JP2007039618A - カチオン電着塗料組成物およびそれから得られた塗装物 - Google Patents

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Tsutomu Shigenaga
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Abstract

【課題】 非常に薄い膜厚(例えば、約7μmの膜厚)でも高い防錆性と高いつきまわり性が確保できて、しかも他の塗膜性能も優れているカチオン電着塗料組成物の提供。
【解決手段】 細孔容積が0.44〜1.8ml/gである平均粒径10μm以下のシリカ粒子を含有し、電着塗装における最小析出pHが11.90〜12.00で有り、15μm240Vにおける塗膜抵抗が1,000〜1,500kΩ・cmであるカチオン電着塗料組成物およびそれから得られた塗装物。
【選択図】図1

Description

本発明は、カチオン電着塗料組成物、特に塗膜を薄くしても耐食性が高いカチオン電着塗料組成物、およびそれから得られた塗装物に関する。
電着塗装は、複雑な形状を有する被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、自動的かつ連続的に塗装することができるので、自動車車体等の大型で複雑な形状を有し、高い防錆性が要求される被塗物の下塗り塗装方法として汎用されている。また、他の塗装方法と比較して、塗料の使用効率が極めて高いことから経済的であり、工業的な塗装方法として広く普及している。カチオン電着塗装は、カチオン電着塗料中に被塗物を陰極として浸漬させ、電圧を印加することにより行なわれる。
電着塗装は、上述のように、基本的に塗装効率が高く経済的であるが、近年の省資源化の波は電着塗装においても、従来よりもさらに塗装効率を高くすることをも要求している。例えば、カチオン電着塗装において、塗膜の膜厚は以前は20μm程度であったが、現在は外板膜厚として15μm程度が望まれている。
膜厚を薄くすれば、塗料の使用量が減り、省資源化を達成することが当然できるのである。膜厚を薄くすることは、電着塗装では塗装時間を減らしたり、印加する電気量を少なくすることにより、容易に達成することができるのであるが、外板膜厚を15μm以下にした場合、内板の膜厚も減少し、塗膜の耐食性を確保することが難しい。そこでつきまわり性を向上させることで、外板膜厚を薄くしても、内板の奥まで塗膜をつける技術、および内板領域の膜厚が10μm以下の薄膜部、特に7μm以下の薄膜領域の防錆性を向上させることが重要である。
特許文献1(特開2003−268315号公報)には、細孔容積が0.44〜1.8ml/gである平均粒径10μm以下のシリカ粒子を含有する無鉛性カチオン電着塗料組成物が開示されている。このカチオン電着塗料組成物は、塗膜の表面平滑性を目的としたもので、10μm以下の膜厚、特に約7μmぐらいの薄い膜厚において高い防錆性や高いつきまわり性を目的としたものではない。
特許文献2(特開2004−269627号公報)には、水性媒体、水性媒体中に分散するか又は溶解した、バインダー樹脂、中和酸、有機溶媒、顔料および金属触媒、を含有する無鉛性カチオン電着塗料組成物であって、被塗物に対して厚さ20μmに電着された電着塗膜の膜抵抗が1000〜2500kΩ・cmであって、塗料組成物の電導度が1500〜2000kΩ・cmであって、かつ電着塗装における最小析出pHが11.90〜12.00である、無鉛性カチオン電着塗料組成物が開示されている。この特許文献2のカチオン電着塗料組成物では、7μm程度の非常に薄い膜厚の考慮はされていない。
特開2003−268315号公報 特開2004−269627号公報
本発明は非常に薄い膜厚(例えば、約7μmの膜厚)でも高い防錆性と高いつきまわり性が確保できて、しかも他の塗膜性能も優れているカチオン電着塗料組成物を提供することにある。
本発明は、細孔容積が0.44〜1.8ml/gである平均粒径10μm以下のシリカ粒子を含有し、電着塗装における最小析出pHが11.90〜12.00で有り、15μm240Vにおける塗膜抵抗が1,000〜1,500kΩ・cmであるカチオン電着塗料組成物を提供するものであり、そのことにより、上記目的が達成される。
また、上記カチオン電着塗料組成物は更に、アミン変性エポキシ樹脂(A)およびブロック化イソシアネート硬化剤(B)を含有し、アミン変性エポキシ樹脂(A)とブロック化イソシアネート硬化剤(B)の重量比(A/B)が50/50〜90/10で有り、ブロック化イソシアネート硬化剤がブロック化脂肪族ポリイソシアネートとブロック化芳香族ポリイソシアネートとの混合物からなり、それらの重量比(ブロック化脂肪族ポリイソシアネート/ブロック化芳香族ポリイソシアネート)が3/1〜1/3であることが好ましい。
更に、前記シリカ粒子は全顔料に対し1〜30重量%の量で含有する。
本発明は、また、上記カチオン電着塗料組成物で電着塗装された塗装物も提供する。
以下本発明を詳細に説明する。
一般にカチオン電着塗料は、カチオン性のエポキシ樹脂(特に、アミン変性エポキシ樹脂)とその樹脂の硬化剤(特に、ブロック化イソシアネート硬化剤)を基本的成分としており、その他に顔料や添加剤を含み、水性媒体中に分散したものである。
シリカ粒子
本発明のカチオン電着塗料は、前述のように特定のシリカ粒子を含有することを特徴としている。シリカ粒子は多孔質であり、その細孔容積は0.44〜1.8ml/g、好ましくは0.8〜1.6ml/gである。0.44ml/gより少ないとその効果(耐食性)が少なくなるという欠点を有することとなり、より少ない場合より顕著となる。1.6ml/gを超えると分散安定不良の欠点を有することとなり、より多いとより分散不能となる。ここで細孔容積とは、多孔質部分の細孔体積を意味する。上記細孔容積は水銀圧入法によって測定される。水銀圧入法とは、粉体の細孔に水銀を注入し、それに要した圧力と圧入された水銀量を測定することにより、比表面積や細孔分布を測定する方法である。これらは水銀圧入式細孔分布測定装置を用いて測定できる。
上記シリカ粒子は、平均粒径10μm以下、好ましくは5〜0.1μmである。0.1μmより小さいと分散安定性不良の欠点を有することとなる。10μmを超えると耐食性が低下する。ここで「平均粒径」とは、一般に粒子の粒度(粒径が粗いか細かいか)を表わすために用いられるものであり、重量50%に相当するメジアン径や算術平均径、表面積平均径、体積面積平均径などが使用される。本明細書に示す平均粒径は、レーザー法によって測定された値で示している。レーザー法とは、粒子を溶媒に分散させ、その分散溶媒にレーザー光線を当て、得られた散乱光を捕捉、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法である。
一般にシリカは二酸化ケイ素を主成分とする固体状物質をいうが、本発明のシリカ粒子は上述のごとく多孔質であって、細孔容積が0.44〜1.8ml/g、平均粒径10μm以下でなければならない。このような特性を有するシリカ粒子は特殊なもので、一般的に知られているシリカゲルやクレー(例えば、カオリン等の体質顔料)とは異なっている。本発明に用いるシリカ粒子は、いわゆる湿式法を用いて、ケイ酸ソーダと酸を混合することにより得られる。本発明に用いる特殊なシリカ粒子としては、富士シリシア化学株式会社から市販されているサイリシアが挙げられる。
一般に、カソード腐食によって、腐食環境のpHが、アルカリ性になり、腐食が進行するが、シリカ粒子が存在すると、アルカリ性になるのを抑制するpH緩衝作用により、高い防錆性が期待できるものと、理解している。
本発明で用いるシリカ粒子は、固体状物質で後述する顔料の一部を構成するとも考えることができる。その場合、後述する顔料の一部が本発明のシリカ粒子と置きかえられるものと考えることができる。従って、上記シリカの配合量は、顔料に対して1〜30重量%であることが好ましく、さらには10〜25重量%であることが好ましい。30%を超えて添加することは、塗膜平滑性が低下する。逆に、1重量%より少ない量の添加は、シリカ粒子の添加による効果(耐食性)が不十分となる。
本発明の無鉛性カチオン電着塗料組成物は、前述のように、特定のシリカ粒子以外に、カチオン性のエポキシ樹脂、硬化剤および必要に応じて顔料や添加剤を含むものである。以下、それぞれの成分について説明する。
アミン変性エポキシ樹脂
本発明で用いるアミン変性エポキシ樹脂には、アミンで変性されたエポキシ樹脂をいう。このアミン変性エポキシ樹脂は、特公昭54−4978号、同昭56−34186号などに記載されている公知の樹脂でよい。
アミン変性エポキシ樹脂は、典型的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環するか、または一部のエポキシ環を他の活性水素化合物で開環し、残りのエポキシ環をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環して製造される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の典型例はビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。前者の市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量180〜190)、エピコート1001(同、エポキシ当量450〜500)、エピコート1010(同、エポキシ当量3000〜4000)などがあり、後者の市販品としてはエピコート807、(同、エポキシ当量170)などがある。
特開平5−306327号公報第0004段落の式、化3に記載のような、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂をアミン変性エポキシ樹脂として用いてもよい。耐熱性及び耐食性に優れた塗膜が得られるからである。
エポキシ樹脂にオキサゾリドン環を導入する方法としては、例えば、メタノールのような低級アルコールでブロックされたブロックポリイソシアネートとポリエポキシドを塩基性触媒の存在下で加熱保温し、副生する低級アルコールを系内より留去することで得られる。
特に好ましいエポキシ樹脂はオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂である。耐熱性及び耐食性に優れ、更に耐衝撃性にも優れた塗膜が得られるからである。
二官能エポキシ樹脂とモノアルコールでブロックしたジイソシアネート(すなわち、ビスウレタン)とを反応させるとオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂が得られることは公知である。このオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の具体例及び製造方法は、例えば、特開2000−128959号公報第0012〜0047段落に記載されている。
これらのエポキシ樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびカルボン酸、キシレン樹脂のような適当な樹脂またはメルカプト化合物で変性しても良い。また、エポキシ樹脂はエポキシ基とジオール又はジカルボン酸との反応を利用して鎖延長することができる。
これらのエポキシ樹脂は、開環後0.3〜4.0meq/gのアミン当量となるように、より好ましくはそのうちの5〜50%が1級アミノ基が占めるように活性水素化合物で開環するのが望ましい。
カチオン性基を導入し得る活性水素化合物としては1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩、スルフィド及び酸混合物がある。本発明の1級、2級又は/及び3級アミノ基含有エポキシ樹脂を調製するためには1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物として用いる。
具体例としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酢酸塩、ジエチルジスルフィド・酢酸混合物などのほか、アミノエチルエタノールアミンのケチミン、ジエチレントリアミンのジケチミンなどの1級アミンをブロックした2級アミンがある。アミン類は複数のものを併用して用いてもよい。
スルホニウム変性エポキシ樹脂
本発明で用いられるカチオン電着塗料組成物には、スルホニウム変性エポキシ樹脂を含んでも良い。スルホニウム変性エポキシ樹脂とは、エポキシ樹脂にスルフィド化合物及び中和酸を反応させてそのエポキシ基が開環されると同時にスルホニウム塩基が導入された樹脂をいう。このスルホニウム変性エポキシ樹脂は、例えば、特開平6−128351号公報、特開平7−206968号公報などに記載されているような従来公知のものであってよい。スルホニウム変性エポキシ樹脂は、典型的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環をスルフィド化合物及び中和酸で開環して製造される。
エポキシ樹脂と反応させるスルフィド化合物は、エポキシ基と反応し、かつ妨害基を含まない全てのスルフィド化合物が含まれる。尚、エポキシ樹脂とスルフィド化合物との反応は中和酸の存在下で行う必要があり、その結果、エポキシ樹脂にスルホニウム基が導入される。
スルフィド化合物の具体例としては、脂肪族スルフィド、脂肪族−芳香族混合スルフィド、アラルキルスルフィドまたは環状スルフィドであり得る。使用しうるスルフィド化合物の例には、ジエチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、テトラメチレンスルフィド、ペンタメチレンスルフィド等が挙げられる。
特に好ましいスルフィド化合物は、式
Figure 2007039618
[式中、R及びR'はそれぞれ独立して炭素数2〜8の直鎖又は分枝鎖アルキレン基である。]
で表されるチオジアルコールである。かかるスルホニウム変性エポキシ樹脂は電着開始直後の短時間(約10秒間)塗膜抵抗の形成を遅くする機能を有し、かつバインダー樹脂に水分散安定性を付与する。
チオジアルコールの例には、チオジエタノール、チオジプロパノール、チオジブタノール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プロパンジオール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−ブタノ−ル、及び1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−3−ブトキシ−1−プロパノールなどがある。最も好ましくは、スルフィド化合物は、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノールである。
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤
本発明で使用するブロック化イソシアネート硬化剤は、ポリイソシアネートをブロック剤でブロックして得られたブロックポリイソシアネートが好ましく、ここでポリイソシアネートとは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物をいう。ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系および芳香族−脂肪族系等のうちのいずれのものであってもよい。
ポリイソシアネートの具体例には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、及びナフタレンジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等のような炭素数3〜12の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、及び1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン(水添XDI)、水添TDI、2,5−もしくは2,6−ビス(イソシアナートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナンジイソシアネートとも称される。)等のような炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等のような芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン化物、カーボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン、ビューレット及び/又はイソシアヌレート変性物);等があげられる。これらは、単独で、または2種以上併用することができる。
ポリイソシアネートをエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの多価アルコールとNCO/OH比2以上で反応させて得られる付加体ないしプレポリマーも硬化剤として使用してよい。
ポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポリイソシアネートとの組み合わせであることが好ましい。形成される塗膜が塗膜平滑性や耐候性に優れるからである。脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポリイソシアネートとの混合比は、脂肪族ポリイソシアネート/芳香族ポリイソシアネートの重量比で3/1〜1/3、好ましくは7/3〜3/7である。この重量比率が、3/1より大きいと、塗膜の平滑性が低下し、1/3より小さいと耐候性が劣る。
脂肪族ポリイソシアネートの好ましい具体例には、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添TDI、水添MDI、水添XDI、IPDI、ノルボルナンジイソシアネート、それらの二量体(ビウレット)、三量体(イソシアヌレート)等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートの好ましい具体例は、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネートおよびそれらの二量体、三量体および縮合体などが挙げられる。
ブロック剤は、ポリイソシアネート基に付加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離のイソシアネート基を再生し得るものである。
ブロック剤としては、低温硬化(160℃以下)を望む場合には、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムおよびβ−プロピオラクタムなどのラクタム系ブロック剤、及びホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系ブロック剤を使用するのが良い。
アミン変性エポキシ樹脂と硬化剤とを含むバインダーは、一般に、電着塗料組成物の全固形分の25〜85重量%、好ましくは40〜70重量%を占める量で電着塗料組成物に含有される。
顔料
電着塗料組成物には着色剤として一般に顔料を含有させる。本発明の電着塗料組成物にも通常用いられる顔料を含有させる。かかる顔料の例としては、チタンホワイト、カーボンブラック及びベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム及びリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料等が挙げられる。
顔料は、一般に、電着塗料組成物の全固形分の1〜35重量%、好ましくは10〜30重量%を占める量で電着塗料組成物に含有される。前述のように、本発明に用いる特定のシリカ粒子は、固体成分で顔料の一部と考えることもできるので、その場合は上記顔料の配合量の一部分をシリカ粒子にする。シリカ粒子を添加剤として捉える場合には、顔料の配合量は少なくなり、塗料固形分の0.01〜15重量%、好ましくは0.2〜2重量%となる。
本発明のカチオン電着塗料組成物は環境の観点から、無鉛性であることが好ましいので、鉛を含む耐食性付与剤、例えば、塩基性ケイ酸鉛、塩基性硫酸鉛、鉛丹、及びシアナミド鉛のような鉛系防錆顔料は使用しないか、または使用しても希釈塗料(電着浴へ加えられる状態)の鉛イオン濃度が100ppm以下となるような量で使用すべきである。鉛イオン濃度が高いと環境に有害であり、かつ平滑性が低下することがある。
顔料分散ペースト
顔料を電着塗料の成分として用いる場合、一般に顔料を顔料分散樹脂と呼ばれる樹脂と共に予め高濃度で水性媒体に分散させてペースト状にする。顔料は粉体状であるため、電着塗料組成物で用いる低濃度均一状態に一工程で分散させるのは困難だからである。一般にこのようなペーストを顔料分散ペーストという。
顔料分散ペーストは、顔料を顔料分散樹脂と共に水性媒体中に分散させて調製する。本発明では、顔料と共にシリカ粒子も分散ペースト化するのが好ましい。顔料分散樹脂としては、一般に、カチオン性又はノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基及び/又は3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等のようなカチオン性重合体を用いる。水性媒体としてはイオン交換水や少量のアルコール類を含む水等を用いる。一般に、顔料分散樹脂と顔料の固形分比は1:10〜1:1の比で用いる。
電着塗料組成物
本発明の電着塗料組成物は、アミン変性エポキシ樹脂、硬化剤、及びシリカ粒子を含む顔料分散ペーストを水性媒体中に分散することによって調製される。また、通常、水性媒体にはアミン変性エポキシ樹脂の分散性を向上させるために中和剤を含有させる。中和剤は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸のような無機酸または有機酸である。その量は少なくとも20%、好ましくは30〜60%の中和率を達成する量である。
硬化剤の量は、硬化時にアミン変性エポキシ樹脂(またはスルホニウム変性樹脂)中の1級、2級又は/及び3級アミノ基、水酸基等の活性水素含有官能基と反応して良好な硬化塗膜を与えるのに十分でなければならない。アミン変性エポキシ樹脂(A)とブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)の重量比(A/B)は50/50〜90/10、好ましくは55/45〜80/20である。アミン変性エポキシ樹脂(A)とブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)の重量比(A/B)が50/50を超えると、塗膜の平滑性が低下し、90/10より小さいと十分な耐食性が得られない。
スルホニウム変性エポキシ樹脂をカチオン性樹脂に加える場合には、スルホニウム変性エポキシ樹脂とアミン変性エポキシ樹脂との混合割合は、質量比で、10/90〜50/50、好ましくは25/75〜50/50の範囲である。スルホニウム変性エポキシ樹脂の質量比が上記混合割合10/90を下まわると塗料の耐ガスピン性が劣ることとなり、上記混合割合50/50を超えると、塗膜の外観不良が解消され難くなる。
電着塗料は、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジブチルスズオキサイドのようなスズ化合物や、通常のウレタン開裂触媒を含むことができる。鉛を実質的に含まないため、その量はブロックポリイソシアネート化合物の0.1〜5重量%とすることが好ましい。
電着塗料は、水混和性有機溶剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び顔料などの常用の塗料用添加剤を含むことができる。
本発明の電着塗料組成物は当業者に周知の方法で被塗物に電着塗装され、硬化塗膜を形成する。このカチオン電着塗料組成物を用いて電着塗装を行う場合の被塗物は、予め、浸漬、スプレー方法等によりリン酸亜鉛処理等の表面処理の施された導体であることが好ましいが、この表面処理が施されていないものであっても良い。また、導体とは、電着塗装を行うに当り、陰極になり得るものであれば特に制限はなく、金属基材が好ましい。
そのような金属基材としては、冷延鋼板や亜鉛ニッケル鋼板等の鋼板を挙げることができる。また、そのような鋼板は、先に述べた自動車ボディーのように、特定の用途に用いられるような構造物となっていてもよい。この構造物とは、上記金属素材を、自動車用やその他の用途に用いられるように、凹凸状等に成形加工されてできたものを言う。上記被塗物は、特に自動車用に用いられる場合には、耐食性の点から、亜鉛ニッケル鋼板を使用した構造物であることが好ましい。
電着が実施される条件は一般的に他の型の電着塗装に用いられるものと同様である。印加電圧は大きく変化してもよく、1ボルト〜数百ボルトの範囲であってよい。電流密度は通常約10アンペア/m〜160アンペア/mであり、電着中に減少する傾向にある。
電着後、被膜を昇温下に通常の方法、例えば焼付炉中、焼成オーブン中あるいは赤外ヒートランプで焼付ける。焼付け温度は変化してもよいが、通常約140℃〜180℃である。
本発明の電着塗料組成物は、電着塗装における最小析出pHが11.90〜12.00である必要がある。11.90未満だと電着浴の安定性が低下し、12.00を超えるとつきまわり性が低下する。ここで最小析出pHとは、カチオン電着塗装において、バインダー樹脂が析出するために必要とされる水酸化物イオン濃度に基づくpHをいう。
上記の最小析出pHは、定電流電着塗装、すなわち電流密度(mA/cm)を一定にした電着塗装、における電着挙動により求めることができる。定電流電着塗装において、被電着塗装面での樹脂の析出が始まると、その樹脂の析出による電気抵抗の増大に依存して、より高い印加電圧が必要となる。ここで、電気抵抗が増大するまでの通電時間から、樹脂が析出するために必要とされる水酸化物イオン濃度(COH−)を下記式により求めることができる。
Figure 2007039618
F:ファラデー定数 96486.7
D:イオン拡散係数 OH=5×10−5
最小析出pHは下記式により求めることができる。
Figure 2007039618
また、最小析出pHにおける印加電圧と通電時間との関係を示すグラフを図1に示す。
電着過程は、カチオン電着塗料組成物に被塗物を浸漬する過程、及び、上記被塗物を陰極として陽極との間に電圧を印加し、被膜を析出させる過程、から構成される。また、電圧を印加する時間は、電着条件によって異なるが、一般には、2〜4分とすることができる。本明細書中「電着塗膜」とは、上記の、被膜を析出させる過程後であって、焼付硬化前の、電着塗装後の未硬化の塗膜をいう。
電着塗膜の膜厚は、好ましくは5〜30μm、より好ましくは7〜25μmとする。膜厚が5μm未満であると、防錆性が不充分であり、30μmを超えると、塗料の浪費につながる。本発明では、前述のように、従来の一般的な薄膜タイプの電着塗料の膜厚10μmよりも薄い膜厚(具体的には約7μmぐらいの薄膜)でも、高い防食性(防錆性)を発揮することが特徴となる。また、電着塗膜の膜抵抗は膜厚15μm240Vにおいて1000〜1500kΩ・cmであることが好ましい。塗膜の膜抵抗が1000kΩ・cm未満であると十分な電気抵抗が得られていない状態であり、つきまわり性に劣る状態となり、1500kΩ・cmを越えると塗膜外観が著しく劣ることとなる。塗膜の膜抵抗は、より好ましくは1100〜1200kΩ・cmである。
電着塗膜の膜抵抗は、析出膜の電荷移動媒体量や粘性を制御することにより調節できる。
上述のようにして得られる電着塗膜を、電着過程の終了後、そのまま又は水洗した後、120〜260℃、好ましくは140〜220℃で、10〜30分間焼き付けることにより硬化させる。本明細書中において、この焼付硬化後の塗膜を「硬化塗膜」という。
カチオン電着塗料組成物に特定形状のシリカ粒子を添加し、かつ最小析出pHや15μm240Vにおける塗膜抵抗をコントロールすることにより、従来の常識より薄い膜厚、例えば約7μmの膜厚でも防食性(防錆性)や高いつきまわり性を付与することができ、さらに塗膜の表面平滑性も向上する。また、本発明のカチオン電着塗料組成物を用いると亜鉛鋼板の耐食性が、湿潤試験、乾湿サイクル試験においても良好である。
以下の製造例および実施例は、限定でなく例示目的のみで与えられる。これらにおいて「部」および「%」は特記しない限り重量基準による。
製造例1(アミン変性エポキシ樹脂の合成)
攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量188)752.0部、メタノール77.0部、メチルイソブチルケトン200.3部およびジラウリン酸ジブチルスズ0.3部を仕込み、室温で攪拌し均一溶液とし、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート80/20(質量比)混合物174.2部を50分間かけて滴下すると発熱により系内の温度が70℃に達した。IRスペクトルはイソシアネートに基づく2280cm−1の吸収の消失およびウレタンのカルボニル基に基づく1730cm−1の吸収の出現を示した。
N,N−ジメチルベンジルアミン2.7部を加えた後、系内を120℃まで昇温し、副生するメタノールをデカンターを用いて留去させながらエポキシ当量が463に達するまで反応を行った。IRスペクトルはウレタンのカルボニル基に基づく1730cm−1の吸収の消失およびオキサゾリドン環のカルボニル基に基づく1750cm−1の吸収の出現を示した。
オクチル酸158.3部およびメチルイソブチルケトン83.3部を加え125℃の温度を保持しながらエポキシ当量が1146に達するまで反応を行った。系内の温度が110℃になるまで冷却し、アミノエチルエタノールアミンのケチミン(79質量%のメチルイソブチルケトン溶液)47.2部、ジエタノールアミン42.0部、N−メチルエタノールアミン30.0部およびメチルイソブチルケトン17.3部を加えた後、昇温し、120℃で2時間反応させた。このようにして不揮発分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂を得た。
製造例2(ブロック化脂肪族ポリイソシアネート硬化剤の合成)
攪拌機、冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体(コロネートHX、日本ポリウレタン社製)199部、メチルイソブチルケトン122.8部、およびジブチルスズジラウレート0.2部を秤取し、50℃まで昇温した。外部から冷却して温度を50℃に保ちながらメチルエチルケトオキシム87部を2時間かけて滴下した。滴下終了後70℃に昇温し、この温度を保ちながらIR分析によりイソシアネート基が消失するまで反応させ、脂肪族ブロックポリイソシアネート硬化剤を得た。
製造例3(ブロック化芳香族ポリイソシアネート硬化剤の合成)
製造例1と同様のフラスコに、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート723部、メチルイソブチルケトン(MIBK)350部およびジブチルスズジラウレート0.01部を仕込んだ。得られた反応混合物を70℃まで昇温し、その反応混合物が均一に溶解した後、ブチルセロソルブ546部に、ε−カプロラクタム131部を溶解させた後、その溶解物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を90℃に保持したまま、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで反応を継続させて、ブロック化芳香族ポリイソシアネート硬化剤を得た(樹脂固形分80%)。
製造例4
スルホニウム変性エポキシ樹脂の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(質量比=8/2)87部、MIBK85部およびジブチルスズジラウレート0.1部を仕込んだ。反応混合物を攪拌下、メタノール32部を滴下した。反応は、室温から始め、発熱により60℃まで昇温した。反応は主に、60〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
次に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから既知の方法で合成したエポキシ当量188のエポキシ樹脂550部を反応混合物に加えて、125℃まで昇温した。その後、ベンジルジメチルアミン1.0部を加え、エポキシ当量330になるまで130℃で反応させた。
続いて、ビスフェノールA100部及びオクチル酸36部を加えて120℃で反応させたところ、エポキシ当量は1030となった。その後MIBK107部を加え反応混合物を冷却し、SHP−100(1−(2―ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、三洋化成製)52部、イオン交換水21部、88%乳酸39部を加え、80℃で反応させた。反応は酸価が5を下回るまで継続し、3級スルホニウム塩基を有するエポキシ樹脂(樹脂固形分80%)を得た。
得られた樹脂に製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤と固形分比で60/40で均一になるように混合した。その後、イオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のブロックイソシアネート含有のスルホニウム変性エポキシ樹脂エマルションを得た。またこのエマルションの樹脂固形分100g当たりの塩基のミリ当量は10であった。
製造例5(顔料分散樹脂の製造)
攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIという)222.0部を入れ、MIBK39.1部で希釈した後、ジブチルスズラウレート0.2部を加えた。その後、50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノール131.5部を攪拌しながら、乾燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下した。適宜、冷却することにより、反応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDIが得られた。
次いで、エピコート828(油化シェルエポキシ社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量182〜194)376.0部、ビスフェノールA114.0部およびオクチル酸29.2部を、攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した反応容器に仕込んだ。反応混合物を窒素雰囲気中で130℃に加熱し、ジメチルベンジルアミン0.15部を添加して、発熱反応のもと170℃で1時間反応させることにより、エポキシ当量649のビスフェノールA型エポキシ樹脂を得た。
次いで、140℃に冷却した後、上記で調整した2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI396.8部を加え、140℃に1時間保持して反応させた。次に、エチレングリコールモノブチルエーテル323.2部を加えて希釈した後、その反応混合物を100℃に冷却した。次いで、アミノエチルエタノールアミンのメチルイソブチルモノケチミン化物の78.3%MIBK溶液188.8部を加えた。
この混合物を110℃で1時間保温した後、90℃まで冷却し、イオン交換水360.0部を加えて、更に30分間攪拌を継続することにより、エポキシ樹脂中のケチミン化部分を1級アミノ基に転化した。この混合物から過剰の水とMIBKを減圧下で除去した後、エチレングリコールモノブチルエーテル588.1部で希釈して、1級アミノ基を有する顔料分散用樹脂を得た。(樹脂固形分50%)
製造例6(顔料分散ペーストの製造)
サンドグラインドミルに、製造例5で得られた顔料分散樹脂を固形分で60部、表1に記載の顔料を100.0部及びイオン交換水221.7部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストA〜Fを得た。
Figure 2007039618
実施例1
製造例1のアミン変性エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤(製造例2と製造例3のポリイソシアネート硬化剤の製造例2/製造例3の重量比1/1の混合物)を固形分配合比60:40で均一に混合した後、90%酢酸を加えて中和率38.0%となるように中和し、更にイオン交換水を加えてゆっくり希釈した。固形分が36.0%となるように減圧化でMIBKを除去することにより、メインエマルションを得た。このメインエマルション1100.0部に製造例4の樹脂を400部と顔料分散ペーストA541.7部をイオン交換水1949.3部及びジブチルスズオキサイド9.0部と混合して、塗膜抵抗1200になるようにエチレングリコールモノヘキシルエーテルを加え、最小析出pHが11.96になるように酢酸を加え、固形分20.0%のカチオン電着塗料を調製した。
このように調製したカチオン電着塗料を亜鉛メッキ鋼板に膜厚7μmが得られるように電着塗装し、170℃で30分乾燥機で焼き付けて得られた電着塗膜の耐食性を評価した。またパイプつきまわり性を評価した。評価結果を表2に示した。
実施例2
製造例1のアミン変性エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤(製造例2と製造例3のポリイソシアネート硬化剤の製造例2/製造例3の重量比1/3の混合物)を固形分配合比80:20で均一に混合した後、90%酢酸を加えて中和率38.0%となるように中和し、更にイオン交換水を加えてゆっくり希釈した。固形分が36.0%となるように減圧化でMIBKを除去することにより、メインエマルションを得た。このメインエマルション1100.0部に製造例4の樹脂を400部と顔料分散ペーストB541.7部をイオン交換水1949.3部及びジブチルスズオキサイド9.0部と混合して、塗膜抵抗1400になるようにエチレングリコールモノヘキシルエーテルを加え、最小析出pHが11.99になるように酢酸を加え、固形分20.0%のカチオン電着塗料を調製した。
このように調製したカチオン電着塗料を亜鉛メッキ鋼板に膜厚7μmが得られるように電着塗装し、170℃で30分乾燥機で焼き付けて得られた電着塗膜の耐食性を評価した。またパイプつきまわり性を評価した。評価結果を表2に示した。
実施例3
製造例1のアミン変性エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤(製造例2と製造例3のポリイソシアネート硬化剤の製造例2/製造例3の重量比3/1の混合物)を固形分配合比50:50で均一に混合した後、90%酢酸を加えて中和率38.0%となるように中和し、更にイオン交換水を加えてゆっくり希釈した。固形分が36.0%となるように減圧化でMIBKを除去することにより、メインエマルションを得た。このメインエマルション1100.0部に製造例4の樹脂を400部と顔料分散ペーストC541.7部をイオン交換水1949.3部及びジブチルスズオキサイド9.0部と混合して、塗膜抵抗1400になるようにエチレングリコールモノヘキシルエーテルを加え、最小析出pHが11.91になるように酢酸を加え、固形分20.0%のカチオン電着塗料を調製した。
このように調製したカチオン電着塗料を亜鉛メッキ鋼板に膜厚7μmが得られるように電着塗装し、170℃で30分乾燥機で焼き付けて得られた電着塗膜の耐食性を評価した。またパイプつきまわり性を評価した。評価結果を表2に示した。
比較例1
製造例1のアミン変性エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤(製造例2と製造例3のポリイソシアネート硬化剤の製造例2/製造例3の重量比1/1の混合物)を固形分配合比80:20で均一に混合した後、90%酢酸を加えて中和率38.0%となるように中和し、更にイオン交換水を加えてゆっくり希釈した。固形分が36.0%となるように減圧化でMIBKを除去することにより、メインエマルションを得た。このメインエマルション1100.0部に製造例4の樹脂を400部と顔料分散ペーストD541.7部をイオン交換水1949.3部及びジブチルスズオキサイド9.0部と混合して、塗膜抵抗900になるようにエチレングリコールモノヘキシルエーテルを加え、最小析出pHが11.94になるように酢酸を加え、固形分20.0%のカチオン電着塗料を調製した。
このように調製したカチオン電着塗料を亜鉛メッキ鋼板に膜厚7μmが得られるように電着塗装し、170℃で30分乾燥機で焼き付けて得られた電着塗膜の耐食性を評価した。またパイプつきまわり性を評価した。評価結果を表2に示した。
比較例2
製造例1のアミン変性エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤(製造例2と製造例3のポリイソシアネート硬化剤の製造例2/製造例3の重量比9/1の混合物)を固形分配合比80:20で均一に混合した後、90%酢酸を加えて中和率38.0%となるように中和し、更にイオン交換水を加えてゆっくり希釈した。固形分が36.0%となるように減圧化でMIBKを除去することにより、メインエマルションを得た。このメインエマルション1100.0部に製造例4の樹脂を400部と顔料分散ペーストE541.7部をイオン交換水1949.3部及びジブチルスズオキサイド9.0部と混合して、塗膜抵抗1100になるようにエチレングリコールモノヘキシルエーテルを加え、最小析出pHが12.05になるように酢酸を加え、固形分20.0%のカチオン電着塗料を調製した。
このように調製したカチオン電着塗料を亜鉛メッキ鋼板に膜厚7μmが得られるように電着塗装し、170℃で30分乾燥機で焼き付けて得られた電着塗膜の耐食性を評価した。またパイプつきまわり性を評価した。評価結果を表2に示した。
比較例3
製造例1のアミン変性エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤(製造例2と製造例3のポリイソシアネート硬化剤の製造例2/製造例3の重量比1/1の混合物)を固形分配合比60:40で均一に混合した後、90%酢酸を加えて中和率38.0%となるように中和し、更にイオン交換水を加えてゆっくり希釈した。固形分が36.0%となるように減圧化でMIBKを除去することにより、メインエマルションを得た。このメインエマルション1100.0部に製造例4の樹脂を400部と顔料分散ペーストE541.7部をイオン交換水1949.3部及びジブチルスズオキサイド9.0部と混合して、塗膜抵抗1200になるようにエチレングリコールモノヘキシルエーテルを加え、最小析出pHが11.95になるように酢酸を加え、固形分20.0%のカチオン電着塗料を調製した。
このように調製したカチオン電着塗料を亜鉛メッキ鋼板に膜厚7μmが得られるように電着塗装し、170℃で30分乾燥機で焼き付けて得られた電着塗膜の耐食性を評価した。またパイプつきまわり性を評価した。評価結果を表2に示した。
比較例4
製造例1のアミン変性エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤(製造例2と製造例3のポリイソシアネート硬化剤の製造例2/製造例3の重量比9/1の混合物)を固形分配合比95:5で均一に混合した後、90%酢酸を加えて中和率38.0%となるように中和し、更にイオン交換水を加えてゆっくり希釈した。固形分が36.0%となるように減圧化でMIBKを除去することにより、メインエマルションを得た。このメインエマルション1100.0部に製造例4の樹脂を400部と顔料分散ペーストF541.7部をイオン交換水1949.3部及びジブチルスズオキサイド9.0部と混合して、塗膜抵抗1200になるようにエチレングリコールモノヘキシルエーテルを加え、最小析出pHが11.96になるように酢酸を加え、固形分20.0%のカチオン電着塗料を調製した。
このように調製したカチオン電着塗料を亜鉛メッキ鋼板に膜厚7μmが得られるように電着塗装し、170℃で30分乾燥機で焼き付けて得られた電着塗膜の耐食性を評価した。またパイプつきまわり性を評価した。評価結果を表2に示した。
実施例および比較例で得られたカチオン電着塗料組成物を電着塗装して得られた電着塗膜および硬化塗膜について、以下の方法により評価を行なった。
<パイプつきまわり性>
実施例および比較例によって得られたカチオン電着塗料組成物を使用して、図2に示す測定装置によりつきまわり性を測定した。導電性の電着塗装容器201(内径105mm、高さ370mm)に、調製した電着塗料207 3リットルを入れ、スターラー205で撹拌した。評価板203(寸法15mm×400mm、厚さ0.7mm)としてリン酸亜鉛処理鋼板(JIS G 3141 SPCC−SDのサーフダインSD−2500処理)を用いた。電着塗装容器201に、両端開放形状のパイプ202(内径17.5mm、長さ375mm、肉厚1.8mm)を配置し、評価板203をそのパイプの中に、パイプと接触しないように配置した。評価板203とパイプ202について、電着塗料に30cm浸漬した。
電着塗装容器201を正極、上記評価板203を陰極として電圧を印加して塗装した。塗装は、印加開始から30秒間かけて240Vの電圧に昇圧し、その後、150秒間所定の電圧を維持することにより行った。この時の浴温は28℃に調節した。塗装後の評価板は、水洗した後、150℃で25分間焼き付けし、評価板上の底部(パイプの入り口部)から未塗装部までの距離を測定した。
<電着塗膜の膜抵抗>
カチオン電着塗料組成物を含む電着浴に、リン酸亜鉛処理鋼板(JIS G 3141 SPCC−SDのサーフダインSD−2500処理)(寸法:70mm×150mm、厚さ0.7mm)を電着塗料に10cm浸漬した。この鋼板に電圧を印加し、30秒間かけて240Vの電圧に昇圧し、150秒間電着した。このとき残余電流および、得られた焼き付け塗膜の膜厚より、15μm時の析出膜抵抗値(kΩ・cm)を算出した。
<最小析出pH>
実施例および比較例によって得られたカチオン電着塗料組成物4lを含む電着浴において、リン酸亜鉛処理鋼板(JIS G 3141 SPCC−SDのサーフダインSD−2500処理)に塗装面積が50mm×50mmとなるようにマスキングを行ない、電流密度1mA/cmで28℃で定電流電着塗装を行なった。上述の方法により、最小析出pHを求めた。
<耐食性試験>
特開2000−113726号に記載のサイクルモードで評価した。評価は以下の通りである。
◎:120サイクルのブリスターの発生面積が30%以下。
○:120サイクルのブリスターの発生面積が50%以下。
×:120サイクルのブリスターの発生面積が80%以下。
××:120サイクルのブリスターの発生面積が80%以上。
Figure 2007039618
最小析出pHにおける印加電圧と通電時間との関係を示すグラフである。 つきまわり性測定装置の概要を示す模式図である。
符号の説明
201…電着塗装容器、
202…パイプ、
203…評価板、
204…液面、
205…スターラー、
206…電源、
207…電着塗料。

Claims (4)

  1. 細孔容積が0.44〜1.8ml/gである平均粒径10μm以下のシリカ粒子を含有し、電着塗装における最小析出pHが11.90〜12.00で有り、15μm240Vにおける塗膜抵抗が1,000〜1,500kΩ・cmであるカチオン電着塗料組成物。
  2. 更に、アミン変性エポキシ樹脂(A)およびブロック化イソシアネート硬化剤(B)を含有し、アミン変性エポキシ樹脂(A)とブロック化イソシアネート硬化剤(B)の重量比(A/B)が50/50〜90/10で有り、ブロック化イソシアネート硬化剤がブロック化脂肪族ポリイソシアネートとブロック化芳香族ポリイソシアネートとの混合物からなり、それらの重量比(ブロック化脂肪族ポリイソシアネート/ブロック化芳香族ポリイソシアネート)が3/1〜1/3である請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
  3. 前記シリカ粒子が全顔料に対し1〜30重量%の量で含有する請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物で電着塗装された塗装物。
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