JP2007033635A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

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Hironori Shirato
博紀 白戸
Shinji Tadaki
進二 只木
Toshiaki Yoshihara
敏明 吉原
Tetsuya Makino
哲也 牧野
Yoshinori Kiyota
芳則 清田
Keiichi Betsui
圭一 別井
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Abstract

【課題】 液晶表示素子を低温保存したときに生じる液晶材料の発泡を防止する。
【解決手段】 液晶表示素子の一対の基板間の間隙を規定し、両基板を接着するスペーサ部、周辺シール部に線膨張係数の大きな感光性材料を使用して、ポストベーク後にこの感光性材料のガラス転移点以上で加熱して一対の基板を貼り合わせ、低温時のスペーサ部、周辺シール部の追従性を向上させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示素子とその製造方法に関し、さらに詳細には、液晶表示素子の一対の基板間に配置されて、この一対の基板間隔を規定するスペーサ部と、一対の基板の周辺部を接着して一対の基板を封止する周辺シール部とに接着性のある感光性材料を使用した液晶表示素子およびその製造方法に関する。
液晶表示素子では、液晶を封止する2枚の基板間の間隙を均一に保つことが表示品質を確保する上で重要である。そのために、基板間の周辺部や表示領域に微小なスペーサを複数設けて、2枚の基板間の間隙を保持する構成が採用されている。その方法の1つとして、特許2504111号公報には、スペーサ材及び基板の周辺を封止するシール材に接着性のある感光性樹脂を用い、フォトリソグラフィ手法によって所望の形状のスペーサ部およびシール部を一方の基板に形成し、その後、2枚の基板を押圧し、感光性樹脂のガラス転移点あるいはその近傍まで加熱して、両基板を固着する方法が開示されている。
しかしながら、上記公報に記載された液晶表示素子の作成順序は、ITO膜による画素電極、SiO2による絶縁層等を基板に成形した後に、ポリイミド製の配向膜をスピンコートにより塗布し、180℃で1時間焼成し、焼成された配向膜をラビング処理し、その後、ポジ型フォトレジストをスピンコートにより塗布し、フォトリソグラフィの手法で、上記スペーサ部とシール部を形成し、そして、これらスペーサ部、シール部を形成した基板と対向する基板とを位置合わせし、パネル内を減圧した状態で一対の基板をポジ型フォトレジストのガラス転移点、またはその近傍まで加熱する。
特許2504111号公報。
上記の公報に記載の作成順序では、配向膜を形成してラビング処理した後に、感光性材料を用いて、スペーサ部およびシール部をフォトリソグラフィ手法で形成する。このフォトリソグラフィ手法では、光照射した箇所の感光性材料をアルカリ性現像液を使用して除去するので、感光性材料が除去された箇所の配向膜は、アルカリ現像液の影響を受け、ラビングの効果が減少する。このラビングの効果が不充分であると、液晶材料が充分に配向出来ず、その結果、表示画像のコントラストの低下などが生じて、液晶表示素子の画質が劣化するという問題点があった。
さらに、上記公報には、液晶表示素子や、液晶表示素子を使用した装置が、低温下で保存される場合の問題点については、記載がない。即ち、液晶表示素子を低温下で保持した場合に、相対的に線膨張係数の大きな液晶材料の体積減少に、線膨張係数の小さなスペーサ部やシール部の変形が対応出来ず、封入された液晶中に発泡現象が生じ、この低温下で生じた発泡は、液晶表示素子、装置が室温に戻っても、消失することがないので、この発泡が生じた箇所の画素では表示が出来ず、表示品質を著しく劣化されるという問題があった。
そこで、本発明は、上記配向膜のラビング効果の劣化を起こさず、且つ、低温での発泡現象を減少させて、高品質の表示が可能な液晶表示素子およびその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、感光性材料でスペーサ部、周辺シール部の形成と配向膜へのラビング処理する順序に特徴を有するとともに、この感光性材料に線膨張係数が大きなものを使用することを特徴とする。
具体的には、本発明の液晶表示素子は、一対の基板の対向する各々の面に形成された電極と配向膜と、前記一対の基板間に配置されるスペーサ部と、前記一対の基板間に充填される液晶材料を封止するために、前記一対の基板の周辺部に配置される周辺シール部と、封止された前記一対の基板間に液晶材料とを有するものであって、前記スペーサ部と前記周辺シール部とは、感光性材料からなり、前記スペーサ部と前記周辺シール部とは前記一対の基板のいずれか一方に形成され、前記スペーサ部と前記周辺シール部を形成した後に配向膜をラビング処理し、前記一対の基板を加圧、加熱して前記スペーサ部と前記周辺シール部とで前記一対の基板を接着して形成された前記一対の基板間に前記液晶材料を封入したことを有することを特徴とする。
ここで、スペーサ部、周辺シール部は一方の基板に設けてもよく、スペーサ部と周辺シール部を各々別の基板に設けてもよい。
また、前記感光性材料の線膨張係数が150ppm以上であることを特徴とすることを要旨とした。この線膨張係数は液晶表示素子が、より低温保存に耐えるためには、さらには300ppm以上が好ましい。
さらに、前記加熱は、前記感光性材料層の感光性材料のガラス転移点より高く、前記配向膜のガラス転移点より低い温度で行なわれることを特徴とすることを要旨とした。
このように、配向膜をスペーサ部や周辺シール部を形成した後に形成しラビングするので、感光性材料をフォトリソグラフィで形成する際のアルカリ性現像液等でラビングの効果が劣化することを回避でき、かつ、線膨張係数が大きな感光性材料を使用したので、低温での発泡現象を避けることを可能にする効果を有し、さらには、配向膜のガラス転移点より低い温度であって且つ感光性材料のガラス転移点より高い温度で、基板を接着するための加熱を行うので、ラビング処理された配向膜への影響を少なくして、前記スペーサ部及び周辺シール部の感光性材料によって、一対の基板の接着が可能になり、高品質画像を表示する液晶表示素子を提供できる。
さらに、液晶表示素子の製造方法において、基板上の感光性材料層をプリベークする工程と、前記プリベークされた感光性材料層を所定のマスクを用いて露光し現像して、スペーサ部と周辺シール部とを形成する工程と、前記形成されたスペーサ部と前記周辺シール部とをポストベークする工程と、前記基板のポストベークされたスペーサ部と前記周辺シール部と有する面、および該面に対向して配置される他方の基板の面に配向膜を各々形成してラビングする工程と、前記ラビングされた面を対向させ、前記各々の基板を加圧し、加熱して、前記基板を前記スペーサ部と前記周辺シール部とを介して接着する工程とを有することを要旨とした。また、前記基板を前記スペーサ部と前記周辺シール部とを介して接着する工程において、前記感光性材料層の感光性材料のガラス転移点より高く、前記配向膜のガラス転移点より低い温度で前記加熱を行うことを要旨とした。
この様な製造方法によって、上記液晶表示素子と同様に、配向膜をスペーサ部や周辺シール部を形成した後に形成しラビングするので、感光性材料から所望の形状のスペーサ部や周辺シール部をフォトリソグラフィで形成する際にアルカリ性現像液等で配向膜に施したラビングが劣化することを回避でき、かつ、線膨張係数が大きな感光性材料を使用したので、低温での発泡の発生を避けることを可能にする効果を有し、高品質画像を表示する液晶表示素子を提供できる。
さらに、スペーサ部、周辺シール部を形成した後に配向膜を形成し、ラビング処理してもよい。
本発明では、ラビング処理前に感光性材料によって、液晶表示素子間の間隙を規定するスペーサ部、周辺シール部を形成し、その後、配向膜を形成、ラビングするので、該ラビングが現像液等によって劣化することがなく、配向膜のガラス転移点以下の温度で接着性を有する感光性材料を使用するので、前記のスペーサ部および周辺シール部で基板間の間隙を規定でき、且つ、前記スペーサ部および周辺シール部を線膨張係数の大きな感光性材料を使用したので、低温下での発泡を抑えられ、従って、高品質の画像表示が可能な液晶表示素子を製造、提供できる。
本発明の実施形態を図1から図4を参照して説明する。図1は、本発明に係る液晶表示素子の概略形状を示す図であり、図2は本発明に係る液晶表示素子の要部の概略を示す図である。図3、図4は本発明に係る液晶表示素子の製造方法の工程を示す図である。
図1で、液晶表示素子10は、前面基板12と背面基板14との間隙を、表示領域16に配置したスペーサ部32(図2参照)と、前面基板12と背面基板14の周辺部を封止する周辺シール部22とによって形成されている。この周辺シール部22の一部には、間隙に封入される液晶材料を注入するための液晶注入口24が設けられており、注入された液晶材料は、スペーサ部32や周辺シール部22によって規定された前面基板12と背面基板14との間隙に保持されている。前面基板12および背面基板14の各々には、液晶表示素子10の各画素を駆動するための外部回路(図示せず)を接続するための外部電極接続部18、20が設けられている。これら外部電極接続部18、20に入力される信号は、液晶表示素子10を液晶表示装置のパネルとして使用する場合に、各画素の行を順次スキャンするスキャン信号や、各画素の列方向に印加するデータ信号である。したがって、外部電極接続部18、20には、図示していないコネクタに嵌合する多数の接続部が形成されている。このために、外部電極接続部18、20には、画素数乃至はスキャン列数に応じた電極が多数配置されている。図1に例示的に示した前面基板12、背面基板14には、各々の1辺にこの外部電極部18、20を設けているが、各基板12、14の4辺のいずれか、または複数の辺に設けても良く、さらに、この外部電極部18、20部分に信号処理素子、例えばTFT等を含む回路を設けた構成としても良い。
図2の(A)は液晶表示素子10の前面基板12を一部破断して、要部を示したものであり、この図2の(A)の矢印DDで示した矢視方向に見た液晶表示素子10の断面図を図2の(B)に示した。図2の(A)で、図示した各画素30の下部に設けられる背面電極34は、本実施の形態ではITO膜を蒸着またはスパッタリングで形成した後にパターニングして図中の矢印Eで示す上下方向に延在するストライプ状の電極であり、図中の矢印Fに示す左右方向に多数配列されている。なお、背面電極34の形状は、ストライプ状に限定されるものではなく、所望の形状に構成可能である。この背面電極34と対向する前面基板12の面には、背面電極34と直交する方向にITO膜をパターニングして形成された多数の前面電極36が配置されている(図2の(B)参照)。これら背面電極34と前面電極36の交差する部分が、各々の画素30に相当する。画素30の領域は、単純マトリックス方式の液晶表示素子では電極を交差させる丈でよいが、アクティブマトリックス方式の液晶表示素子では、TFT素子や、容量素子を周知の技術で背面基板14の各画素30の領域に対応させて形成される。
図2の(B)に示した断面図は、背面基板14側にスペーサ部32、周辺シール部22を形成し、その後配向膜を形成した場合を例示的に示すものである。背面基板14側には、背面電極34間に感光性材料よりなるスペーサ部32が設けられ背面基板14の周辺部に感光性材料よりなる周辺シール部22が設けられている。背面電極34を覆う様に形成された配向膜38の表面は、ラビング処理されている。前面基板12には、背面電極34に直交する方向に前面電極36が設けられており、さらに前面電極36を覆う配向膜39が形成され、この配向膜39のラビング方向は、背面基板14側の配向膜38のラビング方向と直交している。前面基板12と背面基板14とは、スペーサ部32および周辺シール部22によって貼り合わされている。
つぎに、図3および図4を参照して、液晶表示素子10の製造方法を説明する。本実施の形態では、背面基板14側に周辺シール部22およびスペーサ部32を設ける場合を示し、また、本発明の液晶表示素子の製造方法の要部を簡潔に示すために、図1に示した外部電極接続部18、20の製造方法は省略した。
図3の(A)で、所望の大きさの透明ガラス板である背面基板14の片面に蒸着またはスパッタリングにより厚さ約0.1μmのITO膜40を形成する。その後に、このITO膜を所望の背面電極34の形状にリソグラフィの手法で形成し、背面電極34を覆う様に、ポジ型の感光性材料42を約8μmの厚さにスピンコートで塗布し、焼成条件:温度80℃、30分間でプリベークする。プリベークした後に図3の(C)の工程で、各画素30間のスペーサ部32および、背面基板14の周辺部に周辺シール部22を形成するために、ポジ型のマスク44を介して感光性材料42を露光し、図4の(D)の工程で露光済み基板52を槽50内に設置し、アルカリ性現像液で、露光された領域を除去し、ポストベークを行い、図4の(E)に示す様に、所望のスペーサ部、周辺シール部を形成する。ポストベークをした後に、図4の(F)の工程で、配向膜をスピンコートで塗布し、その後、ラビングローラ54を使用して、配向膜面にラビング処理を行う。
前面基板12も前面電極36を形成した後に、配向膜39を形成し、背面基板14と重ね合わせた際に前面基板の配向膜のラビング方向と直交する方向に配向膜38にラビング処理を行う。
なお、スペーサ部32および周辺シール部22を背面基板14側に形成するが、これらを、前面基板12側に形成しても良く、また、スペーサ部32と周辺シール部22を各々別の基板側に形成しても良いが、好ましくは、同一基板に設ける方が、工程が簡便になり、またスペーサ部32および周辺シール部22の高さを揃え易い利点がある。
さらに、スペーサ部32を各画素30に対応させて、各画素30間に設けたが、必ずしも、各画素30間に設けずとも、複数画素ごとに設けても良い。
つぎに、前面基板12と背面基板14とを、各々の基板の配向膜を形成した面が対向し、ラビング方向が直交するように重ね合わせ、重ね合わせた一対の基板を加圧、加熱して、液晶表示素子10を構成する。
上記の工程で、本発明の特徴とする点は、感光性材料に線膨張係数が300ppm以上、好ましくは500ppm以上のものを使用し、この感光性材料のガラス転移点よりも高いガラス転移点を有する配向膜を使用して、一対の基板貼り合わせる際の加熱温度を感光性材料のガラス転移点よりも高く、配向膜のガラス転移点よりも低い温度としたことである。この線膨張係数の高い感光性材料をスペーサ部32、周辺シール部22に使用し、ポストベークした後に、一対の基板の貼り合わせを感光材料のガラス転移点以上に加熱して行うので、スペーサ部32、周辺シール部22は前面基板12側と良好に接着され、また、加熱温度は配向膜38、39のガラス転移点以下であるので、貼り付けの際の加熱によってラビング処理の効果の低減は少ない。
以下に、各実施例を説明する。
〔実施例1〕
縦110mm、横110mm、厚さ0.7mmの透明ガラス基板の片面に幅90μm、ピッチ100μm、厚さ0.1μmのストライプ状の透明電極であるITO膜をパターニングして形成し、その後、感光性材料(日本ペイント製 型名Sample 11、線膨張係数300ppm、ガラス転移点温度100℃)をスピナで塗布し、70℃、30分間の条件でプリベークして感光性材料層形成した。次に、ポジ型のガラスマスクを使用して、感光性材料を紫外線で露光し、アルカリ現像した後に、ポストベーク(処理温度:200℃、60分間)を行った。この感光性材料のパターニング形状は表示領域内では、ITO膜がない10μmの領域に長さ50μm、厚さ4.1μmのスペーサ部を100μmピッチで形成した。周辺シール部22は液晶の注入口となる開口部分を除き、幅1mm、厚さ4.1μmの形状で形成した。
つぎに、各々の基板にガラス転移点温度が180℃である配向膜(日産化学製 サンエバーSE7792、厚さ300Å)を塗布し、焼成条件:180℃、30分間で形成し、ラビング処理し、2枚の基板の各々のラビング成形面が対向し、かつラビング方向が直交する様に、配置し、この2枚の基板に加圧する圧力を制御しながら、150℃で1時間加熱して、基板間の間隙が4μmの基板対を作製した。その後に、厚さ4μmでツイストするネマティック液晶を、周辺シール部22に設けた液晶注入口24から真空注入法により、充填し、液晶注入口24を封止し、前面基板12および背面基板14の各々に貼り付ける偏光板の吸収軸が、各々の基板に設けたラビング膜のラビング方向に一致させ、各偏光板を貼り付けた。この液晶表示素子は2kg/cmの荷重に対しても表示画像に、にじみが発生せず、−20℃(時間:30分間)の低温保存では発泡現象が生じなかった。
〔実施例2〕
実施例2は、感光性材料の線膨張係数が500ppmのものを用いた以外、実施例1の液晶表示素子と同じものを作製した。この実施例2の液晶表示素子では、2kg/cmの荷重に対しても表示画像に、にじみが発生せず、−40℃(時間:30分間)の低温保存では発泡現象が生じなかった。
〔実施例3〕
実施例3の液晶表示素子では、配向膜形成後に感光性材料でスペーサ部32、周辺シール部22を形成し、その後、ラビング処理を行った点が、実施例1の液晶表示素子と異なる。この液晶表示素子は2kg/cmの荷重に対しても表示画像に、にじみが発生せず、−20℃(時間:30分間)の低温保存では発泡現象が生じなかった。
なお、上記実施例1〜3の結果である感光性材料の線膨張係数が500ppm、300ppmの場合に各々低温保存が−40℃、−20℃で発泡現象が生じず、線膨張係数が大きくなれば低温保存温度が略比例していることから、−10℃の低温保存の場合には、感光性材料の線膨張係数が150ppm程度であれば発泡現象が生じず2kg/cmの荷重にも耐えられると推定できるので、−10℃の低温保存で、本発明の課題を達成するためには、感光性材料の線膨張係数が約150ppm以上で良い。
〔比較例〕
本発明に係る液晶表示素子と比較するために下記に示す比較例1〜5を作製した。
〔比較例1〕
周辺シール部を線膨張係数30ppmのエポキシ樹脂(三井化学製:製品名、ストライクボンド)を使用して、形成する以外は、実施例1と同様の液晶表示素子を作製した。この比較例1の液晶表示素子は、2kg/cmの荷重に対しても表示画像に、にじみはなく、10℃(時間:30分間)の保存では発泡現象が生じなかったが、0℃(時間:30分)の低温保存で発泡現象が生じた。
〔比較例2〕
スペーサ部および周辺シール部を線膨張係数100ppmの感光性材料を使用して、形成する以外は、実施例1と同様の液晶表示素子を作製した。この比較例1の液晶表示素子は、2kg/cmの荷重に対しても表示画像に、にじみは発生しなかったが、0℃(時間:30分間)の低温保存では発泡現象が生じなかったが、−10℃(時間:30分間)で発泡現象が生じた。
〔比較例3〕
配向膜を形成した後にラビング処理を行い、感光性材料でスペーサ部、周辺シール部を形成した以外、実施例1と同様に比較例3の液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子は、感光性材料のスペーサ部および周辺シール部にパターニングする際に、配向膜のラビング処理の効果が消失したため、比較例3の液晶表示素子では、耐荷重評価および低温保存評価をするまでもなく、表示画像のコントラストが低い表示品質であった。
〔比較例4〕
ガラス転移点温度が200℃の感光性材料を使用した以外、実施例1と同様にして、比較例4の液晶表示素子を作製したが、配向膜のガラス転移点180℃以下の基板の貼り付け温度として150℃を選定して、貼り付けを行った。2枚の基板の接着が行えず、液晶表示素子が作製出来なかった。
〔比較例5〕
2枚の基板の貼り合わせ温度を200℃とした以外は実施例1の液晶表示素子と同様にして比較例5の液晶表示素子を作製した。この比較例5の液晶表示素子は、貼り合わせ温度が配向膜のガラス転移点温度を越えているために、配向膜のラビング効果が消失して、耐荷重評価および低温保存評価をするまでもなく、表示画像のコントラストが低い表示品質であった。
上記した、実施例1〜3、比較例1〜5の感光性材料の諸特性、基板貼り合わせ温度、液晶表示素子製造工程順序、付加した荷重、液晶表示素子を保存した低温保存温度の一覧を図5に実施例と比較例の違いを示す図として示す。
以上の実施例1〜3と比較例1、2とを比較すると、スペーサ部、周辺シール部の線膨張係数は、300ppm以上の材料が好ましく、この材料を使用すれば、−20℃以下の低温保存温度でも発泡現象が生じないとの結果が得られた。されに、実施例1、3(感光性材料の線膨張係数が300ppm)と実施例2(感光性材料の線膨張係数が500ppm)との比較から、スペーサ部、周辺シール部の材料の線膨張係数が大きいほど、より低温での保存でも、発泡現象が生じないとの結果が得られた。
また、実施例1〜3から、スペーサ部、周辺シール部を形成後にラビング処理をすれば、配向膜の形成はスペーサ部、周辺シール部の形成前、形成後のいずれであっても良いことが分かり、比較例3から、スペーサ部、周辺シール部の形成前にラビング処理をすれば、感光性材料をパターニングする際に使用するアルカリ性現像液の影響を受け、ラビング処理の効果が減少することが確認できた。
さらに、前面基板、背面基板の張り合わせ温度は、配向膜のガラス転移点以下である必要があることが比較例5の結果から確認でき、スペーサ部および周辺シール部が対向する基板と接着するためには、スペーサ部、周辺シール部の材料のガラス転移点が配向膜のガラス転移点以下であって、この配向膜のガラス転移点以下の温度で基板の張り合わせを行うことが好ましいことが、実施例1〜3と比較例4とから分かる。
この図5から、本発明による液晶表示素子はスペーサ部と周辺シール部に線膨張係数が300ppm以上の感光性材料が好ましく、スペーサ部と周辺シール部を形成後に配向膜にラビング処理を施し、さらに、前面基板、背面基板を貼り合わせる際の温度を前記感光性材料のガラス転移点以上で配向膜のガラス転移点以下の温度で行えば、−20℃以上の低温保存に耐え、且つ耐荷重2Kg/cmにも耐え得ることを示し、比較例では、低温保存や表示品質に充分な性能を得られないことを示している。
液晶表示素子の一対の基板間の間隙を規定し、両基板を接着するスペーサ部、周辺シール部に線膨張係数の大きな感光性材料を使用して、ポストベーク後にこの感光性材料のガラス転移点以上で加熱して一対の基板を貼り合わせたので、周囲温度が低温になってもスペーサ部、周辺シール部が容易に変形でき、膨張率の大きな液晶材料が低温時に発泡することが防止でき、高品質の液晶表示素子が実現出来る。
以上の開示に加えて、下記を開示する。
(付記1)一対の基板の対向する各々の面に形成された電極と配向膜と、前記一対の基板間に配置されるスペーサ部と、前記一対の基板間に充填される液晶材料を封止するために、前記一対の基板の周辺部に配置される周辺シール部と、封止された前記一対の基板間に液晶材料とを有する液晶表示素子において、
前記スペーサ部と前記周辺シール部とは、感光性材料からなり、前記スペーサ部と前記周辺シール部とは前記一対の基板のいずれか一方に形成され、前記スペーサ部と前記周辺シール部を形成した後に配向膜をラビング処理し、前記一対の基板を加圧、加熱して前記スペーサ部と前記周辺シール部とで前記一対の基板を接着して形成された前記一対の基板間に前記液晶材料を封入した、ことを有することを特徴とする液晶表示素子。
(付記2)前記感光性材料の線膨張係数が150ppm以上であることを特徴とする付記1に記載の液晶表示素子。
(付記3)付記1に記載の液晶表示素子において、前記感光性材料の線膨張係数が300ppm以上であることを特徴とする液晶表示素子。
(付記4)付記1に記載の液晶表示素子において、前記感光性材料の線膨張係数が150ppm以上で500ppm以下であることを特徴とする液晶表示素子。
(付記5)前記加熱は、前記感光性材料のガラス転移点より高く、前記配向膜のガラス転移点より低い温度で行ったことを特徴とする付記1乃至付記4に記載の液晶表示素子。
(付記6)基板上の感光性材料層をプリベークする工程と、前記プリベークされた感光性材料層を所定のマスクを用いて露光し現像して、スペーサ部と周辺シール部とを形成する工程と、前記形成されたスペーサ部と前記周辺シール部とをポストベークする工程と、前記基板のポストベークされたスペーサ部と前記周辺シール部と有する面、および該面に対向して配置される他方の基板の面とに配向膜を各々形成してラビングする工程と、前記ラビングされた面を対向させ、前記各々の基板を加圧し、加熱して、前記基板を前記スペーサ部と前記周辺シール部とを介して接着する工程とを有する液晶表示素子の製造方法。
(付記7)前記基板を前記スペーサ部と前記周辺シール部とを介して接着する工程において、前記感光性材料層の感光性材料のガラス転移点より高く、前記配向膜のガラス転移点より低い温度で前記加熱を行うことを特徴とする付記4に記載の液晶表示素子の製造方法。
(付記8)一対の基板の対向する各々の面に形成された電極と、前記一対の基板間に配置される、感光性材料からなるスペーサ部と、前記一対の基板間に充填される液晶材料を封止するために、前記一対の基板の周辺部に配置される、前記感光性材料からなる周辺シール部と、前記スペーサ部と前記周辺シール部を成形した後にラビング処理された配向膜と、 前記一対の基板を加圧、加熱して前記スペーサ部と前記周辺シール部とで前記一対の基板を接着して形成された前記一対の基板間に注入された前記液晶材料と、を有することを特徴とする液晶表示素子。
(付記9)付記1または付記8の液晶表示素子において、スペーサ部と周辺シール部の線膨張係数が150ppm以上で、スペーサ部と周辺シール部の線膨張係数が異なることを特徴磨る液晶表示素子。
本発明に係る液晶表示素子の概略形状を示す図 本発明に係る液晶表示素子の要部の概略を示す図 本発明に係る液晶表示素子の製造方法の工程を示す図 本発明に係る液晶表示素子の製造方法の工程を示す図 実施例と比較例の違いを示す図
符号の説明
10 液晶表示素子
12 前面基板
14 背面基板
22 周辺シール部
32 スペーサ部
38 配向膜
39 配向膜

Claims (5)

  1. 一対の基板の対向する各々の面に形成された電極と配向膜と、前記一対の基板間に配置されるスペーサ部と、前記一対の基板間に充填される液晶材料を封止するために、前記一対の基板の周辺部に配置される周辺シール部と、封止された前記一対の基板間に液晶材料とを有する液晶表示素子において、
    前記スペーサ部と前記周辺シール部とは、感光性材料からなり、前記スペーサ部と前記周辺シール部とは前記一対の基板のいずれか一方に形成され、前記スペーサ部と前記周辺シール部を形成した後に配向膜をラビング処理し、前記一対の基板を加圧、加熱して前記スペーサ部と前記周辺シール部とで前記一対の基板を接着して形成された前記一対の基板間に前記液晶材料を封入した、
    ことを有することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記感光性材料の線膨張係数が150ppm以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記加熱は、前記感光性材料のガラス転移点より高く、前記配向膜のガラス転移点より低い温度で行ったことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示素子。
  4. 基板上の感光性材料層をプリベークする工程と、
    前記プリベークされた感光性材料層を所定のマスクを用いて露光し現像して、スペーサ部と周辺シール部とを形成する工程と、
    前記形成されたスペーサ部と前記周辺シール部とをポストベークする工程と、
    前記基板のポストベークされたスペーサ部と前記周辺シール部とを有する面、および該面に対向して配置される他方の基板の面とに配向膜を各々形成してラビングする工程と、
    前記ラビングされた面を対向させ、前記各々の基板を加圧し、加熱して、前記基板を前記スペーサ部と前記周辺シール部とを介して接着する工程と
    を有する液晶表示素子の製造方法。
  5. 前記基板を前記スペーサ部と前記周辺シール部とを介して接着する工程において、前記感光性材料層の感光性材料のガラス転移点より高く、前記配向膜のガラス転移点より低い温度で前記加熱を行うことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子の製造方法。
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