JP2007032788A - 走行式作業機械の流体圧制御装置及び走行式作業機械の流体圧制御方法 - Google Patents

走行式作業機械の流体圧制御装置及び走行式作業機械の流体圧制御方法 Download PDF

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忠伸 立岩
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Abstract

【課題】 走行式作業機械の流体圧制御装置に関し、簡素な構成で流体圧アクチュエータ及び流体圧モータの操作性を向上させる。
【解決手段】 コントローラ13は、流体圧アクチュエータ4a〜4d及び流体圧モータ8a,8bの各作動量にそれぞれ対応した目標要求流量を設定し、流体圧アクチュエータ4a〜4d及び流体圧モータ8a,8bの目標要求流量の総和が流体圧ポンプ2a,2bの最大吐出流量を超えた場合に、上記の各目標要求流量を低減させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、走行式作業機械に搭載される流体圧アクチュエータを制御するのに用いて好適な流体圧制御装置及び流体圧制御方法に関する。
従来より、油圧シリンダ等をはじめとする流体圧アクチュエータを流体圧回路上に備え、流体圧アクチュエータによりバケットやブーム,スティック,旋回装置といった流体圧装置を作動させる作業機械(油圧ショベル等)が開発されている。このような作業機械においては、油圧ポンプによって加圧された作動油が油圧回路を介して各種油圧装置へ供給されるようになっており、油圧ポンプと油圧装置との間に制御弁が介装されて、油圧装置へ供給される作動油の流量や油圧が適切に制御される。
例えば、特許文献1には、ブームやスティック等を駆動する油圧シリンダ、走行装置や旋回装置を駆動する油圧モータ、各油圧シリンダ,油圧モータ等の各アクチュエータへ作動油を供給するエンジン駆動の二つの油圧ポンプ、及び各アクチュエータへ供給される作動油量を制御する複数のコントロール弁を備えた油圧回路において、各コントロール弁の開度を制御するための電子制御装置(コントローラ)が設けられた構成が記載されている。
この特許文献1に記載された油圧回路には、二つの油圧ポンプの各吐出圧を検出する圧力センサと、コントロール弁及び各アクチュエータ間の油路上における作動油圧(すなわち、負荷圧)を検出する圧力センサとが備えられ、また、運転操作室(キャブ)内には、各アクチュエータの作動量を設定する操作レバーが備えられている。そして、各圧力センサから入力される作動油圧及び操作レバーの操作量に基づいて、各コントロール弁の開度制御を実施し、各アクチュエータを適切に動作させるようになっている。
コントローラによる各コントロール弁の制御について、図6に、従来の典型的な制御構成をブロック図として示す。
各コントロール弁の開度制御を行うコントローラ40は、差圧演算部41と、目標流量設定部42と、開度演算部43と、制御部44とを備えて構成される。なお、このコントローラ40は、複数のコントロール弁の開度を個別に制御できるようになっているが、ここでは一つのコントロール弁の開度制御にかかる制御ブロックを示している。
差圧演算部41は、コントロール弁の上流側と下流側との作動油圧の差(差圧)ΔPを演算する演算部であり、油圧ポンプの吐出圧を上流側,アクチュエータの負荷圧を下流側として差圧ΔPを算出する。ここで算出された差圧ΔPは、開度演算部43へ入力される。
目標流量設定部42は、操作レバーの操作量に基づきアクチュエータへ供給すべき目標値としての作動油流量(目標流量Q)を設定する演算部である。ここで設定された目標流量Qも、開度演算部43へ入力される。
開度演算部43は、差圧演算部41で算出された差圧ΔP及び目標流量設定部42で設定された目標流量Qに基づいて、コントロール弁の開度(開放すべき開口面積A)に対応する値Cd・Aを演算する制御部である。
そして制御部44は、開度演算部43で演算された値Cd・Aからコントロール弁のステムストロークを設定し、設定されたステムストロークとコントロール弁のステムの位置とが等しくなるように制御を行う。
上述のコントロール弁の開度制御によって、例えば、コントロール弁の上流・下流の差圧が大きいときには開度が絞られてアクチュエータへの作動油の過剰な供給が制限され、一方、差圧が小さいときには開度が開かれてアクチュエータへの作動油の供給が促進される。このように、コントロール弁の開度が適切に調整されて、アクチュエータへ適切な量の作動油を供給できるようになっている。
特開2000−309950号公報
上述のような従来の制御構成では、複数の操作レバーが同時に操作された場合、目標流量設定部42により、それぞれのレバー操作量に応じた目標流量Qが設定され、各コントロール弁の開度が制御される。しかし、同時に操作された操作レバーの操作量が大きい場合には、目標流量設定部42で設定される目標流量Qも大きくなるため、それらの合計が、油圧ポンプの供給しうる作動油の最大量Qmaxを超えてしまうことがある。この場合、実際に供給される作動油量に対して、複数のコントロール弁の開度が開放側に制御された状態となり、作動油供給のバランスが崩れやすくなってしまうという課題がある。
また特に、油圧回路上に油圧モータを備えた作業機械の場合には、以下のような課題も発生する。すなわち、油圧モータの制御において、コントロール弁へ供給される作動油量が何らかの原因により急激に減少するようなことが起こると、油圧モータの前後差圧が小さくなり、この前後差圧が所定圧よりも小さくなると油圧モータに併設されたブレーキ弁が働いて油圧モータへの作動油の供給が停止してしまうことがある。この場合、モータ作動が一時的にロックした状態となり、モータ回転の急減速によるショックが発生するおそれがある。なお、ブレーキ弁とは、油圧モータの逆回転を防止するためのカウンタバランス弁であり、例えば、作業機械の走行モータの場合、傾斜面におけるクローラの自重落下を防止するように機能する弁である。
このようなブレーキバルブの閉鎖による油圧モータのロック現象は、油圧モータの前後差圧が回復すれば直ちに解除されるが、モータ回転の急減速によるショックとその後のロック解除時のショックとの発生によって、オペレータへ不快感を与えるとともに操作性を著しく悪化させるおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、流体圧モータを備えた流体圧回路において、簡素な構成で流体圧アクチュエータ及び流体圧モータの操作性を向上させることができるようにした、走行式作業機械の流体圧制御装置及び走行式作業機械の流体圧制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の走行式作業機械の流体圧制御装置(請求項1)は、流体圧駆動式の作業機器および走行装置を搭載の走行式作業装置において、流体圧回路の作動流体としての圧力流体を吐出する流体圧ポンプと、該流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該作業機器を作動させる流体圧アクチュエータと、該流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該走行装置を作動させる流体圧モータと、上記の流体圧アクチュエータおよび流体圧モータの作動量をそれぞれ設定する操作装置と、該流体圧ポンプから該流体圧アクチュエータへの圧力流体供給通路上に介装され、該流体圧アクチュエータへの該圧力流体の供給流量を調節する第1制御弁と、該流体圧ポンプから該流体圧モータへの圧力流体供給通路上に介装され、該流体圧モータへの該圧力流体の供給流量を調節する第2制御弁と、該流体圧モータと該第2制御弁との間の圧力流体供給通路上に設けられ、該流体圧モータの入出口圧力差が所定値以下になると該流体圧モータへの該圧力流体の供給を停止しうるカウンタバランス弁と、該操作装置によって設定された上記の流体圧アクチュエータの作動量および流体圧モータの作動量に基づいて、上記の第1制御弁および第2制御弁の開度をそれぞれ制御するコントローラとを備え、該コントローラが、上記の流体圧アクチュエータの作動量および流体圧モータの作動量にそれぞれ対応した目標要求流量を設定する目標要求流量設定部と、上記の流体圧アクチュエータの目標要求流量と流体圧モータの目標要求流量との和が該流体圧ポンプの最大吐出流量を超えた場合に、上記の各目標要求流量を低減させる目標要求流量調整部とを有することを特徴としている。
なお、ここでいう流体圧回路とは、所定の圧力変化に対して略体積を変化させない流体を作動流体とする回路一般を指しており、例えば、流体圧ポンプとして、油圧ポンプや水圧ポンプ等の液圧ポンプを備えたものを含む。また、流体圧アクチュエータとしては、液圧モータや液圧シリンダ等を含む。
また、該目標要求流量調整部は、上記の流体圧モータの目標要求流量を低減させる際に、上記の流体圧モータの目標要求流量を漸減させるリミッタを有することが好ましい(請求項2)。
また、該コントローラは、該流体圧ポンプの最大吐出量を、該操作装置により設定される該流体圧アクチュエータの要求作動量と該操作装置により設定される該流体圧モータの要求作動量とに分配するように、該第1制御弁及び該第2制御弁の開度をそれぞれ制御することが好ましい(請求項3)。
本発明の走行式作業機械の流体圧制御装置(請求項4)は、流体圧駆動式の作業機器および走行装置を搭載の走行式作業装置において、流体圧回路の作動流体としての圧力流体を吐出する第1流体圧ポンプおよび第2流体圧ポンプと、上記の第1流体圧ポンプ又は第2流体圧ポンプから吐出される圧力流体により駆動され該作業機器を作動させる流体圧アクチュエータと、該第1流体圧ポンプ又は第2流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該走行装置を作動させる流体圧モータと、該第1流体圧ポンプから吐出される作動流体を上記の流体圧アクチュエータまたは流体圧モータへ供給する第1流体圧回路と、該第2流体圧ポンプから吐出される圧力流体を上記の流体圧アクチュエータまたは流体圧モータへ供給する第2流体圧回路と、該第1流体圧回路と該第2流体圧回路とを連結する連結流体路と、上記の流体圧アクチュエータおよび流体圧モータの作動量をそれぞれ設定する操作装置と、上記の第1流体圧回路または第2流体圧回路上に介装され、該流体圧アクチュエータへの該圧力流体の供給流量を調節する第1制御弁と、上記の第1流体圧回路または第2流体圧回路上に介装され、該流体圧モータへの該圧力流体の供給流量を調節する第2制御弁と、該流体圧モータと該第2制御弁との間の流体圧回路上に設けられ、該流体圧モータの入出口圧力差が所定値以下になると該流体圧モータへの該圧力流体の供給を停止しうるカウンタバランス弁と、該操作装置によって設定された上記の流体圧アクチュエータの作動量および流体圧モータの作動量に基づいて、上記の第1制御弁および第2制御弁の開度をそれぞれ制御するコントローラとを備え、該コントローラが、上記の流体圧アクチュエータの作動量および流体圧モータの作動量にそれぞれ対応した目標要求流量を設定する目標要求流量設定部と、上記の流体圧アクチュエータの目標要求流量と流体圧モータの目標要求流量との和が上記の第1流体圧ポンプおよび第2流体圧ポンプの最大吐出流量和を超えた場合に、上記の各目標要求流量を低減させる目標要求流量調整部とを有することを特徴としている。
本発明の走行式作業機械の流体圧制御方法(請求項5)は、流体圧駆動式の作業機器及び走行装置を搭載の走行式作業装置において、作動流体としての圧力流体を吐出する流体圧ポンプと、該流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該作業機器を作動させる流体圧アクチュエータと、該流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該走行装置を作動させる流体圧モータと、上記の流体圧アクチュエータ及び流体圧モータの作動量をそれぞれ設定する操作装置と、該流体圧ポンプから該流体圧アクチュエータへの圧力流体供給通路上に介装され、該流体圧アクチュエータへの該圧力流体の供給流量を調節する第1制御弁と、該流体圧ポンプから該流体圧モータへの圧力流体供給通路上に介装され、該流体圧モータへの該圧力流体の供給流量を調節する第2制御弁と、該流体圧モータと該第2制御弁との間の圧力流体供給通路上に設けられ、該流体圧モータの入出口圧力差が所定値以下になると該流体圧モータへの該圧力流体の供給を停止しうるカウンタバランス弁と、を備えた流体圧回路の流体圧制御方法であって、上記の流体圧アクチュエータの作動量及び流体圧モータの作動量にそれぞれ対応した目標要求流量を設定し、上記の流体圧アクチュエータの目標要求流量と流体圧モータの目標要求流量との和が該流体圧ポンプの最大吐出流量を超えた場合に、上記の各目標要求流量を低減させ、その後、上記の各目標要求流量に基づいて上記の第1制御弁及び第2制御弁の開度をそれぞれ制御することを特徴としている。
本発明の走行式作業機械の流体圧制御装置及び走行式作業機械の流体圧制御方法(請求項1,4及び5)によれば、コントローラが目標要求流量調整部を有しているため、作動流体の供給バランスを保ちやすくすることができる。また、油圧モータの前後差圧の低下を抑制でき、モータ回転の急停止を防止できる。これにより、流体圧アクチュエータの操作性を向上させることができる。
本発明の走行式作業機械の流体圧制御装置(請求項2)によれば、流体圧モータの目標要求流量を漸減させるリミッタを備えているため、操作レバーの急操作時においても目標要求流量を緩やかに変化させることができ、作動油供給を安定化させることができる。
本発明の走行式作業機械の流体圧制御装置(請求項3)によれば、流体圧ポンプの最大吐出量を超えて目標要求流量が設定されることがなくなり、作動流体の供給バランスを略一定に保つことができる。
以下、図面により、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施形態としての流体圧制御装置を示すものであり、図1は本装置が適用された油圧回路の油圧回路図、図2は本装置のコントロール弁の開度制御にかかる制御ブロック図、図3は本装置における制御作用を説明するためのグラフであり(a)はブームレバーの操作量を示すグラフ、(b)はブームの実要求流量を示すグラフ、(c)はクローラの実要求流量を示すグラフ、(d)はフローレシオを示すグラフ、図4は図1に示す油圧回路におけるリリーフ圧とレバー操作量との関係を示すグラフ、図5は本装置が適用された走行式作業機械の全体構成を示す斜視図である。
[全体構成]
本油圧制御装置(流体圧制御装置)は、図5に示すような油圧ショベル30に適用されている。この油圧ショベル30は、上部旋回体32と下部走行体31と作業用装置36とを備えるとともに、作業用装置36としてブーム33,スティック(アーム)34,バケット35を備えて構成されている。下部走行体31には無限軌道からなるクローラ装置が左右一対設けられており、その上部に上部旋回体32が水平方向へ旋回可能に載置されている。
ブーム33は上部旋回体32に対して上下方向へ回動可能に枢着され、ブーム33の先端には同じく鉛直面内に回動可能にアーム34が連結され、さらにアーム34の先端には鉛直方向へ回動可能にバケット35が連結されている。
また、上部旋回体32とブーム33との間には、ブーム33を上下方向へ揺動駆動するための2本のブームシリンダ4bが設けられるとともに、ブーム33とスティック34との間には、スティック34をブーム33に対して揺動駆動するためのスティックシリンダ4cが設けられ、さらに、スティック34とバケット35との間には、バケット35をスティック34の先端で揺動駆動するためのバケットシリンダ4dが設けられている。本油圧制御装置は、これらの作業用装置36等を駆動する油圧回路であって、図1に示す油圧回路に適用されている。
[回路構成]
この油圧回路は2ポンプ合流式の油圧回路であって、作業機械30の駆動源であるエンジン1の動力で駆動する可変容量型の2台の油圧ポンプ(流体圧ポンプ)2a,2bを備えている。これらの油圧ポンプ2a,2bから吐出される作動油は、コントロール弁(制御弁)6a〜6gを介してアタッチメント用シリンダ4a,ブームシリンダ4b,スティックシリンダ4c及びバケットシリンダ4dの各油圧シリンダ(流体圧アクチュエータ)と、旋回油圧モータ8c,右クローラ油圧モータ8a及び左クローラ油圧モータ8bの各油圧モータ(流体圧モータ)へ供給されるようになっている。
旋回油圧モータ8cは、作業機械30の上部旋回体32を下部走行体31に対して旋回運動させるためのモータである。また、右クローラ油圧モータ8a及び左クローラ油圧モータ8bは、それぞれ、下部走行体31の左右のクローラ装置を駆動するモータである。
右クローラ油圧モータ8aとそのコントロール弁6fとの間、及び、左クローラ油圧モータ8bとそのコントロール弁6gとの間には、それぞれ、ブレーキバルブ7a,7bが介装されている。ブレーキバルブ7a,7bは、傾斜面におけるクローラの自重落下を防止するためのカウンタバランス弁であり、クローラ油圧モータ8a,8bの前後差圧が所定圧よりも小さくなると弁を閉鎖してクローラ油圧モータ8a,8bへの作動油の供給を停止し、クローラの移動を拘束(ロック)するようになっている。
油圧シリンダについて、例えば、ブームシリンダ4bが伸張方向へ作動すると、ブーム33が上方向へ移動し(ブーム上げ)ブームシリンダ4bが縮小方向へ作動すると、ブーム33が下方向へ移動する(ブーム下げ)。同様に、スティックシリンダ4cの伸縮動作は、スティック34の揺動運動(スティックイン,スティックアウト)に対応し、バケットシリンダ4dの伸縮動作は、バケットの揺動運動(バケットクローズ,バケットオープン)に対応する。なお、作業機械30のブーム33には、実際にはブームシリンダ4bが二本設けられているが、ここでは省略して一方のみを図示している。
各油圧シリンダ4a〜4d及び各油圧モータ8a〜8cの作動量は、各々に対応して設けられる各操作レバー(操作装置)の操作量に応じて設定される。例えば、右クローラ走行操作レバー9aは、右クローラ油圧モータ8aの作動量を設定するための操作レバーである。同様に、左クローラ走行操作レバー9b,ブーム操作レバー9c及びスティック操作レバー9dは、それぞれ、左クローラ油圧モータ8b,ブームシリンダ4b及びスティックシリンダ4cの作動量を設定する。
図1に示すように、各操作レバー9a〜9dには、各々の操作量A1〜A4を検出すレバーセンサ10a〜10dが併設されており、ここで検出された操作量A1〜A4は、後述するコントローラ13へ入力されるようになっている。なお、ここでは図示及び説明を省略しているが、本装置にはアタッチメント用の操作レバーやバケット用の操作レバー等も備えられている。
二つの油圧ポンプのうち、一方の油圧ポンプ(第1流体圧ポンプ)2aは、主にスティック及びアタッチメント用の油圧シリンダ4a,4cと右クローラ油圧モータ8aへ作動油を供給する。また、他方の油圧ポンプ(第2流体圧ポンプ)2bは、主にブーム及びバケット用の油圧シリンダ4b,4dと左クローラ油圧モータ8bと旋回油圧モータ8cへ作動油を供給する。なお、ここでは、油圧ポンプ2aから吐出される作動油が主に流通するA回路(第1流体圧回路)3aと、油圧ポンプ2bから吐出される作動油が主に流通するB回路(第2流体圧回路)3bとが、互いに作動油を流通させうるように、連結通路14を介して接続されている。このように、A回路3aとB回路3bとを接続することによって、各々の回路に供給される作動油に余剰が生じたときに互いに補完して、効率よく作動油を各種油圧装置へ供給できるようになっている。
2台の油圧ポンプ2a,2bから各コントロール弁6a〜6gへの作動油供給通路上には、直進切換弁15が設けられている。この直進切換弁15は、油圧ポンプ2a,2bから吐出された作動油の流通方向を切り換えるための切換弁である。
直進切換弁15は、右クローラ油圧モータ8aへ供給される作動油と、左クローラ油圧モータ8bへ供給される作動油とが、2台の油圧ポンプ2a,2bから個々に供給されるようにするか、それとも、同一の油圧ポンプから供給されるようにするかを切り換える。つまり、クローラの駆動にはクローラ油圧モータが多量の作動油を必要とし、油圧ポンプ2a,2bへ与える負荷が大きくなりやすいため、通常のクローラ駆動時には左右各々のクローラ油圧モータ8a,8bに対して個別に油圧ポンプ2a,2bをあてがう油圧回路を形成して、油圧ポンプ2a,2bへ与えられる負荷を分散し、一方、クローラの直進性が必要とされる場面では、左右各々のクローラ油圧モータ8a,8bに対して単一の油圧ポンプ(二つの油圧ポンプのうち、何れか一方の油圧ポンプ)をあてがう油圧回路を形成して左右均等なクローラ駆動力が生成できるようになっている。
例えば、直進切換弁15の制御スプールが、図1に示される位置にある場合、右クローラ油圧モータ8aには主に油圧ポンプ2aからの作動油が供給されるとともに、左クローラ油圧モータ8bには主に油圧ポンプ2bからの作動油が供給される。また、直進切換弁15の制御スプール位置が切り換えられると、主に油圧ポンプ2aからの作動油が右クローラ油圧モータ8a,左クローラ油圧モータ8bの双方へ供給されるようになっている。
電磁リリーフ弁5a,5bは、A回路3a,B回路3bのそれぞれの回路を流通する作動油圧の上限値を制限するリリーフ弁であり、入力された電気信号に基づいて、各回路のリリーフ圧を変化させる。ここでは、操作レバーの操作量に応じて、図4に示す対応関係に基づいてリリーフ圧が設定される。例えば、A回路3aの電磁リリーフ弁5aはスティック操作レバー9dやアタッチメント用操作レバーの操作量を参照してリリーフ圧を設定し、B回路3bの電磁リリーフ弁5bはブーム操作レバー9cやバケット用操作レバーの操作量を参照してリリーフ圧を設定する。
なお、リリーフ弁16は、本油圧回路全体の作動油圧の上限値を制限するリリーフ弁である。このリリーフ弁16は、作動油圧が電磁リリーフ弁5a,5bで設定されるリリーフ圧よりも大きい所定圧を超えたときに、作動油をリリーフさせる安全弁として機能している。
コントロール弁6a〜6gは、各油圧シリンダ4a〜4d及び各油圧モータ8a〜8cに対応して設けられており、ここでは図1に示すように、ステム(流量制御スプール)の位置を3つの位置に連続的に切り替え可能なスプール弁として構成されている。これらのコントロール弁6a〜6gは、コントローラ13によってその開度を制御される。なお、ここで示されているコントロール弁6a〜6gは、各油圧シリンダ4a〜4d及び各油圧モータ8a〜8cへ供給する作動油量を制御するための弁として挙げられた一例である。
ポンプ油圧センサ11a,11bは、油圧ポンプ2a,2bから吐出される作動油の吐出圧を検出するセンサである。ここで検出された油圧ポンプ2aの吐出圧P1及び油圧ポンプ2bの吐出圧P2は、コントローラ13へ入力されるようになっている。
また、各コントロール弁6a〜6dとそれらに対応する油圧シリンダ4a〜4dとの間の油路上にも、作動油圧を検出する油圧センサが介装されている。これらの油圧センサは、各油圧シリンダ4a〜4dへ働く負荷圧力を検出するセンサとして機能する。なお、図1には、スティック34の負荷圧力を検出する油圧センサ12a及びブーム33の負荷圧力を検出する油圧センサ12bが図示されているが、バケット35やアタッチメントの負荷圧力についても、図示しない油圧センサによって検出されるようになっている。
例えば、油圧センサ12aは、スティック油圧シリンダ4cへ働く負荷圧力Paを検出し、それをコントローラ13へ入力する。同様に、油圧センサ12bは、ブーム油圧シリンダ4bの負荷圧力Pbを検出し、それをコントローラ13へ入力する。なお、ここでは図示を省略しているが、アタッチメント油圧シリンダ4aやバケット油圧シリンダ4dに働く負荷圧力についても、同様の油圧センサによって検出され、コントローラ13へ入力されるようになっている。
[制御構成]
図2に、コントローラ13の制御ブロック図を示す。なお、このコントローラ13は、複数のコントロール弁の開度を個別に制御できるようになっているが、ここでは一つのコントロール弁の開度制御にかかる制御ブロックを示している。
コントローラ13は、制御ブロックとして、差圧演算部21,要求流量設定部22,乗算部23,フローレシオ演算部24,レートリミッタ部25,開度演算部26及び制御部27を備えて構成される。
差圧演算部21は、コントロール弁の上流側と下流側との作動油圧の差(差圧)ΔPを演算する演算部であり、ポンプ油圧センサ11a,11bで検出された油圧ポンプ2a,2bの吐出圧を上流側,油圧センサ12a,12b等で検出されたアクチュエータの負荷圧を下流側として差圧ΔPを算出する。ここで算出された差圧ΔPは、開度演算部26へ入力される。例えば、ブームのコントロール弁6bの制御では、ポンプ油圧センサ11bで検出された吐出圧P2を上流側、油圧センサ12bで検出された負荷圧力Pbを下流側の圧力として差圧ΔPがΔP=P2−Pbとして算出される。
要求流量設定部22は、レバーセンサ10a〜10d等で検出されたレバー操作量A1〜A4に基づいて、油圧シリンダ4a〜4d,油圧モータ8a〜8cへ供給すべき目標値としての作動油の要求流量Qを設定する。例えば、右クローラ走行操作とブーム操作とが同時に行われたときには、右クローラ操作レバー9aの操作量A1に基づいて右クローラ油圧モータ8aへ供給すべき作動油の要求流量Qを設定するとともに、ブーム操作レバー9cの操作量A3に基づいてブーム油圧シリンダ4bへ供給すべき作動油の要求流量Qを設定する。このように、各操作レバー9a〜9dの操作量に対応して、各油圧シリンダ4a〜4d,各油圧モータ8a〜8cの要求流量Qが個別に設定されるようになっている。
なお、本実施形態では、図2中に示すように、レバー操作量の増大に応じて要求流量Qが増大するように設定され、また、レバー操作量が所定量を超えると、それ以上要求流量Qが増加しないようにその上限値が制限されている。
フローレシオ演算部24は、要求流量設定部22で設定された油圧シリンダ,油圧モータの各要求流量Qに基づいて、以下の式1に従って演算を行うようになっている。
Figure 2007032788
ここで、ポンプ有効流量Qmaxとは、2台の油圧ポンプ2a,2bが吐出しうる最大吐出流量の和のことであり、油圧ポンプ2a,2bの特性として予め設定された値である。また、全要求流量とは、油圧回路におけるすべてのアクチュエータの要求流量Qの和のことである。つまり、一つの操作レバーのみが操作されたような単動操作時には、そのレバー操作にかかる要求流量Qのことをいい、また、複数の操作レバーが同時に操作された連動操作時には、各レバー操作にかかる要求流量Qの和のことをいう。
なお、本実施形態では、全要求流量がポンプ有効流量Qmaxを越えた場合には上記の式を用いてフローレシオを演算するが、全要求流量がポンプ有効流量Qmaxを越えていない場合には、フローレシオを1に設定するようになっている。これにより、フローレシオ演算部24で演算されるフローレシオは、0よりも大きく1以下の範囲に設定されるようになっている。ここで演算されたフローレシオは、レートリミッタ部25へ入力される。
レートリミッタ部25は、フローレシオ演算部24で演算されたフローレシオの時間変化を緩慢にするフィルタとしての機能を備えている。ここでフィルタ処理が施されたフローレシオは、乗算部23へ入力される。
乗算部23は、レートリミッタ部25を介して入力されるフローレシオと、要求流量設定部22で設定された要求流量Qとの積をとり、実要求流量Q′として開度演算部26へ入力するようになっている〔Q′=(フローレシオ)×Q〕。
これにより、図1に破線で示すように、フローレシオ演算部24,レートリミッタ部25及び乗算部26は、流体圧アクチュエータの目標要求流量と流体圧モータの目標要求流量との和が流体圧ポンプの最大吐出流量を超えた場合に、各目標要求流量を低減させる目標要求流量調整部28として機能していることになる。また、レートリミッタ部25の働きにより、乗算部23で算出される実要求流量Q′は、目標要求流量Qに対して漸減することになる。
つまり、要求流量設定部22で各油圧装置のアクチュエータや油圧モータに対して設定された要求流量Qの合計がポンプ有効流量Qmaxを越えた場合、目標要求流量調整部28が各要求流量の比率を保持したまま各要求流量Qを減少させて、それらの合計がポンプ有効流量Qmaxと等しくなるように演算していることになる。
開度演算部26は、差圧演算部21で演算された差圧ΔPと、乗算部23から入力された実要求流量Q′とに基づき、コントロール弁6a〜6gの開度(開放すべき開口面積A)に対応する値Cd・Aを、以下の式2に従って演算する。
Figure 2007032788
(ただし、Cd:流量係数,A:開口面積,ρ:作動油密度)
なお、上記の開度演算部26における値Cd・Aの演算は、任意の値Cd・Aにおける圧力差ΔPと流量Qとの関係を予め実測してグラフ化したマップを用いる方法としてもよい。つまりこの場合、値Cd・Aの取り得るパターンを予め複数想定しておき、それに対応する圧力差ΔPと流量Qとの関係を予め実測してマップとして記憶させておくことになる。
そして、制御部27は、開度演算部15で演算された値Cd・Aから、図2に示すような対応マップに基づいて、目標開度、すなわち、コントロール弁6a〜6gのステムストロークを設定し、設定されたステムストロークとコントロール弁6a〜6gのステムの位置とが等しくなるように、制御信号V1〜V7を出力する。これにより、各コントロール弁6a〜6gの開度を制御するようになっている。なお、このコントローラ13は、各コントロール弁6a〜6gの開度を個別に制御するようになっている。
[作用]
以上のような構成により、本実施形態における流体圧制御装置によれば以下のように作用する。
まず、図3(c)に示すように、オペレータによって例えば右クローラ走行操作レバー9aが操作されると、その操作量に対応する要求流量QがQaに設定されて右クローラ油圧モータ8aが作動する。このとき、フローレシオ演算部24で演算されるフローレシオは、全要求流量がポンプ有効流量Qmaxを越えていないため、1に設定されている。
このような右クローラ走行操作レバー9aの操作が継続されたまま、図3(a)に示すように、時刻t1にオペレータによってブーム操作レバー9cが操作されると、右クローラとブームとが連動状態となる。そして、要求流量設定部22において、ブーム操作レバー9cの操作量に対応する要求流量Qb〔図3(b)において一点鎖線で示す〕が設定される。
ここで、フローレシオ演算部24において、右クローラ油圧モータの要求流量Qaとブーム油圧シリンダ4bの要求流量Qbとの和が、2台の油圧ポンプ2a,2bが吐出しうる最大吐出流量の和Qmaxを超えている場合には、上記の式1に倣って、フローレシオが以下の式3のように演算される。
フローレシオ(Flow Ratio)=Qmax/(Qa+Qb) ・・・(式3)
また、フローレシオ演算部24で演算されたフローレシオはレートリミッタ部25へ入力される。レートリミッタ部25において、図3(d)に示すように、フローレシオの時間変化が緩慢となるようにフローレシオにフィルタ処理が施される。すなわち、レートリミッタ部25は、時刻t1にフローレシオ演算部24においてフローレシオの値が1からQmax/(Qa+Qb)へ変化したときに、その変化量をなだらかに減少させるよう作用する。
このようにして、フローレシオ演算部24で演算されたフローレシオは、レートリミッタ部25を介してその時間変化を緩慢にされたあと、乗算部23へ出力される。そして、乗算部23において、右クローラ油圧モータの要求流量Qaとブーム油圧シリンダ4bの要求流量Qbとの各々に対してフローレシオが乗算されて、右クローラ油圧モータ8aの実要求流量Qc,ブーム油圧シリンダ4bの実要求流量Qdが演算され、これらの実要求流量に基づいてコントロール弁6b,6fの開度制御が実施される。なお、ここで演算される実要求流量Qc,Qdは、以下の式4,式5に従って演算される。
実要求流量Qc=Qa×フローレシオ(Flow Ratio) ・・・(式4)
実要求流量Qd=Qb×フローレシオ(Flow Ratio) ・・・(式5)
このため、図3(b)に示すように、ブーム油圧シリンダ4bの実要求流量Q′は、時刻t1において急変することなく穏やかに0からQdへ変化するように設定され、一方、右クローラ油圧モータ8aの実要求流量Q′は、図3(c)に示すように、時刻t1において急変することなく穏やかにQaからQcへ変化するように設定される。
[効果]
上述のように、本油圧制御装置によれば、時刻t1において、ブーム油圧シリンダ4bの実要求流量Q′及び右クローラ油圧モータ8aの実要求流量Q′が急変することなく穏やかに変化するため、急激にブーム側へ作動油が供給されることがなくなり、クローラ油圧モータ8aのコントロール弁6fにおける作動油量の急激な減少を防止することができる。つまり、油圧モータのロック現象を防止することができる。
また、上記の制御において、右クローラ油圧モータ8aの実要求流量Qcとブーム油圧シリンダ4bの実要求流量Qdとの和Qc+Qdは、上記の式3〜式5より、ポンプ有効流量Qmaxと等しくなる。したがって、これらの実要求流量Qc,Qdに基づくコントロール弁の開度制御によって供給される作動油量が、コントローラ13が想定した作動油量よりも少なくなることがない。
また、右クローラ油圧モータ8aの実要求流量Qcとブーム油圧シリンダ4bの実要求流量Qdとの比率は、右クローラ油圧モータ8aの要求流量Qaとブーム油圧シリンダ4bの要求流量Qbとの比率に等しくなっている(Qa:Qb=Qc:Qd)。
つまり、コントローラ13は、油圧ポンプの最大吐出量Qmaxを、ブーム油圧シリンダ4bの要求流量Qaと右クローラ油圧モータ8aの要求流量Qbとに分配し、それぞれの実目標流量をQc,Qdに設定して、該第1制御弁及び該第2制御弁の開度をそれぞれ制御することになる。したがって、作動油供給の分配バランスを保つことができる。
なお、時刻t2において、オペレータによってブーム操作レバー9cが操作されなくなり、右クローラの単動状態となった場合には、フローレシオ演算部24において演算されるフローレシオの値がQmax/(Qa+Qb)から1へ変化するが、レートリミッタ部25を介してその時間変化が緩慢にされるため、図3(d)に示すように、フローレシオはなだらかに増加することになる。
このため、図3(b),(c)に示すように、ブーム油圧シリンダ4bの実要求流量Q′は時刻t2において急変することがなく、穏やかにQdから0へ変化するように設定され、一方、右クローラ油圧モータ8aの実要求流量Q′についても、穏やかにQcからQaへ変化するように設定される。したがって、安定した作動油量供給を行うことができる。
このように、作動油供給の分配バランスを保ちながら、クローラとブーム連動時におけるクローラ油圧モータ8aの前後差圧の減少を防止することができ、ブレーキバルブ7aの閉鎖によるクローラのロック現象を防止することができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、コントローラ13において、目標要求流量Qに対しフローレシオ〔0<(フローレシオ)≦1〕を乗算することによって、目標要求流量Qよりも小さい値の実要求流量Q′を算出するようになっている。しかし、油圧モータ8a,8bのロック現象を防止するうえでは、少なくとも、油圧アクチュエータ及び油圧モータの各目標要求流量Qの和が油圧ポンプ2a,2bの最大吐出流量Qmaxを超えたときに、各目標要求流量Qを低減させることができればよい。例えば、各目標要求流量Qを予め設定された所定量分減少させる制御を行うような構成でも、油圧モータ8a,8bにおける前後差圧の低下を抑制することができ、モータ回転の急減速ショックの発生を防止できる。
また、上述の実施形態では、コントロール弁6a〜6gが、ステムの位置を3つの位置に連続的に切り替え可能なスプール弁として構成されているが、このような弁に限定されるものではなく、各油圧シリンダ4a〜4d及び各油圧モータ8a〜8cへ供給する作動油量を制御するための弁であれば、弁の形式は問われない。
また、上述の実施形態では、2台の油圧ポンプが備えられた2ポンプ合流式油圧回路において本発明にかかる流体圧制御装置を適用した例を示したが、1台又は3台以上の油圧ポンプによって作動油が供給される各々の油圧回路を合流させた任意の数のポンプを備えた油圧回路の油圧制御に適用することもできる。
また、上述の実施形態では、作動油量を制御することによって油圧の大きさをコントロールする油圧制御装置に本発明を適用したものとなっているが、作動油以外の各種流体の圧力の大きさをコントロールする制御装置に適用可能である。
本発明の一実施形態としての流体圧制御装置が適用された油圧回路の油圧回路図である。 本装置のコントロール弁の開度制御にかかる制御ブロック図である。 本装置における制御作用を説明するためのグラフであり(a)はブームレバーの操作量を示すグラフ、(b)はブームの実要求流量を示すグラフ、(c)はクローラの実要求流量を示すグラフ、(d)はフローレシオを示すグラフである。 図1に示す油圧回路におけるリリーフ圧とレバー操作量との関係を示すグラフである。 本装置が適用された走行式作業機械の全体構成を示す斜視図である。 従来の油圧制御装置のコントロール弁の開度制御にかかる制御ブロック図である。
符号の説明
1 エンジン
2a 油圧ポンプ(流体圧ポンプの一つ,第1流体圧ポンプ)
2b 油圧ポンプ(流体圧ポンプの一つ,第2流体圧ポンプ)
3a A回路(流体圧回路の一つ,第1流体圧回路)
3b B回路(流体圧回路の一つ,第2流体圧回路)
4a〜4d 油圧シリンダ(流体圧アクチュエータ)
5a,5b 電磁リリーフ弁
6a〜6d コントロール弁(第1制御弁)
6e〜6g コントロール弁(第2制御弁)
7a,7b ブレーキ弁(カウンタバランス弁)
8a 右クローラ油圧モータ(流体圧モータの一つ)
8b 左クローラ油圧モータ(流体圧モータの一つ)
8c 旋回油圧モータ(流体圧モータの一つ)
9a〜9d 操作レバー(操作装置)
10a〜10d レバーセンサ
11a,11b ポンプ油圧センサ
12a〜12d 油圧センサ
13 コントローラ
14 連結通路
15 直進切換弁
16 リリーフ弁
21 差圧演算部
22 要求流量設定部
23 乗算部
24 フローレシオ演算部
25 レートリミッタ部
26 開度演算部
27 制御部
28 目標要求流量調整部
30 作業機械
31 下部走行体
32 上部旋回体
33 ブーム
34 スティック
35 バケット
36 作業用装置

Claims (5)

  1. 流体圧駆動式の作業機器及び走行装置を搭載の走行式作業装置において、
    流体圧回路の作動流体としての圧力流体を吐出する流体圧ポンプと、
    該流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該作業機器を作動させる流体圧アクチュエータと、
    該流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該走行装置を作動させる流体圧モータと、
    上記の流体圧アクチュエータ及び流体圧モータの作動量をそれぞれ設定する操作装置と、
    該流体圧ポンプから該流体圧アクチュエータへの圧力流体供給通路上に介装され、該流体圧アクチュエータへの該圧力流体の供給流量を調節する第1制御弁と、
    該流体圧ポンプから該流体圧モータへの圧力流体供給通路上に介装され、該流体圧モータへの該圧力流体の供給流量を調節する第2制御弁と、
    該流体圧モータと該第2制御弁との間の圧力流体供給通路上に設けられ、該流体圧モータの入出口圧力差が所定値以下になると該流体圧モータへの該圧力流体の供給を停止しうるカウンタバランス弁と、
    該操作装置によって設定された上記の流体圧アクチュエータの作動量及び流体圧モータの作動量に基づいて、上記の第1制御弁及び第2制御弁の開度をそれぞれ制御するコントローラとを備え、
    該コントローラが、
    上記の流体圧アクチュエータの作動量及び流体圧モータの作動量にそれぞれ対応した目標要求流量を設定する目標要求流量設定部と、
    上記の流体圧アクチュエータの目標要求流量と流体圧モータの目標要求流量との和が該流体圧ポンプの最大吐出流量を超えた場合に、上記の各目標要求流量を低減させる目標要求流量調整部とを有する
    ことを特徴とする、走行式作業機械の流体圧制御装置。
  2. 該目標要求流量調整部は、上記の流体圧モータの目標要求流量を低減させる際に、上記の流体圧モータの目標要求流量を漸減させるリミッタを有する
    ことを特徴とする、請求項1記載の走行式作業機械の流体圧制御装置。
  3. 該コントローラは、該流体圧ポンプの最大吐出量を、該操作装置により設定される該流体圧アクチュエータの要求作動量と該操作装置により設定される該流体圧モータの要求作動量とに分配するように、該第1制御弁及び該第2制御弁の開度をそれぞれ制御する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の走行式作業機械の流体圧制御装置。
  4. 流体圧駆動式の作業機器及び走行装置を搭載の走行式作業装置において、
    流体圧回路の作動流体としての圧力流体を吐出する第1流体圧ポンプ及び第2流体圧ポンプと、
    上記の第1流体圧ポンプ又は第2流体圧ポンプから吐出される圧力流体により駆動され該作業機器を作動させる流体圧アクチュエータと、
    該第1流体圧ポンプ又は第2流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該走行装置を作動させる流体圧モータと、
    該第1流体圧ポンプから吐出される作動流体を上記の流体圧アクチュエータまたは流体圧モータへ供給する第1流体圧回路と、
    該第2流体圧ポンプから吐出される圧力流体を上記の流体圧アクチュエータまたは流体圧モータへ供給する第2流体圧回路と、
    該第1流体圧回路と該第2流体圧回路とを連結する連結流体路と、
    上記の流体圧アクチュエータ及び流体圧モータの作動量をそれぞれ設定する操作装置と、
    上記の第1流体圧回路または第2流体圧回路上に介装され、該流体圧アクチュエータへの該圧力流体の供給流量を調節する第1制御弁と、
    上記の第1流体圧回路または第2流体圧回路上に介装され、該流体圧モータへの該圧力流体の供給流量を調節する第2制御弁と、
    該流体圧モータと該第2制御弁との間の流体圧回路上に設けられ、該流体圧モータの入出口圧力差が所定値以下になると該流体圧モータへの該圧力流体の供給を停止しうるカウンタバランス弁と、
    該操作装置によって設定された上記の流体圧アクチュエータの作動量及び流体圧モータの作動量に基づいて、上記の第1制御弁及び第2制御弁の開度をそれぞれ制御するコントローラとを備え、
    該コントローラが、
    上記の流体圧アクチュエータの作動量及び流体圧モータの作動量にそれぞれ対応した目標要求流量を設定する目標要求流量設定部と、
    上記の流体圧アクチュエータの目標要求流量と流体圧モータの目標要求流量との和が上記の第1流体圧ポンプ及び第2流体圧ポンプの最大吐出流量和を超えた場合に、上記の各目標要求流量を低減させる目標要求流量調整部とを有するとともに、
    該目標要求流量調整部が、上記の流体圧モータの目標要求流量を低減させる際に、上記の流体圧モータの目標要求流量を漸減させるリミッタを設けている
    ことを特徴とする、走行式作業機械の流体圧制御装置。
  5. 流体圧駆動式の作業機器及び走行装置を搭載の走行式作業装置において、作動流体としての圧力流体を吐出する流体圧ポンプと、該流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該作業機器を作動させる流体圧アクチュエータと、該流体圧ポンプから吐出される該圧力流体により駆動され該走行装置を作動させる流体圧モータと、上記の流体圧アクチュエータ及び流体圧モータの作動量をそれぞれ設定する操作装置と、該流体圧ポンプから該流体圧アクチュエータへの圧力流体供給通路上に介装され、該流体圧アクチュエータへの該圧力流体の供給流量を調節する第1制御弁と、該流体圧ポンプから該流体圧モータへの圧力流体供給通路上に介装され、該流体圧モータへの該圧力流体の供給流量を調節する第2制御弁と、該流体圧モータと該第2制御弁との間の圧力流体供給通路上に設けられ、該流体圧モータの入出口圧力差が所定値以下になると該流体圧モータへの該圧力流体の供給を停止しうるカウンタバランス弁と、を備えた流体圧回路の流体圧制御方法であって、
    上記の流体圧アクチュエータの作動量及び流体圧モータの作動量にそれぞれ対応した目標要求流量を設定し、
    上記の流体圧アクチュエータの目標要求流量と流体圧モータの目標要求流量との和が該流体圧ポンプの最大吐出流量を超えた場合に、上記の各目標要求流量を低減させ、
    その後、上記の各目標要求流量に基づいて上記の第1制御弁及び第2制御弁の開度をそれぞれ制御する
    ことを特徴とする、走行式作業機械の流体圧制御方法。
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