JP2007042849A - 薄膜トランジスタの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 薄膜トランジスタの形成方法が、素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、を包含している。そして、前記第1の工程は、レーザプロセスによって前記ソース電極およびドレイン電極を設ける工程を含んでいる。
【選択図】 図2
Description
本実施形態では、本発明の薄膜トランジスタの形成方法がトップゲート型のTFTの製造に適用される。
まず、素子側基板10A(図1(a))を準備する。ここで、素子側基板10Aは、ベース基板31と、ベース基板31上に位置するアブレーション層41と、アブレーション層41上に位置する導電層51と、を備えている。ベース基板31は、少なくとも赤外域の波長の光に対して透過性を有する基板である。本実施形態では、ベース基板31は、ポリイミドからなる基板である。一方、アブレーション層41は、レーザ光を吸収してアブレーションを生じる材料から構成されている。アブレーション層は、照射されたレーザ光の波長を吸収する材料を含んでいる。本実施形態では、アブレーション層41は、有機バインダーと赤外域の波長の光を吸収するカーボンとからなり、印刷工程によって設けられている。このアブレーション層41の厚さは約0.1μmである。導電層51は、クロムからなり、蒸着工程によって設けられている。導電層51の厚さは約1.5μmである。なお、赤外域の波長の光を吸収する材料としては、カーボン以外に赤外吸収色素であってもよい。具体的には、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アントラキノン系色素、インドレニン系色素、ポリメチン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン色素、ニトロソ化合物およびその金属錯塩色素、アゾコバルト塩色素、チオールニッケル塩色素、トリアリルメタン系色素、インモニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラセン系色素、アズレン系色素、フタリド系色素などを用いることができる。
次に、図1(c)の上部に示すドナー基板D1を準備する。ドナー基板D1は、ベース基板32と、ベース基板32上に位置しているアブレーション層42と、アブレーション層42上に位置しているドナー側半導体層61と、を備えている。ここで、ベース基板32は、赤外域の波長の光に対して透過性を有している。本実施形態では、ベース基板32は、互いに積層された複数のポリエステルフィルムからなる。アブレーション層42は、上述のアブレーション層41と同じである。一方、ドナー側半導体層61は、F8T2(フルオレンとジチオフェンとからなるコポリマー)からなる。ドナー側半導体層61の厚さは約1μmである。
次に、図2(a)の上部に示すドナー基板D2を準備する。ドナー基板D2は、ベース基板33と、ベース基板33上に位置しているアブレーション層43と、アブレーション層43上に位置している絶縁層71と、を備えている。ここで、ベース基板33は、上述のベース基板32と同じである。また、アブレーション層43は、上述のアブレーション層41と同じである。また、本実施形態の絶縁層71は、ポリビニルフェノール(PVP)からなる。絶縁層71の厚さは、5μmである。
次に、図2(c)の上部に示すドナー基板D3を準備する。ここで、ドナー基板D3は、ベース基板34と、ベース基板34上に位置しているアブレーション層44と、アブレーション層44上に位置している導電層52と、を備えている。ベース基板34は、ベース基板32と同じである。また、アブレーション層44は、アブレーション層41と同じである。そして、導電層52は、クロムからなり、蒸着法によって設けられている。導電層52の厚さは約1.5μmである。
本実施形態では、本発明の薄膜トランジスタの形成方法がボトムゲート型のTFTの製造プロセスに適用される。なお、本実施形態において、実施形態1と同様な構成要素には実施形態1と同じ参照符号が付されている。
まず、素子側基板10B(図3(a))を準備する。ここで、素子側基板10Bは、ベース基板31と、ベース基板31上に位置するアブレーション層41と、アブレーション層41上に位置する導電層53と、を備えている。ここで、図3(a)の状態での素子側基板10Bの構造は、導電層53の厚さを除いて、図1(a)で説明した素子側基板10Aの構造と同じである。そして、導電層53の厚さは、約2μmである。
次に、図3(c)の上部に示すドナー基板D4を準備する。ここで、ドナー基板D4は、ベース基板32と、ベース基板32上に位置している光熱変換層81と、光熱変換層81上に位置している絶縁層71と、を備えている。ベース基板32は、実施形態1で説明したように、赤外域の波長の光に対して透過性を有する。また、光熱変換層81は、照射されたレーザ光のエネルギーを熱に変換する層である。光熱変換層81の光学密度は、レーザビームL5の波長範囲で、0.2〜3.0であればよい。このような光熱変換層81の材料としては、カーボンブラックまたはグラファイトが好ましい。また赤外域の波長を用いる場合には、カーボンブラックやグラファイト以外に赤外吸収色素を用いることによって効率のよい光熱変換層を得ることができる。具体的には、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アントラキノン系色素、インドレニン系色素、ポリメチン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン色素、ニトロソ化合物およびその金属錯塩色素、アゾコバルト塩色素、チオールニッケル塩色素、トリアリルメタン系色素、インモニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラセン系色素、アズレン系色素、フタリド系色素などを用いることができる。絶縁層71は、実施形態1で説明したように、ポリビニルフェノール(PVP)からなる層である。
次に、図4(a)の上側に示すドナー基板D5を準備する。ここで、ドナー基板D5は、ベース基板33と、ベース基板33上に位置する光熱変換層82と、光熱変換層82上に位置しているドナー側半導体層61と、を備えている。
まず、図4(c)の上部に示すようなドナー基板D6を準備する。ドナー基板D6は、ベース基板34と、ベース基板34上に位置するアブレーション層42と、アブレーション層42上に位置する導電層54と、を備えている。アブレーション層42は、実施形態1のアブレーション層41と同じである。また、導電層54はクロムからなる。
実施形態1の導電層51,52はクロムからなる。ただし、本発明はこのような形態に限定されない。具体的には、導電層51,52はAgなどの他の金属でもよいし、ポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などの導電性高分子でもよい。
実施形態1および2では、アブレーション層41,42,43,44は、いずれも同じである。しかしながら、このような構成に代えて、それぞれ異なるアブレーション層が用いられてもよい。また、実施形態1のアブレーション層41は、有機バインダーとカーボンとを含有する層であるが、アブレーション層41が、赤外線を吸収する金属からなる層であってもよい。
本実施形態によれば、アブレーション層41,42,43,44または光熱変換層81,82を利用してTFTにおけるそれぞれの構成要素を形取るので、上述のレーザ装置として既存のCTP(コンピュータ・トゥ・プレイト)システムを利用できる。利用されるCTPシステムの構成はドラム型でもよいし、フラットベッド型でもよい。ドラム型のCTPシステムを利用する場合には、互いに重なり合った基板10A(10B)とドナー基板D1(D2,D3,D4,D5,D6)とを高真空下でドラムに巻きつける。そして、ドラムを回転させながら、回転するドラム上の基板10Aまたはドナー基板D1にレーザビームを照射すればよい。このように、レーザ装置を新たに設計しなくても、レーザプロセスによる上述のメリットを得ることができる。なお、レーザ装置に利用できるCTPシステムの一例として、Creo社製の「TrendSetter(Creo社の商標)」がある。
Claims (12)
- 素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、
前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、
前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、
前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、
を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第1の工程は、レーザプロセスによって前記ソース電極およびドレイン電極を設ける工程を含む、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 請求項1記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第1の工程は、
(a)基板と、前記基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えた前記素子側基板を準備する工程と、
(b)前記導電層から前記ソース電極およびドレイン電極以外の部分が取り除かれるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
を含んでいる、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、
前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、
前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、
前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、
を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第3の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート絶縁層を設ける工程を含む、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 請求項3記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第3の工程は、
(c)ベース基板と、前記ベース基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の絶縁層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、
(d)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記絶縁層の少なくとも一部が転写されて前記ゲート絶縁層が得られるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
を含んでいる、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、
前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、
前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、
前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、
を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第4の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート電極を設ける工程を含む、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 請求項5記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第4の工程は、
(e)ベース基板と、前記ベース基板上の前記アブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、
(f)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記導電層の少なくとも一部が転写されて前記ゲート電極が得られるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
を含んでいる、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 素子側基板にゲート電極を設ける第1の工程と、
前記ゲート電極上にゲート絶縁層を設ける第2の工程と、
前記ゲート電極に重なる半導体層を設ける第3の工程と、
前記半導体層にそれぞれ接するソース電極およびドレイン電極を設ける第4の工程と、
を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第1の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート電極を設ける工程を含む、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 請求項7記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第1の工程は、
(a)基板と、前記基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えた前記素子側基板を準備する工程と、
(b)前記導電層から前記ゲート電極以外の部分が取り除かれるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
を含んでいる、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 素子側基板にゲート電極を設ける第1の工程と、
前記ゲート電極上にゲート絶縁層を設ける第2の工程と、
前記ゲート電極に重なる半導体層を設ける第3の工程と、
前記半導体層にそれぞれ接するソース電極およびドレイン電極を設ける第4の工程と、
を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第2の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート絶縁層を設ける工程を含む、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 請求項9記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第2の工程は、
(c)ベース基板と、前記ベース基板上の光熱変換層と、前記光熱変換層上の絶縁層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、
(d)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記絶縁層の少なくとも一部が転写されて前記ゲート絶縁層が得られるように、レーザビームを前記光熱変換層に照射する工程と、
を含んでいる、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 素子側基板にゲート電極を設ける第1の工程と、
前記ゲート電極上にゲート絶縁層を設ける第2の工程と、
前記ゲート電極に重なる半導体層を設ける第3の工程と、
前記半導体層にそれぞれ接するソース電極およびドレイン電極を設ける第4の工程と、
を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第4の工程は、レーザプロセスによって前記ソース電極およびドレイン電極を設ける工程を含む、
薄膜トランジスタの形成方法。 - 請求項11記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
前記第4の工程は、
(e)ベース基板と、前記ベース基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、
(f)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記導電層の少なくとも一部が転写されて前記ソース電極および前記ドレイン電極が得られるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
を含んでいる、
薄膜トランジスタの形成方法。
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