JP2008240015A - マスク蒸着法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸着用マスクを繰り返し使っていくうちに堆積層が付着した場合でも、所望の薄膜パターンを形成することができるマスク蒸着法を提供すること。
【解決手段】被処理基板200に対する蒸着パターンに対応するマスク開口部22が形成された蒸着用マスク40を被処理基板200に重ねた状態で蒸着用マスク40および被処理基板200を面内方向で回転させるとともに、回転中心軸線上から側方にずらした位置に配置された蒸着源12から被処理基板200に蒸着材料流を供給する。前回までの蒸着工程と今回の蒸着工程とで同一の蒸着用マスク40を用いるにあたって、前回までの蒸着工程により蒸着用マスク40に付着した堆積層の厚さの測定結果、あるいは当該堆積層の厚さの算出結果に基づいて、今回行う蒸着条件を決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、マスク開口部が形成された蒸着用マスクを被処理基板に重ねた状態で蒸着を行なうマスク蒸着法に関するものである。
各種半導体装置や電気光学装置の製造工程では、蒸着パターンに対応するマスク開口部が形成された蒸着用マスクを被処理基板に重ね、この状態で真空蒸着、スパッタ蒸着などの蒸着工程を行うことがある。例えば、電気光学装置としての有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELという)装置の製造工程において、発光素子用の有機EL材料(有機機能層)を所定形状に形成する際にフォトリソグラフィ技術を利用すると、パターニング用のレジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に有機機能材料が水分や酸素に触れて劣化するおそれがあるため、図2に示すように、被処理基板200に蒸着用マスク40を重ねた状態で真空蒸着を行うマスク蒸着法によって有機機能層を形成する(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2001−185350号公報 特開2003−100460号公報
しかしながら、被処理基板200が大型化すると、蒸着源12から被処理基板200への蒸着粒子の入射角度が被処理基板200の面内位置によって変動し、所定形状の薄膜パターンを形成できなくなる。そこで、被処理基板200の中心から外れた位置に蒸着源12を配置する一方、被処理基板200を回転させる方法が提案されている。その際、処理基板200の回転中心軸線から側方への蒸着源12のオフセット量と、蒸着源12と被処理基板200との距離を調整すれば、被処理基板200に形成した薄膜の面内ばらつきを5%以下に抑えることができる。
このようなマスク蒸着法では、図6(a1)、(b1)、(c1)に示すように、蒸着用マスク40は繰り返し使用される。そのため、蒸着工程を行う度に蒸着用マスク40の梁部27の下面に付着した堆積層8bが厚くなっていくので、その分、被処理基板200においてマスク開口部22と重なる領域では、堆積層8bの陰になる部分が広くなっていく。ここで、図6(a2)、(b2)、(c2)の各々には、図6(a1)、(b1)、(c1)に示す状態の蒸着用マスク40を用いて蒸着を行った場合に形成される薄膜パターン8の断面図を示してあり、図6(a2)、(b2)、(c2)に示すように、被処理基板200においてマスク開口部22と重なる領域では、堆積層8bの陰になる部分が広くなっていくにもかかわらず、同一の蒸着条件(矢印L1で示す)で蒸着を行うと、被処理基板200に形成された薄膜パターン8の膜厚がt1、t2、t3と薄くなってしまう。また、マスク40の梁部27の側面(開口部22の側面)に堆積層8cが付着すると、薄膜パターン8の幅寸法が狭くなってしまう。かといって、マスク40を頻繁に洗浄して堆積層を除去すると、多大な手間がかかるなどの問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、蒸着用マスクを繰り返し使っていくうちに堆積層が付着した場合でも、所望の薄膜パターンを形成することができるマスク蒸着法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、被処理基板に対する蒸着パターンに対応するマスク開口部が形成された蒸着用マスクを前記被処理基板に重ねた状態で当該蒸着用マスクおよび前記被処理基板を面内方向で回転させるとともに、回転中心軸線上から側方にずらした位置に配置された蒸着源から前記被処理基板に蒸着材料流を供給するマスク蒸着法において、前回までの蒸着工程と今回の蒸着工程とで同一の蒸着用マスクを用いるにあたって、前回までの蒸着工程により前記蒸着用マスクに付着した堆積層の厚さの測定結果、あるいは当該堆積層の厚さの算出結果に基づいて、今回行う蒸着条件を決定することを特徴とする。
本発明によれば、蒸着用マスクを繰り返し使っていくうちに蒸着用マスクに堆積層が付着した場合でも、かかる堆積層の影響を相殺するように蒸着条件を設定できるので、所望の薄膜パターンを形成することができる。
本発明において、前記堆積層の厚さを測定するにあたっては、例えば、接触式段差計あるいは光学式距離計により測定を行う。
本発明において、前記堆積層の厚さを算出するにあたっては、例えば、蒸着室に配置した膜厚モニタでの計測結果に基づいて、当該蒸着用マスクに対する前記堆積層の累積厚を算出する。
本発明において、今回の蒸着工程では、前回の蒸着工程よりも、膜厚が厚くなる蒸着条件に設定する。
この場合、今回の蒸着工程では、前回の蒸着工程よりも、蒸着時間を延長することが好ましい。このように構成すると、蒸着源からの蒸着材料流の放出速度を変えなくても、前回の蒸着工程よりも、膜厚が厚くなる蒸着条件で今回の蒸着工程を行うことができる。
本発明において、今回の蒸着工程では、前記被処理基板に形成された薄膜の断面積が前回までの蒸着工程と同一になるように蒸着条件を設定することが好ましい。配線などにおいてはその断面形状などが変動しても断面積が変化しなければ、電気的抵抗が変動しないとして許容されることが多いからである。
本発明の別の形態では、被処理基板に対する蒸着パターンに対応するマスク開口部が形成された蒸着用マスクを前記被処理基板に重ねた状態で当該蒸着用マスクおよび前記被処理基板を面内方向で回転させるとともに、回転中心軸線上から側方にずらした位置に配置された蒸着源から前記被処理基板に蒸着材料流を供給するマスク蒸着法において、前回までの蒸着工程と今回の蒸着工程とで同一の蒸着用マスクを用いるにあたって、前回の蒸着工程により前記被処理基板に形成した薄膜の厚さの測定結果と目標値とを比較し、その比較結果に基づいて、今回行う蒸着条件を決定することを特徴とする。
本発明によれば、蒸着用マスクを繰り返し使っていくうちに蒸着用マスクに堆積層が付着した場合でも、かかる堆積層の影響を相殺するように蒸着条件を設定できるので、所望の薄膜パターンを形成することができる。
この場合、前回の蒸着工程により前記被処理基板に形成した薄膜の厚さを測定するにあたっては、例えば、接触式段差計あるいは光学式距離計により測定を行う。
図面を参照して、本発明を適用したマスク蒸着法およびマスク蒸着装置を説明する。なお、以下の実施の形態では、本発明の蒸着用マスクが使用される対象として有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置を例示する。また、以下の説明では、各実施の形態で共通の構成を説明した後、各実施の形態の特徴部分を説明する。
[共通の構成]
(有機EL装置の構成例)
図1は、本発明が適用される有機EL装置の要部断面図である。図1に示す有機EL装置1は、表示装置やプリンタの光学ヘッドなどとして用いられるものであり、素子基板2上では、感光性樹脂からなる隔壁9で囲まれた複数の領域に画素3が構成されている。複数の画素3は各々、有機EL素子3aを備えており、有機EL素子3aは、陽極として機能するITO(Indium Tin Oxide)膜からなる画素電極4と、この画素電極4からの正孔を注入/輸送する正孔注入輸送層5と、有機EL材料からなる発光層6と、電子を注入/輸送する電子注入輸送層7と、アルミニウムやアルミニウム合金からなる陰極8fとを備えている。陰極8fの側には、有機EL素子3aが水分や酸素により劣化するのを防止するための封止層や封止部材(図示せず)が配置されている。素子基板2上には、画素電極4に電気的に接続された駆動用トランジスタ2aなどを含む回路部2bが有機EL素子3aの下層側に形成されている。ここで、有機EL装置1が表示装置として用いられる場合、各画素3はマトリクス状に形成される。
有機EL装置1がボトムエミッション方式である場合は、発光層6で発光した光を画素電極4の側から出射するため、素子基板2の基体としては、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)などの透明基板が用いられる。その際、陰極8fを光反射膜によって構成すれば、発光層6で発光した光を陰極8fで反射して透明基板の側から出射することができる。
これに対して、有機EL装置1がトップエミッション方式である場合は、発光層6で発光した光を陰極8fの側から出射するため、素子基板2の基体は透明である必要はない。但し、有機EL装置1がトップエミッション方式である場合でも、素子基板2に対して光出射側とは反対側の面に反射層(図示せず)を配置して、発光層6で発光した光を陰極8fの側から出射する場合には、素子基板2の基体として透明基板を用いること必要がある。なお、有機EL装置1がトップエミッション方式である場合において、素子基板2の基体と発光層6との間、例えば、画素電極4の下層側などに反射層を形成して、発光層6で発光した光を陰極8fの側から出射する場合には、素子基板2の基体は透明である必要はない。
ここで、有機EL装置1がトップエミッション方式である場合、陰極8fが薄く形成される。このため、陰極8fの電気抵抗の増大を補うことを目的に、隔壁9の上面にアルミニウムやアルミニウム合金からなる補助配線8aが形成されることもある。
有機EL装置1がカラー表示装置として用いられる場合、複数の画素3および有機EL素子3aは各々、赤(R)、緑(G)、青(B)に対応するサブ画素として構成される。その場合、有機EL素子3aにおいて、発光層6は、各色に対応する光を出射可能な発光材料により形成された発光層6(R)、(G)、(B)として形成される。また、単独の発光材料からなる発光層6によって、RGB各色の特性を得るのは難しいことが多いので、ホスト材料に蛍光色素をドーピングした発光層6を形成し、蛍光色素からのルミネッセンスを発光色として取り出すこともある。このようなホスト材料とドーパント材料の組み合わせとしては、例えば、トリス(8−キノリラート)アルミニウムとクマリン誘導体との組み合わせ、アントラセン誘導体とスチリルアミン誘導体との組み合わせ、アントラセン誘導体とナフタセン誘導体との組み合わせ、トリス(8−キノリラート)アルミニウムとジシアノピラン誘導体との組み合わせ、ナフタセン誘導体とジインデノペリレンとの組み合わせなどがある。また、電子注入輸送層7は、トリス(8−キノリラート)アルミニウムを含む有機アルミニウム錯体などが用いられる。
(有機EL装置1の製造方法)
素子基板2を形成するにあたっては、単品サイズの基板に以下の工程を施す方法の他、素子基板2を多数取りできる大型基板に以下の工程を施した後、単品サイズの素子基板2に切断する方法が採用されるが、以下の説明ではサイズを問わず、被処理基板200と称する。
有機EL装置1を製造するには、被処理基板200に対して蒸着工程、レジストマスクを用いてのパターニング工程などといった半導体プロセスを利用して各層が形成される。但し、正孔注入輸送層5、発光層6、電子注入輸送層7などは、水分や酸素により劣化しやすい有機低分子材料で形成されるため、正孔注入輸送層5、発光層6、電子注入輸送層7を形成する際、さらには、電子注入輸送層7の上層に補助配線8aや陰極8fを形成する際、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行うと、レジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に正孔注入輸送層5、発光層6、電子注入輸送層7が水分や酸素により劣化してしまう。そこで、本形態では、正孔注入輸送層5、発光層6、電子注入輸送層7を形成する際、さらには陰極8fや補助配線8aを形成する際には、以下に詳述する蒸着装置を用いてマスク蒸着を行い、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行わない。
(蒸着方法および蒸着装置の基本構成)
図2は、本発明を適用したマスク蒸着装置10の構成を示す概略構成図である。図2に示すように、マスク蒸着装置10では、真空チャンバ11内(蒸着室)の上方位置に、被処理基板200(素子基板2)および蒸着用マスク40を保持する基板ホルダ14が配置されている。被処理基板200および蒸着用マスク40は、被処理基板200の下面側(被蒸着面側)の所定位置に蒸着用マスク40を重ねた状態で基板ホルダ14により保持され、蒸着時、この状態で、矢印Pで示すように回転する。蒸着用マスク40には、素子基板2に対する蒸着パターンに対応するマスク開口部22が形成されている。真空チャンバ11内の下方位置には、素子基板2に向けて蒸着分子や蒸着原子を供給する蒸着源12が配置されており、蒸着源12は、蒸着材料を内部に保持する坩堝121、坩堝121内の蒸着材料を加熱するためのヒータ122、および坩堝121の上部開口を開閉するシャッタ123などを備えている。
また、真空チャンバ11には、2系統の真空引き装置が設けられている。2つの真空引き装置のうちの一方は、低真空用真空引き装置15であって、低真空用吸引管151、低真空用制御バルブ152、およびドライポンプからなる低真空用ポンプ153を備えている。低真空用吸引管151は真空チャンバ11内に連通している。他方の真空引き装置は、高真空用真空引き装置16であり、高真空用吸引管161、高真空用制御バルブ162、およびクライオポンプやターブ分子ポンプからなる高真空用ポンプ163を備えている。高真空用吸引管161は真空チャンバ11内に連通している。ここで、低真空用制御バルブ152および高真空用制御バルブ162は各々、制御部19によって開閉が制御される。このため、真空チャンバ11では、制御部19による制御の下、窒素ガスの導入、低真空引きおよび高真空引きが自動的に行われる。なお、真空チャンバ11には、窒素などの不活性ガスの導入口などが形成されているが、それらの図示は省略してある。
さらに、本形態では、真空チャンバ11には膜厚モニタ17が配置されており、膜厚モニタ17での計測結果は、制御部19に出力されている。膜厚モニタ17は、水晶振動子を備えており、蒸着工程において水晶振動子に蒸着材料が堆積すると、共振周波数が変化していることを利用して蒸着速度を求めることができる。従って、膜厚モニタ17によれば、それに累積して付着した堆積層の厚さを測定することができる。
なお、被処理基板200と蒸着源12との間のうち、膜厚モニタ17より上方位置にはシャッタ板18が配置されている。かかるシャッタ板18は、膜厚モニタ17によるモニター結果に基づいて、蒸着源12からの蒸着材料流の放出速度が一定になるまでの間、一点鎖線で示す位置に出現し、被処理基板200への蒸着を阻止する一方、蒸着源12からの蒸着材料流の放出速度が一定になった時点で退避し、被処理基板200への蒸着を開始させる。
このように構成したマスク蒸着装置10において、被処理基板200は大型であるが、本形態では、被処理基板200および蒸着用マスク40を、矢印Pで示すように回転させるとともに、その回転中心軸線から側方にずれた位置に蒸着源12を配置してある。従って、処理基板200の回転中心軸線から側方への蒸着源12のオフセット量と、蒸着源12と被処理基板200との距離を調整すれば、被処理基板200に形成した薄膜の面内ばらつきを5%以下に抑えることができる。
(蒸着用マスク40の構成)
図3は、本発明を適用した蒸着用マスク全体の基本的構成を示す斜視図である。図4は、蒸着用マスクの一部を拡大してチップの基本的構成を示す説明図である。
図3および図4に示す蒸着用マスク40は、ベース基板をなす矩形の支持基板30に、複数のチップ20(マスク用基板)を複数、取り付けた構成を有している。本形態では、チップ20はシリコン基板20aからなるものとする。各チップ20は各々、アライメントされて支持基板30に陽極接合や紫外線硬化型接着剤などにより接合されている。
チップ20には、蒸着パターンに対応する長孔形状のマスク開口部22が複数一定間隔で平行に並列した状態で形成されており、マスク開口部22の各間には梁部27が形成されている。また、チップ20において、マスク開口部22の形成領域の周りには外枠部25が形成されており、かかる外枠部25が支持基板30に接合されている。
支持基板30には、長方形の貫通穴からなる複数の開口領域32が平行、かつ一定間隔で設けられており、複数のチップ20は、支持基板30の開口領域32を塞ぐように支持基板30上に固定されている。支持基板30には、アライメントマーク39が形成されており、アライメントマーク39は、蒸着用マスク40を使用して蒸着などを行うときに、蒸着用マスク40の位置合わせを行うためのものである。なお、チップ20の外枠部25にアライメントマーク39を形成してもよい。支持基板30の構成材料は、チップ20の構成材料の熱膨張係数と同一又は近い熱膨張係数を有するものが好ましい。チップ20はシリコンであるので、シリコンの熱膨張係数と同等の熱膨張係数をもつ材料で支持基板30を構成する。このようにすることにより、支持基板30とチップ20との熱膨張量の違いによる「歪み」や「撓み」の発生を抑えることができる。本形態では、支持基板30としては、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、石英ガラスなどからなる透明基板が用いられている。
複数のチップ20の各々において、外枠部25の下面などにはアライメントマーク24が少なくとも2ヶ所形成されている。これらのアライメントマーク24と、複数の開口領域32の外周に一定間隔に形成されたアライメントマーク34とを重ね合わせることにより、支持基板30に対するチップ20の位置合わせを行うことができる。アライメントマーク24および34は、フォトリソグラフィ技術または結晶異方性エッチングなどにより形成される。
本形態において、チップ20は、面方位(110)を有する単結晶シリコン基板からなり、この単結晶シリコン基板にフォトリソグラフィ技術やエッチング技術などを用いて、貫通溝からなるマスク開口部22を形成することにより製造される。チップ20の裏面には大きな凹部29が形成されており、マスク開口部22は、凹部29の底部で開口している。このため、マスク開口部22が形成された領域では基板厚が薄く、斜め方向に進行する蒸着粒子もマスク開口部22を通過しやすくなっている。
かかる蒸着用マスク40を用いて、被処理基板200にマスク蒸着を行う場合には、まず、被処理基板200の下面(被蒸着面/素子基板2の両面のうち、有機EL素子3aが形成される側の面)に蒸着用マスク40を重ねる。その結果、被処理基板200の下面には蒸着用マスク40のチップ20の上面が当接する。この状態で真空蒸着を行うと、坩堝121から供給された蒸着分子や蒸着原子は、チップ20のマスク開口部22を介して被処理基板200の下面に堆積する。
また、図3および図4に示す蒸着用マスク40を用いて被蒸着領域の所定領域に蒸着を行った後、蒸着用マスク40をずらしながら複数回、蒸着することにより、被蒸着領域全体にわたってストライプ状の薄膜を形成することができる。
[実施の形態1]
図5は、本発明の実施の形態1に係るマスク蒸着法の説明図である。なお、図5(a1)、(b1)、(c1)には、同一の蒸着用マスク40を用いて蒸着を行った際、堆積層が厚くなっていく様子を示してあり、図5(a2)、(b2)、(c2)の各々には、本形態の方法で、図5(a1)、(b1)、(c1)に示す状態の蒸着用マスク40を用いて蒸着を行った場合に形成される薄膜パターン8の断面図を示してある。
まず、図5(a1)には、まだ堆積物が付着していない蒸着用マスク40を用いて所定の条件(矢印L1で示す)でマスク蒸着を行うと、蒸着用マスク40のマスク開口部22に対応した薄膜パターン8が形成される。本形態において、薄膜パターン8は、図1に示す補助配線8aである。
このような蒸着工程を順次、新たな被処理基板200に行うにあたって、同一の蒸着用マスク40を繰り返し使用すると、図5(b1)に示すように、さらには、図5(c1)に示すように、蒸着工程を行う度に蒸着用マスク40の梁部27の下面に付着した堆積層8bが厚くなっていくので、その分、被処理基板200においてマスク開口部22と重なる領域では、堆積層8bの陰になる部分が広くなっていく。その結果、図6を参照して説明したように、被処理基板200に形成された薄膜パターン8の膜厚がt1、t2、t3と薄くなってしまう。また、マスク40の梁部27の側面(開口部22の側面)に堆積層8cが付着すると、薄膜パターン8の幅寸法が狭くなってしまう。
そこで、本形態では、例えば、図5(b1)に示す状態で今回の蒸着工程を行う際、前回までの蒸着工程により蒸着用マスク40(チップ20の梁部27の下面)に付着した堆積層8bの厚さを接触式段差計あるいは光学式距離計により測定し、その測定結果に基づいて、今回行う蒸着条件を決定する。より具体的には、今回の蒸着工程では、前回の蒸着工程よりも、膜厚が厚くなる蒸着条件(矢印L2で示す)に変更する。このような条件としては、蒸着源12の温度を高めて蒸着材料流の放出速度を増大させる設定や、蒸着時間を延長する設定などが考えられるが、本形態では、蒸着時間を延長する。また、図5(c1)に示す状態で今回の蒸着工程を行う際も、前回までの蒸着工程により蒸着用マスク40(チップ20の梁部27の下面)に付着した堆積層8bの厚さを接触式段差計あるいは光学式距離計により測定し、その測定結果に基づいて、今回行う蒸着条件(矢印L3で示す)を決定する。より具体的には、今回の蒸着工程では、前回の蒸着工程よりも、膜厚が厚くなるように、蒸着時間を延長する。
ここで、蒸着用マスク40に付着した堆積層8bの厚さと、形成される薄膜パターン8の厚さとの関係を予め把握してテーブル化しておけば、蒸着用マスク40に付着した堆積層8bの厚さが分かった時点で、薄膜パターン8に対する補正度合い(蒸着条件の変更内容)を適正に決定することができる。
従って、蒸着用マスク40に堆積層8bが付着していることが原因で、薄膜パターン8が薄くなる傾向にあっても、本形態によれば、かかる変動を蒸着時間によって相殺できる。それ故、図5(a1)に示す状態で形成した薄膜パターン8(図5(a2)参照)と、図5(b1)に示す状態で形成した薄膜パターン8(図5(b2)参照)と、図5(c1)に示す状態で形成した薄膜パターン8(図5(c2)参照)とを比較すると分かるように、いずれの薄膜パターン8でも厚さ寸法および幅寸法の双方が同一である。
また、蒸着用マスク40の梁部27の下面に堆積層8bが付着していれば、それに一定の関係を有する厚さで梁部27の側面にも堆積層8cが付着していることになる。このような場合、薄膜パターン8の幅寸法が狭くなってしまうが、その分、蒸着時間を延長すれば、薄膜パターン8の幅寸法が狭くなった分、薄膜パターン8を厚く形成することができる。それ故、いずれの蒸着工程でも、断面積が等しい薄膜パターン8を形成することができる。ここで、図1に示すような補助配線8aは、電気的抵抗が等しければ、断面形状が多少変化しても許容できる。
よって、蒸着用マスク40を頻繁に洗浄して堆積層8b、8cを除去せずに、同一の蒸着用マスク40を蒸着工程に繰り返し用いた場合でも、所望の薄膜パターン8を得ることができる。
なお、蒸着用マスク40(チップ20の梁部27の下面)に付着した堆積層8bの厚さの測定に接触式段差計を用いれば、堆積層8bの種類によらず、厚さを正確に測定できるという利点がある。また、光学式距離計を用いれば、非接触で厚さを計測できるという利点がある。ここで、蒸着用マスク40(チップ20の梁部27の下面)に付着した堆積層8bの厚さの測定は、真空チャンバ11から出た大気下で行ってもよいが、真空チャンバ11に連結された別のチャンバ内で行ってもよい。
[実施の形態2]
実施の形態1では、蒸着用マスク40(チップ20の梁部27の下面)に付着した堆積層8bの厚さを接触式段差計あるいは光学式距離計により測定したが、膜厚モニタ17での計測結果を用いれば、前回までの蒸着工程により蒸着用マスク40(チップ20の梁部27の下面)に付着した堆積層8bの厚さを算出できる。従って、かかる算出結果に基づいて、図5を参照して説明したように、今回の蒸着工程では、前回の蒸着工程よりも、膜厚が厚くなる蒸着条件に設定変更すれば、実施の形態1と同様、蒸着用マスク40に堆積層8bが付着していることが原因で、薄膜パターン8が薄くなる傾向にあっても、本形態によれば、かかる変動を蒸着条件の変更によって相殺できる。
なお、膜厚モニタ17での計測結果と、蒸着用マスク40に付着した堆積層8bの厚さとの間には、シャッタ板18の開閉タイミングに起因する誤差が発生する。すなわち、シャッタ板18が閉状態にあるときは、膜厚モニタ17の水晶振動子には蒸着材料が堆積するが、蒸着用マスク40には堆積が起こらない。従って、シャッタ板18を有する場合には、膜厚モニタ17での計測結果に対して、シャッタ板18の開閉タイミング(開時間)に起因する誤差を補正すれば、蒸着用マスク40に付着した堆積層8bの厚さを正確に算出することができる。
[実施の形態3]
実施の形態1、2では、蒸着用マスク40(チップ20の梁部27の下面)に付着した堆積層8bの厚さの測定結果あるいは算出結果に基づいて、今回の蒸着工程の蒸着条件を設定したが、前回の蒸着工程により被処理基板200に形成した薄膜パターン8の厚さを接触式段差計あるいは光学式距離計を用いて測定した結果と目標値とを比較し、その比較結果に基づいて、今回行う蒸着条件を決定してもよい。このような方法を採用した場合も、蒸着用マスク40を繰り返し使っていくうちに蒸着用マスク40に堆積層が付着した場合でも、前回の蒸着工程により被処理基板200に形成した薄膜パターン8の厚さを測定し、その測定結果をフィードバックして今回の蒸着条件を設定するので、常に所望の薄膜パターンを形成することができる。すなわち、前回の蒸着工程で形成した薄膜パターン8の厚さを測定した結果、薄膜パターン8の厚さが目標値より薄い場合、今回の蒸着工程では、膜厚が厚くなるように蒸着条件を変更すれば、今回の蒸着工程では、所望の薄膜パターンを形成することができる。
なお、被処理基板200に形成した薄膜パターン8の厚さの測定に接触式段差計を用いれば、薄膜パターン8の種類によらず、厚さを正確に測定できるという利点がある。また、光学式距離計を用いれば、非接触で厚さを計測できるという利点がある。ここで、被処理基板200に形成した薄膜パターン8の厚さの測定は、真空チャンバ11から出た大気下で行ってもよいが、真空チャンバ11に連結された別のチャンバ内で行ってもよい。さらに、薄膜パターン8については、最終的に補助配線8aなどとして実際に利用できるものであってもよいし、被処理基板200の端部などにダミーパターンとして形成したものを利用してもよい。
(他の実施の形態)
上記形態では、本発明を真空蒸着に適用した例を中心に説明したが、マスクスパッタ蒸着に本発明を適用してもよい。また、有機EL装置1の補助配線8aを形成する場合の他、有機EL装置1に形成される他の薄膜パターン、さらには、有機EL装置1以外の電気光学装置や半導体装置の薄膜パターンを形成する際に本発明を適用してもよい。
有機EL装置の要部断面図である。 本発明を適用したマスク蒸着装置の構成を示す概略構成図である。 本発明を適用した蒸着用マスク全体の基本的構成を示す斜視図である。 図3に示す蒸着用マスクの一部を拡大してチップの基本的構成を示す説明図である。 本発明を適用したマスク蒸着法の説明図である。 従来のマスク蒸着法の問題点を示す説明図である。
符号の説明
8・・薄膜パターン、10・・マスク蒸着装置、12・・蒸着源、17・・膜厚モニタ、18・・シャッタ板、20・・チップ、22・・マスク開口部、40・・蒸着用マスク、200・・被処理基板

Claims (8)

  1. 被処理基板に対する蒸着パターンに対応するマスク開口部が形成された蒸着用マスクを前記被処理基板に重ねた状態で当該蒸着用マスクおよび前記被処理基板を面内方向で回転させるとともに、回転中心軸線上から側方にずらした位置に配置された蒸着源から前記被処理基板に蒸着材料流を供給するマスク蒸着法において、
    前回までの蒸着工程と今回の蒸着工程とで同一の蒸着用マスクを用いるにあたって、
    前回までの蒸着工程により前記蒸着用マスクに付着した堆積層の厚さの測定結果、あるいは当該堆積層の厚さの算出結果に基づいて、今回行う蒸着条件を決定することを特徴とするマスク蒸着法。
  2. 前記堆積層の厚さを測定するにあたっては、接触式段差計あるいは光学式距離計により測定を行うことを特徴とする請求項1に記載のマスク蒸着法。
  3. 前記堆積層の厚さを算出するにあたっては、蒸着室に配置した膜厚モニタでの計測結果に基づいて、当該蒸着用マスクに対する前記堆積層の累積厚を算出することを特徴とする請求項1に記載のマスク蒸着法。
  4. 今回の蒸着工程では、前回の蒸着工程よりも、膜厚が厚くなる蒸着条件に設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のマスク蒸着法。
  5. 今回の蒸着工程では、前回の蒸着工程よりも、蒸着時間を延長することを特徴とする請求項4に記載のマスク蒸着法。
  6. 今回の蒸着工程では、前記被処理基板に形成された薄膜の断面積が前回までの蒸着工程と同一になるように蒸着条件を設定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のマスク蒸着法。
  7. 被処理基板に対する蒸着パターンに対応するマスク開口部が形成された蒸着用マスクを前記被処理基板に重ねた状態で当該蒸着用マスクおよび前記被処理基板を面内方向で回転させるとともに、回転中心軸線上から側方にずらした位置に配置された蒸着源から前記被処理基板に蒸着材料流を供給するマスク蒸着法において、
    前回までの蒸着工程と今回の蒸着工程とで同一の蒸着用マスクを用いるにあたって、
    前回の蒸着工程により前記被処理基板に形成した薄膜の厚さの測定結果と目標値とを比較し、その比較結果に基づいて、今回行う蒸着条件を決定することを特徴とするマスク蒸着法。
  8. 前回の蒸着工程により前記被処理基板に形成した薄膜の厚さを測定するにあたっては、接触式段差計あるいは光学式距離計により測定を行うことを特徴とする請求項7に記載のマスク蒸着法。
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