JP2007041071A - 写真処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1枚目の感光材料を処理して出力するまでの待ち時間を短縮することができるようにする。
【解決手段】 複数の処理槽51を備え、各処理槽51に貯留された処理液の中に印画紙シートR2を順次通過させることにより、印画紙シートR2に各処理液による処理を順次施すように構成されたものであり、複数の処理槽51のうちの少なくとも一つの処理槽51から別の処理槽51へ、印画紙シートR2を挟持して案内する一対の出口側スポンジローラ73が設けられ、出口側スポンジローラ73に水を供給する水供給手段80,80aが設けられている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、ハロゲン化銀を感光主体とした銀塩写真システムに適用される感光材料としての写真フィルム(以下フィルムとのみいう)に現像処理を施したり、あるいは現像処理済みのフィルムを用いて感光材料としての印画紙に現像処理(焼付け処理)を施したりする写真処理装置に関するものである。
従来、特許文献1に記載されているような印画紙に現像処理を施す写真処理装置が知られている。この写真処理装置は、ロール状に巻回された長尺の印画紙ロールを引き出しながらその露光面に現像処理済みのフィルムの各コマ(一画面)を順次積層していき、フィルムを介して露光面に光を照射することによる露光処理を行った後、現像槽において当該印画紙を所定の現像液中に浸漬して当該印画紙に現像処理を施すようになされている。
そして、現像処理後の印画紙は、搬送ローラ等の搬送手段の駆動で定着槽に導入され、所定の定着液中に浸漬されることによって定着処理が施された後、洗浄槽における水洗処理で定着液が除去されるようになっている。洗浄処理後の印画紙は、乾燥室に導入され所定の熱源からの熱(温風の吹き付けを含む)による乾燥処理が施されたのち外部に排出される。
かかる写真処理装置において現像槽、定着槽および洗浄槽は、縦長に構成されて槽深さが深く設定されているとともに、槽内には印画紙搬送方向と直交する印画紙幅方向に延びるように2列で並設された複数本の搬送ローラと、各列における互いに対向した一対の搬送ローラ間に介設された駆動ローラとが設けられている。
また、各列の搬送ローラの最上位のもののさらに上方位置には、搬送ローラと平行に配設された各一対の案内ローラが設けられ、印画紙は、駆動回転している一方の案内ローラに挟持された状態で槽内に向けて搬送され、一方の列の搬送ローラと駆動ローラとに挟持されつつ搬送ローラの駆動で一旦下降したのち他方の列の搬送ローラと駆動ローラとに挟持されつつ上昇するようになっている。上昇した印画紙は、駆動回転している他方の案内ローラに挟持されつつ次工程へ向けて搬送されるようになっている。
このように、特許文献1に開示される従来技術では、縦長に形成される現像・定着・洗浄の各処理槽を、印画紙が蛇行しながら順に搬送されてゆくことで、処理が施されてゆく。各槽では、各処理に必要とされる時間にわたって、印画紙を処理液に浸漬している必要があり、特に洗浄工程には長い時間を要する。
そこで、特許文献1では明示されていないが、通常、印画紙を排出する側のローラ対はスポンジ体によって形成されている。そして、印画紙がローラ対間を通過する間に付着している処理液がローラ対によって吸収除去され、これによって一つの処理槽から次の処理槽への、印画紙に同伴した処理液の持ち込みが抑制されるようになされている。
特許第3478382号公報
しかしながら、印画紙に対する現像処理が度重なると、スポンジ体からなるローラ対は、吸収した処理液で満たされ、以後、印画紙から処理液を吸収する能力が十分に発揮できなくなるという不都合が生じていた。ローラ対は感光材料を挟持する必要から、スポンジ体が幾分変形するほどに互いに押圧されるので、それによって処理液を搾り取る効果がある程度は得られる。しかし、スポンジ体が本来有する吸収能力を十分に発揮するものとはなっていなかった。その結果、上記従来装置は、印画紙に同伴した処理液の持ち込みを抑制する効果が十分ではなく、処理に要する処理時間が長くなり、1枚目のプリントを出力するまでの待ち時間が長くなるという問題点を有していた。このことは、店内に写真処理装置を設置し、店頭に顧客を待たせて写真処理サービスを提供する店舗にとっては、顧客吸引力をも左右する重要な問題点である。
本発明は、かかる従来の問題点を解消するためになされたものであり、1枚目の感光材料を処理して出力するまでの待ち時間を短縮することができる写真処理装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、複数の処理槽を備え、各処理槽に貯留された処理液の中に感光材料を順次通過させることにより、前記感光材料に各処理液による処理を順次施す写真処理装置であって、前記複数の処理槽のうちの少なくとも一つの処理槽から別の処理槽へ、感光材料を挟持して案内するローラ対が設けられ、前記ローラ対は、一対の円筒状のスポンジローラによって形成されているとともに、前記一対のスポンジローラの少なくとも一方が吸収した処理液を水流によって洗い流すべく前記少なくとも一方のスポンジローラに水を供給する水供給手段が設けられていることを特徴とするものである。
請求項1記載の発明において、感光材料とは、ハロゲン化銀を感光主体とした銀塩写真システムに適用されるフィルムおよび現像処理済みのフィルムを用いて現像処理(焼付け処理)が施される印画紙の双方を含む概念の用語として使用している。
請求項1記載の発明によれば、複数の処理槽に貯留された処理液の中に感光材料が順次浸漬することにより、感光材料に各処理液による処理が順次施される。そして、少なくとも一つの処理槽から次の処理槽へ、感光材料を挟持して案内するローラ対が設けられ、当該ローラ対が、一対の円筒状のスポンジローラによって形成されている。このため、感光材料は、一対のスポンジローラによって挟持されながら当該スポンジローラの駆動で搬送されるに際し、表裏面に付着している処理液がスポンジローラに吸収除去され、これによって表裏面が清浄化処理された状態で次工程、すなわち次の処理槽による処理へ向けて搬送されることになる。
これに加えて、スポンジが水を吸収し易いことを利用して、少なくとも一方のスポンジローラに水を供給する水供給手段が設けられているため、上記少なくとも一方のスポンジローラへ水を供給することにより、当該スポンジローラは、吸収していた処理液が供給された水によって洗い流され(すなわち、スポンジローラ中の処理液が水に置換され)、処理液の少ない清浄な状態となる。上記少なくとも一方のスポンジローラが、一方のみのスポンジローラである場合であっても、当該一方のスポンジローラは他方のスポンジローラの処理液をも吸収することができる。その結果、一対のスポンジローラの双方が、処理液の少ない清浄な状態となる。それにより、感光材料に付着している処理液がスポンジローラに十分に吸収される(具体的には、処理液がスポンジローラ中の水の中に拡散していく)。すなわち、一対のスポンジローラの双方について、感光材料から処理液を吸収する能力が高く維持される。
特に、スポンジローラが水で十分に濡れた状態、あるいは溢れるほどに水を含んだ状態で、感光材料に対する処理を行うことも可能であり、この場合には、感光材料は、清浄な水を含んだスポンジローラによって表面が洗い流されるため、感光材料に付着している処理液が効果的に除去される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記水供給手段が、前記少なくとも一方のスポンジローラに断続自在に水を供給するものである。
かかる構成によれば、水供給手段が、少なくとも一方のスポンジローラに断続自在に水を供給するものであるので、上記少なくとも一方のスポンジローラへの水供給を所定のタイミング毎(具体的には、スポンジローラが吸収した処理液で飽和する以前のタイミング毎)に繰り返すことにより、スポンジローラを元の清浄な状態に戻すことができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記水供給手段は、周面に水を噴出する複数の噴出孔を有する、前記少なくとも一方のスポンジローラの軸心位置に設けられた中空ローラ軸と、この中空ローラ軸に水を供給する給水手段とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、給水手段が供給する水が中空ローラ軸の複数の噴出孔を介して、上記少なくとも一方のスポンジローラに供給され、これによって処理液で汚れた水が新鮮な水と置換されるため、スポンジローラは処理液が少ない清浄な状態となる。
このように、中空ローラ軸からの水の供給によって上記少なくとも一方のスポンジローラに万遍なく水が供給されるため、当該スポンジローラにおける処理液から水への均一な水置換が効率よく行われる。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記水供給手段は、周面に水を噴出する複数の噴出孔を有し、前記少なくとも一方のスポンジローラの周面に対向して配置され、前記少なくとも一方のスポンジローラの周面に散水する散水管と、この散水管に水を供給する給水手段とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、給水手段が供給する水が散水管から上記少なくとも一方のスポンジローラに供給され、これによって処理液で汚れた水が新鮮な水と置換されるため、スポンジローラは処理液が少ない清浄な状態となる。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記給水手段が、所定の水槽からの水を汲み上げて供給する水吐出ポンプを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、水吐出ポンプの駆動により所定の水槽から汲み上げられた水が中空ローラ軸或いは散水管の複数の噴出孔を介して上記少なくとも一方のスポンジローラに供給される。なお、上記水槽は、本発明の写真処理装置にその構成要素として含まれていても良いが、写真処理装置以外の外部の器具であってもよい。
請求項6記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記給水手段が、水道水を断続自在に供給する給水弁を備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、給水弁を通じて断続自在に供給される水道水が中空ローラ軸或いは散水管の複数の噴出孔を介して上記少なくとも一方のスポンジローラに供給される。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記処理槽は、現像処理が施された感光材料に所定の定着用の処理液で定着処理を施す定着処理槽と、この定着処理槽に隣設されて定着処理済みの感光材料に洗浄水による洗浄処理を施す洗浄処理槽とを少なくとも備え、前記ローラ対が、前記定着処理槽から前記洗浄処理槽へ前記感光材料を挟持して案内するローラ対を含んでいることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、定着処理槽で所定の処理液により定着処理が施された後の感光材料は、スポンジローラを介して次工程の洗浄処理槽へ搬送されるが、この搬送途中でスポンジローラと当接することにより、付着している処理液がスポンジローラに吸収されている水中へ拡散して取り除かれるとともに、水によって希釈された状態で洗浄処理槽へ向かう。それにより、定着処理槽で用いられる定着液の洗浄処理槽への持ち込みが抑制される。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記少なくとも一方のスポンジローラが、前記一対のスポンジローラの双方であることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、一対のスポンジローラの双方について、吸収された処理液が処理液除去手段により除去されるので、一対のスポンジローラの処理液を吸収する能力を更に高めることができる。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記水供給手段が断続自在に水を供給するものであって、当該水供給手段の水供給動作を制御する制御手段が設けられ、前記制御手段は、前記少なくとも一方のスポンジローラが所定量を超えて処理液を吸収するタイミングを判別するタイミング判別部と、前記タイミング判別部が前記タイミングの到来を判別すると、前記感光材料の処理槽への搬入を一時的に中断させるべく所定の搬送手段に向けて中断信号を出力する中断信号出力部と、前記中断信号出力部が中断信号を出力した後に前記水供給手段に向けてスポンジローラに水を供給させるべく制御信号を出力する制御信号出力部とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、タイミング判別部が、少なくとも一方のスポンジローラが所定量を超えて処理液を吸収するタイミングが到来したことを判別すると、中断信号出力部がこのタイミング判別部の判別結果に基づき所定の搬送手段に向けて中断信号を出力するため、搬送手段は感光材料の処理槽への搬入を一時的に中断させた状態になる。この状態で制御信号出力部が水供給手段に向けてスポンジローラに水を供給するべき制御信号を出力するため、この制御信号が入力された水供給手段の駆動で水がスポンジローラに供給され、これによってスポンジローラは、吸収していた処理液が新鮮な水と置換される。
そして、このような制御手段の制御によって、スポンジローラは、特にオペレータがメンテナンス作業を行わなくても、常に処理液を吸収し得る状態になるため、現像処理の全体的な処理効率が大幅に向上する。
請求項1記載の発明によれば、少なくとも一方のスポンジローラに水を供給する水供給手段が設けられているため、この水供給手段によるスポンジローラへの水供給により、スポンジローラは、吸収していた処理液が供給された水によって洗い流されて新鮮な水と置換された清浄な状態となる。これにより、少なくとも一方のスポンジローラを、十分に処理液を吸収し得る状態にすることができ、結果として一対のスポンジローラが処理液を吸収する能力を高く維持することができる。特に、スポンジローラが水で十分に濡れた状態、あるいは溢れるほどに水を含んだ状態で、感光材料に対する処理を行うことも可能であり、この場合には、感光材料は、清浄な水を含んだスポンジローラによって表面が洗い流されるため、感光材料に付着している処理液を効果的に除去することができる。従って、少なくとも一つの処理槽から次の処理槽への、感光材料に同伴した処理液の持ち出しが、より効果的に抑制され、その結果として次の処理槽での処理時間を短縮することができるので、1枚目の感光材料を処理して出力するまでの待ち時間を短縮することができる。
また、処理槽内の処理液は、自然蒸発により常に減少するため、定期的に水を補給することが行われるが、スポンジローラに水を供給するに際し、蒸発量に対応する水が余るように供給すれば、余った水が処理槽内に回収されるため、定期的な水の補給が不要になり、その分メンテナンス作業の軽減化に貢献することができる。
請求項2記載の発明によれば、上記少なくとも一方のスポンジローラへの水供給を所定のタイミング毎に繰り返すことにより、スポンジローラを元の清浄な状態に戻すことができる。また、水を断続的に供給できるので、感光材料の処理が行われない時期にスポンジローラの清浄化を行うことができる。更に、水の供給量を、処理液の蒸発分を補う程度に低く抑えることが容易である。
請求項3記載の発明によれば、中空ローラ軸からの水の供給によってスポンジローラに万遍なく水が供給されるため、スポンジローラにおける処理液から水への均一な水置換が効率よく行われる。これによって、スポンジローラによる処理液の吸収能力がさらに高められるので、少なくとも一つの処理槽から次の処理槽への、感光材料に同伴した処理液の持ち出しが、さらに効果的に抑制される。その結果として次の処理槽での処理時間をさらに短縮することができるので、1枚目の感光材料を処理して出力するまでの待ち時間をさらに短縮することができる。
また、スポンジローラへの水供給が、感光材料の搬送が停止している期間に行われる場合には、中空ローラ軸からの水の供給によってスポンジローラにおける処理液から水への均一な水置換が迅速に行われるので、感光材料の搬送を停止する期間を短縮することができる。それにより、1枚目の感光材料を処理して出力するまでの待ち時間をさらに短縮することができる。
請求項4記載の発明によれば、スポンジローラが吸収していた処理液を水と置換させることに対し、単純に散水管をスポンジローラに沿って配設することで対応することができるため、水供給手段の構造が簡単になり、これによって水供給手段のコスト低減化に貢献する。
請求項5記載の発明によれば、水吐出ポンプの駆動により所定の水槽から汲み上げられた水が中空ローラ軸或いは散水管の複数の噴出孔を介して少なくとも一方のスポンジローラに供給されるので、水道の配水管等の設備が写真処理装置の近くにない場合であっても、水槽に水を準備しておくことにより、スポンジローラを清浄化することができる。しかも、水吐出ポンプを断続させることにより、スポンジローラを断続自在に清浄化することができる。
請求項6記載の発明によれば、給水弁を通じて断続自在に供給される水道水が中空ローラ軸或いは散水管の複数の噴出孔を介して上記少なくとも一方のスポンジローラに供給されるので、水道の配水管等の設備を用いることにより、低コストで、スポンジローラを断続自在に清浄化することができる。
請求項7記載の発明によれば、定着処理槽で用いられる定着液の洗浄処理槽への持ち込みが抑制されるので、現像処理から洗浄処理まで一連の処理のうちで、最も長い処理時間を要する洗浄処理について、処理時間が短縮される。このため、1枚目の感光材料を処理して出力するまでの待ち時間が効果的に短縮される。しかも、定着装置に用いられる定着液がスポンジローラに吸収されたままで装置を停止した場合に定着液が結晶化し、処理の再開時に感光材料の表面を傷付けるといった不都合を回避することができる。すなわち、装置を停止する前にスポンジローラに十分に水を浸透させておくことで結晶化を防いだり、処理を再開する前にスポンジローラに水を供給することにより、結晶化した定着液を溶解あるいは水洗除去することにより、係る不都合を回避することができる。
請求項8記載の発明によれば、一対のスポンジローラの処理液を吸収する能力を更に高めることができる。
請求項9記載の発明によれば、制御手段の制御によって、スポンジローラは、特にオペレータがメンテナンス作業を行わなくても、常に処理液を吸収し得る状態になるため、現像処理の全体的な処理効率を大幅に向上させることができる。
図1は、本発明に係る写真処理装置の一実施形態の全体構成の概要を説明するための説明図である。この実施形態においては、感光材料としての印画紙ロールRから引き出された長尺印画紙R1に焼付け処理を施す写真処理装置10を例として挙げている。図1に示すように、写真処理装置10は、印画紙ロールRから引き出された長尺印画紙R1に対してコマ毎に露光処理を施す露光処理部20と、この露光処理部20で露光処理の施された長尺印画紙R1に対して現像処理を施す現像処理部30と、この現像処理部30で現像処理の施された長尺印画紙R1に対して乾燥処理を施す乾燥処理部40とを備えた基本構成を有している。
露光処理部20は、画像データを記憶するディスク等の記録媒体を着脱可能に装填するとともに装填された記録媒体から所望の画像データを読み込むディスクドライブ21と、フィルムや印画紙上に形成された画像を直接読み込むスキャナ22と、読み込んだ画像データを画像としてモニタ表示するディスプレイ23と、写真処理装置10の状態をテストするためのテストプリント搬入ユニット24と、読み込んだ画像に対して濃度や色等に対する所定の処理の指示およびプリントの指示等の各種指示を行うための図略の操作部と、プリント予定の画像データに所定の処理を行うとともに処理画像を出力する制御部25とを備えた基本構成を有している。
かかる露光処理部20には、ハウジング201の内部適所に巻回された長尺印画紙R1を収納するマガジン26(第1マガジン261および第2マガジン262)が交換可能に搭載されている。第1および第2マガジン261,262の適所には、所定個数の遮光部材が配列されているとともに、第1および第2マガジン261,262が装着される露光処理部20の筐体には、複数のフォトインタラプタからなるセンサ263,264が設けられ、いずれのセンサ263,264が前記遮光部材により遮光されたかを検知することでマガジンの種類すなわちサイズ等を含む印画紙の種別を認識可能にしている。印画紙は、樹脂などで形成される薄層の支持体とその一方面側に乳剤層、さらにコーティング層が形成されているものである。乳剤層は、露光された位置が後述の現像液によって赤、青、緑の各色に発色する染料や顔料が層状に形成されているもので、写真焼付用の印画紙として一般的なものが採用されている。
ハウジング201内には、第1および第2マガジン261,262に装着された印画紙ロールRから選択的に繰り出された長尺印画紙R1を合流位置から下流側へ向けて移送する搬送路が形成されるとともに、この搬送路に沿って、モータ等からなる図略の駆動機構により回転駆動される搬送ローラ対265,266(後述するカッター27より上流側にあるものを第1搬送ローラ対265、同下流側にあるものを第2搬送ローラ対266)が所定ピッチで配設されている。第1および第2マガジン261,262の各搬送路の合流位置から下流側に向かう搬送路上には、当該搬送路に対面する姿勢を有して帯状の長尺印画紙R1から所定サイズの印画紙シートR2を作成する印画紙切断装置としてのカッター27と、露光処理部20から入力された画像データを光学的に、例えばライン露光によって印画紙シートR2面に露光する露光装置28を備えている。
前記カッター27は、本実施形態においては、露光装置28の上流位置に配置されている。このカッター27は帯状の長尺印画紙R1を所定サイズの印画紙シートR2に切断するものであり、例えばスキャナ22からの写真サイズ情報と、印画紙の移送量を検出するセンサ(例えば駆動機構(モータ)への駆動パルス数等)からの出力情報とによって、所定寸法分移送される毎に切断動作を行うように構成されている。
前記露光装置28は、例えばRGB各色のレーザ発生器からのレーザビームを画像濃度情報によって各色毎に光変調するとともに、各変調ビームをポリゴンミラー等を介して印画紙シートR2面上で幅方向にライン走査させるもので、印画紙シートR2の移送によってシート面上に2次元のカラー画像を露光するものである。
前記現像処理部30は、露光処理部20から送り込まれた印画紙シートR2に対して現像処理を施すものであり、印画紙シートR2を連続的に所定の現像液に浸漬することにより露光の強弱に応じた画像を現出させる現像部31と、この現像部31で現像処理が完了した印画紙シートR2に対して所定の定着液に浸漬することにより定着処理を施す定着部32と、この定着部32で定着処理の完了した印画紙シートR2に対し洗浄水中に連続的に浸漬することにより洗浄処理を施す洗浄部33とを備えて構成されている。
前記現像部31、定着部32および洗浄部33には、同一構成の浸漬処理装置50が適用されている。浸漬処理装置50は、現像部31および定着部32において各1槽が、洗浄部33において3槽が採用されている。なお、かかる浸漬処理装置50については後に詳述する。
定着液には、銀画像などの銀をハロゲン化銀などの銀塩に変えるための漂白液が混合されている。また、洗浄水には、色画像を安定化させるための安定液が混合されている。
前記乾燥処理部40は、洗浄部33で洗浄処理が完了した印画紙シートR2に対し乾燥処理を施すものであり、洗浄部33の上方位置に設けられている。かかる乾燥処理部40は、上下方向に直列で設けられた複数の搬送ローラ対41と、これらの搬送ローラ対41と対向配置された乾燥用の熱を印画紙シートR2に供給する通電発熱体42と、この通電発熱体42により乾燥処理の施された印画紙シートR2を次工程に向けて払い出す払出しコンベヤ43とを備えて構成されている。
前記通電発熱体42は、上方に向かって搬送される印画紙シートR2の現像された面(すなわち表面側)と対向するように配設され、これによって印画紙シートR2の表面側に対し優先的に乾燥処理が施されるようになっている。
図2および図3は、浸漬処理装置50の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、オーバーヘッドラックの外された処理ラックが処理槽から引き出された状態、図3は、オーバーヘッドラックの装着された処理ラックが処理槽に装着された状態をそれぞれ示している。また、図4は、図3のA−A線断面図である。なお、図2〜図4において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
まず、図2に示すように、浸漬処理装置50は、内部に処理液が装填される処理槽51と、この処理槽51内に着脱自在に装着される処理ラック60と、この処理ラック60の頂部に着脱自在に冠設されるオーバーヘッドラック70と、このオーバーヘッドラック70に内装された、後述する出口側スポンジローラ73が吸収した処理液を新鮮な水と置換する水供給手段80,80a(図6〜図7参照、因みに水供給手段80は第1実施形態のもの、水供給手段80aは第2実施形態のもの)とを備えて構成されている。なお、水供給手段80,80aについては、図2〜図5に一括して図示することができないばかりか、図示すれば煩雑になって却って判り難くなるため、都合上図示を省略しているが、後に図6〜図8を基に詳細に説明する。
また、前記処理液は、浸漬処理装置50が現像部31用のものであるときは現像液であり、浸漬処理装置50が定着部32用のものであるときは定着液であり、浸漬処理装置50が洗浄部33用のものであるときは洗浄水である。
前記処理槽51は、上面に着脱開口511を備えた有底で縦長の直方体状を呈する合成樹脂製の容器によって形成されている。かかる処理槽51は、処理ラック60が当該処理槽51内に装着された状態で、両者間に予め設定された所定量の処理液を充填し得る空間が確保されるように寸法設定されている。
前記処理ラック60は、前記処理槽51内に挿入される挿入部61と、この挿入部61の上端から上方に向かって延設された露出部62とを備えている。挿入部61と露出部62との間には、処理ラック60の全周に亘って環状に形成されたシール機能を有するフランジ601が設けられている。そして、挿入部61を着脱開口511を介して処理槽51内に挿入することにより、フランジ601が処理槽51の上縁部に全周に亘って当止し、これによって処理槽51内が密閉状態になるようになされている。
前記挿入部61は、左右方向一対の側板部材63を有し、これら一対の側板部材63間には、前記フランジ601が設けられた位置に架設された上下を分断する水平仕切壁602が架設されている。この水平仕切壁602より下位における一対の側板部材63間には、前後方向の中央位置に多段で上下方向に向けて等ピッチで配設された複数の大径搬送ローラ64が架設されているとともに、各大径搬送ローラ64を挟持するように2列で小径搬送ローラ65が架設されている。
前記大径搬送ローラ64は、一対の側板部材63間に架設された大径ローラ軸641回りに回転自在に軸支されているとともに、前記小径搬送ローラ65は、一対の側板部材63間に架設された小径ローラ軸650回りに回転自在に軸支されている。そして、露出部62を介して挿入部61へ導入された印画紙シートR2は、先端が最上位に位置した大径搬送ローラ64と前方側の小径搬送ローラ65との間に差し込まれ、これら大径搬送ローラ64および小径搬送ローラ65の各ローラ軸(大径ローラ軸641および小径ローラ軸650)回りの駆動回転によって下降し、順次下段の大径搬送ローラ64および小径搬送ローラ65間に差し通されていくようになっている。
因みに、図2〜図4に示す例では、大径搬送ローラ64は軸心回りに反時計方向に向けて回転される一方、前方の列の小径搬送ローラ65は軸心回りに時計方向に回転され、これによって大径搬送ローラ64より前方位置で大径搬送ローラ64および小径搬送ローラ65間に挟持された印画紙シートR2は下降するようになっている。
そして、印画紙シートR2の先端が最下段の大径搬送ローラ64に到達すると、当該先端は、最下段の大径搬送ローラ64の回転と、最下段の前後の小径搬送ローラ65間に張設された無端ベルト651(図4)の周回とに誘導されて上方へ向かって折り返され、以後は、各大径搬送ローラ64および後方側の各小径搬送ローラ65との間を通過しつつこれらの回転に誘導されて上昇し、露出部62を介して外部へ導出されるようになっている。
因みに、各小径搬送ローラ65は、図略の付勢手段の付勢力によって対向した大径搬送ローラ64に向けて付勢されて各周面が互いに押圧当接した状態とされており、これによって大径搬送ローラ64および小径搬送ローラ65に挟持された印画紙シートR2は、両者の駆動回転によって確実に搬送され得るようになっている。
前記オーバーヘッドラック70は、処理ラック60の頂部に装着された状態で、前方から送り込まれた印画紙シートR2を処理槽51内に案内するためのものであり、処理ラック60の水平仕切壁602より上方位置における一対の側板部材63間に嵌め込まれ得るように寸法設定されている。
かかるオーバーヘッドラック70は、筐体71と、この筐体71の前方側に装着される一対の入口側スポンジローラ(入口側案内ローラ対)72と、同後方側に装着される一対の出口側スポンジローラ(出口側案内ローラ対)73とを備えて構成されている。そして、特に本発明においては、筐体71の後方側に前記一対の出口側スポンジローラ73が印画紙シートR2の表裏面から吸収した処理液を、新鮮な水と置換する水供給手段80,80a(図6、図7)が設けられている。前記出口側スポンジローラ73は、親水性の材料によって形成されている。
前記筐体71は、底板711(図4)と、この底板711の前縁部に固定された前面板712と、前記底板711の後縁部に固定された後方板713と、これら前面板712と後方板713との間に架設された左右方向一対の側板714とを備えて構成されている。前記底板711には、前後方向の中央部が上方に向かって膨出されることによって形成された断面視で逆U字状を呈する逆U字壁715(図4参照)が設けられている。この逆U字壁715の下面は開放端になっている。因みに、かかる逆U字壁715は、処理ラック60を処理槽51に対して着脱操作するときの把手としての機能を備えている。
一方、前記処理ラック60の水平仕切壁602には、前後方向の中央位置に左右方向に延びる衝立壁603が設けられている。この衝立壁603は、前記オーバーヘッドラック70の逆U字壁715に内嵌され得るように寸法設定されている。従って、逆U字壁715を衝立壁603に嵌め込むようにしてオーバーヘッドラック70を処理ラック60に装着することにより、当該オーバーヘッドラック70は、位置決め状態でオーバーヘッドラック70の頂部における一対の側板部材63間に装着されるようになっている。
このようなオーバーヘッドラック70において、前面板712には、印画紙シートR2をオーバーヘッドラック70内に受入れるための左右方向に延びた受入開口74が設けられているとともに、後方板713には処理済みの印画紙シートR2を外部に払い出すための払出開口75(図4)が設けられている。前記受入開口74は、前記一対の入口側スポンジローラ72の当接位置と対向する位置に設けられているとともに、前記払出開口75は、前記一対の出口側スポンジローラ73の当接位置と対向する位置に設けられている。
また、処理ラック60の水平仕切壁602には、前方側に入口側スポンジローラ72の駆動でオーバーヘッドラック70内に引き入れられた印画紙シートR2を処理槽51内に導入するための左右方向に延びた導入開口604が設けられているとともに、後方側に処理済みの印画紙シートR2を出口側スポンジローラ73へ向けて導出する導出開口605(図4)が設けられている。
そして、本実施形態においては、処理ラック60に前記大径搬送ローラ64、前記小径搬送ローラ65、前記一対の入口側スポンジローラ72および前記一対の出口側スポンジローラ73を駆動回転させるための駆動力伝達機構66が装着されている。以下、図5を基に必要に応じて図2〜図4を参照しながら駆動力伝達機構66について説明する。図5は、駆動力伝達機構66の一実施形態を示す浸漬処理装置50の上部の正面視の断面図である。なお、図5におけるXによる方向表示は、図2の場合と同様(−X:左方、+X:右方)である。
図5に示すように、前記駆動力伝達機構66は、外部から図略のギヤを介して所定の駆動源からの駆動力が伝達される軸心が左右方向に延びた駆動ギヤ661と、この駆動ギヤ661と同心で一体回転する第1ベベルギヤ662および第1伝達ギヤ663と、下部で前記第1伝達ギヤ663に噛合する第2伝達ギヤ664と、この第2伝達ギヤ664と同心で一体回転する第3伝達ギヤ665と、前記第1ベベルギヤ662に噛合して上下方向に延びた軸心回りに回転する第2ベベルギヤ666と、この第2ベベルギヤ666と同心で一体回転する第3ベベルギヤ667と、この第3ベベルギヤ667に噛合して左右方向に延びた軸心 回りに回転する第4ベベルギヤ668とを備えて構成されている。
前記駆動ギヤ661は、処理ラック60の露出部62における右方の側板部材63の前後方向(図5の紙面に直行する方向)中央部外方に設けられ、衝立壁603を貫通して左右の側板部材63間に架設された入力軸671回りに一体回転可能に軸支されている。
前記第1ベベルギヤ662は、右側の側板部材63内のギヤ室631においてギヤ面を左方に向けて同心で入力軸671に外嵌固定され、入力軸671回りに一体回転可能になっている。
前記第1伝達ギヤ663は、右側の側板部材63のギヤ室631内における第1ベベルギヤ662の左側で入力軸671に同心で外嵌固定され、入力軸671回りに一体回転可能になっている。
前記第2伝達ギヤ664は、ギヤ室631内における前記第1伝達ギヤ663の直下位置において第1伝達ギヤ663と噛合した状態でギヤ室631の左側の壁面を貫通した前記入力軸671と平行な中継軸672に同心で外嵌固定され、これによって中継軸672回りに一体回転可能とされている。
前記第3伝達ギヤ665は、前記各一対の入口側スポンジローラ72および出口側スポンジローラ73(図2)を従動回転させるものであり、ギヤ室631の左壁面の左側において中継軸672に同心で一体回転可能に外嵌され、第2伝達ギヤ664と中継軸672を介して一体回転し得るようになっている。
一方、前記一対の入口側スポンジローラ72は、それぞれが同心で軸支されているローラ軸721の右端部に同心で一体回転可能に外嵌され、かつ、互いに噛合したスポンジローラ用ギヤ722を有している。また、前記一対の出口側スポンジローラ73は、それぞれが同心で軸支されているローラ軸731の右端部に同心で一体回転可能に外嵌され、かつ、互いに噛合したスポンジローラ用ギヤ732を有している。そして、各一対のスポンジローラ用ギヤ722,732の上方のものが、図3に示すように、それぞれ第3伝達ギヤ665に噛合されている。
従って、第3伝達ギヤ665が中継軸672回りに図3における時計方向に向けて回転すると、この回転は、各スポンジローラ用ギヤ722,732の上のものに伝達され、これら上の各スポンジローラ用ギヤ722,732に噛合している下の各スポンジローラ用ギヤ722,732が逆回転するため、結局、一対の入口側スポンジローラ72は、印画紙シートR2をオーバーヘッドラック70内に引き入れるように互いに逆回転するとともに、一対の出口側スポンジローラ73は、印画紙シートR2をオーバーヘッドラック70から排出するように互いに逆回転することになる。
前記第2ベベルギヤ666および第3ベベルギヤ667は、前記大径搬送ローラ64および小径搬送ローラ65を従動回転させるべく設けられるものである。そして、第2ベベルギヤ666は、側板部材63のギヤ室631内において入力軸671の直下位置で駆動ギヤ661と噛合している。かかる第2ベベルギヤ666は、ギヤ室631から水平仕切壁602を貫通して下方にむけて延設されたベベルギヤ軸673の頂部に同心で軸心回りに一体回転可能に軸支されている。
これに対し前記第3ベベルギヤ667は、処理ラック60の挿入部61に設けられた大径搬送ローラ64の段数に応じて各大径搬送ローラ64の右端部に対応した位置に複数設けられている。かかる各第3ベベルギヤ667は、ギヤ面を下に向けた状態で前記ベベルギヤ軸673に同心で一体回転可能に軸支されている。
前記第4ベベルギヤ668は、第3ベベルギヤ667の回転を大径搬送ローラ64に伝達するためのものであり、ギヤ面を右方に向けて第3ベベルギヤ667に噛合した状態で大径ローラ軸641の右端部に同心で一体回転可能に軸支されている。
そして、大径搬送ローラ64の回転を小径搬送ローラ65に伝達するために、前記大径ローラ軸641には挿入部61における右側の側板部材63の左壁部直左方位置において大径搬送ローラ64に同心で一体回転可能に外嵌された大径ギヤ642が設けられている一方、大径搬送ローラ64に対向した各一対の小径搬送ローラ65の小径ローラ軸650には、それぞれ大径ギヤ642と噛合する小径ギヤ652が同心で一体回転可能に設けられている。前記大径ギヤ642は、有効径寸法(摩擦円の径寸法)が大径搬送ローラ64の外形寸法と同一に設定されているとともに、小径ギヤ652の有効径寸法は、小径搬送ローラ65の外形寸法と同一に設定され、これによって大径搬送ローラ64および小径搬送ローラ65の各周速度が同一になるようにしている。
このように構成された駆動力伝達機構66によれば、所定の駆動源からの駆動力が駆動ギヤ661に伝達されると、この駆動ギヤ661の駆動回転は入力軸671を介して第1ベベルギヤ662および第1伝達ギヤ663に伝達される。そして、第1伝達ギヤ663が回転すると、この回転は第2伝達ギヤ664および中継軸672を介して第3伝達ギヤ665に伝達されて当該第3伝達ギヤ665が中継軸672回りに回転する。
この第3伝達ギヤ665の回転は、一対の入口側スポンジローラ72(図2)の上方のスポンジローラ用ギヤ722およびこれに噛合している下方のスポンジローラ用ギヤ722に伝達されるとともに、一対の出口側スポンジローラ73の上方のスポンジローラ用ギヤ732およびこれに噛合している下方のスポンジローラ用ギヤ732にも伝達され、これによって一対の入口側スポンジローラ72は互いに反対方向に向けてローラ軸721回りに回転するとともに、一対の出口側スポンジローラ73も互いに反対方向に向けてローラ軸731回りに回転することになる。
一方、第1ベベルギヤ662に噛合している第1ベベルギヤ662の回転は、ベベルギヤ軸673を介して各第3ベベルギヤ667に伝達され、これによって各第3ベベルギヤ667はベベルギヤ軸673回りに一体回転する。この各第3ベベルギヤ667の一体回転は、当該第3ベベルギヤ667に噛合している第4ベベルギヤ668を介して各大径搬送ローラ64の大径ギヤ642に伝達され、これによって各大径搬送ローラ64は大径ローラ軸641回りに回転する。この回転によって大径搬送ローラ64が大径ギヤ642と一体回転することになる。
前記各大径ギヤ642の回転は、これに噛合している各一対の小径ギヤ652に伝達され、これによる小径ギヤ652の回転によって小径搬送ローラ65が大径搬送ローラ64と反対方向に向けて同一周速度で回転する。
従って、駆動力伝達機構66の各ギヤが上記のようにそれぞれ回転することにより、入口側スポンジローラ72、出口側スポンジローラ73、大径搬送ローラ64および小径搬送ローラ65がそれぞれ所定の方向に駆動回転した状態で、露光処理部20から受入開口74(図4)を介して浸漬処理装置50内に受け入れられた印画紙シートR2は、まず、一対の入口側スポンジローラ72によって挟持されつつ下方に向かわされ、導入開口604を通って処理槽51内に導入される。
そして、処理槽51内に導入された印画紙シートR2は、まず同一の周速度で互いに反対方向に回転している最上位の大径搬送ローラ64と、上流側(図4における前方)の最上位の小径搬送ローラ65(図4に示す例では大径搬送ローラ64が反時計方向に向けて回転しているとともに、小径搬送ローラ65が時計方向に回転している)との間に挟持された状態で下方に向けて搬送され、最下位の大径搬送ローラ64に到達したのち上方に向けて折り返され、今度は、大径搬送ローラ64と下流側(図4における後方)の小径搬送ローラ65とによって挟持されつつ上昇する。かかる昇降の間に印画紙シートR2は、処理槽51に装填されている処理液によって所定の処理が施される。
そして、最上位の大径搬送ローラ64と小径搬送ローラ65との間を通過した印画紙シートR2は、一対の出口側スポンジローラ73に挟持されつつこれらの駆動回転に誘導され、払出開口75を通って次工程へ向けて送り出される。
以下、第1および第2実施形態に係る水供給手段80,80aについて図6および図7を基に順次説明する。まず、図6は、第1実施形態に係る水供給手段80を示す図であり、(イ)は、一部切り欠き斜視図、(ロ)は、(イ)のB−B線断面図である。なお、図6におけるXおよびYによる方向表示は、図2の場合と同様((Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
図6に示すように、第1実施形態の水供給手段80は、出口側スポンジローラ73の前記ローラ軸731として機能する中空ローラ軸81(上部スポンジローラ73aに対応した上部中空ローラ軸81aおよび下部スポンジローラ73bに対応した下部中空ローラ軸81b)と、これらの中空ローラ軸81に処理液を洗い流して置換するための水を供給する水吐出ポンプ(給水手段)82と、この水吐出ポンプ82が汲み上げる水を貯留した水貯槽83とを備えて構成されている。
前記中空ローラ軸81には、出口側スポンジローラ73によって覆われた部分に全周および全長に亘ってそれぞれ所定ピッチで穿設された、水を噴出させるための多数の噴出孔811が設けられている。従って、水吐出ポンプ82の駆動で水が上部中空ローラ軸81aおよび下部中空ローラ軸81bに供給されると、この水は多くの噴出孔811を介して上部スポンジローラ73aおよび下部スポンジローラ73b内に供給され、これら出口側スポンジローラ73が吸収している処理液を同伴して外部に排出されることになる。
このように、第1実施形態の水供給手段80によれば、水吐出ポンプ82を駆動することにより、水貯槽83内の水が当該水吐出ポンプ82によって汲み上げられ、中空ローラ軸81の噴出孔811から出口側スポンジローラ73内に向けて噴出されるため、出口側スポンジローラ73が吸収している処理液は、噴出水に同伴して外部に排出され、これによって出口側スポンジローラ73内の処理液を水に置換することができるため、印画紙シートR2が処理されていない合間を狙って水吐出ポンプ82を駆動することで出口側スポンジローラ73から処理液を容易に除去することができる。
また、第1実施形態の水供給手段80は、中空ローラ軸81および水吐出ポンプ82のみで構成され構造が極めて簡単であるため、装置コストの低減化を図った上で出口側スポンジローラ73の処理液除去能力を確保することができる。
因みに、スポンジローラ用ギヤ732には、写真処理装置10の適所に設けられた駆動モータMの駆動力が、駆動ギヤ661、第1伝達ギヤ663、第2伝達ギヤ664および第3伝達ギヤ665を介して伝達されるようになされているが、このことについては、第2実施形態の水供給手段80aにおいても同様である。
また、本実施形態においては、水供給手段80が定着部32の浸漬処理装置50(図1)の定着部32の処理槽51における出口側スポンジローラ73を対象として設けられている。水供給手段80がこの位置に設けられることにより、定着部32(図1)の処理槽51で定着液により定着処理が施された後の印画紙シートR2は、出口側スポンジローラ73を介して隣の洗浄部33の処理槽51へ搬送されるが、この搬送途中で出口側スポンジローラ73と当接することにより、付着している定着液が出口側スポンジローラ73に吸収されている水中へ拡散して取り除かれるとともに、水によって希釈された状態で洗浄部33の処理槽51へ向かうため、洗浄部33の処理槽51内の洗浄水の汚染を有効に防止することができ、これによって洗浄水が著しく汚染されることで洗浄操作を多くの段に亘って行わなければならないという従来の不都合が解消され、結果として現像処理の迅速化に貢献することができる。
図7は、第2実施形態に係る水供給手段80aを示す図であり、(イ)は、斜視図、(ロ)は、(イ)のC−C線断面図である。なお、図7におけるXおよびYによる方向表示は、図2の場合と同様((Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
第2実施形態においては、出口側スポンジローラ73に水を供給するものとして、第1実施形態の中空ローラ軸81に代えて上下一対の散水配管(散水管)84(上部スポンジローラ73aを対象とした上部散水配管84aおよび下部スポンジローラ73bを対象とした下部散水配管84b)が採用されている点が第1実施形態と相違している。その他の構成は第1実施形態のものと同様である。すなわち、第2実施形態の水供給手段80aは、一対の出口側スポンジローラ73に水を散水する一対の散水配管84と、これらの散水配管84に水を供給する水吐出ポンプ82と、この水吐出ポンプ82が汲み上げる水を貯留する水貯槽83とを備えて構成されている。
前記上部散水配管84aは、上部スポンジローラ73aの直上位置に当該上部スポンジローラ73aと平行に配設されている一方、前記下部散水配管84bは、下部スポンジローラ73bの直下位置に当該下部スポンジローラ73bと平行に配設されている。そして、上部散水配管84aには、図7の(ロ)に示すように、その下面側に長手方向の略全長に亘って等ピッチで穿設された複数のノズル孔841が設けられている一方、下部散水配管84bには、図7の(ロ)に示すように、その上面側に長手方向の略全長に亘って等ピッチで穿設された複数のノズル孔841が設けられている。
係る第2実施形態の作用効果については、第1実施形態のものと同様であるが、これに加えて単に散水配管84を出口側スポンジローラ73に沿わせて配設するという簡単な構造であるため、装置コストの低減化に貢献することができる。
以下、図8を基に必要に応じて図6およびその他の図を参照しながら制御手段90による第1実施形態の水供給手段80を対象とした駆動制御について説明する。図8は、制御手段90による水供給手段80の駆動制御を説明するためのブロック図である。このブロック図に示すように、制御手段90は、中央演算処理装置であるCPU(central processing unit)91と、このCPU91に付設された読み取り専用のROM(read only memory)92と、CPU91に付設された読み書き自在のRAM(random access memory)93とを備えた基本構成を有している。
前記ROM92には、当該制御のプログラムや不変データ等が記憶されているのに対し、前記RAM93には、演算途中で一時的に発生する各種のデータが読み書き自在に記憶されるようになっている。
前記CPU91は、ROM92に格納されているプログラムやデータを逐次読み取り、実行することにより、以下の各手段911〜913として機能する。すなわち、CPU91は、前記出口側スポンジローラ73が、飽和量未満の所定量を超える処理液を吸収するタイミングを判別するタイミング判別部911と、このタイミング判別部911が上記タイミングの到来を判別すると、印画紙シートR2の浸漬処理装置50への搬入を一時的に中断させるべく前記駆動モータMに向けてその駆動を中断させる中断信号を出力する中断信号出力部912と、この中断信号出力部912が中断信号を出力した後に水吐出ポンプ82に向けて水貯槽83内の洗浄水を汲み上げさせるべき制御信号を出力する制御信号出力部913として機能する。
前記タイミング判別部911は、写真処理装置10が処理した印画紙シートR2の処理枚数によって出口側スポンジローラ73が、所定量を超えて処理液を吸収しているか否かを判別するようになされている。かかる判別を行うために、ROM92には、出口側スポンジローラ73が吸収する処理液の許容量としての所定量と、1枚の印画紙シートR2に付着する付着処理液量とが印画紙シートR2のサイズ毎に記憶されている。
一方、露光処理部20からは、現に処理が実行されつつある印画紙シートR2のサイズがタイミング判別部911へ入力されるようになされている。また、露光処理部20の下流端には、印画紙シートR2を検出する毎に検出信号をタイミング判別部911へ入力する枚数センサ267が設けられている。
そして、タイミング判別部911は、制御部25からのサイズ情報および枚数センサ267からの印画紙シートR2の検出信号、並びにROM92が記憶している出口側スポンジローラ73について設定された上記所定量および1枚の印画紙シートR2に付着する付着処理液量に基づき出口側スポンジローラ73に対して処理液除去処理を施すべきタイミングを判別するようになっている。
そして、タイミング判別部911は、出口側スポンジローラ73に処理液除去処理を施すべきタイミングが到来したことを判別すると、中断信号出力部912へ向けて写真処理装置10の稼働を停止させるべき旨の信号を出力させるための指令信号を出力するとともに、引き続き制御信号出力部913へ向けて水供給手段80を機能させるべき旨の信号を出力させるための指令信号を出力するようになっている。
従って、中断信号出力部912は、タイミング判別部911からの指令信号を受けると、現に処理されつつある印画紙ロールRの処理が完了するまで待った後に駆動モータMに向けてその駆動を中断させる中断信号を出力するため、現像処理部30に印画紙シートR2が存在しない状態で駆動モータMが停止することになる。
また、制御信号出力部913は、中断信号出力部912が中断信号を出力した後に水吐出ポンプ82に向けて当該水吐出ポンプ82を駆動させるべき制御信号を出力するようになされている。従って、一対の出口側スポンジローラ73間に印画紙シートR2が存在しない状態で水吐出ポンプ82が駆動し、これによって水吐出ポンプ82は、水貯槽83から水を汲み上げて中空ローラ軸81へ送り込むため、この水が各中空ローラ軸81の噴出孔811から噴出され、これによって出口側スポンジローラ73の吸収していた処理液が水に同伴して外部に導出される。
因みに、本実施形態においては、水吐出ポンプ82は、予め設定された時間だけ駆動されるようになされている。そのために、制御手段90は図略のタイマーを有し、このタイマーのタイムアップに基づき制御信号出力部913から水吐出ポンプ82に向けて駆動停止の制御信号が出力されるようになされている。
以上詳述したように、本発明に係る写真処理装置10は、複数の処理槽51を備え、各処理槽51に貯留された処理液の中に印画紙シートR2を順次通過させることにより、印画紙シートR2に各処理液による処理を順次施すように構成されたものであり、複数の処理槽51のうちの少なくとも一つの処理槽51から別の処理槽51へ、印画紙シートR2を挟持して案内する一対の出口側スポンジローラ73が設けられている。
従って、複数の処理槽51に貯留された処理液の中に印画紙シートR2が順次浸漬することにより、印画紙シートR2に各処理液による処理が順次施される。そして、少なくとも一つの処理槽51から次の処理槽51へ、印画紙シートR2を挟持して案内する出口側スポンジローラ73が設けられているため、印画紙シートR2は、一対の出口側スポンジローラ73によって挟持されながら当該出口側スポンジローラ73の駆動で搬送されるに際し、表裏面に付着している処理液が出口側スポンジローラ73に吸収除去され、これによって表裏面が清浄化処理された状態で次工程、すなわち次の処理槽51による処理へ向けて搬送されることになる。
そして、スポンジが水を吸収し易いことを利用して、出口側スポンジローラ73に水を供給する水供給手段80,80aが設けられているため、この水供給手段80,80aによる出口側スポンジローラ73への水供給を所定のタイミング毎(具体的には、出口側スポンジローラ73が吸収した処理液で飽和する以前のタイミング毎)に繰り返すことにより、出口側スポンジローラ73は、吸収していた処理液が供給された水によって洗い流され(すなわち、出口側スポンジローラ73中の処理液が水に置換され)、元の清浄な状態に戻るため、印画紙シートR2に付着している処理液が再度出口側スポンジローラ73に吸収される(具体的には、処理液が出口側スポンジローラ73中の水の中に拡散していく)ようになり、印画紙シートR2に付着している処理液を十分に吸収し得る状態を維持することができる。
また、処理槽51内の処理液は、自然蒸発により常に減少するため、定期的に水を補給することが行われるが、出口側スポンジローラ73に水を供給するに際し、蒸発量に対応する水が余るように供給すれば、余った水が処理槽51内に回収されるため、定期的な水の補給が不要になり、その分メンテナンス作業の軽減化に貢献することができる。
そして、第1実施形態の水供給手段80は、周面に水を噴出する複数の噴出孔811を有する、出口側スポンジローラ73の軸心位置に設けられた中空ローラ軸81と、この中空ローラ軸81に所定の水槽からの水を汲み上げて供給する水吐出ポンプ82と、この水吐出ポンプ82が汲み上げる水を貯留する水貯槽83とを備えて構成されているため、水吐出ポンプ82の駆動により水貯槽83から汲み上げられた水が中空ローラ軸81の複数の噴出孔811を介して出口側スポンジローラ73に供給され、これによって出口側スポンジローラ73内の処理液で汚れた水が新鮮な水と置換されるため、出口側スポンジローラ73を処理液がない清浄な状態に復元することができる。
このように、中空ローラ軸81からの水の供給によって出口側スポンジローラ73に万遍なく水が供給されるため、出口側スポンジローラ73における処理液から水への均一な水置換が短時間で行われ、これによって現像処理の仕上がりを待つ顧客に対する迅速な対応に貢献することができる。
これに対し第2実施形態の水供給手段80aにおいては、水供給手段80aは、出口側スポンジローラ73の周面に散水する散水配管84と、この散水配管84に散水配管84からの水を汲み上げて供給する水吐出ポンプ82とを備えて構成されているため、水吐出ポンプ82の駆動により所定の水槽から汲み上げられた水が散水配管84から出口側スポンジローラ73に供給され、これによって処理液で汚れた水が新鮮な水と置換されるため、出口側スポンジローラ73は処理液がない清浄な状態に復元される。
このように、出口側スポンジローラ73が吸収していた処理液を水と置換させることに対し、単純に散水配管84を出口側スポンジローラ73に沿って配設することで対応することができるため、水供給手段80aの構造が簡単になり、これによって水供給手段80aのコスト低減化に貢献することができる。
そして、特に上記の実施形態においては、水供給手段80,80aは、現像処理が施された印画紙シートR2に所定の定着用の処理液で定着処理を施す処理槽51と、この処理槽51に隣設されて定着処理済みの印画紙シートR2に洗浄水による洗浄処理を施す処理槽51との間に設けられている。従って、定着部32の処理槽51で所定の処理液により定着処理が施された後の印画紙シートR2は、出口側スポンジローラ73を介して隣の洗浄部33の処理槽51へ搬送されるが、この搬送途中で出口側スポンジローラ73と当接することにより、付着している処理液が出口側スポンジローラ73に吸収されている水中へ拡散して取り除かれるとともに、水によって希釈された状態で洗浄部33の処理槽51へ向かうため、当該処理槽51内の洗浄水の汚染を有効に防止することができ、これによって洗浄水が著しく汚染されることで洗浄操作を多くの段に亘って行わなければならないという従来の不都合が解消され、結果として現像処理の迅速化に貢献することができる。
また、水供給手段80による出口側スポンジローラ73への水の供給を制御する制御手段90が設けられ、この制御手段90は、出口側スポンジローラ73が処理液で飽和するタイミングを判別するタイミング判別部911と、タイミング判別部911の判別結果に基づき印画紙シートR2の処理槽51への搬入を一時的に中断させるべく駆動モータMに向けて中断信号を出力する中断信号出力部912と、中断信号出力部912が中断信号を出力した後に水供給手段80に向けて出口側スポンジローラ73に水を供給させるべく制御信号を出力する制御信号出力部913として機能するようになされている。
従って、タイミング判別部911が出口側スポンジローラ73の処理液飽和のタイミングを判別すると、中断信号出力部912がこのタイミング判別部911の判別結果に基づき駆動モータMに向けて中断信号を出力するため、印画紙シートR2の処理槽51への搬入が一時的に中断させた状態になる。この状態で制御信号出力部913が水供給手段80に向けて出口側スポンジローラ73に水を供給するべき制御信号を出力するため、この制御信号が入力された水吐出ポンプ82の駆動で水が出口側スポンジローラ73に供給され、これによって出口側スポンジローラ73は、吸収していた処理液が新鮮な水と置換される。
そして、このような制御手段90の制御によって、出口側スポンジローラ73は、特にオペレータがメンテナンス作業を行わなくても、常に処理液を吸収し得る状態になるため、現像処理の全体的な処理効率を大幅に向上させることができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、現像処理を施すべき感光材料として印画紙(印画紙ロールR、長尺印画紙R1および印画紙シートR2)を例に挙げて説明したが、本発明は、感光材料が印画紙であることに限定されるものではなく、銀塩写真システムにおける写真撮影に供されたフィルムであってもよい。
(2)上記の実施形態においては、出口側スポンジローラ73における上部および下部ローラ73a,73bの双方に対して水供給手段80,80aにより水が供給されるようになされているが、本発明は、上部および下部ローラ73a,73bの双方に対して水を供給することに限定されるものではなく、上部および下部ローラ73a,73bのうちの一方のみ、好ましくは印画紙シートR2の印画面に対応する方のみに対して水を供給するようにしてもよい。
(3)上記の実施形態においては、水供給手段80,80aを出口側スポンジローラ73側にのみ設けているが、本発明は、水供給手段80,80aを出口側スポンジローラ73側にのみ設けることに限定されるものではなく、入口側スポンジローラ72側にも設けてもよい。こうすることで、浸漬処理装置50が例えば定着部32や洗浄部33のものである場合、上流側の浸漬処理装置50から導出された印画紙シートR2に残留している処理液を入口側スポンジローラ72によって常に取り除くことが可能になり、これによって当該浸漬処理装置50内に上流側の処理液が持ち込まれることをより確実に防止することができる。
(4)上記の実施形態においては、制御手段90を第1実施形態の水供給手段80を対象として採用しているが、本発明は、制御手段90を第1実施形態の水供給手段80を対象として採用することに限定されるものではなく、第2実施形態の水供給手段80aを対象として制御手段90を採用してもよい。
(5)上記の実施形態においては、水供給手段80を駆動させるタイミングを写真処理装置10が処理した印画紙シートR2の枚数に基づいてタイミング判別部911が判別するようにしているが、それに代えて、単純に写真処理装置10の稼働時間の合計で水供給手段80aを駆動させるタイミングを判別するようにしてもよい。
(6)上記の実施形態においては、一対の出口側スポンジローラ73(上部スポンジローラ73aおよび下部スポンジローラ73b)が採用されているが、こうする代わりに印画紙シートR2における現像面が当接されない上部スポンジローラ73aを硬質ゴム等で形成してもよい。
(7)上記の実施形態では、定着部32の処理槽51と、これに隣設された洗浄部33の処理槽51との間に水供給手段80,80aが設けられているが、全ての処理部(現像部31、定着部32および洗浄部33)の各処理槽51を対象として水供給手段80,80aを設けてもよい。こうすることで、洗浄部33の処理槽51への前工程の処理液の持ち込みを抑制し、処理時間を効果的に短縮することができ、結果として1枚目の感光材料を処理して出力するまでの待ち時間を効果的に短縮することができる。
(8)上記の実施形態では、出口側スポンジローラ73に水を供給する水吐出ポンプ82と、この水吐出ポンプ82が汲み上げる水を貯留した水貯槽83とが設けられた。これに対して、水道水を断続自在に供給可能な給水弁に、これら水吐出ポンプ82と水貯槽83とを置き換えても良い。当該給水弁は、制御手段90によって制御可能に構成するのが望ましい。
(9)上記の実施形態、変形形態(8)では、水吐出ポンプ82或いは給水弁により出口側スポンジローラ73に水を断続的に供給した。これに対して、印画紙シートR2に処理を施しつつある最中においても、出口側スポンジローラ73に休みなく水を供給しても良い。この場合には、出口側スポンジローラ73が水で十分に濡れた状態、あるいは溢れる程に水を含んだ状態で、印画紙シートR2への処理を行うことができ、印画紙シートR2は、清浄な水を含んだ出口側スポンジローラ73によって表面が洗い流される。一方、水を断続的に供給する形態では、水の供給量を、処理液の蒸発分を補う程度に低く抑えることが容易である。また。水を断続的に供給する場合であっても、供給の仕方によって出口側スポンジローラ73が水で十分に濡れた状態、あるいは溢れるほどに水を含んだ状態で印画紙シートR2への処理を行うことができる。
本発明に係る写真処理装置の一実施形態の全体構成を示す説明図である。 浸漬処理装置の一実施形態を示す斜視図であり、オーバーヘッドラックの外された処理ラックが処理槽から引き出された状態を示している。 浸漬処理装置の一実施形態を示す斜視図であり、オーバーヘッドラックの装着された処理ラックが処理槽に装着された状態を示している。 図3のA−A線断面図である。 駆動力伝達機構の一実施形態を示す浸漬処理装置の上部の正面視の断面図である。 第1実施形態に係る水供給手段を示す図であり、(イ)は、一部切り欠き斜視図、(ロ)は、(イ)のB−B線断面図である。 第2実施形態に係る水供給手段を示す図であり、(イ)は、斜視図、(ロ)は、(イ)のC−C線断面図である。 制御手段による水供給手段80の駆動制御を説明するためのブロック図である。
符号の説明
10 写真処理装置 20 露光処理部
201 ハウジング 21 ディスクドライブ
22 スキャナ 23 ディスプレイ
24 テストプリント搬入ユニット
25 制御部 26 マガジン
261 マガジン 262 マガジン
263 センサ 265 搬送ローラ対
266 搬送ローラ対 267 枚数センサ
27 カッター 28 露光装置
30 現像処理部 31 現像部
32 定着部 33 洗浄部
40 乾燥処理部 41 搬送ローラ対
42 通電発熱体 43 コンベヤ
50 浸漬処理装置 51 処理槽
511 着脱開口 60 処理ラック
601 フランジ 602 水平仕切壁
603 衝立壁 604 導入開口
605 導出開口 61 挿入部
62 露出部 63 側板部材
631 ギヤ室 64 大径搬送ローラ
641 大径ローラ軸 642 大径ギヤ
65 小径搬送ローラ 650 小径ローラ軸
651 無端ベルト 652 小径ギヤ
66 駆動力伝達機構 661 駆動ギヤ
662 ベベルギヤ 663 伝達ギヤ
664 伝達ギヤ 665 伝達ギヤ
666 ベベルギヤ 667 ベベルギヤ
668 ベベルギヤ 671 入力軸
672 中継軸 673 ベベルギヤ軸
70 オーバーヘッドラック 71 筐体
711 底板 712 前面板
713 後方板 714 側板
715 字壁 72 入口側スポンジローラ
721 ローラ軸 722 スポンジローラ用ギヤ
73 出口側スポンジローラ 731 ローラ軸
732 スポンジローラ用ギヤ
73a 下部ローラ 73a 上部スポンジローラ
73b 下部スポンジローラ 74 受入開口
75 払出開口 80 水供給手段
80a 水供給手段 80b 処理液除去手段
81 中空ローラ軸 81a 上部中空ローラ軸
81b 下部中空ローラ軸 811 噴出孔
82 水吐出ポンプ(給水手段)
83 水貯槽 84 散水配管(散水管)
84a 上部散水配管 84b 下部散水配管
841 ノズル孔 90 制御手段
91 CPU 911 タイミング判別部
912 中断信号出力部 913 制御信号出力部
92 ROM 93 RAM
M 駆動モータ R 印画紙ロール
R1 長尺印画紙 R2 印画紙シート

Claims (9)

  1. 複数の処理槽を備え、各処理槽に貯留された処理液の中に感光材料を順次通過させることにより、前記感光材料に各処理液による処理を順次施す写真処理装置であって、
    前記複数の処理槽のうちの少なくとも一つの処理槽から別の処理槽へ、感光材料を挟持して案内するローラ対が設けられ、
    前記ローラ対は、一対の円筒状のスポンジローラによって形成されているとともに、前記一対のスポンジローラの少なくとも一方が吸収した処理液を水流によって洗い流すべく前記少なくとも一方のスポンジローラに水を供給する水供給手段が設けられていることを特徴とする写真処理装置。
  2. 前記水供給手段は、前記少なくとも一方のスポンジローラに断続自在に水を供給するものである請求項1記載の写真処理装置。
  3. 前記水供給手段は、周面に水を噴出する複数の噴出孔を有する、前記少なくとも一方のスポンジローラの軸心位置に設けられた中空ローラ軸と、この中空ローラ軸に水を供給する給水手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の写真処理装置。
  4. 前記水供給手段は、周面に水を噴出する複数の噴出孔を有し、前記少なくとも一方のスポンジローラの周面に対向して配置され、前記少なくとも一方のスポンジローラの周面に散水する散水管と、この散水管に水を供給する給水手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の写真処理装置。
  5. 前記給水手段が、所定の水槽からの水を汲み上げて供給する水吐出ポンプを備えていることを特徴とする請求項3又は4記載の写真処理装置。
  6. 前記給水手段が、水道水を断続自在に供給する給水弁を備えていることを特徴とする請求項3又は4記載の写真処理装置。
  7. 前記複数の処理槽は、現像処理が施された感光材料に所定の定着用の処理液で定着処理を施す定着処理槽と、この定着処理槽に隣設されて定着処理済みの感光材料に洗浄水による洗浄処理を施す洗浄処理槽とを少なくとも備え、前記ローラ対が、前記定着処理槽から前記洗浄処理槽へ前記感光材料を挟持して案内するローラ対を含んでいることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の写真処理装置。
  8. 前記少なくとも一方のスポンジローラが、前記一対のスポンジローラの双方であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の写真処理装置。
  9. 前記水供給手段が断続自在に水を供給するものであって、当該水供給手段の水供給動作を制御する制御手段が設けられ、
    前記制御手段は、前記少なくとも一方のスポンジローラが所定量を超えて処理液を吸収するタイミングを判別するタイミング判別部と、
    前記タイミング判別部が前記タイミングの到来を判別すると、前記感光材料の処理槽への搬入を一時的に中断させるべく所定の搬送手段に向けて中断信号を出力する中断信号出力部と、
    前記中断信号出力部が中断信号を出力した後に前記水供給手段に向けてスポンジローラに水を供給させるべく制御信号を出力する制御信号出力部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の写真処理装置。
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