JP2007042692A - 薄膜コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明では、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度の向上及びリーク電流密度の低減を同時に実現することが可能な薄膜コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
下部電極2を基板上に形成する下部電極形成工程と、Ba、Sr、Ti系の各有機誘電体原料を含有する原料液を前記下部電極の表面に塗布する原料液塗布工程と、有機誘電体原料を焼成してチタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を形成する金属酸化物薄膜形成工程と、上部電極4を形成する上部電極形成工程と、を有する薄膜コンデンサ10の製造方法において、焼成雰囲気を酸素含有不活性ガス雰囲気として、酸素雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度よりも大きい容量密度を有するチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板上に誘電体層としてチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を有する薄膜コンデンサを製造する薄膜コンデンサの製造方法に関するものである。
従来では、薄膜コンデンサ等の電荷蓄積部品の性能を向上させるために、電極間に挟まれる誘電体薄膜の容量密度の向上及びリーク電流密度の低減が主な課題となる。
この誘電体薄膜を溶液法によって形成する際には、まず、基板上に誘電体層となる金属酸化物薄膜の原料液を基板面に塗布する。次に、塗布した原料液を焼成して金属酸化物薄膜を形成する。このとき、従来では、誘電体の酸素欠損の発生を抑制するために、焼成中の雰囲気を酸素雰囲気とする(例えば、特許文献1参照。)。このとき、リーク電流密度を低減させるために、金属酸化物薄膜にMn元素を含有させることが有効であることが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、金属酸化物薄膜の容量密度を増加させるために、金属酸化物薄膜にMn元素の他にFe、Cr等の遷移金属元素を含有させる方法について開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。
しかし、非特許文献2によれば、Fe、Crを添加することによって、金属酸化物薄膜の容量密度は増加したが、リーク電流密度が増加してしまうことが報告されている。従って、Fe、Crを添加することは、薄膜コンデンサ等の電荷蓄積部品の性能を向上させる方法としては有効ではない場合がある。
特開平9−78249号公報 2003年強誘電体会議アブストラクト(31−T−13),pp.47 Jpn.J.Appl.Phys,Vol.41(2002)pp.6060 Part 1,No.10
そこで、本発明では、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度の向上及びリーク電流密度の低減を同時に実現することが可能な薄膜コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意開発したところ、容量密度の向上及びリーク電流密度の低減を同時に実現するチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成するためには、基板上に塗布した原料液を、意外にも特許文献1の発明とは反対に酸素の含有率を100%未満にした酸素含有不活性ガス雰囲気中で焼成することにより、達成されることを見出して本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る薄膜コンデンサの製造方法は、下部電極を基板上に形成する下部電極形成工程と、Ba系有機誘電体原料、Sr系有機誘電体原料及びTi系有機誘電体原料を含有する原料液を前記下部電極の表面に塗布する原料液塗布工程と、前記下部電極の表面に塗布した前記原料液に含有される前記有機誘電体原料を焼成してチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成する金属酸化物薄膜形成工程と、前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の表面上に上部電極を形成する上部電極形成工程と、を有する薄膜コンデンサの製造方法であり、前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜は組成式(Ba1−xSrTiO(但し、0<x<1、y>1)で表記される組成とし、且つ前記金属酸化物薄膜形成工程における前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の焼成雰囲気を酸素含有不活性ガス雰囲気として、酸素雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度よりも大きい容量密度を有するチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成することを特徴とする。
本発明に係る薄膜コンデンサの製造方法では、前記原料液にMn系有機誘電体原料を含有させて、前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜に副成分としてMn元素を含有させ、前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜を組成式(Ba1−xSrTi1−zMn(但し、0<x<1、y>1)によって表記したときのzを0<z<0.025とすることが望ましい。チタン酸バリウムストロンチウム薄膜にMn元素を含有させることにより、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜に耐還元性を付与すると共に焼結密度を高くすることができる。さらに、zを0<z<0.025とすることにより、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜のリーク電流密度の低減効果を大きくすることができる。
本発明に係る薄膜コンデンサの製造方法では、前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜は、前記組成式においてyを1.02以上、1.06以下とすることが望ましい。組成式においてyを1.02未満とすると所望の容量密度を得難く、yを1.06より大きくするとバリウムストロンチウム原子とチタン原子との化学組成のバランスが崩れ、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜が安定したペロブスカイト構造とならないためである。
本発明に係る薄膜コンデンサの製造方法では、前記酸素含有不活性ガス雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜は、室温で且つ電界強度100kV/cmの条件下におけるリーク電流密度が10−7A/cm以下である場合を含む。リーク電流密度が10−7A/cm以下のチタン酸バリウムストロンチウム薄膜とすることで、信頼性の高い薄膜コンデンサとして適用するものである。
また、本発明に係る薄膜コンデンサの製造方法では、前記酸素含有不活性ガス雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度は、前記酸素雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度よりも10%以上大きい場合を含む。本発明に係る薄膜コンデンサの製造方法では、酸素含有不活性ガス雰囲気中でチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を焼成することで、容量密度を少なくとも従来より10%以上大きくすることができる。
また、本発明に係る薄膜コンデンサの製造方法では、前記金属酸化物薄膜形成工程において、焼成温度を600℃以上、1000℃以下とすることが望ましい。焼成温度を600℃以上、1000℃以下とすることで、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の焼結密度を向上させることができる。そのため、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度を向上させ且つリーク電流密度を低減させることができる。
また、本発明に係る薄膜コンデンサの製造方法では、前記金属酸化物薄膜形成工程において、前記酸素含有不活性ガスの酸素含有率を20%以下とすることが望ましい。酸素含有率を20%以下とした場合、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度を大きくすることができ、且つリーク電流密度を低減させることができる。
本発明では、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度の向上及びリーク電流密度の低減を同時に実現することが可能である。
本発明について実施例を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。
図1に本実施形態に係る薄膜コンデンサ10の概略断面図を示す。薄膜コンデンサ10では、基板1上に、下部電極2と、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3と、上部電極4と、保護層5と、を順に積層した。本実施形態に係る薄膜コンデンサ10の製造方法は、下部電極2を基板1上に形成する下部電極形成工程と、Ba系有機誘電体原料、Sr系有機誘電体原料及びTi系有機誘電体原料を含有する原料液を下部電極2の表面に塗布する原料液塗布工程と、下部電極2の表面に塗布した原料液に含有される有機誘電体原料を焼成してチタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を形成する金属酸化物薄膜形成工程と、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3の表面上に上部電極4を形成する上部電極形成工程と、を有する。そして原料液塗布工程と金属酸化物薄膜形成工程との間に、原料液の塗布層に含まれる溶媒および有機物の一部を除去させる仮焼工程を設ける。以下、各工程について詳細に説明する。
(下部電極形成工程)
まず、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を形成するための基板1の表面に下部電極2を形成する。
基板1としては、シリコン単結晶基板、或いはアルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、フォルステライト(2MgO・SiO)、ステアタイト(MgO・SiO)、ムライト(3Al・2SiO)、ベリリア(BeO)、ジルコニア(ZrO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化シリコン(Si)、炭化シリコン(SiC)マグネシア等のセラミック多結晶基板、或いは1000℃以下で焼成して得たアルミナ(結晶相)と酸化ケイ素(ガラス相)等からなるガラスセラミックス基板(LTCC基板)、或いは石英ガラス等のガラス基板、或いはサファイア、MgO、SrTiO等の単結晶基板が例示される。基板1は、化学的、熱的に安定で応力発生が少なく、表面の平滑性を保つことができれば、何れのものでもよい。目的とする比誘電率や焼成温度に基づいて適宜選択すればよい。前記基板の中でも、基板表面の平滑性が良好なシリコン単結晶基板を用いることが望ましい。シリコン単結晶基板を用いる場合は、絶縁性を確保するためにその表面に熱酸化膜(SiO膜)を形成することが望ましい。熱酸化膜は、シリコン基板を高温にして、酸化性雰囲気中でシリコン単結晶基板の表面を酸化させて形成する。基板1の厚みは、特に限定されず、例えば100〜1000μmである。
なお、基板1の表面を基板研削(ラッピング)、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の鏡面化(ポリッシング)処理を行って、平滑化してもよい。また、基板1には、必要に応じて、ビア電極を形成してもよい。
下部電極材料は、低抵抗材料であれば適用することができる。本発明では、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を不活性ガス雰囲気中で焼成するときには、例えば、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、又はNi(ニッケル)を主成分とする電極材料を用いても良い。また、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、鉄(Fe)等の金属又はこれらを含む合金でも良いし、シリコン(Si)、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウム燐(GaP)、インジウム燐(InP)、炭化シリコン(SiC)等の導電性半導体でも良いし、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)、酸化インジウム(In)、二酸化イリジウム(IrO)、二酸化ルテニウム(RuO)、三酸化レニウム(ReO)、LSCO(La0.5Sr0.5CoO)等の等の金属酸化物導電体でもよい。
下部電極2は通常の薄膜形成法で作製されるが、例えば物理気相成長法(PVD)やパルスレーザー蒸着法(PLD)等の物理的蒸着法を用いることができる。PVD法としては、抵抗加熱蒸着又は電子ビーム加熱蒸着等の真空蒸着法、DCスパッタリング、高周波スパッタリング、マグネトロンスパッタリング、ECRスパッタリング又はイオンビームスパッタリング等の各種スパッタリング法、高周波イオンプレーティング、活性化蒸着又はアークイオンプレーティング等の各種イオンプレーティング法、分子線エピタキシー法、レーザアブレーション法、イオン化クラスタビーム蒸着法、並びにイオンビーム蒸着法などが例示される。
下部電極2の厚みは、特に限定されないが、好ましくは10〜1000nm、より好ましくは50〜200nm程度である。
なお、基板1と下部電極2との密着性を向上させるために、下部電極2を形成するに先立って密着層を形成してもよい(不図示)。密着層はTi、Ta、Co、Ni、Hf、Mo、Wなどの酸化物や窒化物などを用いることができる。また、密着層の形成は、PVD法、PLD法のほか、化学気相成長法(CVD)等の蒸着法などを用いることができる。
(原料液塗布工程)
次にチタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を形成することを目的として、下部電極2の表面に有機誘電体原料を含有する原料液を塗布する。本発明では、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を溶液法によって形成する。溶液法として、例えば、ゾルゲル法や有機金属分解法(MOD)を例示することができる。本実施形態では、MOD法により誘電体薄膜であるチタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を形成する場合を例として説明する。MOD法によれば、(1)原子レベルの均質な混合が可能であること、(2)組成制御が容易で再現性に優れること、(3)特別な真空装置が必要なく常圧で大面積の成膜が可能であること、(4)工業的に低コストであること、等の利点から広く利用されている。以下に、MOD法によるチタン酸バリウムストロンチウム薄膜3の形成方法について説明する。
図1の誘電体層であるチタン酸バリウムストロンチウム薄膜3が、例えば組成式(Ba0.7,Sr0.31.03TiOで示されるチタン酸バリウムストロンチウムである場合には、2−エチルヘキサン酸Srの2−エチルヘキサン酸溶液と、2−エチルヘキサン酸Baの2−エチルヘキサン酸溶液と、2−エチルヘキサン酸Tiのトルエン溶液とを準備する。Ba、Sr、Tiのモル比を一定とする限り、原料液の濃度は適宜変更可能である。また、溶媒はトルエンを使用しているが、有機誘電体原料の種類によって適宜変更可能である。例えば、n−イソプロピルアルコール、n−ブタノール又はn−ペンチルアルコールを例示することができる。また、原料液には、Mn系有機誘電体原料を副成分として含有させることが望ましい。Mn系有機誘電体原料を原料液に含有させることにより、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜に副成分としてMn元素が含有され、それにより耐還元性が付与されると共に焼結密度を高めることができる。Mn系有機誘電体原料は、例えば2−エチルヘキサン酸Mnとして原料液に含有させることができる。また、原料液には、本発明の効果に影響を与えない範囲内で、適宜、副成分として添加物を加えてもよい。
なお、上記のBSTは例示であり、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3は、組成式が(Ba1−xSrTiO(但し、0<x<1、y>1)のペロブスカイト構造を持った(強)誘電体材料である。y>1としたのは、従来、金属酸化物薄膜として、チタン酸ストロンチウム薄膜を形成した場合、ストロンチウムの原子数をチタンの原子数で除算した原子数比を1以下とすることで容量密度が低下してしまうためである(例えば、非特許文献3参照。)。本実施形態では、y>1として、バリウムストロンチウムの原子数をチタンの原子数で除算した原子数比を1より大きくする。これにより、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度を確保する。また、Mn系有機誘電体原料を副成分として原料液に含有させた場合は、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3はMn元素を副成分として含有することになる。ここで、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を組成式(Ba1−xSrTi1−zMn(但し、0<x<1、y>1)によって表記した場合、Mn系有機誘電体原料の原料液への含有量を調節することによりzを0<z<0.025とすることが望ましい。より望ましくは、zを0.01≦z≦0.02とすることである。0<z<0.025とすることにより、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3のリーク電流密度の低減効果を大きくすることができる。また、原料液の調整により上記2つの組成式において、yを1.02以上、1.06以下とすることが望ましい。より望ましくは、1.03≦y≦1.05とすることである。yを1.02未満とすると所望の容量密度を得難く、yを1.06より大きくするとバリウムストロンチウム原子とチタン原子との化学組成のバランスが崩れ、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜が安定したペロブスカイト構造とならないためである。
豊田中央研究所R&Dレビュー Vol.32 No.3(1997.9)pp61−70
次に、この原料液を下部電極2の表面に塗布し、塗布層を得る。塗布法としては、特に限定されず、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法などの方法を用いることができる。例えば、スピンコート法を用いる場合の条件は、特に限定されるものではなく、所望の回転数等を適宜設定することができる。一回の塗布により、5〜600nm程度の塗布膜を形成することができる。
(仮焼工程)
仮焼工程では、塗布層に含まれる溶媒および有機物の一部を除去させることが望ましい。塗布層中の溶媒を蒸発させるために、空気中で乾燥させる。あるいは、酸素雰囲気中で乾燥させてもよい。温度条件は、例えば室温〜120℃、1分〜10分程度で溶媒が揮発するときに生じやすい塗布層の表面荒れの発生を抑制する条件とする。その後、300〜500℃に加熱して塗布層に含まれる有機物を除去する。
(金属酸化物薄膜形成工程)
次に、下部電極2の表面に塗布した塗布層を酸素含有不活性ガス雰囲気中で加熱し、有機誘電体原料をさらに熱分解、結晶化し、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を焼成する。酸素含有不活性ガスとして、例えば窒素と酸素との混合ガス、アルゴンと酸素との混合ガス、ヘリウムと酸素との混合ガス又は窒素とアルゴンとヘリウムと酸素との混合ガスを使用することができる。従来では、金属酸化物薄膜を焼成する場合、誘電体の酸素欠損の発生を抑制するために、酸素雰囲気中で結晶化して金属酸化物薄膜を形成していた。一方、本実施形態では、酸素含有不活性ガスの酸素含有率を20%以下とすることが望ましい。より望ましくは、酸素含有不活性ガスの酸素含有率を10%以下とする。本実施形態では、結晶化を酸素雰囲気中ではなく酸素含有不活性ガス雰囲気中で焼成して行い、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を形成することで、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3の粒成長を促進させ、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3の容量密度を酸素雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度よりも大きくすることができる。すなわち、本実施形態では、組成式(Ba1−xSrTiO(但し、0<x<1、y>1)によって表記されるチタン酸バリウムストロンチウム薄膜において、y>1としてチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度を確保した上で、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜を酸素雰囲気中ではなく酸素含有不活性ガス雰囲気中で焼成することによってさらに容量密度を高めることができる。さらにチタン酸バリウムストロンチウム薄膜にMn元素を含有させることにより、リーク電流密度を室温で且つ電界強度100kV/cmの条件で10−7A/cm以下と十分小さくでき、容量密度が高く、且つリーク電流密度も低いバランスが取れたチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成することができる。さらに酸素含有不活性ガスの酸素含有率を20%以下とすると、容量密度はさらに向上し、酸素雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度よりも10%以上大きくできる。
金属酸化物薄膜形成工程における焼成温度は、600〜1000℃とすることが望ましい。600℃未満では、焼結密度が不十分となる場合がある。一方、1000℃を超えて加熱すると粒成長により膜表面の凹凸が大きくなったり、基板の変形が生じたりする。また、膜表面の組成ずれが起きたりする場合もある。なお、焼成時間は5分〜2時間程度が望ましい。焼成時間が短かすぎると結晶化が不十分で、焼結密度も上がらずにリーク特性を劣化させる。また、焼成時間が長すぎると、膜の特性上問題はないが、プロセスにかかる時間が長くなる。
1回の塗布・熱分解サイクル或いは塗布・熱分解・結晶化サイクルによって、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3が600nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは10〜200nmになるように設定することが望ましい。これ以上に厚くする場合には、再度、塗布・熱分解或いは塗布・熱分解・結晶化を繰り返すことが望ましい。一度の塗布層の厚さを厚くすると、クラックの発生等の問題が生ずるからである。また良好に結晶化した誘電体薄膜を得られ難くなる傾向にある。一方、薄すぎる場合には、所望の膜厚の誘電体薄膜を得るためには、本焼成を多数回繰り返す必要があり、経済的ではない。
以上述べた工程を繰り返し行って、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3の最終膜厚を30〜1000nm程度とする。このチタン酸バリウムストロンチウム薄膜3では、酸素含有不活性ガス雰囲気中で焼成することにより、容量密度を酸素雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度よりも大きくすることができる。また、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3では、リーク電流密度を室温で且つ電界強度100kV/cmの条件下において10−7A/cmと十分に小さくすることができる。また、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3の膜厚が1000nmを超えると容量密度が上がらず、高容量化できない。
なお、仮焼工程、及び金属酸化物薄膜形成工程は、それぞれ一度降温してから再度所定の条件で加熱して昇温することとしてもよいし、或いは一続きの昇温によって、各工程を連続して行うこととしてもよい。
(上部電極形成による薄膜コンデンサ化)
その後に、スパッタリング法などで上部電極4を形成する。膜厚は特に限定されないが50nm以上、500nm以下に設定することが望ましい。上部電極4の材料は、下部電極で例示した材料を使用できるが、下部電極2の電極材料と同じ材料とすることが望ましい。ただし、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3の焼成が完了後、その後の工程において高温焼成を行わない場合では、Cu、Al又はNiを主成分とする電極材料を用いても良い。上部電極4を形成した後に、アニール処理を施してもよい。アニール処理は、pO=20〜100%、400〜1000℃の温度で行えばよい。また、必要に応じてパッシベーション層5(保護層)を形成する。パッシベーション層5の材料は、SiO、Al等の無機材料、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の有機材料を用いることができる。なお、前記各層の形成する際にその都度フォトリソグラフィ技術を用いて所定のパターンニングを行ってもよい。上記工程を経ることで本実施形態に係るチタン酸バリウムストロンチウム薄膜3を備える薄膜コンデンサ10が得られる。なお、本発明に影響を与えない範囲で、誘電体に添加物を加えてもよい。
図1の薄膜コンデンサ10は、基板1上に下部電極2、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜3、上部電極4を順次形成して、一層のチタン酸バリウムストロンチウム薄膜3からなる場合を示したが、下部電極と上部電極の間に複数のチタン酸バリウムストロンチウム薄膜と内部電極を設けて多層のチタン酸バリウムストロンチウム薄膜からなる、積層薄膜コンデンサを作製してもよい。
次に、具体的な実施例を示し更に詳細に本発明について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
(原料液の調整)
まず、誘電体薄膜を形成することになる原料液を調整した。本実施例では、組成式(Ba1−xSrTi1−zMn(但し、0<x<1、y>1)によって表記されるチタン酸バリウムストロンチウム薄膜のうち、xとyとzとを表1に示す6組の値に変化させて、それぞれの値で示される組成式を有するチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成した。Ba、Sr、Ti、Mnのモル比を一定とする限り、原料液の濃度は適宜変更可能である。これらの原料液は、それぞれクリーンルーム内で、孔径0.2μmのPTFE製シリンジフィルタによって、クリーンルーム内で洗浄済のガラス製容器内に濾過した。
Figure 2007042692
(基板)
誘電体薄膜を形成するための基板を準備した。基板としては、シリコン単結晶基板を用いた。また、基板表面に熱酸化処理によりSiOを積層して酸化膜(絶縁層)を形成した後に、絶縁層の上にTiOを積層して誘電体薄膜と基板との密着性を良好にする密着層を形成した。絶縁層の膜厚を0.5μmとし、密着層の膜厚を0.2μmとした。下部電極としてPt薄膜を、スパッタリング法により100nmの厚さで形成した。基板の厚さを2mmとし、その面積を10mm×10mmとした。
(塗布)
次に、表1に示した原料液を、下部電極の上に塗布した。塗布法としては、スピンコート法を用いた。具体的には、前記基板をスピンコータにセットし、下部電極の表面に、それぞれの原料液を10μリットルほど添加し、4000r.p.m.および20秒の条件で、スピンコートし、下部電極の表面に塗布層を形成した。
(脱脂)
その後、380℃の酸素雰囲気中で10分間、塗布層の脱脂を行った。
(金属酸化物薄膜形成)
次に、塗布層を熱分解してチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成するため、基板を高速昇温炉(RTA炉)に入れた。焼成温度を900〜950℃とし、焼成雰囲気を酸素雰囲気から、窒素と酸素とからなる酸素含有不活性ガス雰囲気に換えて、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜を焼成した。これにより、塗布層は結晶化されて、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜が得られた。スピンコート、脱脂、焼成、の3つの工程を複数回繰り返し行い、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の膜厚を目的の膜厚とした。膜厚は、120nmとした。ここで、表1に示す原料液番号2、原料液番号3、原料液番号4、原料液番号5のそれぞれについて、焼成雰囲気中の酸素含有率を0%、5%、10%、20%と変化させて形成した4種類のチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を実施例とした。また、原料液番号6において、酸素含有率を0%として形成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を実施例とした。原料液番号2、原料液番号3、原料液番号4、原料液番号5、原料液番号6のそれぞれについて、焼成雰囲気中の酸素含有率を100%として形成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を比較例とした。また、原料液番号1については、酸素含有率を100%として形成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を参考例とし、原料液番号6については、焼成雰囲気中の酸素含有率を5%、10%、20%として形成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を総て参考例とした。実施例、参考例及び比較例を表2及び表3に示す。なお、形成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の化学組成は蛍光X線による分析から、所望の化学組成となったことを確認した。
Figure 2007042692
Figure 2007042692
(電気特性値評価)
実施例1から実施例17、参考例1から参考例4及び比較例1から比較例5のそれぞれについて、電気特性値の評価を行った。電気特性値を評価するためにチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の面上に上部電極としてφ0.1mmのPt薄膜を、スパッタリング法により200nmの厚さで形成した。電気特性値として容量密度、リーク電流密度を室温の条件下で計測した。容量密度は、YHP4194Aインピーダンスアナライザ(Agilent社製)を用いて100Hzから15MHzまでの範囲で計測した。リーク電流密度は、半導体パラメータアナライザ4156C(Agilent社製)を用いて、室温で且つ電界強度100kV/cmの条件下で計測した。結果を表4から表8に示す。また、図2に、組成式においてx=0.3、y=1.03で固定した場合の焼成雰囲気中の酸素含有率に対する容量密度の変化を示したグラフを示す。図2において、横軸は焼成雰囲気中の酸素含有率を示し、縦軸は、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度を示す。また、図2において、各グラフは、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜のMn元素の含有率を0、0.01、0.015、0.02、0.025と変化させて形成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度を示している。また、図3に、組成式においてx=0.3、y=1.03で固定した場合のチタン酸バリウムストロンチウム薄膜のMn元素の含有率(組成式におけるzの値)に対するチタン酸バリウムストロンチウム薄膜のリーク電流密度の変化を示すグラフを示す。図3において、横軸はMn元素の含有率を示し、縦軸は、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜のリーク電流密度を示す。また、図3において、各グラフは、焼成雰囲気中の酸素含有率を0%、5%、10%、20%、100%と変化させて形成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜のリーク電流密度を示している。また、図4に、組成式においてx=0.3、y=1.03で固定した場合の焼成雰囲気中の酸素含有率に対するリーク電流密度の変化を示したグラフを示す。図4において、横軸は焼成雰囲気中の酸素含有率を示し、縦軸は、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜のリーク電流密度を示す。また、図4において、各グラフは、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜のMn元素の含有率を0.01、0.015、0.02、0.025と変化させて形成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜のリーク電流密度を示している。なお、図2、図3及び図4は、表4から表8の結果を基にグラフ化した図である。
Figure 2007042692
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表4の参考例1と比較例1とから、同じ酸素含有率条件でチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成した場合、yを1より大きくすると、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度を増加させることができることがわかる。この結果は、非特許文献3によって報告されているように、金属酸化物薄膜のうち、チタン酸ストロンチウム薄膜において、ストロンチウムの原子数をチタンの原子数で除算した原子数比を1以下とすることでチタン酸ストロンチウム薄膜の容量密度が低下してしまうことから示唆される結果である。
また、実施例1から実施例17及び参考例2から参考例4では、各グループにおいて、比較例からの容量密度の上昇率が10%以上のチタン酸バリウムストロンチウム薄膜が得られている。特に、参考例2、3、及び実施例3、11、12、14、15、16では、容量密度の上昇率が20%以上のチタン酸バリウムストロンチウム薄膜が得られていることがわかる。つまり、従来では、誘電体の酸素欠損の発生を抑制するために、酸素雰囲気中で有機誘電体原料を結晶化して金属酸化物薄膜を形成していた。しかし、有機誘電体原料を酸素含有不活性ガス雰囲気中で結晶化してチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成することで、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度を酸素雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度よりも大きくすることができる。図2に示す結果からも、焼成雰囲気中の酸素含有率を100%から20%、10%へと低下させると、容量密度が増加傾向を示すことがわかる。酸素含有率をさらに低下させて10%以下とすると、容量密度をより増加させることができる。表6及び表7から、実施例16(表7)では略30%、実施例11(表6)では36%の容量密度の上昇率を示しており、酸素含有率を10%以下とすることがより望ましいことがわかる。なお、酸素含有率の下限は0%である。
また、図3から、zを0.015及び0.02とするとリーク電流密度を10−7A/cm以下と十分小さくすることができ、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜にMn元素を副成分として含有させることが、リーク電流密度の低減に効果的であることがわかる。このとき、グループ2(表5)、グループ3(表6)及びグループ4(表7)とグループ5(表8)とのリーク電流密度を比較すると、zを0.025とすると、参考例2、参考例3、参考例4においてリーク電流密度が顕著に増加することがわかる。このことから、組成式においてzをz<0.025とすることが望ましいことがわかる。一方で、参考例4と実施例17とを比較すると、zをz=0.025とした場合でも焼成雰囲気中の酸素含有率を5%からさらに低下させ0%とすることによりリーク電流密度を1130×10−8(A/cm)から16.2×10−8(A/cm)と小さくすることもできることがわかる。また、図4から、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜にMn元素を含有させることによりリーク電流密度が10−7(A/cm)以下に低下すると、焼成雰囲気中の酸素含有率を低下させてもリーク電流密度の低減効果をさらに得ることはできないことがわかる。また、上記のように焼成雰囲気中の酸素含有率を低下させることは容量密度の増加をもたらすが、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜のMn元素の含有率によっては逆にリーク電流密度を増加させる場合もあることがわかる。例えば、Mn元素の含有率を0.025とし、酸素含有率を20%とした場合、リーク電流密度が10−4(A/cm)以上と大きくなる。しかし、この場合、Mn元素の含有率が0.01、0.025の場合の結果から、酸素含有率を20%から低下させるに従ってリーク電流密度も低下することがわかる。以上の結果から、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜がMn元素を含有することはリーク電流密度の低減に有効ではあるが、焼成雰囲気中の酸素含有率とチタン酸バリウムストロンチウム薄膜がMn元素の含有量によっては逆にリーク電流密度を増加させる場合もある。その場合でも、焼成雰囲気中の酸素含有率を少なくすることによりリーク電流密度の増加を抑えることができることがわかる。
なお、プローブ顕微鏡(SPI3800N、セイコーインスツルメンツ株式会社製)によるチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の表面観察を行ったところ、焼成雰囲気中の酸素含有率を減らすことで粒成長が促進されていることがわかった。この粒成長が容量密度増大の1つの原因であると考えられる。
本実施形態に係る薄膜コンデンサの概略断面図である。 焼成雰囲気中の酸素含有率に対するチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度の変化を示したグラフである。 チタン酸バリウムストロンチウム薄膜のMn元素の含有率に対するチタン酸バリウムストロンチウム薄膜のリーク電流密度の変化を示したグラフである。 焼成雰囲気中の酸素含有率に対するチタン酸バリウムストロンチウム薄膜のリーク電流密度の変化を示したグラフである。
符号の説明
1 基板
2 下部電極
3 チタン酸バリウムストロンチウム薄膜
4 上部電極
5 保護層
10 薄膜コンデンサ

Claims (7)

  1. 下部電極を基板上に形成する下部電極形成工程と、Ba系有機誘電体原料、Sr系有機誘電体原料及びTi系有機誘電体原料を含有する原料液を前記下部電極の表面に塗布する原料液塗布工程と、前記下部電極の表面に塗布した前記原料液に含有される前記有機誘電体原料を焼成してチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成する金属酸化物薄膜形成工程と、前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の表面上に上部電極を形成する上部電極形成工程と、を有する薄膜コンデンサの製造方法において、
    前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜は組成式(Ba1−xSrTiO(但し、0<x<1、y>1)によって表記される組成式とし、且つ前記金属酸化物薄膜形成工程における前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜の焼成雰囲気を酸素含有不活性ガス雰囲気として、酸素雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度よりも大きい容量密度を有するチタン酸バリウムストロンチウム薄膜を形成することを特徴とする薄膜コンデンサの製造方法。
  2. 前記原料液にMn系有機誘電体原料を含有させて、前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜に副成分としてMn元素を含有させ、前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜を組成式(Ba1−xSrTi1−zMn(但し、0<x<1、y>1)によって表記したときのzを0<z<0.025としたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜コンデンサの製造方法。
  3. 前記チタン酸バリウムストロンチウム薄膜は、前記組成式においてyを1.02以上、1.06以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜コンデンサの製造方法。
  4. 前記酸素含有不活性ガス雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜は、室温で且つ電界強度100kV/cmの条件下におけるリーク電流密度が10−7A/cm以下であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の薄膜コンデンサの製造方法。
  5. 前記酸素含有不活性ガス雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度は、前記酸素雰囲気中で焼成したチタン酸バリウムストロンチウム薄膜の容量密度よりも10%以上大きいことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の薄膜コンデンサの製造方法。
  6. 前記金属酸化物薄膜形成工程において、焼成温度を600℃以上、1000℃以下としたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の薄膜コンデンサの製造方法。
  7. 前記金属酸化物薄膜形成工程において、前記酸素含有不活性ガスの酸素含有率を20%以下としたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の薄膜コンデンサの製造方法。
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