JP2009099310A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】反応ガス不足による燃料電池の劣化を抑制することのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の面内を反応ガスの主要な流れ方向と交差する方向に複数の領域に分割し、上流側から各領域に流入するガスに含まれる反応ガスのモル量、および前記各領域から下流側へ排出するガスに含まれる反応ガスのモル量に基づいて、各領域における反応ガスの濃度を推定する濃度分布推定手段と、前記濃度分布推定手段により推定された推定濃度分布が目標濃度分布と一致するように、前記燃料電池における反応ガスの供給量および/または排出量、および前記燃料電池の負荷電流の少なくとも一方を制御する制御手段と、を備える。
【選択図】図4

Description

この発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池は、複数枚の燃料電池セル(以下、「単位セル」と称する)が積層された燃料電池スタックとして使用される。単位セル自体も平面状の部材の積層体であり、電解質膜をアノードおよびカソードで挟んで構成された膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)を有し、該MEAをその両側からセパレータで挟むことで構成されている。アノードに水素を含むアノードガスが接触し、カソードに空気などの酸素を含むカソードガスが接触することによって、両電極間で電気化学反応が起こり、両電極間に電圧が発生する仕組みになっている。
このような燃料電池においては、反応ガスが不足すると触媒の腐食反応が進行してしまうことが知られている。そこで、従来、例えば、特開平9−259913号公報では、単位セルの平面方向の電流分布に基づいて反応ガスの不足・過剰を判断し、燃料電池の劣化を抑制するシステムが提案されている。このシステムでは、単位セルの平面方向の電流分布を検出し、その検出値と予め設定された基準電流の許容範囲とを比較することで反応ガスの不足・過剰が判断される。そして、反応ガスの不足・過剰が判断された場合に、燃料電池スタックに供給される反応ガスの供給流量および負荷電流の少なくとも一方を制御し、当該燃料電池に劣化が発生する事態を抑制することとしている。
特開平9−259913号公報 特開2005−44602号公報 特開平9−82348号公報 特開平9−306519号公報 特開平8−222260号公報
しかしながら、単位セルの面内を流れる電流は、当該単位セル面の反応ガス濃度だけでなく、加湿状態や温度などの影響も受ける。このため、電流値から反応ガス不足を判断する従来の燃料電池システムでは、反応ガス不足を精度よく判断することができないおそれがある。また、電流値はセル面内の反応ガス不足が相当程度進行しないと変化しないため、検出値に基づく電流分布が変化するのを待って流量の制御や負荷電流の制御を行うこととしても、既に触媒の腐食反応が進行してしまい、燃料電池の劣化を抑制できないおそれがある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、反応ガス不足による燃料電池の劣化を抑制することのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムであって、
反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池の面内を反応ガスの主要な流れ方向と交差する方向に複数の領域に分割し、上流側から各領域に流入するガスに含まれる反応ガスのモル量、および前記各領域から下流側へ排出するガスに含まれる反応ガスのモル量に基づいて、各領域における反応ガスの濃度を推定する濃度分布推定手段と、
前記濃度分布推定手段により推定された推定濃度分布が目標濃度分布と一致するように、前記燃料電池における反応ガスの供給量および/または排出量、および前記燃料電池の負荷電流の少なくとも一方を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記濃度分布推定手段は、前記供給量、前記排出量、および前記燃料電池の電流密度が一定である場合の、所定時間経過後の反応ガス濃度を推定することを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記制御手段は、前記燃料電池の発電状態に基づいて、前記目標濃度分布を可変に設定する目標濃度分布設定手段を含むことを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、
前記制御手段は、前記推定濃度分布が前記目標濃度分布と一致するように、前記推定濃度分布と前記目標濃度分布との偏差を反応ガスの供給量および/または排出量にフィードバックするフィードバック手段を含むことを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、
前記制御手段は、前記フィードバック手段を実行する場合に、制御燃料電池の運転状態に基づいて決定された所定の供給量および/または排出量を、フィードフォワード項として加算するフィードフォワード手段を含むことを特徴とする。
第6の発明は、第4または第5の発明において、
前記フィードバック手段は、フィードバックゲインを前記燃料電池の発電状態に基づいて可変に設定することを特徴とする。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、
前記燃料電池は、複数の単位セルを積層して構成された燃料電池スタックであり、
前記濃度分布推定手段は、前記燃料電池の運転状態に基づいて選択された、反応ガス流量の低い単位セルの濃度分布を推定することを特徴とする。
第8の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムであって、
反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池の面内における反応ガスの濃度分布を推定する濃度分布推定手段と、
前記濃度分布推定手段により推定された推定濃度分布が目標濃度分布と一致するように、前記燃料電池における反応ガスの供給量および/または排出量、および前記燃料電池の負荷電流の少なくとも一方を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、燃料電池の面内を反応ガスの主要な流れ方向と交差する方向に複数の領域に分割し、上流側から各領域に流入するガスに含まれる反応ガスのモル量、および前記各領域から下流側へ排出するガスに含まれる反応ガスのモル量とに基づいて、各領域における反応ガスの濃度が推定される。そして、当該反応ガスの濃度分布が所定の目標値となるように、反応ガスの供給量および/または排出量、および負荷電流の少なくとも一方が制御される。このため、本発明によれば、推定された反応ガス濃度分布に基づいて、反応ガス不足を精度よく判断して対策を講じることができる。
第2の発明によれば、反応ガスの濃度分布として、反応ガス供給量、排出量、および燃料電池の電流密度が一定である場合の、所定時間経過後の反応ガス濃度分布が推定される。このため、本発明によれば、反応ガス不足により触媒腐食反応が進行する前に対策を講じることができるので、燃料電池の劣化を効果的に抑制することができる。
第3の発明によれば、燃料電池の発電状態に基づいて、目標濃度分布が可変に設定される。このため、本発明によれば、燃料電池の濃度分布を発電状態に応じて設定された目標濃度分布に近づけることができ、燃料電池の劣化を効果的に抑制することができる。
第4の発明によれば、反応ガスの推定濃度分布が目標濃度分布となるように、推定濃度分布と目標濃度分布との偏差が反応ガスの供給量および/または排出量にフィードバックされる。このため、本発明によれば、燃料電池における反応ガスの濃度分布を効果的に目標値に近づけることができる。
第5の発明によれば、フィードバック制御を実行する際に、燃料電池の運転状態に基づいて決定された所定の反応ガス供給量および/または排出量がフィードフォワード項として加算される。このため、本発明によれば、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを効果的に組み合わせることにより、燃料電池における反応ガスの濃度分布を効果的に目標値に近づけることができる。
第6の発明によれば、燃料電池の発電状態に基づいて、フィードバックゲインが可変に設定される。このため、本発明によれば、燃料電池の発電状態に応じてフィードバックゲインを効果的に調整することにより、フィードバック制御によるハンチングやオーバーシュートを抑制することができる。
第7の発明によれば、燃料電池の運転状態に基づいて選択された反応ガス流量の低い単位セルの濃度分布が推定される。このため、本発明によれば、反応ガス不足が発生し易い単位セルの濃度を推定することができるので、燃料電池が劣化する事態を効果的に回避することができる。
第8の発明によれば、燃料電池の面方向における反応ガスの濃度分布が推定される。そして、当該反応ガスの濃度分布が所定の目標値となるように、反応ガスの供給量および/または排出量、および負荷電流の少なくとも一方が制御される。このため、本発明によれば、推定された反応ガス濃度分布に基づいて、反応ガス不足を精度よく判断して対策を講じることができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
[実施の形態の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の燃料電池システムの構成を説明するための図である。図1に示すとおり、燃料電池システムは、燃料電池スタック10(以下、「FCスタック」とも称する)を備えている。FCスタック10は複数枚の燃料電池セル(単位セル)を積層して構成されている。各単位セルは、MEA、酸素を含むカソードガスが流れるカソード流路、水素を含むアノードガスが流れるアノード流路、および隣接する発電体を隔離するセパレータ(何れも図示せず)によって構成されている。尚、単位セルの構造に関しては、本発明の主要部ではなく、かつ、公知の構造であるため、その詳細な説明を省略する。
FCスタック10には、アノードガスを供給するためのアノードガス配管12と、アノードオフガス配管14とが接続されている。アノードガス配管12の上流端は、アノードガス供給源(高圧水素タンクや改質器等) 16に接続され、その下流にはレギュレータ18が配置されている。アノードガスはレギュレータ18で減圧され、所望の圧力に減圧されてからFCスタック10に供給される。FCスタック10内を通ったアノードガスは、アノードオフガスとしてアノードオフガス配管14に排気される。アノードオフガス配管14の下流には排気弁20が接続されている。
また、FCスタック10には、カソードガスを供給するためのカソードガス配管22と、カソードオフガスを排出するためのカソードオフガス配管24とが接続されている。カソードガス配管22の入口には、外部から取り込まれた空気に含まれている粉塵等を除去するエアクリーナ(図示せず)が配置されている。また、エアクリーナの下流にはコンプレッサ26が配置されている。コンプレッサ26の作動によって吸入された空気は、カソードガス配管22を介してFCスタック10に供給される。また、カソードオフガス配管24には、調圧弁28が配置されている。調圧弁28は、燃料電池スタック10内のカソードガスを所望の圧力に調圧することができる。FCスタック10内を通ったカソードガスは、カソードオフガスとしてカソードオフガス配管24に排気される。
本実施の形態の燃料電池システムは、制御装置30を備えている。制御装置30には、コンプレッサ26、レギュレータ18、排気弁20、調圧弁28等のアクチュエータ類が接続されている。制御装置30は、センサ等からの検出信号に基づいて、各種アクチュエータを駆動制御する。
[実施の形態における動作]
(水素ガスの濃度分布推定動作)
次に、本実施の形態の燃料電池システムの動作として、水素ガス(H)の濃度分布の推定動作について説明する。ここでは、FCスタック10を構成する単位セルの中から選択された一の単位セルにおける水素ガスの濃度分布(水素ガスと窒素ガスの分圧の分布)を制御装置30が演算する動作について説明する。尚、演算の簡略化のために、燃料電池内の水の流れは考慮しないこととする。また、窒素ガスの透過量は、セル全体で均一且つ一定であると仮定する。また、単位セルをアノードガスの流れ方向と交差する方向に2つに分割し、上流側をセル1、下流側をセル2と称する。
尚、選択する単位セルは、FCスタック10の運転状態に基づいて、水素ガス不足(水素欠)が発生しやすい単位セルを選択することとする。例えば、FCスタックの始動時においては、水素ガスの入口から最も離れた単位セル(ガス置換のされ難い単位セル)を選択し、通常発電時は最も圧損の高い単位セルを選択することとする。これにより、FCスタックに水素欠が発生した場合に、高い精度で推定することが可能となる。
図2は、セル1とセル2との間の物質収支を説明するための図である。この図に示すとおり、先ず、水素ガスは外部からセル1に流入する。セル1に流入する水素ガス量(アノードガス量)をqH2とすると、流入する水素ガスのモル量dn0,1は以下の式で表される。
Figure 2009099310
次に、セル1からセル2へ流入するガスのモル量をdn1,2、セル1の圧力をP、セル2の圧力をPとすると、dn1,2は以下の式で表される。
Figure 2009099310
ここで、dn1,2に含まれる水素ガスのモル量をdn1,2,H2、窒素ガスのモル量をdn1,2,N2とすると、dn1,2,H2およびdn1,2,N2は、それぞれ以下の式で表される。
Figure 2009099310
ここで、n1,H2は、セル1内の水素ガスのモル量を示しており、n1,N2は、セル1内の窒素ガスのモル量を示している。つまり、上式(3)におけるn1,H2/(n1,H2+n1,N2)は、セル1における水素ガスのモル分率を示しており、上式(4)におけるn1,N2/(n1,H2+n1,N2)は、セル1における窒素ガスのモル分率を示している。
次に、セル2から外部に排出されるガス排出量をqANとすると、排出されるガスのモル量dn2,3は以下の式で表される。
Figure 2009099310
ここで、dn2,3に含まれる水素ガス(H)のモル量をdn2,3,H2、窒素ガス(N)のモル量をdn2,3,N2とすると、dn2,3,H2およびdn2,3,N2は、それぞれ以下の式で表される。
Figure 2009099310
ここで、n2,H2、n1,N2は、セル2内の水素ガス、窒素ガスのモル量をそれぞれ示している。
以上に基づいて、セル1における物質収支は、上式(1)、(3)、および(4)を用いて以下の式で表される。
Figure 2009099310
ここで、Iは電流密度を、(I/2F)・dldwは発電反応により消費される水素ガス量を、G・dldwはカソードからアノードへ透過する窒素ガス量を、それぞれ示している。
一方、セル2における物質収支は、上式(3)、(4)、(6)、および(7)を用いて以下の式で表される。
Figure 2009099310
以上より、全圧とモル数との関係は、以下の式で表される。
Figure 2009099310
このように、セル1およびセル2における水素ガスと窒素ガスとの分圧を演算することができる。また、上記処理をセル3以降に関しても同様に行うことで、単位セルを更に複数に分割した場合の水素ガスの分圧を演算することができる。また、カソードガスについても同様の手順で演算を行うことで、酸素ガスのモル分圧を演算することができる。
また、水素供給量qH2、ガス排出量qAN、および電流密度Iが、所定時間経過後まで一定であると仮定して、上記処理を繰り返し実行することとすれば、所定時間経過後の水素ガスの分圧を予測することができる。これにより、水素欠が発生する事態を逸早く予測することができる。
(水素供給量/ガス排出量の制御)
単位セル面における水素ガス分圧が低い場合には、水素欠によるカソード触媒の腐食反応が進行してしまう。一方、水素ガス分圧が高い場合には燃費が悪化してしまう。そこで、水素ガス分圧は、その領域毎に最適な目標値に制御されることが好ましい。
ここで、上述したとおり、本実施の形態では、水素ガスの濃度分布の推定動作により、単位セル面における分割された各領域のガス分圧を推定することができる。図3は、単位セルのアノード側における水素ガス分圧推定値および分圧目標値の一例を示す図である。この図においては、単位セルを水素ガスの流れ方向に交差する方向に5分割した場合の分圧分布を示している。
この図中(A)に示す状態では、水素ガス入口側の分割セルの水素ガスが不足している。このような状態においては、例えば、水素欠の発生を回避するために水素ガスの供給量を増量することが望ましい。一方、図中(B)に示す状態では、水素ガス出口側の分割セルの水素ガスが不足している。このような状態においては、例えば、オフガスの排出量を増量して出口側に溜まった窒素ガス等を有効に排出しつつ、水素ガスの供給量を増量することが望ましい。
そこで、本実施の形態では、各領域の分圧推定値が目標値となるように、水素供給量およびオフガスの排出量をフィードバック制御することとする。これにより、単位セルにおける水素ガスの推定濃度分布を目標濃度分布に略一致させることができる。反応ガスの供給量およびオフガスの排出量は、具体的には、以下の式に基づいて演算することができる。
Figure 2009099310
ここで、qH2は水素供給量、qANはオフガスの排出量を示している。また、q H2,q ANはqH2,qANの目標値を、n 1,H2,n 1,N2,n 2,H2,n 2,N2はn1,H2,n1,N2,n2,H2,n2,N2の目標値をそれぞれ示している。上式(14)に示すとおり、水素供給量qH2,ガス排出量qANは、分割された核セル領域における水素のガス分圧推定値とこれに対応する各目標値との偏差にフィードバックゲインFを乗ずることにより、フィードバック制御の比例項が演算されている。フィードバックゲインFは、FCスタック10の運転状態、すなわち、負荷電流、スタック温度、起動時か否かなどに基づいて、マップ等で変化させることとする。これにより、フィードバック制御の応答性を向上させつつ、オーバーシュートの発生を効果的に抑制することとする。
また、上式(14)においては、フィードフォワード項として、q H2,q ANが加算されている。具体的には、q H2,q ANは、所定の負荷電流(例えば、100A相当)に対応する水素ガスの供給量、およびオフガスの排出量を示している。つまり、上記フィードフォワード項を加算することにより、燃料電池が所定の発電反応を実行している状態を基準として、フィードバック制御を実行することができるので、フィードバック制御の精度を向上させることができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図4は、この発明の実施の形態において、制御装置30が上式(14)に基づいて水素ガスの供給量およびガス排出量を制御するためのブロック図を、図5は、制御装置30が上式(14)に基づいて水素ガスの供給量およびガス排出量を制御するために実行するルーチンのフローチャートを示す。以下、図5に示すルーチンに従って、制御装置30が水素ガスの供給量・排出量を制御する手順を説明する。
図5に示すルーチンでは、先ず、単位セルにおける水素ガスの濃度分布が推定される(ステップ100)。ここでは、具体的には、先ず、単位セル面が、水素ガスの主要な流れ方向に交差する方向に複数領域に分割される。次に、各領域における水素ガス分圧が、上式(12)(13)に基づいて推定される。
次に、水素ガス分圧の目標値が設定される(ステップ102)。ここでは、具体的には、FCスタック10の運転状態に基づいて、単位セルにおける分割された領域毎に設定される。
次に、フィードフォワード項が設定される(ステップ104)。ここでは、具体的には、負荷電流がある基準値(例えば、100A相当)である場合の水素供給量qH2 およびガス排出量qAN がフィードフォワード項として設定される。
次に、フィードバック項が演算される(ステップ106)。ここでは、具体的には、先ず、比例項のフィードバックゲインFが、FCスタック10の運転状態に基づいて設定される。次いで、上記ステップ100において推定された水素ガスの濃度と、上記ステップ102において設定された目標値との偏差に、フィードバックゲインFを乗ずることによりフィードバック項が演算される。
図5に示すルーチンでは、次に、水素供給量qH2およびガス排出量qANが演算される(ステップ108)。ここでは、具体的には、上記ステップ104において設定されたフィードフォワード項と、上記ステップ106において演算されたフィードバック項とが上式(14)に代入されることにより、最終的な水素供給量qH2およびガス排出量qANが演算される。
次に、水素ガスの供給量およびオフガスの排出量が制御される(ステップ110)。ここでは、具体的には、上記ステップ108において演算された水素供給量qH2およびガス排出量qANを実現するべく、レギュレータ18或いは排気弁20が制御される。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、各セル領域の分圧推定値が目標値となるように、水素供給量qH2およびガス排出量qANを制御することができる。これにより、単位セル面内に水素欠領域が発生し、燃料電池が劣化する事態を効果的に回避することができる。
ところで、上述した実施の形態においては、FCスタック10のアノードにおける水素ガス分圧を推定し、水素供給量qH2およびガス排出量qANを制御することとしているが、当該制御を行う極はアノードに限られない。すなわち、カソードにおける酸素ガス分圧を推定し、酸素不足とならないように当該酸素ガスの供給量およびガス排出量を制御することとしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、FCスタック10のアノードにおける水素ガス分圧を推定し、水素供給量qH2およびガス排出量qANを制御することとしているが、負荷電流を併せて変化させることとしてもよい。すなわち、水素供給量qH2およびガス排出量qANのフィードバック制御には応答遅れが発生するため、即座に水素不足を解消できない場合も想定される。かかる場合に電流を引き続けると、触媒の腐食反応が進行してしまうおそれがある。そこで、水素不足が発生した場合には、解消されるまでの応答期間に負荷電流を低下させて発電反応を抑制することとすれば、触媒の腐食反応が進行する事態を効果的に回避することができる。
また、上述した実施の形態においては、上式(1)〜(14)にしたがって、FCスタック10のアノードにおける水素ガス分圧分布を推定することとしているが、水素ガスの濃度分布を推定する方法はこれに限られない。すなわち、分割した各領域の物質収支を演算することにより反応ガス濃度分布を推定するのであれば、他の公知の数値解析手法を用いることとしてもよい。
尚、上述した実施の形態においては、水素ガス(アノードガス)が第1の発明における「反応ガス」に相当しているとともに、制御装置30が、上記ステップ100の処理を実行することにより、前記第1の発明における「濃度分布推定手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより、前記第1の発明における「制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態においては、制御装置30が、上記ステップ102の処理を実行することにより、前記第3の発明における「目標濃度分布設定手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態においては、制御装置30が、上記ステップ108の処理を実行することにより、前記第4の発明における「フィードバック手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態においては、制御装置30が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第5の発明における「フィードフォワード手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態においては、水素ガス(アノードガス)が第8の発明における「反応ガス」に相当しているとともに、制御装置30が、上記ステップ100の処理を実行することにより、前記第1の発明における「濃度分布推定手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより、前記第8の発明における「制御手段」が、それぞれ実現されている。
本実施の形態に適用可能な燃料電池システムの全体を示す概略構成図である。 セル1とセル2との間の物質収支を説明するための図である。 単位セルにおける水素ガスの分圧推定値および分圧目標値の一例を示す図である。 水素供給量およびガス排出量を制御するためのブロック図である。 本実施の形態において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池スタック(FCスタック)
12 アノードガス配管
14 アノードオフガス配管
16 アノードガス供給源
18 レギュレータ
20 排気弁
22 カソードガス配管
24 カソードオフガス配管
26 コンプレッサ
28 調圧弁
30 制御装置
F フィードバックゲイン
I 電流密度
H2 水素供給量
AN ガス排出量

Claims (8)

  1. 反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池の面内を反応ガスの主要な流れ方向と交差する方向に複数の領域に分割し、上流側から各領域に流入するガスに含まれる反応ガスのモル量、および前記各領域から下流側へ排出するガスに含まれる反応ガスのモル量に基づいて、各領域における反応ガスの濃度を推定する濃度分布推定手段と、
    前記濃度分布推定手段により推定された推定濃度分布が目標濃度分布と一致するように、前記燃料電池における反応ガスの供給量および/または排出量、および前記燃料電池の負荷電流の少なくとも一方を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記濃度分布推定手段は、前記供給量、前記排出量、および前記燃料電池の電流密度が一定である場合の、所定時間経過後の反応ガス濃度を推定することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記燃料電池の発電状態に基づいて、前記目標濃度分布を可変に設定する目標濃度分布設定手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、前記推定濃度分布が前記目標濃度分布と一致するように、前記推定濃度分布と前記目標濃度分布との偏差を反応ガスの供給量および/または排出量にフィードバックするフィードバック手段を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、前記フィードバック手段を実行する場合に、制御燃料電池の運転状態に基づいて決定された所定の供給量および/または排出量を、フィードフォワード項として加算するフィードフォワード手段を含むことを特徴とする請求項4記載の燃料電池システム。
  6. 前記フィードバック手段は、フィードバックゲインを前記燃料電池の発電状態に基づいて可変に設定することを特徴とする請求項4または5記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池は、複数の単位セルを積層して構成された燃料電池スタックであり、
    前記濃度分布推定手段は、前記燃料電池の運転状態に基づいて選択された、反応ガス流量の低い単位セルの濃度分布を推定することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の燃料電池システム。
  8. 反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池の面内における反応ガスの濃度分布を推定する濃度分布推定手段と、
    前記濃度分布推定手段により推定された推定濃度分布が目標濃度分布と一致するように、前記燃料電池における反応ガスの供給量および/または排出量、および前記燃料電池の負荷電流の少なくとも一方を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
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