JP2007035295A - 炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造方法、およびリチウムイオン電池用正極材料 - Google Patents

炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造方法、およびリチウムイオン電池用正極材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 リチウムイオン電池用の正極材料に好適な炭素−オリビン型リン酸鉄複合粒子を、簡易且つ効率的に生成できる製造方法と、該製造方法により得られた炭素−オリビン型リン酸鉄複合粒子を含有するリチウムイオン電池用の正極材料を提供する。
【解決手段】 炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造方法であって、(1)炭素−リン酸鉄複合体を沈殿により製造する工程、(2)上記炭素−リン酸鉄複合体とリン酸リチウムとを含有する共沈物を製造する工程、(3)上記共沈物を焼成する工程、を有することを特徴とする炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造方法である。

Description

本発明は、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造方法と、該複合粒子を含有するリチウムイオン電池用正極材料に関するものである。
リチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池)は、従来を上回る高エネルギー密度を有する新型電池として1991年に製品化され、現在、携帯電話、ノートパソコンなどの電子機器に不可欠な電源として市場の急拡大が続いている。しかし、負極材料、電解液の改良および開発などにより電池性能は向上されているが、正極材料としては、開発当初からの一貫して現在でも岩塩型のコバルト酸リチウム(LiCoO)が使われている。LiCoOを用いたリチウムイオン電池は、小型電池としての性能は優れているものの、原料のコバルトの埋蔵量が少ないために激しく価格変動することや、充電時に何らかの原因で内部短絡が生じた際に酸素が放出され電解液を燃焼、爆発させる危険性を有していることなどの問題を抱えている。そこで、安全で効果的な代替のリチウムイオン電池用の正極材料が求められている。
このような事情の下、原料の豊富な鉄系の材料が期待されており、特にオリビン型リン酸鉄リチウムは、LiCoOの上記問題を解決し得る次世代正極材料として注目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1など)。
ところで、通常のリチウムイオン電池の正極は、LiCoOなどの材料を活物質とし、これに正極における電子伝導性を高めるための炭素材料などの導電助剤と、これら活物質や導電助剤などを結着するためのバインダーとを有する正極合剤を成形したり、このような正極合剤の層(正極合剤層)を集電体となる導電性基体の片面または両面に形成したりすることで構成されている。
ところが、オリビン型リン酸鉄リチウムは電子伝導性が非常に低いため、単に導電助剤を共存させて正極を構成するだけでは不十分であり、優れた電池特性の確保が困難である。
そこで、オリビン型リン酸鉄リチウムを用いたリチウムイオン電池用の正極材料において、電子伝導性を高める技術が検討されている。
例えば、特許文献2には、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に、アスコルビン酸などの水溶性有機還元剤を混合し、更に炭素材料を添加した後、アルカリ溶液を混合して、リチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させ、これを焼成して、オリビン型リン酸鉄リチウムと炭素との複合体を得る製造方法が提案されている。そして、特許文献2には、このオリビン型リン酸鉄リチウムと炭素の複合体では、オリビン型リン酸鉄リチウム粒子の表面に付着している炭素粒子によって電子伝導性が向上するので、オリビン型リン酸鉄リチウム単体よりも電子伝導性が良好である旨記載されている。
また、特許文献3には、オリビン型リン酸鉄リチウムの1次粒子と、炭素などの電子伝導性物質とで2次粒子を構成し、これを正極材料に用いる技術が開示されており、該正極材料の製造方法として、Li、Fe、P、および炭素などの電子伝導物質または電子伝導物質の前駆体(有機化合物)を含む溶液や懸濁液を噴霧し、加熱する方法が提案されている。
特許第3484003号公報 特開2002−117831号公報 特開2004−14340号公報 「Hydrothermal synthesis of lithium iron phosphate cathodes」,Electrochemistry Communication,2002年,第3号,p.505−508
ところが、本発明者の検討によると、特許文献2に開示の製造方法では、オリビン型リン酸鉄リチウム自体を良好に合成できないことが判明した。
また、特許文献3に開示の製造方法では、噴霧装置といった特殊な装置が必要になるため、オリビン型リン酸鉄リチウムを含有する正極材料を、簡易に製造できる方法とは言い難い。
このように、オリビン型リン酸鉄リチウムを他の材料との複合化することで電子伝導性を向上させた正極材料の従来の製造方法は、いずれも簡便なものではなく、特に量産化を達成するためには、より簡易且つ効率的な製造方法の確立が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リチウムイオン電池用の正極材料に好適な炭素−オリビン型リン酸鉄複合粒子を、簡易且つ効率的に生成できる製造方法と、該製造方法により得られた炭素−オリビン型リン酸鉄複合粒子を含有するリチウムイオン電池用の正極材料を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造方法は、(1)炭素−リン酸鉄複合体を沈殿により製造する工程、(2)上記炭素−リン酸鉄複合体とリン酸リチウムとを含有する共沈物を製造する工程、および(3)上記共沈物を焼成する工程、を有することを特徴としている。
また、本発明の製造方法により得られる炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子と、該炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子由来の炭素以外の炭素材料を0.1〜30質量%含有するリチウムイオン電池用正極材料も、本発明に包含される。
本発明によれば、リチウムイオン電池用の正極材料として好適な炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子を、簡易且つ効率的に製造できる。また、本発明の製造方法により得られる炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子、および該複合粒子を含有する本発明のリチウムイオン電池用正極材料は、電池特性の良好なリチウムイオン電池を構成できる。
オリビン型リン酸鉄リチウムを有するリチウムイオン電池用正極材料において、その電子伝導性を向上させるには、オリビン型リン酸鉄リチウムと、導電助剤として機能する炭素とが、均一に混合されていることが要求される。本発明の製造方法では、簡便な手法によってオリビン型リン酸鉄リチウムの合成と炭素との複合化を同時に達成し、均一性を高めた炭素−オリビン型リン酸鉄リチウムの製造を可能とした。
オリビン型リン酸鉄リチウムの主な合成方法としては、例えば、特許文献1に記載されているように原料化合物を混合して焼成する固相法や、非特許文献1に記載されているように原料化合物と水の混合物を耐圧容器内で加熱する水熱法が知られている。また、特許文献2は、上記の通り、原料化合物と還元剤を含有する混合水溶液にアルカリ溶液を加えて共沈物を得、この共沈物を焼成する共沈法が記載されている。
しかしながら、上記固相法では、焼成前の原料化合物の混合の際に、組成を均一化するための長時間のミリング工程が必要である。また、上記水熱法では、一部の原料化合物を、理論的に必要とされるよりもかなり過剰に添加する必要がある。そして、特許文献2に開示の共沈法では、上記の通り、本発明者の検討によると、オリビン型リン酸鉄リチウムの合成自体が困難である。
そこで、本発明では、上記(1)および(2)の工程によって、2段階の反応により炭素を含む前駆体を共沈物として得、この前駆体を(3)の工程において焼成することにより、炭素が均一に複合化した炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子を、簡易な設備で効率的に製造することに成功した。以下、本発明法について詳細に説明する。
本発明法における(1)の工程は、炭素−リン酸鉄複合体を沈殿により製造する工程である。具体的には、例えば、炭素材料を分散した水相中に、リン酸、および2価の鉄を含有する化合物を有する水溶液を添加し、その後これを水溶性塩基によって中和することで、炭素−リン酸鉄複合体を沈殿させる。
(1)の工程で使用する炭素材料としては、粉末状またはその分散液であれば特に制限は無いが、導電性の良いものの方が好ましい。具体的には、例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、ランプブラックなど)、黒鉛、グラファイトなどが挙げられる。また、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノワイヤー、カーボンナノコイルなどの形状異方性を有する炭素材料(ある程度のアスペクト比を有する繊維類似の形状を有する炭素材料)も炭素材料として使用できる。これらの中でも、電池材料として使用されることの多いアセチレンブラックやケッチェンブラックが特に好ましい。(1)の工程においては、炭素材料の水分散液中における炭素材料の含有量を、例えば、0.1〜30質量%とすることが好ましい。
リン酸としては、オルトリン酸が好ましい。また、リン酸は、そのまま使用しても良いが、水溶液の形態で使用することが好ましい。水溶液とする場合の濃度は、例えば、5〜85質量%であることが好ましい。
なお、炭素材料を水中に分散させるに当たっては、公知の分散剤を用いて、炭素材料の分散性を高めることが好ましい。分散剤には、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが使用でき、特に制限はないが、(3)の工程における焼成後に炭素のみが残存し、不要成分が残らないことから、ノニオン界面活性剤が特に好ましい。分散剤の使用量としては、水中に炭素材料が良好に分散できれば良いが、例えば、炭素材料100質量部に対して、分散剤を、0.1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であって、100質量部以下、より好ましくは10質量部以下用いることが望ましい。
また、予め分散剤を分散したカーボンブラックペーストなどや、表面処理により分散性を高めたカーボンブラックなどを使用しても構わない。
2価の鉄を含有する化合物を有する水溶液に使用する鉄化合物としては、2価の鉄を含有しており、且つ水溶性であれば特に制限は無いが、水溶性を有する2価鉄塩の種類は少なく、硫酸第一鉄(硫酸第一鉄7水塩など)が工業的に入手し易いものとして挙げられる。なお、通常は、2価の鉄を含む化合物を原材料として、オリビン型リン酸鉄リチウム合成を大気中で行うと、鉄が2価から3価に酸化してしまうため、このような場合には、焼成前の前駆体の合成を、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うか、または最終の焼成工程において、水素などの還元性ガス雰囲気下で焼成を行い、鉄を還元する必要がある。しかし、本発明法の(1)の工程では、炭素の共存下でリン酸と2価の鉄を含有する化合物との反応を行うことから、鉄の酸化が防止される。そのため、(1)の工程は大気中で行うことができ、また、(3)の工程においても、焼成を還元性ガス雰囲気下で行う必要が無い(還元性ガス雰囲気下での焼成を排除している訳ではない)。
2価の鉄を含有する化合物を有する水溶液中の該化合物の濃度は、例えば、1〜50質量%であることが好ましい。
また、中和に用いる水溶性塩基としては、例えば、NaOH、KOHなどのアルカリ金属の水酸化物;アンモニア;各種アミン;などが挙げられる。これらの水溶性塩基は、例えば、濃度が1〜50質量%程度の水溶液として使用することが好ましい。中和時に使用する水溶性塩基の量としては、水溶性塩基添加後における沈殿物を含む反応液のpHが7.0〜12.0となるようにすればよい。
なお、最終的に得られる炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子における不純物量を減らして、オリビン型リン酸鉄リチウムを良好に生成する観点から、(1)の工程により得られる炭素−リン酸鉄複合体においては、FeとPの含有比が、モル比で、Fe:1.0に対して、Pが、0.3以上、より好ましくは0.5以上であって、3.0以下、より好ましくは1.0以下であることが好ましい。また、本発明法で得られる炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子においては、炭素含有量が、0.1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であって、50質量%以下、より好ましくは25質量%以下であることが望ましい(詳しくは後述する)。そのため、(1)の工程においては、炭素−リン酸複合体におけるFeとPの含有比が上記好適値を満足し、また、最終的に得られる炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子における炭素含有量が上記好適値となるように、炭素材料、リン酸、および2価の鉄を含有する化合物の使用比率を調整することが好ましい。
(1)の工程では、反応液の温度を0〜80℃とすることが好ましい。また、(1)の工程では、水溶性塩基で中和することにより沈澱物を得るが、沈殿物(炭素−リン酸鉄複合体)の微粒化および均一化の観点から、炭素材料を含有する分散液にリン酸と2価の鉄を含有する化合物を有する水溶液を添加して得られた液を十分に撹拌しながら、水溶性塩基(好ましくはその水溶液)を1〜60分程度の時間をかけて滴下し、その後5〜60分撹拌を続けることが好ましい。沈澱生成には、リン酸、2価の鉄を含有する化合物を有する水溶液、および水溶性塩基の滴下順序を変えたり、同時滴下を行うことも可能である。
(1)の工程において、反応液中に生成している炭素−リン酸鉄複合体の沈殿物は、ろ過するなどして取り出し、次の(2)の工程に供する。なお、不純物が多く含まれているような場合には、ろ過ケーキの水洗とろ過を繰り返してもよい。
(1)の工程で得られる炭素−リン酸鉄複合体は、上記のように、予め炭素材料を分散させた水中でリン酸鉄を生成させる方法を採用することで、例えば、リン酸鉄が炭素材料の表面を被覆するように付着した構造をとっているものと推測される。ただし、一般にカーボンブラックの粒子はストラクチャーを形成し、通常の分散では粒子の一つ一つに単分散されないため、炭素材料にカーボンブラックを用いた炭素−リン酸鉄複合体は、実際には、カーボンブラックのストラクチャーを核とした複合沈殿物を形成しているものと予想される。また、リン酸鉄の量によっては、炭素材料(カーボンブラック)の表面の全てを覆うことはできず、その一部が露出しているものと考えられる。
本発明法における(2)の工程は、(1)の工程で得られた炭素−リン酸鉄複合体と、リン酸リチウムとを含有する共沈物を製造する工程である。(2)の工程としては、例えば、以下の(2−1)の工程または(2−2)の工程が挙げられる。
(2−1)の工程では、まず、(1)の工程で得られた炭素−リン酸鉄複合体を、好ましくは分散剤を含有する水中に添加し、所定時間(例えば、1〜60分程度)撹拌して、炭素−リン酸鉄複合体が均一分散したスラリーを得る。そして、上記スラリーに、リン酸を添加し、更にリチウム化合物含有水溶液を添加して、炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を生成させる。
炭素−リン酸鉄複合体を水に分散させるに当たっては、好ましくは、予め分散剤を添加しておいた水を用意し、これを撹拌しながら炭素−リン酸鉄複合体を徐々に添加していく方法を採用することが好ましい。分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが使用でき、特に制限はないが、(3)の工程における焼成後に炭素のみが残存し、不要成分が残らないことから、ノニオン界面活性剤が特に好ましい。
水中の炭素−リン酸鉄複合体の含有量は、例えば、1〜50質量%であることが好ましい。また、分散剤の使用量としては、水中に炭素−リン酸鉄複合体が良好に分散できれば良いが、例えば、炭素−リン酸鉄複合体100質量部に対して、分散剤を、0.1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であって、100質量部以下、より好ましくは10質量部以下用いることが望ましい。
(2−1)の工程で使用するリン酸としては、(1)の工程と同様にオルトリン酸が好ましい。また、リン酸はそのまま用いても良いが、水溶液の形態で使用することが好ましい。水溶液とする場合の濃度は、例えば、5〜85質量%であることが好ましい。
(2−1)の工程で使用するリチウム化合物含有水溶液に係るリチウム化合物としては、水溶性のものであれば特に制限はないが、水酸化リチウムが特に好適である。また、リチウム化合物として水酸化リチウムを使用する場合におけるリチウム化合物含有水溶液中の水酸化リチウムの濃度は、例えば、0.1〜17質量%であることが好ましい。
(2−1)の工程では、反応液の温度を0〜80℃とすることが好ましい。また、(2−1)の工程では、炭素−リン酸鉄複合体およびリン酸が存在する水中にリチウム化合物含有水溶液を添加することにより共沈物を得るが、該共沈物の微粒化および均一化の観点から、炭素−リン酸鉄複合体とリン酸が存在する水を十分に撹拌しながら、リチウム化合物含有水溶液を1〜60分程度の時間で滴下し、その後5〜60分撹拌を続けることが好ましい。更に、共沈物の生成には、リン酸とリチウム化合物含有水溶液の滴下順序を変えたり、リン酸とリチウム化合物含有水溶液の同時滴下を行うことも可能である。
(2−2)の工程では、リン酸とリチウム化合物含有水溶液を混合してリン酸リチウム沈殿物を生成させ、この水中に、(1)の工程で得られた炭素−リン酸鉄複合体を添加し、撹拌などにより均一に分散させることによって、炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得る。なお、(2−2)の工程では、予め炭素材料を分散させた水相中に、リン酸とリチウム化合物含有水溶液を混合し、その後に(1)の工程で得られた炭素−リン酸鉄複合体を添加しても構わない。炭素材料には、(1)の工程において例示した各種のものが使用でき、アセチレンブラックやケッチェンブラックが特に好ましい。
(2−2)の工程に係るリン酸やリチウム化合物含有水溶液は、(2−1)の工程で使用できるものと同じものを用い得る。また、(1)の工程で得られた炭素−リン酸鉄複合体を添加する前の反応液中に、分散剤を添加しておくことが好ましい。分散剤には(2−1)の工程と同じものが使用でき、その使用量も(2−1)の工程と同様とすることが好ましい。
また、(2−2)の工程において、予め炭素材料を分散させた水を用いる場合には、この水中に分散剤を添加しておくことが好ましい。分散剤には、(2−1)の工程と同じものが使用できる。また、その使用量は、例えば、予め添加しておく炭素材料とその後に添加する炭素−リン酸鉄複合体の合計量100質量部に対して、0.1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であって、100質量部以下、より好ましくは10質量部以下とすることが望ましい。
(2−2)の工程では、反応液の温度を0〜80℃とすることが好ましい。また、(2−2)の工程では、リン酸とリチウム化合物含有水溶液を混合することにより沈澱物(リン酸リチウム沈殿物)を得るが、リン酸リチウム沈殿物の微粒化および均一化の観点から、例えば、リン酸を水溶液の形態で用い、このリン酸水溶液を十分に撹拌しながら、リチウム化合物含有水溶液を1〜60分程度の時間で滴下し、更に炭素−リン酸鉄複合体を加えた後、5〜60分撹拌を続けることが望ましい。また、リン酸リチウム沈殿物の生成には、リチウム化合物含有水溶液中にリン酸(好ましくはリン酸水溶液)を滴下したり、水中にリン酸(好ましくはリン酸水溶液)とリチウム化合物含有水溶液との同時滴下を行うことも可能である。
(2−1)の工程、(2−2)の工程のいずれにおいても、炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物生成時における反応液のpHは、7.0以上、より好ましくは9.0以上であって、12.0以下、より好ましくは11.0以下であることが望ましい。
(2−1)の工程、(2−2)の工程のいずれにおいても、炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の生成後は、例えばろ過などにより、黒色の共沈物を反応液から取り出す。
取り出した共沈物は、乾燥機などを用いて乾燥させる。乾燥の方法、条件については、共沈物中の水分を除去できるのであれば特に制限はない。共沈物中の鉄の酸化抑制の観点からは、より低温で、窒素ガスなどの不活性ガス中で乾燥させたり、減圧乾燥により乾燥させたりすることが好ましいとも考えられるが、本発明法に係る炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の場合には、大気中で熱風乾燥機などを用いて乾燥させた場合でも鉄の酸化の問題は殆ど生じず、後の(3)の工程において、鉄の還元の必要なしにオリビン型リン酸鉄リチウムを生成することができる。例えば、熱風乾燥機による乾燥の場合には、40〜90℃の熱風で、5〜24時間程度乾燥させればよい。
(2−1)の工程で得られる炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物は、例えば、リン酸リチウムが、炭素−リン酸鉄複合体の表面を覆うように付着した構造をとっているものと推測される。また、(2−2)の工程のうち、予め炭素材料を分散させた水中にリン酸水溶液およびリチウム化合物含有水溶液を添加する方法を採用して得られる炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物では、例えば、炭素−リン酸鉄リチウム複合体と、リン酸リチウムが表面に付着した炭素材料とが共存しているものと推測される。なお、上記のように、カーボンブラックの粒子はストラクチャーを形成しているものと考えられるため、炭素材料にカーボンブラックを用いた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物では、実際には、カーボンブラックのストラクチャーを核とした複合共沈物を形成しているものと考えられ、このカーボンブラックのストラクチャーによる核が、(3)の工程を経て得られる炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子における導電パスを形成し、その電子伝導性を高めているものと推測される。また、導入するリン酸リチウムの量によっては、炭素−リン酸鉄複合体や炭素材料の表面の全てを覆うことはできず、その一部が露出しているものと考えられる。
本発明法の(3)の工程は、(2)の工程で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を焼成して、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を製造する工程である。
(3)の工程における焼成温度としては、例えば、350〜900℃とすることが好ましい。焼成温度が低すぎると、オリビン型リン酸鉄リチウムが生成し難くなることがあり、高すぎると、一部に分解が生じることがある。焼成は、例えば、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。上述したように、本発明法では、焼成時に鉄を3価から2価に還元する必要が無いため、水素ガスなどの還元性ガスの雰囲気下で焼成しなくてもよいからである。ただし、上記の通り、還元性ガス雰囲気下での焼成を排除している訳ではなく、還元性ガス雰囲気下で焼成を行っても構わない。
(3)の工程における焼成時間は、例えば、3〜24時間とすることが好ましい。また、(3)の工程における焼成を、窒素ガス雰囲気下で実施する場合には、窒素ガスの流量を、例えば炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物1g当たり0.1〜50L/分とすることが好ましい。
また、必要に応じて、焼成前の炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物や、焼成後に得られた炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子を、粉砕したり圧縮成形したりすることもできる。
炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子では、その含有元素のうち、Li、FeおよびPの含有比が、モル比で、Fe:1.0に対して、Li:0.5以上、より好ましくは0.8以上であって、1.5以下、より好ましくは1.2以下、およびP:0.5以上、より好ましくは0.8以上であって、1.5以下、より好ましくは1.2以下であることが望ましい。このような含有比であれば、複合粒子中の不純物量が少なく、これを正極材料として用いた電池の電池特性を良好にすることができる。なお、本発明法ではほぼ理論当量通りに反応が進行するため、(1)および(2)の工程で各原料化合物の使用比率を調整することで、複合粒子中の上記含有比を制御することができる。
また、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子では、炭素含有量が、0.1質量%以上、50質量%以下であることが好ましい。炭素含有量が少なすぎると、電子伝導性向上効果が小さくなることがあり、多すぎると、オリビン型リン酸鉄リチウム含有量が少なくなるため、これを正極材料に用いた電池の容量を高めることが困難になることがある。なお、上記複合粒子を用いた電池の充放電特性向上や、複合粒子の嵩密度の点からは、炭素含有量は、5質量%以上であることがより好ましく、また、25質量%以下であることがより好ましい。
本発明法では、各工程での反応は、下記(1)〜(3)式のように進むものと考えられる。なお、下記(1)式が(1)の工程、(2)式が(2)の工程、(3)式が(3)の工程での反応を示している。なお、下記(1)〜(3)式では、使用する原料化合物については、一例を示しているに過ぎず、本発明法は、これらの原料化合物を使用する場合に限定される訳ではない。
3FeSO・7HO+2HPO+6NaOH
→ Fe(PO・8HO↓+3NaSO+2HO (1)
Fe(PO・8HO↓+3LiOH・HO+HPO
→ Fe(PO・8HO↓+LiPO↓+2HO (2)
Fe(PO・8HO+LiPO → 3LiFePO (3)
このように、本発明法では、炭素―リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を、上記(1)式、および上記(2)式の2段階で製造するため、2価の鉄を含有する化合物中に含まれる不純物や、炭素−リン酸鉄複合体に含まれる副生物[硫酸第一鉄を用いた場合には、ボウショウ(硫酸ナトリウム)、硫酸アンモニウムなど]を除去するには、上記(1)式の後[すなわち、(1)の工程の後]で水洗を行えばよい。このような水洗を行っても、リチウム化合物の溶出が生じることはなく、各元素のモル比が変わることはないため、最終共沈物[(2)の工程で得られる共沈物]中のLi、FeおよびPのモル比を容易に制御することができ、また、過剰のリチウム化合物の使用も不要であるため、安価に製造可能で効率的である。更に、本発明法では、理論当量近傍での反応が可能である点でも効率的である。また、複雑な工程もなく、例えば、炭素材料(カーボンブラック)を均一分散するに際しても、ボールミルなどの特別な装置が不要であり、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子を簡易に製造することができる。
ちなみに、上述の水熱法や、本発明法以外の公知の共沈法では、リチウム源となるリチウム含有化合物が、理論必要量よりも過剰に使用されている例も多い。硫酸第一鉄7水塩、リン酸、水酸化リチウムを使用した水熱法、共沈法などの溶液法においては、下記(4)式に示す一段の沈殿で沈殿物を得、これを焼成してオリビン型リン酸鉄リチウムとしている。
3FeSO・7HO+3HPO+9LiOH・H
→ Fe(PO・8HO↓+LiPO↓+3LiSO (4)
この反応で得られた沈殿物はFe(PO・8HOとLiPOが主成分であり、焼成後にオリビン型リン酸鉄リチウムとするには、理論モル比はFe(PO・8HO:LiPO=1:1である。しかし、単純なろ過では若干のLiSOが含まれてくるので、それを除去するため、沈殿物(共沈物)を水洗する必要がある。不純物が混入すると最終的に得られるオリビン型リン酸鉄リチウムの充放電試験時の容量低下の原因となることが予想され、不純物はできる限り除去することが望ましい。しかし、LiPOあるいは沈殿に含まれるLi分は、水洗により溶解するため、不純物除去に際し、モル比が理論値よりずれることが問題となる。
これに対し、本発明法では、上記の通り、炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の生成を2段階の反応で行っているため、1段階目の反応後に不純物除去のための水洗を行っても、その時点ではリチウム含有化合物が共存していないことから、水洗によるリチウム含有化合物の減量がなく、理論当量近傍での反応が可能である。
また、上記の特許文献2に記載されているオリビン型リン酸鉄リチウムの製造方法も、一旦沈殿物を生成し、これを焼成する方法であるが、この沈殿物の生成反応では、下記(5)式による反応を推測していると考えられる。
3FeSO・7HO+3HPO+3LiOH・HO+nNaOH
→ Fe(PO・8HO↓+LiPO↓+3NaSO (5)
しかし、本発明者の検討によると、特許文献2に記載の方法では、Li分が沈殿物に含まれず、焼成後には、オリビン型リン酸鉄リチウムが得られなかった(詳しくは、後記の実施例で述べる)。これは、次の(6)式の反応が生じているからであると予想される。
3FeSO・7HO+3HPO+3LiOH・HO+nNaOH
→ Fe(PO・8HO↓+3LiSO+NaPO (6)
すなわち、上記(6)式で示すように、Li分は水溶性の硫酸リチウムを形成しており、沈殿物中に含まれなかったため、この沈殿物を焼成してもオリビン型リン酸鉄リチウムが生成しなかったものと考えられる。
本発明法によって得られる炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子は、オリビン型リン酸鉄リチウムの有する特性を備えつつ、その電子伝導性も高められており、リチウムイオン電池用の正極材料(正極活物質)として使用することができる。本発明法に係る炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子を用いてリチウムイオン電池用の正極を構成するには、例えば、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子を、そのまま活物質として用い、その他については従来公知の正極と同様に、バインダーや、必要に応じて更に炭素材料などの導電助剤を含有する正極合剤の成形体とすればよい。また、必要に応じて、これらの正極合剤を、集電体となる導電性基体の片面または両面に、正極合剤層として形成しても構わない。
更に、本発明法に係る炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子と、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム由来の炭素以外の炭素材料とを含有する本発明のリチウムイオン電池用正極材料を構成してもよく、この正極材料にバインダーなどを添加して正極合剤とし、これによりリチウムイオン電池用の正極を構成してもよい。上記正極材料に用い得る炭素材料としては、例えば、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造に用いた上記例示の各種炭素材料[各種カーボンブラック;形状異方性を有する各種炭素材料(ある程度のアスペクト比を有する繊維類似の形状を有する炭素材料);]などが挙げられる。特に上記例示の形状異方性を有する炭素材料の場合には、その形状から、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子相互の導電パスを良好に形成できるため、電子伝導性をより高めることが可能であり、これを用いたリチウムイオン電池の充放電特性をより向上させることができる。
炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子と炭素材料とを含有するリチウムイオン電池用正極材料においては、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子由来の炭素以外の炭素材料の含有量を、例えば、0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であって、30質量%以下、より好ましくは20質量%以下とすることが望ましい。炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子由来の炭素以外の炭素材料の含有量が低すぎると、該炭素材料を使用することによる効果が小さくなることがある。また、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子由来の炭素以外の炭素材料の含有量が高すぎると、正極中で活物質として作用するオリビン型リン酸鉄リチウム量が低下することになるため、これを用いたリチウムイオン電池の容量の低下を引き起こすことがある。また、特に上記の形状異方性を有する炭素材料の場合には、比表面積が比較的小さいため、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子由来の炭素以外の炭素材料の含有量が高すぎると、リン酸鉄リチウムとの接触点が少なくなることもある。
本発明法に係る炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子、および本発明の正極材料を用いたリチウムイオン電池用の正極を用いてリチウムイオン電池を構成する際には、負極、セパレータ、非水電解液、外装体などの各種構成については特に制限はなく、従来公知のリチウムイオン電池と同様の構成を採用することができる。
携帯電話、パソコンなどの小型機器の電源用途では、その性能の高さからリチウムイオン電池の使用が拡大され続けているが、今後、自動車、産業用車両などの大型機器への用途へ展開するには、価格や安全性がネックとなっている。安全性の高いオリビン型リン酸鉄リチウムを用い、本発明法によって簡易かつ効率的に製造することにより、低コスト化も達成して、リチウムイオン電池が大型機器への用途へ急速に展開されるものと予想される。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、下記実施例および比較例において使用した試薬については、特に言及のない限り、林純薬工業製の特級グレード品を使用した。
<実験1> 炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造
実施例1[アセチレンブラック:オリビン型リン酸鉄リチウム=20:80(質量比)の複合粒子の製造]
(1−1)炭素−リン酸鉄複合体の合成
2Lのセパラブルフラスコにイオン交換水650cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]2.0gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]20.0gを加え、15分間撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、予めイオン交換水430cmに85%リン酸53.1gと硫酸第一鉄7水和物192.1gを溶解させた水溶液を上記カーボンブラック分散液に添加し、10分間撹拌した。さらに30%苛性ソーダ水溶液184.3gを上記カーボンブラック分散液に添加し、15分間撹拌後ろ過することにより、炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(1−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
2Lセパラブルフラスコにイオン交換水500cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]2.0gを添加後、(1−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体全量を入れ、15分間撹拌して炭素−リン酸鉄複合体分散液とした。その後、上記炭素−リン酸鉄複合体分散液に、85%リン酸25.6gを添加し、更に予めイオン交換水165cmに水酸化リチウム1水和物29.0gを溶解させた水溶液を添加して10分間撹拌し、その後ろ過することによって炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは10.0であった。
(1−3)乾燥および焼成
(1−2)で得られた共沈物を40℃真空乾燥機にて1晩乾燥した。この一部を20%塩酸中に入れて加熱溶解させ、ろ過により不溶分を除去し、その後ろ液を希釈して塩酸の濃度を1質量%に調整し、ICP発光分析(セイコー電子工業株式会社製「SPS−1200A」)により、濃度調整後のろ液中の共沈物の各成分の比(モル比)を算出したところ、Li:Fe:P=1:1:1であることが確認できた。さらに、上記乾燥後の共沈物の残りを、窒素気流中で、600℃、5時間の条件で焼成し、その後簡易式カッターミルにて粉砕して炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子を得た。なお、上記複合粒子を粉末X線回折装置(フィリップス社「全自動粉末X線回折装置PW1830型およびPW3710型」)を用いて、対陰極Cu(Niフィルター)、管球電圧40kV、電流20mAの条件でX線回折測定を行い、得られた回折図から、結晶性成分の大部分がオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであることを確認した。また、上記複合粒子を、全自動元素分析装置[エレメンタール社製「vario ELIII(商品名)」]を用いて元素分析し、複合粒子中に炭素分が20.2質量%含まれていることを確認した。
実施例2[アセチレンブラック:オリビン型リン酸鉄リチウム=20:80(質量比)の複合粒子の製造]
(2−1) 炭素−リン酸鉄複合体の合成
2Lのセパラブルフラスコにイオン交換水300cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]1.0gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]10.0gを加え、15分間撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、予めイオン交換水430cmに85%リン酸53.1gと硫酸第一鉄7水和物192.1gを溶解させた水溶液を上記カーボンブラック分散液に添加し、10分間撹拌した。さらに30%苛性ソーダ水溶液184.3gを上記カーボンブラック分散液に添加し、15分間撹拌後ろ過することにより、炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(2−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
2Lセパラブルフラスコにイオン交換水500cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]2.0gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]10.0gを入れ、15分撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、上記カーボンブラック分散液に、85%リン酸25.6gを添加し、更に予めイオン交換水165cmに水酸化リチウム1水和物29.0gを溶解させた水溶液を添加して10分間撹拌し、次に(2−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体全量を入れて10分間撹拌した。その後、この反応液をろ過することによって炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは9.0であった。
(2−3)乾燥および焼成
(2−2)で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物について、実施例1と同様にして乾燥、分析および焼成を行い、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を得た。なお、上記共沈物中の各成分の比(モル比)は、Li:Fe:P=1:1:1であり、焼成後の複合粒子の結晶性成分の大部分はオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであり、複合粒子中には炭素分が20.5質量%含まれていた。
実施例3[アセチレンブラック:オリビン型リン酸鉄リチウム=50:50(質量比)の複合粒子の製造]
(3−1)炭素−リン酸鉄複合体の合成
2Lのセパラブルフラスコにイオン交換水500cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]1.5gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]15gを加え、15分間撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、予めイオン交換水80cmに85%リン酸10.0gと硫酸第一鉄7水和物36.0gを溶解させた水溶液を上記カーボンブラック分散液に添加し、10分間撹拌した。さらに30%苛性ソーダ水溶液34.7gを上記カーボンブラック分散液に添加し、15分間撹拌後ろ過することにより、炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(3−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
2Lセパラブルフラスコにイオン交換水500cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]1.5gを添加後、(3−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体全量を入れ、15分間撹拌して炭素−リン酸鉄複合体分散液とした。その後、上記炭素−リン酸鉄複合体分散液に、85%リン酸5.0gを添加し、更に予めイオン交換水30.4cmに水酸化リチウム1水和物5.4gを溶解させた水溶液を添加して10分間撹拌し、その後ろ過することによって炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは10.5であった。
(3−3)乾燥および焼成
(3−2)で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物について、実施例1と同様にして乾燥させた。この一部を1%塩酸中に入れて加熱溶解させ、ろ過により不溶分を除去した後に、ICP発光分析(セイコー電子工業株式会社製「SPS−1200A」)により、ろ液中の共沈物の各成分の比(モル比)を算出したところ、Li:Fe:P=1:1:1であることが確認できた。また、上記乾燥後の共沈物の残りについて、実施例1と同様にして焼成を行い、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を得た。なお、上記複合粒子について、実施例1と同様の分析を行ったところ、複合粒子の結晶性成分の大部分はオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであり、複合粒子中には炭素分が49.9質量%含まれていた。
実施例4[アセチレンブラック:オリビン型リン酸鉄リチウム=50:50(質量比)の複合粒子の製造]
(4−1)炭素−リン酸鉄複合体の合成
2Lのセパラブルフラスコにイオン交換水250cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]0.8gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]7.5gを加え、15分間撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、予めイオン交換水80cmに85%リン酸10.0gと硫酸第一鉄7水和物36.0gを溶解させた水溶液を上記カーボンブラック分散液に添加し、10分間撹拌した。さらに30%苛性ソーダ水溶液34.7gを上記カーボンブラック分散液に添加し、15分間撹拌後ろ過することにより、炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(4−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
2Lセパラブルフラスコにイオン交換水500cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]1.5gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]7.5gを入れ、15分撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、上記カーボンブラック分散液に、85%リン酸5.0gを添加し、更に予めイオン交換水30.4cmに水酸化リチウム1水和物5.4gを溶解させた水溶液を添加して10分間撹拌し、次に(4−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体全量を入れて10分間撹拌した。その後、この反応液をろ過することによって炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは9.8であった。
(4−3)乾燥および焼成
(4−2)で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物について、実施例1と同様にして乾燥、分析および焼成を行い、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を得た。なお、上記共沈物中の各成分の比(モル比)は、Li:Fe:P=1:1:1であり、焼成後の複合粒子の結晶性成分の大部分はオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであり、複合粒子中には炭素分が50.1質量%含まれていた。
実施例5[アセチレンブラック:カーボンナノファイバー:オリビン型リン酸鉄リチウム=19:1:80(質量比)の複合粒子の製造]
(5−1)炭素−リン酸鉄複合体の合成
2Lのセパラブルフラスコにイオン交換水650cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]2.0gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]19.0gおよびカーボンナノファイバー[昭和電工社製「VGCF(商品名)」]1.0gを加え、15分間撹拌して炭素材料分散液とした。その後、予めイオン交換水430cmに85%リン酸53.1gと硫酸第一鉄7水和物192.1gを溶解させた水溶液を上記炭素材料分散液に添加し、10分間撹拌した。さらに30%苛性ソーダ水溶液184.3gを上記炭素材料分散液に添加し、15分間撹拌後ろ過することにより、炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(5−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
2Lセパラブルフラスコにイオン交換水500cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]2.0gを添加後、(5−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体全量を入れ、15分間撹拌して炭素−リン酸鉄複合体分散液とした。その後、上記炭素−リン酸鉄複合体分散液に、85%リン酸25.6gを添加し、更に予めイオン交換水165cmに水酸化リチウム1水和物29.0gを溶解させた水溶液を添加して10分間撹拌し、その後ろ過することによって炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは10.0であった。
(5−3)乾燥および焼成
(5−2)で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物について、実施例1と同様にして乾燥、分析および焼成を行い、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を得た。なお、上記共沈物中の各成分の比(モル比)は、Li:Fe:P=1:1:1であり、焼成後の複合粒子の結晶性成分の大部分はオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであり、複合粒子中には炭素分が20.2質量%含まれていた。
実施例6[アセチレンブラック:カーボンナノファイバー:オリビン型リン酸鉄リチウム=14:6:80(質量比)の複合粒子の製造]
(6−1)炭素−リン酸鉄複合体の合成
アセチレンブラック粉末の使用量を14.0gとし、カーボンナノファイバーの使用量を6.0gとした他は、実施例5と同様にして炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(6−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
(6−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体を用いる他は、実施例5と同様にして炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは10.0であった。
(6−3)乾燥および焼成
(6−2)で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物について、実施例1と同様にして乾燥、分析および焼成を行い、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を得た。なお、上記共沈物中の各成分の比(モル比)は、Li:Fe:P=1:1:1であり、焼成後の複合粒子の結晶性成分の大部分はオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであり、複合粒子中には炭素分が20.0質量%含まれていた。
実施例7[アセチレンブラック:オリビン型リン酸鉄リチウム=60:40(質量比)の複合粒子の製造]
(7−1)炭素−リン酸鉄複合体の合成
2Lのセパラブルフラスコにイオン交換水750cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]2.5gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]22.5gを加え、15分間撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、予めイオン交換水80cmに85%リン酸10.0gと硫酸第一鉄7水和物36.0gを溶解させた水溶液を上記カーボンブラック分散液に添加し、10分間撹拌した。さらに30%苛性ソーダ水溶液34.7gを上記カーボンブラック分散液に添加し、15分間撹拌後ろ過することにより、炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(7−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
2Lセパラブルフラスコにイオン交換水500cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]2.5gを添加後、(7−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体全量を入れ、15分間撹拌して炭素−リン酸鉄複合体分散液とした。その後、上記炭素−リン酸鉄複合体分散液に、85%リン酸5.0gを添加し、更に予めイオン交換水30.4cmに水酸化リチウム1水和物5.4gを溶解させた水溶液を添加して10分間撹拌し、その後ろ過することによって炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは10.3であった。
(7−3)乾燥および焼成
(7−2)で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物について、実施例1と同様にして乾燥、分析および焼成を行い、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を得た。なお、上記共沈物中の各成分の比(モル比)は、Li:Fe:P=1:1:1であり、焼成後の複合粒子の結晶性成分の大部分はオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであり、複合粒子中には炭素分が60.2質量%含まれていた。
実施例8[アセチレンブラック:カーボンナノファイバー:オリビン型リン酸鉄リチウム=12:8:80(質量比)の複合粒子の製造]
(8−1)炭素−リン酸鉄の合成
アセチレンブラック粉末の使用量を12.0gとし、カーボンナノファイバーの使用量を8.0gとした他は、実施例5と同様にして炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(8−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
(8−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体を用いる他は、実施例5と同様にして炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは10.1であった。
(8−3)乾燥および焼成
(8−2)で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物について、実施例1と同様にして乾燥、分析および焼成を行い、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を得た。なお、上記共沈物中の各成分の比(モル比)は、Li:Fe:P=1:1:1であり、焼成後の複合粒子の結晶性成分の大部分はオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであり、複合粒子中には炭素分が19.9質量%含まれていた。
実施例9[アセチレンブラック:オリビン型リン酸鉄リチウム=5:95(質量比)の複合粒子の製造]
(9−1)炭素−リン酸鉄複合体の合成
2Lのセパラブルフラスコにイオン交換水200cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]0.5gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]5.0gを加え、15分間撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、予めイオン交換水500cmに85%リン酸63.1gと硫酸第一鉄7水和物228.1gを溶解させた水溶液を上記カーボンブラック分散液に添加し、10分間撹拌した。さらに30%苛性ソーダ水溶液218.8gを上記カーボンブラック分散液に添加し、15分間撹拌後ろ過することにより、炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(9−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
2Lセパラブルフラスコにイオン交換水500cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]0.5gを添加後、(9−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体全量を入れ、15分間撹拌して炭素−リン酸鉄複合体分散液とした。その後、上記炭素−リン酸鉄複合体分散液に、85%リン酸31.5gを添加し、更に予めイオン交換水195cmに水酸化リチウム1水和物34.4gを溶解させた水溶液を添加して10分間撹拌し、その後ろ過することによって炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは10.0であった。
(9−3)乾燥および焼成
(9−2)で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物について、実施例1と同様にして乾燥、分析および焼成を行い、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を得た。なお、上記共沈物中の各成分の比(モル比)は、Li:Fe:P=1:1:1であり、焼成後の複合粒子の結晶性成分の大部分はオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであり、複合粒子中には炭素分が5.1質量%含まれていた。
実施例10[アセチレンブラック:オリビン型リン酸鉄リチウム=5:95(質量比)の複合粒子の製造]
(10−1)炭素−リン酸鉄複合体の合成
2Lのセパラブルフラスコにイオン交換水200cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]0.25gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]2.5gを加え、15分間撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、予めイオン交換水500cmに85%リン酸63.1gと硫酸第一鉄7水和物228.1gを溶解させた水溶液を上記カーボンブラック分散液に添加し、10分間撹拌した。さらに30%苛性ソーダ水溶液218.8gを上記カーボンブラック分散液に添加し、15分間撹拌後ろ過することにより、炭素−リン酸鉄複合体を得た。
(10−2)炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物の合成
2Lセパラブルフラスコにイオン交換水500cmを入れ、ノニオン界面活性剤[花王株式会社製「エマルゲン MS−110(商品名)」]0.25gを添加後、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]2.5gを入れ、15分撹拌してカーボンブラック分散液とした。その後、上記カーボンブラック分散液に、85%リン酸31.5gを添加し、更に予めイオン交換水195cmに水酸化リチウム1水和物34.4gを溶解させた水溶液を添加して10分間撹拌し、次に(10−1)で得られた炭素−リン酸鉄複合体全量を入れて10分間撹拌した。その後、この反応液をろ過することによって炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは9.0であった。
(10−3)乾燥および焼成
(10−2)で得られた炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物について、実施例1と同様にして乾燥、分析および焼成を行い、炭素−オリビン型リン酸リチウム複合粒子を得た。なお、上記共沈物中の各成分の比(モル比)は、Li:Fe:P=1:1:1であり、焼成後の複合粒子の結晶性成分の大部分はオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであり、複合粒子中には炭素分が5.1質量%含まれていた。
比較例1
比較例1では、特許文献2に開示されているオリビン型リン酸鉄リチウム合成法(共沈法)によって、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造を行った。
2Lのセパラブルフラスコにイオン交換水472.4cmと85%リン酸95.6gを入れ、10体積%希釈リン酸水溶液を調製した。このリン酸水溶液に、LiとFeのモル比が1:1となるように、硫酸第一鉄7水和物192.1gと水酸化リチウム1水和物29.0gとを添加し、溶解させて混合液を調製した。この混合液に、アスコルビン酸7.9g(混合液の1質量%分)を添加し、10分間撹拌した。次に、混合液に、アセトン4.0ml(混合液の0.5体積%分)を添加し、更にアセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」]10gを添加して1分間撹拌し、更に濃度1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を滴下して10分間撹拌後、ろ過することにより共沈物を得た。共沈物生成後の反応液のpHは10.0であった。
上記の共沈物を40℃真空乾燥機にて1晩乾燥した。これを1%塩酸中に入れて加熱溶解させ、ろ過により不溶分を除去した後に、ICP発光分析(セイコー電子工業株式会社製「SPS−1200A」)により、ろ液中の共沈物の各成分の比(モル比)を算出したところ、Li:Fe:P=0.01:1:0.8であり、共沈物中にLiが殆ど含まれていないことが分かった。この共沈物を焼成しても、オリビン型リン酸鉄リチウムは生成しないことが明らかであるため、その後の操作を中止した。
比較例2
比較例2では、非特許文献1に開示されているオリビン型リン酸鉄リチウム合成法(水熱法)によって、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造を行った。
窒素パージした2Lセパラブルフラスコに、イオン交換水427.5cmに85%リン酸91.6gと硫酸第一鉄7水和物192.1gを溶解させた水溶液を入れ、10分間撹拌した。この水溶液中に、予めイオン交換水525.2cmに水酸化リチウム1水和物92.7gを溶解させた水溶液を1分間で添加した。すなわち、比較例2では、各原料化合物の仕込み比(モル比)が、LiとFeとPとの比で、Li:Fe:P=3:1:1であり、水酸化リチウム1水和物を理論的な必要量よりもかなり過剰に使用した。水酸化リチウム水溶液添加後の水溶液のpHは、7.60であった。この水溶液を直ちにParr反応器に移し、120℃で5時間反応させた後冷却した。その後反応器内の反応液をろ過して、淡緑色の沈澱生成物を得た。
上記の沈澱生成物を40℃、2時間乾燥機にて乾燥した。この一部を1%塩酸中に入れて加熱溶解させ、ろ過により不溶分を除去した後に、ICP発光分析(セイコー電子工業株式会社製「SPS−1200A」)により、ろ液中の共沈物の各成分の比(モル比)を算出したところ、Li:Fe:P=0.9:1:1であることが確認できた。さらに、上記乾燥後の沈殿生成物の残りを、窒素気流中で、600℃、5時間の条件で焼成した。得られた焼成物とアセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」]を、アセチレンブッラク分が20.0体積%となるように、遊星ボールミル(レチェ社製「PM−100型」)を用いて20時間混合し、焼成物とアセチレンブラックとの混合物を得た。この混合物について、実施例1と同様にX線回折測定を行い、得られた回折図から、結晶性成分の大部分がオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであるが、一部LiFe(POが含まれていることを確認した。また、上記混合物について、実施例1と同様にして元素分析し、混合物中に炭素分が20.3質量%含まれていることを確認した。
比較例3
比較例3では、オリビン型リン酸鉄リチウムの合成法として従来公知の固相法によって、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造を行った。
リン酸第一鉄八水和物[Fe(PO・8HO]とリン酸リチウム(LiPO)とを、リチウムと鉄との元素比率が1:1となるように混合し、これに、アセチレンブラック[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」]を、焼成後の炭素分が20.0質量%となるように加え、乾式で遊星ボールミル(レチェ社製「PM−100型」)を用いて20時間混合した。得られた混合物を、窒素気流中で、600℃、5時間の条件で焼成し、得られた焼成物を簡易式カッターミルにて粉砕して複合粒子を得た。得られた複合粒子について、実施例1と同様にX線回折測定を行い、得られた回折図から、結晶性成分の大部分がオリビン型リン酸鉄リチウムLiFePOであることを確認した。また、上記複合粒子について、実施例1と同様にして元素分析し、複合粒子中に炭素分が20.1質量%含まれていることを確認した。
以上のように、特許文献2に開示の共沈法を利用した比較例1では、オリビン型リン酸鉄リチウムが良好に合成できなかった。非特許文献1に開示の水熱法を利用した比較例2では、水酸化リチウム1水和物を過剰に使用する必要があり、また、不純物として3価の鉄を含有するリン酸鉄リチウムが生成するなど、非効率であった。さらに比較例2では、Parr反応設備の必要もあった。固相法を利用した比較例3では、オリビン型リン酸鉄リチウムを生成させるための焼成前の段階で、原料化合物の混合物の均一性を高めるための操作(遊星ボールミルでの混合)に長い時間を要し、非効率であった。
これに対し、実施例1〜10の製造方法では、原料化合物の一部を過剰に使用する必要がなく、特殊な装置を使用したり、原料化合物の混合などに長時間を要したりする必要もなく、炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子を良好に製造することができた。よって、実施例1〜10の製造方法は、比較例1〜3の製造方法に比べて、簡易且つ効率的であるといえる。
<実験2> 炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子と、該複合粒子由来の炭素以外の炭素材料を含有するリチウムイオン電池用正極材料の製造
実施例11
実施例9で作成した炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子[アセチレンブラック:オリビン型リン酸鉄リチウム=5:95(質量比)]と、アセチレンブラック粉末[電気化学社製「デンカブラック(商品名)」、粒子径35nm]とを、乾式で、遊星ボールミル(レチェ社製「PM−100型」)を用いて20時間混合して、リチウムイオン電極用正極材料を得た。なお、上記の混合は、複合粒子由来の炭素以外の炭素材料(アセチレンブラック)の含有量が20.0質量%となるようにした。
<実験3> リチウムイオン電池の製造
実施例1〜8の炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子、および実施例11のリチウムイオン電池用正極材料を使用した正極を有するリチウムイオン電池を作製して、これらの材料が有効に機能することを確認した。
実施例1〜8の炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子、または実施例11のリチウムイオン電池用正極材料20mgと、結着剤[デュポン社製「テフロン6−J(商品名)]2mgを乳鉢上で混練し、約1cm角のフィルム状にしてニッケル線メッシュにのせ、1tの圧力で5分間加圧して、ワーキング電極(正極)を得た。
アルゴン置換したグローブボックス内で、ニッケル線メッシュに金属リチウム箔を押し付けて固定させたものを2本作り、これらを対極および参照電極とした。電解液(LiClOを1mol/lの濃度で溶解させた炭酸プロピレン溶液)30mlをビーカー式三極セルに入れ、上記のワーキング電極、対極および参照電極を取り付けて、試験用セル(リチウムイオン電池)を構成した。
上記の試験用セルについて、低電流ガルバノスタット(北斗電工社製「HZ−3000」)を用いて充放電試験を行った。試験は、LiClOに対して30mA/gの電流密度で、電圧の上限を4.3Vに設定して行い、正極活物質であるオリビン型リン酸鉄リチウム1g当たりの放電容量(mAh/g)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2007035295
表1から分かるように、実施例1〜8の複合粒子、および実施例11の正極材料は、リチウムイオン電池用の正極材料として良好に機能している。なお、アセチレンブラック含有量の多い実施例7の複合粒子に比べて、実施例1〜6および8の複合粒子、並びに実施例11の正極材料では、正極の成形が容易であった。

Claims (10)

  1. 炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造方法であって、
    (1)炭素−リン酸鉄複合体を沈殿により製造する工程、
    (2)上記炭素−リン酸鉄複合体とリン酸リチウムとを含有する共沈物を製造する工程、
    (3)上記共沈物を焼成する工程、
    を有することを特徴とする炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の製造方法。
  2. 上記(2)の工程において、上記(1)の工程で得られた炭素−リン酸鉄複合体を水中に均一分散させ、その後該水中に、リン酸を添加し、更にリチウム化合物含有水溶液を添加することによって炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得る請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記(2)の工程において、リン酸とリチウム化合物含有水溶液を混合してリン酸リチウム沈殿物を生成させた水中に、上記(1)の工程で得られた炭素−リン酸鉄複合体を添加して均一に分散させることにより炭素−リン酸鉄−リン酸リチウム共沈物を得る請求項1に記載の製造方法。
  4. 炭素材料を分散させた水中に、リン酸とリチウム化合物含有水溶液を混合し、更に上記(1)の工程で得られた炭素−リン酸鉄複合体を添加する請求項3に記載の製造方法。
  5. 上記(1)の工程において、炭素材料を分散させた水中に、リン酸、および2価の鉄を含有する化合物を有する水溶液を添加し、その後水溶性塩基で中和することにより炭素−リン酸鉄複合体沈殿物を得る請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 上記炭素−リン酸鉄複合体の含有元素のうち、FeとPとの含有比が、モル比で、Fe:1.0に対してP:0.3〜3.0である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 上記(3)の工程において、焼成温度を350〜900℃とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 上記(1)、(2)および(3)の工程を経て得られる炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子の含有元素のうち、Li、FeおよびPの含有比が、モル比で、Fe:1.0に対して、Li:0.5〜1.5、およびP:0.5〜1.5である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 上記(1)、(2)および(3)の工程を経て得られる炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子中の炭素含有量が、0.1〜50質量%である請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子と、該炭素−オリビン型リン酸鉄リチウム複合粒子由来の炭素以外の炭素材料を0.1〜30質量%含有することを特徴とするリチウムイオン電池用正極材料。
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