JP2007026521A - 記録パワー値決定方法および光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】相変化型光ディスクの相変化膜が不均一であっても、新たなパラメータを用いずに、最適な記録パワー値を求める。
【解決手段】相変化型光ディスクの試し書き領域に対してDC消去を行うステップと、DC消去が行われた試し書き領域に対して、記録パワー値を変化させながらデータを記録するステップと、記録されたデータを再生することによって再生信号を得るステップと、前記再生信号に基づいて、最適記録パワー値を決定するステップとを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、相変化型光ディスクにデータを記録する際の記録パワー値決定方法、及び光ディスク装置に関する。
光ディスクにデータを記録可能な光ディスク装置において、レーザ光を用いて光ディスクにデータを記録するに先立って最適記録パワー値を求めるためにOPC(Optimum Power Control)と呼ばれる記録パワー値最適化を行う必要がある。OPCを行うために、光ディスクのPCA(Power Calibration Area)といわれる試し書き領域に記録パワー値を変えながらテスト記録を行う。テスト記録されたデータの再生信号から最適な記録パワー値を求める。
書き換え可能な相変化型光ディスクの場合、テスト記録されたデータの再生信号から記録パワー値毎に変調度mを求める。そして、変調度mから求められるγ値から所定の目標値となるターゲットパワーを求める。このターゲットパワーに係数ρを乗じて記録パワー値を決定する。
ところが、相変化型光ディスクの相変化膜が不均一なものが流通していることがある。特にPCAにおいて結晶粒の不均一性が大きい場合、OPCを行う際、相変化膜の不均一性により大きな記録パワー値で記録しているにも関わらず、小さな記録パワー値で記録した際のRF波形と同じような変調を持つことがある。これにより、β値及びγ値で記録Powerを算出する際にバラツキを持つことになる。
このような問題を解決するための技術が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、変調度mの記録パワー値に対する変化の傾きに基づいてターゲットパワーを求め、求められたターゲットパワーに係数zを乗じて記録パワー値を決定している。係数zは、最適記録パワー値の決定に用いられていた係数ρと異なるものである。
特開2003−67925号公報(段落番号[0027]〜[0034])
上述した方法では、ターゲットパワーに係数zを乗じて記録パワー値を決定しているが、係数zは一般的には最適記録パワー値の決定に用いられていない係数である。したがって、係数zが求められていない、つまり予め係数zがリードインエリア等に記録されていない相変化型光ディスクに対してOPCを行う場合、上述した方法で最適記録パワー値を求めることが出来ない。
本発明の目的は、相変化型光ディスクの相変化膜が不均一であっても、新たなパラメータを用いずに、最適な記録パワー値を求め得る記録パワー値決定方法および光ディスク装置を提供することにある。
本発明の一例に係わる記録パワー値決定方法は、相変化型光ディスクの試し書き領域に対してDC消去を行うステップと、DC消去が行われた試し書き領域に対して、記録パワー値を変化させながらデータを記録するステップと、記録されたデータを再生することによって再生信号を得るステップと、前記再生信号に基づいて、最適記録パワー値を決定するステップとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、相変化型光ディスクの相変化膜が不均一であっても、新たなパラメータを用いずに、最適な記録パワー値を求めることができる。
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
本実施形態では、記録書換可能型の相変化型光ディスクにデータを記録する場合のOPCについて説明する。相変化型光ディスクは、記録層の結晶層とアモルファス層との間の可逆的な相変化を利用して情報の記録・消去を行う。また、結晶層とアモルファス層との間の光学的特性の差(通常は反射率差)を利用して再生信号を読み取る。記録を行う場合、記録層が融点以上となる書込みパワーPoのレーザを照射して結晶層をアモルファス層に変化させることで行う。通常消去とは、記録層が融点以上となる消去パワーPe(<書込みパワーPo)のレーザを照射して行う。
図1は、本発明の一実施形態に係わる光ディスクの記録再生装置の概略を示す図である。
光ディスク装置は、相変化型光ディスク100を回転させるスピンドルモータ(SPM)101、ピックアップヘッド102、RFアンプ103、制御部110、ピーク検出部121、ボトム検出部122,ローパスフィルタ(LPF)123、及びAD変換器131〜134を具備する。なお、ピックアップヘッド102には、レーザダイオード、対物レンズ等の光学系、フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、フォトディテクタ、及びレンズポジションセンサ等で構成される。
制御部110は信号検出回路111、CPU(Central Processing Unit)112、記録制御回路113、エンコーダ114、レーザ駆動回路(LD駆動回路)115、サーボ回路116、β/γ値算出部117、及び各種プログラムや各種データを記憶するメモリ118を具備する。
回転する相変化型光ディスク100の記録面にはピックアップヘッド(PUH)101のレーザダイオードから出射したレーザビームが照射され、データの記録/再生が行われる。相変化型光ディスク100から反射された反射光はピックアップヘッド101のフォトディテクタで検出され、電気信号に変換される。
光ピックアップヘッド102の出力信号は、RFアンプ103で増幅される。RFアンプ103で増幅された信号は、制御部110、ピーク検出部121、ボトム検出部122、及びローパスフィルタ123に入力される。
制御部110内の信号検出回路111では、入力された信号からウォブル成分を抽出する。信号検出回路111は、抽出されたウォブル成分に基づいて、レーザビームの照射されている相変化型光ディスク100のトラックのアドレスを検出し、検出されたアドレスをCPU112に出力する。CPU112は、入力されたアドレスから相変化型光ディスク100の径方向の記録位置を認識し、記録位置に対応する制御信号を記録制御回路113に出力する。
また、エンコーダ114は書き込む情報を相変化型光ディスク100のフォーマットに従った変調方式により変調し、変調された信号を記録制御回路113に出力する。
記録制御回路113は、エンコーダ114からの変調信号及びCPU112からの制御信号に基づいて、レーザ駆動回路115、及びサーボ回路116に駆動制御信号を出力する。サーボ回路116は、スピンドルモータ101の回転を制御すると共に、ピックアップヘッド102の位置を適正な位置に設定する。レーザ駆動回路115は、駆動制御信号に基づいてピックアップヘッド102のレーザダイオードに通電し、レーザダイオードから相変化型光ディスク100に対してレーザビームを照射する。
図1に示した光ディスク装置で、光ディスク100にデータを記録するに先立って記録パワーを最適化するOPC処理を行うときの動作を、図2のフローチャートを参照して説明する。
先ず、記録速度をサーバから送られた記録コマンドの指定する値に設定する(ステップST101)。次いで、CPU112は、データを記録する相変化型光ディスク100に記録されているIDナンバを取得し、IDナンバからメディアを認識する(ステップST102)。
そして、試し書き領域に対してDC消去を行う(ステップST103)。DC消去とは、一定のDC消去パワーでレーザを照射して消去処理を行うことである。ここでは、DC消去パワーは、通常の消去パワーPeより大きく、実際の記録時のピークパワーPoのレベルにしている。DC消去を行う領域は、少なくとも試し書きを行うブロックを対象に行えばよい。このDC消去パワーPeDCは、メディアの種類に応じて決められる。DC消去は実際に光ディスクの製造において相変化膜の蒸着でも行う処理と似ており、DC消去された領域の相変化膜を均一にすることが可能となる。
次に、メモリ118に記憶されているテーブルから記録速度に応じたスタート記録パワー値とステップ値を選択する(ステップST104)。そして、選択されたスタート記録パワー値からステップ値単位で記録パワー値を15段階変化させて、相変化型光ディスク100のPCA(Power Calibration Area)にテストデータを記録する(ステップST105)。ここで、テストデータを記録する場合の記録パワー値は、実際の記録パワー値より弱い。
テストデータを相変化型光ディスク100のPCAに記録した後に、記録された信号を再生する(ステップST106)。
再生時、ピックアップヘッド102で受光した相変化型光ディスク100からの反射光に対応したRF信号がRFアンプ103に入力される。RFアンプ103は入力されたRF信号を増幅する。増幅されたRF信号は、ピーク検出部121、ボトム検出部122及びローパスフィルタ123に入力される。
ピーク検出部121は、増幅されたRF信号のピークレベルIPKを検出する。ボトム検出部122は、増幅されたRF信号のボトムレベルのIBTを検出する。また、ローパスフィルタ123は、増幅されたRF信号に含まれるDC成分IDCを検出する。
ピーク検出部121、ボトム検出部122、及びローパスフィルタ123で検出された信号は、AD変換器131〜133でデジタル信号に変換されてβ/γ値算出部117に入力される。β/γ値算出部117は、入力されたデジタル変換されたピークレベルIPK、ボトムレベルIBT、DC成分IDCから、15段階の記録パワー値毎に変調度mを算出する(ステップST107)。図3に示すように、変調度mは、ピークレベルIPK、ボトムレベルIBT、DC成分IDCを用いて、以下の式で算出される。
m=I14/I14H=(IPK+IBT)/(IPK+IDC
そして、求められた変調度mから記録パワー値毎にγ値が算出される(ステップST108)。γ値は以下の式で算出される。
γ=(dm/dPw)・(Pw/m)
なお、Pwは記録パワー値であり、右辺の“dm/dPw”は、変調度mの記録パワー値Pwによる微分値である。
記録パワー値およびγ値から、記録パワー値に対するγ値の特性(記録パワー値−γ値)を演算する。そして、演算された記録パワー値−γ値特性から、あらかじめ相変化型光ディスク100で指定された変化量γtが得られる基準パワーPtを決定する(ステップST109)。相変化型光ディスク100には、ATIP(Absolute Time In Pregroove)情報としてγ値の目標値γtが予め記録されている。
次に、基準パワーPtに相変化型光ディスク100で指定された係数ρを乗じて最適記録パワー値Pwoを決定する(ステップST110)。相変化型光ディスク100にはATIP情報として、基準パワーPtから最適記録パワー値Pwoを求める係数ρが予め記録されている。以上の処理でOPCが終了する(ステップST111)。
その後、この記録パワー値Pwoを用いて相変化型光ディスク100にデータを記録する(ステップST112)。
従来、PCAに対してDC消去を行っていなかった。DC消去を行うことによって、PCAの相変化膜の結晶粒の大きさを均一にすることができる。その結果、相変化膜に照射された記録パワー値に対応して相変化膜が正常に相変化するので、最適パワー値を精度良く求めることができる。
PCAに記録パワー値を変えて記録を行う前に、DC消去を行った場合と行わなかった場合のRF信号の波形を図4(a)及び図4(b)に示す。図4(a)はPCAに対してDC消去を行った場合のRF信号の波形、図4(b)はPCAに対してDC消去を行った場合のRF信号の波形である。図4(a)及び図4(b)において、PUH信号は、ピックアップヘッドから出力された信号、Peak_Hold信号はピーク検出部121からの出力信号、LPF信号はローパスフィルタ123の出力信号である。前述したように、Peak_Hold信号のピークレベルIPK及びLPF信号のDC成分IDCは、γ値の算出に使用される。従って、Peak_Hold信号及びLPF信号のノイズ分(不均一分)が実際の記録パワー値を算出するOPCに影響を及ぼすことになる。
DC消去を行った図4(a)に示す波形は、DC消去を行わない図4(b)に示す波形に比べて、ノイズ分が少ないことが分かる。よって、PCAに対してDC消去行った後に、テスト記録を行うことで、再生信号のノイズが少なくなり、算出される記録パワー値が最適になる。
例えばCD−RやDVD−Rのような追記可能型の光ディスクの最適記録パワー値を求める場合、実際の記録パワー値のレベルで試し書きを行うβ系を用いる。本実施形態のような書換可能型の相変化型光ディスクの最適記録パワー値を求める場合、実際の記録パワー値より弱い記録パワー値で試し書きを行うγ系を用いる。実際の記録パワー値のレベルで試し書きを行うと、繰り返し記録特性及び繰り返し記録可能寿命を縮めてしまうため、実際の記録パワー値より弱い記録パワー値で試し書きを行う。しかし、追記可能型の光ディスクの場合と同様に、β系を用いて相変化型光ディスクの最適記録パワー値を求めても良い。
β系で最適記録パワー値を求める場合を以下に説明する。記録パワー値を変えながらPCAに試し書きを行う。試し書きが行われた領域を再生し、再生信号を得る。再生信号から記録パワー値毎にピークレベルIPKおよびボトムレベルIBTを検出する。ピークレベルIPKおよびボトムレベルIBTから記録パワー値毎にβ値を求める。
β値はピークレベルIPKおよびボトムレベルIBTを用いて次式;
β=(IPK+IBT)/(IPK−IBT
で求められる。
そして、記録パワー値およびβ値から、記録パワー値に対するβ値の特性を求める。そして、求められた特性から、予め決められている目標β値が得られる記録パワー値を求め、求められた記録パワー値を最適記録パワー値とする。なお、β値は、β/γ値算出部117で算出される。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の一実施形態に係わる光ディスク装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の一実施形態に係わるOPCの処理を説明するためのフローチャート。 変調度mの説明に用いる図。 相変化型光ディスクから得られたRF信号の波形を示す写真。
符号の説明
100…相変化型光ディスク,101…スピンドルモータ,102…光ピックアップヘッド,103…RFアンプ,110…制御部,111.CPU112…信号検出回路,111…信号検出回路,112…CPU,113…記録制御回路,114…エンコーダ,115…レーザ駆動回路,116…サーボ回路,117…β/γ値算出部,118…メモリ,121…ピーク検出部,122…ボトム検出部,123…ローパスフィルタ,131…AD変換器

Claims (4)

  1. 相変化型光ディスクの試し書き領域に対してDC消去を行うステップと、
    DC消去が行われた試し書き領域に対して、記録パワー値を変化させながらデータを記録するステップと、
    記録されたデータを再生することによって再生信号を得るステップと、
    前記再生信号に基づいて、最適記録パワー値を決定するステップとを含むことを特徴とする記録パワー値決定方法。
  2. 前記最適記録パワー値の決定は、
    前記再生信号に基づいて記録パワー値毎に変調度mを算出するステップと、
    前記記録パワー値毎に算出された変調度を用いて、前記記録パワー値毎にγ値を算出するステップと、
    前記記録パワー値と前記記録パワー値毎に用いられたγ値に基づいて、記録パワー値に対するγ値の特性を求めるステップと、
    求められた特性から、所定の目標γ値が得られる基準記録パワー値を決定するステップと、
    前記基準パワー値に所定の係数ρを乗ずるステップとを含むことを特徴とする請求項1記載の記録パワー値決定方法。
  3. 相変化型光ディスクの試し書き領域に記録パワー値を変化させてテスト記録し、該テスト記録データの再生信号に基づいて最適記録パワー値を決定する光ディスク装置であって、
    前記テスト記録を行う前に、前記試し書き領域に対してDC消去を実行する制御部を具備することを特徴とする光ディスク装置。
  4. 前記制御部は、前記再生信号に基づいて記録パワー値毎にγ値を算出するγ値算出部と、前記γ値に基づいて最適記録パワー値を決定する記録パワー値決定部とを有することを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
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