JP2007035297A - 集電体およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

集電体およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池に用いられる電極において、充放電サイクルの際に生じる膨張収縮に起因した挫屈の発生を抑制し、製造が容易で高容量且つ充放電サイクル特性に優れた集電体および電池を提供する。
【解決手段】導電性を有し、厚さ方向に積層された複数のシート状薄膜11と、該積層された複数のシート状薄膜11の間に電解液の溶媒と相溶する中間層13を有する集電体を形成する。中間層13が電解液の相溶することで、負極活物質12が膨張・収縮を吸収する空間となり、劣化を抑制し、高容量で尚且つ充放電サイクル特性に優れた電極1およびそれを用いたリチウムイオン二次電池を実現することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、集電体およびそれを用いたリチウムイオン二次電池に関し、更に詳しくは、リチウムイオンを吸蔵・放出するSi、Si酸化物およびSi合金からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む活物質層を有する負極用の集電体、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータや携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が増大している。上記のような用途に用いられる電池には、常温使用が求められると同時に、高いエネルギー密度と優れたサイクル特性が要望される。
上記要望に対して、有機電解液、有機電解液をポリマーやゲル化剤を用いて非流動化したゲルポリマー電解質、あるいは固体電解質のような各種の非水電解質を電解質に用い、リチウムイオンを電荷移動用媒体とする非水電解質リチウム二次電池が開発されてきた。正極材料としては、LiCoO、LiNiO、LiMnなどのような各種電解質との間でリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出し、高い可逆電位を示す材料が発見されている。負極材料としては黒鉛、カーボンなどの各種炭素体などのような低い可逆電位を示す材料が発見されている。これら活物質を正極あるいは負極に用い、正極と負極とをセパレーターを介して対向配置させて構成するリチウム二次電池が開発、量産化されている。
しかしながら、ポータブル機器の機能向上に伴い、電源に対してはこれまで以上の高いエネルギー密度が求められている。この要求に対し、正極と負極とのそれぞれにおいて新たに高容量の活物質が開発されており、中でもLiと金属間化合物を形成し、非常に高い容量が得られるSiもしくはSnなどの単体、酸化物、合金あるいは金属間化合物などの負極活物質を用いることによる解決が図られようとしている。その際に問題となるのは充放電に伴う負極活物質の微粉化であり、充放電を繰り返し行うに従い負極活物質粒子が集電性を失い、サイクル特性が低下することが懸念されていた。この問題を解決するために負極活物質として非晶質Si薄膜を用いることで集電性を高めサイクル特性の劣化を抑制する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、Siの単体、酸化物あるいは合金の負極活物質は充放電に伴う膨張収縮が大きいため、特許文献1で負極活物質として用いられている非晶質Si薄膜であっても、充放電を繰り返し行うに従い、負極集電体が大きく変形し挫屈するためサイクル特性における容量低下が生じやすい。
また、金属Liを負極として用いた際の正極の活物質膨張収縮による集電体の変形や断裂等によるサイクル劣化を解決する手段として、負極表面とセパレーターとの間に電解液に溶解するスペース部材を設け、電池の組み立て時の注液後に負極表面とセパレーターとの間に空間が出来ることによって、活物質の膨張を緩和しサイクル劣化を抑制する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−83594号公報 特開平11−185818号公報
しかし、更なる高容量化のためには、より多くの活物質を電池内に封入する必要があり、また負極として厚さ20μm程度の金属箔(集電体)の上に成膜したSi系薄膜を用いる必要があるため、Li金属負極(厚さ100μm程度)と比較して負極が薄く変形しやすくなる。その対策として、特許文献2に開示された技術を参考にして、Si系薄膜上に例えばエチレンカーボネート(以下、ECという)からなるスペース部材を作製した場合、ECの脆性のために負極板を単独で扱っている最中に割れが生じ、その結果ECが脱落する。そのため、このような極板を巻回したり積層して電極群を構成た場合、スペース部材の表面に凹凸が生じる。スペース部材(EC)は、電極群に電解液を含浸させた際に電解液と相溶するが、スペース部材の表面に生じた凹凸は、そのまま電極間の隙間の凹凸となってしまう。また、場合によっては凹凸部に鋭いエッジが生じるので、電極群の構成時にセパレーターを突き破る可能性が高くなる。このため上記の構成では、膨張緩和のための電極間の空間(距離)が一定せず不均一反応が生じやすいため、集電体の劣化の面内ムラが生じやすいという課題を有していた。またセパレーターの破損による電極群の歩留まり低下が生じやすいという課題を有していた。
本発明は、負極活物質が膨張・収縮するために必要な一定の空間を電極板内に確保することによって、電池の充放電時の不均一反応による集電体の劣化の面内ムラを抑制するとともに、セパレーターの破損による電極群の歩留まり低下を改善し充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池の電極を実現することが可能な集電体、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の集電体は、導電性を有し、厚さ方向に積層された複数のシート状薄膜と、積層された複数のシート状薄膜の間に設けた電解液と相溶する中間層と、を有するものである。
本構成によって、正極と本発明の集電体を用いた負極とを重ね合わせた電極群と、電極群に含浸させた有機電解液とを有する電池は、前述した中間層が有機電解液に相溶するため、前述した複数のシート状薄膜間に中間層の厚さに相当する空間が生じる。この空間は、負極活物質が膨張・収縮するために必要な空間となることで膨張・収縮による極板の変形を抑制する。この為、極板の変形による電池の充放電時の不均一反応に起因した集電体の劣化の面内ムラを抑制することが可能となる。
本発明によれば、電解液に相溶する中間層を複数の集電体間に設けた電極を用いることによって、電極群の組み立ての際に発生する中間層の破損に起因した短絡不良による歩留まり低下を抑制し、尚且つ充放電サイクルの際に発生する活物質の膨張収縮による集電体の劣化の面内ムラに起因したサイクル特性の低下を改善し、高容量で優れたリチウムイオン二次電池用電極板およびそれを用いたリチウムイオン二次電池を実現することができる。
以下、本発明の実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態の電極(負極板)の概略断面図を、図2に、従来の構成の電極(負極板)の概略断面図を示す。図1および図2において、同じ構成要素については同じ符号を用いる。
図1において、本発明の負極板1は、2枚のシート状の薄膜11の間に中間層13を有する集電体14と、集電体14の表面すなわち2枚のシート状の薄膜11の中間層13と接する面と対向する面上に設けた負極活物質12とからなる。
図2において、従来の負極板20は、シート状の薄膜21と、その表面に設けた負極活物質22とからなる。
シート状の薄膜11としては、表面粗さRaが0.1から10μmである金属箔が好ましい。表面の粗さRaは、日本工業規格(JIS B0601―1994)に定められており、例えば表面粗さ計により測定することができる。表面粗さRaが0.1μmより小さいと、シート状の薄膜と中間層との間あるいはシート状の薄膜と活物質層との間の剥離が起こりやすくなる。一方、表面粗さRaが大きくなると、シート状の薄膜と中間層との間あるいはシート状の薄膜と活物質層との間の付着力が増すが、Raが大きくなりすぎるとシート状の薄膜が切れやすくなる為、Raは3μm以下が好ましい。
金属箔としては銅、ニッケル、白金および金といったリチウムと合金化しない金属およびその合金を使用することが出来る。なかでも伝導性が高く、粗面化が容易な銅箔または銅合金箔であることが好ましい。
中間層13は、融点が0℃以上200℃以下の有機モノマー、オリゴマーおよびそれらの重合体からなる群より選ばれた少なくとも一種を含むものが好ましい。融点が0℃以下のものでは、中間層13の形成工程およびその後の負極活物質12を形成する工程において非常に低温な環境を必要とし実用的ではない。また融点が200℃以上のものでは、有機溶媒に対する相溶性が低く、電池を形成する際の注液によって中間層13が溶出せず、空間が形成されないため負極活物質12の膨張を緩和することができないからである。また、カーボネートモノマー、カーボネートオリゴマーおよびそれらの重合体からなる群より選ばれた少なくとも一種を含むものは、リチウムイオン電池の有機電解液で用いられる、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、γ−ブチルラクトン等の環状カーボネート溶媒との親和性が高く相溶しやすく、中間層13として好ましい。
負極活物質12としては、前記集電体14の表面に形成され、Si、Si酸化物およびSi合金からなる群より選ばれた少なくとも一種を構成元素として含むものが好ましい。これらSi系材料は、負極活物質12としての容量が従来のグラファイトに比べて高く、またリチウムイオンを吸蔵するときの膨張が大きいため本願発明の効果が大きい。
負極板1の作製において、シート状の薄膜11としては例えば具体的には表面を粗化した粗面化Cu箔を用いることができる。前記シート状の薄膜11の片面に蒸着法や、活物質と少量の導電性物質を分散させたスラリーをシート状の薄膜上に塗布し、乾燥させた後に圧延する厚膜塗工法等の手段により負極活物質12を含む活物質層を形成する。次いで活物質層を形成したシート状の薄膜11の裏面に、電解液と相溶する材料からなる中間層13を設ける。その材料としては、前述したように、例えばリチウム電池の場合には融点が0℃以上200℃以下のモノマー、オリゴマー、重合体の何れかを用いることができ、こうした材料として例えば環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)あるいは、重合度が10から100程度のポリカーボネートオリゴマー材料を用いることができる。また中間層13の形成手法としては各種の薄膜形成法や塗布手法、例えばスピンコート等が用いられる。
こうして得られた一方の面に活物質層が、他方の面には中間層13を形成した2枚のシート状の薄膜11を、中間層13の面同士が対向するように一体化させ、得られた負極板1を用いて電池を構成する。電池を構成した後、あるいは電池構成工程の中で電解液を添加されることで、前記中間層13は電解液中に溶出して2枚のシート状の薄膜11からなる集電体14中に空隙が形成される。前記空隙は電池の充放電に伴う負極活物質12の膨張(または収縮)による体積変化分を吸収するスペースとして機能するため、負極活物質12の膨張収縮に起因する不具合を防止することができる。
なお、負極板1を作製する方法において、一方の面に活物質層が、他方の面には中間層13を形成した2枚のシート状の薄膜11を、中間層13の面同士が対向するように一体化させる方法に換えて、一方の面に活物質層が、他方の面には中間層13を形成したシート状の薄膜11と、一方の面に活物質層を形成したシート状の薄膜11との2枚を、中間層13が2枚のシート状の薄膜11の間になるように一体化させる方法を用いても良い。
また、負極板1を作製する方法において、集電体14の両面に活物質層を形成する方法を示したが、電極群の構成によっては、集電体14の片面にのみ活物質層を形成しても、本発明の効果は得られる。
以下、具体的な実施例によって本発明を説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に限定されない。
(実施例1)
(負極板の作製)
シート状の薄膜として電着により両面を粗面化した(表面粗さRa=1〜2μm)、厚さ12μmのCu箔を2枚用いた。この2枚の粗面化Cu箔のそれぞれの片面に、負極活物質としてSi酸化物(SiO:x=0.1〜1.0)薄膜を電子ビーム(EB)蒸着法により形成した。蒸着ターゲットとしてSiインゴットを砕いたものを使用し、グラファイトの坩堝を用いた。成膜の際に蒸着機のチャンバー内に酸素ガスを同時に導入することでSiを酸化し、酸素ガスの流量と成膜レートを制御することで厚さ6〜18μmのSi酸化物薄膜を形成した(成膜中の真空度:10−2から10−3Pa、酸素流量:50から100sccm、成膜レート:20から50nm/s)。
次に、Si酸化物薄膜を形成した粗面化Cu箔の裏面に中間層を形成するために、粗面化Cu箔をスピンコーターのステージに固定し、20℃のドライ雰囲気(露点=−25℃)中で毎分1000回転で回転させ、60℃に加熱し溶融させたECを滴下することで、粗面化Cu箔の裏面に1μm程度のEC層を形成した。この作業を7回繰り返すことで、厚さ約7μmの中間層を形成した。次に、この粗面化Cu箔の裏面同士を対向させ、常温でプレスすることで、2つの粗面化Cu箔間にEC中間層を有する負極板を作製した。
(正極板の作製)
正極板として厚さ15μmの圧延Al箔の集電体上に、活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO)の粉体とアセチレンブラック(AB)とを、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の有機バインダとともに混練したものを塗布・乾燥後、圧延することで厚さ145μmの正極を形成した。
(捲回型電池での評価)
次にポリプロピレン製のセパレーター(セルガード社製、厚さ20μm)を介して正極板と負極板とを対向させ捲回し電極群を形成した。図3に本発明の実施例の電極を用いた捲回型電極群の概略図を示す。図3において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図3において、電極群は、本発明の負極板1と前述した正極板2とをセパレーター3を介して捲回されている。図3は電極群の作製過程を示しており、最終的には筒状に捲回されて電極群となる。
(比較例1)
比較として、シート状の薄膜として電着により両面を粗面化した(表面粗さRa=1〜2μm)、厚さ12μmのCu箔を1枚用い、その両面にSi酸化物薄膜を形成した負極板を用いたこと以外は実施例1と同様にし、比較用の電極群を形成した。
(比較例2)
別の比較例として、比較例1で作製した負極板の負極活物質上にスピンコート法を用いて20℃のドライ雰囲気(露点=−25℃)中で毎分1000回転(rpm)で回転させ、60℃に加熱し溶融させたエチレンカーボネート(EC)を滴下することで、集電体の裏面に1μm程度のEC層を形成し、これを20回繰り返すことで、厚さ約20μmの中間層を形成したものを使用したこと以外は、実施例1と同様にし、比較用の電極群を形成した。
(評価結果)
実施例1、比較例1および比較例2で形成した電極群を、それぞれ注液・封口して電池を形成した。電池形成後の初期充電前に行ったIR(内部抵抗)検査の結果を表1に示す。なお、電池は各10個作製し評価を行った。
Figure 2007035297
負極活物質上にスペース部材を形成した比較例2の電極群においては、スペース部材が脆く捲回時に亀裂が入り部分的に集電体から剥離していた。このため、比較例2の電極群においては、短絡不良が発生し歩留まりが大きく低下したのに対し、本実施例1の電極群では短絡が全く発生しなかった。短絡が発生した比較例2の電極群を分解したところ、全てセパレーターの破損によるものであった。これは、常温で脆い中間層がセパレーターと接しているため、電極群を組む際にスペース部材に亀裂が入りセパレーターを損傷したためであると考えられる。また、短絡が発生した比較例1の電極群を分解したところ、極板の凸部によるセパレーターの破損が原因であった。
一方、本実施例1における電極群は中間層を集電体内部に閉じ込めることにより、取り扱い中に亀裂が生じても脱落することがない。また、中間層がセパレーターと接していないためセパレーターを破損することがない。従って極板単独での取り扱いが容易になり、製造が容易になる。
このことから、本実施例1における電極群は、比較例1および比較例2に比べて製造が容易で歩留まりを改善することが可能であることがわかる。
(実施例2)
次に実施例1に記載したものと同じ方法で作成した負極板および正極板を用いて積層型リチウム電池を構成した場合の実施例について述べる。
ポリプロピレン製のセパレーター(セルガード社製、厚さ20μm)を介して正極板4層(30mm×30mm)と負極板7層(31mm×31mm、最上層と最下層との2層は片面のみ)を交互に積層した電極群をラミネートフィルム容器内に挿入し、引き出し電極部を封止した。その後、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒に、LiPFを1.2mol/Lの濃度で溶解させた電解液を注液後、封止することで積層型電池を形成した。
図4に本実施例2の積層型リチウムイオン二次電池の概略断面図を示す。図4において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図4において、2枚のシート状の薄膜11と、それらの間に形成された中間層13と、2枚のシート状の薄膜11の表面に形成された負極活物質12とを有する負極板1と、正極集電体31と、正極集電体31の表面に形成された正極活物質を含む正極活物質層32とを有する正極板2とが、セパレーター3を介して積層されて電極群を構成している。電極群は、公知のラミネートフィルム4でパッケージされており、電極群には電解液が含浸されている。
(比較例3)
負極板として、比較例1で作製した負極板を用いたこと以外は、実施例2と同様にして積層型電池を形成した。
(比較例4)
負極板として、比較例2で作製した負極板を用いたこと以外は、実施例2と同様にして積層型電池を形成した。
(評価結果)
電池形成後の初期充電前に行ったIR(内部抵抗)検査の結果を表2に示す。なお、電池は各10個作製し評価を行った。
Figure 2007035297
負極活物質上にスペース部材を形成した比較例4の電池においては、短絡不良が発生し歩留まりが大きく低下したのに対し、本実施例2の電池では短絡が全く発生しなかった。短絡が発生した比較例4の電池を分解したところ、全てセパレーターの破損によるものであった。これは、常温で脆い中間層がセパレーターと接しているため、電極群を組む際にスペース部材に亀裂が入りセパレーターを損傷したためであると考えられる。
一方、本実施例2における電極群は中間層を集電体内部に閉じ込めることにより、取り扱い中に亀裂が生じても脱落することがない。また、セパレーターと接していないためセパレーターを破損することがない。従って極板単独での取り扱いが容易になり、製造が容易になる。また、短絡が発生した比較例1の電極群を分解したところ、極板の凸部によるセパレーターの破損が原因であった。
このことから、本実施例2における電極群は、従来の構成に比べて製造が容易で歩留まりを改善することが可能であることがわかる。
(実施例3)
次に実施例2に記載したものと同様の方法で作成した積層型リチウム電池を構成した場合の、充放電サイクル特性劣化について述べる。
なお、負極活物質であるSi酸化物薄膜の成膜条件として、EB銃の加速電圧=10kV、酸素流量=100sccm、成膜レート=27nm/sにて100分間成膜した。結果として、膜厚が13μmのSi酸化物薄膜(SiO0.6)が得られた。
中間層として実施例2に記載したものと同じ方法で作成したEC層を使用し、実施例1に記載したものと同様の方法で作製した負極板Aを形成した。
また、別の中間層としてビスフェノールAモノマーを使用し重合度が10から100のポリカーボネートオリゴマー混合物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、集電体の裏面上にスピンコート法を用いて塗膜を形成した後、60℃のドライオーブン中で乾燥し、これを10回繰り返すことで、厚さ10μmのポリカーボネートオリゴマー層を形成し実施例1に記載したものと同様の方法で作製した負極板Bを形成した。
(比較例5)
負極板として、比較例1で作製した負極板を用いたこと以外は、実施例3と同様にして積層型電池を形成した。
(比較例6)
負極板として、比較例2で作製した負極板を用いたこと以外は、実施例3と同様にして積層型電池を形成した。
(評価結果)
得られた積層型電池の充放電条件を以下に示す。
充電時:定電流充電、56mA、4.2Vカットオフ
休止時間:10分間
放電時:定電流放電、56mA、2.0Vカットオフ
休止時間:10分間
表3に本実施例の電極を用いた電池と従来の構成の電極を用いた電池のサイクル特性およびX線CT(Computerized Tomography)によって観察した極板のうねりの有無の結果を示す。比較例5の電池においては、50サイクルにおいてサイクル初期からの容量維持率が81%に低下した。一方、本実施例の電極用いた電池においては、50サイクル時には容量維持率が98%と容量の低下はほとんど見られず、100サイクルでも容量維持率が97%程度であった。
Figure 2007035297
これは、比較例5の電極においては、Si酸化物薄膜にLiが吸蔵される際に膜厚が13μmから26μmに増加し、体積が200%膨張するにもかかわらず、それを吸収できる空間が無いため、集電体の粗面化Cu箔に応力がかかり、充放電サイクルを繰り返すことで粗面化Cu箔の断裂が発生し急激な容量低下が発生した。
また、比較例6の電極においては、活物質層とセパレーターの間に中間層を設けたことによってSi酸化物薄膜にLiが吸蔵される際の体積が膨張を吸収する空間が存在する。しかし、電極群の中央部と周辺部では極板に加わる圧力に差が生じる為空間にムラが生じ、不均一なLi吸蔵・放出反応が生じやすい。充放電を50サイクル行った後に比較例6の電池を分解し極板を観察したところ負極側の粗面化Cu箔に皺が見られ、Li吸蔵・放出反応の不均一化によって容量低下が発生したと考えられる。
一方、本実施例3の電極においては、Si酸化物の体積膨張による応力が集電体にかかった際に、注液によって粗面化Cu箔間の中間層が溶出した際に形成された空間が潰れることによって応力が緩和される。また、充放電条件によっては、Si酸化物の体積膨張が段階的に発生する可能性もあるが、Si酸化物の体積膨張による圧力に応じて粗面化Cu箔間の空間が潰れることによって、Si酸化物薄膜の表面とセパレーターが常に接した状態で保たれるため、サイクルの初期から安定した特性が得られる。また、注液時にこの中間層が不均一に溶出した場合でも、Si酸化物の体積膨張による圧力によって集電体間から中間層が押し出される方向に力が加わるため、溶媒による溶出が促進されるため、集電体にかかる応力が緩和される。
これらのことから、本実施例3における電極によって、Liの吸蔵・放出による膨張収縮が大きいSi酸化物薄膜を負極活物質として用いた場合であっても、サイクル特性に優れた高容量のリチウムイオン二次電池を実現可能であることが分かる。また、重合度が10から100のポリカーボネートオリゴマーを中間層として使用することにより、ECを用いた場合よりも柔軟性が出るため極板の取り扱いが一層容易になる。
なお、本実施例1〜3においては、電解液としてエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒を用いたが、これに限定されるものではなく、プロピレンカーボネートあるいはγ−ブチルラクトンと、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートの混合溶媒を用いてもよい。
また、本実施例1〜3においては、中間層としてECおよびポリカーボネートオリゴマーを用いたが、これに限定されるものではなく、重合度が10から100のエチレンアクリル酸共重合体オリゴマー、エチレンメタクリル酸共重合体オリゴマー、エチレンメタクリル酸メチル共重合体オリゴマー、ポリエステルオリゴマー、ポリカプロラクトンオリゴマー、ポリビニルアルコールオリゴマーを用いてもよい。
また、中間層を形成する方法としてスピンコート用いたが、これに限定されるものではなく、ダイコート法、ロールコート法を用いても同様の効果が得られる。
また、本実施例1〜3においては、負極活物質としてSi酸化物薄膜を用いたがこれに限定されるものではなく、非晶質Si薄膜あるいは、主にAl、Si、Sn、PbおよびInの何れかを含む金属薄膜あるいはそれらの硫化物薄膜あるいは、WSi、TiSi、SbSi等の合金薄膜を用いてもよい。
また、本実施例1〜3においては、正極活物質としてLiCoOを用いたがこれに限定されるものではなく、LiNiO、LiMnを用いてもよい。
本発明により、高容量であり、かつ充放電特性とサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することが可能となる。またリチウムイオン二次電池に限らず、活物質その他が充放電に伴って膨張収縮するような他の電池系はもちろんのこと、広く他の電気化学素子にも適用することができる。
本発明の実施の形態1における電極の概略断面図 従来の構成の電極の概略断面図 本発明の実施例1における捲回型電極群の概略図 本発明の実施例2における積層型池リチウムイオン二次電池の概略断面図
符号の説明
1,20 負極板
2 正極板
3 セパレーター
4 ラミネートフィルム
11,21 シート状の薄膜
12,22 負極活物質
13 中間層
14 集電体
31 正極集電体
32 正極活物質

Claims (7)

  1. 導電性を有し、厚さ方向に積層された複数のシート状薄膜と、
    前記積層された複数のシート状薄膜の間に設けた電解液と相溶する中間層と、
    を有する集電体。
  2. 前記シート状の薄膜は、表面粗さRaが0.1から3μmである金属箔である、
    請求項1に記載の集電体。
  3. 前記金属箔は、銅箔または銅合金箔である、
    請求項2に記載の集電体。
  4. 前記中間層は、融点が0℃以上200℃以下の有機モノマー、オリゴマーおよびそれらの重合体からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む、
    請求項1から3のいずれかに記載の集電体。
  5. 前記中間層は、融点が0℃以上200℃以下のカーボネートモノマー、カーボネートオリゴマーおよびそれらの重合体からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む、
    請求項1から3のいずれかに記載の集電体。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の集電体と、
    前記集電体の表面に形成され、Si、Si酸化物およびSi合金からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む活物質層と、
    を有するリチウムイオン二次電池用の電極。
  7. 請求項6に記載の電極からなる負極と、
    正極と、
    有機電解液と、
    を有するリチウムイオン二次電池。
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