメチルホスホニウム塩、オクタデシルトリメチルホスホニウム塩などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、エチレンオキサイド(EO)−プロピレンオキサイド(PO)−エチレンオキサイド(EO)コポリマーで、P123{(EO)20(PO)70(EO)20}やP127{(EO)106(PO)70(EO)106}などであるが、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの長さ(重合度)を変えることが出来るのは言うまでもない。また、エチレンオキサイドのポリマーで分子の末端が長鎖のアルキル基であるBrij700も界面活性剤として用いられる。
前記酸化物源としては、例えば金属酸化物源や非金属酸化物源が挙げられ、より具体的には、例えば、シリカ源、アルミナ源、チタニア源、ジルコニア源などの酸化物源が挙げられるが、これらの中でも好ましくはシリカ源である。
前記シリカ源としては、例えば、コロイダルシリカ、ケイ酸ソーダ、テトラアルキルアンモニウムシリケート(例えばテトラメチルアンモニウムシリケートなど)、シリコンアルコキシドなどが挙げられ、ここで、シリコンアルコキシドとしては、例えばトリメトキシシランやトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシランなどが挙げられる。本発明では、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記前駆体溶液の溶媒としては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、水、アルコールなどが挙げられる。前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどが挙げられる。また、前記溶媒は、水、メタノール、エタノールまたはプロパノールであるのが好ましい。
前記pH調整剤としては、例えば、酸やアルカリなどが挙げられ、より具体的には、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸、水酸化ナトリウム、アンモニアなどが挙げられる。なお、pH調整剤として酸を用いる場合には、前記混合液は通常pH1〜3の範囲に調整され、また、pH調整剤としてアルカリを用いる場合には、通常pH10〜13の範囲に調整される。
前記前駆体溶液中の各組成の配合割合については、メソポーラス酸化物薄膜の種類などにより適宜に設定されるので特に限定されないが、例えば、メソポーラス酸化物薄膜としてメソポーラスシリカ「MCM−48」の薄膜を得ようとする場合には、塩酸とシリカ源との割合(モル比:塩酸/シリカ源)は0.4〜0.5が好ましく、界面活性剤とシリカ源との割合(モル比:界面活性剤/シリカ源)は0.5〜0.6が好ましい。また、メソポーラス酸化物薄膜としてメソポーラスシリカ「SBA−15」の薄膜を得ようとする場合には、塩酸とシリカ源との割合(モル比:塩酸/シリカ源)は0.0002〜0.017が好ましく、界面活性剤とシリカ源との割合(モル比:界面活性剤/シリカ源)は0.0003〜0.017が好ましい。
また、メソポーラス酸化物薄膜としてメソポーラスシリカ「MCM−41」薄膜を得ようとする場合には、塩酸とシリカ源との割合(モル比:塩酸/シリカ源)は0.4〜0.6が好ましく、界面活性剤とシリカ源との割合(モル比:界面活性剤/シリカ源)は0.04〜1.0が好ましい。また、メソポーラス酸化物薄膜としてメソポーラスシリカ「SBA−16」の薄膜を得ようとする場合には、塩酸とシリカ源との割合(モル比:塩酸/シリカ源)は1〜4が好ましく、界面活性剤とシリカ源との割合(モル比:界面活性剤/シリカ源)は0.0004〜0.006が好ましい。
本工程では、前記塗布により得られた塗布物を乾燥させるが、この乾燥により、多孔質支持体上に、界面活性剤および酸化物源を含む混合溶液からゲル膜を形成することができる。乾燥温度は、本発明の目的を阻害しなければ特に限定されないが、多孔質支持体上にゲル薄膜がより均一に生成するという観点から、室温〜30℃が好ましい。
[工程(3)]
本工程では、前記工程(2)で得られた多層構造体を焼成することにより流動パラフィンと界面活性剤とを除去する。本工程により、メソポーラス酸化物薄膜が多孔質支持体上に積層されてなるメソポーラス複合体であって、前記多孔質支持体の内部に前記薄膜を構成する酸化物が実質的に存在しないメソポーラスシリカ複合体が得られる。前記焼成温度は、通常、流動パラフィンおよび界面活性剤のいずれの沸点よりも高い温度であり、界面活性剤の種類などによって適宜に設定されるが、あえて好ましい焼成温度をあげると、300℃〜700℃であり、より好ましくは300℃〜600℃であり、最も好ましくは500℃±100℃の範囲内の温度である。焼成時の昇温速度は、1℃/分が好ましい。また、焼成時の保持時間については、焼成温度が例えば500℃±100℃の範囲内である場合には、焼成時の保持時間が1〜48時間であるのが好ましい。
本工程により、多孔質支持体上にメソポーラス酸化物薄膜が均一に積層されており、かつ該多孔質支持体の内部に前記薄膜を構成する酸化物が実質的に存在していないメソポーラス複合体が得られる。
本工程で形成されたメソポーラス酸化物薄膜は、均一なメソ細孔を持ち、かつ規則的な周期構造を有する。さらには、該メソポーラス酸化物薄膜中の細孔径は、通常2〜10nmであり、かつ細孔容積は0.5〜1.4cc/gである。ここで、細孔径とは、細孔の垂直断面の最大寸法をいう。また、細孔容積とはメソポーラス酸化物薄膜の細孔からなる空隙部の容積であり、通常のガス吸着測定装置により測定できる。
また、本工程で形成されたメソポーラス酸化物薄膜の膜厚は、通常、500nm以下である。
[工程(4)]
本工程は、メソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜に、塩基性官能基を導入する。塩基性官能基の導入は常法に従い実施でき、例えば、前記メソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜と、末端に塩基性官能基を有するシランカップリング剤とを反応させて化学結合させるか、あるいは前記メソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜と、末端に塩基性官能基以外の有機官能基(すなわち、塩基性官能基に変換しうる基)を含有するシランカップリング剤とを反応させて化学結合させたのち、アミン化合物を用いて該有機官能基を塩基性官能基に変換することにより実施できる。
前記の塩基性官能基はアミノ基であるのが好ましく、アミン化合物は、1級アミン化合物(すなわち、末端にアミノ基を有する化合物)であるのが好ましい。
前記の末端に塩基性官能基を有するシランカップリング剤の好適な例としては、例えば、末端に官能基としてアミノ基を有するシランカップリング剤が挙げられ、より具体的には、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミンなどが挙げられる。これらのアミノ基を有するシランカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
前記のシランカップリング剤量は、該シランカップリング剤が化学結合したメソポーラス酸化物薄膜に対して、約0.1〜75質量%、好ましくは約1〜60質量%、さらに好ましくは約2.5〜50質量%である。シランカップリング剤のメソポーラス酸化物薄膜中の担持量が約0.1質量%未満であるとCOの吸着能が小さ過ぎ、約75質量%を超えると過剰量となり経済的でない。
前記メソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜と、前記の塩基性官能基(好ましくはアミノ基)を有するシランカップリング剤とを化学結合させるには、前記メソポーラス酸化物薄膜と、前記の塩基性官能基(好ましくはアミノ基)を有するシランカップリング剤とを化学反応(グラフト法)させればよい。かかる反応は、適当な溶剤中、不活性ガス(例えばアルゴンガス)雰囲気下で好適に実施できる。反応温度は特に限定されないが、溶剤の沸点以下の温度で還流させるのが好ましい。
前記溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エチル、メチルセロソルブおよびテトラヒドロフラン等の有機溶剤が挙げられるが、中でもトルエンが好ましい。
反応後、ろ過、洗浄、乾燥して、末端にアミノ基を有する基が導入されたメソポーラスシリカ複合体が得られる。
本工程により得られた、メソポーラス酸化物薄膜に、塩基性官能基を導入したメソポーラス複合体は、CO分離用複合体として用いることができる。
前記CO分離用複合体を用いて、COを含有する混合ガス(以下、CO混合ガスともいう)を、前記CO分離用複合体と接触させて、COを選択的に透過させることにより、CO混合ガスからCOを分離することができる。
本発明に適用されるCO混合ガスは、COを含有していれば他の成分など特に限定されないが、例えば、廃棄物処理設備、あるいは火力発電設備、製鉄プラントおよびセメントプラント等から発生する排ガスがあげられる。前記排ガスは水分を含有していてもよい。排ガス中の主成分は、一概には言えないが、例えば石油を燃料とする火力発電設備からの排ガス(脱硫装置出口における排ガスで、排ガス温度:約60℃、排ガス圧力:大気圧)の場合、COが約12〜13容積%(ドライベース)、Oが約2〜4容積%(ドライベース)、水が約9〜11容積%(ウェットベース)および残りがNである。
本発明のCOの分離方法の具体的な態様としては、前記CO分離用複合体の片側(メソポーラス酸化物薄膜側)に前記CO混合ガスを置き、その反対側(多孔質支持体表面側)のCO分圧をCO混合ガス側のCO分圧以下にすれば、CO分離用複合体中をCOが選択的に透過し、CO混合ガス中にあるCOを多孔質支持体表面側に分離することができる。このCO分離用複合体は通常室温〜200℃、好ましくは100℃〜200℃の温度で利用できる。
以下に本発明の実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
工程(1)
多孔質支持体として、細孔径60nm中間層と細孔径560nmの基材層を持つディスク状の多孔質アルミナ基板(直径:18.5mm、高さ3mm)を用いた。多孔質アルミナ基板を100mlビーカーに入れ、さらに0.1mol/lの希硝酸水溶液50mlを加え、12時間浸漬処理した。その後、蒸留水で洗浄水のpHが7になるまで良く洗浄し、洗浄後、乾燥機中60℃で乾燥した。さらに、アセトン50ml中に12時間浸漬したのち、60℃で乾燥した。
多孔質アルミナ基板の細孔内への下記メソポーラスシリカMCM−48薄膜前駆体溶液の浸透を防ぐために、半径10cm、深さ2cmのシャーレ上に、前処理した多孔質アルミナ基板を置き、流動パラフィン7mlを加え、上面に流動パラフィンが付着しないようにして、該多孔質アルミナ基板の細孔内に流動パラフィンを含浸させ、この処理をメソポーラスシリカ薄膜作製の前処理とした。
工程(2)
(メソポーラスシリカMCM−48薄膜の調製方法)
50mlのビーカーに10mlの蒸留水と0.83mlの36%濃塩酸(和光純薬社製)をpHメーターで観察しながら加え、pH=1.25の塩酸水溶液を調製した。塩酸水溶液1.8gを50mlビーカーに入れ、エタノール(和光純薬社製)3.50gおよびテトラエトキシシラン(アルドリッチ(Aldrich)社製)4.16gを静かに添加し、室温で30分攪拌を行った。この混合溶液に、臭化トリエチルステアリルアンモニウム(ナカライ社製)0.72gを加え溶解させ、1時間攪拌を行い、さらに、エタノール3.50gを加え2時間攪拌し、メソポーラスシリカ薄膜の前駆体溶液を調製した。
スピンコーターの回転台の中心に両面テープで、前処理した多孔質アルミナ基板を接着、固定した。その後、前記で調製した前駆体溶液をマイクロピペットでゆっくり滴下し、4000rpmで180秒間基板を回転させ、前駆体溶液のスピンコーティングを行い、ついで12時間乾燥することにより、ゲル薄膜を多孔質アルミナ基板上に設けた。
工程(3)
ゲル薄膜が設けられた多孔質アルミナ基板を磁性皿に置き、マッフル炉中で1K/分で500℃まで加熱し、500℃で10時間焼成を行うことで、流動パラフィンと界面活性剤とを焼成除去して、多孔質アルミナ基板上にメソポーラスシリカ薄膜を積層したメソポーラスシリカ複合体を得た。
工程(4)
工程(3)で作製したメソポーラスシリカ複合体およびトルエンを50mlのナス型フラスコに入れた後、アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を入れ、アルゴンガスの雰囲気下で150℃、24時間加熱還流を行った。その後、メソポーラスシリカ複合体を取り出し、トルエンで洗浄し、未反応のAPSを除去し、24時間乾燥させることにより、CO分離用複合体を得た。
[比較例1]
また、比較例として、流動パラフィン7mlを用いなかったこと以外、実施例と同様にして複合体を得た。
[試験例1]
APS処理を行った実施例のメソポーラスシリカ複合体(APS)、APS処理を行わなかった比較例のメソポーラスシリカ複合体(非APS)、および多孔質アルミナ基板のみについて、下記実験条件にて、図1および図2の通り、二酸化炭素/窒素の混合ガスの分離実験を行った。その結果を表1に示す。なお、二酸化炭素/窒素の混合ガスの分離実験の実験操作のフローチャートを図1に示し、二酸化炭素/窒素の混合ガスの分離実験の実験装置を模式的に図2に示す。図1に示すように、実施例のCO分離用複合体(APS)、比較例の複合体(非APS)および多孔質アルミナ基板のみを、それぞれセルに取り付け、24時間、100℃の条件で真空排気し、ついでブランクテストを行い、その後、CO/Nテストガスを流通させ、図2に示すように、CO/N混合ガスをCO分離用複合体に接触させて、CO分離用複合体を透過したガス(透過ガス)をサンプリングして、下記実験条件にてガスクロマトグラフィー(GC)測定を行った。
(実験条件)
ガス分析:ガスクロマトグラフィー;GC(TCD)
カラム:Porapak−Q 2m,Molecular Sieve 5A 2m
キャリアガス:He
テストガス:CO/N=20/80
ガス流量:100ml/min
入口ガス圧力:50kPa
表1より、本発明のCO分離用複合体は、100℃という高温度の条件であっても、COの選択的透過性に優れ、CO混合ガスからCOを効率的に分離できることがわかる。
[参考例1]
流動パラフィンを多孔質基板内に含浸させた後、スピンコーティング法によって製膜を行った実施例1のメソポーラスシリカ複合体のメソポーラスシリカ薄膜試料(a)、および流動パラフィンを多孔質基板内に含浸させないで製膜を行った比較例1の複合体のシリカ膜試料(b)のX線回折測定を行なった。測定結果を図3に示す。
多孔質基板内に流動パラフィンを含浸させた実施例のメソポーラスシリカ薄膜試料(a)のピーク強度は、図3中の(a)のとおり、回折ピークが明確に現われ、メソポーラスシリカ薄膜の細孔規則性が高いことを示している。一方、多孔質基板内に流動パラフィンを含浸させなかった比較例のシリカ膜試料(b)のピーク強度は、図3中の(b)のとおり、回折ピークは現われず、多孔質基板表面にメソポーラス薄膜が生成していないことが明らかとなった。
[実施例2]
(1) 多孔質支持体として、細孔径60nm中間層と細孔径560nmの基材層を持つディスク状の多孔質アルミナ基板(直径:18.5mm、高さ3mm)を用いた。多孔質アルミナ基板を100mlビーカーに入れ、さらに0.1mol/lの希硝酸水溶液50mlを加え、12時間浸漬処理した。その後、蒸留水で洗浄水のpHが7になるまで良く洗浄し、洗浄後、乾燥機中60℃で乾燥した。さらに、アセトン50ml中に12時間浸漬したのち、60℃で乾燥した。
多孔質アルミナ基板の細孔内への下記メソポーラスシリカMCM−48薄膜前駆体溶液の浸透を防ぐために、半径10cm、深さ2cmのシャーレ上に、前処理した多孔質アルミナ基板を置き、流動パラフィン7mlを加え、上面に流動パラフィンが付着しないようにして、該多孔質アルミナ基板の細孔内に流動パラフィンを含浸させ、この処理をメソポーラスシリカ薄膜作製の前処理とした。
(2)(メソポーラスシリカMCM−48薄膜の調製方法)
50mlのビーカーに10mlの蒸留水と0.83mlの36%濃塩酸(和光純薬社製)をpHメーターで観察しながら加え、pH=1.25の塩酸水溶液を調製した。塩酸水溶液をビーカーに入れ、エタノール(和光純薬社製)およびテトラエトキシシラン(アルドリッチ(Aldrich)社製)を静かに添加し、室温で30分攪拌を行った。この混合溶液に、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(ナカライ社製)を加え溶解させ、1時間攪拌を行い、さらに、エタノールを加え2時間攪拌し、メソポーラスシリカ薄膜の前駆体溶液を調製した。なお、前駆体溶液の各成分の配合量は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド:テトラエトキシシラン:塩酸水溶液(pH=1.25):エタノール=0.17:1:0.43:1.68(重量比)である。
スピンコーターの回転台の中心に両面テープで、前処理した多孔質アルミナ基板を接着、固定した。その後、前記で調製した前駆体溶液をマイクロピペットでゆっくり滴下し、4000rpmで180秒間基板を回転させ、前駆体溶液のスピンコーティングを行い、ついで室温で2時間乾燥することにより、ゲル薄膜を多孔質アルミナ基板上に設けた。
(3) ゲル薄膜が設けられた多孔質アルミナ基板を磁性皿に置き、マッフル炉中で1K/分で500℃まで加熱し、500℃で20時間焼成を行うことで、流動パラフィンと界面活性剤とを焼成除去して、多孔質アルミナ基板上にメソポーラスシリカ薄膜を積層したメソポーラスシリカ複合体を得た。
(4) 上記(3)で得られたメソポーラスシリカ複合体を、実施例1の(4)と同様に処理することにより、該複合体のメソポーラスシリカ薄膜にアミノ基が導入されたCO分離用複合体を得た。
[比較例2]
また、比較例2として、流動パラフィン7mlを用いなかったこと以外、実施例2と同様にして複合体を得た。
[試験例2]
実施例2で得られたメソポーラスシリカ複合体のメソポーラスシリカ膜および多孔質アルミナ基板の断面、ならびに比較例2で得られた複合体のシリカ膜および多孔質アルミナ基板の断面をそれぞれ走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。実施例2の観察結果を図4に示し、比較例2の観察結果を図5に示す。
観察結果から、実施例のメソポーラスシリカ薄膜が多孔質アルミナ基板上に積層されていることが分かり、さらには、多孔質アルミナ基板の内部にメソポーラスシリカ薄膜を構成するシリカが実質的に存在していないことが分かる。一方、比較例では、多孔質アルミナ基板の内部にシリカ膜を構成するシリカが実質的に存在していることが分かる。
本発明により、CO分離能に優れており、通常の高分子膜では性能が低下してしまう100℃以上の高温域での高選択的CO分離が可能であるCO分離用複合体を提供でき、また、本発明方法により、CO混合ガスからCOを工業的有利に分離することができる。
二酸化炭素/窒素の混合ガスの分離実験の実験操作のフローチャートを示す。 二酸化炭素/窒素の混合ガスの分離実験で用いる実験装置を示す模式図である。 多孔質アルミナ内に流動パラフィンを浸漬させた基板と浸漬させていない基板を支持体として用いて、スピンコーティングにより作製したシリカ膜のX線回折図を示すグラフである。(a)は、実施例1で得られたメソポーラスシリカ薄膜のX線解析図であり、(b)は、比較例1で得られたシリカ膜のX線解析図である。 試験例2において、実施例2のメソポーラスシリカ複合体のメソポーラスシリカ薄膜および多孔質アルミナ基板の断面形状をSEMで観察した結果を示す写真である。 試験例2において、比較例2の複合体のシリカ膜および多孔質アルミナ基板の断面形状をSEMで観察した結果を示す写真である。
符号の説明
1 複合体

Claims (13)

  1. メソポーラス酸化物薄膜が多孔質支持体上に積層されてなるメソポーラス複合体であって、前記多孔質支持体の内部に前記薄膜を構成する酸化物が実質的に存在しないメソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜に、塩基性官能基が導入されていることを特徴とするCO分離用複合体。
  2. 塩基性官能基がアミノ基である請求項1に記載のCO分離用複合体。
  3. メソポーラス酸化物薄膜の細孔径が2〜10nmかつ細孔容積が0.5〜1.4cc/gである請求項1または2に記載のCO分離用複合体。
  4. (1)多孔質支持体に流動パラフィンを含浸させ、(2)前記(1)で得た流動パラフィン含浸多孔質支持体の表面に、界面活性剤および酸化物源からなるゲル薄膜を形成させることにより多層構造体とし、ついで(3)該多層構造体を焼成することにより流動パラフィンと界面活性剤とを除去することによって、メソポーラス複合体を調製し、ついで(4)該メソポーラス複合体のメソポーラス酸化物薄膜に、塩基性官能基を導入することを特徴とする多孔質支持体上にCO分離膜を積層したCO分離用複合体の製造方法。
  5. 塩基性官能基の導入を、メソポーラス酸化物薄膜と、末端に塩基性官能基を有するシランカップリング剤とを化学結合させることにより行う請求項4に記載の製造方法。
  6. シランカップリング剤が、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミンから選ばれる一以上である請求項5に記載の製造方法。
  7. 多孔質支持体が、アルミナ、コージェライト、ジルコニア、チタニア、バイコールガラスまたは焼結金属である請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 酸化物源がシリカ源であり、該シリカ源が、コロイダルシリカ、ケイ酸ソーダ、テトラアルキルアンモニウムシリケートまたはシリコンアルコキシドである請求項4〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 界面活性剤が、カチオン界面活性剤である請求項4〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. ゲル薄膜形成を、界面活性剤および酸化物源を含む混合溶液を塗布・乾燥することにより行う請求項4〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 塗布を、スピンコーティング法により行う請求項10に記載の製造方法。
  12. 焼成を、300〜700℃で行う請求項4〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. COを含有する混合ガスを、請求項1〜3のいずれかに記載のCO分離用複合体または請求項4〜12のいずれかに記載の方法により得られるCO分離用複合体と接触させて、COを選択的に透過させることを特徴とするCOの分離方法。

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