JP2007025626A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電気等の外部ノイズが存在しても異常動作や駆動用ICの破壊が生じることがなく、外部ノイズに対して安定な電気光学装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】電気光学材料を備える電気光学パネル2と、当該電気光学パネル2に接続される配線基板3とを備える電気光学装置1であって、当該配線基板3は、電気光学パネル2の動作を制御する制御回路部19を有し、当該制御回路部19の少なくとも一部が、絶縁性部材40によって被覆されていること、を特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
現在、携帯電話機、携帯情報端末機等といった電子機器に液晶表示装置等といった電気光学装置が広く使用されている。例えば、電子機器に関する各種の情報を文字、数字、図形等といった画像の形で表示する際に電気光学装置が用いられている。この電気光学装置は、一般に、液晶パネル等といった電気光学パネルと、その電気光学パネルに接続されるFPC(Flexible Printed Circuit)基板等といった配線基板とを有する。この電気光学装置として、従来、電気光学パネルと配線基板の接続部分をシリコン等から成る材料によって覆うようにした装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−195300号公報(第3頁、図1)
ところで、特許文献1に記載の電気光学装置においては、電気光学パネルと配線基板の接続部分において配線基板の金属端子が外部に露出することがあった。そして、この場合には、その金属端子が静電気等の外来ノイズを拾ってしまい、電気光学パネルが異常動作を起こしたり、電気光学パネルの駆動用ICが破壊されたりするおそれがあった。
ここで、異常動作について説明する。一般の電気光学装置においては、電気光学パネルを駆動する駆動用ICに配線基板を介してホスト制御部からリセットパルスが供給されると、その電気光学パネルによる表示がOFF状態、即ち消えるようになっている。上記のように電気光学装置が異常動作を呈するということの1つの態様としては、ホスト制御部から駆動用ICへ向けてリセットパルスが供給されないにもかかわらず、電気光学パネルがOFF状態になること等が考えられる。
一方、駆動用ICの破壊とは、当該駆動用ICを構成する半導体素子等の薄膜構造体が破壊することによって生じるものである。その原因としては、外来ノイズが配線基板と電気光学パネルとを接続している端子や配線を通じて侵入し、薄膜構造体を破壊することが考えられる。或いは、駆動用ICのパッケージの外面に生じる静電気の作用により、その内部に電荷が生じ、薄膜構造体を破壊することが考えられる。
また、上記特許文献において用いられるシリコンは、一般的には絶縁性材料であるので、電気光学パネルと配線基板との接続部分をこの材料によって被覆すれば、配線基板上の金属端子をその接続部分において前記材料によって被覆でき、それ故、金属端子にノイズが入ることが無くなって、電気光学装置の動作が安定すると考えられる。
しかしながら、実際には、その電気光学装置を静電気が生じ易い環境下で作動させたときに、その電気光学装置が異常動作を呈することがあった。
また、上記特許文献においては、電気光学パネルと配線基板との接続部分を覆う材料は、専ら、配線基板の機械的な強度を補強するために用いられるものであり、その材料が配線基板上のどのような位置関係に設定されるかは、明確には説明されていない。
更に、本発明者によれば、電気光学パネルと配線基板との接続部分に絶縁性材料を被覆しただけでは、外部ノイズを防止できないことが見出された。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、静電気等の外部ノイズが存在しても異常動作や駆動用ICの破壊が生じることがなく、外部ノイズに対して安定な電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
更に、本発明者によれば、外部ノイズによる異常動作や駆動用ICの破壊は、外部ノイズを発生する放電側と、外部ノイズを受ける受電側との2つの要因によって生じることが見出された。その中でも、特に放電側の要因によって、異常動作や駆動用ICの破壊が生じ易いことが確認された。
本発明者は、上記の問題点を解決すべく、以下の手段を有する本発明を想到した。
即ち、電気光学材料を備える電気光学パネルと、当該電気光学パネル上に配置され前記電気光学材料を駆動する駆動回路部と、当該電気光学パネルに接続される配線基板と、前記電気光学パネルに光を照射する照明装置と、を備える電気光学装置であって、当該配線基板は、可撓性基板からなると共に、前記電気光学装置を制御する制御回路部を有し、前記配線基板は当該配線基板を湾曲することにより、前記制御回路部が前記駆動回路部に対向する位置に配置され、前記制御回路部の少なくとも一部が、絶縁性部材によって被覆されていること、を特徴としている。
ここで、電気光学材料もしくは電気光学装置とは、電界により物質の屈折率が変化して光の透過率を変化させる電気光学効果を有するものの他、電気エネルギーを光学エネルギーに変換するもの等も含んで総称している。例えば、電気光学材料としては、対向する電極間に挟持された液晶素子や、有機或いは無機のEL素子が挙げられる。
また、制御回路部とは、電気光学パネルを駆動させる駆動回路部を制御するものである。制御回路部としては、例えば、制御用ICや電源IC等の集積回路の他に、コンデンサ、コイル、抵抗等が挙げられる。
また、制御回路部のうち、外部ノイズが生じ易い回路構成素子を被覆するように絶縁性部材が設けられていることが好ましい。
本発明者によれば、配線基板に実装されている制御回路部の端子が、外来ノイズを放電させるアンテナ(放電側)の役割を果たしてしまい、駆動回路部(受電側)を破壊してしまうことを見出した。特に制御回路部と駆動回路部とが対向配置されている構成では、このような駆動回路部の破壊が顕著に現れることを確認した。
そこで、上記の構成に示したように、制御回路部の少なくとも一部を絶縁性部材によって被覆することにより、絶縁性部材がシールド効果を奏することとなり、外来ノイズに対する耐性を強化することができる。これによって、外来ノイズによる異常動作や駆動回路部の破壊を防止できる。従って、外部ノイズに対する耐力が高く、安定な電気光学装置を実現できる。
また、絶縁性部材が制御回路部を被覆することにより、制御回路部を構成する回路構成素子の端子が露出することがないので、端子腐敗を防止できる。
また、制御回路部が駆動回路部に対向する位置に配置されて、当該制御回路部と当該駆動回路部との相互間距離が短い構成であっても、制御回路部から生じる外部ノイズが遮蔽されるので、異常動作や駆動回路部の破壊を防止できる。また、制御回路部と駆動回路部とが対向配置されることで、電気光学装置のコンパクト化が実現されると共に、照明装置の照明光を電気光学パネルに照射することができる。
また、本発明の電気光学装置においては、前記制御回路部の全てが、前記絶縁性部材によって被覆されていること、を特徴としている。
このように、絶縁性部材が制御回路部の全てを被覆することにより、制御回路部の全ての端子が露出することがないので、上記の効果をより確実に得ることができる。
また、本発明の電気光学装置においては、前記制御回路部を構成する回路構成素子のうち、少なくとも電位がフロート状態となっている回路構成素子が前記絶縁性部材によって被覆されていること、を特徴としている。
ここで、電位がフロート状態となっている回路構成素子は、端子が接地されていないため、電気的に不安定な状態となっており、電荷が蓄積されて、外部ノイズを発生させる原因となる。そこで、このような回路構成素子を絶縁性部材によって被覆することにより、電気的に不安定な回路構成素子であっても、外部ノイズの放電を抑制できるので、上記の効果をより確実に得ることができる。また、電位がフロート状態となっている回路構成素子としてはコイルが挙げられ、当該コイルを被覆するように絶縁性部材を設けることで、外部ノイズの放電を抑制することができる。
また、本発明の電気光学装置においては、前記配線基板は、前記照明装置を備え、当該照明装置を除き、前記絶縁性部材が前記配線基板上に設けられていること、を特徴としている。
このようにすれば、照明装置には絶縁性部材が被覆されないので、絶縁性部材によって照明装置の照明光の光路が遮蔽されることを防止できる。また、配線基板上において、制御回路部のみが絶縁性部材によって被覆されるので、外部ノイズによる異常動作や駆動回路部の破壊を防止できる。
また、本発明の電気光学装置においては、前記制御回路部と前記電気光学パネルとの間には隙間領域が形成され、当該隙間領域において、前記制御回路部を構成する回路構成素子のうち、前記電気光学パネルと近接する回路構成素子が前記絶縁性部材によって被覆されていること、を特徴としている。
ここで、隙間領域とは、配線基板を湾曲させて当該配線基板と電気光学パネルとを重ね合わせた構成において、制御回路部と前記電気光学パネルとの間に形成される領域である。また、「電気光学パネルと近接する回路構成素子」とは、制御回路部を構成する複数の回路構成素子を比較して、その中で電気光学パネルと近接してしまう回路構成素子を意味している。
また、本発明者によれば、このような隙間領域において、電気光学パネルと回路構成素子とが近接していると、空気の絶縁破壊が生じ易くなり、外部ノイズによる異常動作や駆動回路部の破壊が生じてしまうことが見出された。従って、本発明のように、電気光学パネルと近接する回路構成素子が絶縁性部材によって被覆されることで、外部ノイズが生じ易い部分を局所的に遮蔽することができる。これによって、異常動作や駆動回路部の破壊を防止できる。
また、本発明の電気光学装置においては、前記絶縁性部材は、モールド材からなること、を特徴としている。
モールド材は、硬化前が流動性を有しているので、制御回路部の隅々にわたって設けることができる。また、硬化後には、配線基板との密着性が高まるので、絶縁性を向上させることができる。
また、本発明の電気光学装置においては、前記絶縁性部材は、シート状からなること、を特徴としている。
モールド材は、硬化前において流動性が高く、回路基板に塗布した際に流れ易い材料であるため、LED等の照明装置が配線基板上に設けられている場合には、モールド材がこれらを被覆して硬化することで、照明装置の光路を遮蔽してしまうおそれがある。また、IC等の集積回路やコンデンサ等の電子部品を被覆しても、端子等の凹凸部を確実に被覆させることが困難であり、露出するおそれがある。そして、端子が露出している部分では、外部ノイズが放電されてしまい、異常動作や駆動回路部の破壊を招いてしまう。
そこで、本発明では、シート状の絶縁性部材を採用して、制御回路部を被覆することにより、モールド材を採用する場合の問題点を解決できる。また、流動性を有しておらず、所定の部位に絶縁性部材を設けることができるので、取り扱いが容易になる。また、絶縁性部材の厚みや形状を安定に保つことができるので、局所的に端子が露出することがなく、高い絶縁性を得ることができる。また、シート状の絶縁性部材の中でも、熱収縮フィルムを採用することが好ましい。このようにすれば、加熱による収縮力によって絶縁性部材の形状を安定にすることができる。また、絶縁性部材としては、樹脂材料を採用することが好ましい。
また、本発明の電気光学装置においては、前記絶縁性部材は、空気よりも大きい絶縁耐力を有すること、を特徴としている。
ここで、絶縁耐力とは、材料に電界を印加したときその材料が絶縁破壊を起こさない大きさの電界のことである。本発明に適用できる絶縁材は空気よりも大きい絶縁耐力を有する材料である。空気の絶縁耐力は3.55kV/mmであるので、本発明に適用できる絶縁材は3.55kV/mmよりも大きい絶縁耐力を有する材料である。
このように絶縁性部材が空気よりも大きい絶縁耐力を有しているので、外部ノイズによる異常動作や駆動回路部の破壊を防止する効果を促進させることができる。
また、本発明の電気光学装置においては、前記絶縁性部材には、電磁波吸収物質が含有されていること、を特徴としている。
ここで、電磁波吸収物質とは、電磁波を吸収できる性質を有する物質のことである。このようにすれば、絶縁性部材が電磁波吸収物質を含有しているので、外部ノイズによる異常動作や駆動回路部の破壊を防止する効果を促進させることができる。
また、本発明の電気光学装置においては、前記駆動回路部は、導電性部材によって被覆されていること、を特徴としている。
ここで、導電性部材は、電気光学装置のフレームに接続されていることが好ましい。
本発明者は、外部ノイズを受ける側(受電側)である駆動回路部に絶縁性部材を被覆させても、異常動作や駆動回路部の破壊を防止する効果を促進させることができないことを確認した。また、本発明者は、外部ノイズによる異常動作や駆動回路部の破壊を防止する効果が得られる手段として、制御回路部を絶縁性部材で被覆するだけでなく、駆動回路部を導電性部材によって被覆することによって、その効果を向上させることができることを見出した。
このような構成においては、駆動回路部が放電経路を等価的に備えた構成となるので、駆動回路部に侵入しようとする外来ノイズを電気光学装置のフレームに逃がし、駆動回路部自身への外来ノイズを防止でき、外部ノイズに起因する電荷が駆動回路部に蓄積するのを防止できる。従って、上記の効果が得られるだけでなく、外部ノイズによる異常動作や駆動回路部の破壊を防止する効果を促進させることができる。また、導電性部材としては、銅箔やアルミ箔等の金属箔が好適に採用され、簡素な構成で上記効果を得ることができる。
本発明の電子機器は、先に記載の電気光学装置を備えること、を特徴としている。
このような電子機器は、外部ノイズによる異常動作や駆動回路部の破壊が防止された電気光学装置を備えるので、外部ノイズに対する耐力が高く、安定な電子機器を実現できる。
以下、本発明に係る電気光学装置を電気光学装置の一例である液晶表示装置に適用した場合の実施形態を例に挙げて説明する。なお、本発明がその実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これ以降の説明では図面を用いて各種の構造を例示するが、これらの図面に示される構造は特徴的な部分を分かり易く示すために実際の構造に対して寸法を異ならせて示す場合があることに注意を要する。
(電気光学装置の第1実施形態)
まず、電気光学装置の第1実施形態に係る液晶表示装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置1の平面構造を示している。図2は、その液晶表示装置1の側面構造を示している。図3は、その液晶表示装置1のうち配線基板の平面構造を示す図であって、図1の裏面側から見た配線基板の下面図である。図4は、配線基板に設けられたLEDを電気光学パネルに組み込んだ際の側面構造を示している。図5は、図4の符号Aを拡大した図であって、配線基板と電気光学パネルとの接続部の近傍を示す断面図である。
この液晶表示装置1は、液晶パネル(電気光学パネル)2と、当該液晶パネル2に接続されたFPC(配線基板、Flexible Printed Circuit)基板3とを有する。液晶パネル2は、図2に示すように、素子基板6と対向基板4とを有する。これらの基板は、図1に示す正方形状又は長方形状で環状のシール材によって貼り合わされている。これらの基板4,6の間には間隙、いわゆるセルギャップが形成され、そのセルギャップ内に液晶(電気光学材料)、例えばTN(Twisted Nematic)液晶が封入されて液晶層を構成している。
図2において、素子基板6は、ガラス、プラスチック等によって形成された透光性を備えた第1の基板6aを有し、この基板6aの外側表面に偏光板12aが例えば貼着によって装着されている。
他方、第1基板6aの内側表面、すなわち液晶側の表面には図1に示す複数の直線状のデータ線8が、例えばITO(Indium Tin Oxide)を材料としてフォトエッチング処理(すなわち、フォトリソグラフィ処理とそれに続くエッチング処理)によって形成されている。また、各データ線8に沿って複数のTFD(Thin Film Diode)素子9が形成され、さらに、各TFD素子9に対応して画素電極11が形成されている。TFD素子9は非線形抵抗素子であり、スイッチング素子として機能する。
個々のTFD素子9は、例えば、第1電極の上に絶縁膜を形成し、その絶縁膜の上に第2電極を形成することによって形成される。このような積層構造は、MIM(Metal-Insulator-Metal)構造と呼ばれることがある。個々のTFD素子9の第1電極は、例えばデータ線8に接続される。また、個々の画素電極11は個々のTFD素子9の第2電極に接続される。以上の構成により、複数のデータ線8は個々が互いに平行に並び、全体としてストライプ状に形成されている。また、複数の画素電極11は、行方向X及び列方向Yに並べられて、全体としてドットマトリクス状に配列されている。素子基板6の液晶側表面には、上記の要素の他に必要に応じて他の光学要素、例えば、層間絶縁膜、配向膜等が形成される。
図2において、素子基板6に対向する対向基板4は、ガラス、プラスチック等によって形成された透光性を備えた第2の基板4aを有し、この基板4aの外側表面に偏光板12bが例えば貼着によって装着されている。
また、偏光板12bの外側表面には、光学シート12cが設けられている。当該光学シート12cとしては、例えば、位相差板、光散乱板、反射偏光板、プリズムシート等を採用することができる。また、光学シート12cの外側表面には、導光板12dが設けられており、後述するLED(照明装置)36の照明光を光学シート12cの全面に向けて導くようになっている。また、導光板12dの外側表面には、反射板(図示略)が設けられており、導光板12dによって導かれた照明光を、対向基板4の側に反射させるようになっている。
他方、第2基板4bの内側表面には、図1に示す複数の帯状電極13が形成される。これらの帯状電極13は走査電極として機能する。これらの帯状電極13は、個々がデータ線8に対して直角方向(すなわち、行方向X)に延び、全体としてストライプ状に形成されている。
個々の帯状電極13は、素子基板6上で行方向Xに並ぶ複数の画素電極11と平面視でドット状に重なり合っている。このドット状の領域は表示の最小単位を構成する領域であり、サブ画素と呼ばれることがある。サブ画素と呼ばれる理由は次の通りである。液晶パネル2によってR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色、又はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3原色を用いてカラー表示を行う場合には、表示の最小単位であるドット状領域がR,G,B又はC,M,Yの3個分集まって1つの画素が形成される。
上記のサブ画素はこの1つの画素を形成する要素という意味でサブ画素と呼ばれるものである。なお、白黒表示又は他の2色によるモノカラー表示の場合には、1つのサブ画素によって1つの画素が形成される。
また、素子基板6を構成する第1基板6aの液晶側表面には、帯状電極の他にカラーフィルタ層、配向膜、その他必要に応じて各種の光学要素が形成される。カラーフィルタ層は、R,G,B又はC,M,Yの各色着色要素と、それらの着色要素の間に設けられる遮光部材、すなわちブラックマスクとによって形成される。個々の着色要素は個々のサブ画素に重なる領域に設けられる。
複数の画素電極11と複数の帯状電極13とが重なり合って形成されたサブ画素は、画素電極11と同じく行方向X及び列方向Yに沿ってドットマトリクス状に並ぶことになる。そして、そのように並んだ複数のサブ画素によって表示領域V(図1)が形成され、この表示領域V内に文字、数字、図形等といった画像が表示される。
次に、図3を参照して、FPC基板3の構成について詳述する。
液晶パネル2に接続されたFPC基板3は、複数の入力端子18、制御回路部19、及び、複数の出力端子21を有する。
ここで、FPC基板3は、ポリイミド等のフィルム基板を基体とし、可撓性を有する基板である。また、詳細には、ベースフィルムの表面又は表裏両面に銅(Cu)線等によって配線パターンが形成され、その配線パターンをカバーレイ、レジスト等といった保護膜で覆うことによって形成されたものである。また、保護膜はFPC基板3の広い範囲にわたって形成されるが、入力端子18、制御回路部19、及び出力端子21が形成されている領域には保護膜は形成されておらず、当該端子18,21や制御回路部19と電気的な導通が確保されている。
また、入力端子18は、液晶表示装置1に付設された集積回路等に接続される端子である。入力端子18から入力される信号は、入力配線18aを通じて制御回路部19に与えられるようになっている。
また、制御回路部19は、複数の回路構成素子からなり、例えば、コンデンサ31、コイル32、抵抗33、電源用IC34、制御用IC35、LED36を備えている。また、各回路構成素子は、FPC基板3に形成された配線パターンを通じて電気的に接続されている。また、LED36は、FPC基板3上に3つ設けられており、符号Bに示す方向に照明光を出射するようになっている。そして、本実施形態においては、LED36を除いて、FPC基板3上に絶縁フィルム(絶縁性部材)40が設けられ、当該絶縁フィルム40は、制御回路部19の全てを被覆している。
また、絶縁フィルム40は、制御回路部19を被覆すると共に、FPC基板3と密着して貼り付けられるシート状部材である。更に、シート状の絶縁フィルム40の中でも、熱収縮フィルムを採用することが好ましく、このようにすれば、加熱による収縮力によって絶縁フィルム40をFPC基板3に密着させることができると共に、絶縁フィルム40の形状の安定化を図ることが可能となる。
なお、絶縁フィルム40とFPC基板3との間に、接着剤を介在させ、絶縁フィルム40を貼り付け固定されてもよい。これによっても、絶縁フィルム40とFPC基板3とを密着させることが可能となる。
また、絶縁フィルム40は、その材料の特性として、空気よりも大きい絶縁耐力を有している。ここで、絶縁耐力とは、物質の特性を表すために用いられる周知の物理量であり、物質が絶縁破壊を起こさない状態を維持できる最大の電界値のことである。そして、空気の絶縁耐力が3.55kV/mmであることを考慮すれば、本実施形態では、絶縁フィルム40を構成する絶縁樹脂として、例えばシリコン樹脂(絶縁耐力=15〜25kV/mm)を用いることにより、絶縁フィルム40の絶縁耐力を空気の絶縁耐力よりも大きくすることが可能となる。
なお、絶縁耐力が空気の絶縁耐力よりも大きくなるのであれば、シリコン樹脂以外の任意の物質を絶縁フィルム40の絶縁樹脂として使用できる。このような材料としては、シェラック(10〜23)、漆(25〜100)、フェノール樹脂(10〜20)、ユリア樹脂(7.2〜10.5)、ポリエステル(10〜20)、エポキシ(16〜22)、ポリエチレン(18〜28)、ポリスチロール(20〜50)、軟質エンビ(10〜30)、硬質エンビ(17〜50)、酢酸セルロース(12〜16)、テフロン(登録商標)(20)、生ゴム(10〜20)、軟質ゴム(10〜24)、エボナイト(10〜70)、ブチルゴム(20〜30)、ネオプレーン(10〜15)等を採用することができる。従って、主として樹脂材料を採用することができる。なお、上記の括弧内はその材料が有する絶縁耐力(kV/mm)を示している。
次に、図4を参照し、LED36を液晶パネル2に組み込んだ際の構成について説明する。
FPC基板3は、可撓性を有していることから、図4に示すように湾曲させることが可能となっている。そして、本実施形態においては、LED36の光出射側を素子基板6の導光板12dの側面に接触させることで、LED36を液晶パネル2の一部として組み込ませている。このような構成により、LED36から出射される照明光は、導光板12dの内部において符号36aに示す方向に進むと共に、光学シート12cや反射板によって符号36bに示す方向に出射される。これにより、LED36の照明光を液晶パネル2に照射することが可能となる。
また、このようにFPC基板3を湾曲させて、LED36が液晶パネル2に組み込まれる構成においては、制御回路部19と液晶パネル2とが対向配置されている。また、詳細には、液晶パネル2を構成する駆動用IC23(後述、駆動回路部)に対して、制御回路部19が対向配置されている。これによって制御回路部19と制御回路部19との間には隙間領域45が形成される。ここで、上記のように制御回路部19の全てに対して絶縁フィルム40が被覆されているので、隙間領域45に制御回路部19が露出することがない。
また、図4において、第1基板6aは第2基板4aの外側へ張り出す張出し部14を有する。この張出し部14の表面には、図5に示すように、配線16及び外部接続端子17がITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成されている。配線16は張出し部14上に複数形成されており、これらの配線16は図5の紙面垂直方向に所定の間隔をおいて互いに平行に設けられ、個々の配線16は図5の左右方向へ延びている。また、外部接続端子17も図1に示すように張出し部14上に複数形成されており、それらの端子17は互いに間隔をおいて平行に並ぶように形成されている。
図5において、張出し部14上に駆動用IC23がACF(Anisotropic Conductive Film)24を用いたCOG(Chip On Glass)技術によって実装されている。具体的には、駆動用IC23の全体がACF24の樹脂によって張出し部14に固着されている。また、駆動用IC23のバンプがACF24内に分散された導電粒子26によって配線16及び外部接続端子17に導電接続されている。ベースフィルム27、出力端子21、及び保護膜28を含むFPC基板3は、ACF24によって張出し部14に接続されている。具体的には、FPC基板3の全体がACF24の樹脂によって張出し部の辺端に固着されている。また、FPC基板3の出力端子21がACF24内の導電粒子26によって張出し部14上の外部接続端子17に導電接続されている。
また、駆動用IC23には、これを被覆するように、銅箔からなる金属箔(導電性部材)41が設けられている。また、金属箔41の一部は、液晶表示装置1のフレームに接続され、接地状態となっている。即ち、駆動用IC23は、接地された所定の電位に維持されている金属箔によって被覆されている。
また、FPC基板3において、出力端子21が設けられている先端部分には保護膜28が形成されていない。これは、出力端子21と張出し部14側の端子17との導電接続を確実に行うための措置である。張出し部14とFPC基板3との接続部分において保護膜28が形成されている部分には、絶縁材29が設けられている。この絶縁材29は図1に示すように、FPC基板3の液晶パネル2への接続部分の幅方向の全域に設けられている。これにより、全ての出力端子21が外部へ露出することを絶縁材29によって防いでいる。
このように構成された液晶表示装置1においては、図1においてFPC基板3の入力端子18へ画像信号が供給されると、制御回路部19において所定の信号処理が行われて、液晶パネル2を駆動するための信号がFPC基板3の出力端子21及び液晶パネル2の外部接続端子17を介して駆動用IC23へ伝送される。駆動用IC23は供給された信号に基づいてデータ信号及び走査信号を生成し、データ信号をデータ線8へ伝送し、走査信号を帯状電極13へ伝送する。
そして、表示領域V内の複数のTFD素子9はデータ信号及び走査信号の内容に応じてサブ画素ごとにON/OFF制御され、これにより、液晶層内の液晶分子の配向がサブ画素ごとに制御される。そして、液晶層に光が供給されたとき、その光が液晶分子の配向状態に応じてサブ画素ごとに変調され、その変調された光が図2の偏光板12a又は偏光板12bを通過するときに、偏光板12a,12bの偏光軸の状態に応じて光の通過の許容及び光の通過の禁止が選択され、その結果、当該偏光板12a又は偏光板12bの外側に文字、数字、図形等といった像が表示され、観察者によって視認される。
また、液晶パネル2による表示を行う必要が無い場合、FPC基板3の入力端子18には図示しないホスト回路からリセット信号が供給される。すると、駆動用IC23から液晶パネル2への走査信号及びデータ信号の供給が中止され、表示領域V内の表示が消える。
本実施形態に係る液晶表示装置1に関して、FPC基板3の制御回路部19に絶縁フィルム40を設けることは既述の通りである。仮に、この絶縁フィルム40を設けないことにすると、図4において、FPC基板3の制御回路部19に絶縁フィルム40が設けられていない領域で、制御回路部19の回路構成素子が外部へ露出するという事態が生じる。
こうなると、制御回路部19から生じる静電気等の外来ノイズが、駆動用IC23に電気信号として拾われてしまい、駆動用IC23が誤作動して液晶パネル2の表示に乱れが生じるおそれがある。これにより、FPC基板3の入力端子18にリセット信号が供給されていないのに、表示領域V内の表示が消えてしまうという誤作動が生じたりする。また、駆動用IC23の内部の半導体積層構造体を破壊してしまうというおそれがある。
この点に関し、本実施形態では、FPC基板3の制御回路部19に絶縁フィルム40を設けることにより、図4で示すように、FPC基板3の制御回路部19が外部へ露出することを防止した。
上述したように、本実施形態の液晶表示装置1においては、制御回路部19の全てが、絶縁フィルム40によって被覆されているので、当該絶縁フィルム40がシールド効果を奏することとなり、制御回路部19から生じる外来ノイズに対する耐性を強化することができ、当該外来ノイズによる異常動作や駆動用IC23の破壊を防止できる。これによって、静電気等の外部ノイズに対する耐力が高く、安定な液晶表示装置を実現できる。また、絶縁フィルム40が制御回路部19を被覆することで、制御回路部19を構成する回路構成素子が露出することがないので、端子腐敗を防止できる。
また、FPC基板3上において、制御回路部19のみに絶縁フィルム40が被覆され、LED36には絶縁フィルム40が被覆されないので、当該絶縁フィルム40によってLED36の照明光の光路が遮蔽されることを防止できる。
また、制御回路部19と駆動用IC23とが対向配置されている構成では、相互間距離が短くなり、制御回路部19からの外部ノイズが液晶パネル2に対して影響を与え易くなるが、上記のように絶縁フィルム40が制御回路部19を被覆しているので、制御回路部19から生じる外部ノイズが遮蔽され、異常動作や駆動用IC23の破壊を防止できる。
また、絶縁フィルム40は、シート状からなるので、所定の部位に設けることができ、取り扱いが容易になる。また、絶縁フィルム40の厚みや形状を安定に保つことができるので、局所的に端子が露出することがなく、高い絶縁性を得ることができる。また、絶縁フィルム40として、熱収縮フィルムを採用した場合には、加熱による収縮力によって絶縁性部材の形状を安定にすることができる。
また、絶縁フィルム40は、その材質が空気よりも絶縁耐力の大きい物質によって構成されているので、外部ノイズによる異常動作や駆動用IC23の破壊を防止する効果を促進させることができ、それ故、液晶パネル2によって安定した表示を行うことができる。
また、駆動用IC23には、これを被覆するように、銅箔からなる金属箔41が設けられているので、駆動用IC23に侵入しようとする外来ノイズを液晶表示装置1のフレームに逃がして、駆動用IC23の自身への外来ノイズを防止でき、外部ノイズに起因する電荷が駆動用IC23に蓄積するのを防止できる。従って、上記の絶縁フィルム40による効果が得られるだけでなく、金属箔41が外部ノイズを逃がすことで、異常動作や駆動用IC23の破壊を相乗的に防止することができる。
なお、本実施形態においては、絶縁性部材として、シート状の絶縁フィルム40を採用したが、この形態以外にも、絶縁性部材のモールド材を制御回路部19に被覆させてもよい。このようなモールド材としては、例えばシリコン樹脂や、既述の樹脂材料を主体とする樹脂モールドを採用することが可能である。モールド材は、硬化前が流動性を有しているので、制御回路部の隅々にわたって設けることができる。また、硬化後には、配線基板との密着性が高まるので、絶縁性を向上させることができる。また、LED36の照明光の光路を被覆しないように、壁部を制御回路部に設けて壁部内に硬化前のモールド材を流し込んで、その後に硬化させてもよい。このようなモールド材からなる絶縁性部材を採用しても、既述と同様の効果が得られる。
(電気光学装置の第2実施形態)
次に、電気光学装置の第2実施形態に係る液晶表示装置について説明する。
以下の説明では、既述の実施形態と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
図6は、液晶表示装置のうち配線基板の平面構造を示す図であって、配線基板の下面図である。
本実施形態の液晶表示装置101は、FPC基板3上においてコイル32のみに絶縁フィルム40を被覆した点が第1実施形態と異なる。
ここで、コイル32は、一端の端子がFPC基板3の配線パターンに接続されているものの、他方の端子が接続されていない(接地されていない)ため、当該端子において電位がフロート状態になり易い回路構成素子である。これに対して、コンデンサ31や抵抗33は、両端子が配線パターンに接続されているため、電位がフロート状態となりにくく、従って、コイル32と比べて電位が安定となる回路構成素子である。
このように、コイル32は、他の回路構成素子と比べて電気的に不安定な素子であるために、電荷が蓄積されて外部ノイズを発生させる原因となる。そこで、コイル32のみに絶縁フィルム40を被覆することにより、電気的に不安定な回路構成素子であっても、外部ノイズの放電を抑制できるので、外部ノイズによる異常動作や、駆動用IC23の破壊を防止できる。
なお、本実施形態においては、コイル32のみを被覆したが、電源用IC34や制御用IC35に対して絶縁フィルム40を被覆した構成を採用してもよい。このようにすれば、電源用IC34や制御用IC35から生じる外部ノイズを防止することができる。
(電気光学装置の第3実施形態)
次に、電気光学装置の第3実施形態に係る液晶表示装置について説明する。
以下の説明では、図4を参照して説明すると共に、既述の実施形態と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の液晶表示装置においては、制御回路部19の回路構成素子のうち、隙間領域45において液晶パネル2と近接する回路構成素子が、絶縁フィルム40によって被覆されている。このような回路構成素子としては、例えば、コンデンサ31やコイル32が挙げられる。これらは、制御回路部19の中でも比較的サイズが大きく、隙間領域45において液晶パネル2と近接してしまう素子である。
そして、隙間領域45において、液晶パネル2と回路構成素子とが近接してしまうと、空気の絶縁破壊が生じ易くなり、外部ノイズによる異常動作や駆動用IC23の破壊が生じ易くなる。そこで、液晶パネル2に近接する回路構成素子を絶縁フィルム40で被覆することで、外部ノイズが生じ易い部分を局所的に遮蔽することができる。これによって、異常動作や駆動用IC23の破壊を防止できる。
(電気光学装置の第4実施形態)
次に、電気光学装置の第4実施形態に係る液晶表示装置について説明する。
以下の説明では、図7(a)、(b)を参照して説明すると共に、既述の実施形態と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。ここで、図7(a)はFPC基板の要部平面図を、図7(b)はFPC基板の要部側面構造をそれぞれ示している。
本実施形態の液晶表示装置においては、制御回路部19の回路構成素子のうち、端子電極部分を含む一部分のみを上記絶縁樹脂で構成されたモールド材42で被覆している。すなわち、例えばコンデンサ31では、図7(b)に示すように、端子電極31Aを含む一部をモールド材42で被覆している。したがって、コンデンサ31において、端子電極31Aが外部に露出していない。また、LED36を除くコイル32や抵抗33等、他の回路構成素子の端子電極も、コンデンサ31と同様にモールド材42で被覆している。このように、ノイズの発生源となる回路構成素子の端子電極をモールド材42で被覆することで、上述した第1実施形態と同様に、制御回路部19から生じる外来ノイズに対する耐性を強化することができ、当該外来ノイズによる異常動作や駆動用IC23の破壊を防止できる。これによって、静電気等の外部ノイズに対する耐力が高く、安定な液晶表示装置を実現できる。
なお、上述と同様に、モールド材42に替えて絶縁フィルム40で端子電極部分を被覆してもよい。
(電気光学装置の第5実施形態)
次に、電気光学装置の第5実施形態に係る液晶表示装置について説明する。
以下の説明では、既述の実施形態と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、絶縁フィルム40は、絶縁樹脂の中に電磁波吸収物質を含んで成る材料によって形成されている。電磁波吸収物質としては、例えば、フェライト粉や、軟磁化物質であるパーマロイ等を用いることができる。また、軟磁化物質は、軟磁性体のことであり、磁化や減磁化が比較的容易にできる磁性体のことである。この軟磁化物質は、高透磁率を有する低保持力材料であることを特徴としている。この軟磁化物質としては、例えば、パーマロイ、センダスト、Fe−Al−Cr合金、電磁スレンレス鋼等を用いることができる。
このように絶縁フィルム40が電磁波吸収物質を含有することにより、外部ノイズによる異常動作や駆動用IC23の破壊を防止する効果を促進させることができる。
(電気光学装置のその他の実施形態)
以上の実施形態では、電気光学装置の1つである液晶表示装置に対して本発明を適用したが、本発明は、液晶表示装置以外の電気光学装置として、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に適用することができる。また、EL表示装置としては、有機EL或いは無機ELを採用することができる。
この場合には、EL表示装置が、EL素子を備えたELパネル(電気光学パネル)と、当該ELパネルに接続されるFPC基板3とを有し、FPC基板3が、ELパネルの動作を制御する制御回路部19を備え、当該制御回路部19に絶縁フィルム40が被覆されている構成が採用される。このような構成により、既述の実施形態と同様に、制御回路部19からELパネルに向けて発生する外部ノイズを防止できる。
なお、EL表示装置以外にも、プラズマ表示装置等にも適用できる。
また、以上の実施形態では、スイッチング素子として2端子型の素子であるTFD素子を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置に対して本発明を適用したが、本発明は、3端子型のスイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)素子を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置にも適用できる。また、本発明は、スイッチング素子を用いない単純マトリクス型の液晶表示装置にも適用できる。
(電子機器の実施形態)
以下、本発明に係る電子機器の実施形態について説明する。なお、この実施形態は本発明の一例を示すものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図8は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。
ここに示す電子機器は、液晶表示装置121と、これを制御する制御回路120とを有する。制御回路120は、表示情報出力源124、表示情報処理回路125、電源回路126及びタイミングジェネレータ127によって構成される。そして、液晶表示装置121は液晶パネル122及び駆動回路123を有する。
表示情報出力源124は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種ディスク等といったストレージユニットや、ディジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ127により生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路125に供給する。
次に、表示情報処理回路125は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路123へ供給する。ここで、駆動回路123は、走査線駆動回路やデータ線駆動回路と共に、検査回路等を総称したものである。また、電源回路126は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
液晶表示装置121は、例えば、図1に示す液晶表示装置1や、図6に示す液晶表示装置101等を用いて構成できる。これらの液晶表示装置によれば、FPC基板3の制御回路部19に、空気よりも大きい絶縁耐力を持った絶縁フィルム40を設けることにより、制御回路部19から液晶パネル2に向けて外部ノイズが発生することを防止し、液晶表示装置の液晶パネル2によって安定した表示を行うことができるようにした。従って、これらの液晶表示装置のいずれかを用いて構成された電子機器においても、その表示部において、安定した表示を行うことができる。
次に、図9は、本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示している。
ここに示す携帯電話機130は、本体部131と、これに開閉可能に設けられた表示体部132とを有する。液晶表示装置等といった電気光学装置によって構成された表示装置133は、表示体部132の内部に配置され、電話通信に関する各種表示は、表示体部132において表示画面134によって視認できる。本体部131には操作ボタン136が配列されている。
表示体部132の一端部にはアンテナ137が伸縮自在に取付けられている。表示体部132の上部に設けられた受話部138の内部には、図示しないスピーカが配置される。
また、本体部131の下端部に設けられた送話部139の内部には図示しないマイクが内蔵されている。表示装置133の動作を制御するための制御部は、携帯電話機の全体の制御を司る制御部の一部として、又はその制御部とは別に、本体部131又は表示体部132の内部に格納される。
表示装置133は、例えば、図1に示す液晶表示装置1や、図6に示す液晶表示装置101等を用いて構成できる。これらの液晶表示装置によれば、FPC基板3の制御回路部19に、空気よりも大きい絶縁耐力を持った絶縁フィルム40を設けることにより、制御回路部19から液晶パネル2に向けて外部ノイズが発生することを防止し、液晶表示装置の液晶パネル2によって安定した表示を行うことができるようにした。従って、これらの液晶表示装置のいずれかを用いて構成された電子機器においても、その表示部において、安定した表示を行うことができる。
(変形例)
なお、電子機器としては、以上に説明した携帯電話機等の他にも、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末器等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置の第1実施形態を示す平面図。 本発明の液晶表示装置の第1実施形態を示す側面図。 本発明の液晶表示装置の第1実施形態を示す要部平面図。 図2の配線基板を電気光学パネルに組み込んだ際の側面図。 図4の要部を示す拡大側面図。 本発明の液晶表示装置の第2実施形態を示す要部平面図。 本発明の液晶表示装置の第4実施形態を示す要部平面図及び要部側面図。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図。 本発明に係る電子機器の他の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1,101,121 液晶表示装置(電気光学装置)、 2 液晶パネル(電気光学パネル)、 3 FPC基板、 19 制御回路部、 23 駆動用IC(駆動回路部)、 31 コンデンサ(回路構成素子)、 32 コイル(回路構成素子)、 33 抵抗(回路構成素子)、 34 電源用IC(回路構成素子)、 35 制御用IC(回路構成素子)、 36 LED(照明装置、回路構成素子)、 40 絶縁フィルム(絶縁性部材)、42 モールド材(絶縁性部材)、45 隙間領域、 130 携帯電話機(電子機器)

Claims (11)

  1. 電気光学材料を備える電気光学パネルと、当該電気光学パネル上に配置され前記電気光学材料を駆動する駆動回路部と、当該電気光学パネルに接続される配線基板と、前記電気光学パネルに光を照射する照明装置と、を備える電気光学装置であって、
    当該配線基板は、可撓性基板からなると共に、前記電気光学装置を制御する制御回路部を有し、
    前記配線基板は当該配線基板を湾曲することにより、前記制御回路部が前記駆動回路部に対向する位置に配置され、
    前記制御回路部の少なくとも一部が、絶縁性部材によって被覆されていること、
    を特徴とする電気光学装置。
  2. 前記制御回路部の全てが、前記絶縁性部材によって被覆されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記制御回路部を構成する回路構成素子のうち、少なくとも電位がフロート状態となっている回路構成素子が前記絶縁性部材によって被覆されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  4. 前記配線基板は、前記照明装置を備え、
    当該照明装置を除き、前記絶縁性部材が前記配線基板上に設けられていること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記制御回路部と前記電気光学パネルとの間には隙間領域が形成され、
    当該隙間領域において、前記制御回路部を構成する回路構成素子のうち、前記電気光学パネルと近接する回路構成素子が前記絶縁性部材によって被覆されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記絶縁性部材は、モールド材からなること、
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記絶縁性部材は、シート状からなること、
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記絶縁性部材は、空気よりも大きい絶縁耐力を有すること、
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記絶縁性部材には、電磁波吸収物質が含有されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記駆動回路部は、導電性部材によって被覆されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えること、
    を特徴とする電子機器。
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