JP2007033001A - 排気トップ及びこれを備えた給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンパクトな構成により外部に放出される騒音を極力抑制し低減化し得る排気トップ及びこれを備えた給湯装置を提供する。
【解決手段】 流入口56と排気口57とを上下各位置にオフセット配置にする。二次熱交換器ケース41の前面連通孔44からの排気ガスを流入口に流入させ、下側内面壁55により衝突させて上向きに流れを変え、上側内面壁54に衝突させて前向きに流れを変えて排気口から排出させるように排気通路58をクランク状に屈曲させる。内面壁と外面壁52との間に隙間空間59,531を区画した二重壁により排気通路を囲み騒音が透過し難くし、加えて、下側内面壁の背面側に吸音材Sを配置して吸音・遮音させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、給湯装置等の燃焼後の排気ガスが導出される対象に対し取り付けられ、導出される排気ガスを受け入れて外部空間に対し排気させるために用いられる排気トップ及びこれを備えた給湯装置に関し、特に騒音対策に係るものである。
従来、給湯器から排出される燃焼排気ガスを、ハウジングの前面から水平方向に流すようにし、この水平方向の流れを分配片により左右に分配した上で、吸音壁で水平方向に分流して排出するようにしたものが知られている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
又、近年、給湯装置として、燃焼バーナの燃焼熱により熱交換加熱するための一次熱交換器と、この一次熱交換器を熱交換加熱した後の燃焼排気ガスから潜熱を回収するための二次熱交換器とを備えた、いわゆるコンデンシングタイプのものが知られている。そして、このようなコンデンシングタイプにおいては、一次熱交換器を通過した燃焼排気ガスを二次熱交換器の一側から他側にと横向きに流した後に外部空間に排出するように配置したものも知られている(例えば特許文献3参照)。
実公昭62−26673号公報 特公平2−52781号公報 特開2004−198065号公報
ところで、給湯装置のハウジング内からの騒音が外部に漏れ出てくるのは、主として、ハウジングの内外が連通されている排気トップからである。近年、種々のタイプの熱交換器が開発され、ここにおいては、熱交換効率の追求のために燃焼ガスや排気ガスとの接触の面積や時間をより増大させる方向で開発が行われる傾向にある。これに伴い、上記の排気トップから外部に放出される燃焼騒音等の運転に伴う騒音が増大する傾向にある。
特に、上記のコンデンシングタイプのものでは、二次熱交換器として、排気ガスの流れる空間を横切るように多数の細管を配置させたいわゆる細管式あるいは多管式といわれる熱交換器が熱交換効率の観点より用いられる傾向にある。ところが、かかる細管式の二次熱交換器は従来の熱交換器(例えばフィンアンドチューブ)よりも容積がかなり大きくなり、給湯装置全体の容積に占める割合も高くなってしまうことになる。このため、本来はこの二次熱交換器を通過した後の排気ガスを二次熱交換器の下流側で整流させたり吸音させたりという騒音対策を施すスペースが不足してしまい、より一層の騒音増大を招くおそれがある。さらに、二次熱交換器ケース内に多数の細管を横切るように配置した中に排気ガスを通過させるようになるため、排気ガスの通過抵抗も増大し流れが乱されてしまい、騒音発生源にもなってしまうというおそれもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンパクトな構成により外部に放出される騒音を極力抑制し低減化し得る排気トップ及びこれを備えた給湯装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明では、一側の流入口から他側の排気口まで延びる排気通路が内部に区画形成された筒状の排気トップを対象にして、上記排気通路として、上記流入口と排気口とが水平方向に重ならないよう上下方向にオフセット配置された状態になるようにクランク状に屈曲形成し、かつ、通路断面積が上記排気口に向けて絞られるように形成したものにした(請求項1)。
この発明の場合、流入口と排気口との両開口が水平方向に重ならないよう上下各位置にオフセットされ、流入口から流入した排気ガスを排気口に流すために流入口から排気口までの間の排気通路がクランク状に屈曲されているため、コンパクトな前後幅にしつつも排気通路長さ(騒音が伝達する媒質の長さ)をより長く確保することが可能となる。このため、給湯装置等の燃焼後の排気ガスが導出される対象に対し、その排気ガスが導出される口に上記流入口を連通させて上記排気トップを取り付けると、燃焼作動等の熱交換器ケース側からの騒音を外部に伝わり難くして静音化に寄与し得ることになる。又、排気通路の通路断面積が上記排気口に向けて絞られて、排気口に向けて押し込まれた排気ガスが排気口から外部空間に解放されるようになるため、排気ガスの流れと共に伝わる騒音のエネルギーを減衰させて静音化が図られる。
上記の本発明の排気トップにおいて、外部空間に面する筒状の外面壁と、この外面壁の内側に隙間空間を存した状態に配設された内面壁とを備えるようにし、上記排気通路を上記内面壁によって区画形成されたものとすることができる(請求項2)。この場合、排気通路が間に隙間空間を介在させた状態の外面壁及び内面壁の二重壁により囲まれて形成されるようになるため、排気通路を通して伝わる騒音が排気通路の周囲に対し透過し難くなり、これによっても静音化が図られることになる。
上記の如き二重壁により排気通路を構成する場合には、上記流入口及び排気口を互いに相反する側に対し横向きに開口させ、上記排気通路を、上記流入口に相対向するよう配置され流入口から前方に流入する排気ガスが衝突することによりその排気ガスの流れを上方に屈曲させる下側内面壁と、上方に屈曲された排気ガスが衝突することによりその排気ガスの流れを排気口に向けて前方に屈曲させる上側内面壁とによりクランク状に屈曲するように区画形成することができる(請求項3)。これにより、二重壁によりクランク状に屈曲する排気通路を具体的に実現させ得ることになる。
さらに、この場合には、上記下側内面壁として、前方に向かう排気ガスの流れを上方に向かう流れに屈曲させるように滑らかな凹曲面を有する湾曲部位を備えるものとし、上記上側内面壁として、上方に向かう排気ガスの流れを上向きの斜め前方に向かう流れに屈曲させるように排気口に向けて斜め上り勾配に傾斜した状態に配設されたものとすることができる(請求項4)。このようにすることにより、排気ガスの流れを滑らかに屈曲案内して整流させることが可能となり、排気通路の通過に伴う風切り音などの発生を抑制・防止して静音化がより一層図られることになる。
又、以上の排気トップにおいて、上記流入口と相対向してその流入口から流入する排気ガスが衝突することになる内面壁の背面側であって、その内面壁と外面壁との間の隙間空間に吸音材を配設することもできる(請求項5)。このように配設した吸音材によって、流入口から流入して内面壁に衝突するように伝わる騒音の吸音が図られる上に、騒音の伝達方向に相対向しているため騒音の伝達を遮断させることも可能になり、外部への騒音の透過をより一層抑制させ得ることになる。
第2の発明では、給湯装置において、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の排気トップと、燃焼バーナと、この燃焼バーナの燃焼に基づき熱交換加熱される熱交換器とを備え、上記熱交換器を収容した熱交換器ケースに横向きに開口されて上記熱交換器を通過した後の排気ガスが導出される連通口に対し、上記排気トップの流入口が連通するように、上記排気トップが上記熱交換器ケースに取り付けられてなるようにした(請求項6)。
この発明の場合、上記熱交換器を熱交換加熱した排気ガスが熱交換器ケースの連通口から排気トップの流入口に流入し、その排気通路を通って排気口から外部空間に排出されることになる一方、その排気ガスの流れと共に排気通路を通して外部に伝わる騒音や、排気通路を区画構成する各種の壁を透過する騒音を効果的に抑制して、低減化されることになる。
かかる給湯装置において、上記の熱交換器として、上記燃焼バーナの燃焼熱により熱交換加熱される一次熱交換器と、この一次熱交換器を通過した後の排気ガスから潜熱を回収するための二次熱交換器とを備え、上記熱交換器ケースの連通口が上記二次熱交換器を通過した後の排気ガスが導出されるものとすることができる(請求項7)。この場合には、二次熱交換器を通過する際に騒音がより増大するような事態に陥ったとしても、排気トップによって外部への騒音の放出が効果的に抑制され、低減化されることになる。
以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかの排気トップによれば、流入口と排気口との両開口が水平方向に重ならないよう上下各位置にオフセットされ、流入口から流入した排気ガスを排気口に流すために流入口から排気口までの間の排気通路がクランク状に屈曲されているため、コンパクトな前後幅にしつつも排気通路長さ、すなわち騒音が伝達する媒質の長さをより長く確保することができ、給湯装置等の排気トップの取付対象からの騒音を外部に伝わり難くして静音化を図ることができる。又、排気通路の通路断面積を上記排気口に向けて絞って排気口に向けて押し込まれた排気ガスが排気口から外部空間に解放されるようになるため、排気ガスの流れと共に伝わる騒音のエネルギーを減衰させて静音化を図ることができる。
特に、請求項2によれば、排気通路が間に隙間空間を介在させた状態の外面壁及び内面壁の二重壁により囲まれて形成されるようになるため、排気通路を通して伝わる騒音が排気通路の周囲に対し透過し難くすることができ、静音化をより一層図ることができる。この二重壁により排気通路を構成する場合には、請求項3によれば、その二重壁によりクランク状に屈曲する排気通路を具体的に実現させることができる。さらに、二重壁により排気通路を構成する場合には、請求項4によれば、排気ガスの流れを滑らかに屈曲案内して整流させることができ、排気通路の通過に伴う風切り音などの発生を抑制・防止して静音化をさらに一層図ることができるようになる。
又、請求項5によれば、吸音材によって、流入口から流入して内面壁に衝突するように伝わる騒音の吸音を図ることができる上に、騒音の伝達を遮断させることができ、吸音及び遮音によって外部への騒音の透過をより一層抑制することができる。
一方、請求項6又は請求項7の給湯装置によれば、上記の排気トップを取り付けることにより、給湯装置において排気ガスの排出に伴い排気通路を通して外部に伝わる騒音や、排気通路を区画構成する各種の壁を透過する騒音を効果的に抑制して、低減化させることができる。
特に、請求項7によれば、二次熱交換器を通過する際に騒音がより増大するような事態に陥ったとしても、排気トップによって外部への騒音の放出を効果的に抑制することができ、騒音の低減化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る給湯装置の一部分を示す。この給湯装置はいわゆるコンデンシングタイプである潜熱回収式に構成されたものである。すなわち、この給湯装置は、ハウジング1内に、燃焼バーナ2と、この燃焼バーナ2の燃焼熱により熱交換加熱される一次熱交換器3と、この一次熱交換器3を通過した排気ガスを導いてその排気ガスの潜熱を熱交換により回収する二次熱交換器4と、この二次熱交換器4を通過した後の排気ガスを受け入れて外部空間に排出させる排気トップ5とを備えている。
上記燃焼バーナ2は、バーナケース21に内装され、送風ファン22からの燃焼用エアの供給と、燃料供給管23からの燃料(例えば燃料ガス)の供給とを受けて上方の燃焼空間に向けて燃焼されるようになっている。上記一次熱交換器3はバーナケース21の上側に接続された一次熱交換器ケース31に内装され、上記二次熱交換器4に通過されることにより予熱された後の水が一次熱交換器3の一端から他端に向けて流され、一次熱交換器3内を流れる間に燃焼バーナ2の燃焼熱により熱交換加熱されるようになっている。
上記一次熱交換器ケース31と、上記二次熱交換器4が内装された二次熱交換器ケース41との間には、一次熱交換器ケース31の上面開口からの排気ガスを二次熱交換器ケース41の背面連通口42まで集合させて案内するように内部通路61が区画形成された通路ケース6が介装されている。この通路ケース6は、その内部通路61がその下面において一次熱交換器ケース31の上面開口の全体に拡がって一次熱交換器3からの排気ガスを集合した後、上方に向けて背後側に徐々に狭まって二次熱交換器ケース41の背面連通口42まで排気ガス(図1の点線の矢印参照)を導くようになっている。
上記二次熱交換器4として図1には細管式もしくは多管式と言われるものを図示している。これは、往き用及び戻り用にグループ分けされた多数の細管43,43,…が二次熱交換器ケース41内を横切るように配設され、図示省略の入水側ヘッダーに入水された水を往き用の多数の細管43,43,…に通過させ、折り返しのヘッダーから戻り用の多数の細管43,43,…に通過させた上で戻り用ヘッダーから上記一次熱交換器3の一端側に供給するようになっている。そして、上記二次熱交換器ケース41の背面連通口42から導入された排気ガスが前面連通口44まで通過する間に上記の多数の細管43,43,…と接触し、その排気ガスの潜熱が熱交換により各細管43内の水に吸熱されて潜熱回収が行われるようになっている。もちろん、二次熱交換器4として上記の如き細管式以外の型式のものを用いてもよい。
上記二次熱交換器ケース41は、その底壁45が背面連通口42側から前面連通口44側に向けて斜め下り勾配となるように傾斜され、前端部(図1の左端部)にドレン集水管71の上流端が開口されている。これにより、二次熱交換器4等から底壁45の上面に落下してくる排ガスドレンを前端側に導いてドレン集水管71内に落下させて集水させるようになっている。また、前面連通口44は背面連通口42よりも下位に設定されている。つまり、前面連通口44の最下位の開口縁が背面連通口42の最下位の開口縁よりも下位になるように、逆に言えば、背面連通口42の最下位の開口縁が前面連通口44の最下位の開口縁よりも上位になるように、両連通口44,42の上下位置関係が設定されている。これにより、万が一、上記ドレン集水管71に詰まりが生じて排気ガスドレンが二次熱交換器ケース41の底壁45の上に溜まるような事態が生じたとしても、その溜まった排気ガスドレンが背面連通口42を乗り越えて一次熱交換器3や燃焼バーナ2の側に流下することのないようにしている。
上記排気トップ5は、図2〜図4にその詳細を示すように、背面側に上記二次熱交換器ケース41に対しシール部材511を介してネジ(ビスもしくはスクリュー)512により取り付けられるフランジ片51と、このフランジ片51から前方に突出する角筒状の外面壁52と、この外面壁52の前面を覆う前面壁53と、上記外面壁52の上側部分521の内側に連結される上側内面壁54と、上記外面壁52の下側部分522の内側から上記前面壁53の内側に連結される下側内面壁55とを備えて構成されている。
上記外面壁52の内側、すなわちフランジ片51に囲まれた部分は背面側に大きく開口されてこの開口56aの後述の一部が流入口56を構成し、上記前面壁53の上側位置にはほぼ全横幅に亘り拡がって開口されて排気口57が形成されている。すなわち、上記開口56aは二次熱交換器ケース41の前面連通口44よりも上下方向に所定量大きく形成され、かつ、上記開口56aの最下位の部位が上記前面連通口44の最下位の部位に同じレベルで合致するように、排気トップ5はそのフランジ片51により二次熱交換器ケース41に対し固定されている。これにより、上記開口56aの内、上記前面連通口44の開口面積に相当する領域で二次熱交換器ケース41内と連通することになり、その前面連通口44に相当する排気トップ5側の開口領域が流入口56を構成することになる。
上記の如く排気トップ5が二次熱交換器ケース41に固定された状態で、排気トップ5の内部には、流入口56から排気口57に至るまでクランク状に折れ曲がる排気通路58が、二次熱交換器ケース41の一部411と、下側内面壁55と、上側内面壁54とにより区画形成されることになる。上記下側内面壁55は流入口56側(背面側;図2の右側)から排気口57の設けられた前面側(図2の左側)に向けて斜め上方に傾斜した状態にされて上記排気通路58の下側を区画し、その上端部位(後述の上端部位554参照)で排気口57の開口縁の下側部位を構成することになる。その一方、上記上側内面壁54は上記の前面側から背面側に向けて斜め下り勾配となるように傾斜した状態にされて上記排気通路58の上側を区画し、その前端部位で排気口57の開口縁の上側部位を構成することになる。
より具体的な形状設定例を説明すると、下側内面壁55は、その最下位の部位551が上記流入口56(前面連通口44)の最下位の位置に位置付けられ、この最下位の部位551から上方に向けて凹曲線のRカーブを描いて湾曲する湾曲部位552と、この湾曲部位552の上端位置から上方に立ち上がる立ち上がり部位553と、この立ち上がり部位553の上端位置から斜め上方でかつ前方に延びる上端部位554とからなり、この上端部位554に対し、上記前面壁53の一部であって排気口57の開口縁を構成する下側開口端縁571が重ねられて、前面壁53と結合されている。又、上側内面壁54は、フランジ片51に重ねられて結合され所定位置まで垂下する垂下部位541と、この垂下部位541の下端位置から屈曲されて前面側(図2の左側)に対し斜め上方に延びる傾斜部位542と、この傾斜部位542の前端である前端部位543に対し上記外面壁52の一部であって排気口57の開口縁を構成する上側開口端縁572が重ねられて外面壁52と結合されている。
以上により、排気通路58として、二次熱交換器ケース41の前面連通口44及び流入口56から図2の左向きに流入した排気ガスがまず下側内面壁55の湾曲部位553に衝突することにより排気ガスの流れの向きが上向きに変化され、次に、上向きに流れる排気ガスが上側内面壁54に衝突することにより排気ガスの流れの向きが図2の左向きでかつ斜め上向きに変化され、そのまま排気口57から外部に放出されるというように、流入口56から流入した排気ガスの流れ方向をクランク状に屈曲させた上で排気口57から放出させる通路が構成される。
一方、上記の上側内面壁54と、外面壁52の上側部分521との間には排気口57の開口縁に沿って左右方向(図2の紙面に直交する方向、図3の斜め左右方向)、つまり開口縁の周方向に延びる通路空間59が区画形成されている。上記上側内面壁54の垂下部位541と傾斜部位542との境界部には排気ガスの導入口543として両部位541,542に跨って上記左右方向に延びるスリット孔が1又は複数個(図3には3個の例を図示)形成されている。これらの導入口543は上述した排気通路58内の排気ガスの流れの内、上向きに流れて上側内面壁54に衝突することになる排気ガスの流れ方向に相対向するように開口しているため、上記の衝突することになる排気ガスの一部が確実に導入口543から通路空間59内に押し込み導入されることになる。そして、上記上側内面壁54の左右方向の両側端が排気通路58の空間に対し排気ガスの流れ方向とは直交するように開放されて、これらが通路空間59からの排気ガスの導出口544,544(図3参照)を構成している。以上の外面壁52の上側部分521と、上側内面壁54と、通路空間59と、この通路空間59に排気ガスを導入する導入口543及び導出する導出口544とによって、予熱部50が構成されている。
この予熱部50において、導入口543,543,…から通路空間59に導入された排気ガスが通路空間59内を通過して導出口544から導出される間に、通路空間59内の排気ガスとの接触により外面壁52や内面壁54が加熱されることになる。これにより、排気通路58に面して排気ガスと直接に接触する内面壁54が排気ガス自体を熱源として予熱され、この内面壁54に排気ガスが接触しても結露し難くなって排気ガスドレンの発生を抑制して発生量を飛躍的に低減化させることができる。一方、通路空間59に流される排気ガスが外面壁52の内表面に接触することにより、排気ガスドレンが発生したとしても、その排気ガスドレンは内面壁52の下り勾配により導入口543まで流下され、下側内面壁55上に落下し、ついには後述の切欠部513及び貫通孔412を通して二次熱交換器ケース41内に導かれることになる。従って、通路空間59に発生した排気ガスドレンが外部に飛散等することはない。
又、上記の下側内面壁55と、外面壁52の下側部分522及び前面壁53との間にも、上記の予熱部50と同様に左右方向に延びる隙間空間531が区画形成され、特に前面壁53と下側内面壁55との間の隙間空間531にはこれを充填するように吸音材(例えばグラスウール等)Sがはめ込まれている。そして、この吸音材Sの左右方向の中間部位が切欠かれ、この切欠部位S1に対応した上記前面壁53の最下位位置には横長の比較的小さい開口532が内外に貫通して形成されている。さらに、上記下側内面壁55の左右両側端部の下側が切欠かれて切欠部位555が形成され、この切欠部位555に臨んでシール部材511にも切欠部513が形成され、前面連通口44の下側位置の二次熱交換器ケース41に上記切欠部513に連通して貫通孔412(図2参照)が形成されている。加えて、外面壁52の下側部分522が前面壁53側からフランジ片51側に向けて、つまり前面側から背面側に向けて斜め下り勾配に傾斜した状態に設定されている。
上記の一方の切欠部位555が隙間空間531に排気ガスを導入する導入口の役割を果たし、他方の切欠部位555が隙間空間531を通過した排気ガスを導出する導出口の役割を果たすことにもなるため、以上の外面壁52の下側部分522と、前面壁53(外聞空間に面する外面壁の一種)と、下側内面壁55と、隙間空間531と、上記の両切欠部位555,555によっても、予熱部が構成されることになる。又、上記の切欠部位555から隙間空間531に流入し開口532から外部に排出される排気ガスの流れも生じるようにしている。この開口532は外から内に向けたバーリング加工により開口縁が内向きに突出するように形成されており、隙間空間532に発生する排気ガスドレンが開口532から飛散し難くされている。
さらに、排気トップ5がハウジング1のフロントカバー1aの前面開口から突出され、この突出した排気トップ5の排気口57を含む前面壁53の全体を覆うように排気カバー8(図1参照)を設置する場合、その下側仕切り板81の先端片82(図2又は図4参照)を開口532に差し込むようにされている。これにより、排気カバー8内で発生した排気ガスドレンを上記先端片82に案内させて開口532から隙間空間531内に流し、そして、外面壁52の下側部分522の内上面に沿って切欠部位555まで流下させ、次いで、切欠部513及び貫通孔412を通して二次熱交換器ケース41内に流下させて、ドレン集水管71(図1参照)から中和処理のために回収することができる。又、上記の開口532に対し先端片82を差し込むようにされているため、排気カバー8を装着する時の位置決めの基準、要するに上記開口532を位置決め孔としても機能させ得ることになる。
加えて、上記のドレン集水管71に詰まりが生じ、これに伴い二次熱交換器ケース41内に排気ガスドレンが溜まった場合には、その排気ガスドレンが水位上昇により上記開口532位置を超えると、二次熱交換器ケース41内に溜まった排気ガスドレンは前面連通口44、切欠部位555及び開口532を通して排気カバー8の側にオーバーフローして排出され下側仕切り板81の水抜き孔83(図2参照)から外部に排出されることになる。つまり、上記の前面連通口44の最下位の開口縁が背面連通口42の最下位の開口縁よりも下側に位置するように設定されているため、ドレン集水管71の詰まりという万が一の事態が生じたとしても、溜まった排気ガスドレンが一次熱交換器3や燃焼バーナ2の側に流下する事態の発生を確実に阻止することができる。
一方、上記の排気通路58は、下位置の流入口56と、上位置の排気口57とが上下各位置にオフセットされ、下側の上記流入口56から上側の排気口57に流すために、途中がクランク状に屈曲されているため、コンパクトな前後幅にしつつも排気通路長さをより長く確保することができ、例えば二次熱交換器ケース41内からの騒音を外部に伝わり難くして静音化に寄与させることができる。又、排気通路58が、外面壁52の上側部分521、隙間空間としての通路空間58及び上側内面壁54からなる二重壁や、外面壁52の下側部分522、外面壁としての前面壁53、隙間空間531及び下側内面壁55からなる二重壁によって囲まれているため、排気通路58側からの騒音が外部に透過し難くなって静音化が図られることになる。さらに、上記の如くオフセット配置にしてクランク状に屈曲させることにより吸音材Sを二次熱交換器ケース41の前面連通口44から前進して下側内面壁55に衝突するように伝わる上記騒音の伝達方向を遮断させるように配置させることができ、かかる吸音材Sにより上記騒音を吸音・遮断して外部へ透過し難くしており、これによっても静音化を図ることができる。加えて、二次熱交換器ケース41の前面連通口44と同等の開口面積を有する流入口56よりも排気口57の開口面積が絞られており、二次熱交換器ケース41内から排気通路58に流入した排気ガスが流入口56から排気口57にかけて徐々に通路断面積が絞られ排気口57で最大に絞られて、排気口57を出て一気に解放されるようになっている。これにより、下側内面壁55の滑らかな湾曲形状とも相俟って排気ガスの流れを滑らかに案内して整流させることができ、風切り音などの発生を抑制・防止することができる上に、上記の騒音の減衰にも寄与して静音化を図ることができる。
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、排気トップ5の流入口56を二次熱交換器ケース41の前面連通口44に連通させて、二次熱交換器4を通過した後の排気ガスを排気トップ5により排出させるようにしているが、これに限らず、一次熱交換器ケース31から出される排気ガスを流入口56から流入させて排出させるように排気トップを取り付けるようにしてもよい。要するに、コンデンシングタイプの給湯装置ではなくて二次熱交換器を備えない一次熱交換器だけの給湯装置に対し排気トップ5を取り付けるようにしてもよい。
上記実施形態では、予熱部50として排気口57の開口縁の上側部分に設けたものを示したが、これに限らず、上記開口縁のほぼ全周に設けるようにしてもよい。
上記実施形態における排気トップ5は外部から見える部分であり美観上の観点からも原則的にはステンレス材料により形成されるものの、排気ガスドレンが発生するような部位は排気ガスドレンが接触することにより中和作用を発揮するような中和材料によって形成するようにしてもよい。上記の実施形態では、外面壁52、内面壁54,55、前面壁53等が対象となる。例えば下側内面壁55を例にした図5に示すように、下側内面壁55自体をアルミナイズド鋼板(アルミナイズドステンレス)、アルミニウム板又はアルミナ板等の中和材料により形成したり(図5(a)参照)、下側内面壁55を基板55aの内表面側及び/又は外表面側にアルミナの溶射(蒸着)又はアルミニウムメッキなどにより中和材料製の被覆層55b,55bを形成したもので構成したり(図5(b)参照)、すればよい。
上記実施形態では、外面壁52の外形を角筒状にして排気トップの全体形状が角筒状になるように形成しているが、これに限らず、円筒状でも多角筒状でもよく、外面壁や排気トップの形状の如何は問わず、いかなる形態の筒状であってもよい。
本発明の排気トップが適用された給湯装置の実施形態を示す断面説明図である。 排気トップの拡大断面説明図である。 排気トップを背面側から見た斜視図である。 排気トップを前面側から見た斜視図である。 図2のA部拡大図であり、図5(a)は中和材料自体により構成する場合、図5(b)は中和材料製の被覆層を形成する場合をそれぞれ示す。
符号の説明
2 燃焼バーナ
3 一次熱交換器
4 二次熱交換器
5 排気トップ
31 一次熱交換器ケース
41 二次熱交換器ケース
44 前面連通口(連通口)
52 外面壁
53 前面壁(外面壁)
54 上側内面壁
55 下側内面壁
56 流入口
57 排気口
58 排気通路
59 通路空間(隙間空間)
531 隙間空間
552 湾曲部位
S 吸音材

Claims (7)

  1. 一側の流入口から他側の排気口まで延びる排気通路が内部に区画形成された筒状の排気トップであって、
    上記排気通路は、上記流入口と排気口とが水平方向に重ならないよう上下方向にオフセット配置された状態になるようにクランク状に屈曲形成され、かつ、通路断面積が上記排気口に向けて絞られるように形成されている
    ことを特徴とする排気トップ。
  2. 請求項1に記載の排気トップであって、
    外部空間に面する筒状の外面壁と、この外面壁の内側に隙間空間を存した状態に配設された内面壁とを備え、上記排気通路は上記内面壁によって区画形成されている、排気トップ。
  3. 請求項2に記載の排気トップであって、
    上記流入口及び排気口は互いに相反する側に対し横向きに開口され、
    上記排気通路は、上記流入口に相対向するよう配置され流入口から前方に流入する排気ガスが衝突することによりその排気ガスの流れを上方に屈曲させる下側内面壁と、上方に屈曲された排気ガスが衝突することによりその排気ガスの流れを排気口に向けて前方に屈曲させる上側内面壁とによりクランク状に屈曲するように区画形成されている、排気トップ。
  4. 請求項3に記載の排気トップであって、
    上記下側内面壁は前方に向かう排気ガスの流れを上方に向かう流れに屈曲させるように滑らかな凹曲面を有する湾曲部位を備え、上記上側内面壁は上方に向かう排気ガスの流れを上向きの斜め前方に向かう流れに屈曲させるように排気口に向けて斜め上り勾配に傾斜した状態に配設されている、排気トップ。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれかに記載の排気トップであって、
    上記流入口と相対向してその流入口から流入する排気ガスが衝突することになる内面壁の背面側であって、その内面壁と外面壁との間の隙間空間には吸音材が配設されている、排気トップ。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の排気トップと、燃焼バーナと、この燃焼バーナの燃焼に基づき熱交換加熱される熱交換器とを備え、
    上記熱交換器を収容した熱交換器ケースに横向きに開口されて上記熱交換器を通過した後の排気ガスが導出される連通口に対し、上記排気トップの流入口が連通するように、上記排気トップが上記熱交換器ケースに取り付けられてなる、給湯装置。
  7. 請求項6に記載の給湯装置であって、
    上記熱交換器として、上記燃焼バーナの燃焼熱により熱交換加熱される一次熱交換器と、この一次熱交換器を通過した後の排気ガスから潜熱を回収するための二次熱交換器とを備え、上記熱交換器ケースの連通口が上記二次熱交換器を通過した後の排気ガスが導出されるものである、給湯装置。
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