JP2007039644A - 無機質系発泡体の製造方法 - Google Patents

無機質系発泡体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃焼時の体積収縮を抑制し、軽量で断熱性、耐水性、吸音性、機械的強度に優れ、不燃性の改良された無機質系発泡体を得ることができる製造方法を提供することにある。
【解決手段】(a)塩化ビニル樹脂5〜30重量部、(b)金属水酸化物10〜30重量部、(c)無機繊維ウイスカー1〜25重量部、(d)難燃剤0.5〜3重量部、(e)その他の無機質充填材((a)〜(e)の総和が100重量部)と、発泡剤、有機溶剤とを混練し、該混練物を加圧した金型内で加温、冷却した後、除圧することによって得られる無機質系発泡体の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機質系発泡体の製造方法に関し、更に詳しくは、断熱性、不燃性などを有し、軽量で機械的強度も十分な無機質系発泡体の製造方法に関するものである。
独立気泡によって発泡させた発泡体は、軽量で断熱性に優れ、各種装置や建物などの断熱材、その他に広く用いられている。特にこのような発泡体のうち、塩化ビニル樹脂発泡体は、耐薬品性、機械的強度などの点においても優れており、広く一般的に用いられている。
しかし、この塩化ビニル樹脂は、難燃性ではあるものの不燃性ではない。また、熱に対して比較的弱く、高温の雰囲気下においては体積収縮が大きいという欠点がある。
そこで、この点を改善するべく、熱せられても体積収縮を小さく抑えることのできる無機物質を混合して発泡させた無機質系発泡体が開発されている。
例えば、分子中に結晶水を有する無機物質充填材を塩化ビニル樹脂に混合し、加熱して水蒸気を発生させて発泡させたものが知られている。しかし、このような発泡体は、無機物質充填材を多量に混合しようとすると、均一に分散、発泡させることができず、無機物質充填材を25重量%以上配合することは困難であった。
また、炭酸カルシウム、タルクなどの無機物質充填材を基材とし、これに塩化ビニル樹脂、発泡剤、有機溶剤を添加後、ニーダーで混練し、得られた混練物を金型に充填、加熱発泡させたものが知られている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1に記載された方法によれば、無機物質充填材を高い比率で含有する発泡体を得ることは可能である。しかし、このような発泡体は、燃焼時の総発熱量、最大発熱速度は小さいものの、収縮、亀裂が顕著で、建築基準法第2条第9号に示される不燃材料及び準不燃材料としての性能評価試験であるコーンカロリーメータによる発熱性試験に合格するものではなかった。
また、ガラス繊維や岩綿などの直径1μm以上の無機繊維と金属水酸化物を使用し、平均重合度2400の塩化ビニル樹脂100重量部、溶剤100重量部および二塩基性ステアリン酸鉛6重量部からなる混合物を混練したときの最大トルクが4〜25N・mである特定の溶剤を使用して無機物質を高い比率で含有する無機発泡体を製造することが報告されている(特許文献2)。
しかしこの場合、発明者らの知見によると、金属水酸化物として水酸化アルミニウムを多量に添加した場合には、低密度の発泡体を得ることが困難になったり、水酸化アルミニウムの脱水反応の影響で収縮や亀裂の程度が大きくなる問題がある。これは上記の発熱性試験における性能評価試験に合格するものとはならない。
また、無機繊維として繊維径が5μm以下で融点が1000℃以上のものを使用する無機質系軽量発泡体が知られている(特許文献3)。しかしこの無機質発泡体も上記の発熱性試験における性能評価試験に合格するものではない。
これらの状況に鑑み、種々の観点から検討を行い、塩化ビニル樹脂と無機充填材、発泡剤および有機溶剤の混合物において、さらにヒュームドシリカを添加した無機系発泡体の製造方法を先に提案した(特願2004−147527号)。
特開平11−349720号公報 特公平7−47858号公報 特公平7−47511号公報
本発明は、上述した従来の無機質系発泡体が有する課題を解決するためになされたものであって、その目的は、燃焼時の体積収縮を抑制し、軽量で断熱性、耐水性、吸音性を有し、機械的強度に優れ、不燃性能の改良された無機質系発泡体を得ることができる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ね、先の出願についてさらに検討を重ねヒュームドシリカを使用することなく無機繊維ウィスカー及び特定の無機質充填材の所定量を添加することによって、燃焼時の総発熱量、最大発熱速度が小さく、かつ収縮及び表面の亀裂を抑制することのできる不燃性の改良された無機質系発泡体を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、(1)(a)塩化ビニル樹脂5〜30重量部、(b)金属水酸化物10〜30重量部、(c)無機繊維ウィスカー1〜25重量部、(d)難燃剤0.5〜3重量部、(e)その他の無機質充填材((a)〜(e)の総和が100重量部)と、発泡剤、有機溶剤とを混練し、該混練物を加圧した金型内で加温、冷却した後、除圧することによって得られる無機質系発泡体の製造方法、
(2)金属水酸化物の平均粒径が0.5〜40μmであることを特徴とする上記(1)に記載の無機質系発泡体の製造方法、
(3)金属水酸化物が水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の無機質系発泡体の製造方法、
(4)塩化ビニル樹脂の平均重合度が2000〜4000であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の無機質系発泡体の製造方法、
(5)難燃剤が三酸化二アンチモンであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の無機質系発泡体の製造方法、を要旨とするものである。
上記した本発明の無機質系発泡体の製造方法によれば、無機質充填材を多量に含んだ安定した均一の気泡構造を有する無機質系発泡体を効率よく、かつ、安定的に製造できる。また、本発明により得られる無機質系発泡体は、燃焼時の体積収縮、亀裂の発生がなく、かつ発熱量も小さいため、軽量で断熱性、耐水性、吸音性、機械的強度、不燃性に優れた発泡体となる。
従って、建築用断熱材としてはもちろん、建築物の壁・床・屋根・ダクトなどの部材、車両用内装材、各種装置の構成材などとして好適に使用することができるものである。
以下、上記した本発明に係る無機質系発泡体の製造方法の実施の形態を、詳細に説明する。
本発明の無機質系発泡体の製造方法は、塩化ビニル樹脂、金属水酸化物、無機繊維ウィスカー、難燃剤およびその他の無機質充填材を、発泡剤、有機溶剤とともにニーダー内にて混練して混練物を調製し、該混練物を加圧した金型内で加温、冷却した後、除圧することによって得られる無機質系発泡体の製造方法である。
本発明において使用する塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルを単量体の主成分とする重合体であればよく、一般の塩化ビニル系樹脂を広く用いることができる。また、その性状も特に限定されることはなく、乳化重合法によるペーストレジン、懸濁重合法によるサスペンションレジン、塊重合法による塊重合レジンのいずれも使用することができるが、発泡体の製造上、粒子径が小さいペーストレジンが好ましい。
ここに、上記塩化ビニル樹脂は1000〜5000の平均重合度を有するものが好ましく、2000〜4000の平均重合度を有するものがさらに好ましい。平均重合度が1000未満のものでは発泡時にセル膜が壊れ易くなり、発泡ガスの逸散によって発泡体が収縮を起こし、発泡体の高密度化をきたし易い。一方、5000を超える場合には工業的にその製造が難しく、かりに可能であったとしても、そのような平均重合度の大きい樹脂を使用した場合には、混練物の分散状態が悪化し、均一な気泡を有する発泡体を得ることが困難となる。これら塩化ビニル樹脂は単一の樹脂の使用に限らず、異なる重合度の樹脂を2種以上混合して使用することもできる。
上記塩化ビニル樹脂の平均重合度は、JIS K 6720−2(1999年)に基づいて測定されたものである。具体的には常温で乾燥した塩化ビニル樹脂約0.2gを50mlメスフラスコに秤量し、これに約40mlのニトロベンゼンを加えて100℃に加熱した。試料が完全に溶解したことを確認した後、メスフラスコを冷却して、新たにニトロベンゼンを加えて温度30℃、全量50mlに調整し、この溶液を試験液とし、自動粘度計(ウッベローデ型粘度計)で試験液の落下秒数を測定する一方で同様の方法によりニトロベンゼンの落下秒数を測定し、同JISに従って比粘度を求める。その比粘度の測定は3回行なわれ、その平均値を求める。続いて、比粘度の平均値を使用し、同JISに記載の式(1)及び式(2)より塩化ビニル樹脂の平均重合度が算出される。
本発明に使用される金属水酸化物は、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化スズなどが挙げられるが、これらの中でも水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムは、脱水温度が発泡体製造時に脱水が開始するほど低くなく、また発泡体の燃焼が相当進行した後に脱水が開始するほど高くもないので好ましい。すなわち、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムは、発泡体が200〜400℃に加熱されたときに脱水分解し、そのときの吸熱によって発泡体燃焼時の発熱量を小さくして発泡体の温度上昇を抑制することができる。
尚、加熱されたときに脱水反応により重量が減少する金属水酸化物は、少量の添加量では上記した効果が乏しくなるが、逆に多量に添加すると得られる発泡体を燃焼させたときに収縮が大きくなるおそれがある。したがって、金属水酸化物の添加量は10〜30重量部が好ましく、さらに15〜25重量部が特に好ましい。
金属水酸化物の平均粒径は、一般に小さいほど燃焼特性に対する効果が大きくなる傾向にあり、0.5〜40μmのものが好ましく、1〜20μmが更に好ましい。平均粒径が40μmを超える大きさでは、燃焼時の試験体の収縮が大きくなり、性能評価試験の基準を満たすことが困難となる。一方、0.5μm未満の場合には、工業的にその製造が難しく入手が困難であると共に、仮に製造することができたとしても製造コストが非常に高くなり発泡体の製造コストも高いものとなる。
上記金属水酸化物の平均粒径は、株式会社島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000を使用して測定されたものである。金属水酸化物を50mlビーカーにとり、分散剤としてヘキサメタリン酸を0.1wt%添加した純水を約40ml加えて、超音波バスにて分散処理後、測定される。
本発明に使用される無機繊維ウィスカーとは、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、塩基性硫酸マグネシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタン、アルミナ、ガラスファイバー、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、グラファイト、マグネシア、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン等から選ばれるウィスカーである。これらの無機繊維ウィスカーは発泡体中に均一に分散しているため、発泡体中には無機繊維ウィスカーの三次元的網目構造が形成され、燃焼時においても発泡体の形状が保持され表面の亀裂の発生を防ぐことができる。
本発明において無機繊維ウィスカーは上記の中から選ばれれば特に限定されるものではないが、燃焼時の収縮防止、亀裂抑制効果の点から、チタン酸カリウムウィスカー又は/
及び塩基性硫酸マグネシウムウィスカーが好ましい。
無機繊維ウィスカーの添加量は1〜25重量部が好ましく、3〜15重量部がさらに好ましい。添加量が25重量部を超える場合は、発泡体製造時に発泡効率が低下したり、独立気泡率が大きく低下したりし、得られる発泡体は密度の高いものとなってしまう虞がある。一方、1重量部未満の場合には、燃焼時の体積収縮、亀裂の発生を抑制する効果が発現されない虞がある。
本発明においては、無機繊維ウィスカーの平均繊維径は5μm以下であることが好ましく、3μm以下がより好ましい。平均繊維径の下限は通常は0.1μmである。繊維径が5μm以下のものは、一次粒子のアスペクト比が大きくなるため無機繊維ウィスカーの三次元的絡み合いによる発泡体形状の保持効果が大きくなり、発熱性試験における燃焼時においても発泡体の形状が保持され表面の亀裂の発生を効果的に防ぐことができる。
また、無機繊維ウィスカーの平均繊維長は40μm以下であることが好ましく、30μm以下がより好ましい。平均繊維長の下限は通常は1μmである。平均繊維長が40μm以下であると、得られる発泡体は独立気泡率の高いものとすることができると共に収縮による高密度化を起し難く、化学発泡剤の量に見合う高い発泡効率が達成できる。
尚、上記「平均繊維長」は1000倍の電子顕微鏡写真をもとに、50本の無機繊維ウィスカーの繊維長を測定し、その測定値の算術平均値をいう。また、上記「平均繊維径」は無機繊維ウィスカー100本の繊維径の算術均値をいう。ここで繊維径とは、繊維横断面形状が円形である場合は、その直径をいい、繊維横断面形状が非円形である場合は、その断面積と同じ面積を有する円の直径を繊維径とみなす。
本発明に使用される難燃剤は、塩化ビニル樹脂の難燃化に作用するもので、燃焼時に表面に強固な炭化被膜を形成し、発泡体への着火と燃焼の継続を抑制する効果を発現するもので従来から使用されるものであればいずれのものでも使用し得る。例えば三酸化二アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン等のアンチモン化合物、ハロゲン含有難燃剤、リン含有難燃剤、窒素含有難燃剤等が挙げられる。中でも三酸化二アンチモンが難燃効果が高いので好ましく用いられる。
難燃剤の添加量は、0.5〜3重量部が好ましい。添加量が3重量部を超える場合は、発泡体燃焼時の難燃剤自体の重量減少から体積収縮を起し易くなる。それとともに、発泡体製造時の発泡体の高密度化をきたし易くなる。一方、0.5重量部未満の場合は、燃焼時の着火や燃焼の継続を抑制する効果が発現されない虞がある。
本発明に使用される発泡剤は、いわゆる化学発泡剤が使用され、有機系発泡剤であるアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒトラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等、無機系発泡剤である重炭酸ソーダ、塩化アンモニウム等が挙げられる。これらの発泡剤は単独で、または2種以上を組合わせて使用することもできる。使用される発泡剤は上記のものから選択されれば特に限定するものでないが、所望とする発泡倍率が得られ易いなどから、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルが好適に用いられる。なお、上記発泡剤には、必要に応じて尿素系の発泡助剤などを組合わせて使用することもできる。
上記発泡剤の添加量は、所望する発泡倍率、使用される発泡剤の種類、有機溶剤の種類やそれらの量により異なるが、通常、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部、特に好ましくは20〜50重量部が用いられる。発泡剤の添加量が少なすぎると発泡倍率の小さいものしか得られず、発泡剤の添加量が多すぎると発泡時にセル膜が破壊され連泡化を招く虞がある。
本発明において使用される有機溶剤は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール類、エステル類、ケトン類、セロソルブ類等、この種の無機系発泡体の製造に一般的に使用されているものを広く使用することができる。脂肪族炭化水素としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン等が例示され、芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン等が例示され、アルコール類としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール等が例示され、エステル類としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル等が例示され、ケトン類としては、例えば、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等が例示され、セロソルブ類としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が例示される。これらの有機溶剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上記の有機溶剤のうち、ニーダー混練時の温度条件、混練性能等からトルエンや、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチケトン、などのケトン類、或いはこれらの混合溶剤が好ましく用いられる。
なお、上記有機溶剤の沸点は0〜250℃、好ましくは10〜210℃、さらに好ましくは20〜190℃であることが望ましい。有機溶剤の沸点があまりに低いと、ニーダー内での混練時に有機溶剤が揮散し十分な混練が得られない虞がある。一方、沸点があまりに高いと、発泡後に発泡体からの有機溶剤の揮散除去が困難となり、発泡体の機械的物性の低下を招く虞がある。
本発明においては、その他の無機質充填材を添加することができる。この種の無機質充填材としては、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、亜鉛等の炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、燐酸塩、ホウ酸塩、酸化物、もしくはこれらの水和物の粉末状のものが挙げられ、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、石膏、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、リン酸マグネシウム、ガラスフレーク、水和アルミニウム、水和石膏、シリカ、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。
これらの無機質充填材は、本発明における配合成分である塩化ビニル樹脂、金属酸化物、無機繊維ウィスカー、難燃剤に加えて添加され、その添加量は、無機質充填材を加えて総和が100重量部となる量である。
上記無機質充填材の粒度は、有機溶剤の吸収量を決定する上で重要な要素となる一方、その材料の種類に応じて好ましい値がある。例えば、タルクでは、その分散性を向上させるため、150メッシュのふるいを90%以上通過する程度以上の細かさのものが好ましい。また、炭酸カルシウムでは、塩化ビニル樹脂の燃焼によって発生する塩素と反応させて無毒化させたり、塩化ビニル樹脂と有機溶剤との密着性を向上させるため、70メッシュのふるいを全量通過するほどの細かさのものが好ましく、その中で20〜80重量%は200メッシュのふるいを通過するほどの細かさのものが好ましい。
その他に塩化ビニル樹脂の分解劣化を防止する目的で、二塩基性亜リン酸塩、二塩基性ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの安定剤、また、酸化チタン等の顔料、アルキルスルホン酸塩などの帯電防止剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
次に、本発明の無機系発泡体の製造方法の一例を説明する。
先ず、ニーダー内で、上記塩化ビニル樹脂、金属酸化物、無機繊維ウィスカー、難燃剤および無機質充填材、発泡剤、必要に応じて安定剤などの添加剤を上記した割合で混合し、所要量の有機溶剤を数回に分けて添加しながら混練する。
この際、塩化ビニル樹脂のゲル化、発泡剤の分解が起こらず、かつ効率の良い混練が進むように、ニーダー内の混練物の温度は、0〜50℃の範囲内にて行うことが好ましい。
次に得られた混練物を金型内に隙間なく充填し、油圧駆動型過熱プレス機で加圧、密閉する。この際のプレス圧は、130kgf/cm2以上が選定される。次いでプレス下において金型を100〜170℃に加熱し、5〜40分間その状態に保持し、塩化ビニル樹脂のゲル化、発泡剤の分解を促進させる。
これによって、塩化ビニル樹脂は有機溶剤に溶解し、無機繊維ウィスカー、金属水酸化物、無機質充填材などの各微粒子は周囲を包み込まれる。それと共に、金型内部は高温・高圧状態となっているため、発泡剤の分解ガスはゲル化した塩化ビニル樹脂及び無機繊維ウィスカー、金属水酸化物、無機質充填材などの中に均一に拡散される状態となる。
反応が十分に行なわれた後、金型を水などの冷却媒体を用いて0〜80℃まで冷却し、その後、プレス機の圧力を開放して金型から生成物を取り出す。
この時点で、生成物は、目的の発泡倍率の60〜70%となる(一次発泡)。
次いで、生成物を常圧下において、再びオーブンなどの温風循環装置内で90〜120℃に加熱し、目標とする発泡倍率まで膨張させる(二次発泡)。
そして、目標の発泡倍率まで膨張させた後、再び室温まで温度を下げ、形状を安定させるために養生を行なう。
その後、生成物を徐々に加熱し、有機溶剤を取り除き、無機質系発泡体としての製品が得られる。
上記した本発明に係る製造方法により得られた無機質系発泡体は、無機質充填材を主体とした独立気泡によって形成されているため、軽量性、断熱性、吸音性を有し、かつ機械的強度、寸法安定性、不燃性をも備えたものとなる。
また、本発明に係る製造方法により得られた無機質系発泡体は、無機繊維ウィスカーが所定量添加、分散されているため、発泡体中には無機繊維ウィスカーの三次元的な網目状構造が形成され、燃焼時においても、発泡体の形状が保持され、表面の亀裂の発生を防ぐことが可能となる。
また、金属水酸化物、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを用いた本発明に係る製造方法により得られた無機質系発泡体は、該発泡体が200〜400℃に加熱されたときに、金属水酸化物が脱水分解し、そのときの吸熱によって発泡体燃焼時の発熱量を小さくし、発泡体の温度上昇を抑制することが可能となり、更に不燃性に優れたものとなる。
また、本発明では、難燃剤を含有しており燃焼時に発泡体表面に強固な炭化被膜を形成し、発泡体への着火と燃焼の継続の抑制効果を発現するが、難燃性能をより高いものとする上で、発泡体の見掛け密度は60kg/m3〜150kg/m3であることが好ましく、また、発泡体1cm3当りの塩化ビニル樹脂の含有量が0.05gを超えないように塩化ビニル樹脂を配合することが好ましく、また、発泡体の厚みは少なくとも10mmであることが好ましく、12mm〜100mmであることがより好ましい。
本発明に係る製造方法により得られた無機質系発泡体は、建築基準法第2条第9号に示される不燃材料としての性能評価試験であるコーンカロリーメータによる発熱性試験にも合格するものとなり、建築用断熱材としてはもちろん、建築物の壁・床・屋根・ダクトなどの部材、車両用内装材、各種装置の構成材などとして、好適に使用することができるものとなる。
以下、本発明の無機質系発泡体の製造方法の実施例、比較例と共に記載するが、本発明は、何ら下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜22
〔原 料〕
・塩化ビニル樹脂:
塩化ビニル樹脂A(ヴイテック株式会社製、品名:P470、重合度:3700)
塩化ビニル樹脂B(ヴイテック株式会社製、品名:P480、重合度:2700)
塩化ビニル樹脂C(鐘淵化学工業株式会社製、品名:PSH−31、重合度:170
0)
塩化ビニル樹脂D(東ソー株式会社製、品名:R960、重合度:4500)
・金属水酸化物:
水酸化アルミニウムA(アルコアケミカルズ株式会社製、品名:UFH−20、
平均粒子径:2μm)
水酸化アルミニウムB(アルコアケミカルズ株式会社製、品名:B−325、
平均粒子径:27μm)
水酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社製、品名:キスマ5A、平均粒子径:
1μm)
・無機繊維ウィスカー:
チタン酸カリウム(大塚化学株式会社製、品名:TISMO−D、平均繊維径:
0.5μm、平均繊維長:15μm)
塩基性硫酸マグネシウム(宇部マテリアルズ株式会社製、品名:モスハイジ、平均繊 維径:0.5μm、平均繊維長:20μm)
・難燃剤:
三酸化二アンチモン(株式会社鈴裕化学製、品名:AT3)
・炭酸カルシウム:
70メッシュパス:200メッシュパスの重量比3:2の混合品
・タルク:
600メッシュパス
・発泡剤:
アゾイソブチロニトリル(大塚化学株式会社製、品名:AIBN)
アゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、品名:ユニフォームAZM−3)
・有機溶媒:
トルエン
〔発泡体の製造〕
先ず、上記した原料を表1乃至表3に示した配合量となるように配合し、混練して混練物とした。
なお、混練は、トルエンを除いた全原料をニーダーに投入し、15分間混練した後、トルエンを4回に分けて添加し、トルエン1回分を投入する毎に15分間混練し、合計60分間混練を行った。また、混練時は、混練物温度が50℃になるよう調整した。
次に得られた混練物を120mm×120mm、深さ25mmの金型に隙間なく充填し、上部に蓋をして、加圧プレス機で150kgf/cm2の圧力にて加圧した。その後、金型を150℃まで昇温、20分間保持して混練物中の塩化ビニル樹脂のゲル化、発泡剤の分解を行い、次いで速やかに50℃まで冷却、30分間保持した後に、圧力を開放して板状の発泡体を得た。
続いて、得られた発泡体を80℃のオーブン中に2時間収容することによって二次発泡させた。その後、20℃の部屋で12時間放置して冷却(養生)した後、再び80℃のオーブン中で24時間放置し、残存するトルエンを揮散させた。その後、20℃の部屋で12時間放置して冷却(養生)してから後述の発泡体の性能について測定を行なった。
Figure 2007039644
Figure 2007039644
Figure 2007039644
〔発泡体の性能〕
製造した発泡体について、その見掛け密度、独立気泡率、熱伝導率、総発熱量、最大発熱速度、収縮・亀裂を、下記の方法に従って各々測定した。
・見掛け密度:
発泡体から200mm×200mm×25mmのサイズのサンプルを切り出し、その体積と重量を測定して算出した。
・独立気泡率:
発泡体から25mm×25mm×20mmのサイズに切断された成形表皮をもたないカットサンプルをカップ内に収容し、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定された発泡体(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、下記式により独立気泡率S(%)を計算し、3個の平均値で求めた。
(数1)
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(VA−W/ρ)
Vx:上記方法で測定されたカットサンプルの真の体積(cm3)であり、発泡体のカ
ットサンプルを構成する樹脂の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積
との和に相当する。
VA:測定に使用されたカットサンプルの外寸から計算されたカットサンプルの見掛け
上の体積(cm3)。
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)。
ρ:発泡体を構成する充填材含有樹脂組成物の密度(g/cm3)。
・熱伝導率:
製造後4週間経過した発泡体から切り出した縦200mm、横2000mm、厚み25mmの試験片について、JIS A9511−4.7(1995年)の記載により、英弘精機株式会社製の熱伝導率測定装置「オートΛ HC−73型」を使用して、JIS A1412(1994年)記載の平板熱流計法(熱流計2枚方式、平均温度20℃)に基づいて測定した。
・総発熱量と最大発熱速度:
発熱性試験をISO 5660 part 1に準拠したコーンカロリーメータにて行い、着火開始から10分後と20分後の各総発熱量及びその間の各最大発熱速度を測定した。
尚、この試験における試験体は、発泡体から99mm×99mm角のサイズに切り出したものを使用した(試験体の厚みは得られた発泡体の厚みとした)。
コーンカロリーメータにおける不燃の基準は以下のとおりである(括弧内は準不燃基準)。
(1)加熱開始後20分間(10分間)の総発熱量が8MJ/m2以下であること。
(2)加熱開始後20分間(10分間)、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えないこと。
(3)加熱開始後20分間(10分間)、防火上有害な裏面までに達する亀裂及び穴がないこと。
最大発熱速度は、上記コーンカロリーメータによる発熱性試験において下記の基準により評価した(括弧内は準不燃基準)。
○:加熱開始後20分間(10分間)、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えなかった。
×:加熱開始後20分間(10分間)、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えた。
・亀裂:
前記のコーンカロリーメータによる発熱性試験後(準不燃の評価については加熱開始10分後、不燃の評価については加熱開始20分後)の試験体を観察して下記の基準により評価した。
○:試験体の表面から裏面にまで達する亀裂又は穴が認められない。
×:試験体の表面から裏面にまで達する亀裂又は穴が認められる。
・収縮:
前記のコーンカロリーメータによる発熱性試験に当っては、試験体は、側面と裏面をアルミニウム箔で包んで押さえ枠に入れ、さらに裏面側に無機繊維を充填してから、試験体ホルダーに押し込まれる。上記押さえ枠は、試験片の上面(99mm×99mm面の内の上に向けた側の面(輻射熱暴露面))の端部の一部が枠体により覆われる。具体的には、その枠体は、試験体の上面を形成する99mm角の正方形の各辺からそれぞれ2.5mm内側に入った箇所まで覆う。その結果、試験に際しては、試験体の上面は、94mm角の正方形の部分が輻射熱暴露部となる。ここで言う収縮は、前記のコーンカロリーメータによる発熱性試験後(準不燃の評価については加熱開始10分後、不燃の評価については加熱開始20分後)に、枠体を設置したまま枠体の全周囲の各位置において真上から試験体を観察し、下記の基準により評価した。
◎:試験体裏面に位置するアルミニウム箔が認められない。
○:試験体の収縮の結果、枠体と試験体との間に隙間が生じ、その隙間を通して試験体
裏面に位置するアルミニウム箔が観察されるが、観察されるアルミニウム箔の最も
大きいものの面積が5mm2未満である。
△:試験体の収縮の結果、枠体と試験体との間に隙間が生じ、その隙間を通して試験体
裏面に位置するアルミニウム箔が観察されるが、観察されるアルミニウム箔の最も
大きいものの面積が5mm2以上、50mm2未満である。
×:試験体の収縮の結果、枠体と試験体との間に隙間が生じ、その隙間を通して試験体
裏面に位置するアルミニウム箔が観察されるが、観察されるアルミニウム箔の最も
大きいものの面積が50mm2以上である。
上記した各性能試験による測定結果を、表1乃至表3に記載する。
比較例1〜10
表4に示す原料配合で行った以外は、上記実施例と同様の方法で発泡体を製造し、得られた発泡体について、上記と同様の性能試験を行なった。その測定結果を、表4に記載する。
Figure 2007039644
実施例1〜18はチタン酸カリウムウィスカーを使用した例であるが、得られた発泡体は発熱性試験時の総発熱量及び最大発熱速度はいずれも小さいものであり、試験体の収縮が非常に小さく、また反対面側に貫通する亀裂又は穴の発生も認められないものであり、寸法安定性に優れるものであった。
実施例15は、実施例1〜9及び実施例11〜14よりもやや平均粒子径の大きい金属水酸化物(水酸化アルミニウム)を使用した例であるが、発熱性試験時の総発熱量及び最大発熱速度はいずれも小さいものであり、試験体は反対面側に貫通する亀裂又は穴の発生は認められなかった。やや平均粒子径の大きい水酸化アルミニウムの使用により、やや収縮が大きい結果であったが、許容範囲である。この結果より、金属水酸化物の平均粒子径は大きすぎない方が好ましいといえる。
実施例11は、実施例5よりも重合度の小さい(2000を下回る)塩化ビニル樹脂を使用した例を示すものである。また、実施例12は、実施例5よりも重合度の大きい(4000を上回る)塩化ビニル樹脂を使用した例を示すものである。いずれの例も、実施例5よりも少し発泡効率が低下し、実施例5で得られた発泡体よりも高密度となっていることが分かる。この結果より、発泡効率の向上のためには、使用する塩化ビニル樹脂の重合度は2000〜4000が特に好ましいといえる。
また、実施例19〜21は塩基性硫酸マグネシウムウィスカーを使用した例であるが、得られた発泡体は発熱性試験時の総発熱量及び最大発熱速度はいずれも小さいものであり、試験体の収縮が非常に小さく、また反対面側に貫通する亀裂又は穴の発生も認められないものであり、寸法安定性に優れるものであった。
また、実施例16〜18は、発熱性試験の試験体の厚みが50mmにて実施した例である。厚みが厚い分、試験体中の塩化ビニル樹脂の絶対量が多いため、20分間後の総発熱量は8MJ/m2を超えて不燃基準を満足するものではなかったが、10分間後の総発熱量は8MJ/m2以内で準不燃基準を満足するものであり、試験後の収縮が非常に小さく、また反対面側に貫通する亀裂又は穴の発生も認められず、寸法安定性に優れるものであった。また、塩基性硫酸マグネシウムウィスカーを使用した実施例22においても、発熱性試験の試験体の厚みが50mmであったため、実施例16〜18と同様の傾向を示した。
これに対し、比較例1は実施例1と対比されるものであるが、塩化ビニル樹脂の配合量が少なすぎたため、発泡圧に耐えられず、破泡してしまい気泡の形成が全く見られなかった。したがって、発泡体の発熱性試験は実施しなかった。
比較例2は実施例1と対比されるものであるが、塩化ビニル樹脂の配合量が多すぎたため、発熱性試験による総発熱量の測定結果は8MJ/m2以上となった。また、試験後の亀裂の発生は見られないが、収縮の程度が大きいものであった。いずれにしても不燃の基準も準不燃の基準も満足するものではなかった。
比較例3は実施例5と対比されるものであるが、金属水酸化物(水酸化アルミニウム)の配合量が少なかったため、発熱性試験による総発熱量の測定結果は8MJ/m2以上となり、いずれにしても不燃の基準も準不燃の基準も満足するものではなかった。
比較例4は実施例17と対比されるものであるが、金属水酸化物(水酸化アルミニウム)の配合量が少なかったため、発熱性試験による総発熱量の測定結果8MJ/m2以上となり、いずれにしても不燃の基準も準不燃の基準も満足するものではなかった。
比較例5は実施例17と対比されるものであるが、難燃剤(三酸化二アンチモン)を配合しなかったため、発熱性試験による総発熱量の測定結果は8MJ/m2以上となり、いずれにしても不燃の基準も準不燃の基準も満足するものではなかった。
比較例6は実施例5と対比されるものであるが、金属水酸化物(水酸化アルミニウム)の配合量が多かったため、総発熱量は8MJ/m2以下であるが、試験後の亀裂及び収縮の程度が大きく、いずれにしても不燃の基準も準不燃の基準も満足するものではなかった。
比較例7は実施例5と対比されるものであるが、無機繊維ウィスカー(チタン酸カリウム)を配合しなかったため、発熱性試験後の亀裂及び収縮の程度が大きく、いずれにしても不燃の基準も準不燃の基準も満足するものではなかった。
比較例8は実施例5と対比されるものであるが、無機繊維ウィスカー(チタン酸カリウム)の配合量が多かったため、添加した発泡剤に対する発泡効率が低下し、低密度の発泡体を得ることができなかった。その後の評価も行なわなかった。
比較例9は実施例5と対比されるものであるが、難燃剤(三酸化二アンチモン)の配合量が多かったため、添加した発泡剤に対する発泡効率が低下し、得られた発泡体が高密度化した。また、発熱性試験後の収縮が大きく、いずれにしても不燃の基準も準不燃の基準も満足するものではなかった。
比較例10は実施例5と対比されるものであるが、難燃剤(三酸化二アンチモン)を配合しなかったため、難燃剤による総発熱量低減の効果が無くなり、いずれにしても不燃の基準も準不燃の基準も満足するものではなかった。

Claims (5)

  1. (a)塩化ビニル樹脂5〜30重量部、(b)金属水酸化物10〜30重量部、(c)無機繊維ウイスカー1〜25重量部、(d)難燃剤0.5〜3重量部、(e)その他の無機質充填材((a)〜(e)の総和が100重量部)と、発泡剤、有機溶剤とを混練し、該混練物を加圧した金型内で加温、冷却した後、除圧することによって得られる無機質系発泡体の製造方法。
  2. 金属水酸化物の平均粒径が0.5〜40μmであることを特徴とする請求項1に記載の無機質系発泡体の製造方法。
  3. 金属水酸化物が水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機質系発泡体の製造方法。
  4. 塩化ビニル樹脂の平均重合度が2000〜4000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無機質系発泡体の製造方法。
  5. 難燃剤が三酸化二アンチモンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機質系発泡体の製造方法。
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