JP2007030808A - 制御装置及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 周囲の状況に応じて適切に車両を旋回駆動させることのできる制御装置及び車両を提供すること。
【解決手段】 本発明の制御装置及び車両によれば、周囲状況取得手段により取得された車両周囲の周囲状況に応じて、その周囲状況に対して旋回中心及び旋回パターンが旋回パターン探索手段により探索される。そして、そのように探索された旋回中心及び旋回パターンに従って車両が旋回されるように、旋回制御手段によって、各車輪を独立して操舵駆動するアクチュエータが制御される。よって、車両の周囲状況が、運転者のハンドル操作及びアクセル操作で車両を旋回させることが困難な状況であったり、旋回範囲が限定されるような状況であったとしても、車両を適切に旋回させることができる
【選択図】 図2

Description

本発明は、転舵可能に構成される車輪と、その車輪を操舵駆動するアクチュエータとを有する車両に対し、アクチュエータを作動させ、車輪の操舵動作を制御する制御装置、及び制御装置を備える車両に関し、特に、周囲状況に応じて適切に車両を旋回駆動させる制御装置、及びそのような制御装置を備えた車両に関するものである。
現在において一般的に普及している車両は、操舵機構の構造によって前輪二輪又は前後輪四輪の最大舵角が決まるので、旋回可能な半径に限界が生じる。そのため、車両旋回の際に十分なスペースがない場合には、多数回の切り返しが必要とされたり、場合によっては、車両の旋回が不可能になることもある。
ここで、図10(a),図11(a),図12(a),図13(a)を参照して、現在において一般的に普及しているサイズの車両100(長さ4795mm×幅1790mm×高さ1770mm)が、駐車枠110(幅2.3m×長さ5.0m)から、駐車枠100に対して略直角に設けられた取り付け車路120(車路幅5.5m)へ、運転者によるハンドル及びアクセル操作によって車両100の最小旋回半径(5.8m)で前進左旋回して出庫する場合について例示する。
図10(a)は、車両100が、旋回中心をA1として最小旋回半径5.8mで前進左旋回した場合について示している。この場合、車両100は、旋回中に、取り付け車路120における駐車枠110に対向する側の縁辺に沿って立設する壁120aに接触してしまう。そのため、そのような接触を避けるために切り返し動作が必要となる。
また、図11(a)は、車両100が、前方に駐車している車両140との接触を回避するために、旋回中心をB1として最小旋回半径5.8mで前進左旋回した場合について示している。この場合、車両100は、駐車枠110に隣接する駐車枠内を通過することになり、その駐車枠内に駐車している車両130に接触してしまう。
一方で、図12(a)は、車両100が、駐車枠110に隣接する駐車枠内に駐車している車両130との接触を回避するために、旋回中心をC1として最小旋回半径5.8mで前進左旋回した場合について示している。しかし、図12(a)に示すように、車両100の前方に車両140が駐車している場合には、車両140に接触してしまう。
また、別の例として、図13(a)を参照して、車両100が、縁石170の開口部170aから、片側一車線の車道160へ、運転者によるハンドル及びアクセル操作によって前進左旋回して出る場合について例示する。
ここで、図13(a)は、車両100が、開口部170aとの接触を回避しつつ、車道160の左車線上へ進入するために、旋回中心をD1として最小旋回半径5.8mで旋回した場合について示している。しかし、図13(a)に示すように、車線幅(センターライン180を境界とする片側車線の幅)が短い場合、車両100は、旋回中にセンターライン180を越える瞬間が生じる。このように、旋回中に車両100がセンターライン180を越えると、そのタイミングで対向車線を走行してきた車両150と衝突する可能性があり、危険である。
上記のように、旋回半径に限界のある現状の車両100は、周囲の状況によっては旋回が困難なシチュエーションが多々生じる。そこで、例えば、特開2003−146234号公報(特許文献1)には、左右の前車輪と左右の後車輪がそれぞれ個別の操舵モータと駆動モータとによって操舵・駆動制御される電気移動車両を、各種の施設に固有の通路制約条件(車両の操舵・走行に大きな影響を及ぼすところの通路条件)に沿って車両を旋回させるための制御装置が開示されている。
この特許文献1に開示される制御装置によれば、各車輪の走行軌跡の総合パターンが異なる複数種類の操舵モードの中から運転者により一つの操舵モードが選択されると共に、運転者により車両の進行速度及び方向の指示がなされると、選択された操舵モードに沿う操舵及び駆動(回転)に必要な条件式に従って各車輪の操舵角度と回転速度の制御が行われる。
特開2003−146234号公報
しかしながら、各車輪をそれぞれ独立に操舵及び回転させて車両を旋回させることは、非常に複雑かつ繊細な操作を必要とするので、特許文献1に開示される制御装置のように、運転者の操作による操舵モードの選択や進行速度や進行方向の指示をトリガとして各車輪の操舵及び駆動の制御を行った場合には、運転者の人為的ミスに基づく事故(接触や衝突など)が発生するという問題点があった。
例えば、運転者に複数の操舵モードの中から一つの操舵モードを選択させるので、運転者が誤った操舵モードを選択する可能性が低くない。また、運転者の周囲状況の認識が甘い場合には、誤った操舵モードや誤った進行速度及び進行方向が選択されることになる。その結果、特許文献1の制御装置は電気移動車両に対して誤った制御を行い、そのような誤った制御が電気移動車両の事故に結びつくのである。
また、上記のように特許文献1の制御装置は、運転者の操作を必要とするので、運転者は、例えば、複数の操舵モードの中から一つの操舵モードを選択しなければならないなどの、煩雑な作業を要求されると共に、誤操作を防止するための意識などの心理的負担を強いられるという問題点もあった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、運転者に複雑な操作を強いることなく、周囲の状況に応じて適切に車両を旋回駆動させることのできる制御装置、及びそのような制御装置を備える車両を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の制御装置は、複数の車輪をそれぞれ独立に操舵駆動するアクチュエータを制御するものであって、車両の周囲状況を取得する周囲状況取得手段と、その周囲状況取得手段により取得された周囲状況に基づき旋回中心点及び前記車両の旋回パターンを探索する旋回パターン探索手段と、その旋回パターン探索手段により探索された旋回中心と旋回パターンとに従って前記車両が旋回されるように、前記アクチュエータを制御する旋回制御手段とを備えている。
請求項2記載の制御装置は、請求項1記載の制御装置において、複数の旋回パターンを記憶する旋回パターン記憶手段と、その旋回パターン記憶手段に記憶されている旋回パターンと周囲状況取得手段により取得された周囲状況とを比較する比較手段とを備え、前記旋回パターン探索手段は、前記比較手段による比較に基づいて、前記旋回パターン記憶手段の中から旋回パターンを探索する。
請求項3記載の制御装置は、請求項1又は2に記載の制御装置において、前記周囲状況取得手段により取得された周囲状況下において、運転者によるハンドル操作量に応じた前記車輪の少なくとも一部への舵角の付与と運転者によるアクセル操作量に応じた前記車輪の少なくとも一部への駆動力の付与とによって前記車両を旋回させた場合に、旋回可能であるかを判定する運転者操作旋回判定手段と、その運転者操作旋回判定手段により、前記運転者によるハンドル操作及びアクセル操作に基づく旋回が可能であると判定された場合には、前記旋回パターン探索手段による旋回中心及び旋回パターンの探索を禁止する探索禁止手段とを備えている。
請求項4記載の制御装置は、請求項1から3のいずれかに記載の制御装置において、前記車両の位置を取得する自車位置取得手段と、地図データを記憶する地図データ記憶手段と、前記自車位置取得手段により取得された前記車両の位置周辺の土地形状を、前記地図記憶手段に記憶されている地図データに基づいて認識する土地形状認識手段と、その土地形状認識手段により認識された土地形状に基づいて、前記車両が通行可能な領域を検出する車両通行可能領域検出手段とを備え、前記周囲状況取得手段は、前記車両通行可能領域検出手段によって検出された通行可能な領域を周囲状況として取得する。
請求項5記載の制御装置は、請求項1から4のいずれかに記載の制御装置において、前記車両の周囲に存在する障害物情報を取得する障害物情報取得手段を備え、前記周囲状況取得手段は、前記障害物情報取得手段により取得された障害物情報を周囲状況として取得する。
請求項6記載の制御装置は、請求項1から5のいずれかに記載の制御装置において、車路幅を記憶する車路幅記憶手段を備え、前記周囲状況取得手段は、前記車路幅記憶手段に記憶されている車路幅を周囲状況として取得する。
請求項7記載の車両は、転舵可能に構成される複数の車輪と、それら複数の車輪をそれぞれ独立に操舵駆動するアクチュエータと、複数の車輪をそれぞれ独立に回転駆動する車輪駆動装置と、請求項1から6のいずれかに記載の制御装置とを備えている。
請求項1記載の制御装置によれば、周囲状況取得手段により取得された車両周囲の周囲状況に基づいて、旋回中心点及び車両の旋回パターンが旋回パターン探索手段により探索される。そして、そのように探索された旋回中心と旋回パターンに従って車両が旋回されるように、旋回制御手段によって、アクチュエータによる各車輪の操舵駆動が制御される。
よって、車両は、その車両の周囲状況に基づいて旋回中心及び旋回パターンが適宜探索されるので、車両の周囲状況が、運転者のハンドル操作及びアクセル操作で車両を旋回させることが困難な状況であったり、旋回範囲が限定されるような状況であったとしても、探索された旋回中心及び旋回パターンで旋回されるように各車輪をそれぞれ独立して操舵するように制御がなされ、その結果として、車両を適切に旋回させることができるという効果がある。この場合、運転者による切り返し操作が不要とされるので、安全かつ容易に車両を旋回させることができるという効果がある。
また、周囲状況に応じた適切な旋回中心及び旋回パターンで旋回されるように、各車輪がそれぞれ独立して操舵制御されるので、運転者に負担を強いることなく、適切に各車輪を操舵させることができ、その結果として、適切に車両を旋回させることができるという効果がある。
例えば、運転者によるハンドル操作及びアクセル操作によって、旋回中心A1,B1,C1周りに車両100の最小旋回半径(5.8m)で前進左旋回した場合に、車両1が出庫できない図10(a),図11(a),図12(a),図13(a)に対応する例を、それぞれ、図10(b),図11(b),図12(b),図13(b)に示す。
図10(b)に示すように、車両1の周囲状況に応じて、旋回パターン検出手段によって探索された旋回中心A2周りに車両1が旋回されるように、旋回制御手段によって、アクチュエータ装置による各車輪の操舵駆動と、車輪駆動装置による各車輪の回転駆動とが制御されることによって、車両1は、壁120aに接触することなく旋回することができる。
同様に、図11(b)及び図12(b)に示すように、車両1の周囲状況に応じて、旋回パターン検出手段によって探索された旋回中心B2及び旋回中心C2周りに車両1が旋回されるように、旋回制御手段によって、アクチュエータ装置による各車輪の操舵駆動と、車輪駆動装置による各車輪の回転駆動とが制御されることによって、車両1は、隣接する駐車枠に駐車する車両130や、車両1の前方に駐車する車両140に接触することなく旋回することができる。
また、運転者によるハンドル操作及びアクセル操作によって、旋回中心D1周りに車両100の最小旋回半径(5.8m)で前進左旋回して車道160へ出た場合に、車両100がセンターライン180を越えるために危険な図13(a)に対応する例を、図13(b)に示す。
図13(b)に示すように、車両1の周囲状況に応じて、旋回パターン検出手段によって探索された旋回中心D2周りに車両1が旋回されるように、旋回制御手段によって、アクチュエータ装置による各車輪の操舵駆動と、車輪駆動装置による各車輪の回転駆動とが制御されることによって、車両1は、センターライン180を越えることなく安全に車道160へ出ることができる。
なお、周囲状況取得手段により取得される周囲状況としては、例えば、GPS(Global Positioning System)などを用いて得られる自車両の位置情報や、地図データや駐車場情報を参照することによって得られる、車両の周辺における車両通行可能な土地形状や車路幅などの情報や、カメラによる撮像やセンサによる検出などによって得られる、車両の周辺の障害物の情報などが挙げられる。
また、旋回中心及び旋回パターンを探索する旋回パターン探索手段としては、1の旋回中心に対する旋回パターン(各車輪の軌跡データや、旋回の際に必要な車両側面方向の幅データ及び車両進行方向の幅データなど)を複数記憶するメモリの中から、旋回可能な旋回パターンを選出する方法や、演算によるシュミレーションによって、車両周囲に無限に存在する旋回中心の中から適切に旋回可能な旋回パターンを探索する方法などが挙げられる。
請求項2記載の制御装置によれば、請求項1記載の制御装置の奏する効果に加えて、旋回パターン記憶手段に記憶されている旋回パターンと、周囲状況取得手段により取得された周囲状況とが比較手段によって比較され、その比較結果に基づいて、前記旋回パターン記憶手段の中から旋回パターンが探索される。よって、予め決められた数の旋回パターンの中から最適な旋回パターンが選択されるので、少ない制御負担で、車両を最適な旋回パターンで旋回させることができるという効果がある。
請求項3記載の制御装置によれば、請求項1又は2に記載の制御装置の奏する効果に加えて、周囲状況取得手段により取得された周囲状況下において、運転者によるハンドル操作量に応じた車輪の少なくとも一部への舵角の付与と運転者によるアクセル操作量に応じた車輪の少なくとも一部への駆動力の付与とによって車両を旋回させた場合に、旋回可能であるかが、運転者操作旋回判定手段により判定され、その際、旋回可能であると判断されると、探索禁止手段により、旋回パターン探索手段による旋回中心及び旋回パターンの探索が禁止される。即ち、周囲状況下において、運転者のハンドル操作及びアクセル操作によって旋回可能である場合には、旋回パターン探索手段による旋回中心及び旋回パターンの探索が禁止され、その結果として、運転者は、自身がハンドル操作及びアクセル操作をすることによって旋回を行なうことになる。
各車輪を個々に操舵及び回転させて旋回させる場合の多くは、車輪の空転を伴う。そのため、各車輪を個々に操舵及び回転させて旋回させた場合には、運転者によるハンドル操作及びアクセル操作によって旋回させた場合に比べて車輪の磨耗が大きい。よって、車両の周囲状況が運転者によるハンドル操作及びアクセル操作によって旋回できる状況である場合に、運転者自身の操作による旋回を行なわせることによって、車輪の磨耗を抑制することができるという効果がある。
請求項4記載の制御装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の制御装置の奏する効果に加えて、自車位置取得手段により取得された車両の位置周辺の土地形状が、土地形状認識手段により、地図記憶手段に記憶されている地図データに基づいて認識されると、そのように認識された土地形状に基づいて、車両が通行可能な領域が、車両通行可能領域検出手段によって検出される。そして、そのように検出された領域が、周囲状況取得手段によって周囲状況として取得される。その結果として、車両通行可能領域検出手段により検出された領域を周囲状況として考慮した旋回中心及び旋回パターンが、旋回パターン探索手段によって探索されることになる。
よって、車両(自車)の位置を知ることによって、地図データを基に車両周辺の土地形状を正確に知ることができるので、車両通行可能領域もまた正確に検出することができる。その結果、検出された車両通行可能領域から車両がはみ出でない旋回パターンを正確に探索することができるという効果がある。
なお、土地形状認識手段により認識される土地形状と車両通行可能領域検出手段により検出される領域(車両が通行可能な領域)とは、同じであっても、車両が通行可能な領域が土地形状認識手段により認識される土地形状よりも小さくてもよい。
例えば、地図データに、建物や周壁などの形状及び配置に関する情報が含まれていれば、土地形状認識手段により認識された土地形状から、旋回の際の障害物となり得る建物や周壁の部分を除いた領域を、車両が通行可能な領域としてもよい。また、地図データとして駐車場のデータ含まれている場合に、その駐車場において当該車両に対して駐車契約されている駐車枠以外の駐車枠を車両が通行可能な領域から除外するようにしてもよい。また、土地形状認識手段により認識された車両周辺の土地形状の中に、車道(車路)が含まれている場合には、法令上走行が許可されていない車線(日本であれば、センターラインに対して進行方向右側の車線)を車両が通行可能な領域から除外するようにしてもよい。
請求項5記載の制御装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の制御装置の奏する効果に加えて、障害物情報取得手段により、車両の周囲に存在する障害物情報が取得されると、その障害物情報が、周囲状況取得手段によって周囲状況として取得される。その結果として、障害物情報取得手段により取得された障害物情報を周囲状況として考慮した旋回中心及び旋回パターンが、旋回パターン探索手段によって探索されることになる。
よって、障害物情報を知ることによって、障害物情報が示す障害物を避けるように旋回パターンを正確に探索することができるという効果がある。その結果、車両が障害物に接触又は衝突することを防止することができる。
ここで、障害物情報取得手段には、カメラなどによって撮像された画像を基に障害物情報を取得することや、センサやレーダなどにより障害物を検出することや、地図データなどに基づいて建物や壁などの立設物や配置物の情報を取得することなどが含まれる。なお、カメラなどによる撮像画像を基に障害物情報を得た場合、センサやレーダなどでは検出できない情報(例えば、駐車枠やセンターラインとして引かれている線など)を得ることができる。また、センサやレーダなどによる検出によって障害物情報を得た場合、静止画像では得難い情報(例えば、車道を走行中の他の車両の接近情報など)を得ることができる。
請求項6記載の制御装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載の制御装置において、車路幅記憶手段に記憶されている車路幅が周囲状況取得手段によって周囲状況として取得される。その結果として、車路幅記憶手段に記憶されている車路幅を周囲状況として考慮した旋回中心及び旋回パターンが、旋回パターン探索手段によって探索されることになる。
よって、車路幅に応じて旋回パターンが選択されるので、車路から車両がはみ出でない旋回パターンを正確に探索することができるという効果がある。特に、車路が車道(道路)である場合に、その車路幅(道路幅や片側車線幅など)をはみ出ないように車両が旋回されることにより、対向車線を走行する車両との接触又は衝突を確実に防止することができ、安全性を確保できるという効果がある。
請求項7記載の車両によれば、転舵可能に構成される複数の車輪を各々独立して駆動するアクチュエータ及び車輪駆動装置が、請求項1から6のいずれかに記載の制御装置によって制御されるので、上記した請求項1から6に記載される効果と同様の効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態における制御装置10が搭載される車両1を模式的に示した模式図である。なお、図1の矢印FWDは、車両1の前進方向を示す。また、図1では、全車輪2に所定の舵角が付与された状態が図示されている。
まず、車両1の概略構成について説明する。車両1は、図1に示すように、車体フレームBFと、その車体フレームBFに支持される複数(本実施形態では4輪)の車輪2と、それら各車輪2を独立に回転駆動する車輪駆動装置3と、各車輪2を独立に操舵駆動するアクチュエータ装置4とを主に備えている。
次いで、各部の詳細構成について説明する。車輪2は、図1に示すように、車両1の進行方向前方側に位置する左右の前輪2FLW,2FRWと、進行方向後方側に位置する左右の後輪2RLW,2RRWとの4輪を備え、これら前後輪2FLW〜2RRWは、ステアリング装置20,30により操舵可能に構成されている。
ステアリング装置20,30は、各車輪2を操舵するための操舵装置であり、図1に示すように、各車輪2を揺動可能に支持するキングピン21と、各車輪2のナックルアーム(図示せず)に連結されるタイロッド22と、そのタイロッド22にアクチュエータ装置4の駆動力を伝達する伝達機構部23とを主に備えて構成されている。
アクチュエータ装置4は、上述したように、各車輪2を独立に操舵駆動するための操舵駆動装置であり、図1に示すように、4個のアクチュエータ(FL〜RRアクチュエータ4FLA〜4RRA)を備えて構成されている。運転者がハンドル51を操作した場合には、アクチュエータ装置4の一部(例えば、前輪2FLW,2FRWのみ)又は全部が駆動され、ハンドル51の操作量に応じた舵角が付与される。
また、運転者によるハンドル操作が行われていない場合であっても、小回り旋回スイッチ46が押下(オン)されたことによって起動する後述する旋回制御処理が実行された場合には、車両1の周囲状況に応じて、車輪2に対応するアクチュエータ装置4(FL〜RRアクチュエータ4FLA〜4RRA)を駆動し、車輪2を左右に操舵駆動する。これにより、周囲状況に応じた車両1の小回り旋回の実現を図る。また、必要に応じて、車輪2に対応するアクチュエータ装置4(FL〜RRアクチュエータ4FLA〜4RRA)を適宜駆動し、制動力又は駆動力の向上を図る。
このように、アクチュエータ装置4による車輪2の操舵駆動は、旋回を目的とする場合と、制動力や駆動力の向上を目的として行われる場合との2種類がある。本実施形態では前者を旋回制御と称し、後者を操舵制御と称す。なお、上述したように、旋回制御は、ハンドル51の操作に起因する場合と、小回り旋回スイッチ46の押下に伴って実行される旋回制御処理に起因する場合とがあり、この旋回制御、特に、小回り旋回スイッチ46の押下に伴って実行される旋回制御処理に起因する旋回制御の詳細については、図7及び図8を参照して後述する。
ここで、本実施形態では、FL〜RRアクチュエータ4FLA〜4RRAが電動モータで構成されると共に、伝達機構部23がねじ機構で構成される。電動モータが回転されると、その回転運動が伝達機構部23により直線運動に変換され、タイロッド22に伝達される。その結果、各車輪2がキングピン21を揺動中心として揺動駆動され、各車輪2に所定の舵角が付与される。
車輪駆動装置3は、各車輪2を独立に回転駆動するための回転駆動装置であり、図1に示すように、4個の電動モータ(FL〜RRモータ3FLM〜3RRM)を各車輪2ごとに(即ち、インホイールモータとして)配設して構成されている。運転者がアクセルペダル53を操作した場合には、各車輪駆動装置3から回転駆動力が各車輪2に付与され、各車輪2がアクセルペダル53の操作量に応じた回転速度で回転される。なお、運転者がアクセルペダル53を操作した際の電動モータ(FL〜RRモータ3FLM〜3RRM)の回転方向は、前進スイッチ42又は後進スイッチ44のいずれか選択(押下)された方に応じて順転又は逆転し、その結果、前進スイッチ42が選択されている場合には、車両1は前進し、後進スイッチ44が選択されている場合には、車両1は後進(バック)する。
制御装置10は、上述のように構成された車両1の各部を制御するための制御装置であり、例えば、アクセルペダル53が操作された場合などには、車輪駆動装置3の駆動制御を行う一方、ハンドル51や各ペダル52,53が操作された場合などには、アクチュエータ装置4の駆動制御(旋回制御、操舵制御)を行う。また、制御装置10は、上述したように、小回り旋回スイッチ46の押下を検出した場合には、後述する旋回制御処理を実行する(図7及び図8参照)。ここで、図2を参照して、制御装置10の詳細構成について説明する。
図2は、制御装置10の電気的構成を示したブロック図である。制御装置10は、図2に示すように、CPU71と、ROM72と、RAM73と、ハードディスク74(以下、HDD74と称する)とを備え、これらはバスライン74を介して入出力ポート75に接続されている。また、入出力ポート75には、車輪駆動装置3等の複数の装置が接続されている。
CPU71は、バスライン74により接続された各部を制御する演算装置である。ROM72は、CPU71により実行される制御プログラムや固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリである。なお、後述する図7及び図8に示すフローチャートを実行するプログラムは、このROM72に格納されている。
また、ROM72には、旋回テーブル72aが記憶されている。旋回テーブル72aは、1の旋回中心毎に、旋回パターンとして、x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyとが記憶されたテーブルであり、前進時の旋回パターンを記憶するフロント用テーブル72a1と、後進時(バック時)の旋回パターンを記憶するバック用テーブル72a2との2種類のテーブルから構成される。なお、この旋回テーブル72a(フロント用テーブル72a1,バック用テーブル72a2)の構成については、図3を参照しつつ後述する。
RAM73は、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するためのメモリであり、候補メモリ73aを備えている。候補メモリ73aは、後述する旋回制御処理(図7参照)の結果として、旋回テーブル22aに記憶されている旋回パターンの中から、車両1の周囲状況に対して車両1が旋回可能であると判定された場合に、その旋回パターンを候補として一時的に記憶しておくメモリである。なお、この候補メモリ73aは、旋回制御処理(図7参照)の起動時に初期化(クリア)される。
HDD74は、書き換え可能な不揮発性の大容量メモリであり、地図データベース74a(以下、地図DB74aと称する)と、駐車場データベース74b(以下、駐車場DB74bと称する)とを備えている。
地図DB74aは、地図データを記憶するデータベースであり、例えば、非図示のデータ読込装置(例えば、DVD装置)によって地図データの記録された媒体(例えば、DVD)から読み取られたり、外部の情報センタ等から非図示の通信装置を介して受信されたりした地図データが記憶されている。
駐車場DB74bは、駐車場データを記憶するデータベースである。この駐車場DB74bに記憶されている駐車場データとしては、駐車場全体の形状や、駐車枠の位置や大きさや、取り付け車路の幅などが挙げられる。
車輪駆動装置3は、上述したように、各車輪2(図1参照)を回転駆動するための装置であり、各車輪2に回転駆動力を付与する4個のFL〜RRモータ3FLM〜3RRMと、それら各モータ3FLM〜3RRMをCPU71からの命令に基づいて駆動制御する駆動回路(図示せず)とを備えている。
また、アクチュエータ装置4は、上述したように、各車輪2を操舵駆動するための装置であり、各車輪2に操舵駆動力を付与する4個のFL〜RRアクチュエータ4FLA〜4RRAと、それら各アクチュエータ4FLA〜4RRAをCPU71からの命令に基づいて駆動制御する駆動回路(図示せず)とを備えている。
舵角センサ装置31は、各車輪2の舵角を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2の舵角をそれぞれ検出する4個のFL〜RR舵角センサ31FLS〜31RRSと、それら各舵角センサ31FLS〜31RRSの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
ここで、舵角センサ装置31により検出される舵角とは、各車輪2の中心線と車両1(車体フレームBF)の基準線(各線ともに図示せず)とがなす角度であり、車両1の進行方向とは無関係に定まる角度である。
車両速度センサ装置32は、路面に対する車両1の対地速度(絶対値及び進行方向)を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、前後及び左右方向加速度センサ32a,32bと、それら各加速度センサ32a,32bの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
前後方向加速度センサ32aは、車両1(車体フレームBF)の前後方向(図1上下方向)の加速度を検出するセンサであり、左右方向加速度センサ32bは、車両1(車体フレームBF)の左右方向(図1左右方向)の加速度を検出するセンサである。CPU71は、車両速度センサ装置32から入力された各加速度センサ32a,32bの検出結果(加速度値)を時間積分して、2方向(前後及び左右方向)の速度をそれぞれ算出すると共に、それら2方向成分を合成することで、車両1の対地速度(絶対値及び進行方向)を得ることができる。
車輪回転速度センサ装置33は、各車輪2の回転速度を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2の回転速度をそれぞれ検出する4個のFL〜RR回転速度センサ33FLS〜33RRSと、それら各回転速度センサ33FLS〜33RRSの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。CPU71は、車輪回転速度センサ装置33から入力された各車輪2の回転速度と、予めROM72に記憶されている各車輪2の外径とから、各車輪2の実際の周速度をそれぞれ得ることができる。
ハンドル回転角検出センサ34は、ハンドル51の回転角を検出するセンサである。このハンドル回転角検出センサ34による検出結果がCPU71に出力されると、ハンドル51の回転角を得ることができる。
前進スイッチ42は、運転者が、車両1を前進させることを所望した場合に選択するスイッチである。この前進スイッチ42が押下(オン)されると、車輪駆動装置3(FL〜RRモータ3FLM〜3RRM)が順転されて、その結果として、車両1は前進する。
後進スイッチ44は、運転者が、車両1を後進(バック)させることを所望した場合に選択するスイッチである。この後進スイッチ44が押下(オン)されると、車輪駆動装置3(FL〜RRモータ3FLM〜3RRM)が逆転されて、その結果として、車両1は後進する。なお、前進スイッチ42が押下(オン)された場合には、後進スイッチ44は必ずオフに切り換えられ、一方で、後進スイッチ44が押下(オン)された場合には、前進スイッチ43は必ずオフに切り換えられ、両方のスイッチ42,44が同時にオンされないように構成されている。
小回り旋回スイッチ46は、運転者が、後述する旋回制御処理(図7参照)による旋回制御を所望する場合に、押下することによって旋回制御処理(図7参照)の実行を指示するスイッチである。なお、この小回り旋回スイッチ46は、旋回制御処理(図7参照)の実行に自動的にオフされるように構成されている。
車載カメラ48は、車両1の周囲を撮像可能な小型CCDカメラである。本実施形態では、前後左右に4つの車載カメラ48が設けられており、車両1の周囲360度を撮像することができるように構成されている。LCD50は、各種情報や地図データに基づく地図などを表示するための液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)である。
GPS受信機52は、非図示のGPS衛星400から位置情報(例えば、緯度情報及び経度情報)をアンテナ52aを介して受信する装置であり、このGPS受信機52により位置情報が受信されると、その位置情報と、車両速度センサ装置32により検出された対地速度と、非図示のジャイロスコープにより検出される車両1の回転角速度とに基づいて、CPU71において車両1の現在位置が求められる。
次に、図3を参照して、上述した旋回テーブル72aについて説明する。図3は、旋回テーブル72aの構成を示す模式図である。図3に示すように、フロント用テーブル72a1とバック用テーブル72a2とから構成されている。
フロント用テーブル72a1は、前進時の旋回パターンを記憶するテーブルであり、前進左旋回の際に使用される前進左旋回用テーブル72a11と、前進右旋回の際に使用される前進右旋回用テーブル72a12とを備えている。
バック用テーブル72a2は、後進時(バック時)の旋回パターンを記憶するテーブルであり、後進左旋回の際に使用される後進左旋回用テーブル72a21と、後進右旋回の際に使用される後進右旋回用テーブル72a22とを備えている。
前進左旋回用テーブル72a11,前進右旋回用テーブル72a12,後進左旋回用テーブル72a21,後進右旋回用テーブル72a22はいずれも、車両1の周囲に無限に存在する旋回中心のうち、代表的な20個の旋回中心の各々に対し、x方向はみ出し量Exとy方向はみ出し量Eyとが旋回パターンとして記憶されている。なお、x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyの定義については、図5を参照しつつ後述するものとする。
前進左旋回用テーブル72a11,前進右旋回用テーブル72a12,後進左旋回用テーブル72a21,後進右旋回用テーブル72a22は、旋回テーブル72aを読み出す先頭アドレスの値に応じて選択される。具体的には、後述する旋回制御処理(図7参照)において、車両1の旋回方向(前進左旋回,前進右旋回,後進左旋回,後進右旋回)に応じて変数M1及び変数M2が決定され、その結果として、旋回テーブル72aを読み出す先頭アドレスが決定される。例えば、旋回制御処理(図7参照)において決定された変数M1がRであり、変数M2がFである場合には、前進右旋回用テーブル72a12が選択されることになる。
次に、図4を参照して、上述した旋回テーブル72aにおける旋回中心について説明する。図4は、本実施形態において、前進左旋回用に選択された代表的な20個の旋回中心を説明するための模式図である。
図4に示すように、本実施形態では、車両1を内接する長方形における、中心と車両1の左後部側の頂点とを通る軸A上に3つの旋回中心(旋回中心No.=2FL〜4FL)を設定する。また、車両1の中心から、車両1の左後輪2RLの前方側に接しつつ延びる軸B上に3つの旋回中心(旋回中心No.=5FL〜7FL)を設定する。また、車両1を内接する長方形における2つの長辺(車両1の前後方向に対応する辺)の中点を通る軸C上に3つの旋回中心(旋回中心No.=8FL〜10FL)を設定する。また、車両1を内接する長方形における、中心と車両1の左前部側の頂点とを通る軸D上に3つの旋回中心(旋回中心No.=12FL〜14FL)を設定する。また、車両1を内接する長方形における2つの短辺(車両1の幅方向に対応する辺)の中点を通る軸E上に7つの旋回中心(旋回中心No.=1FL,15FL〜20FL)を設定する。なお、旋回中心No.=1FLは、車両1を内接する長方形の中心(車両1の中心)に位置する。また、車両1の2つの後輪2RL,2RRが平行かつ同高である場合における回転軸F上の所定の位置に、1つの旋回中心(旋回中心No.=11FL)を設定する。
なお、旋回中心No.=2,5,8,12,15,18は、車両1の中心を中心とし、車両1の幅を直径とする円Raの左半円と、軸A〜Eとの交点である。また、旋回中心No.=3,6,9,13,16,19は、車両1の中心を中心とし、車両1を内接する長方形の対角線を直径とする円Rbの左半円と、軸A〜Eとの交点である。また、旋回中心No.=4,7,10,14,17,20は、円Ra及び円Rbと同心であり、円Rbの直径より大きな直径(例えば、円Raの直径の約1.5倍)を有する円Rcの左半円と、軸A〜Eとの交点である。
上記のように、車両1の周囲に20個の旋回中心が設定された場合、20通りの特性を有する旋回パターンが得られることになる。本実施形態では、x方向はみ出し量Exとy方向はみ出し量Eyとを用いることによって、旋回パターンを特徴づけた。
次に、図5を参照して、x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyについて説明する。図5は、x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyを説明するための模式図である。
図5では、車両1(長さ4795mm×幅1790mm×高さ1770mm)が、駐車枠110(幅2.3m×長さ5.0m)から、駐車枠100に対して略直角に設けられた取り付け車路120(車路幅5.5m)へ、旋回中心No.=1FL周りに旋回した場合を例示している。
なお、x方向はみ出し量Exは、初期停止位置の車両1における旋回方向とは反対側の側面付近に、初期停止位置の車両1に対して平行に引いたx方向基準線112(本実施形態では、駐車枠110の長辺上を通る直線をx方向基準線112とした)から、旋回時に車両1が最大にはみ出す長さとして定義される。
一方で、y方向はみ出し量Eyは、x方向基準線112に対して直交するy方向基準線114から、旋回時に車両1が最大にはみ出す長さとして定義される。なお、y方向基準線114は、後述する旋回制御処理(図7参照)において、初期停止位置の車両1の進行方向(前進又は後進)の先端から順次進行方向へ移動させつつ旋回中心の探索が行われる。
ここで、例えば、前進左旋回をする場合には、x方向はみ出し量Exが最大となる点は、車両1の右後側の角部が描く軌跡上にあり、y方向はみ出し量Eyが最大となる点は、車両1の右前側の角部が描く軌跡上にある。よって、旋回中心の座標を(X,Y)とし、車両1の全長をLvとし、車両1の全幅をWvとすると、旋回中心(X,Y)と車両1の右後側の角部との距離DISTrrは、式DISTrr=SQRT[({Wv/2}−X)+({Lv/2}+Y)]によって求められる。また、旋回中心(X,Y)と車両1の右前側の角部との距離DISTrfは、式DISTrf=SQRT[({Wv/2}+X)+({Lv/2}+Y)]によって求められる。
ここで、車両1がN°左に旋回した場合における車両1の右後側の角部のX座標XrrNは、式XrrN=DISTrr×cos(Θ+N°)−X=DISTrr(cosΘcosN°−sinΘsinN°)−Xによって求められる。ただし、cosΘ=({Wv/2}−X)/DISTrrであり、sinΘ=({Lv/2}−Y)/DISTrrである。
同様に、車両1からN°左に旋回した場合における車両1の右前側の角部のY座標YrfNは、YrfN=DISTrf×sin(Θ+N°)−Y=DISTrf(sinΘcosN°+cosΘsinN°)−Yによって求められる。ただし、cosΘ=({Wv/2}−X)/DISTrfであり、sinΘ=({Lv/2}−Y)/DISTrfである。
0°〜N°まで左旋回した場合における「x方向はみ出し量Ex」は、XrrN(0°)からXrrN(N°)までの最大値であり、一方で、「y方向はみ出し量Ey」は、YrfN(0°)からYrfN(N°)までの最大値である。
よって、旋回を所望する場所(例えば、駐車場)の幅をWpとすると、Ex=(Max{XrrN}−{Wp/2})[Ex>0],Ex=0[Ex≦0]であり、Ey=(Max{YrfN}+Y)[Ey>0],Ey=0[Ey≦0]である。従って、旋回を所望する場所の形状によって異なる許容量(移動可能領域)と、x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyの値とを比較することによって、旋回中心(X,Y)を選択することができる。
ここで、図6を参照して、上述したように車両1に対して選択された20個の前進左旋回用の旋回中心(旋回中心No.=1FL〜20FL)における、旋回パターン(x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Ey)の特性について説明する。図6は、前進左旋回用テーブル72a11に記憶される、20個の旋回中心(旋回中心No.=1FL〜20FL)の各々に対する旋回パターン(x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Ey)の値を示した棒グラフである。図6に示す棒グラフにおいて、横軸は、旋回中心No.=1FL〜20FLで示される旋回中心であり、縦軸は、旋回パターン(x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Ey)の値である。なお、本実施形態では、車両1における前後のオーバーハングの値は等しいものとするが、オーバーハングが前後で異なる場合には、与える舵角をそれぞれ変化させ、オーバーハングが同じ値となるように旋回中心を変化させることで対応することが可能である。
図6に示すように、各旋回中心毎に特徴的な旋回パターン(x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Ey)が得られる。例えば、旋回中心No.=3FL,4FL,7FL,19FL,20FLの場合には、x方向のはみ出し量Exはほどんどなく、車両1の右側が壁に隣接している状態でも旋回できることを示している。また、例えば、旋回中心No.=7FLでの旋回は、旋回中心No.=20FLでの旋回に比べてy方向のはみ出し量Eyが短く、車両1の進行方向(y方向)のスペースが狭い場合には、旋回中心No.=20FLではなく、旋回中心No.=7FLを利用することができる。また、例えば、旋回中心No.=17FLでの旋回は、x方向のはみ出し量Exが、y方向のはみ出し量Eyに比べて長く、車両1の進行方向(y方向)よりも進行方向に直交する方向(x方向)にスペースが多い場合に有利に旋回できる。
次に、図7及び図8のフローチャートを参照して、上記のように構成される本実施形態の車両1の旋回制御について説明する。図7は、車両1のCPU71で実行される旋回制御処理を示すフローチャートである。
この旋回制御処理は、運転者により小回り旋回スイッチ46が押下(オン)されると共に、所望する旋回方向(右旋回又は左旋回)にハンドル51を切ること(ハンドル回転角検出センサ34がハンドル51の回転を検出したこと)によって起動する処理であり、まず、車両1が停止状態であるか否かを確認する(S701)。
S701の処理により確認した結果、車両1が停止状態にあれば(S701:Yes)、車両の周囲状況を把握した上で、車両1が移動可能な領域を示す移動可能領域マップを作成する状況把握処理(S702)を実行する。
ここで、図8を参照して、この状況把握処理(S702)について説明する。図8に示すように、状況把握処理は(S702)は、まず、GPS受信機52に受信されたGPS衛星(非図示)からの位置情報(緯度及び経度情報)に基づいて、車両1の現在位置情報を取得する(S801)。
S801の処理後、現在位置の周辺領域の形状情報(土地形状の情報)を、地図DB74aに記憶されている地図データや駐車場DB74bに記憶されている駐車場データに基づいて取得する(S802)。
ここで、S801の処理の結果として車両1の現在位置が正確に分かっているので、地図DB74aや駐車場DB74bに記憶されていうデータを基に、現在位置の周辺領域の形状情報を正確に知ることができるのである。後述するように、移動可能領域マップは、現在位置の周辺領域の土地形状に基づいて作成されるので、現在位置の周辺領域の形状情報を正確に知ることによって、移動可能領域マップを正確に作成することができるのである。その結果として、移動可能領域マップから車両1がはみ出さない旋回中心を正確に探索して選択することができることになるので、接触や衝突を抑制しつつ安全に車両1を旋回させることができるのである。
次いで、現在位置の周辺路領域の障害物情報を取得する(S802)。ここで、障害物情報として、車載カメラ48の撮像画像に基づいて得ることができると共に、地図DB74aに記憶されている地図データに含まれる建物や壁に関する情報や、駐車場DB74bに記憶されている駐車場の駐車枠の位置に関する情報などを利用することができる。
なお、車載カメラ48の撮像画像によって障害物情報を得る場合、センサやレーダなどの対物検出装置では検出できない情報(例えば、駐車枠やセンターラインとして引かれている線など)を得ることができる。
よって、車両1が駐車場の駐車枠110に駐車している場合(図11(b)参照)に隣接する駐車枠を障害物として認識することができる。また、車両1が、旋回によって車道160上へ出る場合(図13(b)参照)に、センターライン180を障害物として認識することができる。後述するように、旋回制御処理(図7)では、障害物を避けるように旋回中心が選択されることになるので、隣接する駐車枠やセンターライン180を障害物として認識することによって、接触や衝突することなく、かつ安全に車両1を旋回させることができるのである。
S803の処理後、現在位置の周辺領域内に車道があるかを確認し(S804)、車道があれば(S804:Yes)、対応する車道について、地図DB74aに記憶されていいる地図データを参照し、車路幅情報(車路の全幅及び片側車線の幅)を取得し(S805)、S806の処理へ移行する。一方で、現在位置の周辺領域内に車道がなければ(S804:No)、S805の処理をスキップして、S806の処理へ移行する。
S806では、移動可能領域マップの作成を行う。そして、S806の処理後、この状況把握処理(S702)を終了する。
ここで、S806で作成される移動可能領域マップは、S802の処理により取得された形状情報と、S803の処理により取得された障害物情報と、必要に応じて、S805の処理により取得された車路幅情報とに基づいて作成される。即ち、基本的には、車両1の現在位置周辺の土地形状から、障害物情報の示す障害物の領域を除いた領域を、移動可能領域として、マップ(移動可能領域マップ)が作成される。なお、車両1の現在位置の周辺車道がある場合には、法令上走行が許可されていない車線(日本であれば、センターラインに対して進行方向右側の車線)を車両が通行可能な領域(移動可能領域)から除外される。
再度、図7に戻って説明する。S702の処理後、運転者がハンドル51を切ることによって規定された旋回方向は左であるかを確認し(S703)、左であれば(S703:Yes(左))、変数M1に「L」を設定し(S704)、S705の処理へ移行する。
一方で、S703の処理により確認した結果、運転者がハンドル51を切ることによって規定された旋回方向が右であれば(S703:No(右))、変数M1に「R」を設定し(S718)、S705の処理へ移行する。
S705では、状況把握処理(S702)の結果として得られた移動可能領域マップ上において、通常の二輪駆動による旋回、即ち、運転者のハンドル51の操作とアクセル53の操作とによって旋回が可能であるかを確認する。即ち、S705では、ハンドル51を最大限に切った場合に、車両1が移動可能領域マップ内で旋回できるかを確認する。
S705の処理により確認した結果、通常の二輪駆動による旋回が不可能であれば(S705:No)、進行方向がフロント(前進)であるか、即ち、前進スイッチ42が押下(オン)されているかを確認する(S706)。
S706の処理により確認した結果、進行方向がフロントであれば(S706:Yes(フロント))、変数M2に「F」を設定し(S707)、変数Yに「0」を設定する(S708)。
一方で、S706の処理により確認した結果、進行方向がバックであれば、即ち、後進スイッチ44が押下(オン)されていれば(S706:No(バック))、変数M2に「B」を設定し(S720)、S708の処理へ移行する。
S708の処理後、変数M1及び変数M2の内容が示す先頭アドレスに(Yの値×4)を加算したアドレスから、x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyを示す4バイトのデータを読み出す(S709)。即ち、旋回テーブル72a(72a11,72a12,72a21,72a22)から、進行方向及び旋回方向に応じたx方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyのデータを読み出す。例えば、変数M1が「L」であり、変数M2が「F」であり、変数Yが「0」である場合には、前進左旋回用テーブル72a11の先頭アドレスが示す、旋回中心No.=1FLに対するx方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyのデータが読み出されることになる。また、変数M1が「L」であり、変数M2が「F」であり、変数Yが「1」である場合には、前進左旋回用テーブル72a11における旋回中心No.=2FLに対するx方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyのデータが読み出されることになる。
S709の処理後、読み出したx方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyのデータと、状況把握処理(S702)の結果として得られた移動可能領域マップとを比較し、車両1が旋回可能であるかを検証する(S710)。このS710の処理では、車両1の現在位置から、車両1の旋回開始位置を仮想的に進行方向へ移動させつつ、旋回中心周りに旋回させた場合に車両1が旋回可能であるかの検証を行う。なお、旋回開始位置の情報は、GPSにより得られた現在位置の緯度及び経度情報を基にして、計算によって得られた緯度及び経度情報であってもよいし、車載カメラ48の撮像画像を基にして、相対的に計算によって求めた情報であってもよい。
S710の処理後、現在検証中の旋回中心で旋回可能であるかを確認し(S711)、旋回可能であれば(S711:Yes)、旋回中心No.と検証により得られた旋回開始位置とを候補メモリ73aに記憶し(S712)、変数Yの値が「19」であるかを確認する(S713)。
一方で、S711の処理により確認した結果、現在検証中の旋回中心で旋回できない場合には(S711:No)、S712の処理をスキップして、S713の処理へ移行する。
S713の処理により確認した結果、変数Yの値が「19」でなければ(S713:No)、変数Yに「1」を加算し(S721)、S709の処理へ移行する。一方で、S713の処理により確認した結果、変数Yの値が「19」であれば(S713:Yes)、進行方向及び旋回方向に応じた旋回テーブル72a(72a11,72a12,72a21,72a22)に記憶されている20個の旋回中心の全てに対して旋回可能であるかの検証がなされているので、候補メモリ73aにデータがあるかを確認する(S714)。
S714により確認した結果、候補メモリ73aにデータがあれば(S714:Yes)、候補メモリ73aの中から、最も安全に旋回できる旋回中心を選択する(S715)。ここで、S715の結果として選択される「最も安全に旋回できる旋回中心」としては、移動可能領域マップと比較してスペース的に最も余裕を持って旋回できる旋回中心が挙げられる。あるいは、できる限り緩やかな軌跡で旋回される旋回中心であってもよい。よって、S715の処理の結果として、車両1は最も安全に旋回できる旋回中心周りに旋回されることになり、車両1は、衝突や接触することなく安全に旋回できるのである。
S715の処理後、車両1の駆動制御処理を実行し(S716)、この旋回制御処理を終了する。ここで、S716の駆動制御処理では、S715の処理によって選択された旋回中心周りに旋回する旋回開始位置まで車両1を前進又は後進によって移動させた後、旋回中心周りに車両1を旋回させるように、制御装置10による車輪駆動装置3及びアクチュエータ装置4の制御を行う。なお、S716の駆動制御処理において、旋回開始位置まで車両1が移動したかは、例えば、旋回開始位置の情報が緯度及び経度情報である場合には、GPSによる位置計測によって判断することができる。あるいは、車載カメラ48による撮像画像を基に相対的に判断するようにしてもよい。
一方で、S714の処理により確認した結果、候補メモリ73aにデータがなければ(S714:No)、候補となる旋回中心が存在しないことをLCD50に表示し(S722)、この旋回制御処理を終了する。運転者は、この表示を確認することによって、旋回が困難であることを認識し、ハンドル51の切り返しを繰り返して旋回させたり、あるいは他の方法をとることによって対処することができる。
また、S701の処理によって確認した結果、車両1が停止状態でなければ(S701:No)、停止を促す表示をLCD50に表示し(S717)、この旋回制御処理を終了する。運転者は、この表示を確認することによって、車両1を停止させた後、再度、旋回制御処理を実行させることができる。
また、S705の処理により確認した結果、通常の二輪駆動による旋回が可能であれば(S705:Yes)、二輪駆動で旋回できることをLCD50に表示し(S719)、この旋回処理を終了する。その結果として、運転者は、通常の二輪駆動によって旋回をさせることができる。
即ち、S705の処理の結果、通常の二輪駆動によって旋回が可能であれば、通常の二輪駆動による旋回(二輪操舵による通常の旋回)が優先される。各車輪2を個々に操舵及び回転させて旋回させる場合の多くは、車輪2の空転を伴うので、通常の二輪駆動で旋回させた場合に比べて車輪2の磨耗が大きい。よって、車両1の周囲状況が運転者によるハンドル操作及びアクセル操作によって旋回(二輪駆動によって旋回)できる状況である場合に、そのような二輪駆動による旋回を優先させることによって、車輪2の磨耗を抑制することができる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、車両1は、その車両1の周囲状況に応じて旋回可能な旋回中心(旋回パターン)が適宜探索されるので、車両1の周囲状況が、運転者のハンドル51の操作及びアクセル53の操作で車両を旋回させることが困難な状況であったり、旋回範囲が限定されるような状況であったとしても、探索された旋回中心周りに旋回されるように各車輪2をそれぞれ独立して操舵及び回転するように制御される。その結果として、車両1を周囲状況に応じて適切に旋回させることができるのである。また、この場合、運転者による切り返し操作が不要とされるので、安全かつ容易に車両1を旋回させることが可能となる。
また、周囲状況に応じて適切な旋回中心周りに旋回されるように、各車輪2をそれぞれ独立して操舵及び回転するように制御されるので、運転者に負担を強いることなく、適切に各車輪2を操舵及び回転させることができ、その結果として、適切に車両1を旋回させることが可能となる。
さらに、本発明の第1実施形態によれば、旋回テーブル72aに予め記憶されている20個の代表的な旋回中心の中から、旋回可能な旋回中心があるかを判断するので、少ない制御負担で、適切な又は最適な旋回中心を選択することができ、車両を適切な又は最適な旋回パターンで旋回させることができる。
なお、S719の前に「通常の二輪駆動による旋回(二輪操舵による通常の旋回)」を行なうか、「その場旋回(即ち、S716の駆動制御処理の結果として行なわれる旋回)」を行なうかを運転者に選択させ、どちらか希望の旋回方法を選択できるようにすることも可能である。
次に、図9を参照して、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、
進行方向及び旋回方向に応じた旋回テーブル72a(72a11,72a12,72a21,72a22)に記憶されている20個の旋回中心の全てに対して旋回可能であるかの検証を行い、旋回可能であると判断された旋回中心の中から、最適な旋回中心が選択されるように構成した。
これに換えて、第2実施形態では、進行方向及び旋回方向に応じた旋回テーブル72a(72a11,72a12,72a21,72a22)に記憶されている20個の旋回中心の中から、最初に旋回可能であると判断された旋回中心周りの旋回が実行されるように構成されている。なお、上記した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図9は、第2実施形態の旋回制御処理を示すフローチャートである。図9に示すように、第2実施形態の旋回制御処理では、上述した第1実施形態の旋回制御処理と同様に、S701〜S711の処理を実行し、S711の処理により確認した結果、現在検証中の旋回中心で旋回可能であれば(S711:Yes)、検証の際に得られた旋回開始位置までの車両1の移動と旋回中心周りの車両1の旋回とを制御する駆動制御処理を実行し(S716)、この旋回制御処理を終了する。
S711の処理後、変数Yの値が「19」であるかを確認するS713の処理を実行し、変数Yの値が「19」であれば(S713:Yes)、旋回可能な旋回中心が存在しないことをLCD50に表示し(S901)、この旋回制御処理を終了する。
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、周囲状況に対して旋回可能な1の旋回中心(又は選択パターン)が選択されたら、それ以上の旋回中心を探索することなく、選択された旋回中心周りに車両1が旋回されるようにアクチュエータ装置4と車輪駆動装置3とが制御される。よって、制御負担を軽減させると共に、旋回中心(又は旋回パターン)の探索の高速化を図ることができるので、結果的に、車両1の旋回が開始されるまでのタイムラグを低減して、迅速に車両1を旋回させることができることになる。
上記した第2実施形態の旋回制御処理を実行する場合、旋回テーブル72a(72a11,72a12,72a21,72a22)に記憶されている20個の旋回中心を、予め、旋回に有利な条件順に並べておくことによって、最初に旋回可能であると判断された旋回中心が最適な旋回を行い得る先回中心となる。例えば、旋回テーブル72a(72a11,72a12,72a21,72a22)における旋回中心を、車輪2の磨耗が少ない順に並べられていた場合には、できるだけ車輪2の磨耗の少ない旋回が実行されるため、車輪2の磨耗を抑制することができる。
なお、請求項1記載の周囲状況取得手段としては、状況把握処理(S702)が該当し、旋回パターン探索手段としては、S703〜S713,S718,S720,S721の処理が該当し、旋回制御手段としては、駆動制御処理(S716)が該当する。
また、請求項2記載の比較手段としてはS710の処理が該当する。また、請求項3記載の運転者操作旋回判断手段としては、S705の処理が該当し、探索禁止手段としては、S705のYesの分岐処理が該当する。
また、請求項4記載の自車位置取得手段としては、S801の処理が該当し、土地形状認識手段としては、S802の処理が該当し、車両通行可能領域検出手段としては、S806の処理が該当する。また、請求項5記載の障害物情報取得手段としては、S803の処理が該当する。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、上記実施形態では、車両1の周囲における障害物情報を得るために、車両1の前後左右に配置した車載カメラ48の撮像画像を利用したが、車載カメラ48としては、車両1の屋根部分の上方に周囲360°の状況を撮像可能な魚眼レンズを1つ配置するように構成してもよい。また、複数の車載カメラ48を用いる場合には、その数を4以上に増やして総合的に障害物情報を得るように構成してもよい。
また、車載カメラ48に換えてセンサやレーダなどの対物検出装置を用いて障害物情報を得るように構成してもよい。障害物情報をセンサやレーダなどによる対物検出によって得る場合には、静止画像では得難い情報(例えば、車道を走行中の他の車両の接近情報など)を得ることができるので好ましい。なお、車載カメラ48及び対物検出装置の両方を用いて障害物情報を得るように構成してもよい。
また、車載カメラ48を用いて得た障害物情報を用いて作成された移動可能領域マップに対して旋回可能な旋回中心を探せなかった場合に、再度、対物検出装置を用いて得た障害物情報を用いて移動可能領域マップを作成して旋回可能な旋回中心を探索するように構成してもよい。上述したように、車載カメラ48による撮像画像に基づいて障害物情報を得ると、センサやレーダなどの対物検出装置では検出できない情報(例えば、駐車枠やセンターラインとして引かれている線など)を得ることができるので、車載カメラ48を用いて障害物情報を得た場合、対物検出装置を用いて障害物情報を得た場合に比べて、旋回可能であるための条件が厳しくなる。よって、車載カメラ48を用いた場合に旋回可能な旋回中心を探せなかった場合に、再度、対物検出装置を用いて得た障害物情報を用いることによって条件を緩めることにより、旋回可能な旋回中心を見つけることができる可能性を高めることができる。
また、上記実施形態では、旋回制御処理(図7)の起動のトリガの1つとして、ハンドル51が回されたことがあるが、ハンドル51の回転の代わりに、ウインカー(非図示)による方向指示をトリガとしてもよい。あるいは、左旋回スイッチ及び右旋回スイッチを設けるように構成してもよい。または、地図DBに基づく一方通行などの交通ルールを参酌し、一方通行などにより規定されている方向を旋回方向として認識するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、旋回パターンとして、x方向はみ出し量Exとy方向はみ出し量Eyとを用いたが、より詳細な旋回軌跡のデータを移動可能領域マップと比較するように構成してもよい。また、車両1の周囲に無限に存在する旋回中心に対し、演算によって旋回軌跡を求め、移動可能領域マップと比較するように構成してもよい。
本発明の第1実施形態における制御装置が搭載される車両を模式的に示した模式図である。 制御装置の電気的構成を示したブロック図である。 旋回テーブルの構成を示す模式図である。 前進左旋回用に選択された代表的な20個の旋回中心を説明するための模式図である。 x方向はみ出し量Ex及びy方向はみ出し量Eyを説明するための模式図である。 前進左旋回用テーブルに記憶される20個の旋回中心の各々に対する旋回パターンの値を示した棒グラフである。 第1実施形態の旋回制御処理を示すフローチャートである。 状況把握処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の旋回制御処理を示すフローチャートである。 (a)は、従来の車両の旋回に伴う問題点の一例を説明するための模式図であり、(b)は、本発明の車両及び制御装置による効果を説明するための模式図である。 (a)は、従来の車両の旋回に伴う問題点の別の例を説明するための模式図であり、(b)は、本発明の車両及び制御装置による効果を説明するための模式図である。 (a)は、従来の車両の旋回に伴う問題点の別の例を説明するための模式図であり、(b)は、本発明の車両及び制御装置による効果を説明するための模式図である。 (a)は、従来の車両の旋回に伴う問題点の別の例を説明するための模式図であり、(b)は、本発明の車両及び制御装置による効果を説明するための模式図である。
符号の説明
10 制御装置
1 車両
2 車輪
2FLW 前輪(車輪)
2FRW 前輪(車輪)
2RLW 後輪(車輪)
2RRW 後輪(車輪)
3 車輪駆動装置
3FLM〜4RRM FL〜RRモータ(車輪駆動装置)
4 アクチュエータ装置
4FLA〜4RRA FL〜RRアクチュエータ(アクチュエータ装置)
51 ハンドル
53 アクセル
72a 旋回テーブル(旋回パターン記憶手段)
72a1 フロント用テーブル(旋回パターン記憶手段)
72a11 前進左旋回用テーブル(旋回パターン記憶手段)
72a21 前進右旋回用テーブル(旋回パターン記憶手段)
72a2 バック用テーブル(旋回パターン記憶手段)
72a21 後進左旋回用テーブル(旋回パターン記憶手段)
72a22 後進右旋回用テーブル(旋回パターン記憶手段)
74a 地図DB(地図データ記憶手段、車路幅記憶手段)
74b 駐車場DB(地図データ記憶手段、車路幅記憶手段)

Claims (7)

  1. 複数の車輪をそれぞれ独立に操舵駆動するアクチュエータの制御装置であって、
    車両の周囲状況を取得する周囲状況取得手段と、
    その周囲状況取得手段により取得された周囲状況に基づき旋回中心点及び前記車両の旋回パターンを探索する旋回パターン探索手段と、
    その旋回パターン探索手段により探索された旋回中心と旋回パターンとに従って前記車両が旋回されるように、前記アクチュエータを制御する旋回制御手段とを備えていることを特徴とする制御装置。
  2. 複数の旋回パターンを記憶する旋回パターン記憶手段と、
    その旋回パターン記憶手段に記憶されている旋回パターンと、周囲状況取得手段により取得された周囲状況とを比較する比較手段とを備え、
    前記旋回パターン探索手段は、前記比較手段による比較に基づいて、前記旋回パターン記憶手段の中から旋回パターンを探索することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. 前記周囲状況取得手段により取得された周囲状況下において、運転者によるハンドル操作量に応じた前記車輪の少なくとも一部への舵角の付与と運転者によるアクセル操作量に応じた前記車輪の少なくとも一部への駆動力の付与とによって前記車両を旋回させた場合に、旋回可能であるかを判定する運転者操作旋回判定手段と、
    その運転者操作旋回判定手段により、前記運転者によるハンドル操作及びアクセル操作に基づく旋回が可能であると判定された場合には、前記旋回パターン探索手段による旋回中心及び旋回パターンの探索を禁止する探索禁止手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記車両の位置を取得する自車位置取得手段と、
    地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
    前記自車位置取得手段により取得された前記車両の位置周辺の土地形状を、前記地図記憶手段に記憶されている地図データに基づいて認識する土地形状認識手段と、
    その土地形状認識手段により認識された土地形状に基づいて、前記車両が通行可能な領域を検出する車両通行可能領域検出手段とを備え、
    前記周囲状況取得手段は、前記車両通行可能領域検出手段によって検出された通行可能な領域を周囲状況として取得することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の制御装置。
  5. 前記車両の周囲に存在する障害物情報を取得する障害物情報取得手段を備え、
    前記周囲状況取得手段は、前記障害物情報取得手段により取得された障害物情報を周囲状況として取得することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の制御装置。
  6. 車路幅を記憶する車路幅記憶手段を備え、
    前記周囲状況取得手段は、前記車路幅記憶手段に記憶されている車路幅を周囲状況として取得することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の制御装置。
  7. 転舵可能に構成される複数の車輪と、それら複数の車輪をそれぞれ独立に操舵駆動するアクチュエータと、前記複数の車輪をそれぞれ独立に回転駆動する車輪駆動装置と、請求項1から6のいずれかに記載の制御装置とを備えていることを特徴とする車両。

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