JP2007031913A - カツラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 バックスタイルとしたカツラにおいて、前髪の生えぎわに違和感がなく、カツラの装着がわからないように改良を施したカツラを提供する。
【解決手段】 着用者の頭部に被冠される下向き皿状のネットシート本体から成るベースに疑似毛からなる頭髪を植毛し、着用者の少なくとも眉間の上方部位に位置する生えぎわ部に位置して植毛された疑似毛からなる前髪を後向きに癖付けしたバックスタイルのカツラである。前記ベースは、前記生えぎわ部に位置して、多数の網目を有するネット片から成る生えぎわシートを連設している。前記生えぎわシートは、該ネット片の網目に対して表裏から交互に挿通された保形糸を備え、該生えぎわシートの表面に起立するように前髪を植毛している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、カツラに関するものであり、特に、オールバック等のバックスタイルとしたカツラにおいて、前髪の生えぎわに違和感がなく、カツラの装着がわからないように改良を施したものに関する。
従来、種々のカツラが提供されており、本出願人においても提案したところであるが、近年は、着用者の頭部に残存する生存中の頭髪(地毛)と、カツラに植毛された頭髪(疑似毛、但し天然毛又は人工毛を問わない)とを混然一体化させるために、オールバック等のバックスタイルとしたカツラが好評を博している。
このようなバックスタイルのカツラの着用者は、通常、額の眉間の上方部分から頭頂部に向けて高く禿げ上がっているが、その両側には地毛が残存しており、地毛の生えぎわが概ねM形を描いている。
そこで、カツラの疑似毛は、着用者の残存する地毛との境界部分では、疑似毛と地毛が混然一体化するので、外部から見てもカツラの着用を識別できない。しかしながら、前述のように禿げ上がった眉間の上方部位においては、地毛が存在しないため、カツラの疑似毛により構成された前髪が独立状態で視認され、そのため、カツラベースのうち、前髪を植毛した部分をどのようにして目立たないようにするかが大きな課題となる。
特開平9−228129公報 特開2004−197268公報 特開2004−228129公報
疑似毛からなる前髪の生えぎわ部分を目立たないように構成するためには、例えば、図7ないし図9に示すような比較例を考えることができる。
(第1比較例)
図7は、疑似毛からなる頭髪1を植毛したネットシート本体3からなるベース2の前縁部2aに前髪1aを植毛する際に、前髪1aの毛根近傍部を前縁部2aの内側(裏側)に植設した構成とされ、該前髪1aを前縁部2aに対して折返し、後向きに延びるように癖付けしている。従って、この比較例によれば、外部からベース2の前縁部2aを視認し得ないように隠蔽できる利点がある。しかしながら、この場合、図示の矢印X1で示すような前髪1aの折返し部が額に沿ってライン状に現われるので目立ち不自然なばかりか、前髪1aの毛根近傍部が前縁部2aの裏側に位置し、生えぎわが見えないため、自然の頭髪には到底見えないという問題がある。
(第2比較例)
そこで、図8は、ネットシート本体3からなるベース2の前縁部2aの外側(表側)に前髪1aを植毛し、植設部分から後向きに延びるよう癖付けしている。これにより前髪1aの生えぎわ部分が視認されるので、第1比較例で説明したような問題は解消される。しかしながら、前縁部2aは、ベース2のネットシート本体3を延設したものであるため、これを肌色に着色することで着用者の皮膚と色調をあわせても、完璧な錯視効果(看者の肉眼による目の錯覚により、その存在が気づかないようにすることの意味である。以下同じ。)を期待できない。一般的に、ネット状のシートは、網目の大きさを粗くすると線条の太さが増すため網目が目立ち易いので、網目の大きさを細かくすることにより線条を細くすれば目立たないと考える傾向があるが、本発明者の知見によれば、網目を細かくすると、肌色に着色していても、光の反射により白く見えてしまい、錯視効果を奏し得ないからである。
更に、ベース2のネットシート本体3は、着用者の頭部にフィットさせる関係上、平織その他の編織シートからなり、ある程度の伸縮性を有する。従って、ベース2のネットシート本体3から延設したり、あるいは、その他の伸縮性を有する別体の網目シートをネットシート本体3に固着することにより前縁部2aを形成した図8の比較例の場合には、カツラの着用によりベース2のネットシート本体3が伸長すると、前縁部2aも同様に、図8(B)のネット形状から図8(C)に示すように伸長し、収縮力を蓄積する。このため、図8(A)に矢印X2で示すように、額に沿って湾曲した前縁部2aの収縮力が反転すると、前縁部2aが着用者の額から捲れ上がり、額との間に隙間を生じるという致命的な問題を含んでいる。
(第3比較例)
ところで、上述のような問題点を解決するため、更に、図9に示すような比較例を想定することができる。この比較例において、前縁部2aは、ベース2を構成するネットシート本体3の前縁に沿って設けられた透明フィルム2bからなり、その外側(表側)に前髪1aを植毛し、植設部分から後向きに癖付けしている。しかしながら、着用者が汗をかくと、図示矢印X3のように透明フィルム2bが浮き上がり、着用者の額との間に隙間を生じるという重大な問題がある。
(その他の比較例)
上記の他、近年は、着用者の額上方の地毛を剃り落とし、特殊な組成液を塗布することにより透明膜を形成し、その透明膜に前髪を植毛する技術が提案されているが、透明膜は、着用者が汗をかいたり、洗髪すると、溶解してしまうという問題があるばかりか、剃り落とした地毛は、その後、次第に成長するので、透明膜を押上げ剥離させてしまうという問題がある。
本発明は、上記課題を解決したカツラを提供するものであり、その第1の手段として構成したところは、着用者の頭部に被冠される下向き皿状のネットシート本体から成るベースに疑似毛からなる頭髪を植毛し、着用者の少なくとも眉間の上方部位に位置する生えぎわ部に位置して植毛された疑似毛からなる前髪を後向きに癖付けしたバックスタイルのカツラにおいて、前記ベースは、前記生えぎわ部に位置して、多数の網目を有するネット片から成る生えぎわシートを連設しており、前記生えぎわシートは、該ネット片の網目に対して表裏から交互に挿通された保形糸を備え、該生えぎわシートの表面に起立するように前髪を植毛して成る点にある。
また、本発明が第2の手段として構成したところは、着用者の頭部に被冠される下向き皿状のネットシート本体から成るベースに疑似毛からなる頭髪を植毛し、着用者の少なくとも眉間の上方部位に位置する生えぎわ部に位置して植毛された疑似毛からなる前髪を後向きに癖付けしたバックスタイルのカツラにおいて、前記ベースは、ネットシート本体の少なくとも周縁に沿って固着された非伸縮性の保形シート部を備えると共に、ネットシート本体を含む保形シート部の周縁を生えぎわ部に位置して切欠した凹形部を形成し、該凹形部の縁により、生えぎわ部に臨む前縁部と、該前縁部の両側に位置する側縁部とを構成しており、前記凹形部は、多数の網目を有するネット片から成る生えぎわシートにより被われ、該生えぎわシートを凹形部の前縁部と側縁部にオーバラップした状態で固着しており、前記生えぎわシートは、該ネット片の網目に対して表裏から交互に挿通された保形糸を備え、該生えぎわシートの表面に起立するように前髪を植毛して成る点にある。
本発明において、前記保形糸は、生えぎわシートの前縁に形成された膨出状円弧縁とほぼ平行なラインに沿って延びるように配置することが好ましく、更には、該ラインに交差する方向に波形を描くように配置することが好ましい。
本発明によれば、カツラ着用状態において、生えぎわシート11がネット片12により構成されているので、着用者の生えぎわ部4に好適に密着する。この際、生えぎわシート11は、外部から前髪1bの間を透視して視認可能であるが、ネット片12が密着状態で頭部の頭皮と一体化した外観を呈しているので、識別不能であり、あたかも生えぎわシート11が存在しておらず、生えぎわシート11から起立する前髪1bの毛根近傍部が本当の地毛の生えぎわを表しているような錯視効果がある。
この点に関して、生えぎわシート11は、ネットシート本体3と別体のネットにより構成されているので、着用者の頭皮に適合するだけでなく、通気性に優れるので、汗をかいても浮き上がるようなことはない。しかも、網目を大きく且つ線条を細く形成することができるので、錯視効果に優れたものとなる。
特に、本発明によれば、生えぎわシート11を構成するネット片12は、保形糸13を網目12bに対して表裏から交互に挿通することにより、膨出状円弧ラインを描く前縁12aの延長方向に対して伸縮しないので、反転して頭皮から捲れ上がることはない。その一方において、保形糸13に交差する方向、即ち、ベース2の径方向に対しては、個々の網目12bの変形を介して柔軟となるように形成されているので、着用者の生えぎわ部4に好適にフィットするという格別な効果がある。
ところで、着用時に、カツラは、ネットシート本体3が伸縮等を介して着用者の頭部に適合され、保形シート部5が頭部に固着される。殊に、ネットシート本体3の両側部3b、3bは、着用者の残存する地毛に混然一体化せしめるため下方に強く引っ張られた状態で固定される。従って、ベース2が周縁の周方向に関して、張力P、Pを生じる。この点について、請求項2に記載の本発明によれば、生えぎわシート11は、凹形部7の両側部に保護手段8、8を介して取付けられているので、両側部3b、3bから作用する張力P、Pが保護手段8、8により減衰され、生えぎわシート11への伝達を緩和する。即ち、生えぎわシート11は、ベース2に生じる張力P、Pの作用を直接に受けないので、前述のような網目を大きく且つ線条を細く形成した破断し易い脆弱なネット素材で形成されながらも、破断することなく常に良好な状態で着用者の頭皮に密着し、錯視効果を発揮できる。そして、保護手段8、8により減衰された張力P、Pが生えぎわシート11に作用する場合でも、上述のような保形糸13により伸縮を抑制されたネット片12により構成されているので、着用者の額に食い込んだり、あるいは収縮力を反転することにより捲れ上がるようなことはないという効果がある。
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
図1は、本発明に係るカツラの概略全体図を示し、カツラは、着用者の頭部に被冠される下向き皿状のネットシート本体3からなるベース2に疑似毛からなる頭髪1を植毛し、着用者の少なくとも眉間の上方部位に位置する生えぎわ部4に植毛された疑似毛からなる前髪1aを後向きに延びるように癖付けしたバックスタイルのカツラを構成しており、頭髪1は、その植毛密度を矢印Bで示すように、前髪1aから頂部の髪1bに向けて、次第に疎から密となるように植設されるのが好ましい。即ち、前髪1aは単位面積あたりの植毛本数が少なく、自然な生えぎわ状態を形成する。
この点に関し、本発明において「疑似毛」とは、着用者の頭部に残存する生存中の地毛に対する意味であり、天然毛又は人工毛を問わないことを諒解されたい。また、「生えぎわ部」とは、カツラの装着を必要としない通常の人体の頭部で地毛としての前髪が生えている部分のことであり、上述のようにカツラを必要とする着用者の額における地毛の生えぎわが概ねM形を描くように眉間の上方で禿げ上がった部分を意味している。従って、その幅寸法wは、少なくとも眉間の上方部位を含むが、禿げ上がった部分が幅広いときは、その幅広の部分を包含する意味であることを諒解されたい。更に、図1は、オールバックスタイルのカツラを示しているが、「バックスタイル」とは、少なくとも前髪1aの生えぎわを外部から視認できるように、前髪1aを前下りでなく頭部の上部に向けて後向きに癖付けしたヘアースタイルを意味し、必ずしもオールバックに限定されないことを理解されたい。
図2及び図3は、カツラの内側(着用者の頭部に面する裏側)を示しており、ベース2を構成するネットシート本体3は、着用者の頭部の生えぎわ部4に臨む前部3aから、着用者の地毛が残存する頭部両側に臨む両側部3b、3bと、着用者の地毛が残存する後頭部に臨む後部3cを含んで底面視ほぼ楕円状で、着用者の頭部に沿うような球面状に形成されており、少なくとも、伸縮性と通気性を有している。この伸縮性は、顕著なものである必要はなく、僅かな伸縮性でも足りるが、要するに着用者の頭部にフィットできるものであれば良い。図1のように、ネットシート本体3には、外側に起立するように多数の髪1bが植設される。
ネットシート本体3の内側には、球面のほぼ中央部を残して、前部3a、両側部3b、3b、後部3cに沿う周縁部に固着された非伸縮性の保形シート部5が設けられている。この保形シート部5は、ネットシート本体3の内側面にウレタン樹脂又はシリコン樹脂等の合成樹脂液を塗布した後、硬化させることにより、適度の弾性を有するフィルム状又はシート状に形成されるが、予めシートを裁断したものをネットシート本体3の内側面に接着することにより形成しても良く、要するに、ネットシート本体3を球面状に保形すると共に、該保形シート部5の部分でネットシート本体3の伸縮性を阻害して非伸縮状態に保持するものであれば良い。尚、ベース2の球面状の頂部に位置するネットシート本体3の内側にも保形シート部5と同様の素材で同様の方法により形成されたシート片6が形成され、カツラを着用した際にベース2を頭部に固定するための接着テープ等の固定手段を設けることができるように構成されている。
ネットシート本体3の前部3aに位置して設けられた前記保形シート部5のフロント部5aには、生えぎわ部4に位置して該フロント部5aを切欠した凹形部7が形成され、該凹形部7の縁により、生えぎわ部4に臨む前縁部7aと、該前縁部7aの両側に位置する側縁部7b、7bとを構成している。一対の側縁部7b、7bは、後述する生えぎわシートに対してベース2及びネットシート本体3の張力を伝達させないように阻止する保護手段8、8を構成する。図例の場合、凹形部7の両側に隣接して更に保形シート部5のフロント部5aを切欠した補助凹形部9、9が形成され、凹形部7と補助凹形部9との間に位置して保形シート部5から延設された舌片10、10により保護手段8、8を構成している。尚、図2において、ネットシート本体3の周縁部は、保形シート部5に隠れて見えないが、保形シート部5の外側にはネットシート本体3が重ね合わせられていることを理解されたい。
そこで、前記凹形部7を被うようにネット片11aから成る生えぎわシート11が配置され、該生えぎわシート11を凹形部7の前縁部7aと側縁部7b、7bにオーバラップした状態で固着し、該生えぎわシート11の外側表面に起立するように前髪1aを植毛している。
図3及び図4に示すように、生えぎわシート11は、多数の網目を有するネット片12により構成され、凹形部7を被うようにベース2のフロント部5aに連設されると共に、前縁12aをベース2のほぼ楕円を描く周縁に一致し又は該周縁よりも僅かに膨出する膨出状円弧縁となるように形成されている。
生えぎわシート11を構成するネット片12は、網目を介して経緯糸を平織状に織成したりニット状に編成したものや、合成樹脂により網目を形成したフィラメント状の糸条を一体成形したものを採用することができるが、それ自体は、縦横に引っ張ると、個々の網目12bを変形するので、その意味で伸縮性を有している。
そこで、ネット片12は、保形糸13を多数の網目12bに対して表裏から交互に挿通せしめている。保形糸13は、ネット片12の前縁12aに形成された膨出状円弧縁とほぼ平行なラインに沿って延びるように配置されており、図3及び図4に示す実施形態においては、更に、該ラインを交差する方向に波形を描くように配置されており、図例のように、間隔をあけて複数本を設けることが好ましい。
具体的には、図5(A)に示すように、前述の延長方向に関し、保形糸13が、特定の網目12bに対して、表裏の一方から挿通され、1つの網目又は複数の網目の上を通過した後、別の網目12bに対して、表裏の他方から挿通され、これを繰り返すことによりネット片12のほぼ全長にわたり設けられる。このように保形糸13を網目12b、12b・・・に対して表裏から交互に挿通する作業は、保形糸13を係止した針を使用すれば、運針により容易に行うことができる。尚、保形糸13は、ネット片12をベース2に連設した後に取付けても良く、あるいはベース2に連設する前のネット片12に予め取り付けても良い。
このような保形糸13を設けることにより、生えぎわシート11を構成するネット片12は、図5(A)に矢印Q、Qで示す方向に張力が与えられると、保形糸13が緊張することにより、矢印Fで示すように網目12bを押さえつけるので、個々の網目12bが伸長方向に変形することを抑制する。従って、生えぎわシート11は、多数の網目を有するネット片12でありながら、ほとんど伸縮しないものとなる。この際、保形糸13の両端は、ネット片12の一部に固着しても良いが、実験によれば、両端を固着せず自由な状態のままにしても、網目に交互に挿通されているため、張力Q、Qにより緊張して網目12bを押さえつける効果があることを確認できた。
図5(B)は、付加的実施例を示しており、図5(A)に基づいて前述したように保形糸13をネット片12に設けた後、ネット片12を表裏から高周波又は超音波等の加熱手段を備えた押圧板により挟着し、ネット片12の網目12bに対して保形糸13を溶着した構成を示している。押圧板(電極板)の挟着は、一般に合成樹脂を溶着するために行われているような強い挟着力を伴うと網目12bを破断してしまうので、出来るだけ弱い力で保形糸13と網目12bを軽く溶着せしめることが好ましい。
図3に示すように、前記補助凹形部9は、透明の補助フィルム14により被われ、該補助フィルム14の外側表面に起立するように補助前髪(図示省略)を植毛している。この補助フィルム14は、補助凹形部9の全体にわたりシリコン樹脂等の合成樹脂液を塗布した後、硬化させることにより、適度の弾性を有するフィルム状又はシート状に形成されるが、予めシートを裁断したものを接着することにより形成しても良い。
図6は、保形糸13の配置形態に関する別の実施形態を示しており、保形糸13は、図4に示したような波形を描くことなく、ネット片12の前縁12aに形成された膨出状円弧縁とほぼ平行なラインに沿って延びるように配置されている。その他の構成は、上述した実施形態と同様である。
カツラを着用者の頭部に装着するに際しては、ベース2を頭部に被冠せしめると共に、保形シート部5を利用して頭部に固定する。例えば、両面接着テープにより保形シート部5の任意の個所を頭部の頭皮に接着したり、クリップその他の治具により保形シート部5の任意の個所を頭部に残存する地毛に固着すれば良い。
カツラ着用状態において、生えぎわシート11がネット片12により構成されているので、着用者の生えぎわ部4に好適に密着する。この際、前髪1bは、密度を疎として植毛されているので、外部から前髪1bの間を透視して生えぎわシート11を視認することが可能であるが、密着状態で頭部の頭皮と一体化した外観を呈しているので、識別不能であり、あたかも生えぎわシート11が存在しておらず、生えぎわシート11から起立する前髪1bの毛根近傍部が本当の地毛の生えぎわを表しているような錯視効果がある。
そして、生えぎわシート11は、ネットシート本体3と別体のネットにより構成されているので、着用者の頭皮に適合するだけでなく、通気性に優れるので、汗をかいても浮き上がるようなことはない。しかも、網目を大きく且つ線条を細く形成することができるので、錯視効果に優れたものとなる。
特に、生えぎわシート11を構成するネット片12は、保形糸13を網目12bに対して表裏から交互に挿通することにより、膨出状円弧ラインを描く前縁12aの延長方向に対して伸縮しないので、反転して頭皮から捲れ上がることはない。その一方において、保形糸13に交差する方向、即ち、ベース2の径方向に対しては、個々の網目12bの変形を介して柔軟となるように形成されているので、着用者の生えぎわ部4に好適にフィットする。
ところで、着用時に、カツラは、ネットシート本体3が伸縮等を介して着用者の頭部に適合され、保形シート部5が頭部に固着される。殊に、ネットシート本体3の両側部3b、3bは、着用者の残存する地毛に混然一体化せしめるため下方に強く引っ張られた状態で固定される。従って、ベース2の全体が張力を受け、下向き皿状に形成されたベース2の周縁の周方向に関して、図3に矢印Pで示すような張力が作用する。この点について、生えぎわシート11は、凹形部7の両側部に保護手段8、8を介して取付けられているので、両側部3b、3bから作用する張力P、Pが保護手段8、8により減衰され、生えぎわシート11への伝達を緩和する。即ち、生えぎわシート11は、ベース2に生じる張力P、Pの作用を直接に受けないので、前述のような網目を大きく且つ線条を細く形成した破断し易い脆弱なネット素材で形成されながらも、破断することなく常に良好な状態で着用者の頭皮に密着し、錯視効果を発揮できる。そして、保護手段8、8により減衰された張力P、Pが生えぎわシート11に作用する場合でも、上述のような保形糸13により伸縮を抑制されたネット片12により構成されているので、着用者の額に食い込んだり、あるいは収縮力を反転することにより捲れ上がるようなことはない。
本発明の1実施形態を示す斜視図である。 本発明の1実施形態を内側から示す底面図である。 本発明の要部を拡大して示す底面図である。 本発明の要部を更に拡大して示す底面図である。 本発明の実施形態における保形糸の挿通状態を示しており、(A)は1実施例を示す拡大断面図、(B)は付加的実施例を示す拡大断面図である。 本発明に関して、保形糸の配置形態に関する別の実施形態を示す底面図である。 本発明に対する第1比較例を示す説明図である。 本発明に対する第2比較例を示す説明図である。 本発明に対する第3比較例を示す説明図である。
符号の説明
1 頭髪
1a 前髪
2 ベース
3 ネットシート本体
3a 前部
3b 両側部
3c 後部
4 生えぎわ部
5 保形シート部
5a フロント部
7 凹形部
7a 前縁部
7b 側縁部
8 保護手段
9 補助凹形部
10 舌片
11 生えぎわシート
12 ネット片
12a 前縁
12b 網目
13 保形糸
14 補助フィルム

Claims (4)

  1. 着用者の頭部に被冠される下向き皿状のネットシート本体から成るベースに疑似毛からなる頭髪を植毛し、着用者の少なくとも眉間の上方部位に位置する生えぎわ部に位置して植毛された疑似毛からなる前髪を後向きに癖付けしたバックスタイルのカツラにおいて、
    前記ベース(2)は、前記生えぎわ部に位置して、多数の網目を有するネット片(12)から成る生えぎわシート(11)を連設しており、
    前記生えぎわシート(11)は、該ネット片(12)の網目(12b)に対して表裏から交互に挿通された保形糸(13)を備え、該生えぎわシート(11)の表面に起立するように前髪(1a)を植毛して成ることを特徴とするカツラ。
  2. 着用者の頭部に被冠される下向き皿状のネットシート本体から成るベースに疑似毛からなる頭髪を植毛し、着用者の少なくとも眉間の上方部位に位置する生えぎわ部に位置して植毛された疑似毛からなる前髪を後向きに癖付けしたバックスタイルのカツラにおいて、
    前記ベース(2)は、ネットシート本体(3)の少なくとも周縁に沿って固着された非伸縮性の保形シート部(5)を備えると共に、ネットシート本体(3)を含む保形シート部(5)の周縁を生えぎわ部に位置して切欠した凹形部(7)を形成し、該凹形部(7)の縁により、生えぎわ部に臨む前縁部(7a)と、該前縁部の両側に位置する側縁部(7b)(7b)とを構成しており、
    前記凹形部(7)は、多数の網目(12b)を有するネット片(12)から成る生えぎわシート(11)により被われ、該生えぎわシート(11)を凹形部(7)の前縁部(7a)と側縁部(7b)(7b)にオーバラップした状態で固着しており、
    前記生えぎわシート(11)は、該ネット片(12)の網目(12b)に対して表裏から交互に挿通された保形糸(13)を備え、該生えぎわシート(11)の表面に起立するように前髪(1a)を植毛して成ることを特徴とするカツラ。
  3. 前記保形糸(13)は、生えぎわシート(11)の前縁(12a)に形成された膨出状円弧縁とほぼ平行なラインに沿って延びるように配置されて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のカツラ。
  4. 前記保形糸(13)は、生えぎわシート(11)の前縁(12a)に形成された膨出状円弧縁とほぼ平行なラインに沿って延びると共に、該ラインに交差する方向に波形を描くように配置されて成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のカツラ。
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KR101095791B1 (ko) 2008-12-24 2011-12-21 문순이 가발용 모발 식모방법

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