JP2007031999A - 化粧パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】透明感、立体感に優れ、奥行きのある模様が表面に表れた化粧パネルを提供する。
【解決手段】凸形の型板に透明のゲルコート用樹脂を塗布、硬化させ凹形のパターンが形成されたクリア樹脂層1を得、ついでこのクリア樹脂層1の凹形パターンに柄形成材を添加した着色透明樹脂を充填するように塗布して着色透明柄付け層2を形成させ、さらに柄形成材を添加した着色不透明樹脂を均一に塗布して、着色不透明柄付け層3を形成させ、さらに多色樹脂層4を積層してなる化粧パネル。好ましくは、さらに補強層5が積層される。
【選択図】図1
【解決手段】凸形の型板に透明のゲルコート用樹脂を塗布、硬化させ凹形のパターンが形成されたクリア樹脂層1を得、ついでこのクリア樹脂層1の凹形パターンに柄形成材を添加した着色透明樹脂を充填するように塗布して着色透明柄付け層2を形成させ、さらに柄形成材を添加した着色不透明樹脂を均一に塗布して、着色不透明柄付け層3を形成させ、さらに多色樹脂層4を積層してなる化粧パネル。好ましくは、さらに補強層5が積層される。
【選択図】図1
Description
本発明は、化粧パネルに関する。さらに詳しくは、表面に透明感および立体感に優れ、奥行きのある模様が表れた化粧パネルに関する。
従来、浴室の壁パネル等水廻りに用いられる化粧パネルは下地パネルの上に着色樹脂あるいは着色樹脂を混合して多色で種々の絵柄を表現し、その上に柄形成材を添加したクリア樹脂をハンドレイアップにより塗り重ねて製造されていた。しかしながら、上記方法では表面のクリア樹脂層の塗膜を均一となるように塗り重ねることから、柄形成材も均一に分布して表面が平板な仕上がりとなるため、立体感のある絵柄を表現することが困難であった。一方、近年では三次元的な広がりをもつ模様付きプラスチック成形品が様々な分野で求められており、下記特許文献1には、上記模様付きプラスチック成形品の製造方法が開示されている。
特開平5−104548号公報(第1〜4頁、第1図、第2図、第3図、第4図)
上記特許文献1には、その第1図に示されているように、模様付きプラスチック成形品として、浴槽を例として、質感、立体感に優れた大理石模様を有する浴槽の製造方法が開示されている。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は必ずしも、浴室の壁パネルとして用いられる化粧パネルに適用されるものとはいえない。本発明は、このような状況のもとで考え出されたものであり、透明感、立体感に優れ、奥行きのある模様が表面に表れた化粧パネルを提供することを、その課題とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に記載の第1発明によれば、凸形の型板に透明のゲルコート用樹脂を塗布、硬化させ離型後、凹形のパターンが形成されたクリア樹脂層を得、ついでこのクリア樹脂層の凹形パターンに柄形成材を添加した着色透明樹脂を充填するように塗布して着色透明柄付け層を形成させ、さらに柄形成材を添加した着色不透明樹脂を均一に塗布して、着色不透明柄付け層を形成させ、さらに多色樹脂層を積層してなる化粧パネルが提供される。
上記クリア樹脂層を形成するゲルコート用樹脂としては、硬化後耐薬品性のある樹脂が好ましく、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビニルエステル変性不飽和ポリエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等のビニル重合型熱硬化性樹脂をあげることができる。また、柄形成材としては、アルミパウダー、鱗片状の着色合成樹脂、雲母片等有機、無機系統のものが所望に応じて使用される。さらに、上記多色樹脂層は種々の色合いを持つ樹脂塗料をスプレーガン等公知の塗装手段によって塗布し、積層される。
請求項2に記載の化粧パネルは、請求項1に記載の発明に加えて、多色樹脂層を積層後、さらに補強層が積層される。補強層としては、とくに限定されるものではないが、通常、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂とからなるFRPが好ましく用いられ、同時成型により積層することが好ましい。
また、請求項3に記載の第2発明によれば、凸形の型板に透明のゲルコート用樹脂を塗布、硬化させ離型後、凹形のパターンが形成されたクリア樹脂層を得、ついでこのクリア樹脂層の凹形パターンに柄形成材を添加した着色透明樹脂を充填するように塗布して着色透明柄付け層を形成させ、該着色透明柄付け層の上にマスキング材を置き、該マスキング材の上から柄形成材を添加した着色不透明樹脂を均一に塗布し、該マスキング材を取り除いて着色不透明柄付け層を形成させ、さらに多色樹脂層を積層してなる化粧パネルが提供される。上記ゲルコート用樹脂、柄形成材としては、第1発明と同様のものが用いられ、また、上記多色樹脂層も第1発明と同様にして積層される。
請求項4に記載の化粧パネルは、請求項3に記載の発明に加えて、上記多色樹脂層を積層後、さらに補強層が積層される。補強層としては、とくに限定されるものではないが、通常、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂とからなるFRPが好ましく用いられ、同時成型により積層することが好ましい。
請求項1に記載の第1発明にかかる化粧パネルは上記のとおりであり、凹形のパターンが形成されたクリア樹脂層(第1層)、上記凹形パターンに柄形成材を添加した着色透明樹脂を充填、塗布して形成された着色透明柄付け層(第2層)、柄形成材を添加した着色不透明樹脂を均一に塗布して形成された着色不透明柄付け層(第3層)からなる3層によって柄が付けられ、多色樹脂により積層されているため、第1層の凹形パターンの深浅によって、着色透明柄付け層(第2層)の厚みも変化し、透明感があるとともに、着色が微妙に変化し、ランダムに分散した柄が表面に表れる。さらに、第1層、第2層を透して第3層の柄も見えるため、第3層に含まれる柄は、表面からは奥行きを伴って立体的に見えるという効果が得られる。
請求項2に記載の化粧パネルは上記のとおりであり、請求項1の化粧パネルの有する効果に加え、上記多色樹脂を積層後、さらに補強層を積層しているため、パネルとしての強度をしっかりと保持することができる。
請求項3に記載の第2発明にかかる化粧パネルは上記のとおりであり、凹形のパターンが形成されたクリア樹脂層(第1層)、上記凹形パターンに柄形成材を添加した着色透明樹脂を充填、塗布して形成された着色透明柄付け層(第2層)、この第2層の上にマスキング材を置き、柄形成材を添加した着色不透明樹脂を均一に塗布してマスキング部分が中空とされた着色不透明柄付け層(第3層)からなる3層によって柄が付けられ、さらに、多色樹脂が積層されているため、マスキングされた部分を通して多色樹脂層(第4層)が模様として表面に表れる。
このようにすることによって第2層、第3層に含まれる柄が、ランダムに表面から奥行きを伴って、立体的に見ることができるとともに、第4層も模様として表面に表れるため、さらに多彩に絵柄を有する化粧パネルを得ることができる。
請求項4に記載の化粧パネルは上記のとおりであり、請求項3の化粧パネルの有する効果に加え、上記多色樹脂を積層後、さらに補強層を積層しているため、パネルとしての強度をしっかりと保持することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して、詳細に説明する。図1は第1発明にかかる化粧パネルAの実施例を示すものである。図1(a)は、上記化粧パネルAの断面および表面の絵柄を模式的に示す説明図である。図1(b)は、図1(a)におけるX−X線に沿う断面を分解して示す説明図である。以下、図1を参照して第1発明について説明する。
図1において、クリア樹脂層1(第1層)は、図外凸形の型板に透明のゲルコート用樹脂を塗布、硬化させ離型後得られたものであり、凹形のパターンが形成され、その厚みは約0.1mm〜0.5mmとされている。ついで、クリア樹脂層1の凹形パターンにアルミパウダー、鱗片状の着色合成樹脂、雲母片等所望の柄形成材が添加された着色透明樹脂を充填するように塗布して平滑な塗膜を形成させ、着色透明柄付け層2(第2層)を形成させる。さらに、上記柄形成材を添加した着色不透明樹脂を均一に塗布し、着色不透明柄付け層3(第3層)を形成する。この着色不透明柄付け層3(第3層)は、クリア樹脂層1および着色透明柄付け層2を通して柄は透けて見えるが、不透明であるため、透け防止の効果をも発揮する。さらに多色樹脂層4(第4層)として各種の色合いを有する多色樹脂塗料をスプレーガンにより塗布し、補強層5を同時成型により積層して第1発明にかかる化粧パネルAが形成される。
図1において、符号Pで示される部分は凸形の型板により深くパターン付けされているため透明のゲルコート用樹脂が薄く塗布され、このゲルコート用樹脂が硬化して形成されたクリア樹脂層1(第1層)は約0.1mmの厚さとなり、あたかも柄形成材を含んだ着色透明柄付け層2(第2層)が表面となっているように見える。しかしその周囲は徐々に浅くなるように、また、深くなるようにパターンが付けられているため、着色透明柄付け層2(第2層)の厚みも変化して着色に微妙な変化が生じる。
その結果、符号Qで示される部分は、上記クリア樹脂層1(第1層)および着色透明柄付け層2(第2層)を透して着色不透明柄付け層3(第3層)が見えるため、透明感があるとともに、上記着色透明柄付け層2(第2層)および着色不透明柄付け層3(第3層)に含まれる柄形成材の色、柄に立体感が生じ、微妙な色合いと奥行きのある絵柄を表面に表すことができる。
つぎに、第2発明にかかる化粧パネルBの実施例について、図2を参照して説明する。図2(a)は、上記化粧パネルBの断面および表面の絵柄を模式的に示す説明図である。図2(b)は、図2(a)におけるY−Y線に沿う断面を分解して示す説明図である。第2発明にかかる化粧パネルBは、図2に示すように第1発明と同様に、クリア樹脂層1(第1層)、着色透明柄付け層2(第2層)、着色不透明柄付け層3(第3層)によって絵柄が付けられ、さらに多色樹脂層4(第4層)として各種の色合いを有する多色樹脂塗料をスプレーガンにより塗布し、補強層5を積層して形成される。
しかしながら、第2発明においては、着色透明柄付け層2(第2層)を形成した後、図示しないマスキング材を上記着色透明柄付け層2(第2層)の上におき、模様となる部分をマスキングし、柄形成材を添加した着色不透明樹脂を塗布する。その後、マスキング材を取り除いて硬化させ、塗膜を形成することによって、図4に示すように、符号Rで示される部分が中空の着色不透明柄付け層3(第3層)が形成される。このようにすることによって、クリア樹脂層1(第1層)と着色透明柄付け層2(第2層)を透し、該中空部分に充填された多色樹脂層4(第4層)が表面に模様として表れる。
第2発明は上記のように構成されているため、着色透明柄付け層2(第2層)および着色不透明柄付け層3(第3層)に含まれる柄形成材の色、柄に立体感が生じ、奥行きのある絵柄を表面に表すことができるとともに、上記のように中空部分に充填された多色樹脂層4(第4層)が模様として表面に表れる。したがって、第1発明で説明した効果に加えて、透明感があるとともに、多色樹脂層4(第4層)で多様な模様を表面に表した化粧パネルBを得ることができる。
A 第1発明にかかる化粧パネル
B 第2発明にかかる化粧パネル
1 クリア樹脂層(第1層)
2 着色透明柄付け層(第2層)
3 着色不透明柄付け層(第3層)
4 多色樹脂層(第4層)
5 補強層
P 柄形成材を含んだ着色透明柄付け層(第2層)があたかも表面のよ うに見える部分
Q クリア樹脂層(第1層)、着色透明柄付け層(第2層)を透して着 色不透明柄付け層(第3層)が見える部分
R 着色不透明柄付け層(第3層)のマスキング部分
B 第2発明にかかる化粧パネル
1 クリア樹脂層(第1層)
2 着色透明柄付け層(第2層)
3 着色不透明柄付け層(第3層)
4 多色樹脂層(第4層)
5 補強層
P 柄形成材を含んだ着色透明柄付け層(第2層)があたかも表面のよ うに見える部分
Q クリア樹脂層(第1層)、着色透明柄付け層(第2層)を透して着 色不透明柄付け層(第3層)が見える部分
R 着色不透明柄付け層(第3層)のマスキング部分
Claims (4)
- 凸形の型板に透明のゲルコート用樹脂を塗布、硬化させ離型後、凹形のパターンが形成されたクリア樹脂層を得、ついでこのクリア樹脂層の凹形パターンに柄形成材を添加した着色透明樹脂を充填するように塗布して着色透明柄付け層を形成させ、さらに柄形成材を添加した着色不透明樹脂を均一に塗布して、着色不透明柄付け層を形成させ、さらに多色樹脂層を積層してなる化粧パネル。
- 上記多色樹脂層を積層後、さらに補強層を積層してなる請求項1に記載の化粧パネル。
- 凸形の型板に透明のゲルコート用樹脂を塗布、硬化させ離型後、凹形のパターンが形成されたクリア樹脂層を得、ついでこのクリア樹脂層の凹形パターンに柄形成材を添加した着色透明樹脂を充填するように塗布して着色透明柄付け層を形成させ、該着色透明柄付け層の上にマスキング材を置き、該マスキング材の上から柄形成材を添加した着色不透明樹脂を均一に塗布し、該マスキング材を取り除いて着色不透明柄付け層を形成させ、さらに多色樹脂層を積層してなる化粧パネル。
- 上記多色樹脂層を積層後、さらに補強層を積層してなる請求項3に記載の化粧パネル。
Priority Applications (1)
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JP2005214062A JP2007031999A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 化粧パネル |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011079174A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 積層パネル及びその製造方法 |
-
2005
- 2005-07-25 JP JP2005214062A patent/JP2007031999A/ja active Pending
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