JP2007042849A - 薄膜トランジスタの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーザプロセスを利用した薄膜トランジスタの形成方法を提供すること。
【解決手段】 薄膜トランジスタの形成方法が、素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、を包含している。そして、前記第1の工程は、レーザプロセスによって前記ソース電極およびドレイン電極を設ける工程を含んでいる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、薄膜トランジスタの形成方法に関する。
いわゆる有機TFT(有機薄膜トランジスタ)は、曲げられても機能するので、フレキシブルなシートディスプレイなどへの応用が期待されている。そして、様々なアプローチによる有機TFTの形成方法が研究されている。例えば、非特許文献1は、印刷製造による有機TFTの形成方法を開示している。
安藤正彦,「アライメントフリー印刷製造を目指した有機トランジスタ技術」,2004年度 印刷・情報記録・表示研究会講座 講演要旨集,高分子学会,p.16−21
しかしながら、レーザプロセスを利用した薄膜トランジスタの形成方法は知られていない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされ、その目的の一つは、レーザプロセスを利用した薄膜トランジスタの形成方法を提供することである。
本発明の薄膜トランジスタの形成方法は、素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、を包含している。そして、前記第1の工程は、レーザプロセスによって前記ソース電極およびドレイン電極を設ける工程を含んでいる。
上記特徴によれば、ソース電極およびドレイン電極がレーザプロセスによって設けられる。
本発明のある態様では、前記第1の工程は、(a)基板と、前記基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えた前記素子側基板を準備する工程と、(b)前記導電層から前記ソース電極およびドレイン電極以外の部分が取り除かれるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、を含んでいる。
本発明の薄膜トランジスタの形成方法は、素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、を包含している。そして、前記第3の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート絶縁層を設ける工程を含んでいる。
上記特徴によれば、ゲート絶縁層がレーザプロセスによって設けられる。
本発明のある態様では、前記第3の工程は、(c)ベース基板と、前記ベース基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の絶縁層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、(d)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記絶縁層の少なくとも一部が転写されて前記ゲート絶縁層が得られるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、を含んでいる。
上記特徴によれば、ドナー基板から素子側基板へ、絶縁層のうちゲート絶縁層として必要な部分が転写される。したがって、ドナー基板から素子側基板へ転写されなかった部分は、他の素子側基板のTFTのゲート絶縁層として転写され得る。このため、ゲート絶縁層を形取る際に余分となって廃棄される絶縁材料の量を少なくできる。
本発明の薄膜トランジスタの形成方法は、素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、を包含している。そして、前記第4の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート電極を設ける工程を含んでいる。
上記特徴によれば、ゲート電極がレーザプロセスによって設けられる。
本発明のある態様では、前記第4の工程は、(e)ベース基板と、前記ベース基板上の前記アブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、(f)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記導電層の少なくとも一部が転写されて前記ゲート電極が得られるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、を含んでいる。
上記特徴によれば、ドナー基板から素子側基板へ、導電層のうちゲート電極として必要な部分が転写される。したがって、ドナー基板から素子側基板へ転写されなかった部分は、他の素子側基板のTFTのゲート電極として転写され得る。このため、ゲート電極を形取る際に余分となって廃棄される導電材料の量を少なくできる。
本発明の薄膜トランジスタの形成方法は、素子側基板にゲート電極を設ける第1の工程と、前記ゲート電極上にゲート絶縁層を設ける第2の工程と、前記ゲート電極に重なる半導体層を設ける第3の工程と、前記半導体層にそれぞれ接するソース電極およびドレイン電極を設ける第4の工程と、を包含している。そして、前記第1の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート電極を設ける工程を含んでいる。
上記特徴によれば、ゲート電極がレーザプロセスによって設けられる。
本発明のある態様では、前記第1の工程は、(a)基板と、前記基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えた前記素子側基板を準備する工程と、(b)前記導電層から前記ゲート電極以外の部分が取り除かれるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、を含んでいる。
本発明の薄膜トランジスタの形成方法は、素子側基板にゲート電極を設ける第1の工程と、前記ゲート電極上にゲート絶縁層を設ける第2の工程と、前記ゲート電極に重なる半導体層を設ける第3の工程と、前記半導体層にそれぞれ接するソース電極およびドレイン電極を設ける第4の工程と、を包含している。そして、前記第2の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート絶縁層を設ける工程を含んでいる。
上記特徴によれば、ゲート絶縁層がレーザプロセスによって設けられる。
本発明のある態様では、前記第2の工程は、(c)ベース基板と、前記ベース基板上の光熱変換層と、前記光熱変換層上の絶縁層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、(d)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記絶縁層の少なくとも一部が転写されて前記ゲート絶縁層が得られるように、レーザビームを前記光熱変換層に照射する工程と、を含んでいる。
上記特徴によれば、ドナー基板から素子側基板へ、絶縁層のうちゲート絶縁層として必要な部分が転写される。したがって、ドナー基板から素子側基板へ転写されなかった部分は、他のTFTのゲート絶縁層として転写され得る。このため、ゲート絶縁層を形取る際に余分となって廃棄される絶縁材料の量を少なくできる。
本発明の薄膜トランジスタの形成方法は、素子側基板にゲート電極を設ける第1の工程と、前記ゲート電極上にゲート絶縁層を設ける第2の工程と、前記ゲート電極に重なる半導体層を設ける第3の工程と、前記半導体層にそれぞれ接するソース電極およびドレイン電極を設ける第4の工程と、を包含している。そして、前記第4の工程は、レーザプロセスによって前記ソース電極およびドレイン電極を設ける工程を含んでいる。
上記特徴によれば、ソース電極およびドレイン電極がレーザプロセスによって設けられる。
本発明のある態様では、前記第4の工程は、(e)ベース基板と、前記ベース基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、(f)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記導電層の少なくとも一部が転写されて前記ソース電極および前記ドレイン電極が得られるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、を含んでいる。
上記特徴によれば、ドナー基板から素子側基板へ、導電層のうちソース電極・ドレイン電極として必要な部分が転写される。したがって、ドナー基板から素子側基板へ転写されなかった部分は、他のTFTのソース電極・ドレイン電極として転写され得る。このため、ソース電極・ドレイン電極を形取る際に余分となって廃棄される導電材料の量を少なくできる。
(実施形態1)
本実施形態では、本発明の薄膜トランジスタの形成方法がトップゲート型のTFTの製造に適用される。
(1.ソース電極およびドレイン電極)
まず、素子側基板10A(図1(a))を準備する。ここで、素子側基板10Aは、ベース基板31と、ベース基板31上に位置するアブレーション層41と、アブレーション層41上に位置する導電層51と、を備えている。ベース基板31は、少なくとも赤外域の波長の光に対して透過性を有する基板である。本実施形態では、ベース基板31は、ポリイミドからなる基板である。一方、アブレーション層41は、レーザ光を吸収してアブレーションを生じる材料から構成されている。アブレーション層は、照射されたレーザ光の波長を吸収する材料を含んでいる。本実施形態では、アブレーション層41は、有機バインダーと赤外域の波長の光を吸収するカーボンとからなり、印刷工程によって設けられている。このアブレーション層41の厚さは約0.1μmである。導電層51は、クロムからなり、蒸着工程によって設けられている。導電層51の厚さは約1.5μmである。なお、赤外域の波長の光を吸収する材料としては、カーボン以外に赤外吸収色素であってもよい。具体的には、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アントラキノン系色素、インドレニン系色素、ポリメチン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン色素、ニトロソ化合物およびその金属錯塩色素、アゾコバルト塩色素、チオールニッケル塩色素、トリアリルメタン系色素、インモニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラセン系色素、アズレン系色素、フタリド系色素などを用いることができる。
なお、「素子側基板」とは、ベース基板31のような基板それ自体を指す表記であるし、またはベース基板31のような基板と、その基板上の少なくとも1つの層またはパターンをまとめた表記でもある。そして、本実施形態の場合には、素子側基板10Aに、最終的にTFT90(図2(d))が設けられることになる。
次に、図1(a)および(b)に示すように、後述するレーザプロセスによって、素子側基板10Aにソース電極51sとドレイン電極51dとを設ける。
具体的には、まず、素子側基板10Aを、図示しないレーザ装置にセットする。そして、レーザ装置からのレーザビームL1のビームスポットがベース基板31とアブレーション層41との間の境界面に位置するように、レーザ装置を調整する。さらに、レーザビームL1がアブレーション層41のアブレーションを誘起するように、レーザビームL1の強度を設定する。
ここで、本実施形態のレーザ装置は、レーザビームL1を射出するダイオードレーザと、上記界面上でレーザビームL1のビームスポットを2次元的に走査するスキャン光学系と、コンピュータと、を備えている。ここで、ダイオードレーザが射出するレーザビームL1の波長は830nmである。また、スキャン光学系は、ビームエクスパンダと、ガルバノメータと、f−θレンズと、を備えており、上記境界面でのレーザビームL1のビームスポット径が15μmになるように設定されている。コンピュータには、ソース電極51S・ドレイン電極51dなどのTFTのそれぞれの構成要素の形状に対応したデータが格納されており、そのデータに基づいてコンピュータは、スキャン光学系によるビームスポットの走査を制御する。後述の説明からも明らかなように、本実施形態のレーザプロセスによれば、ビームスポットの走査によってTFTにおけるそれぞれの構成要素が形取られる。したがって、コンピュータに格納されたデータから直接、TFTのそれぞれの構成要素を形取ることができる。
上記のように調整されたレーザ装置を用いて、ベース基板31を介してアブレーション層41へ、レーザビームL1を照射する。この際には、形成すべきソース電極51sおよびドレイン電極51dの形状に応じて、レーザビームL1を照射する。ここで、アブレーション層41のうち、レーザビームL1が入射した部分ではアブレーションを生じる。このため、レーザビームL1が入射した部分のアブレーション層41は、導電層51を伴って、ベース基板31から取り除かれる。そこで、本工程では、ソース電極51sおよびドレイン電極51dに対応する部分にはレーザビームL1を入射せず、ソース電極51sおよびドレイン電極51d以外に対応する部分にレーザビームL1を入射する。そうすると、ソース電極51sになる部分と、ドレイン電極51dになる部分と、を残して、導電層51が取り除かれる。
なお、アブレーション層41へのレーザビームL1の照射は、高真空下、または減圧された不活性ガス下で行うことが好ましい。
以上のようなレーザプロセスによって、図1(b)に示すソース電極51sとドレイン電極51dとが得られる。このように、レーザプロセスが利用されるので、ソース電極51sおよびドレイン電極51dのパターニングの際に、レジストもフォトマスクも不要である。なお、本実施形態のレーザプロセスでは、ソース電極51s・ドレイン電極51dと、ベース基板31との間に、アブレーション層41が残る。
このように、本明細書の「レーザプロセス」とは、アブレーション層上でレーザビームを走査して、アブレーション層上に位置する層を所定形状にパターニングする工程である。あるいは、以下で説明するように、「レーザプロセス」は、アブレーション層上でレーザビームを走査して、アブレーション層上に位置する層のうち所定形状の部分を他の表面に転写する工程でもある。なお、層それ自体がアブレーション可能な材料を含有している場合には、アブレーション層は省略できる。つまりこの場合には、「レーザプロセス」は、層上でレーザビームを走査して、層を所定形状にパターニングする工程でもあるし、層のうち所定形状の部分を他の表面に転写する工程でもある。
または、実施形態2で説明するように、「レーザプロセス」とは、光熱変換層上でレーザビームを走査して、光熱変換層上に位置する層のうち所定形状の部分を他の表面に転写する工程でもある。
(2.半導体層)
次に、図1(c)の上部に示すドナー基板D1を準備する。ドナー基板D1は、ベース基板32と、ベース基板32上に位置しているアブレーション層42と、アブレーション層42上に位置しているドナー側半導体層61と、を備えている。ここで、ベース基板32は、赤外域の波長の光に対して透過性を有している。本実施形態では、ベース基板32は、互いに積層された複数のポリエステルフィルムからなる。アブレーション層42は、上述のアブレーション層41と同じである。一方、ドナー側半導体層61は、F8T2(フルオレンとジチオフェンとからなるコポリマー)からなる。ドナー側半導体層61の厚さは約1μmである。
ここで、ドナー側半導体層61の形成方法の一例は次の通りである。まず、アブレーション層42上にF8T2のデカリン溶液を塗布し、塗布されたデカリン溶液を乾燥する。そうすると、F8T2が析出してドナー側半導体層61が得られる。なお、このような形成方法に代えて、蒸着法によってペンタセン、ルブレン、またはフタロシアニン等の低分子からなるドナー側半導体層61を形成することもできる。
次に、図1(c)および(d)に示すように、レーザプロセスによって、ソース電極51sとドレイン電極51dとに接する半導体層61gを設ける。詳細は以下の通りである。
まず、ドナー基板D1と、素子側基板10Aとを、互いに重ねる。この際に、ドナー側半導体層61がソース電極51s・ドレイン電極51dに対面するように、ドナー基板D1を素子側基板10Aに対して配向させる。そのうえで、上述のレーザ装置を用いて、ベース基板32を介してアブレーション層42へ、レーザビームL2を照射する。
そうすると、アブレーション層42のうち、レーザビームL2が入射した部分ではアブレーションが生じるので、ドナー側半導体層61の対応する部分がドナー基板D1から離れる。ここで、ドナー基板D1と素子側基板10Aとは重ねられているので、ドナー側半導体層61の対応する部分は素子側基板10Aに転写される。そこで、本工程では、形成すべき半導体層61gの形状に応じてレーザビームL2を照射する。なお、アブレーション層42がアブレーション層41と同じなので、レーザビームL2の波長は、レーザビームL1の波長と同じでよい。
さて、図1(c)および(d)によれば、ドナー側半導体層61の全体が転写されるように、アブレーション層42上でレーザビームL2が走査されている。ただし、得られる半導体層61gが、ソース電極51sとドレイン電極51dとに接するとともに、後述のゲート電極52gに対向するのであれば、ドナー側半導体層61の一部だけが転写されるように、アブレーション層42上でレーザビームL2が走査されてもよい。
また、レーザビームL2をアブレーション層42上で走査する際には、レーザビームL2を、ソース電極51sおよびドレイン電極51dの一方から他方へ向かう方向に走査させることが好ましい。さらに、それらの一方から他方に至るまでの走査をしている期間中には、レーザビームL2を連続的に射出し続けることが好ましい。そうすれば、それらのことによって、1つのTFTに対応する半導体層61g内で、電子または正孔など、キャリアの移動方向に対して垂直な界面が生じないからである。
ドナー側半導体層61のこのような転写によって、図1(d)に示すように、ソース電極51sとドレイン電極51dとに接する半導体層61gが設けられる。なお、本実施形態では、ドナー側半導体層61とともにアブレーション層42が犠牲層として転写されるので、半導体層61g上には、アブレーション層42が位置している。
上述のように半導体層61gはF8T2から構成される。F8T2は、高分子系の半導体材料の一つである。F8T2以外の高分子系の半導体材料としては、PT(ポリチオフェン)、ポリピロール、ポリアセチレン、PTV、PPV、PNV、PAA、BBL等を用いることができる。本実施形態の製造方法によれば、ドナー基板D1さえ入手、つまり準備できれば、半導体層61gを構成する材料が低分子系の半導体材料であっても、レーザ装置の構成を実質的に改変する必要がない。具体的な低分子系の半導体材料としては、ペンタセン類、ルブレン類、フラーレン類、フタロシアニン類、TCNQ等を用いることができる。
以上の説明から明らかなように、ドナー基板D1から素子側基板10Aへ、ドナー側半導体層61のうち半導体層61gとして必要な部分が転写される。そして、ドナー基板D1から素子側基板10Aへ転写されなかった部分は、他の素子側基板10AのTFTの半導体層61gとして転写され得る。ここで、転写されなかった部分を他の素子側基板10Aへ転写する場合には、他の素子側基板10Aとドナー基板D1とを重ねる際の両者の相対位置関係を、先の素子側基板10Aとドナー基板D1とを重ねる際の両者の相対位置関係からずらせばよい。これらのことから、蒸着法とも印刷法とも異なり、本実施形態によれば、半導体層61gを形取る際に余分となって廃棄される半導体材料の量を少なくできる。したがって、地球環境にやさしい製造プロセスが実現し得る。
さて、従来のフォトリソグラフィープロセスにおいては、半導体層をパターニングすると同時に半導体層の高精度なアライメントを実現する技術が確立している。ところが、有機半導体材料からなる半導体層にはフォトリソグラフィープロセスが適用され得ない。そこで、一般には、フォトリソグラフィープロセスの代替として、マスク蒸着法または印刷法を利用して有機半導体材料からなる半導体層がパターニングされる。ここでは、有機半導体材料の種類に応じて、マスク蒸着法および印刷法の一方が選択されるが、印刷法の場合には十分なアライメント精度を得ることが困難である。つまり、有機半導体材料の違いがアライメント精度を決定している。しかしながら本実施形態では、半導体層61gを形取る際にレーザプロセスを利用するので、半導体層61gを構成する材料の種類に拘わらず、TFTにおける他の構成要素に対して半導体層61gを高精度にアライメントできる。
(3.ゲート絶縁層)
次に、図2(a)の上部に示すドナー基板D2を準備する。ドナー基板D2は、ベース基板33と、ベース基板33上に位置しているアブレーション層43と、アブレーション層43上に位置している絶縁層71と、を備えている。ここで、ベース基板33は、上述のベース基板32と同じである。また、アブレーション層43は、上述のアブレーション層41と同じである。また、本実施形態の絶縁層71は、ポリビニルフェノール(PVP)からなる。絶縁層71の厚さは、5μmである。
次に、図2(a)および(b)に示すように、レーザプロセスによって、半導体層61gに重なるゲート絶縁層71gを設ける。詳細は以下の通りである。
まず、ドナー基板D2と、素子側基板10Aとを、互いに重ねる。この際に、絶縁層71がアブレーション層42に対面するように、ドナー基板D2を素子側基板10Aに対して配向させる。そのうえで、上述のレーザ装置を用いて、ベース基板33を介してアブレーション層43へ、レーザビームL3を照射する。
そうすると、アブレーション層43のうち、レーザビームL3が入射した部分ではアブレーションが生じるので、絶縁層71の対応する部分がドナー基板D2から離れる。ここで、ドナー基板D2と素子側基板10Aとは重ねられているので、絶縁層71の対応する部分は素子側基板10Aに転写される。そこで、本工程では、形成すべきゲート絶縁層71gの形状に応じてレーザビームL3を照射する。なお、アブレーション層43がアブレーション層41と同じなので、レーザビームL3の波長は、レーザビームL1の波長と同じでよい。
さて、図2(a)および(b)によれば、絶縁層71の全領域が転写されるように、アブレーション層43上でレーザビームL3が走査されている。ただし、得られるゲート絶縁層71gが、半導体層61gと後述のゲート電極52gとの間に位置するのであれば、絶縁層71の一部だけが転写されるように、アブレーション層43上でレーザビームL3が走査されてもよい。
絶縁層71のこのような転写によって、図2(b)に示すように、半導体層61gに重なるゲート絶縁層71gが設けられる。なお、本実施形態では、絶縁層71とともにアブレーション層43も転写されるので、ゲート絶縁層71g上には、アブレーション層43が位置している。
以上の説明から明らかなように、ドナー基板D2から素子側基板10Aへ、絶縁層71のうちゲート絶縁層71gとして必要な部分が転写される。そして、ドナー基板D2から素子側基板10Aへ転写されなかった部分は、他の素子側基板10AのTFTのゲート絶縁層71gとして転写され得る。ここで、転写されなかった部分を他の素子側基板10Aへ転写する場合には、他の素子側基板10Aとドナー基板D2とを重ねる際の両者の相対位置関係を、先の素子側基板10Aとドナー基板D2とを重ねる際の両者の相対位置関係からずらせばよい。これらのことから、蒸着法とも印刷法とも異なり、本実施形態によれば、ゲート絶縁層71gを形取る際に余分となって廃棄される絶縁材料の量を少なくできる。したがって、地球環境にやさしい製造プロセスが実現し得る。
(4.ゲート電極)
次に、図2(c)の上部に示すドナー基板D3を準備する。ここで、ドナー基板D3は、ベース基板34と、ベース基板34上に位置しているアブレーション層44と、アブレーション層44上に位置している導電層52と、を備えている。ベース基板34は、ベース基板32と同じである。また、アブレーション層44は、アブレーション層41と同じである。そして、導電層52は、クロムからなり、蒸着法によって設けられている。導電層52の厚さは約1.5μmである。
そして、図2(c)および(d)に示すように、レーザプロセスによって、半導体層61gに重畳するゲート電極52gを設ける。詳細は以下の通りである。
まず、ドナー基板D3と、素子側基板10Aとを、互いに重ねる。この際に、導電層52がアブレーション層43に対面するように、ドナー基板D3を素子側基板10Aに対して配向させる。そのうえで、上述のレーザ装置を用いて、ベース基板34を介してアブレーション層44へ、レーザビームL4を照射する。
そうすると、アブレーション層44のうち、レーザビームL4が入射した部分ではアブレーションが生じるので、導電層52の対応する部分がドナー基板D3から離れる。ここで、ドナー基板D3と素子側基板10Aとは重ねられているので、導電層52の対応する部分は素子側基板10Aに転写される。そこで、本工程では、形成すべきゲート電極52gの形状に応じてレーザビームL4を照射する。なお、アブレーション層44がアブレーション層41と同じなので、レーザビームL4の波長は、レーザビームL1の波長と同じでよい。
導電層52のこのような転写によって、図2(d)に示すように、半導体層61gに重畳するゲート電極52gが設けられる。なお、本実施形態では、導電層52とともにアブレーション層44も転写されるので、ゲート電極52g上にはアブレーション層44が位置している。
以上の説明から明らかなように、ドナー基板D3から素子側基板10Aへ、導電層52のうちゲート電極52gとして必要な部分が転写される。そして、ドナー基板D3から素子側基板10Aへ転写されなかった部分は、他の素子側基板10AのTFT90のゲート電極52gとして転写され得る。ここで、転写されなかった部分を他の素子側基板10Aへ転写する場合には、他の素子側基板10Aとドナー基板D3とを重ねる際の両者の相対位置関係を、先の素子側基板10Aとドナー基板D3とを重ねる際の両者の相対位置関係からずらせばよい。これらのことから、蒸着法とも印刷法とも異なり、本実施形態によれば、ゲート電極52gを形取る際に余分となって廃棄される導電材料の量を少なくできる。したがって、地球環境にやさしい製造プロセスが実現し得る。
このように本実施形態では、4つのレーザプロセスによってTFT90が得られる。つまり、ソース電極51s、ドレイン電極51d、半導体層61g、ゲート絶縁層71g、およびゲート電極52gのそれぞれが、それぞれのレーザプロセスによって設けられる。しかしながら、本発明はこのような形態に限定されない。具体的には、ソース電極51s、ドレイン電極51d、半導体層61g、ゲート絶縁層71g、およびゲート電極52gの少なくとも一つがレーザプロセスによって設けられればよい。そして、その残りが従来の製法で設けられてもよい。ただし、レーザプロセスを利用してTFT90の全ての構成要素を形成すれば、いずれかの構成要素の材料が変更されても、レーザプロセスにおける改変は実質不要なので、この点で有利である。
そして、本実施形態によれば、レーザプロセスによって半導体層61gが設けられるので、半導体層61gを構成する材料に依存せず、半導体層61gを設けることができる。また、アブレーション層41,42,43,44がいずれも同じなので、同じ波長のレーザビームL1,L2,L3,L4を用いることができる。つまり、素子側基板10A、およびドナー基板D1,D2,D3さえ入手、つまり準備できれば、1つの同じレーザ装置で、TFT90を形成できる。
(実施形態2)
本実施形態では、本発明の薄膜トランジスタの形成方法がボトムゲート型のTFTの製造プロセスに適用される。なお、本実施形態において、実施形態1と同様な構成要素には実施形態1と同じ参照符号が付されている。
(1.ゲート電極)
まず、素子側基板10B(図3(a))を準備する。ここで、素子側基板10Bは、ベース基板31と、ベース基板31上に位置するアブレーション層41と、アブレーション層41上に位置する導電層53と、を備えている。ここで、図3(a)の状態での素子側基板10Bの構造は、導電層53の厚さを除いて、図1(a)で説明した素子側基板10Aの構造と同じである。そして、導電層53の厚さは、約2μmである。
次に、図3(a)および(b)に示すように、レーザプロセスによって、ゲート電極53gを設ける。ゲート電極53gを設けるレーザプロセスは、実施形態1のソース電極51s・ドレイン電極51dを設けるレーザプロセスと基本的に同じである。ただし、実施形態1とは異なり本実施形態では、ゲート電極53gを残して導電層53が取り除かれるように、レーザビームL1を照射する。このように、レーザプロセスが利用されるので、ゲート電極53dのパターニングの際に、レジストもフォトマスクも不要である。なお、本実施形態のレーザプロセスでは、得られるゲート電極53gとベース基板31との間に、アブレーション層41が残る。
(2.ゲート絶縁層)
次に、図3(c)の上部に示すドナー基板D4を準備する。ここで、ドナー基板D4は、ベース基板32と、ベース基板32上に位置している光熱変換層81と、光熱変換層81上に位置している絶縁層71と、を備えている。ベース基板32は、実施形態1で説明したように、赤外域の波長の光に対して透過性を有する。また、光熱変換層81は、照射されたレーザ光のエネルギーを熱に変換する層である。光熱変換層81の光学密度は、レーザビームL5の波長範囲で、0.2〜3.0であればよい。このような光熱変換層81の材料としては、カーボンブラックまたはグラファイトが好ましい。また赤外域の波長を用いる場合には、カーボンブラックやグラファイト以外に赤外吸収色素を用いることによって効率のよい光熱変換層を得ることができる。具体的には、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アントラキノン系色素、インドレニン系色素、ポリメチン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン色素、ニトロソ化合物およびその金属錯塩色素、アゾコバルト塩色素、チオールニッケル塩色素、トリアリルメタン系色素、インモニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラセン系色素、アズレン系色素、フタリド系色素などを用いることができる。絶縁層71は、実施形態1で説明したように、ポリビニルフェノール(PVP)からなる層である。
そして、図3(c)および(d)に示すように、レーザプロセスによって、ゲート電極53gを覆うゲート絶縁層71gを設ける。詳細は以下の通りである。
まず、準備されたドナー基板D4と、素子側基板10Bとを、互いに重ねる。この際に、絶縁層71がゲート電極53gに対面するように、ドナー基板D4を素子側基板10Bに対して配向させる。そのうえで、実施形態1のレーザ装置を用いて、ベース基板32を介して光熱変換層81へ、レーザビームL5を照射する。具体的には、形成すべきゲート絶縁層71gの形状に応じてレーザビームL5を照射する。そうすると、光熱変換層81のうちレーザビームL5が入射した部分は発熱し、そしてこのため、絶縁層71の対応する部分は溶解して素子側基板10B上に溶着し、ドナー基板D4を引き剥がす際に絶縁層71は光熱変換層81から離れる。ここで、ドナー基板D4と素子側基板10Bとは互いに重なっているので、絶縁層71の対応する部分は素子側基板10Bに転写される。
さて、図3(c)および(d)によれば、絶縁層71の全領域が転写されるように、光熱変換層81上でレーザビームL5が走査されている。ただし、得られるゲート絶縁層71gが、ゲート電極53gと後述する半導体層61gのチャネル領域との間に位置するのであれば、絶縁層71の一部だけが転写されるように、光熱変換層81上でレーザビームL5が走査されてもよい。
絶縁層71のこのような転写によって、図3(d)に示すように、ゲート電極53g上にゲート絶縁層71gが設けられる。
以上の説明から明らかなように、ドナー基板D4から素子側基板10Bへ、絶縁層71のうちゲート絶縁層71gとして必要な部分が転写される。したがって、実施形態1のゲート絶縁層71gに関連して説明した理由と同じ理由から、ゲート絶縁層71gを形取る際に余分となって廃棄される絶縁材料の量を少なくできる。したがって、地球環境にやさしい製造プロセスが実現し得る。
(3.半導体層)
次に、図4(a)の上側に示すドナー基板D5を準備する。ここで、ドナー基板D5は、ベース基板33と、ベース基板33上に位置する光熱変換層82と、光熱変換層82上に位置しているドナー側半導体層61と、を備えている。
そして、図4(a)および(b)に示すように、ゲート絶縁層71g上にレーザプロセスによって、半導体層61gを設ける。詳細は以下の通りである。
まず、ドナー基板D5と、素子側基板10Bとを、互いに重ねる。この際に、ドナー側半導体層61がゲート絶縁層71gに対面するように、ドナー基板D5を素子側基板10Bに対して配向させる。そのうえで、上述のレーザ装置を用いて、ベース基板33を介して光熱変換層82へ、レーザビームL6を照射する。ここで、レーザビームL6は、形成すべき半導体層61gの形状に応じて照射される。そうすると、ゲート絶縁層71gが転写された原理と同じ原理で、ドナー側半導体層61の対応する部分が素子側基板10Bへ転写される。
さて、図4(a)および(b)によれば、ドナー側半導体層61の全体が転写されるように、光熱変換層82上でレーザビームL6が走査されている。ただし、得られる半導体層61gが、ゲート電極53gに対向するとともに、後述のソース電極54sとドレイン電極54dとに接するのであれば、ドナー側半導体層61の一部だけが転写されるように、光熱変換層82上でレーザビームL6が走査されてもよい。
また、レーザビームL6を光熱変換層82上で走査する際には、レーザビームL6を、後述のソース電極54sおよびドレイン電極54dの一方から他方へ向かう方向に走査させることが好ましい。さらに、それらの一方から他方に至るまでの走査をする期間中には、レーザビームL6を連続的に射出し続けることが好ましい。そうすれば、それらのことによって、1つのTFTに対応する半導体層61g内で、電子または正孔など、キャリアの移動方向に対して垂直な界面が生じないからである。
ドナー側半導体層61のこのような転写によって、図4(b)に示すように、ゲート絶縁層71g上に半導体層61gが設けられる。
実施形態1で説明したように、半導体層61gはF8T2から構成される。F8T2は、高分子系の半導体材料の一つである。その他の高分子系の半導体材料としては、PT(ポリチオフェン)、ポリピロール、ポリアセチレン、PTV、PPV、PNV、PAA、BBL等を用いることができる。本実施形態の製造方法によれば、ドナー基板さえ入手、つまり準備できるのであれば、半導体層を構成する材料が低分子系の半導体材料に変更されても、レーザ装置の構成を実質的に改変する必要がない。具体的な低分子系の半導体材料としては、ペンタセン類、ルブレン類、フラーレン類、フタロシアニン類、TCNQ等を用いることができる。なお、低分子系の半導体材料を用いた場合には、必ずしも上述の絶縁層や高分子系の半導体材料からなる半導体層のように溶着するのではなく、光熱変換層82上で発生した熱によりドナー側半導体層61の一部が気化または昇華することで、対向する絶縁膜上に蒸着されることで転写されるものもある。
以上の説明から明らかなように、ドナー基板D5から素子側基板10Bへ、ドナー側半導体層61のうち半導体層61gとして必要な部分が転写される。したがって、実施形態1の半導体層61gに関連して説明した理由と同じ理由から、半導体層61gを形取る際に余分となって廃棄される半導体材料の量を少なくできる。したがって、地球環境にやさしい製造プロセスが実現し得る。
そして、実施形態1でも説明したように、半導体層61gを形取る際にレーザプロセスを利用するので、半導体層61gを構成する材料の種類に拘わらず、TFTにおける他の構成要素に対して半導体層61gを高精度にアライメントできる。
(4.ソース電極およびドレイン電極)
まず、図4(c)の上部に示すようなドナー基板D6を準備する。ドナー基板D6は、ベース基板34と、ベース基板34上に位置するアブレーション層42と、アブレーション層42上に位置する導電層54と、を備えている。アブレーション層42は、実施形態1のアブレーション層41と同じである。また、導電層54はクロムからなる。
次に、図4(c)および(d)に示すように、半導体層61g上にレーザプロセスによって、ソース電極54sおよびドレイン電極54dを設ける。詳細は以下の通りである。
まず、ドナー基板D6と、素子側基板10Bとを、互いに重ねる。この際に、導電層54が、半導体層61gに対面するように、ドナー基板D6を素子側基板10Bに対して配向させる。そのうえで、上述のレーザ装置を用いて、ベース基板34を介してアブレーション層42へ、レーザビームL7を照射する。ここで、レーザビームL7は、形成すべきソース電極54sの形状およびドレイン電極54dの形状に応じて照射される。そうすると、実施形態1におけるゲート電極52gが転写された原理と同じ原理で、導電層54の対応する部分が素子側基板10Bへ転写される。
導電層54のこのような転写によって、図4(d)に示すようなソース電極54sおよびドレイン電極54dが得られる。なお、本実施形態では、導電層54とともにアブレーション層42も転写される。このため、ソース電極54sおよびドレイン電極54dのそれぞれの上には、アブレーション層42が位置している。
以上の説明から明らかなように、ドナー基板D6から素子側基板10Bへ、導電層54のうちソース電極54s・ドレイン電極54dとして必要な部分が転写される。したがって、実施形態1のゲート電極52gに関連して説明した理由と同じ理由から、ソース電極54s・ドレイン電極54dを形取る際に余分となって廃棄される導電材料の量を少なくできる。したがって、地球環境にやさしい製造プロセスが実現し得る。
また、本実施形態では4つのレーザプロセスによって、TFT90’が得られる。つまり、ゲート電極53g、ゲート絶縁層71g、半導体層61g、ソース電極54s、およびドレイン電極54dのそれぞれが、それぞれのレーザプロセスによって設けられる。しかしながら、本発明はこのような形態に限定されない。具体的には、ゲート電極53g、ゲート絶縁層71g、半導体層61g、ソース電極54s、およびドレイン電極54dの少なくとも一つがレーザプロセスによって設けられればよい。そして、その残りが従来の製法で設けられてもよい。ただし、レーザプロセスを利用してTFT90’の全ての構成要素を形成すれば、いずれかの構成要素の材料が変更されても、レーザプロセスにおける改変は実質不要なので、この点で有利である。
そして、本実施形態によれば、レーザプロセスによって半導体層61gが設けられるので、半導体層61gを構成する材料に依存せず、半導体層61gを設けることができる。
(変形例1)
実施形態1の導電層51,52はクロムからなる。ただし、本発明はこのような形態に限定されない。具体的には、導電層51,52はAgなどの他の金属でもよいし、ポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などの導電性高分子でもよい。
また、実施形態1では、ベース基板31を介してアブレーション層41へレーザビームL1を照射して、ソース電極51sおよびドレイン電極51dをかたどった。しかしながら、導電層51が銀またはPEDOTからなる場合には、導電層51が赤外域の波長の光に対して透過性を有するので、この場合には、導電層51を介してアブレーション層41へレーザビームL1を照射してもよい。このように、アブレーション層41にレーザビームL1のビームスポットが入射できるのであれば、レーザビームL1を照射する方向は、ベース基板31に関してどちらからでもよい。そしてこれらの点は、実施形態2でも同様である。
(変形例2)
実施形態1および2では、アブレーション層41,42,43,44は、いずれも同じである。しかしながら、このような構成に代えて、それぞれ異なるアブレーション層が用いられてもよい。また、実施形態1のアブレーション層41は、有機バインダーとカーボンとを含有する層であるが、アブレーション層41が、赤外線を吸収する金属からなる層であってもよい。
(変形例3)
本実施形態によれば、アブレーション層41,42,43,44または光熱変換層81,82を利用してTFTにおけるそれぞれの構成要素を形取るので、上述のレーザ装置として既存のCTP(コンピュータ・トゥ・プレイト)システムを利用できる。利用されるCTPシステムの構成はドラム型でもよいし、フラットベッド型でもよい。ドラム型のCTPシステムを利用する場合には、互いに重なり合った基板10A(10B)とドナー基板D1(D2,D3,D4,D5,D6)とを高真空下でドラムに巻きつける。そして、ドラムを回転させながら、回転するドラム上の基板10Aまたはドナー基板D1にレーザビームを照射すればよい。このように、レーザ装置を新たに設計しなくても、レーザプロセスによる上述のメリットを得ることができる。なお、レーザ装置に利用できるCTPシステムの一例として、Creo社製の「TrendSetter(Creo社の商標)」がある。
また、上述のように、アブレーション層41,42,43,44上または光熱変換層81,82上でのビームスポット径は15μmである。ただし、ビームスポット径はこの値に限定されず、装置と材料との組合せに応じて適宜変更され得る。例えば、既存のCTPシステムを利用するのであれば、ビームスポット径は、5μmから20μmの範囲で変更され得る。また、既存のCTPシステム以外のシステムを利用するのであれば、ビームスポット径がサブミクロンのオーダー(0.1μm以上1μm未満)になるように、光源およびスキャン光学系を調整してもよい。
(a)から(d)は、実施形態1のTFTの製造工程を示す模式図。 (a)から(d)は、実施形態1のTFTの製造工程を示す模式図。 (a)から(d)は、実施形態2のTFTの製造工程を示す模式図。 (a)から(d)は、実施形態2のTFTの製造工程を示す模式図。
符号の説明
D1,D2,D3,D4,D5,D6…ドナー基板、L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7…レーザビーム、90,90’…TFT、10A…素子側基板、10B…素子側基板、31,32,33,34…ベース基板、41,42,43,44…アブレーション層、51…導電層、51d…ドレイン電極、51s…ソース電極、52…導電層、52g…ゲート電極、53…導電層、53g…ゲート電極、54…導電層、54d…ドレイン電極、54s…ソース電極、61…ドナー側半導体層、61g…半導体層、71…絶縁層、71g…ゲート絶縁層、81…光熱変換層、82…光熱変換層。

Claims (12)

  1. 素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、
    前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、
    前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、
    前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、
    を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第1の工程は、レーザプロセスによって前記ソース電極およびドレイン電極を設ける工程を含む、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  2. 請求項1記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第1の工程は、
    (a)基板と、前記基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えた前記素子側基板を準備する工程と、
    (b)前記導電層から前記ソース電極およびドレイン電極以外の部分が取り除かれるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
    を含んでいる、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  3. 素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、
    前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、
    前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、
    前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、
    を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第3の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート絶縁層を設ける工程を含む、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  4. 請求項3記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第3の工程は、
    (c)ベース基板と、前記ベース基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の絶縁層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、
    (d)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記絶縁層の少なくとも一部が転写されて前記ゲート絶縁層が得られるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
    を含んでいる、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  5. 素子側基板にソース電極およびドレイン電極を設ける第1の工程と、
    前記ソース電極およびドレイン電極に接する半導体層を設ける第2の工程と、
    前記半導体層に重なるゲート絶縁層を設ける第3の工程と、
    前記ゲート絶縁層に重なるゲート電極を設ける第4の工程と、
    を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第4の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート電極を設ける工程を含む、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  6. 請求項5記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第4の工程は、
    (e)ベース基板と、前記ベース基板上の前記アブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、
    (f)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記導電層の少なくとも一部が転写されて前記ゲート電極が得られるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
    を含んでいる、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  7. 素子側基板にゲート電極を設ける第1の工程と、
    前記ゲート電極上にゲート絶縁層を設ける第2の工程と、
    前記ゲート電極に重なる半導体層を設ける第3の工程と、
    前記半導体層にそれぞれ接するソース電極およびドレイン電極を設ける第4の工程と、
    を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第1の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート電極を設ける工程を含む、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  8. 請求項7記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第1の工程は、
    (a)基板と、前記基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えた前記素子側基板を準備する工程と、
    (b)前記導電層から前記ゲート電極以外の部分が取り除かれるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
    を含んでいる、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  9. 素子側基板にゲート電極を設ける第1の工程と、
    前記ゲート電極上にゲート絶縁層を設ける第2の工程と、
    前記ゲート電極に重なる半導体層を設ける第3の工程と、
    前記半導体層にそれぞれ接するソース電極およびドレイン電極を設ける第4の工程と、
    を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第2の工程は、レーザプロセスによって前記ゲート絶縁層を設ける工程を含む、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  10. 請求項9記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第2の工程は、
    (c)ベース基板と、前記ベース基板上の光熱変換層と、前記光熱変換層上の絶縁層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、
    (d)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記絶縁層の少なくとも一部が転写されて前記ゲート絶縁層が得られるように、レーザビームを前記光熱変換層に照射する工程と、
    を含んでいる、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  11. 素子側基板にゲート電極を設ける第1の工程と、
    前記ゲート電極上にゲート絶縁層を設ける第2の工程と、
    前記ゲート電極に重なる半導体層を設ける第3の工程と、
    前記半導体層にそれぞれ接するソース電極およびドレイン電極を設ける第4の工程と、
    を包含した薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第4の工程は、レーザプロセスによって前記ソース電極およびドレイン電極を設ける工程を含む、
    薄膜トランジスタの形成方法。
  12. 請求項11記載の薄膜トランジスタの形成方法であって、
    前記第4の工程は、
    (e)ベース基板と、前記ベース基板上のアブレーション層と、前記アブレーション層上の導電層と、を備えたドナー基板を、前記素子側基板に重ねる工程と、
    (f)前記ドナー基板から前記素子側基板へ、前記導電層の少なくとも一部が転写されて前記ソース電極および前記ドレイン電極が得られるように、レーザビームを前記アブレーション層に照射する工程と、
    を含んでいる、
    薄膜トランジスタの形成方法。
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