JP2007038113A - 有機砒素化合物含有水の処理方法 - Google Patents
有機砒素化合物含有水の処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007038113A JP2007038113A JP2005224435A JP2005224435A JP2007038113A JP 2007038113 A JP2007038113 A JP 2007038113A JP 2005224435 A JP2005224435 A JP 2005224435A JP 2005224435 A JP2005224435 A JP 2005224435A JP 2007038113 A JP2007038113 A JP 2007038113A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- organic arsenic
- water
- arsenic compound
- concentration
- containing water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
Abstract
【課題】 化学兵器由来の有機砒素化合物を含有する水を、砒素濃度に関係なく低コストで、人体に無害なレベルにまで分解可能な処理方法を提供する。
【解決手段】 ジフェニルクロロアルシン(DA)、ジフェニルシアノアルシン(DC)、ビスフェニルアルシンオキサイド(BDPAO)、ジフェニルアルシン酸(DPAA)およびフェニルアルソン酸(PAA)から選択される有機砒素化合物を一種以上含んだ有機砒素化合物含有水1の処理方法において、前記有機砒素化合物含有水1を濃縮手段2により濃縮して、有機砒素濃縮水3と無害化水4とに分離する第1段階と、次に、前記有機砒素濃縮水3を酸化剤を用いた化学的酸化手段5によって、処理温度75〜100℃の範囲で酸化分解する第2段階とからなる有機砒素化合物含有水の処理方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 ジフェニルクロロアルシン(DA)、ジフェニルシアノアルシン(DC)、ビスフェニルアルシンオキサイド(BDPAO)、ジフェニルアルシン酸(DPAA)およびフェニルアルソン酸(PAA)から選択される有機砒素化合物を一種以上含んだ有機砒素化合物含有水1の処理方法において、前記有機砒素化合物含有水1を濃縮手段2により濃縮して、有機砒素濃縮水3と無害化水4とに分離する第1段階と、次に、前記有機砒素濃縮水3を酸化剤を用いた化学的酸化手段5によって、処理温度75〜100℃の範囲で酸化分解する第2段階とからなる有機砒素化合物含有水の処理方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有機砒素化合物を含有する水、特に化学兵器由来の有機砒素化合物を含有する水を分解する処理方法に関する。
化学兵器に使用されている有機砒素化合物、即ち、下記化学構造式(1)乃至(5)で夫々表されるジフェニルクロロアルシン(DA)、ジフェニルシアノアルシン(DC)およびこれらの分解生成物であるビスフェニルアルシンオキサイド(BDPAO)、ジフェニルアルシン酸(DPAA)、フェニルアルソン酸(PAA)等は、その毒性の高さとともに生体残留性の高いことが問題となっている。
このような化学兵器由来の有機砒素化合物は低濃度でも人体への影響が大きく、例えば、ジフェニルアルシン酸(DPAA)等が地下水中に流出した場合、周囲への環境被害は甚大となることが予想されている。
即ち、これら化学兵器由来の有機砒素化合物は、低濃度でも人体へ摂取された場合、言語障害やバランスよく歩けない共調運動障害、立って真っ直ぐに歩けない起立歩行障害等の運動障害を引き起こすとされており、遺伝子障害等の後遺症が残る恐れもある。従って、地下に流出して地下水に混入し汚染水を生成した場合、有機砒素濃度が非常に低くても汚染水を無害化処理する必要性が生じる。
化学兵器由来に限らず、このような砒素含有水の従来の一般的処理方法として、例えば、砒素含有の被処理水に、pH3〜6の条件下でポリ硫酸第二鉄を添加して、水酸化第二鉄の凝集物を形成させる沈殿法による砒素含有水の処理方法がある(特許文献1参照)。
そして、上記沈殿法によって形成された上澄み液を酸化処理することによって、その上澄み液を環境基準値である無機砒素濃度0.01mg/リットル(以下、Lと記載)以下にすることは可能であるが、本発明の処理対称とするジフェニルアルシン酸(DPAA)等の有機砒素化合物の無害化には効果が小さいという問題点がある。
また、化学兵器由来に限定されない有機砒素を含んだ土壌の処理方法としては、この砒素含有の土壌を酸化剤を用いて酸化処理を行った後、不溶化剤を混合することにより土壌中の有機砒素を難溶性の形態に変えて不溶化処理を行う処理方法がある(特許文献2参照)。そして、この従来例によれば、前記酸化処理において鉄イオンを添加して沈殿処理することにより、有機砒素濃度0.005mg/L程度以下までの処理が可能である。
このような化学的酸化法は、有機砒素濃度が高い汚染水や土壌に対しては有効であるが、上記沈殿法と同様、室温では化学兵器由来の有機砒素化合物のような毒性の強い物質を、人体に無害なレベルまで分解することは困難である。更に、有機砒素濃度の希薄な汚染水に対しては効果が小さいという問題もあって、結局、有機砒素処理量当りの酸化剤が多量に必要となり、処理コストが高くなる。
そこで、このような化学兵器由来の有機砒素化合物含有水の分解技術として、促進酸化法といわれる処理方法が検討されている。この処理方法は、被処理水にオゾンを混入し、このオゾン水に紫外線を照射してヒドロキシルラジカルを生成し、その酸化力によって化学兵器由来の有機砒素化合物を酸化分解する方法である。
上記促進酸化法によれば、有機砒素濃度が数10mg/L程度までの希薄な汚染水に対して効果的であり、人体に無害と考えられる0.001mg/L以下の有機砒素濃度にまで分解可能である。
ところが、この促進酸化法においては、数10mg/L以上の高濃度有機砒素含有水の処理は困難である。更に、SS(浮遊物質)の濃度が100mg/Lを越えるような水では紫外線の透過が阻害されるため、有機砒素化合物の分解が困難である。また、濃度の希薄な有機砒素含有水においても、処理水の水量がそのまま無機砒素廃液となってしまい、廃液処理コストが高くなる問題がある。
特開2004−290777号公報
特開2001−321761号公報
即ち、上述した沈殿法や化学的酸化法では、室温では化学兵器由来の有機砒素化合物のような毒性の強い物質を、人体に無害なレベルまで分解することは困難であり、有機砒素濃度の希薄な汚染水に対しても効果が小さいという問題もあって、結局、有機砒素処理量当りの凝集剤や酸化剤が多量に必要となり、処理コストが高くなる。
一方、促進酸化法においては、有機砒素濃度が数10mg/L以上の高濃度の有機砒素含有水の処理は困難である。更に、SS(浮遊物質)の濃度が100mg/Lを越えるような水では紫外線の透過が阻害されるため、有機砒素化合物の分解が困難である。また、濃度の希薄な有機砒素含有水においては、処理対象の原水水量がそのまま無機砒素廃液となってしまい、廃液処理コストが高くなる問題がある。
従って、本発明の目的は、化学兵器由来の前記有機砒素化合物を含有する水を、砒素濃度に関係なく低コストで、人体に無害なレベルにまで分解可能な処理方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る有機砒素化合物含有水の処理方法が採用した手段は、前記の化学構造式(1)乃至(5)で夫々表されるジフェニルクロロアルシン(DA)、ジフェニルシアノアルシン(DC)、ビスフェニルアルシンオキサイド(BDPAO)、ジフェニルアルシン酸(DPAA)およびフェニルアルソン酸(PAA)から選択される有機砒素化合物を一種以上含んだ有機砒素化合物含有水の処理方法に関するものである。
そして、この処理方法において、前記有機砒素化合物含有水を濃縮手段により濃縮して、有機砒素濃縮水と無害化水とに分離する第1段階と、次に、前記有機砒素濃縮水を酸化剤を用いた化学的酸化手段によって、処理温度75〜100℃の範囲で酸化分解する第2段階とからなることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る有機砒素化合物含有水の処理方法が採用した手段は、請求項1項記載の有機砒素化合物含有水の処理方法において、前記濃縮手段が凝集沈殿法であることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る有機砒素化合物含有水の処理方法が採用した手段は、請求項1項記載の有機砒素化合物含有水の処理方法において、前記濃縮手段が逆浸透膜分離法であることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る有機砒素化合物含有水の処理方法が採用した手段は、請求項1項記載の有機砒素化合物含有水の処理方法において、前記酸化剤が下記のAとBの両者からなることを特徴とするものである。
A.過硫酸ナトリウム
B.アルカリ金属の水酸化物水溶液またはアルカリ土類金属の水酸化物水溶液
A.過硫酸ナトリウム
B.アルカリ金属の水酸化物水溶液またはアルカリ土類金属の水酸化物水溶液
本発明の請求項5に係る有機砒素化合物含有水の処理方法が採用した手段は、請求項1項記載の有機砒素化合物含有水の処理方法において、前記酸化剤が過酸化水素と二価の鉄イオンの両者からなることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る有機砒素化合物含有水の処理方法によれば、化学兵器由来の前記有機砒素化合物含有水を濃縮手段により濃縮して、有機砒素濃縮水と無害化水とに分離する第1段階の濃縮処理によって大部分の水は無害な水となる。そして、第2段階で、前記有機砒素を多量に含有した濃縮水を、加温下の化学的酸化手段によって砒素が無機化するため、有機砒素化合物を含む全量の水の毒性を確実に除去することができる。
また、前記第1段階の濃縮処理によって分離された濃縮水の量は、濃縮処理前の原水量の1/10〜1/100の水量に低減されるため、第2段階における濃縮水の加熱エネルギーも、直接原水を加熱して酸化分解する場合に比較して1/10〜1/100のエネルギー量に低減され、同様に化学的酸化処理に要する酸化剤コストも大幅に低減できるのである。
更に、本発明の請求項2および3に係る有機砒素化合物含有水の処理方法によれば、前記有機砒素化合物含有水を濃縮する上で、有効な濃縮手段を具体的に特定した。
更にまた、本発明の請求項4および5に係る有機砒素化合物含有水の処理方法によれば、前記有機砒素濃縮水を化学的酸化処理する上で、有効な酸化剤を具体的に特定した。
先ず、本発明の形態に係る有機砒素化合物含有水の処理方法を、そのフロー図である図1を用いて以下に説明する。
図1において、符号1は有機砒素化合物含有水(原水)を示しており、本発明においては、化学兵器に使用されている前記の化学構造式(1)乃至(5)で夫々表されるジフェニルクロロアルシン(DA)、ジフェニルシアノアルシン(DC)、ビスフェニルアルシンオキサイド(BDPAO)、ジフェニルアルシン酸(DPAA)およびフェニルアルソン酸(PAA)から選択される有機砒素化合物を一種以上含んだ有機砒素化合物含有水である。
本発明の形態に係る有機砒素化合物含有水の処理方法は、第1段階において、前記有機砒素化合物含有水1を濃縮手段2によって濃縮して、有機砒素濃縮水3と無害化水4とに分離する。ここで、前記有機砒素濃縮水3の有機砒素化合物濃度を、100〜1000mg/L前後に濃縮することにより、前記無害化水4に含まれる有機砒素化合物濃度を、分析下限値(0.002mg/L)以下になるまで濃縮することが肝要である。
その点から、前記濃縮手段2は、凝集沈殿法もしくは逆浸透膜分離法が砒素の除去率が高く、比較的微量の砒素も除去できる点で好ましい。ここで、凝集沈殿法とは、鉄塩、マグネシウム塩あるいはアルミニウム塩等の凝集剤を原水に添加して、有機砒素化合物を含む難溶性の砒素化合物を形成させるものである。
そして次に、この難溶性砒素化合物が重力沈降することにより、沈殿物を含む有機砒素濃縮水とそれ以外の水(ここでいう無害化水)とに分離する濃縮法をいう。前記凝集剤としては、特に鉄塩を添加すると、鉄と砒素の難溶性砒素化合物が生成され、砒素の除去率が高いことから最も好ましい。
また、前記逆浸透膜分離法とは、原水を逆浸透膜を利用して加圧処理することにより、逆浸透現象によって透過水(ここでいう無害化水)と有機砒素濃縮水に分離する濃縮法である。
このような濃縮手段2によって濃縮処理された前記有機砒素濃縮水3の水量は、通常濃縮処理前の原水量の1/10〜1/100の水量に低減される。また、前記無害化水4は、前述の通り分析下限値以下としているので、そのまま環境放出8可能である。
このような濃縮手段2によって濃縮処理された前記有機砒素濃縮水3の水量は、通常濃縮処理前の原水量の1/10〜1/100の水量に低減される。また、前記無害化水4は、前述の通り分析下限値以下としているので、そのまま環境放出8可能である。
次いで、本発明の形態に係る有機砒素化合物含有水の処理方法は、第2段階において、前記有機砒素濃縮水3を、沈殿物とともに酸化剤を用いた化学的酸化手段5によって酸化分解する。この化学的酸化手段5は、後述するような酸化剤を用いた酸化分解処理であって、温度75〜100℃にて加温処理するのが酸化反応を促進する上で好ましい。また、温度90〜100℃にて加温処理するのが更に好ましい。
このような化学的酸化手段5に用いる酸化剤としては、下記のAとBの両者からなることが有機砒素化合物の酸化分解効率上好ましい。
A.過硫酸ナトリウム
B.アルカリ金属の水酸化物水溶液またはアルカリ土類金属の水酸化物水溶液
ここでいうアルカリ金属の水酸化物とは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等をいい、アルカリ土類金属の水酸化物とは、水酸化カルシウム等をいう。
A.過硫酸ナトリウム
B.アルカリ金属の水酸化物水溶液またはアルカリ土類金属の水酸化物水溶液
ここでいうアルカリ金属の水酸化物とは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等をいい、アルカリ土類金属の水酸化物とは、水酸化カルシウム等をいう。
また、前記酸化剤としては、過酸化水素と二価の鉄イオンとの組み合わせであっても好ましい。前記二価の鉄イオンとしては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄あるいは硝酸第一鉄等が好ましい。また、このような酸化分解処理時においては、酸化剤を添加した前記濃縮水を適切な温度に加温するとともに、この濃縮水を撹拌機によって撹拌しつつ酸化促進させることが肝要である。
このような酸化分解処理により、前記有機砒素濃縮水3の有機砒素濃度を分析下限値0.002mg/L以下にまで分解処理する。前記酸化分解処理後の無機処理水6の無機砒素濃度は300mg/L程度となり、この処理水を一般的な凝集沈殿法7によって砒素を沈降分離させることにより、処理水の無機砒素濃度を環境基準値0.01mg/L以下の無害化水4aにして環境放出8できるようにした。
本発明において、有機砒素化合物および無機砒素の濃度は、LC−ICP/MS(高速液体クラマトグラフ−高周波プラズマ/質量分析装置)により定量を行った。測定条件としては表1に従った。尚、この分析装置による有機砒素化合物濃度の分析下限値は、0.002mg/Lである。
以上のような本発明の実施の形態に係る有機砒素化合物含有水の処理方法によれば、前記有機砒素化合物含有水を濃縮手段により濃縮して、有機砒素濃縮水と無害化水とに分離する第1段階の濃縮処理によって大部分の水は無害な水とし、第2段階で、前記濃縮水を加温下の化学的酸化手段によって砒素が無機化するため、有機砒素化合物を含む全量の水の毒性を確実に除去することができる。
また、前記第1段階の濃縮手段によって分離された濃縮水の量は、濃縮処理前の原水量の1/10〜1/100の水量に低減されるため、第2段階における濃縮水の加熱エネルギーも、直接原水を加熱して酸化分解する場合に比較して1/10〜1/100のエネルギー量に低減され、同様に化学的酸化処理に要する酸化剤コストも大幅に低減できる。
次に、本発明に係る有機砒素化合物含有水の処理方法に関する実施例1乃至5を、経時的なDPAA濃度分析結果を示す図2および図3を用いて以下説明する。また、併せて比較例1および2を、経時的なDPAA除去率を示す図4および経時的なDPAA濃度分析結果を示す図5を用いて以下説明する。
<実施例1>
<実施例1>
DPAA濃度とSS濃度が、ともに100mg/Lの混合汚染水(原水)10Lを模擬的に作成し、この原水を逆浸透膜分離法によって濃縮して、9LのDPAA分析下限値以下の無害化水と、DPAA濃度1000mg/Lの有機砒素化合物濃縮水1Lとに分離した。
次に、前記有機砒素化合物濃縮水1Lに、濃度20%の水酸化ナトリウム水溶液2.5L,濃度30%の過硫酸ナトリウム水溶液2.5Lを加え、撹拌しながら温度90℃に加温して3時間酸化分解処理した。その結果、DPAA濃度は分析下限値以下に低下し、無機砒素濃度300mg/Lの処理液6Lを生成した。この処理液に鉄イオンを添加して、凝集沈殿法によって無機砒素を分離した。
<実施例2>
<実施例2>
DPAA濃度100mg/Lの有機砒素化合物含有水(原水)10Lを模擬的に作成し、この原水を逆浸透膜分離法によって濃縮して、9LのDPAA分析下限値以下の無害化水と、DPAA濃度1000mg/Lの有機砒素化合物濃縮水1Lとに分離した。
次に、前記有機砒素化合物濃縮水1Lに、濃度20%の水酸化ナトリウム水溶液2.5L,濃度30%の過硫酸ナトリウム水溶液2.5Lを加え、撹拌しながら温度90℃に加温して3時間酸化分解処理した。その結果、DPAA濃度は分析下限値以下に低下し、無機砒素濃度300mg/Lの処理液6Lを生成した。この処理液に鉄イオンを添加して、凝集沈殿法によって無機砒素を分離した。
<実施例3>
<実施例3>
DPAA濃度350mg/Lの有機砒素化合物濃縮水300mLを模擬的に作成した。この模擬的濃縮水に、濃度30%の過酸化水素水溶液30mLと硫酸第一鉄0.05gを加え、撹拌しながら温度80℃に加温して酸化分解処理し、DPAA濃度の経時的変化を測定した。結果を図2に示す。DPAA濃度は25時間経過後、分析下限値以下に低下した。
<実施例4>
<実施例4>
DPAA濃度350mg/Lの有機砒素化合物濃縮水300mLを模擬的に作成し、この模擬的濃縮水に、濃度30%の過酸化水素水溶液30mLと硫酸第一鉄0.05gを加え、撹拌しながら温度90℃に加温して酸化分解処理し、DPAA濃度の経時的変化を測定した。結果を図3に示す。DPAA濃度は5時間経過後、分析下限値以下に低下した。
<実施例5>
<実施例5>
DPAA濃度350mg/Lの有機砒素化合物濃縮水200mLを模擬的に作成し、この模擬的濃縮水に、濃度30%の過硫酸ナトリウム水溶液を100mL加え、更に濃度20%の水酸化ナトリウム水溶液60mLを加え、撹拌しながら温度90℃に加温して酸化分解処理し、DPAA濃度の経時的変化を測定した。DPAA濃度は2時間経過後、分析下限値以下に低下した。
<比較例1>
<比較例1>
DPAA濃度とSS濃度が、ともに100mg/Lの混合汚染水(原水)10Lを模擬的に作成した。この原水に、水中オゾン濃度が20mg/Lに維持されるようオゾン処理した場合と、前記濃度のオゾンを供給しながら、水中に浸漬させた紫外線ランプにより35wの紫外線を照射して酸化分解処理した場合について、DPAA濃度の経時的変化を測定した。
DPAA除去率の経時的変化を図4に示す。オゾンのみの場合は20分の処理によっても、紫外線照射を併用した場合は10分の処理でも、DPAA除去率は80%程度にしか至らず、DPAA濃度は10mg/L以上残存しており、有機砒素化合物の低減効果は小さい。
<比較例2>
<比較例2>
DPAA濃度1000mg/Lの有機砒素化合物濃縮水300mLを模擬的に作成し、この模擬的濃縮水に、濃度30%の過酸化水素水溶液30mLと硫酸第一鉄0.05gを加え、撹拌しながら温度40℃に加温して酸化分解処理し、DPAA濃度の経時的変化を測定した。結果を図5に示す。DPAA濃度は20時間経過しても、100mg/L以上であった。
以上のような有機砒素化合物含有水の処理方法によれば、化学兵器由来の前記有機砒素化合物含有水を濃縮手段により濃縮して、有機砒素濃縮水と無害化水とに分離する第1段階の濃縮処理によって、前記濃縮水を除く大部分の水は無害な水となる。そして、第2段階で、前記有機砒素を多量に含有した濃縮水を、加温下の化学的酸化手段によって砒素を無機化するため、有機砒素化合物を含む全量の水の毒性を確実に除去することができる。
また、前記第1段階の濃縮手段によって分離された濃縮水の量は、濃縮処理前の原水量の1/10〜1/100の水量に低減されるため、第2段階における濃縮水の加熱エネルギーも、原水を加熱する場合に比較して1/10〜1/100のエネルギー量に低減され、同様に化学的酸化処理に要する酸化剤コストも大幅に低減できるのである。
更に、本発明の請求項2および3に係る有機砒素化合物含有水の処理方法によれば、前記有機砒素化合物含有水を濃縮する上で、有効な濃縮手段を具体的に特定した。
更にまた、本発明の請求項4および5に係る有機砒素化合物含有水の処理方法によれば、前記有機砒素濃縮水を化学的酸化処理する上で、有効な酸化剤を具体的に特定した。
1…有機砒素化合物含有水(原水),2…濃縮手段,3…有機砒素濃縮水,
4,4a…無害化水,
5…化学的酸化手段,6…無機砒素水,7…凝集沈殿法,8…環境放出
4,4a…無害化水,
5…化学的酸化手段,6…無機砒素水,7…凝集沈殿法,8…環境放出
Claims (5)
- 前記濃縮手段が凝集沈殿法であることを特徴とする請求項1に記載の有機砒素化合物含有水の処理方法。
- 前記濃縮手段が逆浸透膜分離法であることを特徴とする請求項1に記載の有機砒素化合物含有水の処理方法。
- 前記酸化剤が下記のAとBの両者からなることを特徴とする請求項1に記載の有機砒素化合物含有水の処理方法。
A.過硫酸ナトリウム
B.アルカリ金属の水酸化物水溶液またはアルカリ土類金属の水酸化物水溶液 - 前記酸化剤が過酸化水素と二価の鉄イオンの両者からなることを特徴とする請求項1に記載の有機砒素化合物含有水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005224435A JP2007038113A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 有機砒素化合物含有水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005224435A JP2007038113A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 有機砒素化合物含有水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007038113A true JP2007038113A (ja) | 2007-02-15 |
Family
ID=37796587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005224435A Pending JP2007038113A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 有機砒素化合物含有水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007038113A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010075880A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Nippon Poly-Glu Co Ltd | ヒ素含有被処理水の浄化処理方法 |
CN102603801A (zh) * | 2011-12-26 | 2012-07-25 | 浙江荣耀化工有限公司 | 一种从废水中提取4-硝基苯胂酸的方法 |
CN103342410A (zh) * | 2013-07-25 | 2013-10-09 | 中山大学 | 一种强化零价铁除砷的水处理方法 |
CN104492025A (zh) * | 2014-12-01 | 2015-04-08 | 环境保护部南京环境科学研究所 | 一种修复有机污染土壤及地下水的氧化剂及方法 |
CN105771602A (zh) * | 2016-04-25 | 2016-07-20 | 云南煜锜环保科技有限公司 | 一种含砷化氢废气的强氧化吸收净化工艺 |
CN106310580A (zh) * | 2016-08-24 | 2017-01-11 | 湖南凯天重金属污染治理工程有限公司 | 一种高浓度砷碱渣稳定化固化的药剂 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0699181A (ja) * | 1992-09-24 | 1994-04-12 | Ebara Kogyo Senjo Kk | 難分解性有機物質を含む廃液の処理方法 |
JPH10286584A (ja) * | 1997-04-17 | 1998-10-27 | Toray Ind Inc | 高濃度有機廃水の処理方法 |
JP2001104996A (ja) * | 1999-10-07 | 2001-04-17 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 水処理方法及び水処理装置 |
JP2001158622A (ja) * | 1999-11-30 | 2001-06-12 | Jgc Corp | 有機ヒ素化合物の処理方法 |
JP2004243162A (ja) * | 2003-02-12 | 2004-09-02 | Toray Ind Inc | 難分解性有機物含有液の処理方法および処理装置 |
-
2005
- 2005-08-02 JP JP2005224435A patent/JP2007038113A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0699181A (ja) * | 1992-09-24 | 1994-04-12 | Ebara Kogyo Senjo Kk | 難分解性有機物質を含む廃液の処理方法 |
JPH10286584A (ja) * | 1997-04-17 | 1998-10-27 | Toray Ind Inc | 高濃度有機廃水の処理方法 |
JP2001104996A (ja) * | 1999-10-07 | 2001-04-17 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 水処理方法及び水処理装置 |
JP2001158622A (ja) * | 1999-11-30 | 2001-06-12 | Jgc Corp | 有機ヒ素化合物の処理方法 |
JP2004243162A (ja) * | 2003-02-12 | 2004-09-02 | Toray Ind Inc | 難分解性有機物含有液の処理方法および処理装置 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010075880A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Nippon Poly-Glu Co Ltd | ヒ素含有被処理水の浄化処理方法 |
CN102603801A (zh) * | 2011-12-26 | 2012-07-25 | 浙江荣耀化工有限公司 | 一种从废水中提取4-硝基苯胂酸的方法 |
CN103342410A (zh) * | 2013-07-25 | 2013-10-09 | 中山大学 | 一种强化零价铁除砷的水处理方法 |
CN103342410B (zh) * | 2013-07-25 | 2015-03-25 | 中山大学 | 一种强化零价铁除砷的水处理方法 |
CN104492025A (zh) * | 2014-12-01 | 2015-04-08 | 环境保护部南京环境科学研究所 | 一种修复有机污染土壤及地下水的氧化剂及方法 |
CN105771602A (zh) * | 2016-04-25 | 2016-07-20 | 云南煜锜环保科技有限公司 | 一种含砷化氢废气的强氧化吸收净化工艺 |
CN106310580A (zh) * | 2016-08-24 | 2017-01-11 | 湖南凯天重金属污染治理工程有限公司 | 一种高浓度砷碱渣稳定化固化的药剂 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5178772A (en) | Process for destruction of metal complexes by ultraviolet irradiation | |
JP5817718B2 (ja) | 過硫酸塩および銀錯体を含む化学物質分解用処理剤及びそれを用いた化学物質の分解方法 | |
JP2007038113A (ja) | 有機砒素化合物含有水の処理方法 | |
CN108137358B (zh) | 含氰配合物废水的处理方法及用于该方法的处理剂 | |
JP4382556B2 (ja) | シアン含有廃水の処理方法 | |
JP2006239507A (ja) | 有機ヒ素化合物含有水の処理方法及び装置 | |
CN110803752A (zh) | 一种去除水体中重金属的方法 | |
JP2008043898A (ja) | 水処理システム及び水処理方法 | |
JP5945682B2 (ja) | シアン含有廃水の処理方法 | |
JPH0889975A (ja) | 有機ハロゲン化合物含有水溶液の処理方法 | |
JP2004202357A (ja) | 有機化合物汚染の浄化方法 | |
JP6815242B2 (ja) | 被処理液の処理方法および銀の回収方法 | |
CN105110518A (zh) | 酸性有机废水的处理方法 | |
CN108779008B (zh) | 含氰化物废水的处理剂和用其处理含氰化物废水的方法 | |
JP2008194662A (ja) | 有機性廃水の腐植物質と光線と2価鉄イオンによる処理方法 | |
JP4277736B2 (ja) | 有機ヒ素化合物含有水の処理方法 | |
JP2000210683A (ja) | 土壌及び/又は地下水の浄化方法 | |
JP4639309B2 (ja) | シアン含有廃水の処理方法 | |
JP2006212552A (ja) | 有機ヒ素化合物の無機化方法 | |
JPH0194998A (ja) | 光化学的廃水処理方法 | |
Tang et al. | Notice of Retraction: Degradation of Furfural by UV/O3/H2O2 Technology | |
Taseidifar et al. | Novel water treatment processes | |
MOCANU et al. | Catalytic oxidation of amoxicillin and cephalexin in aqueous Solution using fenton process–a comparative study | |
JP3000996B2 (ja) | スルホキシド類含有廃水の処理方法 | |
JP2002239597A (ja) | ダイオキシン類を含む廃水の処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070928 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091224 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100105 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100608 |