JP2007035978A - 位置決め治具 - Google Patents

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猛 友野
Masatoshi Okuno
正敏 奥野
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Abstract

【課題】作業性を向上させた製造・維持コストの掛からない位置決め治具を提供する。
【解決手段】ワークを受けるベースとなる平板状のキャリア11と、キャリア11の平坦部上を摺動する平板状の位置決めプレート12との2つの部材で位置決め治具を構成する。キャリア11の平坦部上には、ワーク(ICのセラミックパッケージ)を収容する矩形状の凹部13が複数形成されており、その深さはワークの厚みより若干浅く設定されている。ワークは、位置決めプレート12の開口部17を通してキャリア11の凹部13に収容され、その後、位置決めプレート12をガイド孔(長孔)18の長手方向に沿って摺動させることで、ワーク2の互いに隣接する外側面(外壁)が凹部13の互いに隣接する内側面(内壁)にそれぞれ当接した状態となって、ワークの平面方向(縦・横方向)の位置決めが成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のワークを所定の位置に位置決めする位置決め治具に関するものである。
ICパッケージ等の電子部品を製造するに当たって、セラミックパッケージにICを実装する際には、セラミックパッケージを所定の位置に精確に位置決めする必要があり、通常その作業は治具を用いて行われる。(例えば、特許文献1参照)
図4は、従来の位置決め治具を示す上面図で、当該図に示すように従来の位置決め治具は、位置決め治具のベースとなる平板状のキャリア1と、キャリア1の平坦面上に設けられたセラミックパッケージ(ワーク)2を収容する為の複数の凹部3と、凹部3に収容されたセラミックパッケージ2を凹部3の内壁3a、3bに向けて付勢(押圧)する押えバネ4とで構成されている。セラミックパッケージ2を位置決めする際には、押えバネ4を退避させた状態でセラミックパッケージ2を凹部3に落とし込み、その後、押えバネ4の退避状態を解除して押えバネ4の先端部4a、4bをセラミックパッケージ2の側面に当接させる。これによりセラミックパッケージ2は、押えバネ4のバネ力により付勢されて押えバネ4と対向する側の凹部内壁3a、3bにその側面が圧接した状態となり、平面方向(縦・横方向)の位置決めが成される。
特開2003−160188号公報
従来の位置決め治具では、ワークを付勢するのにバネを用いていた為、ワークを凹部へ一つ一つ入れて位置決めする作業に時間が掛かってしまい作業性が悪かった。また、長期使用によるバネの劣化や歪み等によりワークの位置決め精度にバラツキが生じる可能性があった。更に、バネは消耗品の為、維持コストも掛かっていた。また、キャリア本体もバネを設けることで形状が複雑になり、製造コストの増大を招いていた。本発明は以上のような従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、作業性を向上させた製造・維持コストの掛からない位置決め治具を提供することを目的とするものである。
複数のワークを所定の位置に位置決めする位置決め治具であって、少なくとも、前記ワークを受けるキャリアと、当該キャリアの表面上に設けられた、前記ワークを収容するための凹部と、当該凹部に収容された前記ワークを付勢して前記凹部の内壁に向けて片寄せする位置決めプレートとを有する位置決め治具とする。
前記キャリア表面に前記位置決めプレートを摺動可能に吸着する吸着手段を備えた位置決め治具とする。
前記吸着手段は、マグネットである位置決め治具とする。
前記キャリア表面に前記位置決めプレートを位置決めするための位置決めピンを設けると共に、前記位置決めプレートに前記位置決めピンが貫入する長孔を設けた位置決め治具とする。
前記長孔の長手方向は、前記キャリアに設けられた凹部の角部を結ぶ対角線方向と概ね一致する位置決め治具とする。
前記キャリアの凹部外周及び前記位置決めプレートの開口部外周に切欠部を設けた位置決め治具とする。
本発明によれば、複数のワークを一枚の位置決めプレートを用いて一度に位置決めすることができるため、位置決め作業が効率的に行える。また、キャリアの構造が単純となるので、製造・維持コストを削減することが可能となる。
図1は、本発明の位置決め治具を示す分解斜視図である。当該図に示すように、本発明の位置決め治具は、セラミックパッケージ(ワーク)2を受けるベースとなるキャリア11と、キャリア11の平坦部上に摺動可能に組み付けられた位置決めプレート12との2つの部材で構成されている。キャリア11は金属製の板材で、その平坦部上にセラミックパッケージ2を収容する為の矩形状の凹部13が複数形成されている。凹部13は、セラミックパッケージ2の外径よりも若干大きな内径を有しており、セラミックパッケージ2を収容する為の十分なスペースが確保されている。凹部13の深さは、セラミックパッケージ2の厚みより浅く設定されており、セラミックパッケージ2を凹部13に収容した時にその上端部が凹部13から上方に向けて一部突出するようになっている。
また、複数ある凹部13のうち隣合う2つの凹部13の間には、互いに対向する側の一辺が開放された切欠部(連結部)13aが設けられており、凹部同士が平面方向で互いに繋がった状態となっている。更に凹部13外周の少なくとも一辺側と、凹部13外周の角部(本実施例では四隅)には、それぞれ矩形状の切欠部13bと円弧状の切欠部13cが設けられている。そのうち矩形状の切欠部13bは、凹部13に収納されたセラミックパッケージ2を取り出し易くする為のものであり、少なくともピンセット等の工具の先端が挿入できる大きさに形成されている。一方、円弧状の切欠部13cは、凹部13にセラミックパッケージ2を収容する際にセラミックパッケージ2の角部が凹部13内壁に接触して破損しないようにする為の逃げである。
また、キャリア11の平坦部上には、位置決めプレート12をキャリア上に位置決めする為の円柱状の位置決めピン14(本実施例では2つ)が設けられている。更にキャリア11平坦部の外周側には丸孔15(本実施例では10個)が設けられており、その内部に位置決めプレート12をキャリア11の平坦部上に吸着する為のマグネット16が組み込まれている。マグネット16は、キャリア11の平坦部上から上方へ突き出すことがないように接着剤等で固定されている。
位置決めプレート12は金属製の板材で、キャリア11に組み込まれたマグネット16の磁力によりキャリア11の平坦部上に摺動可能に吸着されている。位置決めプレート12の平坦部には、セラミックパッケージ2を収容する為の矩形状の開口部17が複数形成されている。開口部17外周の少なくとも一辺側(本実施例では互いに対向する二辺側)と、開口部17外周の角部(本実施例では四隅)には、円弧状の切欠部17a、17bが設けられている。これら切欠部17a、17bの作用、効果は、キャリア11の凹部13外周に設けられた切欠部13a、13bと同様であり、開口部17外周の二辺部に設けられた切欠部17aは凹部13に収納されたセラミックパッケージ2を取り出し易くする為のもので、角部の切欠部17bはセラミックパッケージ2を凹部13に収容する際にセラミックパッケージ2の角部が開口部17内壁に接触して破損しないようにする為の逃げである。
また、位置決めプレート12には、位置決めプレート12をキャリア11の平坦部上で摺動させる際にその可動方向を規制して案内するための長孔18が設けられている。長孔18は、その長手方向がキャリア11に設けられた凹部13の角部を結んだ対角線19と概ね並行になるように形成されている。長孔18には、キャリア11に設けられた位置決めピン14が貫通しており、位置決めプレート12が移動すると位置決めピン14が長孔18の形状に沿って相対的に移動するようになっている。
図2、3は、共に本発明の位置決め治具を用いたワークの位置決め手順を説明するための図で、図2は位置決めプレートを初期位置に配置した状態を示す上面図、図3は位置決めプレートを位置決め位置へ移動させた状態を示す上面図である。本発明の位置決め治具を用いてセラミックパッケージを位置決めする際には、まず図2に示すように位置決めプレート12を初期位置に配置してキャリア11の凹部13と位置決めプレート12の開口部17とを平面方向で互いに一致させる。この状態において、位置決めプレート12の長孔18を貫通した位置決めピン14は長孔18の一端部18aに当接した状態となっている。
次に、この状態で位置決めプレート12の開口部17を通してキャリア11の凹部13にセラミックパッケージ2を落とし込む。その際、凹部13には従来のような押えバネが無いため、複数のセラミックパッケージ2は凹部13に落とし込むだけでよく、ワークの収容が容易に行える。
キャリア11の凹部13内に収容された複数のセラミックパッケージ2は凹部13の深さよりも肉厚であるため、それらの上端部が凹部13の開放端から上方に向けて突出して位置決めプレート12の開口部17に嵌入した状態となっており、その状態で位置決めプレート12を長孔18の長手方向に沿ってキャリア11の平坦部上を摺動させる。位置決めプレート12は、長孔18を貫通した位置決めピン14により長孔18の長手方向の一端部18aから他端部18bに向かって相対的に案内され、初期配置状態から図3に示すような位置決め配置状態となる。
位置決めプレート12が移動すると、その動作に伴って位置決めプレート12の開口部17に嵌入しているセラミックパッケージ2上端部の互いに隣接する外側面(外壁)2a、2bが、位置決めプレート12の開口部17の互いに隣接する内側面(内壁)17c、17dにそれぞれ当接し、更にそこから位置決めプレート12が移動すると、セラミックパッケージ2全体が位置決めプレート12の移動方向(対角線19方向)に付勢されてセラミックパッケージ2上端部の互いに隣接する外側面(外壁)2c、2dが凹部13の互いに隣接する内側面(内壁)13d、13eにそれぞれ当接した状態となって、セラミックパッケージ2の平面方向(縦・横方向)の位置決めが成される。この時、位置決めプレート12はキャリア11の平坦部上にマグネット16により吸着されてその位置決め位置が保持されているため、セラミックパッケージ2の位置ズレが発生することはない。以上のように、本発明の位置決め治具においては、一枚の位置決めプレート12を動かすだけで複数のセラミックパッケージ2を一度に凹部13内にて位置決めすること可能である。
尚、以上説明した本発明の位置決め治具は、あくまで1つの実施形態であり、その他種々の形態を取り得るものである。従って、位置決めプレートをキャリア上に吸着する手段はマグネットに限定されず、またキャリアや位置決めプレートの形状についても平板状に限定されるものではない。
本発明の位置決め治具を示す分解斜視図 本発明の位置決め治具を用いたワークの位置決め手順を説明するための図で、位置決めプレートを初期位置に配置した状態を示す上面図 本発明の位置決め治具を用いたワークの位置決め手順を説明するための図で、位置決めプレートを位置決め位置へ移動させた状態を示す上面図 従来の位置決め治具を示す上面図
符号の説明
1 キャリア
2 ワーク(セラミックパッケージ)
3 凹部
3a 内壁
3b 内壁
4 押えバネ
4a 先端部
4b 先端部
11 キャリア
12 位置決めプレート
13 凹部
13a 切欠部(連結部)
13b 切欠部
13c 切欠部
13d 内側面
13e 内側面
14 位置決めピン
15 丸孔
16 マグネット
17 開口部
17a 切欠部
17b 切欠部
17c 内側面
17d 内側面
18 長孔
18a 一端部
18b 他端部
19 対角線

Claims (6)

  1. 複数のワークを所定の位置に位置決めする位置決め治具であって、
    少なくとも、
    前記ワークを受けるキャリアと、
    当該キャリアの表面上に設けられた、前記ワークを収容するための凹部と、
    当該凹部に収容された前記ワークを前記凹部の内壁に向けて付勢する位置決めプレートとを有することを特徴とする位置決め治具。
  2. 前記キャリア表面に前記位置決めプレートを摺動可能に吸着する吸着手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の位置決め治具。
  3. 前記吸着手段は、マグネットであることを特徴とする請求項2に記載の位置決め治具。
  4. 前記キャリア表面に前記位置決めプレートを位置決めするための位置決めピンを設けると共に、前記位置決めプレートに前記位置決めピンが貫入する長孔を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の位置決め治具。
  5. 前記長孔の長手方向は、前記キャリアに設けられた凹部の角部を結ぶ対角線方向と概ね一致することを特徴とする請求項4に記載の位置決め治具。
  6. 前記キャリアの凹部外周及び前記位置決めプレートの開口部外周に切欠部を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の位置決め治具。
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