JP2007032194A - 外壁構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】合成樹脂系サイディング材を用いた、耐火性に優れる外壁構造体を提供する。
【解決手段】木造枠組壁工法における外壁構造体であって、たて枠2および下枠3からなる枠組と、枠組の屋内側に設けられた内側せっこうボード層12と、枠組の屋外側に中間材層を介して設けられた合成樹脂系サイディング材層28とを有しており、中間材層が、構造用面材層21および外側せっこうボード層24を備えてなることを特徴とする外壁構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は木造枠組壁工法における外壁構造体に関する。
近年、住宅等の木造建築物の外壁材として、塗装を施したアルミニウム板、スチール板等の金属系サイディング材や、タイル、陶板、煉瓦、セメント板等の窯業系サイディング材や、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の合成樹脂系サイディング材等の外壁用サイディング材が用いられている。
窯業系サイディング材は、耐火性に優れているものの、重量が大きいため施工性が劣るという欠点がある。また寒冷地においては、内部に侵入した雨水が外気温の低下により凍結、膨張して、サイディング材を破裂させることもあり、凍結性において問題がある。
金属系サイディング材は、耐火性に優れるとともに、比較的軽量で、凍結によるひび割れ等は生じ難いが、衝撃によって凹みが生じ易く、また塩害(潮風)、酸性雨、火山灰等によって錆や腐食が生じ易いという問題がある。
塩化ビニル樹脂等の合成樹脂系サイディング材は、比較的軽量で、着色性に優れ、錆や腐食が生じ難いが、窯業系サイディング材や金属系サイディング材に比べて耐火性が劣る点が大きな問題である。そのため、住宅の密集地で施工しようとする場合には、合成樹脂系サイディング材の室内側に耐火層を設けて施工しなければならないことが建築基準法上において定められている。
下記特許文献1では、木製枠組で囲まれた内部に断熱材層を充填し、該木製枠組の屋内側にせっこうボード層を貼り付けると共に、屋外側に火山性ガラス質複層板等の無機質強化板状体層を貼り付け、該無機質強化板状体層の屋外側に透湿性防水層および合成樹脂系サイディング材を設けた、木造枠組壁工法における外壁構造体が提案されている。
特開2005−90165号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の構成では必ずしも耐火性が充分とは言えず、合成樹脂系サイディング材を用いた外壁構造体における耐火性の向上が求められている。
本発明は、合成樹脂系サイディング材を用いた、耐火性に優れる外壁構造体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の外壁構造体は、木造枠組壁工法における外壁構造体であって、木材を接合してなる枠組と、該枠組の屋内側に設けられた内側せっこうボード層と、該枠組の屋外側に中間材層を介して設けられた合成樹脂系サイディング材層とを有しており、前記中間材層が、構造用面材層および外側せっこうボード層を備えてなることを特徴とする。
前記合成樹脂系サイディング材層と前記中間材層との間、および/または前記外側せっこうボード層と前記構造用面材層との間に胴縁が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、合成樹脂系サイディング材を備えた、耐火性に優れる外壁構造体が得られる。
図1〜3は本発明の外壁構造体の一実施形態を示したもので、図1は施工した状態の外壁構造体を例示した一部切り欠き斜視図である。図2は外壁構造体の水平断面図であり、図3は鉛直断面図である。
本実施形態の外壁構造体1は、たて枠2および下枠3からなる枠組の屋内側に、気密層11および内側せっこうボード層12が、枠組側から順に設けられており、前記枠組の屋外側に、構造用面材層21、第1の防水層22、第1の胴縁23、外側せっこうボード層24、第2の防水層25、第2の胴縁26、第3の防水層27、および合成樹脂系サイディング材層28が、枠組側から順に設けられている。また枠組で囲まれた内部に断熱材層4が設けられている。図中符号31は基礎、32は土台、33は床材をそれぞれ示す。
本実施形態では、構造用面材層21、第1の防水層22、第1の胴縁23、および外側せっこうボード層24が中間材層に相当する。
<枠組>
枠組は、木材からなるたて枠2と下枠3を接合して形成される。木材としては、日本農林規格に適合する針葉樹の構造用製材または集成材が用いられる。
木造枠組壁工法において、たて枠2および下枠3としては、断面形状が38mm×89mm以上の枠材が用いられる。好ましくは、断面呼び寸法が2インチ×4インチ(実寸法は1.5インチ×3.5インチ)及び2インチ×6インチ(実寸法は1.5インチ×5.5インチ)の規格の木材が用いられる。たて枠2と下枠3の接合にはくぎが用いられる。
隣り合う縦枠2どうしの間隔は500mm以下が好ましい。
<断熱材層>
本実施形態において、枠組で囲まれた内部に断熱材が充填されて断熱材層4が形成されている。断熱材層4を設けることにより外壁構造体1における断熱効果を向上させることができる。
断熱材としては、例えば無機質系材料では、JIS A 9521規格におけるロックウールやグラスウール等が挙げられ、有機質系材料では、ビーズ法や押出法によるポリスチレンフォーム板、ポリエチレンフォーム板、フェノールフォーム板、硬質ウレタンフォーム板等が挙げられる。断熱材の厚さは42〜200mmが好ましい。
<内側せっこうボード層>
枠組の屋内側には内側せっこうボード層12が設けられている。これにより枠組の強度が向上する。
内側せっこうボード層12としては、JIS A 6901規格におけるせっこうボード、強化せっこうボード、シージングせっこうボード、化粧せっこうボード等が好適に用いられる。内側せっこうボード層12の厚さは、前記材料のいずれにおいても9.5mm以上が好ましい。
内側せっこうボード用留付材12aとしては、せっこうボード用くぎまたはタッピンねじが用いられる。せっこうボード用くぎは、JIS A 5508規格におけるせっこうボード用くぎが好ましく用いられ、好ましい種類としてはGNF38〜GNF65、GNSF38〜GNSF65、GNC38〜GNC65、GNSC38〜GNSC65が挙げられる。留付間隔は周辺部では100mm以下、中間部では200mm以下が好ましい。
タッピンねじとしては、φ3.5mm×長さ15mm〜φ3.8mm×長さ60mmのものが好ましい。留付間隔は200mm以下が好ましい。
<目地処理材>
内側せっこうボード層12において隣り合うせっこうボードの接合部分に、必要に応じて目地処理材13を塗工してもよい。目地処理材13の材料としては、JIS A 6111規格におけるせっこうボード用目地処理材を好適に用いることができる。塗布量は100g/m以上が好ましい。
<気密層>
枠組と内側せっこうボード層12との間に気密層11を設けることが好ましい。気密層11の材料としては防湿気密フィルムが好適に用いられる。具体例としては、JIS A 6930規格における住宅用プラスチック系防湿フィルム(ポリエチレン系樹脂)、JIS Z 1702規格における包装用ポリエチレンフィルム、JIS K 6781規格における農業用ポリエチレンフィルム等が挙げられる。防湿気密フィルムの厚さは、前記材料のいずれにおいても0.2mm以下が好ましい。
気密層11は必須ではないが、これを設けることにより室内側からの湿気が防止でき、気密性が向上する。
<構造用面材層>
枠組の屋外側には構造用面材層21が設けられている。構造用面材層21は、木材や植物繊維を材料としてなる板状の材料からなるもので、例えば細かく砕いた木材を合成樹脂や接着材を用いて板状に成形した材料等が挙げられる。具体例としては昭和44年農林水産省告示第1371号の規格における構造用合板、昭和62年農林水産省告示第360号の規格における構造用パネル、JIS A 5908規格におけるパーティクルボード、JIS A 5905規格における繊維板等が挙げられる。
前記構造用合板、構造用パネル、および繊維板の厚さは9mm以上が好ましく、パーティクルボードの場合は、厚さ10mm以上が好ましい。
構造用面材用留付材21aとしてはくぎが用いられる。具体的には、JIS A 5508規格における鉄丸くぎが好ましく用いられ、好ましい種類としてはN50〜N150が挙げられる。留付間隔は周辺部では100mm以下、中間部では200mm以下が好ましい。
<外側せっこうボード層>
構造用面材層21の屋外側には外側せっこうボード層24が設けられている。外側せっこうボード層24の材料としては、内側せっこうボード層12の材料として上記に挙げたのと同じ各種せっこうボードを用いることができる。
本発明の外壁構造体において、内側せっこうボード層12と外側せっこうボード層24とは同じ構成であってもよく、互いに異なっていてもよい。
外側せっこうボード用留付材24aとしては、くぎが用いられる。具体的には、JIS A 5508規格における鉄丸くぎが好ましく用いられ、好ましい種類としてはN50〜N150が挙げられる。留付間隔は周辺部では100mm以下、中間部では200mm以下が好ましい。
<合成樹脂系サイディング材層>
外側せっこうボード層24の屋外側には合成樹脂系サイディング材層28が設けられている。
合成樹脂系サイディング材層28としては、熱可塑性樹脂製サイディング材が好適に用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、スチレン系共重合体、アクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(ASA樹脂)、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−エチレン・プロピレンゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、繊維強化プラスチック(FRP)等を挙げることができる。
サイディング材を構成する合成樹脂板には、必要に応じて、充填材、強化材、顔料、加工助剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の添加物が添加される。
これらの中でも、透湿性を有し凍結破壊が生じ難い点で、塩化ビニル樹脂製サイディング材、ポリオレフィン樹脂製サイディング材等が好ましい。特に塩化ビニル樹脂製サイディング材は、塩害・酸性・アルカリ性にも耐性を有する点でより好ましい。
塩化ビニル樹脂は、樹脂への着色の自由度や成形時の形状設計の自由度が高く、長期にわたって物性の低下が少なく、かつ難燃性を有する合成樹脂である。したがって、塩化ビニル樹脂製サイディング材は、長期間にわたって住宅等の建築物の秀麗さを保持する加飾材として、サイディング材より屋内側に位置する断熱材やその他の建築部材を保護すると共に、難燃性を維持することができるものである。
このような塩化ビニル樹脂製サイディング材として、具体的には、信越ポリマー社の商品名「ポリパネルSP」、「ポリパネルDX」、「ポリパネルS」等が市販されている。
合成樹脂系サイディング材層28を構成するサイディング材の構造は特に限定されないが、一般的には、単層の合成樹脂板で構成されたもの、複数の合成樹脂板を積層したもの、単層又は複数の合成樹脂板の裏側に適当な発泡体を張り合わせた複合体等が挙げられる。
複数の合成樹脂板を積層する場合には、同一の樹脂素材であることが、分別リサイクルの観点から好ましい。例えば塩化ビニル樹脂を用いて共押し出しの二層構造とし、基層部は、リサイクル材を主成分とする低コスト樹脂コンパウンド材を用いて構成し、表層部は、耐候性に優れたバージン樹脂コンパウンド材を用いて構成することが経済的である。
また必要に応じて表面化粧層を設けてもよい。表面化粧層の材料としては、例えばフッ素系樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。表面化粧層の表面に木目調、金属調、石目調などの印刷を必要に応じて施してもよい。表面化粧層の厚さは0.05〜0.5mm程度が好ましく、0.2mm±0.05mm程度がより好ましい。
特に、表面層に耐候性の良好な材料層を設け、下層に低コストの材料を積層することにより、耐久性の向上を図りつつ経済性を確保することができる。単層または複数の合成樹脂板に適当な発泡体を組み合わせた複合体の場合は、薄層の合成樹脂サイディングの剛性不足を補い、断熱性能を補強し、取り扱い性や施工性等を改良することができる。発泡体としては、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、イソシアヌレート発泡体等が挙げられる。この場合、発泡体の厚さは、1〜10mm程度のものが用いられる。
サイディング材の大きさは、特に限定されないが、通常は、押出成形品の場合には、施工された状態での縦方向(鉛直方向、サイディング材の巾方向)における縦寸法(働き幅)が100〜400mm、横方向(水平方向、サイディング材の長さ方向)における横寸法が1000〜5000mmが好ましい。射出成形品の場合、縦寸法が500〜1000mm、横寸法が500〜2000mm程度が好ましい。
特に、サイディング材の通常の施工は、建築物の下から上に向かって(またはこの逆の方向)、または横方向に向かって行われるため、縦横とも各々の寸法は、100〜5000mmの範囲が施工上便利である。より好ましくは、縦寸法が200〜250mm、横寸法4000mm以下である。
サイディング材自体の厚みも特に限定されないが、0.5〜10mm程度が好ましい。
サイディング材の表面には、エンボスロール等を用いて凹凸模様部を形成することができる。
本実施形態において合成樹脂系サイディング材層28を構成するサイディング材は、一枚の長尺プラスチックシートからなる成形体であり、その形状は、サイディング材本体40と、取付孔41が連続して設けられた板状の上辺縁部42と、サイディング材本体40と上辺縁部42との間に、水平方向に延在する突条の折込部43と、サイディング材本体40の下辺縁部に形成された樋状のフック部44とから概略構成されている。サイディング材本体40の縦方向(鉛直方向)中央部には、水平方向に沿って凹凸模様部45が設けられている。凹凸模様部45における厚さ(施工した状態での鉛直方向および水平方向の両方に垂直な方向における高さ)は、10〜30mmが好ましい。
かかるサイディング材は、取付孔41を利用してネジ止めもしくはくぎ打ちにより吊下げ状に固定されており、縦方向(鉛直方向)において隣り合うサイディング材どうしは折込部43とフック部44とが係合されて、互いが容易に離れないようになっている。
サイディング材の面密度(単位面積あたりの質量)は、通常、0.5〜15kg/m程度であり、好ましくは0.5〜10kg/mであり、さらに好ましくは1.5〜2.9kg/mである。面密度が過度に小さいと、外装材としての強度が弱く、また過度に面密度が大きいと、サイディング材が重くなりすぎ、サイディング材の保持のための補強構造が必要となる場合が生じるとともに、剛性が大きくなり、特に幅の狭い個所への施工性が低下する。
合成樹脂系サイディング材用留付材28aとしては、くぎまたはタッピンねじが用いられる。
くぎとしてはJIS A 5508規格におけるくぎが好ましく、φ2.75mm×長さ40mm〜φ3.75mm×長さ90mmのものが好ましい。留付間隔は500mm以下が好ましい。
タッピンねじとしては、φ3.7mm×長さ15mm〜φ3.8mm×長さ60mmのものが好ましい。留付間隔は500mm以下が好ましい。
<胴縁>
本実施形態において、構造用面材層21と外側せっこうボード層24との間には第1の胴縁23が設けられている。第1の胴縁23は必須ではないが、これを設けることにより室内側からの湿気が防止され、結露を防ぐことができる。
また合成樹脂系サイディング材層28と外側せっこうボード層24との間には第2の胴縁26が設けられている。第2の胴縁26は必須ではないが、これを設けることによりサイディング材の隙間等から侵入した雨水を下に排出したり、通気により合成樹脂系サイディング材層28と外側せっこうボード層24との間の乾燥を促進させる効果が得られる。
第1の胴縁23、第2の胴縁26は、日本農林規格に適合する下地用製材または下地用集成材を用いて構成することができる。第1の胴縁23、第2の胴縁26の断面寸法は13mm×30mm以上が好ましい。
胴縁用留付材23a、26aとしてはタッピンねじ、またはくぎが用いられる。
タッピンねじとしては、φ3.5mm×長さ50mm〜φ6.3mm×長さ150mmのものが好ましい。留付間隔は500mm以下が好ましい。
くぎとしては、JIS A 5508規格における鉄丸くぎが好ましく用いられ、好ましい種類としてはN50〜N150が挙げられる。留付間隔は500mm以下が好ましい。
胴縁用留付材23a、26aを用いない構成とすることもできる。
<防水層>
本実施形態において、構造用面材層21の屋外側の面上に第1の防水層22が設けられ、外側せっこうボード層24の屋外側の面上に第2の防水層25が設けられ、合成樹脂系サイディング材層28の屋内側の面上に第3の防水層27が設けられている。
これら第1〜3の防水層22,25,27は、防水性を有するとともに、透湿性を示す材料からなることが好ましい。具体的には、アスファルト含浸防水シート、透湿防水シート(透湿フイルム)等を挙げることができる。
具体的には、第1〜3の防水層22,25,27としてJIS A 6005規格におけるアスファルトフェルト、またはJIS A 6111規格における透湿防水シートが好適である。
アスファルトフェルトの単位面積質量の呼びは700g/m以下が好ましく、430g/mまたは650g/mがより好ましい。
透湿防水シートの材質の具体例としては、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等が挙げられる。透湿防水シートの厚さは0.16mm以下が好ましい。
第1〜3の防水層22,25,27は必須ではないが、これらの一部または全部を設けることにより、風雨が激しい台風等の際に合成樹脂系サイディング材層28の隙間より浸透してきた雨水を遮断する効果が得られる。
また第1〜3の防水層22,25,27が透湿性を有することにより、室内側の空気中の湿気を室外側に透過することができる。そして室外側に透過した湿気が凝縮されると水滴となるが、その水滴は該第1〜3の防水層22,25,27によって室内側への侵入が防止され、晴れて暖かくなった日に合成樹脂系サイディング材層28の隙間や通気性により外壁構造体1の外に排出される。
外壁構造体1の全体の厚さ(壁厚)は138mm以上が好ましい。
本実施形態によれば、合成樹脂系サイディング材層28を備えてなり、窯業系サイディング材や金属系サイディング材とほぼ同等の、優れた耐火性を有する外壁構造体1が得られる。
また本実施形態の外壁構造体1は、後述の試験例に示されるように、軽量で施工性に優れるとともに、耐衝撃性、凍結性、汚染性にも優れ、防水性、耐風圧性も良好である。
なお本実施形態では、中間材層をなす構造用面材層21および外側せっこうボード層24を、構造用面材層21よりも外側せっこうボード層24の方が屋外側となるように配置したが、これとは逆に構造用面材層21を屋外側に配置させることもできる。ただし、耐震性および耐久性の向上の点からは本実施形態のように外側せっこうボード層24を屋外側に設ける方が好ましい。
以下に示す実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
以下の手順で外壁構造体を製造した
まず、木造枠組壁工法により、下枠3上に縦枠2を垂直に接合して枠組を作製した。縦枠は、SPF材からなる断面形状38mm×89mmの角材を使用した。隣り合う縦枠2の間隔は500mmとした。断熱材層4は設けなかった
次に、枠組の屋外側に、構造用面材層21として厚さ9mmの構造用合板を取り付けた。構造用面材用留付材21aとしては、JIS A 5508規格における鉄丸くぎN50を用いた。留付間隔は周辺部では100mm、中間部では200mmとした。
次いで、構造用面材層21の上に第1の防水層22を設けた。第1の防水層22としてはJIS A 6005規格におけるアスファルトフェルトを用い、工業用ステープル(JIS A 5556)で仮留めした。
続いて、第1の防水層22上に外側せっこうボード層24として、JIS A 6901規格におけるせっこうボード(厚さ12.5mm)を取り付けた。本実施例では胴縁23、26を設けない構成とした。外側せっこうボード用留付材24aとしては、JIS A 5508規格における鉄丸くぎN50を用いた。留付間隔は周辺部では100mm、中間部では200mmとした。
次いで、外側せっこうボード層24上に第2の防水層25を設けた。第2の防水層25としてはJIS A 6005規格におけるアスファルトフェルトを用い、工業用ステープル(JIS A 5556)で仮留めした。
次いで、第2の防水層25上に、合成樹脂系サイディング材層28として硬質塩化ビニル樹脂製のサイディング材を取り付けた。硬質塩化ビニル樹脂の組成は塩化ビニル樹脂83質量%、充填材(炭酸カルシウム等)11質量%、その他成分(安定剤、強化材等)6質量%である。形状は図1、3に示すようなサイディング材本体40と、上辺縁部42と、折込部43と、フック部44と、凹凸模様部45を備えた形状とした。寸法は、樹脂板の厚さ1.0mm、横方向(水平方向)の長さ1500mm、働き幅(施工した状態におけるフック部44の下端の間隔)203mm、施工した状態での鉛直方向および水平方向の両方に垂直な方向における高さ(厚さ)16mmとした。単位面積当たりの質量は2.1kg/mである。また厚さ0.2mmの硬質塩化ビニル樹脂からなる表層部が設けられている。
合成樹脂系サイディング材層28を取り付ける際は、まずスターター28bを取り付けてから、サイディング材を最下段から順次上方に向けて取り付けた。
合成樹脂系サイディング材用留付材28aとしては、φ2.75mm×長さ40mmのくぎを用い、留付間隔は500mmとした。
一方、枠組の屋外側に、気密層11として、JIS A 6930規格におけるポリエチレン系樹脂フィルム(厚さ0.2mm)を、工業用ステープル(JIS A 5556)を用いて仮留めした。
次いで、該気密層11上に、内側せっこうボード層12として、JIS A 6901規格におけるせっこうボード(厚さ12.5mm)を取り付けた。内側せっこうボード用留付材12aとしては、JIS A 5508規格におけるせっこうボード用くぎ(GNF38)を用い、留付間隔は周辺部では100mm、中間部で200mmとした。
このようにしての壁厚138mmの外壁構造体1を製造した。
<比較例1>
比較例として金属系サイディング材(アイジー社製、製品名;ガルバスパン)を用意した。
<比較例2>
比較例として窯業系サイディング材(ニチハ社製、製品名;モエンサイディング)を用意した。
<評価>
上記実施例1で得られた外壁構造体、および比較例1,2のサイディング材について耐火性、防水性、耐風圧性、耐衝撃性、凍結性、汚染性、施工性について、以下の評価方法で評価した。評価結果を表1に示す。なお、実施例1において、耐火性、防水性、および耐風圧性に関しては、合成樹脂系サイディング材を含む外壁構造体全体について評価を行い、耐衝撃性、凍結性、汚染性、および施工性に関しては、合成樹脂系サイディング材のみについて評価を行った。
(1) 耐火性
耐火性の測定方法としては、国土交通省認定の防火構造の認定試験である建築基準法第23条並びに建築基準法施工令第109条の6第1号及び第2号(外壁(耐力壁):各20分間)の規定に準処して行った。表1において、測定結果は下記の評価基準で示す。
○;合格。
×;不合格。
(2) 防水性
防水性試験は、JIS A1414の建築用構成材及びその構造部分の性能試験方法の仕様を満たす幅2,000mm×高さ2,000mmの開口を有する試験装置により行った。表1には、測定結果として、裏面に漏水したときの圧力の値(単位;Pa)を示す。
(3)耐風圧性
耐風圧性の測定方法は、JIS A1414の建築用構成材及びその構造部分の性能試験方法の仕様を満たす幅2,000mm×高さ2,000mmの開口を有する試験装置により行った。表1には、測定結果として、正圧(正面から加圧した圧力)と負圧(逆方向への圧力)とにより破壊するまでの値(単位;Pa)を示す。
(4)耐衝撃性
耐衝撃性の評価は、JIS K6745の落球衝撃試験に準処する方法で、質量1kgの鉄球を1mの高さから落下させて破損状況を評価した。表1において、測定結果は下記の評価基準で示す。
○;変化なし。
△;裏面の割れ。
×;変形。
(5)凍結性
凍結性試験は、下記の条件で実施した。
使用機器:恒温恒湿槽
試験片 :サイディング幅に切り欠き部を数カ所作製
試験条件:[水に浸漬(25℃、24時間)/冷凍(−30℃、24時間)]×10回の繰り返しによって行った。表1において、測定結果は下記の評価基準で示す。
○;変化なし。
×;割れ発生。
(6)汚染性
(6−1)塩害
実施例で得られた外壁構造体、および比較例のサイディング材を、濃度20質量%の食塩水に4日間浸漬させた。表1において、測定結果は下記の評価基準で示す。
○;変化なし。
△;少し変色。
×;変色。
(6−2)耐酸性雨
実施例で得られた外壁構造体、および比較例のサイディング材を、濃度10質量%の硫酸水溶液に4日間浸漬させた。表1において、測定結果は下記の評価基準で示す。
○;変化なし。
△;少し変色。
×;変色。
(6−3)耐火山灰性
実施例で得られた外壁構造体、および比較例のサイディング材を、濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液に4日間浸漬させた。表1において、測定結果は下記の評価基準で示す。
○;変化なし。
△;少し変色。
×;変色。
(7)施工性
施工性を評価するために、サイディング材の単位面積あたりの質量(単位;kg/m)を測定した。軽量であるほど施工性が良いことを示す。
Figure 2007032194
表1の結果より、実施例1の外壁構造体は所定の耐火基準を満たしており、防水性、耐風圧性、耐衝撃性、凍結性、汚染性、および施工性のいずれの性能も良好であることが認められた。
本発明の外壁構造体の実施形態を示した一部切り欠き斜視図である。 図1の外壁構造体の水平断面図である。 図1の外壁構造体の鉛直断面図である。
符号の説明
1:外壁構造体
2:たて枠
3:下枠
4:断熱材層
11:気密層
12:内側せっこうボード層
21:構造用面材層
22:第1の防水層
23:第1の胴縁
24:外側せっこうボード層
25:第2の防水層
26:第2の胴縁
27:第3の防水層
28:合成樹脂系サイディング材層


Claims (2)

  1. 木造枠組壁工法における外壁構造体であって、
    木材を接合してなる枠組と、
    該枠組の屋内側に設けられた内側せっこうボード層と、
    該枠組の屋外側に中間材層を介して設けられた合成樹脂系サイディング材層とを有しており、
    前記中間材層が、構造用面材層および外側せっこうボード層を備えてなることを特徴とする外壁構造体。
  2. 前記合成樹脂系サイディング材層と前記中間材層との間、および/または前記外側せっこうボード層と前記構造用面材層との間に胴縁が設けられていることを特徴とする請求項1記載の外壁構造体。

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