JP2007030426A - 液体滴吐出検査装置、液体滴吐出装置、液体滴吐出システム、及び、堆積物の状態の検査方法 - Google Patents

液体滴吐出検査装置、液体滴吐出装置、液体滴吐出システム、及び、堆積物の状態の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズルからの液体滴の吐出状態を検査する液体滴吐出検査装置等であって、しかも、液体滴を受ける導電体上に堆積する堆積物の状態を検査可能な液体滴吐出検査装置等を提供する。
【解決手段】(A)ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、(B)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、(C)前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、(D)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、(E)を備えたことを特徴とする液体滴吐出検査装置。
【選択図】 図12

Description

本発明は、ノズルからの液体滴の吐出状態を検査する液体滴吐出検査装置、液体滴吐出装置、液体滴吐出システム、及び、堆積物の状態の検査方法に関する。
液体滴吐出装置として、紙や布、フィルムなどの各種媒体に対してインク滴(液体滴に相当)を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、シアン(C)やマゼンダ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)等といった各色のインク滴をノズルから吐出して媒体上にドットを形成して画像を印刷するものである。
このようなインクジェットプリンタにあっては、インクの固着などによってノズルに目詰まりを生じ、インク滴が正常に吐出されないことがある。そして、その場合には、媒体上にきちんとドットを形成できずに綺麗な印刷を行えなくなる。
そこで、インク滴の吐出状態の検査方法が色々と提案されており、その一例として、インク滴の吐出を光学的に検査する方法がある(特許文献1を参照。)。
特開2000−233520号公報
しかし、この方法では光学センサ等の高価な部品を用いる関係上、コストアップが必至である。このため、現在、安価な部品で対応可能な電気的方法が検討されている。
この電気的方法とは、ノズルから導電体に向けて帯電したインク滴を吐出し、このインク滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流の検出の有無からインク滴の吐出状態を判定するというものである。そして、インク滴の帯電処理は、導電体に電圧を印加し、これによってノズルとの間に形成される電界によって吐出前にインクを分極させることで行われる。
但し、導電体に所定電圧を印加しても、前記ノズルと前記導電体との間隔が変化すると、前記電界の変化を通してインク滴の帯電量に変化を来たし、その結果、誘導電流の大きさも変化してしまい、吐出状態を正しく検査できなくなってしまう。従って、検査精度の観点からは、ノズルと導電体との間隔の管理が重要となる。
この間隔の変動要因としては、導電体に堆積する堆積物が挙げられる。すなわち、この導電体はインク滴を受けるためにインク中の染料や顔料等の固形成分が徐々に堆積する一方、この堆積物はインクの溶媒によって濡れると導電性を示す。このため、堆積物が生じるとその高さ分だけノズルとの間隔を実質的に狭めてしまうことになり、もって、堆積物は、吐出状態の検査精度に影響する虞があるのである。
そこで、この吐出状態の検査前又は検査中に、堆積物の状態が検査の支障となるレベルか否かを検査しておく必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みたものであって、その目的は、ノズルからの液体滴の吐出状態を検査する液体滴吐出検査装置等であって、しかも、液体滴を受ける導電体上に堆積する堆積物の状態を検査可能な液体滴吐出検査装置等を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための主たる発明は、
(A)ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、
(B)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、
(C)前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、
(D)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、
(E)を備えたことを特徴とする液体滴吐出検査装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(A)ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、
(B)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、
(C)前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、
(D)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、
(E)を備えたことを特徴とする液体滴吐出検査装置。
このような液体滴吐出検査装置によれば、ノズルからの液体滴の吐出状態の検査前又は検査中に、前記導電体に堆積した堆積物の状態を検査することができる。
かかる液体滴吐出検査装置において、
前記判定部は、前記検出部によって検出された誘導電流の大きさが、所定の閾値以上の場合には、前記堆積物の堆積高さが許容範囲外であると判定するのが望ましい。
このような液体滴吐出検査装置によれば、検出された誘導電流の大きさを所定の閾値と比較するという簡単な手法で、堆積物の堆積高さが許容範囲外であるか否かを判定することができる。
かかる液体滴吐出検査装置において、
前記誘導電流に基づいて前記ノズルからの液体滴の吐出状態を判定する第2判定部を備え、
前記第2判定部は、前記誘導電流の大きさが、前記閾値よりも小さい第2閾値未満の場合には、吐出状態は異常であると判定する一方、前記誘導電流の大きさが、前記第2閾値以上で前記閾値未満の場合には、吐出状態は正常であると判定するのが望ましい。
このような液体滴吐出検査装置によれば、ノズルからの液体滴の吐出状態を判定することができる。
かかる液体滴吐出検査装置において、
前記堆積物の状態を検査すべく、前記ノズルから複数の液体滴を連続して吐出するのが望ましい。
このような液体滴吐出検査装置によれば、検出部によって検出される誘導電流の大きさを大きくすることができて、堆積物の状態をより正確に検査可能となる。
かかる液体滴吐出検査装置において、
前記複数の液体滴からなる液体滴群の全長が、前記ノズルと前記導電体との距離よりも長くなるように吐出するのが望ましい。
このような液体滴吐出検査装置によれば、液体滴群によって生じ得る誘導電流の大きさを最大限まで大きくすることができるので、堆積物の状態をより一層正確に検査可能となる。
かかる液体滴吐出検査装置において、
前記導電体は、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための面を前記ノズルに対向させながら、不導体からなる有底容器に収容されているのが望ましい。
このような液体滴吐出検査装置によれば、導電体に印加された電圧の漏電を、前記有底容器によって確実に阻止することができる。よって、導電体からの漏電による電圧降下に起因して、誘導電流に基づく堆積物の状態の検査精度が悪くなるのを防ぐことができる。
かかる液体滴吐出検査装置において、
前記有底容器は、電磁遮蔽機能又は静電遮蔽機能を有するのが望ましい。
このような液体滴吐出検査装置によれば、電磁ノイズ等の外乱を発する機器が周囲に存在する場合であっても、前記外乱は前記有底容器によって遮られ、その影響は、有底容器内の導電性液体吸収体には及ばない。よって、導電性液体吸収体に生じる誘導電流は、外乱の影響を一切受けずに、液体滴の接近に基づいたものとなり、もって、この誘導電流を用いた前記堆積物の状態の検査精度を高めることができる。
かかる液体滴吐出検査装置において、
前記導電体は海綿状の多孔質体であり、
前記導電体は、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための面を有するのが望ましい。
このような液体滴吐出検査装置によれば、導電体の前記面に受けられた液体滴は、多数の孔によって導電体の内部へと誘導されるため、前記面での液体の滞留は抑制され、この滞留の抑制に伴って、前記面及びその近傍における液体の固形成分の堆積も抑制される。従って、堆積物の堆積高さを低くすることができる。
かかる液体滴吐出検査装置において、
前記液体は、少なくとも水を溶媒として含み該溶媒に染料又は顔料を含有するインクであるのが望ましい。
このような液体滴吐出検査装置によれば、前記インクの染料又は顔料が固形成分であるが故に堆積物を生じ得るので、上述の作用効果を享受することができる。
かかる液体滴吐出検査装置において、
前記ノズルから前記液体滴を吐出するための駆動信号を発生するコントローラを備え、
前記コントローラは、互いにサイズの異なる液体滴を吐出するための複数の駆動信号を発生する機能を有し、
前記堆積物の状態の検査用に吐出される液体滴は、前記複数の駆動信号のなかで、最大サイズの液体滴を吐出するための駆動信号であるのが望ましい。
このような液体滴吐出検査装置によれば、液体滴に帯びる帯電量を最も大きくすることができて、それに伴い、誘導電流の大きさを最大限まで大きくすることができるので、堆積物の状態をより一層正確に検査可能となる。
また、(A)ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、
(B)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、
(C)前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、
(D)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、
(E)を備え、
前記判定部は、前記検出部によって検出された誘導電流の大きさが、所定の閾値よりも大きい場合には、前記堆積物の堆積高さが許容範囲外であると判定し、
前記誘導電流に基づいて前記ノズルからの液体滴の吐出状態を判定する第2判定部を備え、前記第2判定部は、前記誘導電流の大きさが、前記閾値よりも小さい第2閾値未満の場合には、吐出状態は異常であると判定する一方、前記誘導電流の大きさが、前記第2閾値以上で前記閾値未満の場合には、吐出状態は正常であると判定し、
前記堆積物の状態を検査すべく、前記ノズルから複数の液体滴を連続して吐出し、
前記複数の液体滴からなる液体滴群の全長が、前記ノズルと前記導電体との距離よりも長くなるように吐出し、
前記導電体は、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための面を前記ノズルに対向させながら、不導体からなる有底容器に収容されており、
前記有底容器は、電磁遮蔽機能又は静電遮蔽機能を有し、
前記導電体は海綿状の多孔質体であり、
前記液体は、少なくとも水を溶媒として含み該溶媒に染料又は顔料を含有するインクであり、
前記ノズルから前記液体滴を吐出するための駆動信号を発生するコントローラを備え、前記コントローラは、互いにサイズの異なる液体滴を吐出するための複数の駆動信号を発生する機能を有し、前記堆積物の状態の検査用に吐出される液体滴は、前記複数の駆動信号のなかで、最大サイズの液体滴を吐出するための駆動信号であることを特徴とする液体滴吐出検査装置。
このような液体滴吐出検査装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、(A)媒体に対して液体滴を吐出するノズルと、
(B)前記媒体が無い位置に配置されて、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、
(C)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、
(D)前記液体滴の吐出状態を検査すべく前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に、前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、
(E)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、
(F)を備えたことを特徴とする液体滴吐出装置の実現も可能である。
また、コンピュータ本体と、前記コンピュータ本体に接続可能な液体滴吐出装置と、を具備した液体滴吐出システムにおいて、
前記液体滴吐出装置は、
(A)媒体に対して液体滴を吐出するノズルと、
(B)前記媒体が無い位置に配置されて、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、
(C)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、
(D)前記液体滴の吐出状態を検査すべく前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に、前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、
(E)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、
(F)を備えたことを特徴とする液体滴吐出システムの実現も可能である。
また、ノズルから吐出された液体滴を導電体によって受けるステップと、
帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出するステップと、
前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加するステップと、
前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定するステップと、を備えたことを特徴とする堆積物の状態の検査方法の実現も可能である。
===液体滴吐出装置の概要===
以下、本発明に係る液体滴吐出装置の実施形態について、インクジェットプリンタ1を例に説明する。
<液体滴吐出装置>
図1乃至図4にプリンタ1の説明図を示す。図1はプリンタ1の外観斜視図である。図2はプリンタ1の内部構成を示す図である。図3はプリンタ1の搬送部を示す断面図である。図4はプリンタ1のシステム構成を示すブロック図である。
このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された紙等の媒体Sを前面から排出する構造を備えており、その前面部には操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー7が設けられている。給紙部4には、カット紙(図示しない)を保持する給紙トレー8が設けられている。なお、インクジェットプリンタ1は、カット紙など単票状の紙のみならず、ロール紙などの連続紙にも印刷できるような給紙構造を備えていても良い。
このプリンタ1の内部には、図2に示すように、キャリッジ41が、所定の方向(以下、キャリッジ移動方向と言う)に沿って相対的に移動可能に設けられている。キャリッジ41の周辺には、キャリッジモータ42と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46と、が設けられている。キャリッジモータ42は、DCモータなどにより構成され、キャリッジ41をキャリッジ移動方向に沿って相対的に移動させるための駆動源として機能する。また、タイミングベルト45は、プーリ44を介してキャリッジモータ42に接続されるとともに、その一部がキャリッジ41に接続され、キャリッジモータ42の回転駆動によってキャリッジ41をキャリッジ移動方向に沿って相対的に移動させる。ガイドレール46は、キャリッジ41をキャリッジ移動方向に沿って案内する。
この他に、キャリッジ41の周辺には、キャリッジ41の位置を検出するリニア式エンコーダ51と、媒体Sをキャリッジ移動方向と直交する方向に沿って搬送するための搬送ローラ17Aと、この搬送ローラ17Aを回転駆動させる紙送りモータ15とが設けられている。
一方、キャリッジ41には、各種インク(溶媒としての水の中に、着色成分としての顔料又は染料を含有したもの)を収容したインクカートリッジ48と、媒体Sに対して印刷を行うヘッド21とが設けられている。インクカートリッジ48は、例えば、イエロ(Y)やマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などの各色のインクを収容しており、キャリッジ41に設けられたカートリッジ装着部に着脱可能に装着されている。ヘッド21は、インク滴を吐出するための多数のノズルnを備え、媒体Sに対してインク滴を吐出して印刷を施す。ヘッド21のインク滴の吐出機構については後述する。
この他に、このインクジェットプリンタ1の内部には、ヘッド21のノズルnの目詰まりを解消するためのクリーニングユニット30が設けられている。クリーニングユニット30は、ポンプ装置31とキャッピング装置35とを有する。ポンプ装置31は、ヘッド21のノズルnの目詰まりを解消するために、ノズルnからインクを吸い出す装置であり、ポンプモータ(不図示)により作動する。一方、キャッピング装置35は、インクの乾燥によるノズルnの目詰まりを防止すべく、待機時などの非印刷時にヘッド21のノズルnを封止する。
次にインクジェットプリンタ1の搬送部の構成について説明する。この搬送部は、図3に示すように、紙挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙送りモータ15と、搬送ローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。
紙挿入口11Aは、媒体である紙Sを挿入するところである。給紙モータ(不図示)は、紙挿入口11Aに挿入された紙Sをプリンタ1内に搬送するモータであり、パルスモータ等で構成される。給紙ローラ13は、紙挿入口11Aに挿入された媒体Sを図中矢印A方向(ロール紙の場合は矢印B方向)にプリンタ1の内部に自動的に搬送するローラであり、給紙モータによって駆動される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有している。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、紙送りモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて媒体Sを紙送りモータ15まで搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(不図示)の摩擦抵抗とによって、複数の媒体Sが一度に給紙されることを防いでいる。
プラテン14は、印刷中の紙Sを支持する支持部材である。紙送りモータ15は、媒体Sである例えば紙を搬送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成される。搬送ローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ1内に搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、紙送りモータ15によって駆動される。フリーローラ18Aは、搬送ローラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを搬送ローラ17Aとの間に挟むことによって紙Sを搬送ローラ17Aに向かって押さえる。
排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタ1の外部に排出するローラである。排紙ローラ17Bは、不図示の歯車により、紙送りモータ15によって駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17Bとの間に挟むことによって紙Sを排紙ローラ17Bに向かって押さえる。
<システム構成>
次にインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、システムコントローラ126と、メインメモリ127と、EEPROM129とを備えている。バッファメモリ122は、ホストコンピュータ140から送信された印刷データ等の各種データを受信して一時的に記憶する。また、イメージバッファ124は、受信した印刷データをバッファメモリ122より取得して格納する。また、メインメモリ127は、ROMやRAMなどにより構成される。
一方、システムコントローラ126は、メインメモリ127から制御用プログラムを読み出して、当該制御用プログラムに従ってプリンタ1全体の制御を行う。本実施形態のシステムコントローラ126は、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132(コントローラに相当)と、ロータリ式エンコーダ134と、リニア式エンコーダ51とを従えている。キャリッジモータ制御部128は、キャリッジモータ42の回転方向や回転数、トルクなどを駆動制御する。また、ヘッド駆動部132は、ヘッド21の駆動制御を行う。搬送制御部130は、搬送ローラ17Aを回転駆動する紙送りモータ15など、搬送系に配置された各種駆動モータを制御する。
ホストコンピュータ140から送られてきた印刷データは、一旦、バッファメモリ122に蓄えられる。ここで蓄えられた印刷データは、その中から必要な情報がシステムコントローラ126により読み出される。システムコントローラ126は、その読み出した情報に基づき、リニア式エンコーダ51やロータリ式エンコーダ134からの出力を参照しながら、制御用プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132を各々制御する。
イメージバッファ124には、バッファメモリ122に受信された複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動部132は、システムコントローラ126からの制御信号に従って、イメージバッファ124から各色成分の印刷データを取得し、この印刷データに基づきヘッド21に設けられた各色のノズルnを駆動制御する。
なお、本実施形態にかかるインクジェットプリンタ1にあっては、これらの他に、液体滴吐出検査装置60(80,80a)を備えており、これについては後述する。
<ヘッド21>
図5は、ヘッド21の下面に設けられたノズルnの配列図である。ヘッド21の下面には、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色毎にそれぞれ複数のノズルn(♯1)〜n(♯180)からなるノズル列211が設けられている。
各ノズル列211の各ノズルn(♯1)〜n(♯180)は、紙Sの搬送方向に沿って直線状に配列されている。各ノズル列211は、キャリッジ移動方向に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。各ノズルnには、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって各色の各ノズルnから吐出される。
図6は、ノズルn(♯1)〜n(♯180)の駆動回路220の説明図である。この駆動回路220は、前記ヘッド駆動部132に設けられ、原駆動信号発生部221と複数のマスク回路222とを備えている。原駆動信号発生部221は、各ノズルnに共通して用いられる原信号ODRVを生成する。この原信号ODRVは、一画素分の区間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)において、図中下部に示すように、第1パルスP1と第2パルスP2の2つのパルスを含む信号である。原駆動信号発生部221で生成された原信号ODRVは、各マスク回路222に出力される。
マスク回路222は、ヘッド21の各ノズルnをそれぞれ駆動する複数のピエゾ素子に対応して設けられている。各マスク回路222には、原駆動信号発生部221から原信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。この印刷信号PRT(i)は、画素に対応する画素データであり、一画素に対して2ビットの情報を有する2値信号である。その各ビットは、それぞれ第1パルスP1と第2パルスP2とに対応している。マスク回路222は、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原信号ODRVを遮断したり通過させたりするためのゲートである。すなわち、印刷信号PRT(i)がレベル『0』のときには、原信号ODRVのパルスを遮断する一方、印刷信号PRT(i)がレベル『1』のときには、原信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとして、各ノズルnのピエゾ素子に向けて出力する。各ノズルnのピエゾ素子は、マスク回路222からの駆動信号DRVに基づき駆動してインク滴の吐出を行う。
図7は、原駆動信号発生部221の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。原信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3、T4において、第1パルスP1と第2パルスP2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジ41の移動区間と同じ意味である。
ここで、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『10』に対応しているとき、第1パルスP1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルnから小さいインク滴が吐出され、媒体Sには小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『01』に対応しているとき、第2パルスP2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルnから中サイズのインク滴が吐出され、媒体Sには、中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『11』に対応しているとき、第1パルスP1と第2パルスP2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルnから大きいサイズのインク滴が吐出され、媒体Sには、大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいてヘッド21は、3種類のサイズのドットを形成し、また画素区間内にて吐出するインク量を調整することが可能である。また、画素区間T4のように、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『00』に対応しているときには、ノズルnからインク滴が吐出されず、媒体Sには、ドットが形成されないことになる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1では、このようなノズルn(♯1)〜n(♯180)の駆動回路220が、ノズル列211毎、即ち、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色毎に各々個別に設けられ、各ノズル列211の各ノズルn(♯1)〜n(#180)ごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。
===印刷動作===
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例に説明する。図8は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、システムコントローラ126が、メインメモリ127又はEEPROM129に格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。
システムコントローラ126は、ホストコンピュータ140から印刷データを受信すると、その印刷データに基づき印刷を実行すべく、まず、給紙処理を行う(S102)。給紙処理は、印刷しようとする媒体S、ここでは紙Sをプリンタ1内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)まで搬送する処理である。システムコントローラ126は、給紙ローラ13を回転させて、印刷しようとする紙Sを搬送ローラ17Aまで送る。システムコントローラ126は、搬送ローラ17Aを回転させて、給紙ローラ13から送られてきた紙Sを印刷開始位置に位置決めする。
次に、システムコントローラ126は、キャリッジ41を紙Sに対して相対的に移動させて紙Sに対して印刷を施す印刷処理を実行する。ここでは、まず、キャリッジ41をガイドレール46に沿って一の方向に向かって移動させながら、ヘッド21からインク滴を吐出する往路印刷を実行する(S104)。システムコントローラ126は、キャリッジモータ42を駆動してキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインク滴を吐出する。ヘッド21から吐出されたインク滴は、紙Sに到達しドットが形成される。
このようにして印刷を行った後、次に、紙Sを所定量だけ搬送する搬送処理を実行する(S106)。この搬送処理では、システムコントローラ126は、紙送りモータ15を駆動して搬送ローラ17Aを回転させて、紙Sをヘッド21に対して相対的に搬送方向に所定量だけ搬送する。この搬送処理により、ヘッド21は、先ほどの印刷した領域とは異なる領域に印刷をすることが可能になる。
このようにして搬送処理を行った後、排紙すべきか否か排紙判断を実行する(S108)。ここで、印刷中の紙Sに印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。一方、印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、復路印刷を実行する(S110)。この復路印刷は、キャリッジ41をガイドレール46に沿って先ほどの往路印刷とは反対の方向に移動させて印刷を行う。ここでも、システムコントローラ126は、キャリッジモータ42を先ほどとは逆に回転駆動させてキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインク滴を吐出し、印刷を施す。
復路印刷を実行した後、搬送処理を実行し(S112)、その後、排紙判断を行う(S114)。ここで、印刷中の紙Sに印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、ステップS104に戻って、再度往路印刷を実行する(S104)。一方、印刷中の紙Sに印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。
排紙処理を行った後、次に、印刷終了か否かを判断する印刷終了判断を実行する(S118)。ここでは、次にホストコンピュータ140から印刷データに基づき、次に印刷すべき紙Sがないかどうかチェックする。ここで、次に印刷すべき紙Sがある場合には、ステップS102に戻り、再び給紙処理を実行して、印刷を開始する。一方、次に印刷すべき紙Sがない場合には、印刷処理を終了する。
===液体滴吐出検査装置===
次に液体滴吐出検査装置について説明する。ここでは、この液体滴吐出検査装置が、インクジェットプリンタ1(液体滴吐出装置に相当)に搭載された場合を例示する。
<第1実施形態の液体滴吐出検査装置60>
図9乃至図10Bに、第1実施形態の液体滴吐出検査装置60の説明図を示す。図9は、プリンタ1内における液体滴吐出検査装置60の配置図であり、図10Aは、液体滴吐出検査装置60の縦断面図であり、図10Bは、図10A中のB−B断面図である。
この液体滴吐出検査装置60は、図9の配置図に示すように、プリンタ1の印刷エリアAp(キャリッジ41のヘッド21が印刷可能なエリア)から外れた非印刷エリアAnに配置されており、キャリッジ41が、キャリッジ移動方向に沿って印刷エリアApから非印刷エリアAnへと移動することで、吐出状態の検査を行える状態となる。ここで、ノズルnからのインク滴の吐出方向が鉛直方向下方であることから、この液体滴吐出検査装置60は、非印刷エリアAnに移動したヘッド21のノズルnに対し、その下方から対向するように、ヘッド21の下面よりも下方に配置されている。
ちなみに、この非印刷エリアAnにおける液体滴吐出検査装置60よりも外側の領域には、前述のクリーニングユニット30が配置されており、そのポンプ装置31は、液体滴吐出検査装置60からの検査結果を受けて、ヘッド21のノズルnからインクを吸い出す動作をする。
図10Aに示すように、液体滴吐出検査装置60は、ヘッド21のノズルnから吐出されたインク滴を受けるための導電性インク吸収体(導電体に相当)61と、帯電したインク滴の接近によって前記導電性インク吸収体61に生じる誘導電流を検出する検出部63と、ノズルnから前記インク滴を吐出する際にこのインク滴を帯電させるべく前記導電性インク吸収体61に電圧を印加する電圧印加部65と、導電性インク吸収体61を収容するための有底容器67と、を備えている。
先ず、図10Aを参照して検査原理を説明する。帯電したインク滴がノズルnから導電性インク吸収体61へ向けて吐出されると、このインク滴の接近に伴って導電性インク吸収体61には、静電誘導現象等に基づいて誘導電流が生じる。すなわち、インク滴の接近に伴って、導電性インク吸収体61には前記インク滴とは逆極性の電荷が誘起されるように誘導電流が流れる。よって、この誘導電流の検出の有無によってノズル詰まりを検査できる。なお、この検出の有無の判定は、例えば、図10Cに示すように、誘導電流の大きさが所定の閾値(以下、目詰まり閾値と言う)以上であるか否かによって行うことができる。
インク滴の帯電処理は、電圧印加部65によって導電性インク吸収体61に電圧を印加し、その際にノズルnとの間に形成される電界によって吐出前にインクを分極させることで行われる。よって、導電性インク吸収体61に印加する電圧値を、前記目詰まり閾値との関係で予め設定しておくことにより、吐出量が計画値の場合に、前記誘導電流の大きさが前記目詰まり閾値を超えるような帯電量を帯びさせることが可能である。なお、インク滴の吐出量が多い程に帯電量も大きくなるのは言うまでもなく、もって、検査精度向上の観点からは、インク滴の吐出に用いる駆動信号DRV(i)としては、大ドット用のインク滴を吐出するための駆動信号DRV(i)を用いるのが望ましい(図7を参照)。よって、ここでは、検査用に、大ドットのインク滴が吐出されるものとする。
次に、図10A及び図10Bを参照しつつ、液体滴吐出検査装置60の各構成要素について説明する。
有底容器67は、下方が底の略直方体形状の箱体68を本体とし、この箱体68内に、前記導電性インク吸収体61が収容されている。そして、この有底容器67の開口した上端を通して、導電性インク吸収体61の上面61aがその上方のノズルnに対向可能であり、もって、当該上面61aが、ノズルnから鉛直下方へ吐出されるインク滴を受けるための面として機能する。
なお、好ましくは、この箱体68をゴム等の不導体素材で成形すると良く、そうすれば、これに収容される導電性インク吸収体61からの漏電を確実に防止可能となり、漏電による電圧降下に起因してインク滴の帯電量が計画値を下回って検査精度が悪くなることを防止できる。
また、より好ましくは、この箱体68の底面及び四側面を、電気的に接地された金属網や金属板等の遮蔽部材69で覆うと良い。そうすれば、箱体68には電磁遮蔽機能及び静電遮蔽機能が付与されるため、電磁ノイズ等の外乱を発する機器が周囲に存在しても、その影響は、箱体68内の導電性インク吸収体61には及ばず、もって、導電性インク吸収体61に生じる誘導電流は、専らインク滴の接近に基づいたものとなりその検査精度を高めることができる。
導電性インク吸収体61は、例えば、弾性を有する海綿状の多孔質体であり、その具体的一例としては、セル数が約40セル/インチで電気抵抗率が10000Ω・cmのエステル系ウレタンスポンジ(商品名:エバーライトSK−E、ブリジストン(株)社製)等が挙げられる。但し、適度な導電性及び吸液性を有していれば何等これに限るものではない。
なお、ここで海綿状の多孔質体を用いている理由は、前記上面61a上のインクの滞留を防ぐためである。すなわち、前記上面61aにインクが滞留すると、その導電性に起因して、前記上面61aとノズルnとの間隔Dを実質的に狭くしてしまい、この後の問題点で述べる「間隔Dの変動」と同等の悪影響を検査精度に対して及ぼしてしまうからである。この点につき、導電性インク吸収体61は、海綿状の多孔質体であるので、前記上面61aに受けられたインク滴は、多数の孔によって導電性インク吸収体61の内部へと浸透し、前記上面61aのインクの滞留は抑制される。
この導電性インク吸収体61の上面61aの形状は、図10Aに示すように、ノズル列211の列方向に沿って長尺な長方形であり、その全長L1は、ノズル列211の全長L2よりも長くなっている。従って、前記キャリッジ41の移動によって、前記導電性インク吸収体61とノズル列211との位置合わせを一回行えば、前記ノズル列211の全ノズルn(#1)〜n(#180)を導電性インク吸収体61の上面61aに対向させることができて、もって、その後の位置合わせ無しに、前記ノズル列211の全てのノズルn(#1)〜n(#180)の吐出状態の検査を一斉に行うことができ、検査時間の短縮化が図れる。
検出部63は、コンデンサCと、入力抵抗R2と、帰還抵抗R3と、オペアンプAmpとを備えた電気回路により構成されている。コンデンサCは、導電性インク吸収体61に誘導電流が発生したときに、それを電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力する役割を果たす。また、オペアンプAmpは、コンデンサCを通じて入力された信号を増幅して出力する増幅回路としての役割を果たす。オペアンプAmpからの出力信号は、例えば、A/D変換器(不図示)によりアナログ信号からデジタル信号へとA/D変換されて、例えばデジタルデータなどの適宜な形態でシステムコントローラ126に向けて出力される。
このシステムコントローラ126は、検出部63からのデータ、すなわち導電性インク吸収体61に生じた誘導電流の大きさを、前記目詰まり閾値と比較して、インク滴が正常に吐出されたか否かを判定する。すなわち、誘導電流の大きさが前記目詰まり閾値以上であれば、インク滴が正常に吐出されていると判定し、未満であればノズル詰まりと判定する。この目詰まり閾値に関する情報は、図4に示すメインメモリ127やEEPROM129等のメモリに予め記憶されている。よって、システムコントローラ126は、誘導電流の大きさを前記目詰まり閾値と比較するにあたって、メインメモリ127やEEPROM129等から、前記目詰まり閾値を取得する。
なお、このシステムコントローラ126は、ヘッド21の各ノズルnからそれぞれ個別に導電性インク吸収体61へ向けて前記吐出状態の検査用のインク滴を吐出するように、ヘッド駆動部132の制御も行うのは言うまでもない。
電圧印加部65は適宜な電源であり、図10Aに示すように保護抵抗R1を介して前記導電性インク吸収体61に、例えば100ボルトの電圧を印加する。
<液体滴吐出検査装置60の問題点>
上記のような液体滴吐出検査装置60にあっては、検査精度の観点から、図10Aに示すノズルnと導電性インク吸収体61との間隔Dの管理が重要となる。
これは、導電性インク吸収体61に所定電圧を印加しても、ノズルnと導電性インク吸収体61との間隔Dが変化すると、この間隔Dに形成される電界の変化を通してインク滴の帯電量に変化を来たす結果、誘導電流の大きさも変化してしまい、吐出状態を正確に検査できなくなるからである。
例えば、ノズルnが不完全に目詰まりを起こしている場合には、そのインク滴の吐出量は計画値よりも少なくなるため、本来は、このようなノズルnに対してもノズル詰まりと判定されるのが望ましい。つまり、この場合には、吐出量が少量であることに伴ってインク滴の帯電量も少なくなることから、発生する誘導電流の大きさは前述の目詰まり閾値を下回って、ノズル詰まりと判定されるのが理想である。
しかしながら、図11に示すように、インク滴を受ける導電性インク吸収体61の上面61aには、インクの固形成分(染料又は顔料等)が堆積し易く、この堆積物が原因で前記間隔Dが狭まり、ノズル詰まりと判定されない虞がある。
すなわち、この堆積物はインクの溶媒の水によって濡れると導電性を示すために、その堆積高さ分だけ実質的にノズルnと導電性インク吸収体61との間隔Dを本来値D1からD2へと狭めてしまい、その結果として、ノズルnと導電性インク吸収体61との間に形成される電界の大きさも計画値より大きくなってしまう。すると、この電界によって生じるインク滴の帯電量も、前述の少量のインク滴に見合った帯電量よりも大きくなってしまい、その結果として、本来ならば前記目詰まり閾値よりも下回るべき誘導電流の大きさが目詰まり閾値を上回り、もってノズル詰まりと判定されない虞があるのである。
ちなみに、一般にノズルnと導電性インク吸収体61の上面61aとの間隔Dは1〜2mmに設定されるため、このような堆積物も十分検査精度に影響を及ぼすと考えられる。
そこで、本実施形態に係る液体滴吐出検査装置60にあっては、以下に説明するように、この吐出状態の検査中に、堆積物の堆積高さが吐出状態の検査の支障となるレベルか否かを検査するようにしている。
===堆積物の堆積高さの検査方法===
<検査原理>
図12A及び図12Bは、検査原理の説明図である。この検査方法では、インク滴の接近によって導電性インク吸収体61に生じる誘導電流の大きさが、堆積物の堆積高さに応じて変化することに着目し、この変化を利用して堆積高さが、吐出状態の検査の許容範囲内か否かの判定を行っている。
すなわち、図12A及び図12Bの上段に示すように堆積物の堆積高さが低い状態と高い状態とにおいて、互いに同値の電圧を導電性インク吸収体61に印加し、しかも同サイズのインク滴を吐出したとしても、図12Bの高い状態の方が、ノズルnと導電性インク吸収体61との間隔がD1からD2へと狭くなることから、この間隔に形成される電界が大きくなる。すると、吐出前のインクの分極の程度も大きくなって、インク滴の帯電量がより大きくなり、その結果として、このインク滴の接近に伴って導電性インク吸収体61に生じる誘導電流も大きくなる(図12A及び図12Bの下段を参照)。よって、図12A及び図12Bの下段に示すように、誘導電流の大きさが、予め定めた所定の閾値(以下、堆積閾値と言う)以上であるか否かによって、堆積物の堆積高さが許容範囲外か否かを判定することができる。
なお、この判定に用いる堆積閾値の値は、次のような実験的手法で決めることができる。すなわち、実際に導電性インク吸収体61上の堆積物の堆積高さを複数水準でふりながら、これらにめがけてインク滴を吐出し、各水準の誘導電流の大きさを計測する。そして、前記堆積高さ及び誘導電流の計測値を図13に示すようにグラフ化し、そのグラフから堆積高さの想定上限値に対応する誘導電流値を読み取って堆積閾値とすれば良い。ちなみに、この堆積閾値は、図12Aに示すように前述の目詰まり閾値よりも大きい値であるのは言うまでもない。
そして、このように決められた堆積閾値は、出荷前に、プリンタ1のEEPROM129等のメモリに格納され、これによって、出荷後、購入先のユーザの下で堆積物の状態を検査可能となる。
<検査手順>
この堆積高さの検査は、吐出状態の検査の一部として実行される。このため、ここでは、図14に示す吐出状態の検査手順のフローチャートを参照しながら、この吐出状態の検査手順を説明し、そのなかで堆積高さの検査についても触れる。なお、この吐出状態の検査は、このフローチャートに対応するプログラムを、前記EEPROM129等のメモリから前記システムコントローラ126(判定部及び第2判定部に相当)が読み出して実行される。
先ず、吐出状態の検査指令がかかると、図14に示すように、システムコントローラ126は、キャリッジ41をキャリッジ移動方向に移動して、検査対象のノズル列211を、液体滴吐出検査装置の検査ポジションCP上に位置させる(S202)。なお、この検査ポジションCPは、導電性インク吸収体61の上面61aの幅中心に設定されている(図9を参照)。
そうしたら、検出部63で検出される誘導電流を監視しつつ、システムコントローラ126は、検査対象のノズルnを順番に替えながら各ノズルnから一滴ずつ、所定周期でインク滴を吐出し(S204)、検出された誘導電流に基づいて、ステップS206乃至S210に係る吐出状態及び堆積状態の検査を行う。
すなわち、ステップS206において、検出された誘導電流の大きさが前記目詰まり閾値未満の場合には、そのノズル番号を目詰まりノズルnとしてメインメモリ127に記録し(S207)、その後にステップS214へ移行する。一方、前記目詰まり閾値以上の場合には(S206)、そのノズルnの吐出状態は正常なものとして次の堆積状態の検査のステップS208へ移行し、前記誘導電流の大きさを堆積閾値と比較する。そして、堆積閾値以上の場合には、堆積物の堆積高さが許容範囲外であるとして、ステップS210においてメモリ127の堆積発生カウント値に「1」を加えた後、ステップS214へ移行する。一方、堆積閾値未満の場合には(S208)、堆積高さは許容範囲内としてそのままステップS214へ移行する。
そして、このようなステップS204からS210までの検査が、前記ノズル列211内の全ノズルnに対して繰り返し実行され、全ノズルnに対して終了したら、ステップS214では、このノズル列211の全ノズルnの検査が終了したと判定される。
その次のステップS216では、全てのノズル列211に対して検査が終了したか否かが判定される。そして、未検査のノズル列211がある場合には、ステップS202へ戻って、未検査のノズル列211を前記検査ポジションCPへ移動し、この未検査のノズル列211に対して上述の吐出状態及び堆積状態の検査を行う。
他方、全ノズル列211に対して検査が終了していれば、ステップS218へ移行する。そして、前記堆積発生カウンタのカウント値を参照し、これに基づいて堆積高さが許容範囲外となるノズルの有無を判定し、有り判定(カウント値≠0)の場合には堆積物の清掃処理(S219)へ移行する。この清掃処理例としては、例えば、CMYKのインクのなかで堆積し難いインクを吐出可能なノズル列211から、大量のインク滴を吐出することで堆積物を崩す処理等が挙げられる。
片や、無し判定(カウント値=0)の場合には、ステップS220へ移行する。そして、前記メインメモリ127に記録されたノズル番号を参照して、目詰まりノズルの有無を判定し、有り判定の場合には、目詰まりを解消させるべくステップS211のクリーニング処理へ移行してクリーニングユニット30を動作させる。一方、無し判定の場合には、一連の全ての検査が完了し、印刷動作等を受け付け可能な待機状態となる。
なお、上述の検査手順の説明では、堆積高さが許容範囲外の場合には、堆積発生カウンタのカウンタ値に「1」を加えるようにしていたが、これに代えて、吐出状態の検査のステップS207と同様に、前記許容範囲外に該当するノズル番号自体を前記メインメモリ127に記録しても良い。
また、上述の検査手順の説明では、ノズル列211の全ノズルnにつき、対応する上面61aの部分の堆積状態を検査したが、必ずしも全てのノズルnについて検査を行う必要はなく、例えば幾つかのノズルnに代表させて検査を行い、それ以外のノズルnはステップS208をパス(迂回)するようにしても良い。ここで、代表して検査するノズルnとしては、ノズル列211の列方向に関する中央付近のノズルnを選択すると良く、そうすれば、端よりも堆積高さが高くなる傾向の中央の堆積状態に基づいて堆積高さが許容範囲外か否かの判定を行うことになるため、全ノズルnを検査した場合に比べて遜色の無い的確な判定を下すことが可能となる。但し、検査精度の観点からは、この検査対象のノズル数は多い方が望ましく、例えば、ノズル列211の中から複数のノズルnを、堆積状態の検査対象ノズルnとして選択すると良い。
<上述の吐出状態の検査タイミング>
この検査の実行タイミングとしては、以下の三つが挙げられる。
(1)印刷処理中
印刷処理中に適宜なタイミングで検査を実行する。例えば、「双方向印刷」の場合には、移動方向が変更される際に、キャリッジ41が前記検査ポジションCPへと移動して、インク滴の吐出状態の検査を実行する。これにより、印刷処理中にノズルnからインク滴が吐出されずに印刷画像に不具合が生じるのを回避できる。
(2)電源投入時
電源投入時に検査を実行する。電源投入時は、しばらくの間ノズルnからインク滴を吐出しない状態が続いていた可能性があり、このような場合には、ノズルn内のインク滴が乾燥しノズルnからインク滴が吐出されない虞がある。また、これからまさに印刷を行うべくプリンタ1の電源を投入する場合もあるので、プリンタ1のイニシャライズ処理時における処理の1つとして、インク滴の吐出状態の検査を実行する。このようなタイミングで検査を実行することで、ノズルnからインク滴を確実に吐出させて良好な画像を印刷可能となる。
(3)給紙時
紙Sを印刷すべく所定の位置に送り込む動作の際、即ち給紙時に検査を実行する。このタイミングによれば、画像を印刷するために紙Sを給紙したときに、インク滴が正常に吐出されるか否かを検知可能である。なお、紙Sを給紙する度に、吐出状態の検査を実行しても良いし、または、所定の給紙枚数毎に実行しても良い。
===上記検査時にノズル毎に吐出されるインク滴の好適な吐出数について===
以上の説明においては、各ノズルnにつき検査用に一滴だけインク滴を吐出する場合を例示したが、検査精度向上の観点からは、各ノズルnの検査に対し、それぞれに、複数のインク滴を所定周期で連続吐出するのが望ましい(図15Aの右図を参照)。
これは、同図に示すように、ノズルnと導電性インク吸収体61との間隔Dに存在するインク滴数が多い程、導電性インク吸収体61には、多くの逆極性の電荷が誘起され、もって、導電性インク吸収体61に生じる誘導電流の大きさも大きくなると考えられるからである。
但し、この誘導電流の大きさには、吐出数を増やしても大きくならない誘導電流の上限値が存在する。よって、望ましくは、この上限値になるように吐出数を調整すれば良い。
図15A乃至図15Cは、この上限値を与え得る吐出数の説明図であって、それぞれに、右図にはインク滴の吐出状態を示し、左図にはその吐出状態で検出される誘導電流の波形を示している。
ここで、図15Aに示す吐出数の例は、連続吐出された複数のインク滴からなるインク滴群の全長TLが、ノズルnと導電性インク吸収体61との間隔Dよりも短くなるような吐出数の場合である。また、図15Bに示す吐出数の一例は、インク滴群の全長TLが前記間隔Dと同じ長さになるような吐出数の場合である。更には、図15Cに示す吐出数の一例は、インク滴群の全長TLが前記間隔Dよりも長くなるような吐出数の場合である。なお、いずれの例も、インク滴のサイズ及び吐出周期は同一条件に揃えており、単に吐出数のみを異ならせている。また、図15C中では、前記間隔Dよりも全長TLの長いインク滴群を図示する関係上、インク滴群のなかで既に導電性インク吸収体61に受けられたはずの先頭側のインク滴も、仮想的にインク滴群に連ねて白抜きで示している。
図示のように、このインク滴群によって生じる誘導電流の波形は、一対の山部と谷部とを有する波形である。そして、図15A及び図15Bの対比からは、前記間隔Dよりもインク滴群の全長TLが短い場合には、前記全長TLが長くなる程に、誘導電流の大きさも大きくなることがわかる。また、図15Bと図15Cとの対比からは、前記間隔よりもインク滴群の全長TLが長い場合には、前記全長が長くなっても、誘導電流の大きさは変化せず、その代わりに、山部と谷部との間に誘導電流が零となる時間帯ΔTが現出するのみであることがわかる。
従って、誘導電流の大きさを上限値にするには、図15B又は図15Cに示すように、インク滴群の全長TLが、少なくとも前記間隔Dよりも長くなるような吐出数にすれば良いということになる。
なお、このように複数のインク滴を吐出する場合には、誘導電流の大きさを、図16に示すように、誘導電流の波形における最大値と最小値との偏差と捉えても良い。そして、その場合には、前述の目詰まり閾値及び堆積閾値を、前記偏差で規定される値に対応させて用意することになるが、そうすれば、誘導電流の検出感度は約二倍に高まって、検査精度の一層の向上が図れる。
===第2実施形態に係る液体滴吐出検査装置80===
図17Aに、第2実施形態に係る液体滴吐出検査装置80の縦断面図を、また、図17Bには、図17A中のB−B断面図を示す。前述の第1実施形態との主な相違点は、有底容器67の箱体68に、導電性インク吸収体61のノズル側への移動を拘束する保持部68aが設けられている点に有る。この理由は、導電性インク吸収体61が経時的にノズル側へ移動して、ノズルnと導電性インク吸収体61の上面61aとの間隔Dを狭めてしまう虞があるからである。よって、それ以外の構成は、ほぼ第1実施形態と同じであり、同一の構成については同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
前記保持部68aは、有底容器67の箱体68の内周面における前記上面61aに対応する高さに形成された凸部68aであり、この凸部68aの下面が前記上面61aの縁部に当接している。よって、この凸部68aは、前記上面61aの上方への移動を拘束する。
ここで、この凸部68aの望ましい形態としては、前記上面61aの縁部の全周に亘って当接すべく、箱体68の内周に沿って環状に形成されていると良く、そうすれば、前記上面61aをほぼ平面状に保ったまま、その上方への移動を拘束できる。
なお、上面61aが下方へ移動する虞がある場合には、図18A及び図18Bに示す変形例のように、前記上面61aよりも下方の部分に食い込んで導電性インク吸収体61に係合する凸部68bを、箱体68の内周面に形成すれば良く、そうすれば、前記上面61aの移動を上下両方向について確実に拘束できる。また、この拘束性をより高めるには、前記凸部68bを上下方向の複数の位置に設けると良い。
===第3実施形態に係る液体滴吐出検査装置80a===
図19Aに、第3実施形態の液体滴吐出検査装置80aの縦断面図を、また、図19Bには、図19A中のB−B断面図を示す。第2実施形態との主な相違点は、導電性インク吸収体61の厚みを薄くし、それによって空いた有底容器67の底部側の空間、即ち下方側の空間に、膨潤性のインク保持体81を収容した点に有り、それ以外の構成は、ほぼ第2実施形態と同じである。従って、同一の構成については、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
有底容器67の底部側に収容されたインク保持体81は、その上方の導電性インク吸収体61からインクをほぼ不可逆的に吸い取って保持するものであり、前記底部側の空間とほぼ同形の直方体形状に成形されている。そして、このインク保持体81は、その長方形の上面81aを、前記導電性インク吸収体61の長方形の下面61bにほぼ全面に亘って当接させつつ前記空間に収容されており、これによって、導電性インク吸収体61からの一層速やかなインクの吸い取りを達成している。
このインク保持体81に好適な素材としては、吸い取ったインクをゲル化して保持する素材が挙げられ、特に、少なくとも水を溶媒として含むインクの場合には、所謂吸水性ポリマーが好適である。この吸水性ポリマーは、その分子間に水を取り込んで膨張する性質(膨潤性)を有し、一旦取り込んだ水を容易には離さない。このため、一旦吸い取ったインクを、再び導電性インク吸収体61へと戻してしまうことは殆ど無く、つまり導電性インク吸収体61から概ね非可逆的にインクを吸い取り可能である。この吸水性ポリマーとしては、架橋ポリアクリル酸塩系樹脂等が挙げられる。
そして、この第3実施形態によれば、前述の保持部68aによる前記上面61aの上方への移動拘束作用を有効に享受することができる。これは、インク保持体81が、その膨潤性からインクの吸い取りに伴って膨張し、これによって導電性インク吸収体61が上方へ押し上げられるが、その際には、前記保持部68aが、前記上面61aのノズルn側への移動を確実に拘束するからである。ちなみに、インク保持体81の膨張は、導電性インク吸収体61の弾性圧縮変形によって吸収され、これによって、導電性インク吸収体61の上面61aは上方へ移動することなく初期位置に維持される。
ところで、この第3実施形態では、図19A及び図19Bに示すように、導電性インク吸収体61とインク保持体81との当接面間に、金属製の電極部材83が介装されており、この電極部材83を介して導電性インク吸収体61は電圧印加部65に対して電気的に接続されているが、この理由は次の通りである。導電性を有するとはいえ、導電性インク吸収体61は樹脂素材であるために、その電気抵抗は金属よりも大きい。このため、導電性インク吸収体61の一部に電圧印加部65との接点を設けると、ノズル毎に、それが対面する上面61aの部分の電圧値が異なってしまい、その結果として、ノズル毎にインク滴の帯電量が異なってしまう虞があるためである。
ここでは、この電極部材83として、ノズル列211の全長L2よりも長い矩形の金属平板たる電極板83を使用し(図中では電極板83の長さをL3で示す)、ノズル列211が導電性インク吸収体61の上面61aと対向状態になった際には、電極板83の板面は、ノズル列211の全ノズルn(#1)〜n(#180)と対向するようになっている。従って、各ノズルnと対向する導電性インク吸収体61の各部分に均等に電圧を印加できる結果、インク滴の帯電量がノズル毎にばらつくことは有効に抑えられ、吐出状態の検査精度を良好に維持可能となる。
なお、図19Bを参照してわかるように、この電極板83の幅W3は、導電性インク吸収体61の上面61aの幅W1よりも幅狭に形成されており、これによって、前記電極板83の幅方向の両端縁には、導電性インク吸収体61の内部のインクをインク保持体81へと導く流路が確保される。よって、導電性インク吸収体61からのインク保持体81のインクの吸い取りを、前記電極板83が阻害することは抑制される。
===液体滴吐出システム1000等の構成===
次に、本発明に係る液体滴吐出システム1000の一例として、液体滴吐出装置としてのプリンタ1106を備えた液体滴吐出システム1000を例に説明する。
図20は、液体滴吐出システム1000の外観斜視図である。液体滴吐出システム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたインクジェットプリンタ1が用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図21は、図20に示した液体滴吐出システム1000の構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。
上述したプリンタ1の動作を制御するコンピュータプログラムは、例えばインターネット等の通信回線を経由して、プリンタ1106に接続されたコンピュータ本体1102等にダウンロードさせることができるほか、コンピュータ本体1102による読み取り可能な記録媒体に記録して配布等することもできる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクFD、CD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスクMO、ハードディスク、メモリ等の各種記録媒体を用いることができる。なお、このような記憶媒体に記憶された情報は、各種の読取装置1110によって、読み取り可能である。
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されて液体滴吐出システム1000を構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、液体滴吐出システム1000が、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、液体滴吐出システム1000が表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、液体滴吐出検査装置、液体滴吐出装置、液体滴吐出システム、及び、堆積物の状態の検査方法について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施の形態であっても、本発明に係る液体滴吐出検査装置、液体滴吐出装置、液体滴吐出システム、及び、堆積物の状態の検査方法に含まれるものである。
また、本実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
また、液体滴吐出装置(インクジェットプリンタ1)側にて行っていた処理の一部をホストコンピュータ140側にて行ってよく、また液体滴吐出装置(インクジェットプリンタ1)とホストコンピュータ140の間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
<液体滴吐出検査装置60,80,80aについて>
前述した実施の形態では、液体滴吐出検査装置60,80,80aが液体滴吐出装置(インクジェットプリンタ1)に搭載された場合を例に説明したが、何等これに限るものではなく、液体滴吐出検査装置60,80,80aが液体滴吐出装置から分離して、液体滴の吐出検査のみを独立して実行可能な装置であっても良く、また、前述した液体滴吐出装置以外の他の装置に搭載されても良い。
<液体滴吐出装置1について>
前述した実施の形態では、液体滴吐出装置としてインクジェットプリンタ1を例示したが、液体滴を吐出する装置であれば何等これに限るものではない。
<液体滴について>
前述した実施の形態では、液体滴としてインク滴を例示したが、帯電する液体滴であれば何等これに限るものではない。例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液等の液体滴であっても良い。
<堆積物の状態の検査タイミングについて>
前述した実施の形態では、堆積物の状態の検査を、ノズルnの吐出状態の検査中に行ったが、吐出状態の検査とは別タイミングで行っても良い。例えば、吐出状態の検査の直前に独立して行うようにしても良い。
<導電体61について>
前述した実施の形態では、導電体としてスポンジ状の導電性のウレタンスポンジ(導電性インク吸収体61)を例示したが、ノズルnから吐出されたインク滴を受ける導電性の部材であれば、何等これに限るものではなく、例えば、金属の棒材や線材、平板あるいはメッシュ等を用いても良い。なお、これら金属素材を用いた場合には、その電気抵抗が低いことから、前述の第3実施形態に関して電極部材83を省略できるというメリットがある。
<判定部126が誘導電流に基づいて行う判定について>
前述した実施の形態では、判定部(システムコントローラ126)が誘導電流に基づいて行う判定の一例として、堆積物の堆積高さが許容範囲外であるか否かを判定する例を説明したが、何等これに限るものではない。例えば、誘導電流の大きさに基づいて、ノズル列211に沿う方向の堆積分布を判定するようにしても良い。すなわち、検出部63が検出した各ノズルnに対応する誘導電流の大きさを、図13の堆積高さと誘導電流のグラフに照らし合わせて各ノズルnに対応する堆積高さをそれぞれ読み取れば、ノズル列211に沿う方向の堆積分布を知ることができる。
<有底容器67の保持部68a,68bについて>
前述した実施の形態では、導電性インク吸収体61の保持部としての凸部68a,68bを、有底容器67の箱体68の内周の全周に亘って連続させて設け、環状にしたが、何等これに限るものではなく、内周方向の適宜位置で分断させても良い。
<インク保持体81について>
前述の第3実施形態では、インク保持体81として吸水性ポリマーを例示したが、導電性インク吸収体61からインクを吸い取って保持する機能を有していれば、何等これに限るものではなく、例えば、導電性インク吸収体61よりも大きな毛細管力を有する部材を適用しても良い。その素材例としては、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、レーヨン等の合成繊維やパルプ等を原料とするフエルト材や、スポンジ等の多孔質材が挙げられるが、インク保持能力に優れている点でフェルト材が好ましい。
<電極部材83について>
前述の第3実施形態では、電極部材として金属平板の電極板83を例示したが、何等これに限るものではなく、例えば、金属の棒材や線材等を用いても良い。
また、電極部材83の配置位置としては、導電性インク吸収体61とインク保持体81との当接面間に限るものではない。例えば、図22に示すように導電性インク吸収体61の内部に埋設しても良いし、図23に示すように導電性インク吸収体61の上面61aに載置しても良い。但し、この上面61aに載置するのは、電極部材83上にインクが滞留する虞があるため得策ではない。
インクジェットプリンタ1の外観斜視図である。 プリンタ1の内部構成を示す図である。 プリンタ1の搬送部を示す断面図である。 プリンタ1のシステム構成を示すブロック図である。 ヘッド21の下面に設けられたノズルnの配列図である。 駆動回路220の説明図である。 原駆動信号発生部221の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。 印刷動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。 プリンタ1内における液体滴吐出検査装置60の配置図である。 第1実施形態の液体滴吐出検査装置60の縦断面図である。 図10A中のB−B断面図である。 導電性インク吸収体61に生じる誘導電流の説明図である。 第1実施形態の液体滴吐出検査装置60の問題点を説明するための縦断面図である。 図12A及び図12Bは、それぞれ、検査原理の説明図である。 堆積高さと誘導電流の関係のグラフである。 吐出状態の検査手順のフローチャートである。 図15A乃至図15Cは、誘導電流の最大値を与え得る吐出数の説明図である。 誘導電流の大きさを、誘導電流の最大値と最小値との偏差として規定した例の説明図である。 第2実施形態に係る液体滴吐出検査装置80の縦断面図である。 図17A中のB−B断面図である。 第2実施形態の変形例の縦断面図である。 図18A中のB−B断面図である。 第3実施形態の液体滴吐出検査装置80aの縦断面図である。 図19A中のB−B断面図を示す。 本実施形態に係る液体滴吐出システム1000の外観斜視図である。 前記液体滴吐出システム1000の構成を示すブロック図である。 電極部材83の他の配置例を示す断面図である。 電極部材83の他の配置例を示す断面図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、 2 操作パネル、 3 排紙部、 4 給紙部、
5 操作ボタン、 6 表示ランプ、 7 排紙トレー、 8 給紙トレー、
11A 紙挿入口、 11B ロール紙挿入口、
13 給紙ローラ、 14 プラテン、 15 紙送りモータ、
17A 搬送ローラ、 17B 排紙ローラ、
18A、フリーローラ、18B フリーローラ、
21 ヘッド、 211 ノズル列、 22 ヘッドドライバ、
30 クリーニングユニット、 31 ポンプ装置、 35 キャッピング装置、
41 キャリッジ、 42 キャリッジモータ、44 プーリ、
45 タイミングベルト、 46 ガイドレール、
48 インクカートリッジ、 51 リニア式エンコーダ、
60 液体滴吐出検査装置、
61 導電性インク吸収体、61a 上面、61b 下面、
63 検出部、65 電圧印加部、67 有底容器、68 箱体、
68a 凸部、68b 凸部、69 遮蔽部材、
80 液体滴吐出検査装置、80a 液体滴吐出検査装置、
81 インク保持体、81a 上面、83 電極板、
122 バッファメモリ、 124 イメージバッファ、
126 システムコントローラ、 127 メインメモリ、
128 キャリッジモータ制御部、 129 EEPROM、
130 搬送制御部、 132 ヘッド駆動部、
134 ロータリ式エンコーダ、 136 リニア式エンコーダ、
140 ホストコンピュータ、211 ノズル列、
220 駆動回路、 221 原駆動信号発生部、 222 マスク回路、
1000 液体滴吐出システム、1102 コンピュータ本体、
1104 表示装置、1106 プリンタ、
1108 入力装置、1108A キーボード、1108B マウス、
1110 読取装置、1110A フレキシブルディスクドライブ装置、
1110B CD−ROMドライブ装置、1202 内部メモリ、
1204 ハードディスクドライブユニット、
Ap 印刷エリア、 An 非印刷エリア、
S 媒体、R1 保護抵抗、 R2 入力抵抗、 R3 帰還抵抗、
C コンデンサ、 Amp オペアンプ、
n ノズル、CP 検査ポジション

Claims (14)

  1. (A)ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、
    (B)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、
    (C)前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、
    (D)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、
    (E)を備えたことを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  2. 請求項1に記載の液体滴吐出検査装置において、
    前記判定部は、前記検出部によって検出された誘導電流の大きさが、所定の閾値以上の場合には、前記堆積物の堆積高さが許容範囲外であると判定することを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  3. 請求項2に記載の液体滴吐出検査装置において、
    前記誘導電流に基づいて前記ノズルからの液体滴の吐出状態を判定する第2判定部を備え、
    前記第2判定部は、前記誘導電流の大きさが、前記閾値よりも小さい第2閾値未満の場合には、吐出状態は異常であると判定する一方、前記誘導電流の大きさが、前記第2閾値以上で前記閾値未満の場合には、吐出状態は正常であると判定することを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  4. 請求項2又は3に記載の液体滴吐出検査装置において、
    前記堆積物の状態を検査すべく、前記ノズルから複数の液体滴を連続して吐出することを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  5. 請求項4に記載の液体滴吐出検査装置において、
    前記複数の液体滴からなる液体滴群の全長が、前記ノズルと前記導電体との距離よりも長くなるように吐出することを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の液体滴吐出検査装置において、
    前記導電体は、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための面を前記ノズルに対向させながら、不導体からなる有底容器に収容されていることを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  7. 請求項6に記載の液体滴吐出検査装置において、
    前記有底容器は、電磁遮蔽機能又は静電遮蔽機能を有することを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の液体滴吐出検査装置において、
    前記導電体は海綿状の多孔質体であり、
    前記導電体は、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための面を有することを特徴とする液体滴吐出検査装置
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の液体滴吐出検査装置において、
    前記液体は、少なくとも水を溶媒として含み該溶媒に染料又は顔料を含有するインクであることを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の液体滴吐出検査装置において、
    前記ノズルから前記液体滴を吐出するための駆動信号を発生するコントローラを備え、
    前記コントローラは、互いにサイズの異なる液体滴を吐出するための複数の駆動信号を発生する機能を有し、
    前記堆積物の状態の検査用に吐出される液体滴は、前記複数の駆動信号のなかで、最大サイズの液体滴を吐出するための駆動信号であることを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  11. (A)ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、
    (B)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、
    (C)前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、
    (D)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、
    (E)を備え、
    前記判定部は、前記検出部によって検出された誘導電流の大きさが、所定の閾値よりも大きい場合には、前記堆積物の堆積高さが許容範囲外であると判定し、
    前記誘導電流に基づいて前記ノズルからの液体滴の吐出状態を判定する第2判定部を備え、前記第2判定部は、前記誘導電流の大きさが、前記閾値よりも小さい第2閾値未満の場合には、吐出状態は異常であると判定する一方、前記誘導電流の大きさが、前記第2閾値以上で前記閾値未満の場合には、吐出状態は正常であると判定し、
    前記堆積物の状態を検査すべく、前記ノズルから複数の液体滴を連続して吐出し、
    前記複数の液体滴からなる液体滴群の全長が、前記ノズルと前記導電体との距離よりも長くなるように吐出し、
    前記導電体は、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための面を前記ノズルに対向させながら、不導体からなる有底容器に収容されており、
    前記有底容器は、電磁遮蔽機能又は静電遮蔽機能を有し、
    前記導電体は海綿状の多孔質体であり、
    前記液体は、少なくとも水を溶媒として含み該溶媒に染料又は顔料を含有するインクであり、
    前記ノズルから前記液体滴を吐出するための駆動信号を発生するコントローラを備え、前記コントローラは、互いにサイズの異なる液体滴を吐出するための複数の駆動信号を発生する機能を有し、前記堆積物の状態の検査用に吐出される液体滴は、前記複数の駆動信号のなかで、最大サイズの液体滴を吐出するための駆動信号であることを特徴とする液体滴吐出検査装置。
  12. (A)媒体に対して液体滴を吐出するノズルと、
    (B)前記媒体が無い位置に配置されて、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、
    (C)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、
    (D)前記液体滴の吐出状態を検査すべく前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に、前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、
    (E)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、
    (F)を備えたことを特徴とする液体滴吐出装置。
  13. コンピュータ本体と、前記コンピュータ本体に接続可能な液体滴吐出装置と、を具備した液体滴吐出システムにおいて、
    前記液体滴吐出装置は、
    (A)媒体に対して液体滴を吐出するノズルと、
    (B)前記媒体が無い位置に配置されて、前記ノズルから吐出された液体滴を受けるための導電体と、
    (C)帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出する検出部と、
    (D)前記液体滴の吐出状態を検査すべく前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に、前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加する電圧印加部と、
    (E)前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定する判定部と、
    (F)を備えたことを特徴とする液体滴吐出システム。
  14. ノズルから吐出された液体滴を導電体によって受けるステップと、
    帯電した液体滴の接近によって前記導電体に生じる誘導電流を検出するステップと、
    前記ノズルから前記液体滴を吐出する際に前記液体滴を帯電させるべく前記導電体に電圧を印加するステップと、
    前記導電体に受けられた液体滴に起因して前記導電体に堆積する堆積物の状態を、前記誘導電流に基づいて判定するステップと、を備えたことを特徴とする堆積物の状態の検査方法。

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