JP2007035440A - マスク製造方法、マスク、成膜方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 開口パターンが形成されたシリコン基板を有するマスクを製造する方法において、シリコン基板に対する形状制御の精度向上を図る。
【解決手段】 本発明のマスク製造方法は、開口パターンが形成されたシリコン基板を有するマスクを製造する方法であって、シリコン基板を薄くするためのエッチング工程を有する。エッチング工程では、光学顕微鏡によりシリコン基板のエッチング深さを測定した結果に基づいて、エッチングの終点を管理する。
【選択図】 図6
【解決手段】 本発明のマスク製造方法は、開口パターンが形成されたシリコン基板を有するマスクを製造する方法であって、シリコン基板を薄くするためのエッチング工程を有する。エッチング工程では、光学顕微鏡によりシリコン基板のエッチング深さを測定した結果に基づいて、エッチングの終点を管理する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、マスク製造方法、マスク、成膜方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。
電気光学装置の一つである有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネルは、薄膜を積層した構造を有する自発光型の表示素子を有しており、その製造過程において、表示素子の構成層をなす薄膜パターンを基板上に形成する成膜工程を含む。
このような成膜方法としては、従来より、メタルマスクを用いた蒸着法が知られている。ところが、大型の被成膜基板に対して高精度なメタルマスクを作る事が難しく、また、有機ELパネル用のガラス基板に比べてメタルマスクの熱膨張率が非常に大きいことから、パターンズレが生じやすい。
これに対して、熱膨張率がガラスと近いシリコン基板を用いてマスクを製造する手法が提案されている。この手法ではフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術などの半導体製造技術を用いて、成膜パターンに対応した開口パターンをシリコン基板に形成する。
特開2001−237073号公報
こうしたマスク製造方法では、蒸着精度の向上等を目的として、開口パターンが形成されたシリコン基板をエッチングによって薄くする場合がある。この場合、エッチングの終点管理は、予め定められた処理時間に基づいて行っているものの、実際のエッチングレートの変化によってシリコン基板の形状精度に誤差が生じやすい。
本発明は、開口パターンが形成されたシリコン基板を有するマスクを製造する方法において、シリコン基板に対する形状制御の精度向上を図ることを目的とする。
本発明のマスク製造方法は、開口パターンが形成されたシリコン基板を有するマスクを製造する方法であって、前記シリコン基板を薄くするためのエッチング工程を有し、前記エッチング工程では、光学顕微鏡により前記シリコン基板のエッチング深さを測定した結果に基づいて、エッチングの終点を管理することを特徴とする。
このようなマスク製造方法では、光学顕微鏡を用いることにより、実際のエッチングレートに基づいた、シリコン基板に対するエッチングの終点管理が可能となる。したがって、この製造方法によれば、正確なエッチング終点管理により、シリコン基板に対する形状制御の精度向上を図ることができる。しかも、この製造方法では、光学顕微鏡を用いた非破壊測定により、工程の複雑化が回避される。
また、本発明のマスク製造方法において、前記エッチング工程は、前記光学顕微鏡を用いて所定のエッチング経過時間における前記シリコン基板のエッチング深さを測定する工程と、前記エッチング深さの測定結果と前記エッチング経過時間とに基づいて残りのエッチング処理時間を算出する工程と、前記残りのエッチング処理時間の算出結果に基づいて前記シリコン基板をさらにエッチングする工程と、を含むことが好ましい。
これによれば、エッチング深さの測定結果とエッチング経過時間とに基づいて、実際のエッチングレートが求められるから、実際のエッチングレートに基づいて残りのエッチング処理時間が正確に求められる。そして、その残りのエッチング処理時間に基づいて、シリコン基板を高精度に形状制御することができる。
これによれば、エッチング深さの測定結果とエッチング経過時間とに基づいて、実際のエッチングレートが求められるから、実際のエッチングレートに基づいて残りのエッチング処理時間が正確に求められる。そして、その残りのエッチング処理時間に基づいて、シリコン基板を高精度に形状制御することができる。
また、本発明のマスク製造方法において、前記エッチング工程で前記シリコン基板を薄くする領域が、前記開口パターンの周辺領域を含むのが好ましい。
これによれば、開口パターンの周辺の基材厚みを抑えることで、開口パターンを介した成膜材料の通過性(被成膜基板に対する入射特性)を向上させ、成膜特性の向上を図ることができる。
これによれば、開口パターンの周辺の基材厚みを抑えることで、開口パターンを介した成膜材料の通過性(被成膜基板に対する入射特性)を向上させ、成膜特性の向上を図ることができる。
また、本発明のマスク製造方法において、前記光学顕微鏡が、光学式焦点位置検出方式であるのが好ましい。
これによれば、非破壊測定でありながら、シリコン基板のエッチング深さを正確に測定することができる。
これによれば、非破壊測定でありながら、シリコン基板のエッチング深さを正確に測定することができる。
また、本発明のマスク製造方法において、前記エッチング工程では、異方性エッチングによって前記シリコン基板に傾斜面が形成され、前記光学顕微鏡の測定ターゲットが、前記シリコン基板の前記傾斜面における最深部であるのが好ましい。
これによれば、開口パターンに関わるシリコン基板の厚みを正確に測定することができる。
これによれば、開口パターンに関わるシリコン基板の厚みを正確に測定することができる。
また、本発明のマスク製造方法において、前記光学顕微鏡が、前記シリコン基板を保持するステージを備えるのが好ましい。
これによれば、光学顕微鏡を用いて、安定した測定が可能となる。
これによれば、光学顕微鏡を用いて、安定した測定が可能となる。
また、本発明のマスク製造方法において、前記光学顕微鏡がさらに、前記ステージに対して前記シリコン基板を吸着させる吸着機構を有することが好ましい。
これによれば、シリコン基板の反りを抑えて安定した測定が可能となる。
これによれば、シリコン基板の反りを抑えて安定した測定が可能となる。
また、本発明のマスク製造方法において、前記光学顕微鏡がさらに、前記ステージの移動に伴う前記光学顕微鏡の検出距離の変動誤差を補正する機能を有することが好ましい。
これによれば、シリコン基板の複数の箇所におけるエッチング深さを測定する場合において、精度の向上が図られる。
これによれば、シリコン基板の複数の箇所におけるエッチング深さを測定する場合において、精度の向上が図られる。
本発明のマスクは、先に記載の本発明のマスク製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
このようなマスクによれば、形状精度の向上が図られる。
このようなマスクによれば、形状精度の向上が図られる。
本発明の成膜方法は、先に記載の本発明のマスクを用いて被成膜基板に薄膜パターンを形成することを特徴とする。
このような成膜方法によれば、大型の被成膜基板に対しても高精度に薄膜パターンを形成することができる。
このような成膜方法によれば、大型の被成膜基板に対しても高精度に薄膜パターンを形成することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、先に記載の本発明の成膜方法を用いて電気光学装置の構成層をなす薄膜パターンを形成することを特徴とする。
このような製造方法によれば、高精度な薄膜パターンが形成されることから、高品質な電気光学装置を製造することができる。
このような製造方法によれば、高精度な薄膜パターンが形成されることから、高品質な電気光学装置を製造することができる。
本発明の電子機器は、先に記載の本発明の製造方法で製造された電気光学装置を備えることを特徴とする。
このような電子機器によれば、高品質な電気光学装置を備えることから、表示品質の向上が図られる。
このような電子機器によれば、高品質な電気光学装置を備えることから、表示品質の向上が図られる。
以下、本発明について図面を参照して説明する。まず、本発明のマスクの製造方法によって製造されるマスクの形態例について説明する。
(マスクの構造)
図1は、本発明の実施形態に係るマスクを示す模式斜視図である。図2は、図1に示すマスクの要部拡大斜視図である。本実施形態のマスク1は、例えば蒸着マスクとして用いることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るマスクを示す模式斜視図である。図2は、図1に示すマスクの要部拡大斜視図である。本実施形態のマスク1は、例えば蒸着マスクとして用いることができる。
マスク1は、ベース基板をなす支持基板10に、複数のチップ20を取り付けた構成を有している。各チップ20は、それぞれアライメントされて支持基板10に接着されている。また、支持基板10には、マスク位置決めマーク16が形成されている。マスク位置決めマーク16は、マスク1を使用して蒸着などを行うときに、基準位置に対する当該マスク1の位置合わせを行うためのものである。マスク位置決めマーク16は、例えば金属膜で形成することができる。なお、チップ20にマスク位置決めマーク16を形成してもよい。
支持基板10には、長方形の貫通穴からなる開口領域12が、図1及び図2に示すように、複数平行に且つ一定間隔で設けられている。チップ20には、図2に示すように、開口パターンとしてのスリット状の開口部22が複数一定間隔で平行に設けられている。チップ20の開口部22は、いわゆる「縦ストライプ」の画素配置をなす薄膜パターンに対応する形状である。つまり、マスク1は、縦ストライプの画素を形成するために用いられる。そして、支持基板10の開口領域12を塞ぐように、支持基板10の開口領域12に対してチップ20が精密に位置決めされている。
支持基板10及びチップ20の形成材料としては、被成膜基板(後述する被蒸着基板5)と同程度の熱膨張率を有するものが好ましく用いられる。本例では、被成膜基板がガラスからなり、支持基板10がガラスからなり、チップ20が単結晶シリコンからなるものとする。単結晶シリコンの熱膨張率は30×10E-7/℃である。これに対し、コーニング社製のパイレックス(登録商標)ガラスの熱膨張率は30×10E-7/℃でありほぼ同じである。無アルカリガラスである日本電気ガラス社製のOA−10の熱膨張率は38×10E-7/℃である。また、ガラスと同程度の熱膨張率を有する材料として、金属材料である42アロイ(熱膨張率:50×10E-7/℃)、インバー材(熱膨張率:12×10E-7/℃)などがある。支持基板10とチップ20とが互いに同程度の熱膨張率を有することにより、支持基板10とチップ20との熱膨張率の差に基づく歪みや撓みの発生が防止される。また、支持基板10及びチップ20と、被成膜基板とが互いに同程度の熱膨張率を有することにより、熱膨張率の差に基づく成膜パターンの位置ズレが防止される。
シリコンからなるチップ20の開口部22は、異方性エッチングを用いて形成することができる。例えば、チップ20が面方位(110)又は面方位(100)を有し、チップ20における開口部22の各スリットの長手方向の側壁面が面方位(111)を有していることにより、結晶異方性エッチングにより容易に開口部22(開口パターン)を形成することができる。
また、各チップ20にはアライメントマーク14が少なくとも2ヶ所形成されている。アライメントマーク14は、支持基板10にチップ20を貼り合わせる際の位置合わせに使用される。アライメントマーク14は、フォトリソグラフィ技術又は結晶異方性エッチングなどで形成することができる。
図2に示すように、支持基板10の同一の開口領域12を塞ぐチップ20であって隣り合うチップ20a,20bは、開口部22の各スリット幅d1と同じ間隔をもって配置されている。このチップ20aと20bとの隙間は、チップ20の開口部22と同様に機能し、すなわち、所望形状の薄膜パターンを形成するためのマスク1の開口部(開口パターン)として機能する。そして、複数のチップ20はそれぞれ間隔をもって、支持基板10上において行列に配置されている。
以上のように、本実施形態のマスク1は、開口パターンを有する複数のチップ20が支持基板10に取り付けられた構成を有しているので、チップ20よりも大きな薄膜パターンの成膜にも好ましく用いられる。そして、このマスク1の使用により、例えば大画面の表示パネルをなす縦ストライプパターンの画素を形成することができる。
(マスクの製造方法)
次に、上記のマスク1の製造方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るマスクの製造方法を示す模式断面図であり、上記マスク1の主要部をなすシリコンのチップ20の製造方法を示している。
次に、上記のマスク1の製造方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るマスクの製造方法を示す模式断面図であり、上記マスク1の主要部をなすシリコンのチップ20の製造方法を示している。
まず、図3Aに示すように、面方位(110)のシリコン基板(シリコンウエハ20’)を用意する。このシリコンウエハ20’の厚みは、例えば400μmである。そして、熱酸化法(湿式熱酸化法)を用いて、耐エッチングマスク材となる酸化シリコン膜71をそのシリコンウエハ20’の露出面全体に形成する。この酸化シリコン膜71の厚みは例えば1μmである。
なお、この酸化シリコン膜71からなる耐エッチングマスク材は、後の工程でアルカリ水溶液(水酸化カリウム)を用いて行われる結晶異方性エッチングにおいて耐久性のある膜であればよい。したがって、かかる耐エッチングマスク材は、CVD法で設けられた窒化シリコン膜としてもよく、スパッター法で設けられたAu又はPt膜などでもよく、特に酸化シリコン膜に限定されるものではない。
次に、図3Bに示すように、上記シリコンウエハ20’の一方面側の酸化シリコン膜71について、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、上記開口部22(図2参照)のパターンに対応する形状を有する溝パターン72を形成する(第1パターニング)。溝パターン72の形成は、シリコンの(111)方位と溝パターン72の長手方向とが直角になるように行う。酸化シリコン膜71のエッチングには、例えば緩衝フッ酸溶液を用いる。なお、この溝パターン72の形成と同時に、アライメントマーク14(図2参照)をシリコンウエハ20’に形成してもよい。
また、シリコンウエハ20’の他方面側の酸化シリコン膜71についても同様に、上記フォトリソグラフィ技術を用いて、上記開口部22のパターンに対応する溝パターン73を形成する。
次に、図3Cに示すように、上記のパターニングされた酸化シリコン膜71について、シリコンウエハ20’の一方面側についてのみ、フォトリソグラフィ技術を用いて追加的なパターニングを行う(第2パターニング)。この第2パターニングには、例えばハーフ露光を用いる。また、この際の酸化シリコン膜71のエッチングには、例えば緩衝フッ酸溶液を用いる。そして、酸化シリコン膜71の上記溝パターン72を含む領域について薄膜部74を形成する。
なお、この酸化シリコン膜71の薄膜部74の形成領域は、後の工程でシリコンウエハ20’を薄くする領域である(図3F参照)。シリコンウエハ20’を薄くするのは、開口パターンとしての開口部22(図2参照)の周辺の基材厚みを抑え、成膜材料の通過性(被成膜基板に対する入射特性)を向上させるためである。
次に、図3Dに示すように、上記のパターニングされた酸化シリコン膜71をマスクとして、上記のシリコンウエハ20’に対して結晶異方性エッチングを行い、貫通溝75を形成する。この異方性エッチングには、例えば低濃度(18%)の水酸化カリウム水溶液を用いる。なお、この貫通溝75は、開口パターンとしての開口部22(図2参照)に対応する。
次に、図3Eに示すように、シリコンウエハ20’の一方面側にある酸化シリコン膜71の薄膜部74を除去し、シリコンウエハ20’の表面を露出させる。この薄膜部74の除去には、例えば緩衝フッ酸溶液を用いる。
次に、図3Fに示すように、薄膜部74が除去された酸化シリコン膜71をマスクとして、上記のシリコンウエハ20’に対して結晶異方性エッチングを行い、シリコンウエハ20’の薄肉化を行う。この薄肉化には、例えば高濃度(35%)の水酸化カリウム水溶液を用いる。なお、この薄肉化に際しては、光学顕微鏡を用いてエッチングの終点を管理するが、これについては後述する。
次に、図3Gに示すように、シリコンウエハ20’上に残っている酸化シリコン膜71を除去する。この酸化シリコン膜71の除去には、例えば緩衝フッ酸溶液を用いる。
そして、以上の工程により、開口パターンとしての開口部22が形成されたチップ20が完成する。
そして、以上の工程により、開口パターンとしての開口部22が形成されたチップ20が完成する。
次に、異方性エッチングによるシリコンウエハ20’の薄肉化の工程について詳しく説明する。
図4は、先の図3Fに示した異方性エッチングによるシリコンウエハ20’の薄肉化の様子を示している。
図4は、先の図3Fに示した異方性エッチングによるシリコンウエハ20’の薄肉化の様子を示している。
図4に示すように、異方性エッチングでは、シリコンウエハ20’の面方位に基づいてエッチングが進行する。本例では、面方位(110)を有するシリコンウエハ20’について、貫通溝75(開口部22)の長手方向(紙面直交方向)が(111)方位と直角になるように結晶異方性エッチングを施す。これにより、貫通溝75(開口部22)の長手方向についての側面(垂直面76)が(111)方位面となる。そして、エッチングによるシリコンウエハ20’の薄肉化の進行に伴い、シリコンウエハ20’に、貫通溝75(開口部22)の長手方向に平行な傾斜面77が形成される。
この薄肉化に際しては、光学顕微鏡を用いてエッチングの終点を管理する。光学顕微鏡の測定ターゲットは、シリコンウエハ20’の傾斜面77における最深部、すなわち、貫通溝75(開口部22)の内壁面である垂直面76と傾斜面77との交差部分(肩部78)である。そして、光学顕微鏡を用いてシリコンウエハ20’のエッチング深さd1を測定し、その測定結果に基づいて、貫通溝75(開口部22)の厚みd2が目標値と合致するように、エッチングの終点を管理する。なお、シリコンウエハの厚みをtとするとき、d2=t−d1である。また、例えば、t=400μm、d2の目標値=10μmである。
図5は、光学顕微鏡の構成例を示す図である。
図5に示すように、光学顕微鏡90は、被検物Wを保持するステージ91と、被検物Wを光学的に観察する観察部92と、観察部92の観察結果に基づいて被検物Wの観察位置の高さを測定する演算部93と、装置全体を統括的に制御する制御部94とを備えて構成されている。
図5に示すように、光学顕微鏡90は、被検物Wを保持するステージ91と、被検物Wを光学的に観察する観察部92と、観察部92の観察結果に基づいて被検物Wの観察位置の高さを測定する演算部93と、装置全体を統括的に制御する制御部94とを備えて構成されている。
ここで、この光学顕微鏡90は、光学式焦点位置検出方式を採用している。光学式焦点位置検出方式は、合焦するまでの光学素子(対物レンズなど)の送り量に基づいて基準位置から観察位置までの距離を測定するものであり、例えば、ユニオン光学株式会社の高精度非接触段差測定器「ハイソメット(DH2)」に採用されており、公知である。本例では、光学式焦点位置検出方式の採用により、非破壊測定でありながら、狭い開口部の内部の高さ位置、すなわちシリコンウエハのエッチング深さを正確に測定することができる。例えば、光学式焦点位置検出方式の光学顕微鏡を用いて数十μmのシリコンウエハの厚みd2(図4参照)を計測したところ、破壊測定による測定結果に対して±1μm以内であった。
また、この光学顕微鏡90は、ステージ91に対して被検物Wを吸着させる吸着機構95を有している。吸着機構95は、ステージ91の表面に被検物Wの裏面を密着させるものであり、静電チャック機構、真空チャック機構など公知の様々なものが適用可能である。ステージ91が吸着機構95を有することにより、被検物W(シリコンウエハ)の反りを抑えて安定した測定が可能となる。
さらに、この光学顕微鏡90は、ステージ91の移動に伴う検出距離の変動誤差を補正する機能を有している。例えば、制御部94は、ステージ91の移動に伴う検出距離の変動誤差に関する補正情報を予め記憶しておく。この補正情報は、例えば、被検物Wの搭載前に、ステージ91を移動させてステージ91の複数の位置に対する検出距離の誤差変動を測定することにより求めることができる。そして、実際の被検物Wに対する測定時において、制御部94は、その記憶された補正情報に基づいて、演算部93で算出される測定結果を補正する。このような補正機能により、被検物W(シリコンウエハ)の複数の箇所における高さ(エッチング深さ)を測定する場合において、精度の向上が図られる。
図6は、光学顕微鏡を用いたエッチング終端管理の手順を示す図である。
図6に示すように、まず、所定時間の間、シリコンウエハ20’に対して異方性エッチングを行う(ステップ200)。この際のエッチング処理時間(第1エッチング処理時間T1)は、エッチングレートの暫定値に基づいて、シリコンウエハ20’の厚みd2(図4参照)が目標値に達しないように定められる。例えば、上記第1エッチング処理時間T1は、エッチングレートの暫定値に基づいて定められる上記目標値までの到達時間(基準時間Ts)から、一定時間(軽減時間Ta)を差し引いたものである。
図6に示すように、まず、所定時間の間、シリコンウエハ20’に対して異方性エッチングを行う(ステップ200)。この際のエッチング処理時間(第1エッチング処理時間T1)は、エッチングレートの暫定値に基づいて、シリコンウエハ20’の厚みd2(図4参照)が目標値に達しないように定められる。例えば、上記第1エッチング処理時間T1は、エッチングレートの暫定値に基づいて定められる上記目標値までの到達時間(基準時間Ts)から、一定時間(軽減時間Ta)を差し引いたものである。
次に、エッチング処理空間からシリコンウエハ20’を取り出して、光学顕微鏡を用いてそのシリコンウエハ20’のエッチング深さd1(図4参照)を測定する(ステップ201)。前述したように、光学顕微鏡を用いることにより、非破壊測定でありながら、シリコンウエハ20’のエッチング深さd1を正確に測定することができる。
次に、エッチング深さd1の測定結果と第1エッチング処理時間T1とに基づいて、残りのエッチング処理時間(第2エッチング処理時間T2)を算出する(ステップ202)。この第2エッチング処理時間T2は、最新の処理結果に基づいて算出されたものであるから正確である。すなわち、エッチング深さd1の測定結果と第1エッチング処理時間T1とから実際のエッチングレートを算出することができる。そして、その実際のエッチングレートに基づいて、シリコンウエハ20’の厚みd2(図4参照)が目標値に達するまでの、残りのエッチング処理時間(第2エッチング処理時間T2)を正確に求めることができる。
次に、第2エッチング処理時間T2の算出結果に基づいて、シリコンウエハ20’に対して異方性エッチングをさらに行う(ステップ203)。第2エッチング処理時間T2は最新の処理結果に基づいて算出されたものであるから、シリコンウエハ20’の厚みd2を目標値に一致させることができる。
以上説明したように、本例の異方性エッチングによるシリコンウエハ20’の薄肉化の工程においては、光学顕微鏡を用いることにより、実際のエッチングレートに基づいた、シリコンウエハ20’に対するエッチングの終点管理が可能となる。したがって、正確なエッチング終点管理により、シリコンウエハ20’に対する形状制御の精度向上を図ることができる。しかも、本例では、光学顕微鏡を用いた非破壊測定により、工程の複雑化が回避される。
(支持基板の製造方法)
図7は、支持基板10の製造方法の一例を示す模式斜視図である。
先ず、支持基板10をなす材料について、所定の板形状の基板10’を切り出す(図7(a)参照)。
図7は、支持基板10の製造方法の一例を示す模式斜視図である。
先ず、支持基板10をなす材料について、所定の板形状の基板10’を切り出す(図7(a)参照)。
次いで、支持基板10に貼り付けられるチップ20をマスクとして機能させるために、基板10’に、長方形の貫通穴からなる開口領域12を形成する(図7(b)参照)。
開口領域12を形成する方法としては、支持基板10をなす材料に応じた手法を採ることができる。例えば、基板10’がパイレックス(登録商標)ガラス又はOA−10などの無アルカリガラスのようなガラス基板であれば、ブラスト法により削って開口領域12を形成する手法、又は、フォトリソグラフィ技術とふっ酸とによるウェットエッチングで開口領域12を形成する手法がある。また、支持基板10として42アロイなどの金属材料から構成する場合は、フォトリソグラフィ技術とウェットエッチングとで開口領域12を形成してもよく、複数の金属材料を溶接により組み立てて製造してもよく、切削加工又は鋳造により製造してもよい。
開口領域12を形成する方法としては、支持基板10をなす材料に応じた手法を採ることができる。例えば、基板10’がパイレックス(登録商標)ガラス又はOA−10などの無アルカリガラスのようなガラス基板であれば、ブラスト法により削って開口領域12を形成する手法、又は、フォトリソグラフィ技術とふっ酸とによるウェットエッチングで開口領域12を形成する手法がある。また、支持基板10として42アロイなどの金属材料から構成する場合は、フォトリソグラフィ技術とウェットエッチングとで開口領域12を形成してもよく、複数の金属材料を溶接により組み立てて製造してもよく、切削加工又は鋳造により製造してもよい。
さらに、各チップ20を支持基板10に規則正しく正確に配置するために、基板10’にアライメントマーク14’を形成することで、支持基板10が完成する(図7(c)参照)。
このアライメントマーク14’の形成もフォトリソグラフィ技術を用いる。具体的には例えば、基板10’上にCrを50nmのスパッターで成膜する。次いで、スプレーコート式のレジストコーターでCrの上にレジストを付着させる。次いで、露光、現像、Crのウェットエッチングをすることで、アライメントマーク14’が形成される。また、レーザなどによるマーキングをアライメントマーク14’として用いてもよい。
このアライメントマーク14’の形成もフォトリソグラフィ技術を用いる。具体的には例えば、基板10’上にCrを50nmのスパッターで成膜する。次いで、スプレーコート式のレジストコーターでCrの上にレジストを付着させる。次いで、露光、現像、Crのウェットエッチングをすることで、アライメントマーク14’が形成される。また、レーザなどによるマーキングをアライメントマーク14’として用いてもよい。
図8は、支持基板10の製造方法の他の例を示す模式斜視図である。先ず、所定の材料からなる複数の四角柱10a,10bを形成する。次いで、各四角柱10a,10bをボルト10cなどにより接合することで、開口領域12を有する基板10dを形成する(図8(a),図8(b)参照)。
各四角柱8a,8bの接合は、接着剤などを用いて行ってもよい。
次いで、基板10dにアライメントマーク14’を形成することで、支持基板10が完成する(図8(c)参照)。
各四角柱8a,8bの接合は、接着剤などを用いて行ってもよい。
次いで、基板10dにアライメントマーク14’を形成することで、支持基板10が完成する(図8(c)参照)。
以上の方法で製造した支持基板10に、チップ20を取り付けることにより、マスク1が完成する。
そして、本実施形態のマスク1を用いることにより、例えば40インチの大画面の表示装置をなす薄膜パターンを蒸着することができる。
そして、本実施形態のマスク1を用いることにより、例えば40インチの大画面の表示装置をなす薄膜パターンを蒸着することができる。
図9は、図1のマスク1で成膜されるパターンを示している。
図9に示すように、マスク1の開口部22を通過した蒸着ソースからの粒子により、被蒸着基板5の一面に開口部22とほぼ同一形状の成膜パターン6が形成される。マスク1によって形成される成膜パターン6は、複数の線状パターンが、その線状パターンの短手方向(Y方向)に等間隔で並んだ複数の列(線状パターン列)を含む。そして、それらの複数の線状パターン列は、線状パターンの長手方向(X方向)に、一定間隔で互いに離間して配されている。
図9に示すように、マスク1の開口部22を通過した蒸着ソースからの粒子により、被蒸着基板5の一面に開口部22とほぼ同一形状の成膜パターン6が形成される。マスク1によって形成される成膜パターン6は、複数の線状パターンが、その線状パターンの短手方向(Y方向)に等間隔で並んだ複数の列(線状パターン列)を含む。そして、それらの複数の線状パターン列は、線状パターンの長手方向(X方向)に、一定間隔で互いに離間して配されている。
本例では、1つの被蒸着基板5に対して同じマスク1を用いて少なくとも2回の蒸着を行う。すなわち、被蒸着基板5に対して1回目の成膜パターン6の蒸着後、被蒸着基板5に対するマスク1の相対位置をずらし、その被蒸着基板5に対して2回目の成膜パターン6の蒸着を行う。この際、1回目に形成された成膜パターン6における複数の線状パターン列同士の間の領域に、2回目の成膜パターン6を形成する。これにより、被蒸着基板5の全面に成膜パターン6が形成される。なお、後述するように、有機ELパネルの製造においては、上記の2回の成膜を、R、G、Bのそれぞれに対して行う。
以上、本発明のマスクを蒸着法に用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明のマスクは、スパッター法又はCVD法などの他の成膜方法にも適用可能である。
(電気光学装置の製造方法)
次に、本発明の電気光学装置の製造方法の一例として、有機EL装置の製造方法について説明する。
図10は、本発明の電気光学装置の製造方法の一例を示す模式断面図である。
次に、本発明の電気光学装置の製造方法の一例として、有機EL装置の製造方法について説明する。
図10は、本発明の電気光学装置の製造方法の一例を示す模式断面図である。
本例では、マスク1を使用して被蒸着基板5に発光材料を成膜する。発光材料は、例えば有機材料であり、低分子の有機材料としてアルミキノリノール錯体(Alq3)があり、高分子の有機材料としてポリパラフェニレンビニレン(PPV)がある。発光材料の成膜は、蒸着によって行うことができる。基板5は、複数の有機EL装置(有機EL素子)を形成するためのもので、ガラス基板等の透明基板である。基板5には、図14(A)に示すように、電極(例えばITO等からなる透明電極)501および正孔輸送層502が形成されている。なお、電子輸送層を形成してもよい。
まず、図10(A)に示すように、マスク1を介して赤色の発光材料を成膜し、赤色発光層503を形成する。続いて、図10(B)に示すように、マスク1をずらして、緑色の発光材料を成膜し、緑色発光層504を形成する。さらに続いて、図10(C)に示すように、マスク1を再びずらして、青色の発光材料を成膜し、青色発光層505を形成する。
ここで、図1に示したマスク1では、支持基板10に複数の開口領域12が形成され、それぞれの開口領域12にチップ20が配設されている。こうしたマスク1を用いることにより、大画面に対応した有機EL装置を高精度に製造することができる。
また、上記のように、支持基板10にチップ20を接着固定したマスク1を用いて有機発光層503,504,505の蒸着を行う場合、真空チャンバー内にて、マスク1と基板5との接触が複数回繰り返される。また、チップ20に付着した有機膜をO2プラズマなどで除去する作業等にて物理的にチップ20に物体が接触することもある。このようなことから、チップ20が破損、損傷することがある。一部のチップ20に破損、損傷が生じた場合は、チップ20の交換等によりその補修を行う。支持基板10に対して複数のチップ20が配設されているマスク1を採用することにより、その不具合(破損、損傷など)が生じた一部のチップ20を新たなものと交換すればよく、製造コストの低減化が図られる。
図11は、上述した製造方法にて製造された有機EL装置の概略構成を示す模式断面図である。有機EL装置は、基板5、電極501、正孔輸送層502、赤色発光層503、緑色発光層504、青色発光層505などを有する。発光層503,504,505上には、電極506が形成されている。電極506は、例えば陰極電極である。本例の有機EL装置は、表示装置(ディスプレイ)として好適であり、発光層503,504,505においてパターンずれが少なく膜厚分布が非常に均一化され、ムラの無い鮮やかな大画面の表示装置となる。
(電子機器)
図12は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。
この図に示す携帯電話1300は、上記の有機EL装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
図12は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。
この図に示す携帯電話1300は、上記の有機EL装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
本発明の電気光学装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々、種々の電子機器に適用することができる。また、本発明の電気光学装置としては、有機EL装置に限らず、液晶装置、プラズマディスプレイ装置(PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)等にも好ましく適用される。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…マスク、5…被蒸着基板、6…成膜パターン、10…支持基板、12…開口領域、20…チップ(シリコン基板)、20’…シリコンウエハ(シリコン基板)、22…開口部(開口パターン)、71…シリコン膜、72,73…溝パターン、74…薄膜部、75…貫通溝、76…垂直面、77…傾斜面、78…肩部、90…光学顕微鏡、W…被検物、91…ステージ、92…観察部、93…演算部、94…制御部、95…吸着機構。
Claims (12)
- 開口パターンが形成されたシリコン基板を有するマスクを製造する方法であって、
前記シリコン基板を薄くするためのエッチング工程を有し、
前記エッチング工程では、光学顕微鏡により前記シリコン基板のエッチング深さを測定した結果に基づいて、エッチングの終点を管理することを特徴とするマスク製造方法。 - 前記エッチング工程は、前記光学顕微鏡を用いて所定のエッチング経過時間における前記シリコン基板のエッチング深さを測定する工程と、前記エッチング深さの測定結果と前記エッチング経過時間とに基づいて残りのエッチング処理時間を算出する工程と、前記残りのエッチング処理時間の算出結果に基づいて前記シリコン基板をさらにエッチングする工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のマスク製造方法。
- 前記エッチング工程で前記シリコン基板を薄くする領域が、前記開口パターンの周辺領域を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマスク製造方法。
- 前記光学顕微鏡が、光学式焦点位置検出方式であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のマスク製造方法。
- 前記エッチング工程では、異方性エッチングによって前記シリコン基板に傾斜面が形成され、
前記光学顕微鏡の測定ターゲットが、前記シリコン基板の前記傾斜面における最深部であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のマスク製造方法。 - 前記光学顕微鏡が、前記シリコン基板を保持するステージを備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のマスク製造方法。
- 前記光学顕微鏡がさらに、前記ステージに対して前記シリコン基板を吸着させる吸着機構を有することを特徴とする請求項6に記載のマスク製造方法。
- 前記光学顕微鏡がさらに、前記ステージの移動に伴う前記光学顕微鏡の検出距離の変動誤差を補正する機能を有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のマスク製造方法。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載のマスク製造方法を用いて製造されたことを特徴とするマスク。
- 請求項9に記載のマスクを用いて被成膜基板に薄膜パターンを形成することを特徴とする成膜方法。
- 請求項10に記載の成膜方法を用いて電気光学装置の構成層をなす薄膜パターンを形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項11に記載の製造方法で製造された電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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-
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- 2005-07-27 JP JP2005216872A patent/JP2007035440A/ja not_active Withdrawn
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