JP2007028194A - 配電機器、及び電力線搬送通信システム - Google Patents

配電機器、及び電力線搬送通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士での電力線搬送通信の安定性を向上させることができる配電機器を提供する。
【解決手段】 電力線Wに一端が接続されたコンデンサC1と、電力線Vに一端が接続されたコンデンサC2と、一端が中性線Nに接続され、他端がコンデンサC1の他端に接続されたコイルn1と、コイルn1と同一のコアに巻回されたコイルn2と、コイルn2におけるコイルn1の一端と同極性の一端がコンデンサC2における他端に接続されコイルn2の他端が中性線Nに接続された第1の状態と、コイルn2における一端が中性線Nに接続され他端がコンデンサC2における他端に接続された第2の状態とを切り替える極性切替部11とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力線搬送通信の通信路として用いられる単相三線式の電力線に接続される配電機器、及びこれを用いた電力線搬送通信システムに関する。
住戸やオフィスビルを始めとして、様々な場所に電力供給のために電力線が布設されている。近年、この電力線を伝送路に用いた電力線搬送通信が確立されつつある。この電力線搬送通信は、既設の電力線を用いて機器同士の通信が実現されるため、専用の通信線を新たに導入及び施工することなく機器同士のネットワーク化が可能である。例えば、照明器具や空調設備等の負荷端末におけるオン・オフ(閉・開)を壁スイッチ等の制御端末によって電力線搬送通信を用いて行う通信システム等が知られている。
ところで、多くの場合、住戸等に布設される電力線として、単相3線式の電力線が用いられている。図9は、背景技術に係る単相3線式の電力線に電力線搬送通信装置が接続された状態を示すブロック図である。図9に示すように、商用交流電源電圧ACが、屋外の電柱に設けられた柱上トランス101によって、単相三線式の電力線V,W、及び中性線Nに供給され、電力線V,W、及び中性線Nが住戸内に引き込まれるようになっている。そして、電力線Vと中性線Nとの間(AC100V間)に電力線搬送通信装置102が接続され、電力線Wと中性線Nとの間(AC100V間)に電力線搬送通信装置103が接続され、電力線V,W間(AC200V間)に電力線搬送通信装置104が接続されている。
また、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士、例えば電力線搬送通信装置102と電力線搬送通信装置103との間、あるいは電力線搬送通信装置102と電力線搬送通信装置104との間で通信を行う場合には、住戸外の電柱上に設置された柱上トランス101によって電力線搬送通信装置間が結合され、一方の電力線搬送通信装置から送信された通信信号は柱上トランス101を介して他方の電力線搬送通信装置へ供給される。
ところで、一般に柱上トランス101は、商用交流周波数(50Hz/60Hz)に対してトランスとして動作するように設計されているため、電力線搬送通信で用いる高周波の搬送波周波数(10kHz〜450kHz)に対しては、トランスとして十分に機能しない。そのため電力線搬送通信装置の設置条件によっては、通信信号の減衰が大きくなり安定して電力線搬送通信が行えない場合がある。
そこで、図10に示す背景技術では、柱上トランス101から引き込まれた電力線V,W、及び中性線Nを住戸内に配電する配電機器105を備えている。配電機器105は、ブレーカ106と、中間タップ付きのコイル107とを備えており、コイル107の一方の端子108がコンデンサ109を介して電力線Vに接続され、中間タップ110がコンデンサ111を介して中性線Nに接続され、コイル107の他方の端子112がコンデンサ113を介して電力線Wに接続されている(例えば、特許文献1参照。)。
図10に示す配電機器105によれば、電力線搬送通信装置102から電力線Vと中性線Nとの間に重畳された通信信号は、コンデンサ109,111を介して端子108と中間タップ110との間の巻線コイル114に印加され、中間タップ110と端子112との間の巻線コイル115に通信信号が誘起される。そして、巻線コイル115に誘起された通信信号がコンデンサ111,113を介して電力線Wと中性線Nとの間に重畳され、電力線搬送通信装置103へ送信される。
また、電力線搬送通信装置102から電力線Vと中性線Nとの間に重畳された通信信号は、コンデンサ109,111を介して端子108と中間タップ110との間の巻線コイル114に印加され、中間タップ110と端子112との間の巻線コイル115に通信信号が誘起され、コイル107の両端には巻線コイル114に印加された通信信号と巻線コイル115に誘起された通信信号とが加算された通信信号が誘起され、コンデンサ109,113を介して電力線V,W間に重畳され、電力線搬送通信装置104へ送信される。
このように、配電機器105を用いることで、柱上トランス101を介することなく異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士で通信信号を送受信することができ、電力線搬送通信を安定して行うことができる。
特開2002−232332号公報
ところで、AC200Vを供給する電力線V,W間には、AC200Vで動作する機器116が接続されるが、機器116には、機器116内部で発生したノイズが電源回路117から電力線V,Wへ漏出することを防止するため、機器116の電源端子間に雑音防止用のコンデンサ118が接続されている場合が多い。機器116から発生するノイズは、スイッチング電源やインバータ回路から生じるものが多く、これらのノイズ源から発生するノイズの周波数は、数十kHz〜数百kHz付近に集中している。
そのため、コンデンサ118は、ノイズの周波数である数十kHz〜数百kHzで低インピーダンスになるようにされており、例えば1μFのコンデンサが用いられ、100kHzで1.59Ωになるようにされている。この場合、ノイズの周波数である数十kHz〜数百kHzは、電力線搬送通信に用いられる通信信号の搬送波周波数(10kHz〜450kHz)と重複するので、コンデンサ118は、電力線搬送通信の通信信号に対しても低インピーダンスとなる。
このような雑音防止用のコンデンサ118を備えた機器116が例えばAC200Vのコンセントに接続される等して電力線V,Wに接続されると、コイル107とコンデンサ118とが並列接続される結果となる。そうすると、コイル107が低インピーダンスのコンデンサ118によって短絡される結果、コイル107に誘起される通信信号が打ち消され、コイル107によって電力線Vと中性線Nとの間、電力線Wと中性線Nとの間、及び電力線V,W間のいずれに重畳される通信信号についても減衰し、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士での電力線搬送通信の安定性が損なわれるという不都合があった。
本発明は、このような問題に鑑みて為された発明であり、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士での電力線搬送通信の安定性を向上させることができる配電機器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の第1の手段に係る配電機器は、第1の相の電力線と中性線と第2の相の電力線とを備えると共に電力線搬送通信の通信路として用いられる単相三線式の電力線に接続される配電機器であって、前記第1の相の電力線に一端が接続された第1のコンデンサと、前記第2の相の電力線に一端が接続された第2のコンデンサと、一端が前記中性線に接続され、他端が前記第1のコンデンサの他端に接続された第1の巻線と、前記第1の巻線と同一のコアに巻回された第2の巻線と、前記第2の巻線における前記第1の巻線の一端と同極性の一端が前記第2のコンデンサにおける他端に接続され前記第2の巻線の他端が前記中性線に接続された第1の状態と、前記第2の巻線における一端が前記中性線に接続され他端が前記第2のコンデンサにおける他端に接続された第2の状態とを切り替える極性切替部とを備えることを特徴としている。
また、上述の配電機器において、前記第1の相と前記第2の相との間に接続される機器に関する機器情報の入力を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた機器情報に基づいて、前記極性切替部に前記切り替えを行わせる切替制御部とを備えることを特徴としている。
また、上述の配電機器において、前記単相三線式の電力線に接続された電力線搬送通信装置との間で通信を行う通信部と、前記通信部によって前記極性切替部の切替を指示する切替指示が収容された通信信号が受信された場合に、当該受信された通信信号に応じて前記極性切替部に前記切り替えを行わせる切替制御部とをさらに備えることを特徴としている。
また、上述の配電機器において、前記コアに巻回された第3の巻線をさらに備え、前記通信部は、前記第3の巻線を介して前記通信信号を取得することを特徴としている。
また、上述の配電機器において、前記極性切替部における切替状態を報知する報知部をさらに備えることを特徴としている。
そして、本発明の第2の手段に係る電力線搬送通信システムは、第1の相の電力線と中性線と第2の相の電力線とを備えると共に電力線搬送通信の通信路として用いられる単相三線式の電力線に接続される複数の電力線搬送通信装置と配電機器とを備える電力線搬送通信システムであって、前記配電機器は、請求項3又は4に記載の配電機器であり、前記複数の電力線搬送通信装置は、他の前記電力線搬送通信装置及び前記配電機器との間で前記電力線を介して通信を行う端末通信部と、前記端末通信部による通信における通信異常を検出する通信異常検出部と、前記通信異常検出部により通信異常が検出された場合、前記端末通信部に、前記配電機器へ前記切替指示が収容された通信信号を送信させる切替指示部とを備えることを特徴としている。
このような構成の配電機器は、第1の巻線における一端が中性線に接続され、他端が第1のコンデンサを介して第1の相の電力線に接続される。また、第1の巻線と同一のコアに巻回された第2の巻線における第1の巻線の一端と同極性の一端が第2のコンデンサを介して第2の相の電力線に接続され第2の巻線の他端が中性線に接続された第1の状態と、第2の巻線における一端が中性線に接続され他端が第2のコンデンサを介して第2の相の電力線に接続された第2の状態とを極性切替部を用いて切り替えることができる。これにより、第1及び第2の相の電力線間に雑音防止用のコンデンサを備える機器が接続されていなければ、極性切替部を第1の状態にすることにより、電力線と中性線との間に出力された通信信号によって第1及び第2の巻線に生じた電圧が加算されて第1及び第2の電力線間に出力されるので、第1及び第2の電力線と中性線との間に接続された電力線搬送通信装置と、第1及び第2の電力線間に接続された電力線搬送通信装置との間における電力線搬送通信の安定性を向上させることができる。さらに、第1及び第2の相の電力線間に雑音防止用のコンデンサを備える機器が接続された場合には、極性切替部を第2の状態にすることにより、電力線と中性線との間に出力された通信信号によって第1及び第2の巻線に生じた電圧が相殺されて第1及び第2の電力線間に出力されるので、第1及び第2の巻線に生じた電圧が雑音防止用のコンデンサによって減衰することが低減され、第1の電力線と中性線との間に接続された電力線搬送通信装置と、第2の電力線と中性線との間に接続された電力線搬送通信装置との間における電力線搬送通信の安定性を向上させることができるので、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士での電力線搬送通信の安定性を向上させることができる。
また、このような構成の電力線搬送通信システムは、複数の電力線搬送通信装置による通信において通信異常が検出された場合に配電機器における極性切替部が切り替えられるので、第1及び第2の相の電力線間における雑音防止用のコンデンサを備える機器の影響による通信異常の有無に応じて極性切替部が切り替えられ、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士での電力線搬送通信の安定性を向上させることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る配電機器及びこれを用いた電力線搬送通信システムの構成の一例を説明するためのブロック図である。図1に示す配電機器1は、例えば住戸の分電盤内に配設される配電機器で、極性切替部11、2巻線コイルT1、コンデンサC1,C2、ブレーカB1、抵抗R1,R2、LED(Light Emitting Diode)1,2(報知部)、及び接続端子12〜17を備えている。接続端子12,13、及び接続端子14は、屋外の電柱に設けられた柱上トランス2に配線された単相三線式の電力線V,W、及び中性線Nと接続されている。これにより、商用交流電源電圧ACから柱上トランス2により単相三線交流にされた電源電圧が、電力線V,W、及び中性線Nを介して接続端子12,13、及び接続端子14に供給されるようになっている。
また、ブレーカB1は、連動して開閉される3連式のスイッチSW4,SW5,SW6を用いて構成された手動式のいわゆるブレーカである。接続端子12はスイッチSW4を介して接続端子15と接続され、接続端子13はスイッチSW5を介して接続端子16と接続され、接続端子14はスイッチSW6を介して接続端子17と接続されている。接続端子15,16、及び接続端子17は、住戸の屋内配線である電力線V,W、及び中性線Nと接続されている。
そして、電力線Vと中性線Nとの間に電力線搬送通信装置3が接続され、電力線Wと中性線Nとの間に電力線搬送通信装置4が接続されて電力線搬送通信装置3,4にAC100Vの電源電圧が供給され、電力線Vと電力線Wとの間に機器116が接続されてAC200Vの電源電圧が供給されるようになっている。
極性切替部11は、連動して切替られる3連式のスイッチSW1,SW2,SW3を用いて構成された手動式の切替スイッチである。スイッチSW1,SW2,SW3は、接続端子x1,x2,x3と、接続端子a1,a2,a3及び接続端子b1,b2,b3との間の接続を切り替える。スイッチSW1,SW2,SW3が接続端子a1,a2,a3側(以下、a側と称する)に切り替えられ、すなわち極性切替部11がa側にされると、スイッチSW1における接続端子x1と接続端子a1、スイッチSW2における接続端子x2と接続端子a2、スイッチSW3における接続端子x3と接続端子a3とが接続される。また、スイッチSW1,SW2,SW3が接続端子b1,b2,b3側(以下、b側と称する)に切り替えられ、すなわち極性切替部11がb側にされると、スイッチSW1における接続端子x1と接続端子b1、スイッチSW2における接続端子x2と接続端子b2、スイッチSW3における接続端子x3と接続端子b3とが接続されるようになっている。
コンデンサC1,C2は、商用周波数をカットし、電力線搬送通信の通信信号を通過させるハイパスフィルタであり、コンデンサC1(第1のコンデンサ)は、接続端子16、すなわち電力線W(第1の相)に一端が接続され、コンデンサC2(第2のコンデンサ)は、接続端子15、すなわち電力線V(第2の相)に一端が接続されている。
2巻線コイルT1は、同一のコアにコイルn1(第1の巻線)とコイルn2(第2の巻線)とが巻回されて構成されており、コイルn1の一方の端子21が接続端子17、すなわち中性線Nに接続され、他方の端子22がコンデンサC1の他端に接続され、コンデンサC1を介して電力線Wに接続されている。
また、コイルn2におけるコイルn1の端子21と同極性の端子23はスイッチSW2の接続端子x2に接続され、コイルn2の他方の端子24はスイッチSW1の接続端子x1に接続されている。そして、スイッチSW1の接続端子a1とスイッチSW2の接続端子b2とは接続端子17、すなわち中性線Nに接続されている。スイッチSW1の接続端子b1とスイッチSW2の接続端子a2とはコンデンサC2の他端に接続され、コンデンサC2を介して接続端子15、すなわち電力線Vに接続されている。
スイッチSW3の接続端子x3は接続端子17、すなわち中性線Nに接続されている。そして、抵抗R1とLED1との直列回路が接続端子15、すなわち電力線Vと、スイッチSW3の接続端子a3との間に接続され、さらに抵抗R2とLED2との直列回路が接続端子15、すなわち電力線Vと、スイッチSW3の接続端子b3との間に接続されている。
電力線搬送通信装置3,4は、電力線搬送通信が可能な端末装置であり、例えば、壁スイッチ、照明器具及び空調装置等のオフィス環境や住戸環境を調整する調整装置、監視カメラ、インターホン、住宅情報盤、電動シャッタ及び電気錠装置等の住戸設備、防犯センサ、火災センサ、ガス漏れセンサ及び湿度センサ等のセンサ、電力計、ガスメータ及び量水器等の計量機器、テレビジョン、ビデオテープレコーダ、DVDレコーダ、ハードディスクレコーダ及び洗濯機等の家電製品、コンピュータ等の情報処理装置、電話機及びファクシミリ装置等の通信機器、脈拍計、体温計、血中酸素濃度計及び心電図計等の医療機器等である。
機器116は、AC200Vで動作する電気機器で、例えばインバータエアコン等の空調機器や、IH(Induction Heating)調理器具等であり、電力線V,Wと接続される電源端子間に雑音防止用のコンデンサ118が接続されている。
次に、上述のように構成された配電機器1の動作について説明する。まず、極性切替部11がa側に切り替えられている状態(第1の状態)では、極性切替部11によって、コイルn2の端子23がコンデンサC2を介して電力線Vに接続され、コイルn2の端子24が中性線Nに接続される。
図2は、コイルn1,n2の接続関係を説明するための説明図である。また、図3は、電力線V,Wに生じる通信信号電圧を説明するための説明図で、縦軸は電圧を、横軸は時間tを示している。極性切替部11がa側に切り替えられている状態では、コイルn2とコイルn1とは、図2(a)に示すように、一方のコイルに印加された電圧と、その電圧によって他方のコイルに誘起された電圧とが加算される方向に接続される。
すなわち、極性切替部11がa側に切り替えられている状態では、図3(a)に示すように、例えば電力線搬送通信装置3から通信信号がAC100V配線間、すなわち中性線Nと電力線Vとの間に出力されると、その通信信号がコンデンサC2を介してコイルn2の両端に電圧Evとして印加され、電圧Evによってコイルn2に電流が流れると同一コアに巻かれているコイルn1に電磁誘導によって電流が流れ、コイルn1に電圧Evと同一振幅の電圧が誘起される。そして、コイルn1に誘起された電圧は、コンデンサC1を介して中性線Nを基準にして電圧Evとは逆極性の電圧Ewとして中性線Nと電力線Wとの間に出力される。
これにより、中性線Nと電力線Wとの間には、電圧Ewが通信信号として出力され、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置3と電力線搬送通信装置4との間で通信が可能にされる。また、電力線V,W間には、電圧Evと電圧Ewとが加算された電圧が通信信号として出力される。
一般に、単相三線式配線から引き出すAC200V配線、すなわち電力線V,Wには、消費電力の大きい機器が接続されることが多いため、住戸の分電盤から機器116へ配線される電力線V,Wは、専用配線として配線されることが多い。そのため、分電盤内に設けられた配電機器1からみた機器116側のインピーダンスは、他の機器の影響を受けることが少なく、電力線V,Wのインピーダンスと機器116が備えるコンデンサ118との合成インピーダンスとなることが多い。特に、配電機器1から機器116までの電力線V,Wが短い場合には、電力線V,Wのインピーダンスが小さくなるのでコンデンサ118のインピーダンスの影響が支配的になり、電力線V,W間は、コンデンサ118によって電力線搬送通信の通信信号に対して高周波的に短絡されている状態となる。
そうすると、コイルn2の端子23とコイルn1の端子22とが略同電位となるためコイルn1に流れる電流が低下し、中性線Nと電力線Wとの間に出力される通信信号が減衰してしまい、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置3と電力線搬送通信装置4との間で安定して通信を行うことができなくなる。
そこで、配電機器1は、AC200V配線(電力線V,W)に機器116が接続された場合には、ユーザが極性切替部11をb側に切り替えることにより、電力線搬送通信装置3と電力線搬送通信装置4との間での通信の安定性を向上させるようになっている。具体的には、極性切替部11がb側に切り替えられた状態(第2の状態)では、極性切替部11によって、コイルn2の端子24がコンデンサC2を介して電力線Vに接続され、コイルn2の端子23が中性線Nに接続される。そして、コイルn2とコイルn1とは、図2(b)に示すように、一方のコイルに印加された電圧と、その電圧によって他方のコイルに誘起された電圧とが相殺される方向に接続される。
すなわち、極性切替部11がb側に切り替えられている状態では、図3(b)に示すように、例えば電力線搬送通信装置3から通信信号がAC100V配線間、すなわち中性線Nと電力線Vとの間に出力されると、その通信信号がコンデンサC2を介してコイルn2の両端に電圧Evとして印加され、電圧Evによってコイルn2に電流が流れると同一コアに巻かれているコイルn1に電磁誘導によって電流が流れ、コイルn1に電圧Evと同一振幅の電圧が誘起される。そして、コイルn1に誘起された電圧は、コンデンサC1を介して中性線Nを基準にして電圧Evと同極性の電圧Ewとして中性線Nと電力線Wとの間に出力される。
これにより、図3(b)に示すように、中性線Nと電力線Vの間、及び中性線Nと電力線Wとの間には、同極性で同一振幅の電圧Ev及び電圧Ewが印加されるので、電力線V及び電力線Wは同電位となる。そうすると、電力線V,W間がコンデンサ118によって高周波的に短絡された状態であってもコンデンサ118に電流が流れることが無く、コイルn1,n2への影響がなくなり、コイルn1から通信信号が電圧Ewとして中性線Nと電力線Wを介して電力線搬送通信装置4へ出力されるので、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置3と電力線搬送通信装置4との間での電力線搬送通信の安定性を向上させることができる。
また、極性切替部11がb側に切り替えられると、電力線Vから抵抗R2、LED2、スイッチSW3を介して中性線Nへ電流が流れてLED2が点灯するので、ユーザ及び作業者は、極性切替部11がb側になっていることを容易に確認することができる。
一方、上述したように、極性切替部11がb側に切り替えられている状態では、図3(b)に示すように、例えば電力線搬送通信装置3から通信信号がAC100V配線間、すなわち中性線Nと電力線Vとの間に出力されても、コイルn2に印加された電圧Evとコイルn1に誘起された電圧Ewとは相殺されて電力線V及び電力線Wは同電位となり、すなわち電力線V,W間には通信信号が出力されない。そのため、AC200Vの電力線V,W間に電力線搬送通信装置が接続された場合であってもAC100Vに接続された電力線搬送通信装置との間では、通信を行うことができない。
このような場合には、極性切替部11をa側に切り替えることにより、電力線V,W間に電圧Evと電圧Ewとが加算された電圧が通信信号として出力されるので、AC100Vに接続された電力線搬送通信装置とAC200Vに接続された電力線搬送通信装置との間で通信を行うことができる。
また、極性切替部11がa側に切り替えられると、電力線Vから抵抗R1、LED1、スイッチSW3を介して中性線Nへ電流が流れてLED1が点灯するので、ユーザ及び作業者は、極性切替部11がa側になっていることを容易に確認することができる。
これにより、配電機器1は、極性切替部11を備えているので、AC200Vの電力線V,W間に機器116が接続されている場合には極性切替部11をb側に切り替え、AC200Vの電力線V,W間に電力線搬送通信装置が接続されている場合には極性切替部11をa側に切り替えることで、AC200Vの電力線V,W間に接続される機器の種類に応じて異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士での電力線搬送通信の安定性を向上させることができる。
なお、極性切替部11におけるスイッチSW1,SW2,SW3は、連動して動作するスイッチであればよく、機械的スイッチの他、FET(Field Effect Transistor)等のトランジスタ、アナログスイッチ、及びリレースイッチ等を用いることができる。報知部は、極性切替部11の切替状態を表示できればよく、LEDの他、パイロットランプや液晶表示器等、種々の表示装置を用いることができる。また、配電機器1がブレーカB1を備える例を示したが、ブレーカB1は備えなくてもよい。
また、AC200Vで動作する機器と、AC200Vの電力線V,W間に接続される電力線搬送通信装置とを両方使用する場合には、AC200Vで動作する機器と電力線V,Wとの間に、電力線搬送通信で用いられる高周波の周波数に対してインピーダンスを上昇させるインピーダンス回路を設け、極性切替部11をa側に切り替えることにより、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士での電力線搬送通信の安定性を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る配電機器について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る配電機器及びこれを用いた電力線搬送通信システムの構成の一例を示すブロック図である。図4に示す配電機器1aは、図1に示す配電機器1とは、設定スイッチ18(受付部)と、切替制御部19とをさらに備える点で異なる。
設定スイッチ18は、AC200Vの電力線V,W間に接続される機器に関する機器情報、例えば、電力線V,W間にAC200Vで動作する機器が接続されているか否か、及び電力線V,W間に電力線搬送通信装置が接続されているか否かを設定することができるスイッチで、例えば複数のディップスイッチや、例えば液晶表示装置と感圧センサ等から構成されたタッチパネル等を用いることができる。
これにより、例えばユーザや施工業者などが、住戸にAC200Vで動作するエアコン等の機器が接続されているか否か、AC200Vで動作する電力線搬送通信装置があるか否かを設定するようになっている。なお、AC200Vで動作する機器の有無を設定する代わりに、AC200Vのコンセントが有るか否かを設定するようにしてもよい。施工時等、まだAC200V機器が設置されていない場合であっても、AC200Vのコンセントが有れば、雑音防止用のコンデンサ118を備えた機器116が、将来コンセントに接続される可能性があるからである。
切替制御部19は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記録されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記録するRAM(Random Access Memory)とを備えて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、設定スイッチ18で設定された機器情報に応じて極性切替部11を切り替える。
その他の構成及び動作は図1に示す配電機器1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の動作について説明する。図5は、図4に示す配電機器1aの動作の一例を示すフローチャートである。まず、切替制御部19によって、設定スイッチ18の設定が確認され、AC200Vで動作する機器が無い設定(又はAC200Vのコンセントが無い設定)であれば(ステップS1でNO)、ステップS3へ移行し、極性切替部11をa側に切り替えて(ステップS3)処理を終了する。
一方、ステップS1において、AC200Vで動作する機器が有る設定(又はAC200Vのコンセントが有る設定)であれば(ステップS1でYES)、再び設定スイッチ18の設定が確認され、AC200Vで動作する電力線搬送通信装置が有る設定であれば(ステップS2でYES)、極性切替部11をa側に切り替えて(ステップS3)処理を終了する一方、AC200Vで動作する電力線搬送通信装置が無い設定であれば(ステップS2でNO)、極性切替部11をb側に切り替えて(ステップS4)処理を終了する。
これにより、ユーザや施工業者は、極性切替部11の切替条件を意識することなく、AC200Vで動作する機器が有るか否か(AC200Vのコンセントが有るか否か)、及びAC200Vで動作する電力線搬送通信装置が有るか否かを、設定スイッチ18を用いて設定するだけで、AC200Vの電力線V,W間に接続される機器の種類に応じて、異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士での電力線搬送通信の安定性を向上させるために適した状態に極性切替部11が切り替えられるので、配電機器1aの操作性を向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る配電機器について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係る配電機器1bを用いた電力線搬送通信システムの構成の一例を示すブロック図である。図6に示す電力線搬送通信システム10は、図1に示す電力線搬送通信システムとは、電力線搬送通信装置3,4の代わりに電力線搬送通信装置3a,4aを、配電機器1の代わりに配電機器1bを備える点で異なる。図6に示す配電機器1bは、図1に示す配電機器1とは、切替制御部19aと、通信部20とをさらに備え、2巻線コイルT1の代わりに3巻線コイルT1aを備える点で異なる。
3巻線コイルT1aは、同一のコアにコイルn1(第1の巻線)とコイルn2(第2の巻線)とコイルn3(第3の巻線)とが巻回されて構成されており、コイルn3は、その両端電圧を通信部20へ出力する。
通信部20は、電力線搬送通信を行う通信インターフェース回路で、切替制御部19aからのデータを電力線搬送通信方式のプロトコルに従った通信信号に変換、変調し、コイルn3へ出力すると共にコイルn3から出力された信号を切替制御部19が処理可能な形式のデータに復調、変換し、切替制御部19aへ出力する回路である。
切替制御部19aは、例えば所定の演算処理を実行するCPUと、所定の制御プログラムが記録されたROMと、データを一時的に記録するRAMとを備えて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、通信部20で受信された通信信号に応じて極性切替部11を切り替える。
図7は、図6に示す電力線搬送通信装置3a,4aの構成の一例を示すブロック図である。電力線搬送通信装置3a,4aは、制御部31と、端末通信部32とを備えている。端末通信部32は、電力線V,W及び中性線Nを介して電力線搬送通信を行う通信インターフェース回路で、制御部31からのデータを電力線搬送通信方式のプロトコルに従った通信信号に変換、変調して他の電力線搬送通信装置や配電機器1bへ送信したり、電力線V,W及び中性線Nに接続された他の電力線搬送通信装置や配電機器1bから送信された通信信号を受信して、制御部31で処理可能な形式のデータに復調、変換する回路である。
制御部31は、例えば所定の演算処理を実行するCPUと、所定の制御プログラムが記録されたROMと、データを一時的に記録するRAMとを備えて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、通信異常検出部33、及び切替指示部34として機能する。また、制御部31は、電力線搬送通信装置3a,4aが例えば壁スイッチであれば、図略の操作スイッチのオン、オフに応じた制御信号を、端末通信部32から制御対象の電力線搬送通信装置へ送信させ、電力線搬送通信装置3a,4aが例えば照明等の電気機器であれば、端末通信部32により受信された制御信号に応じて、図略の照明回路等、機器部分の動作を制御する。
通信異常検出部33は、端末通信部32による電力線搬送通信における通信異常を検出するもので、切替指示部34は、通信異常検出部33により通信異常が検出された場合、端末通信部32に、配電機器1bへ切替指示が収容された通信信号を送信させる。
その他の構成及び動作は図1に示す配電機器1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の動作について説明する。図8は、図6に示す電力線搬送通信システムの動作を説明するための説明図である。まず、AC100Vにおける異なる相間に接続された電力線搬送通信装置同士、及びAC100Vの相とAC200Vの相とに接続された電力線搬送通信装置同士のいずれであっても電力線搬送通信を可能とするべく、配電機器1bにおける極性切替部11は、「a側」に設定されている。また、最初はAC200Vの電力線V,Wに機器116が接続されていない状態になっている。
そして、例えば電力線搬送通信装置3aが壁スイッチであり、電力線搬送通信装置4aが照明等の電気機器であった場合、電力線搬送通信装置3aにおける端末通信部32からAC100Vの異なる相に接続されている電力線搬送通信装置4aへ動作を指示する制御信号、例えば点灯を指示する制御信号が送信され(ステップS11)、その制御信号を端末通信部32によって受信した電力線搬送通信装置4aから、制御信号を受信したことを通知する応答信号が電力線搬送通信装置3aへ送信される(ステップS12)。
ここで、ユーザがAC200Vの電力線V,Wに機器116を接続すると、コンデンサ118が3巻線コイルT1aと並列に接続され、3巻線コイルT1aにおける端子22と端子23とが電力線搬送通信の通信信号に対して高周波的に短絡されている状態となる。そのため、3巻線コイルT1aは、電力線Vと中性線Nとの間に接続された電力線搬送通信装置3aから、AC100Vの異なる相である電力線Wと中性線Nとの間に接続された電力線搬送通信装置4aへ通信信号を伝達することができなくなる。
この状態で、電力線搬送通信装置3aから電力線搬送通信装置4aへ制御信号が送信されると(ステップS14)、電力線搬送通信装置4aは制御信号を受信することができないので、電力線搬送通信装置4aから電力線搬送通信装置3aへ返信信号が送信されない。尚、通信速度を落とすように制御すると、通信自体は不可能ではないものの、少なくとも通信状態が劣化することになる。
電力線搬送通信装置3aにおける通信異常検出部33は、端末通信部32によって制御信号が送信された後、例えば予め設定された所定時間内に電力線搬送通信装置4aからの返信信号が受信されない場合、通信に異常が発生したものと判断して通信異常を検出する。あるいは、通信異常検出部33は、さらに制御信号を再送した後も返信信号が受信されない場合に通信異常を検出する構成としてもよい。
尚、通信速度を検出することで、通信異常を検出する構成としてもよい。
そして、通信異常検出部33によって、通信異常が検出されると、切替指示部34によって、電力線V,Wに機器116が接続されたものと認識されて切替指示部34からの信号に応じて端末通信部32により、配電機器1bにおける極性切替部11の「b側」への切替を指示する極性切替信号(切換指示)が送信される(ステップS15)。
電力線搬送通信装置3aから送信された極性切替信号は、配電機器1bにおけるコンデンサC2を介してコイルn2に印加され、コイルn3に極性切替信号が誘起され、コイルn3と接続された通信部20によって、極性切替信号が受信される。この場合、3巻線コイルT1aにおけるコイルn1,n2,n3のうちの一つであるコイルn3が、電力線搬送通信における通信信号の受信に用いられるので、2巻線コイルT1と別に通信信号送受信用のトランスを備える必要がなく、回路を簡素化することができる。
次に、通信部20によって受信された極性切替信号が復調されて切替制御部19aへ出力され、切替制御部19aによって極性切替部11がb側に切り替えられ(ステップS16)、コンデンサ118の影響が低減されて電力線搬送通信装置3a,4a間の通信が可能にされる。
そして、切替制御部19aから極性切替が完了した旨の通知が通信部20へ出力され、通信部20から極性切替部11がb側へ切替られたことを示す切替完了通知がコイルn3,n2を介して電力線搬送通信により電力線搬送通信装置3aへ送信される(ステップS17)。
次に、電力線搬送通信装置3aによって、切替完了通知が受信されると、電力線搬送通信装置3aから電力線搬送通信装置4aへ動作を指示する制御信号が送信され(ステップS18)、配電機器1bにおいて極性切替部11がb側にされているので制御信号が電力線搬送通信装置4aで受信され、その制御信号を受信した電力線搬送通信装置4aから制御信号を受信したことを通知する応答信号が電力線搬送通信装置3aへ送信される(ステップS19)。
以上、ステップS11〜S19の処理により、配電機器1bは、電力線搬送通信装置3a,4aとの間で電力線搬送通信を行うことにより、電力線搬送通信装置3a,4aから送信された極性切替指示信号に応じて極性切替部11を切り替えることができるので、ユーザが手動で極性切替部11を切り替えたり、AC200Vの電力線V,W間に接続される機器に関する機器情報を設定する必要がなく、配電機器1bの設定作業工数を低減することができる。
また、電力線搬送通信装置3a,4aから送信された極性切替指示信号に応じて自動的に極性切替部11が切り替えられるので、人為的ミスにより極性切替部11が誤って切り替えられることが抑制される。
なお、配電機器1bは、電力線搬送通信装置3aからの切替指示に応じて、極性切替部11をa側からb側へ切り替える例を示したが、a側からb側へ切り替える例に限られず、例えばAC100Vの相に接続された電力線搬送通信装置3aがAC200Vの相に接続された他の電力線搬送通信装置と通信を試みて、通信異常が発生するなどして通信できなかった場合に、極性切替部11のb側からa側への切り替えを指示する切換指示を配電機器1bへ送信し、配電機器1bにおいて極性切替部11がa側へ切り替えられるようにしてもよい。
また、配電機器1bは、AC100Vの相に接続された電力線搬送通信装置3a,4aや、AC200Vの相に接続された電力線搬送通信装置から、電力線搬送通信によって機器情報を取得し、取得した機器情報に応じて図4に示す配電機器1aと同様に極性切替部11の切替を行う構成としてもよい。この場合、通信部20は、受付部の一例に相当している。
本発明の第1の実施形態に係る配電機器及びこれを用いた電力線搬送通信システムの構成の一例を説明するためのブロック図である。 図1に示すコイルの接続関係を説明するための説明図である。 電力線に生じる電圧を説明するための説明図で、縦軸は電圧を、横軸は時間を示している。 本発明の第2の実施形態に係る配電機器及びこれを用いた電力線搬送通信システムの構成の一例を示すブロック図である。 図4に示す配電機器の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る配電機器を用いた電力線搬送通信システムの構成の一例を示すブロック図である。 図6に示す電力線搬送通信装置の構成の一例を示すブロック図である。 図6に示す電力線搬送通信システムの動作を説明するための説明図である。 背景技術に係る単相3線式の電力線に電力線搬送通信装置が接続された状態を示すブロック図である。 背景技術に係る単相3線式の電力線に電力線搬送通信装置が接続された状態を示すブロック図である。
符号の説明
1,1a,1b 配電機器
2 柱上トランス
3,4 電力線搬送通信装置
11 極性切替部
12,13,14,15,16,17 接続端子
18 設定スイッチ
19,19a 切替制御部
20 通信部
21,22,23,24 端子
32 端末通信部
33 通信異常検出部
34 切替指示部
C1,C2 コンデンサ
N 中性線
n1,n2,n3 コイル
R1,R2 抵抗
SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SW6 スイッチ
T1 2巻線コイル
T1a 3巻線コイル
V,W 電力線

Claims (6)

  1. 第1の相の電力線と中性線と第2の相の電力線とを備えると共に電力線搬送通信の通信路として用いられる単相三線式の電力線に接続される配電機器であって、
    前記第1の相の電力線に一端が接続された第1のコンデンサと、
    前記第2の相の電力線に一端が接続された第2のコンデンサと、
    一端が前記中性線に接続され、他端が前記第1のコンデンサの他端に接続された第1の巻線と、
    前記第1の巻線と同一のコアに巻回された第2の巻線と、
    前記第2の巻線における前記第1の巻線の一端と同極性の一端が前記第2のコンデンサにおける他端に接続され前記第2の巻線の他端が前記中性線に接続された第1の状態と、前記第2の巻線における一端が前記中性線に接続され他端が前記第2のコンデンサにおける他端に接続された第2の状態とを切り替える極性切替部と
    を備えることを特徴とする配電機器。
  2. 前記第1の相と前記第2の相との間に接続される機器に関する機器情報の入力を受け付ける受付部と、
    前記受付部によって受け付けられた機器情報に基づいて、前記極性切替部に前記切り替えを行わせる切替制御部と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の配電機器。
  3. 前記単相三線式の電力線に接続された電力線搬送通信装置との間で通信を行う通信部と、
    前記通信部によって前記極性切替部の切替を指示する切替指示が収容された通信信号が受信された場合に、当該受信された通信信号に応じて前記極性切替部に前記切り替えを行わせる切替制御部と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の配電機器。
  4. 前記コアに巻回された第3の巻線をさらに備え、
    前記通信部は、前記第3の巻線を介して前記通信信号を取得すること
    を特徴とする請求項3記載の配電機器。
  5. 前記極性切替部における切替状態を報知する報知部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の配電機器。
  6. 第1の相の電力線と中性線と第2の相の電力線とを備えると共に電力線搬送通信の通信路として用いられる単相三線式の電力線に接続される複数の電力線搬送通信装置と配電機器とを備える電力線搬送通信システムであって、
    前記配電機器は、請求項3又は4に記載の配電機器であり、
    前記複数の電力線搬送通信装置は、他の前記電力線搬送通信装置及び前記配電機器との間で前記電力線を介して通信を行う端末通信部と、
    前記端末通信部による通信における通信異常を検出する通信異常検出部と、
    前記通信異常検出部により通信異常が検出された場合、前記端末通信部に、前記配電機器へ前記切替指示が収容された通信信号を送信させる切替指示部と
    を備えることを特徴とする電力線搬送通信システム。
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