JP2007042363A - 燃料電池システムとその運転方法および燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電解質層と、電解質層の両側に配設された触媒電極と、を有する燃料電池15を備える燃料電池システム10の運転方法は、燃料電池15の内部温度を取得する第1の工程と、取得された温度における電解質層を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧を取得する第2の工程と、触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と電解質層との界面近傍の局所的な領域における現在の燃料電池の運転条件下での状態を表わす値であって、水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧を導出する第3の工程と、燃料電池15が所望の電力を発電するように燃料電池システム10を制御する際に、界面水蒸気圧が水熱分解臨界水蒸気圧以上であるときには、界面水蒸気圧が水熱分解臨界水蒸気圧を下回るように、燃料電池システム10の制御を変更する第4の工程と、を備える。
【選択図】 図3
Description
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な領域における現在の燃料電池の運転条件下での状態を表わす値であって、水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧が前記電解質層を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧を超えた場合、あるいは、超えることが予測される場合には、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更するシステム制御部と
を備えることを要旨とする。
前記燃料電池の内部温度を取得する温度取得部と、前記取得された内部温度における前記水熱分解臨界水蒸気圧を取得する臨界水蒸気圧取得部と、前記界面水蒸気圧を導出する界面水蒸気圧導出部とを備えても良い。この場合には、取得された内部温度における臨界水上気圧と界面水蒸気圧とを用いるのて、燃料電池システムの制御の精度を向上させることができる。
前記電解質層が水熱分解されない水蒸気圧として、前記取得された水熱分解臨界水蒸気圧よりも低い許容水蒸気圧を設定する許容水蒸気圧設定部を備え、
前記システム制御部は、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧以上であるときには、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更することとしても良い。
前記燃料電池の内部温度を取得する温度取得部と、
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極を構成する材料の、前記取得された温度における水熱分解臨界水蒸気圧を取得する臨界水蒸気圧取得部と、
前記第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な領域における現在の燃料電池の運転条件下での状態を表わす値であって、水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧を導出する界面水蒸気圧導出部と、
前記燃料電池が所望の電力を発電するように前記燃料電池システムを制御すると共に、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を超えた場合、あるいは、超えることが予測される場合には、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更するシステム制御部と
を備えることを要旨とする。
前記第1の電極が水熱分解されない水蒸気圧として、前記取得された水熱分解臨界水蒸気圧よりも低い許容水蒸気圧を設定する許容水蒸気圧設定部を備え、
前記システム制御部は、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧以上であるときには、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更することとしても良い。
前記第1の電極上を流れるガスにおける水蒸気分圧である気相水蒸気分圧を導出する気相水蒸気分圧導出部と、
前記第1の電極における電極分極を導出する電極分極導出部と
を備え、
前記界面水蒸気圧導出部は、前記気相水蒸気分圧と、前記電極分極と、前記燃料電池の内部温度とに基づいて、前記界面水蒸気圧を導出することとしても良い。
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧が、前記電解質層を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧以上になるか否かを予測する水熱分解予測部と、
前記燃料電池の内部温度を調節する温度調節部と、
前記水熱分解予測部によって、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧以上になると予測されたときには、前記燃料電池の内部温度が上昇するように、前記温度調節部を制御する温度制御部と
を備えることを要旨とする。
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧が、前記第1の電極を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧以上になるか否かを予測する水熱分解予測部と、
前記燃料電池の内部温度を調節する温度調節部と、
前記水熱分解予測部によって、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧以上になると予測されたときには、前記燃料電池の内部温度が上昇するように、前記温度調節部を制御する温度制御部と
を備えることを要旨とする。
前記電解質層は、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極と接する表面を含む層を構成する第1の電解質部と、前記層以外の部分である他の層を構成する第2の電解質部と、を備え、
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記第2の電解質部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料であることを要旨とする。
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であり、
前記第2の電解質部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極側に供給される前記反応ガス中の水蒸気圧よりも高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であることとしても良い。
前記電解質層は、面内において、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極における分極抵抗がより大きくなる領域に対応する第1の電解質部と、前記分極抵抗がより小さくなる領域に対応する第2の電解質部と、を備え、
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記第2の電解質部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料であることを要旨とする。
前記燃料電池において、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極における分極抵抗がより大きくなる領域に配設される前記単セルは、前記電解質層として第1の電解質部を備えると共に、前記分極抵抗がより小さくなる領域に配設される前記単セルは、前記電解質層として、前記第1の電解質部とは異なる材料から成る第2の電解質部を備え、
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記第2の電解質部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料であることを要旨とする。
前記触媒電極上に設けられて電極活物質を含有する反応ガスが流れる反応ガス流路を備え、
前記分極抵抗がより大きくなる領域は、前記燃料電池の発電時に前記反応ガス流路において水蒸気圧が比較的高い前記反応ガスが流れる領域に対応する領域であり、前記分極抵抗がより小さくなる領域は、前記燃料電池の発電時に前記反応ガス流路において水蒸気圧が比較的低い前記反応ガスが流れる領域に対応する領域であることとしても良い。
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記第1の電解質部との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした第1の界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であり、
前記第2の電解質部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記第2の電解質部との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした第2の界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であることとしても良い。
前記第2の電解質部を構成する材料は、前記第1の電解質部を構成する材料よりも、導電種であるイオンの伝導率が高い材料であることとしても良い。
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極は、前記電解質層と接する表面を含む層を構成する第1の電極部と、前記層以外の部分である他の層を構成する第2の電極部と、を備え、
前記第1の電極部を構成する材料は、前記第2の電極部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料であることを要旨とする。
前記第1の電極部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であり、
前記第2の電極部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極側に供給される前記反応ガス中の水蒸気圧よりも高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であることとしても良い。
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極は、面内において、前記第1の電極における分極抵抗がより大きくなる領域を構成する第1の電極部と、前記分極抵抗がより小さくなる領域を構成する第2の電極部と、を備え、
前記第1の電極部を構成する材料は、前記第2の電極部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料であることを要旨とする。
前記燃料電池において、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極における分極抵抗がより大きくなる領域に配設される前記単セルは、前記第1の電極として第1の電極部を備えると共に、前記分極抵抗がより小さくなる領域に配設される前記単セルは、前記第1の電極として、前記第1の電極部とは異なる材料から成る第2の電極部を備え、
前記第1の電極部を構成する材料は、前記第2の電極部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料であることを要旨とする。
前記分極抵抗がより大きくなる領域は、前記燃料電池の発電時に比較的低温になる領域であり、前記分極抵抗がより小さくなる領域は、前記燃料電池の発電時に比較的高温になる領域であることとしても良い。
前記触媒電極上に設けられて電極活物質を含有する反応ガスが流れる反応ガス流路を備え、
前記分極抵抗がより大きくなる領域は、前記燃料電池の発電時に前記反応ガス流路において水蒸気圧が比較的高い前記反応ガスが流れる領域に対応する領域であり、前記分極抵抗がより小さくなる領域は、前記燃料電池の発電時に前記反応ガス流路において水蒸気圧が比較的低い前記反応ガスが流れる領域に対応する領域であることとしても良い。
前記第1の電極部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極部と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした第1の界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であり、
前記第2の電極部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第2の電極部と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした第2の界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であることとしても良い。
前記第2の電極部を構成する材料は、前記第1の電極部を構成する材料よりも、電極としての触媒活性および電子伝導性が高い材料であることとしても良い。
前記電解質層として、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極と接する表面を少なくとも含む領域が、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料によって形成される電解質層を備えることを要旨とする。
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極として、前記電解質層と接する表面を少なくとも含む領域が、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記電解質との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料によって形成される電極を備えることを要旨とする。
A.水熱分解と水蒸気圧との関係:
B.第1実施例の燃料電池システム:
(B−1)システム構成:
(B−2)システム制御:
(B−3)第1実施例の変形例:
C.第2実施例の燃料電池システム:
D.第3実施例の燃料電池:
E.第4実施例の燃料電池:
F.第5実施例の燃料電池:
G.第6実施例の燃料電池スタック:
H.変形例:
プロトン伝導性固体酸化物を電解質層として有する燃料電池では、発電に伴ってカソードで水が生じ、この生成水が、カソードに給排されている酸化ガス中に気化することにより、酸化ガス中の水蒸気圧が上昇する。このように酸化ガス中の水蒸気圧が上昇したときに、水蒸気圧が、固体酸化物の水熱分解臨界水蒸気圧を超えると、固体酸化物から成る電解質層では水熱分解が進行する。そのため、燃料電池が備える電解質における水熱分解の進行を抑えるためには、酸化ガス中の水蒸気圧よりも、そのときの運転温度における固体酸化物の水熱分解臨界水蒸気圧の方が高い状態を維持することが必要であると考えられる。
ただし、Pvap(H2O):気相(酸化ガス中)の水蒸気圧、
F:ファラデー定数、
η:カソード分極、
R:気体定数、
T:温度、である。
(B−1)システム構成:
図1は、本発明の第1実施例である燃料電池システム10の概略構成を表わすブロック図である。燃料電池システム10は、燃料電池15と、燃料ガス供給部30と、酸化ガス供給部40と、冷却部60と、制御部50と、を備えている。燃料電池15によって発電された電力は、負荷16に供給される。
図3は、燃料電池15を構成する固体酸化物における水熱分解反応の進行を抑えるために実行される水熱分解判断処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、燃料電池15の発電中に、制御部50のCPU55において、所定の時間間隔で実行される。
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(3)
H2+(1/2)O2 → H2O …(4)
(B−3−1)変形例1:
第1実施例では、(5)式に従って基準値refAを設定する際に安全マージン値margBを用いているが、この安全マージン値margBは、一定の値とする必要はない。基準値refAを設定する際に参照する水熱分解臨界水蒸気圧Pcrit(H2O)は、燃料電池15の内部温度に基づいて導出するが、例えば、燃料電池15の内部温度が、温度検出の際の誤差が大きくなる温度であると判断される場合には、安全マージン値margBを、より大きな値としても良い。具体的には、温度センサ17が、温度によって温度測定誤差が変動する性質を有する場合に、検出した温度が、測定誤差が大きくなると予想される温度範囲であるときには、安全マージン値margBを、より大きな値とすれば良い。
第1実施例では、ステップS160において、界面水蒸気圧Pinf(H2O)が基準値refA以上である場合には、界面水蒸気圧Pinf(H2O)が基準値refA未満となるように制御を変更しているが、水熱分解の進行を停止させるために、燃料電池15の発電を停止させることとしても良い。例えば、何らかの理由により、ステップS170において燃料電池15の出力電圧を上昇させる処理を行なっても、界面水蒸気圧Pinf(H2O)が基準値refA以上である状態を改善できない事態が生じる可能性が考えられる。また、ステップS160において界面水蒸気圧Pinf(H2O)が基準値refAに比べて極めて大きく、許容し難い速度で水熱分解が進行する事態が生じる可能性が考えられる。このような場合には、燃料電池15と負荷16との間の接続を切断し、燃料電池15の発電を停止させる制御を行なっても良い。
第1実施例では、ステップS170において、燃料電池15の出力電圧を上昇させる制御を行なうことによって、固体酸化物が水熱分解される状態の解消を図っているが、異なる制御を行なっても良い。例えば、ブロワ42の駆動量を増加させて、燃料電池15のカソードに供給する酸化ガス量を増加させても良い。酸化ガス量を増加させることで、酸化ガス中の水蒸気圧Pvap(H2O)が低下し、その結果、酸化ガス中の水蒸気圧Pvap(H2O)の値を用いて(5)式に基づいて算出される界面水蒸気圧Pinf(H2O)も低下する。したがって、界面水蒸気圧Pinf(H2O)を基準値refA未満にすることが可能となる。
第1実施例では、ステップS120でカソード分極ηを取得する際に、燃料電池15全体の出力電圧および出力電流を検出し、燃料電池15全体を代表する値として、カソード分極ηを検出しているが、異なる構成としても良い。例えば、特定の単一の単セル、あるいは特定の複数の単セルのそれぞれに電圧センサを設け、交流インピーダンス法を行なう際に、上記特定の単セルについてインピーダンスの解析を行なってカソード分極ηを求めても良い。このような構成とすれば、上記特定の単セルについて、電解質層表面で水熱分解が進行するか否かを判断することができる。特に、上記特定の単セルとして、電解質層が水熱分解される状態になりやすい単セル(例えば温度が低下しやすい位置の単セル)を選択しておけば、いずれかの単セル内で水熱分解が進行し始める前に、水熱分解の進行を抑制する適切な措置をとることが可能となる。
第1実施例では、CPU55が負荷要求を取得した後に、負荷要求に応じた電力を燃料電池15が出力するように制御を変更し、その後、内部温度Tを検出すると共に、出力電圧および出力電流を検出することによってカソード分極ηを求めている。このように、負荷要求に応じて実際に運転状態を変更したうえで、固体酸化物の水熱分解が進行される状態となったか否かを判断するのではなく、運転状態を変更した結果を予測して、この予測に基づいて、固体酸化物が水熱分解される状態になるか否かを判断することとしても良い。燃料電池では、発電量が定まれば、出力電圧および出力電流を予想することができる。また、燃料電池における発電量と発熱量の関係や、燃料電池における熱容量を予め調べておくことにより、燃料電池の発電状態に関する制御を変更した後の燃料電池温度を予測することも可能である。そして、予測に基づいて、固体酸化物が水熱分解される状態になると判断される場合には、固体酸化物が水熱分解されない状態となるように、具体的には、例えば燃料電池15の出力電圧が充分に低くなるように、燃料電池15の発電状態を制御すればよい。このように予測に基づいて判断する場合には、電解質層21を構成する固体酸化物は、短い時間であっても水熱分解される環境に晒されることがない。
第1実施例では、電解質層21における、カソード電極24との界面近傍での水熱分解を抑制しているが、カソード電極24を固体酸化物によって構成する場合には、上記構成に加えて、あるいは上記構成に代えて、カソード電極24における、電解質層21との界面近傍での水熱分解を抑制することとしても良い。
第1実施例の燃料電池システム10では、負荷16は、必要な電力を全て燃料電池15から得ることとしたが、異なる構成としても良い。例えば、燃料電池15とは異なる電源として2次電池を備えることとして、燃料電池15と2次電池のうちの一方および両方から、負荷16に対して電力を供給する構成としても良い。この場合にも、図3のステップS170において、燃料電池15の出力電圧がより低くなるように制御を変更して燃料電池15からの出力電力量を減少させることで、同様の効果が得られる。また、このように負荷16に対してさらに他の電源から電力供給可能とすることで、燃料電池15内部の水蒸気圧の状態に関わらず、負荷要求を満たす電力を負荷16に対して供給し続けることが可能となる。
第1実施例では、実測値あるいは推定値に基づいて界面水蒸気圧Pinf(H2O)および水熱分解臨界水蒸気圧Pcrit(H2O)を求め、水熱分解臨界水蒸気圧Pcrit(H2O)が界面水蒸気圧Pinf(H2O)以上にならないように制御している。これに対して、界面水蒸気圧Pinf(H2O)および水熱分解臨界水蒸気圧Pcrit(H2O)を具体的に導出することなく、水熱分解臨界水蒸気圧Pcrit(H2O)が界面水蒸気圧Pinf(H2O)以上になる可能性が高いと判断されるときに、固体酸化物の水熱分解を抑制するための制御を行なうことも可能である。以下に、このような構成を第2実施例として説明する。
第1および第2実施例では、燃料電池システム10における運転制御によって、固体酸化物の水熱分解臨界水蒸気圧Pcrit(H2O)が界面水蒸気圧Pinf(H2O)未満である状態の維持を図っている。これとは別に、電解質層21やカソード電極24を構成する固体酸化物の種類や配置を選択することにより、固体酸化物の水熱分解臨界水蒸気圧Pcrit(H2O)が界面水蒸気圧Pinf(H2O)未満となる状態の維持を図ることが可能である。このような構成を第3実施例として以下に説明する。
第3実施例では、電解質層において、カソード電極と接する表面を含む層と他の層との間で固体酸化物の組成を異ならせ、上記表面を含む層における水熱分解の進行を抑制しているが、電解質層の面内で、固体酸化物の組成を異ならせることとしても良い。界面水蒸気圧Pinf(H2O)はカソード分極ηが大きいほど高くなるため、電解質層の面内におけるカソード分極の分布状態に基づいて固体酸化物の組成を異ならせることにより、電解質層における水熱分解の進行を抑制することができる。カソード分極の分布状態は、例えば、温度分布状態に基づいて判断することができる。すなわち、温度が低いほど、カソード分極は一般に大きくなる。温度分布状態に基づいて電解質層の面内における固体酸化物の組成を異ならせる構成を、第4実施例として以下に説明する。
第4実施例では、温度分布状態に基づくカソード分極の分布状態に応じて、電解質層の面内で固体酸化物の組成を異ならせているが、異なる構成とすることもできる。カソード分極の分布状態は、例えば、酸化ガス中の水蒸気圧に基づいて判断することもできる。すなわち、酸化ガス中の水蒸気圧が高いほど、カソード分極は一般に大きくなる。酸化ガス中の水蒸気圧に基づいて電解質層の面内における固体酸化物の組成を異ならせる構成を、第5実施例として以下に説明する。なお、酸化ガス中の水蒸気圧がより高くなるときの他に、酸化ガス中の酸素分圧がより低くなるときにも、カソード分極は一般に大きくなるといえる。ここで、燃料電池の単セル内酸化ガス流路では、酸化ガス中の水蒸気圧が高い領域ほど酸化ガス中の酸素濃度が低くなるため、以下の説明は、水蒸気圧についてのみに着目して説明する。
第4および第5実施例では、電解質層の面内で、固体酸化物の組成を異ならせたが、スタック構造全体に対する位置に応じて、電解質層を構成する固体酸化物の組成を異ならせても良い。このような構成を第6実施例として以下に説明する。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
15,415…燃料電池
16…負荷
17…温度センサ
18…電流センサ
19…電圧センサ
20,120,320…単セル
21,121,221,321…電解質層
22…水素透過性金属層
24,124…カソード電極
25…単セル内燃料ガス流路
26…単セル内酸化ガス流路
28,29…ガスセパレータ
30…燃料ガス供給部
32…燃料ガス供給源
34…燃料ガス用配管
40…酸化ガス供給部
42…ブロワ
44…酸化ガス用配管
50…制御部
55…CPU
56…ROM
57…RAM
58…入出力ポート
60…冷却部
62…スタック内冷媒路
63…冷媒流路
64…ブロワ
121a,221a,321a…第1電解質部
121b,221b,321b…第2電解質部
124a…第1カソード電極部
124b…第2カソード電極部
420a…第1の単セル
420b…第2の単セル
Claims (35)
- 燃料電池システムであって、
電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極とを有する燃料電池と、
前記燃料電池の内部温度を取得する温度取得部と、
前記取得された温度における前記電解質層を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧を取得する臨界水蒸気圧取得部と、
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な領域における現在の燃料電池の運転条件下での状態を表わす値であって、水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧が、前記電解質層を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧を超えた場合、あるいは、超えることが予測される場合には、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更するシステム制御部と
を備える燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記燃料電池の内部温度を取得する温度取得部と、
前記取得された内部温度における前記水熱分解臨界水蒸気圧を取得する臨界水蒸気圧取得部と、
前記界面水蒸気圧を導出する界面水蒸気圧導出部とを備える燃料電池システム。 - 請求項2記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記電解質層が水熱分解されない水蒸気圧として、前記取得された水熱分解臨界水蒸気圧よりも低い許容水蒸気圧を設定する許容水蒸気圧設定部を備え、
前記システム制御部は、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧以上であるときには、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更する
燃料電池システム。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を有する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の内部温度を取得する温度取得部と、
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極を構成する材料の、前記取得された温度における水熱分解臨界水蒸気圧を取得する臨界水蒸気圧取得部と、
前記第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な領域における現在の燃料電池の運転条件下での状態を表わす値であって、水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧を導出する界面水蒸気圧導出部と、
前記燃料電池が所望の電力を発電するように前記燃料電池システムを制御すると共に、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を超えた場合、あるいは、超えることが予測される場合には、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更するシステム制御部と
を備える燃料電池システム。 - 請求項4記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記第1の電極が水熱分解されない水蒸気圧として、前記取得された水熱分解臨界水蒸気圧よりも低い許容水蒸気圧を設定する許容水蒸気圧設定部を備え、
前記システム制御部は、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧以上であるときには、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更する
燃料電池システム。 - 請求項2ないし5いずれか記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記第1の電極上を流れるガスにおける水蒸気分圧である気相水蒸気分圧を導出する気相水蒸気分圧導出部と、
前記第1の電極における電極分極を導出する電極分極導出部と
を備え、
前記界面水蒸気圧導出部は、前記気相水蒸気分圧と、前記電極分極と、前記燃料電池の内部温度とに基づいて、前記界面水蒸気圧を導出する
燃料電池システム。 - 請求項2ないし6いずれか記載の燃料電池システムにおいて、
前記システム制御部は、前記界面水蒸気圧が低下するように、前記燃料電池システムの制御を変更する
燃料電池システム。 - 請求項2ないし7いずれか記載の燃料電池システムにおいて、
前記システム制御部は、前記水熱分解臨界水蒸気圧が上昇するように、前記燃料電池システムの制御を変更する
燃料電池システム。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を有する燃料電池を備える燃料電池システムの運転方法であって、
(a)前記燃料電池の内部温度を取得する第1の工程と、
(b)前記取得された温度における前記電解質層を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧を取得する第2の工程と、
(c)前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な領域における現在の燃料電池の運転条件下での状態を表わす値であって、水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧を導出する第3の工程と、
(d)前記燃料電池が所望の電力を発電するように前記燃料電池システムを制御する際に、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を超えた場合、あるいは、超えることが予測される場合には、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更する第4の工程と
を備える燃料電池システムの運転方法。 - 請求項9記載の燃料電池システムの運転方法であって、さらに、
(e)前記電解質層が水熱分解されない水蒸気圧として、前記取得された水熱分解臨界水蒸気圧よりも低い許容水蒸気圧を設定する第5の工程を備え、
前記第4の工程は、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧以上であるときには、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更する
燃料電池システムの運転方法。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を有する燃料電池を備える燃料電池システムの運転方法であって、
(a)前記燃料電池の内部温度を取得する第1の工程と、
(b)前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極を構成する材料の、前記取得された温度における水熱分解臨界水蒸気圧を取得する第2の工程と、
(c)前記第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な領域における現在の燃料電池の運転条件下での状態を表わす値であって、水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧を導出する第3の工程と、
(d)前記燃料電池が所望の電力を発電するように前記燃料電池システムを制御する際に、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を超えた場合、あるいは、超えることが予測される場合には、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更する第4の工程と
を備える燃料電池システムの運転方法。 - 請求項11記載の燃料電池システムの運転方法であって、さらに、
(e)前記第1の電極が水熱分解されない水蒸気圧として、前記取得された水熱分解臨界水蒸気圧よりも低い許容水蒸気圧を設定する第5の工程を備え、
前記第4の工程は、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧以上であるときには、前記界面水蒸気圧が前記許容水蒸気圧を下回るように、前記燃料電池システムの制御を変更する
燃料電池システムの運転方法。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を有する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧が、前記電解質層を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧以上になるか否かを予測する水熱分解予測部と、
前記燃料電池の内部温度を調節する温度調節部と、
前記水熱分解予測部によって、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧以上になると予測されたときには、前記燃料電池の内部温度が上昇するように、前記温度調節部を制御する温度制御部と
を備える燃料電池システム。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を有する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧が、前記第1の電極を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧以上になるか否かを予測する水熱分解予測部と、
前記燃料電池の内部温度を調節する温度調節部と、
前記水熱分解予測部によって、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧以上になると予測されたときには、前記燃料電池の内部温度が上昇するように、前記温度調節部を制御する温度制御部と
を備える燃料電池システム。 - 請求項13または14記載の燃料電池システムであって、
前記水熱分解予測部は、負荷要求が増大すると予測されるときに、前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧以上になると予測する
燃料電池システム。 - 電解質層と該電解質層の両側に配設された触媒電極とを有する燃料電池と、前記燃料電池の内部温度を調節する温度調節部と、を備える燃料電池システムの運転方法であって、
(a)前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧が、前記電解質層を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧以上になるか否かを予測する第1の工程と、
(b)前記第1の工程で前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧以上になると予測したときには、前記燃料電池の内部温度が上昇するように、前記温度調節部を制御する第2の工程と
を備える燃料電池システムの運転方法。 - 電解質層と該電解質層の両側に配設された触媒電極とを有する燃料電池と、前記燃料電池の内部温度を調節する温度調節部と、を備える燃料電池システムの運転方法であって、
(a)前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる側の第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧が、前記第1の電極を構成する材料の水熱分解臨界水蒸気圧以上になるか否かを予測する第1の工程と、
(b)前記第1の工程で前記界面水蒸気圧が前記水熱分解臨界水蒸気圧以上になると予測したときには、前記燃料電池の内部温度が上昇するように、前記温度調節部を制御する第2の工程と
を備える燃料電池システムの運転方法。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を備える燃料電池であって、
前記電解質層は、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極と接する表面を含む層を構成する第1の電解質部と、前記層以外の部分である他の層を構成する第2の電解質部と、を備え、
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記第2の電解質部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料である
燃料電池。 - 請求項18記載の燃料電池において、
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であり、
前記第2の電解質部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極側に供給される前記反応ガス中の水蒸気圧よりも高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料である
燃料電池。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を備える燃料電池であって、
前記電解質層は、面内において、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極における分極抵抗がより大きくなる領域に対応する第1の電解質部と、前記分極抵抗がより小さくなる領域に対応する第2の電解質部と、を備え、
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記第2の電解質部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料である
燃料電池。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を備える単セルを複数積層することによって構成される燃料電池であって、
前記燃料電池において、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極における分極抵抗がより大きくなる領域に配設される前記単セルは、前記電解質層として第1の電解質部を備えると共に、前記分極抵抗がより小さくなる領域に配設される前記単セルは、前記電解質層として、前記第1の電解質部とは異なる材料から成る第2の電解質部を備え、
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記第2の電解質部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料である
燃料電池。 - 請求項20または21記載の燃料電池であって、
前記分極抵抗がより大きくなる領域は、前記燃料電池の発電時に比較的低温になる領域であり、前記分極抵抗がより小さくなる領域は、前記燃料電池の発電時に比較的高温になる領域である
燃料電池。 - 請求項20記載の燃料電池であって、さらに、
前記触媒電極上に設けられて電極活物質を含有する反応ガスが流れる反応ガス流路を備え、
前記分極抵抗がより大きくなる領域は、前記燃料電池の発電時に前記反応ガス流路において水蒸気圧が比較的高い前記反応ガスが流れる領域に対応する領域であり、前記分極抵抗がより小さくなる領域は、前記燃料電池の発電時に前記反応ガス流路において水蒸気圧が比較的低い前記反応ガスが流れる領域に対応する領域である
燃料電池。 - 請求項20ないし23いずれか記載の燃料電池において、
前記第1の電解質部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記第1の電解質部との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした第1の界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であり、
前記第2の電解質部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記第2の電解質部との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした第2の界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料である
燃料電池。 - 請求項18ないし24いずれか記載の燃料電池において、
前記第2の電解質部を構成する材料は、前記第1の電解質部を構成する材料よりも、導電種であるイオンの伝導率が高い材料である
燃料電池。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を備える燃料電池であって、
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極は、前記電解質層と接する表面を含む層を構成する第1の電極部と、前記層以外の部分である他の層を構成する第2の電極部と、を備え、
前記第1の電極部を構成する材料は、前記第2の電極部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料である
燃料電池。 - 請求項26記載の燃料電池において、
前記第1の電極部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であり、
前記第2の電極部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極側に供給される前記反応ガス中の水蒸気圧よりも高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料である
燃料電池。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を備える燃料電池であって、
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極は、面内において、前記第1の電極における分極抵抗がより大きくなる領域を構成する第1の電極部と、前記分極抵抗がより小さくなる領域を構成する第2の電極部と、を備え、
前記第1の電極部を構成する材料は、前記第2の電極部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料である
燃料電池。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を備える単セルを複数積層することによって構成される燃料電池であって、
前記燃料電池において、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極における分極抵抗がより大きくなる領域に配設される前記単セルは、前記第1の電極として第1の電極部を備えると共に、前記分極抵抗がより小さくなる領域に配設される前記単セルは、前記第1の電極として、前記第1の電極部とは異なる材料から成る第2の電極部を備え、
前記第1の電極部を構成する材料は、前記第2の電極部を構成する材料に比べて、前記燃料電池が発電する際の温度条件下において、水熱分解臨界水蒸気圧がより高くなる材料である
燃料電池。 - 請求項28または29記載の燃料電池であって、
前記分極抵抗がより大きくなる領域は、前記燃料電池の発電時に比較的低温になる領域であり、前記分極抵抗がより小さくなる領域は、前記燃料電池の発電時に比較的高温になる領域である
燃料電池。 - 請求項28記載の燃料電池であって、さらに、
前記触媒電極上に設けられて電極活物質を含有する反応ガスが流れる反応ガス流路を備え、
前記分極抵抗がより大きくなる領域は、前記燃料電池の発電時に前記反応ガス流路において水蒸気圧が比較的高い前記反応ガスが流れる領域に対応する領域であり、前記分極抵抗がより小さくなる領域は、前記燃料電池の発電時に前記反応ガス流路において水蒸気圧が比較的低い前記反応ガスが流れる領域に対応する領域である
燃料電池。 - 請求項28ないし31いずれか記載の燃料電池において、
前記第1の電極部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極部と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした第1の界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料であり、
前記第2の電極部を構成する材料は、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第2の電極部と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした第2の界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料である
燃料電池。 - 請求項26ないし32いずれか記載の燃料電池において、
前記第2の電極部を構成する材料は、前記第1の電極部を構成する材料よりも、電極としての触媒活性および電子伝導性が高い材料である
燃料電池。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を備える燃料電池であって、
前記電解質層として、前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極と接する表面を少なくとも含む領域が、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記電解質層との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料によって形成される電解質層を備える
燃料電池。 - 電解質層と、該電解質層の両側に配設された触媒電極と、を備える燃料電池であって、
前記触媒電極のうち発電に伴って生成水が生じる第1の電極として、前記電解質層と接する表面を少なくとも含む領域が、前記燃料電池が発電する際の運転条件下において、前記第1の電極と前記電解質との界面近傍の局所的な状態を表わす値であって水熱分解に影響する程度を水蒸気圧で表わした界面水蒸気圧よりも、高い水熱分解臨界水蒸気圧を維持可能な材料によって形成される電極を備える
燃料電池。
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