JP2007033953A - 露光装置 - Google Patents

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悟 戸川
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Abstract

【課題】
様々な状況に応じてマスクを安定して保持できる露光装置を提供する
【解決手段】
マスク保持部MHを基板保持部WHから離隔させるように動作させると、薄いマスクMは、間に介在する気体の圧力と慣性によりその中央が下方にたわむように変形する。そこで、マスク保持部MHの移動に応じて正圧ポンプP+から気体(空気)を供給し、ノズルNのノズル孔NAを介して吐出させる。その空気の圧力により、マスクMの中央下面が上方に押し上げられるように変形し、より安定した状態でのマスクMの移動が実現できる。又、ノズルNのノズル孔NAを介して吐出された気体は、基板W又は基板保持部WHに近接する壁WLによりシールされ、すなわちノズルから吐出した気体が外方に漏れ出ることが抑制されているので、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の大型のフラットパネルディスプレイの基板上にマスクのマスクパターンを分割逐次露光方式で近接(プロキシミティ)露光転写するのに好適な露光装置に関する。
大型の薄形テレビ等に用いられる液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の大型のフラットパネルディスプレイは、基板上にマスクのパターンを分割逐次露光方式で近接露光転写することで製造される。従来のこの種の分割逐次露光装置としては、例えば、被露光材としての基板より小さいマスクを用い、該マスクをマスクステージで保持すると共に基板をワークステージで保持して両者を近接して対向配置し、この状態でワークステージをマスクに対してステップ移動させて各ステップ毎にマスク側から基板にパターン露光用の光を照射することにより、マスクに描かれた複数のマスクパターンを基板上に露光転写して一枚の基板に複数のディスプレイ等を作成するようにしたものが知られている。
ところで、近接露光転写を行う場合の1つの問題は、マスクの厚さがその面積に対して薄いので、マスクの移動時に慣性や気圧の変化に起因する撓みが生じやすいということである。従って、撓みが収まるまで露光動作を行うことができず、露光工程に時間がかかる恐れがある。
これに対し、特許文献1に示す露光装置においては、複数のエアー孔から加圧された空気を吐出させ、マスクを浮上させることで、マスクの安定保持を実現している。
特開2000−173898号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、様々な状況に対して必ずしもマスクを安定して保持することができないという問題がある。
そこで本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、様々な状況に応じてマスクを安定して保持できる露光装置を提供することを目的とする。
第1の本発明の露光装置は、パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間に気体を吐出するノズルと、前記ノズルより外側に配置され前記マスクの周囲を覆うシール手段とを有することを特徴とする。
本発明について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。図において、露光装置は、パターンを形成したマスクMを保持するマスク保持部MHと、その下方に平行に設けられ、基板Wを保持する基板保持部WHとを有し、図で上方に位置する不図示の光源からの光を、マスク保持部MHに形成された開口Aを介してマスクMに照射することにより、そのパターンを基板Wに露光するようになっている。
ここで、マスク保持部MHは、開口Aの周囲に複数の気体供給路SPを形成している。気体供給路SPの上端は、外部の正圧ポンプP+に接続されており、その下端は、ノズルNのノズル孔NAに接続されている。ノズルNのノズル孔NAの外方には、基板W又は基板保持部WHに近接する位置まで延在する壁WLが形成されている。壁WLがシール手段を構成する。
例えば、マスク保持部MHを基板保持部WHから離隔させるように動作させると、薄いマスクMは、間に介在する気体の圧力と慣性によりその中央が下方にたわむように変形する。そこで、図1にかかる例では、マスク保持部MHの移動に応じて正圧ポンプP+から気体(空気)を供給し、ノズルNのノズル孔NAを介して吐出させる。その空気の圧力により、マスクMの中央下面が上方に押し上げられるように変形し、より安定した状態でのマスクMの移動が実現できる。又、ノズルNのノズル孔NAを介して吐出された気体は、基板W又は基板保持部WHに近接する壁WLによりシールされ、すなわちノズルから吐出した気体が外方に漏れ出ることが抑制されているので、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
なお、シール手段としては、気体カーテンなどの非接触タイプでも良いし、接触式シールのようなものでも良いし、両者の組み合わせでも良い。更に、シール手段には部分的に切れ目があっても良い。
第2の本発明の露光装置は、パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間に気体を吐出する気体供給部を溝状とすることを特徴とする。
本発明について、図2を参照して説明する。図2(a)は、比較例として示す従来技術のマスク保持部の下面を示す図であり、図2(b)は、本発明の一例にかかる露光装置のマスク保持部の下面を示す図であり、図2(c)は、図2(b)の構成をIIC-IIC線で切断して矢印方向に見た図である。図1と同様に、本発明の一例にかかる露光装置は、パターンを形成したマスクMを保持するマスク保持部MHと、その下方に平行に設けられ、基板Wを保持する基板保持部WHとを有し、図で上方に位置する不図示の光源からの光を、マスク保持部MHに形成された開口Aを介してマスクMに照射することにより、そのパターンを基板Wに露光するようになっている。
ここで、図2(a)に示すように、マスク保持部MHにおいてマスクMの周囲に気体の吐出孔NAが周期的に配置された構成であると、隣接する吐出孔NAの間から、吐出された気体が外部に洩れだしてしまい、マスクMの下面の気体圧力を効果的に高めることができない。これに対し、図2(b)に示すように、マスク保持部MHにおいて、マスクMの周囲からマスクMと基板Wとの間に気体を吐出する気体供給部SGを、溝状(マスクMの周囲に連続的であると好ましいが、何カ所かで不連続でも良い)とすると、気体供給路SPを介して外部から供給された気体を気体供給部SGから吐出する際に、吐出された気体が外部に洩れだすことが抑制され、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
第3の本発明の露光装置は、パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間に気体を吐出する複数のノズルを設けており、少なくとも1つのノズルの気体吐出方向は、他のノズルの気体吐出方向に対して異なっていることを特徴とする。
本発明について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。図において、露光装置は、パターンを形成したマスクMを保持するマスク保持部MHと、その下方に平行に設けられ、基板Wを保持する基板保持部WHとを有し、図で上方に位置する不図示の光源からの光を、マスク保持部MHに形成された開口Aを介してマスクMに照射することにより、そのパターンを基板Wに露光するようになっている。
ここで、マスク保持部MHは、開口Aの周囲に複数の気体供給路SP1,SP2を形成している。気体供給路SP1,SP2の上端は、外部の正圧ポンプP+に接続されており、その下端はノズルN1,N2に接続されている。ノズルN1,N2は、内部が気体供給路SP1,SP2に連通した、開口Aを取り巻いてなる中空の部材からなり、それぞれノズル孔NA1,NA2を有している。図3に示すように、内側に配置されたノズルN1のノズル孔NA1は、マスクMと基板Wの間に内側に斜めに向いており、外側に配置されたノズルN2のノズル孔NA2は、基板Wに直交する方向に向いている。即ち、1つのノズルN1の気体吐出方向は、他のノズルN2の気体吐出方向に対して異なっている。
図3にかかる例では、マスク保持部MHの移動に応じて正圧ポンプP+から気体(空気)を供給し、ノズルN1のノズル孔NA1を介して吐出させる。その空気の圧力により、マスクMの中央下面が上方に押し上げられるように変形し、より安定した状態でのマスクMの移動が実現できる。同時に、ノズルN2のノズル孔NA2を介して吐出された気体は、基板Wに向かい、ここでエアーシールを形成するようになっており、すなわちノズルN1から吐出した気体が外方に漏れ出ることが抑制されるので、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
従って、前記少なくとも1つのノズルの気体吐出方向は、前記マスクの内側に向いており、前記他のノズルから吐出される気体によりシール効果を与えると好ましい。
第4の本発明の露光装置は、パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間に気体を吐出するノズルを設けており、前記ノズルの気体吐出方向は、前記マスクの外側に向いていることを特徴とする。
本発明について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。図において、露光装置は、パターンを形成したマスクMを保持するマスク保持部MHと、その下方に平行に設けられ、基板Wを保持する基板保持部WHとを有し、図で上方に位置する不図示の光源からの光を、マスク保持部MHに形成された開口Aを介してマスクMに照射することにより、そのパターンを基板Wに露光するようになっている。
例えば、マスク保持部MHを基板保持部WHに近接させるように動作させると、薄いマスクMは、間に介在する気体の圧力と慣性によりその中央が上方にたわむように変形する。そこで、図1にかかる例では、マスク保持部MHの移動に応じて正圧ポンプP+から気体(空気)を供給し、ノズルNのノズル孔NAを介して吐出させる。このとき、ノズルNのノズル孔NAは、マスクMに対して外方を向いているので、ノズルNから勢いよく吐出した気体が外方に向かうことで、マスクMと基板Wとの間に滞る気体を外方に排出することが促進され、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
第5の本発明の露光装置は、パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間の気体を吸引する吸気口と、前記ノズルより外側に配置され前記マスクの周囲を覆うシール手段とを有することを特徴とする。
本発明について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。図において、露光装置は、パターンを形成したマスクMを保持するマスク保持部MHと、その下方に平行に設けられ、基板Wを保持する基板保持部WHとを有し、図で上方に位置する不図示の光源からの光を、マスク保持部MHに形成された開口Aを介してマスクMに照射することにより、そのパターンを基板Wに露光するようになっている。
ここで、マスク保持部MHは、開口Aの周囲に複数の気体供給路SPを形成している。気体供給路SPの上端は、外部の負圧ポンプP−に接続されており、その下端は、部材Nの吸気口NAに接続されている。部材Nの吸気口NAの外方には、基板W又は基板保持部WHに近接する位置まで延在する壁WLが形成されている。壁WLがシール手段を構成する。
例えば、マスク保持部MHを基板保持部WHに近接させるように動作させると、薄いマスクMは、間に介在する気体の圧力と慣性によりその中央が上方にたわむように変形する。そこで、図5にかかる例では、マスク保持部MHの移動に応じて負圧ポンプP−により気体(空気)を吸引し、部材Nの吸気口NAを介して吸引する。即ち、吸気口NAを介してマスクMと基板Wとの間に介在する空気が吸引されるので、マスクMの中央の変形を抑えて、より安定した状態でのマスクMの移動が実現できる。又、基板W又は基板保持部WHに近接する壁WLによりシールされることで、外部からマスクMと基板Wとの間に気体が侵入することが抑制されるので、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
第6の本発明の露光装置は、パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
前記マスク又は前記基板には帯状の突起が設けられ、
更に、前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間の気体を吸引する吸気口が設けられていることを特徴とする。
本発明について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。図において、露光装置は、パターンを形成したマスクMを保持するマスク保持部MHと、その下方に平行に設けられ、基板Wを保持する基板保持部WHとを有し、図で上方に位置する不図示の光源からの光を、マスク保持部MHに形成された開口Aを介してマスクMに照射することにより、そのパターンを基板Wに露光するようになっている。
ここで、マスクMには、複数の気体通路MPが形成されている。1群の気体通路MPの上端は、外部の負圧ポンプP−に接続されており、その下端は、マスクMの下面で開放している。別の群の気体通路MPの上端は、外部の正圧ポンプP+に接続されており、その下端は、マスクMの下面で開放している。気体通路MPの外側において、マスクMの下面には連続する突起PJが形成されている。
例えば、マスク保持部MHを基板保持部WHに近接させるように動作させると、薄いマスクMは、間に介在する気体の圧力と慣性によりその中央が上方にたわむように変形する。そこで、図6にかかる例では、マスク保持部MHの移動に応じて負圧ポンプP−により気体(空気)を吸引し、気体通路MPを介して吸引する。それによりマスクMと基板Wとの間に介在する空気が吸引されるので、マスクMの中央の変形を抑えて、より安定した状態でのマスクMの移動が実現できる。又、連続してマスクMと基板Wとの間の空間を囲う突起PJによりシールされることで、外部からマスクMと基板Wとの間に気体が侵入することが抑制されるので、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
一方、マスク保持部MHを基板保持部WHに離隔させるように動作させると、薄いマスクMは、間に介在する気体の圧力と慣性によりその中央が下方にたわむように変形する。そこで、図6にかかる例では、マスク保持部MHの移動に応じて正圧ポンプP+により気体(空気)を供給し、気体通路MPを介して吐出する。それによりマスクMと基板Wとの間に空気を吐出するので、マスクMの中央の変形を抑えて、より安定した状態でのマスクMの移動が実現できる。又、連続してマスクMと基板Wとの間の空間を囲う突起PJによりシールされることで、マスクMと基板Wとの間から外部へと気体が洩れ出すことが抑制されるので、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
更に本発明について、図7,8を参照して説明する。図7は、本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。図8は、かかる露光装置に用いる基板Wの上面図である。図7において、露光装置は、パターンを形成したマスクMを保持するマスク保持部MHと、その下方に平行に設けられ、基板Wを保持する基板保持部WHとを有し、図で上方に位置する不図示の光源からの光を、マスク保持部MHに形成された開口Aを介してマスクMに照射することにより、そのパターンを基板Wに露光するようになっている。
ここで、マスクMには、複数の気体通路MPが形成されている。1群の気体通路MPの上端は、外部の負圧ポンプP−に接続されており、その下端は、マスクMの下面で開放している。別の群の気体通路MPの上端は、外部の正圧ポンプP+に接続されており、その下端は、マスクMの下面で開放している。気体通路MPの外側において、基板Wの上面には連続する突起PJが形成されている。
例えば、マスク保持部MHを基板保持部WHに近接させるように動作させると、薄いマスクMは、間に介在する気体の圧力と慣性によりその中央が上方にたわむように変形する。そこで、図7にかかる例では、マスク保持部MHの移動に応じて負圧ポンプP−により気体(空気)を吸引し、気体通路MPを介して吸引する。それによりマスクMと基板Wとの間に介在する空気が吸引されるので、マスクMの中央の変形を抑えて、より安定した状態でのマスクMの移動が実現できる。又、連続してマスクMと基板Wとの間の空間を囲う突起PJによりシールされることで、外部からマスクMと基板Wとの間に気体が侵入することが抑制されるので、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
一方、マスク保持部MHを基板保持部WHに離隔させるように動作させると、薄いマスクMは、間に介在する気体の圧力と慣性によりその中央が下方にたわむように変形する。そこで、図7にかかる例では、マスク保持部MHの移動に応じて正圧ポンプP+により気体(空気)を供給し、気体通路MPを介して吐出する。それによりマスクMと基板Wとの間に空気を吐出するので、マスクMの中央の変形を抑えて、より安定した状態でのマスクMの移動が実現できる。又、連続してマスクMと基板Wとの間の空間を囲う突起PJによりシールされることで、マスクMと基板Wとの間から外部へと気体が洩れ出すことが抑制されるので、マスクMの変形抑制効果を高めることができる。
前記マスクの上面側に圧力を与えることで前記マスクを変形させる変形手段が設けられていると好ましい。
前記変形手段は、前記マスクの上面に接する気体の圧力と、前記マスクの下面に接する気体の圧力との差圧を制御すると好ましい。
前記変形手段は、前記マスク保持部を変形させると好ましい。
本発明を、図9、10を参照して説明する。図9、10は、上述の発明と組み合わせて用いられると好適な変形手段を含む露光装置の一部を示す断面図である。図9において、マスクMを下面で保持するマスク保持部MHは、その上面に透明板PTを配置しており、従ってマスク保持部MHの開口MH1内の空間は密閉された状態となっている。更に、開口MH1内の空間は、外部へとのびる配管HによりバルブV+を介して正圧ポンプP+に接続され、また外部へとのびる配管HによりバルブV−を介して負圧ポンプP−に接続されている。バルブV+、V−及びポンプP+、P−が変形手段を構成し、これらは不図示の制御回路により、基板Wの歪みに応じて駆動される。
更に、図9、10において、マスク保持部MHの開口MH1の周縁は、角度付け可能となっている。開口MH1の周縁が、変形手段を構成する。
ここで、バルブV+を開放して、バルブV−を閉止すると、開口MH1内の空間内が正圧ポンプP+により加圧され、その圧力Piは、マスクMの下面の圧力Poよりも高くなる。従って、マスクMの上下面の圧力差により、マスクMは中央が下方にたわむように変形する。又、開口MH1の周縁を下方に向かうように傾けることで、同様にマスクMは中央が下方にたわむように変形する(9(a)参照)。
一方、バルブV−を開放して、バルブV+を閉止すると、開口MH1内の空間内が負圧ポンプP−により吸引され、その圧力Piは、マスクMの下面の圧力Poよりも低くなる。従って、マスクMの上下面の圧力差により、マスクMは中央が上方にたわむように変形する。又、開口MH1の周縁を下方に向かうように傾けることで、同様にマスクMは中央が上方にたわむように変形する(図9(b)参照)。
なお、マスクの厚さが0.9〜1mmであり、その寸法が700mmを超えると、本発明の効果をより発揮しやすい。更に、前記シール手段及び前記ノズルは、マスクのパターンの近傍外側に配置されると望ましい。
本発明により、様々な状況に応じてマスクを安定して保持できる露光装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図11は、本実施の形態にかかる露光装置の側面図である。図11において、本実施形態に係る露光装置100は、ベース112、基板ステージ114及びマスクステージ122を備えている。基板ステージ(基板保持部)114はベース112の上方に設けられており、ベース112と基板ステージ114との間には、基板ステージ114を上下方向に昇降駆動する基板ステージ昇降機構116、基板ステージ昇降機構116を介して基板ステージ114を揺動駆動する基板ステージチルト機構118、基板ステージチルト機構118及び基板ステージ昇降機構116を介して基板ステージ114を図中X軸方向とY軸方向(紙面に対して垂直な方向)に送り駆動する基板ステージ送り機構120が設けられている。
マスクステージ122はベース112の上面に立設された複数本の支柱124により基板ステージ114の上方に支持されており、マスクステージ122の下面には、プレート状のマスク保持部126が水平レベル調整用の間座128を介して取り付けられている。また、マスクステージ122は矩形状の開口窓122aを中央部に有しており、図示しない光源装置から出射された露光用の光はマスク保持部126に吸着保持されたマスクMに、上記開口窓122aを通して照射されるようになっている。
マスク保持部126は、マスクステージ122の開口窓122aを通過した光をマスクMに当てるための開口窓126aを有している。この開口窓126aはマスク保持部126の中央部に形成されている。
マスク保持部126は、間座128のボルト通し孔を挿通するマスクホルダ固定用ボルト(不図示)によりマスク保持部126の下面に取り付けられている。
図12は、本実施の形態にかかる露光装置の要部断面図である。図において、マスク保持部126は、開口窓126aの周囲に複数の気体供給路126b、126c、126dを形成している。気体供給路126b、126c、126dの上端は、外部のポンプP1,P2,P3に接続されている。ポンプP1,P2,P3は、それぞれ正圧ポンプとしても作用し、また負圧ポンプとしても作用する。
更に、気体供給路126b、126c、126dの下端は、ノズルN1,N2,N3に接続されている。ノズルN1,N2、N3は、内部が気体供給路126b、126c、126dに連通した、開口窓126aの周囲を取り巻いてなる中空の部材からなり、それぞれノズル孔NA1,NA2,NA3を有している。図12に示すように、内側に配置されたノズルN1のノズル孔NA1は、マスクMと基板Wの間に内側に斜めに向いており、中央に配置されたノズルN2のノズル孔NA2は、基板Wに直交する方向に向いており、外側に配置されたノズルN3のノズル孔NA3は、外側に斜めに向いている。即ち、3つのノズルの気体吐出方向は、それぞれ異なっている。
図13は、本実施の形態の露光装置100の制御回路を示すブロック図である。図13において、ギャップ制御部C1の主演算部は、ステージ制御装置C2よりPLCを介して制御され、監視回数や監視間隔などを含む制御データを読みとり、又、ギャップ検出器C3を介してマスクMと基板Wとのギャップを検出し、圧力検出器C4を介してマスクMと基板Wとの間の気体圧力を直接もしくは間接的に検出し、それらに基づいて気体圧力制御部を駆動制御し、フィードバック制御により、ポンプP1〜P3の圧力を制御する圧力調整弁C5を調整するようになっている。
次に、本実施の形態の動作について説明する。図14は、本実施の形態の露光装置において、基板Wを搬入し露光後に搬出するまでの工程を示す図である。まず、図14のステップS101において、不図示の搬送装置により基板Wを搬送し、基板ステージ114の上に載置する。ステップS102で、基板ステージ114をXY方向に移動する。続くステップS103で、基板ステージ114をZ方向に粗動する。更にステップS104で、マスク保持部126を微動させて、マスクMと基板Wとが露光に最適な位置関係となるようにするが、このときノズNA1,NA2,NA3から気体を吐出もしくは吸引する。
マスク保持部126を基板ステージ114に接近させるに当たっては、マスクMの中央部が上方に変形するため、ノズルN1から気体の吸引を行い、ノズルN2から気体の吐出を行うことでシール効果が得られるようにする。或いは、ノズルN1から気体の吸引を行い、ノズルN2から気体の吐出を行うことで、マスクMと基板Wとの間の気体を迅速に排出させるようにしても良い。
気圧制御によりマスクMが安定した状態で、ステップS105で露光を行う。露光後に、ステップS106で、マスク保持部126を基板ステージ114から遠ざける。このときノズNA1,NA2,NA3から気体を吐出もしくは吸引する。
マスク保持部126を基板ステージ114から遠ざけるに当たっては、マスクMの中央部が下方に変形するため、ノズルN1から気体の吐出を行い、ノズルN2から気体の吐出を行うことでシール効果が得られるようにする。
更にステップS107で基板ステージ114をZ方向に粗動させる。ステップS108で、同一基板Wにおける別の領域に露光を行うと判断した場合、ステップS102〜S107の工程を繰り返す。一方、同一基板Wにおける全ての領域で露光が完了したと判断した場合、ステップS109で基板Wを搬出する。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。 図2(a)は、比較例として示す従来技術のマスク保持部の下面を示す図であり、図2(b)は、本発明の一例にかかる露光装置のマスク保持部の下面を示す図であり、図2(c)は、図2(b)の構成をIIC-IIC線で切断して矢印方向に見た図である。 本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。 本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。 本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。 本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。 本発明の一例にかかる露光装置の要部断面図である。 かかる露光装置に用いる基板Wの上面図である。 本発明の一例にかかる露光装置の一部を示す断面図である。 本発明の一例にかかる露光装置の一部を示す断面図である。 本実施の形態にかかる露光装置の側面図である。 本実施の形態にかかる露光装置の要部断面図である。 本実施の形態の露光装置100の制御回路を示すブロック図である。 本実施の形態の露光装置において、基板Wを搬入し露光後に搬出するまでの工程を示す図である。
符号の説明
100 露光装置
112 ベース
114 基板ステージ
116 基板ステージ昇降機構
118 基板ステージチルト機構
120 基板ステージ送り機構
122 マスクステージ
122a 開口窓
124 支柱
126 マスク保持部
126a 開口窓
126b 気体供給路
128 間座
A 開口
C1 ギャップ制御部
C2 ステージ制御装置
C3 ギャップ検出器
C4 圧力検出器
C5 圧力調整弁
H 配管
M マスク
MH マスク保持部
MH1 開口
MP 気体通路
N ノズル
N1 ノズル
N2 ノズル
N3 ノズル
NA ノズル孔
NA 吐出孔
NA 吸気口
NA1 ノズル孔
NA2 ノズル孔
NA3 ノズル孔
P ポンプ
P+ 正圧ポンプ
Pー 負圧ポンプ
P1〜P3 ポンプ
PJ 突起
PT 透明板
SG 気体供給部
SP 気体供給路
SP1,SP2 気体供給路
V バルブ
W 基板
WH 基板保持部
WL 壁

Claims (10)

  1. パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
    前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間に気体を吐出するノズルと、前記ノズルより外側に配置され前記マスクの周囲を覆うシール手段とを有することを特徴とする露光装置。
  2. パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
    前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間に気体を吐出する気体供給部を溝状とすることを特徴とする露光装置。
  3. パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
    前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間に気体を吐出する複数のノズルを設けており、少なくとも1つのノズルの気体吐出方向は、他のノズルの気体吐出方向に対して異なっていることを特徴とする露光装置。
  4. 前記少なくとも1つのノズルの気体吐出方向は、前記マスクの内側に向いており、前記他のノズルから吐出される気体によりシール効果を与えることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
    前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間に気体を吐出するノズルを設けており、前記ノズルの気体吐出方向は、前記マスクの外側に向いていることを特徴とする露光装置。
  6. パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
    前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間の気体を吸引する吸気口と、前記ノズルより外側に配置され前記マスクの周囲を覆うシール手段とを有することを特徴とする露光装置。
  7. パターンを形成したマスクを保持するマスク保持部と、基板を保持する基板保持部とを有し、光源からの光を前記マスクに照射することにより、前記パターンを前記基板に露光する露光装置において、
    前記マスク又は前記基板には帯状の突起が設けられ、
    更に、前記マスクの周囲から前記マスクと前記基板との間の気体を吸引する吸気口が設けられていることを特徴とする露光装置。
  8. 前記マスクの上面側に圧力を与えることで前記マスクを変形させる変形手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の露光装置。
  9. 前記変形手段は、前記マスクの上面に接する気体の圧力と、前記マスクの下面に接する気体の圧力との差圧を制御することを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
  10. 前記変形手段は、前記マスク保持部を変形させることを特徴とする請求項8に記載の露光装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102043349A (zh) * 2009-10-19 2011-05-04 株式会社村田制作所 曝光装置及曝光方法
JP2012177817A (ja) * 2011-02-28 2012-09-13 Hitachi High-Technologies Corp 露光装置

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