JP2007023912A - 送風装置の駆動制御装置 - Google Patents

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圭成 駒田
Yoshiaki Ito
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Abstract

【課題】畜舎内に設置した複数の送風装置を該送風装置の設置場所の温度を基礎として、送風装置の回転数(風量)を個々に設定可能とした送風装置の駆動制御装置を提供する。
【解決手段】 畜舎内に所定の間隔を保って複数台配設した送風装置2と、前記各送風装置2に個別に取付けた温度検出センサ26と、設定温度に対応する送風装置2の回転数を設定したプログラムを格納して前記送風装置2に設けた駆動制御手段20に送風装置の温度・回転数情報を送出するコントローラ7とからなり、前記送風装置2をコントローラ7にて設定した温度に対応する回転数にて起動させ、送風装置2の起動後は各送風装置2に取付けた温度検出センサ26にて検出した温度に対応する回転数情報を選択・設定して各送風装置2を駆動させるように構成したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、畜舎内に複数台配設した送風装置を該畜舎内の温度や湿度等の状況に対応して、所定の風量が得られる回転速度に駆動制御可能とした送風装置の駆動制御装置の改良に関する。
従来から、例えば、牛舎や豚舎等の畜舎においては、畜舎内の飼育環境を良好に維持するために、建屋の面積に応じて複数の送風装置(大形扇風機)を、例えば、天井から吊設する等して構成した換気装置が設置されている。前記複数の送風装置からなる換気装置は、夏場から秋にかけて家畜の暑さに対する疲労(夏ばて)を防ぐとともに、晩秋や初夏においては日中と朝・夕方の温度差を解消して家畜がカゼをひかぬように畜舎内を良好に換気したり、あるいは、畜舎の床に敷きつめたわらやおがくずからなる敷物を乾燥させたり、更には畜舎内の糞尿や家畜の体臭等から発する悪臭を屋外に排出する等、常に畜舎内の飼育環境を最適に維持して家畜を良好な健康状態で飼育するために設置されている。
前記複数の送風装置からなる換気装置においては、飼育する家畜はもとより飼育環境、畜舎の設置場所を考慮して、複数の送風装置を、例えば、一つの温度検出センサとコントローラを使用し、かつ、前記コントローラには、複数の送風装置の回転数を温度に追従させて一括、あるいは、個別に制御する温度制御手段と、温度に関係なく複数の送風装置の回転数を一括、または、個別に制御する回転数制御手段とを具備して構成し、しかも、前記温度制御手段には、それぞれ環境に適応した所要の温度制御パターンを備え、かつ、適正な複数の温度パターンを個別に選択することにより、常に送風装置を、その設置場所の環境や飼育する家畜の年令等に応じた回転数(風量)を任意に選択して駆動するように構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−190616号公報
然るに、前記換気装置においては、各送風装置の回転数をそれぞれ家畜の飼育状況及び畜舎内の温度に応じて個々に設定できるように構成されているので、利便である反面、各送風装置は、その回転数(風量)を畜舎内の温度に追随させてコントローラにより一括、あるいは、個別に制御するように構成していたので、コントローラの制御手段が非常に複雑化し、その製作原価を著しく高くするという問題があった。
また、前記複数の送風装置を具備して構成した換気装置の制御手段においては、例えば、各送風装置の回転数を温度に追随させて制御する場合、畜舎内の一ヶ所に設置した一つの温度検出センサにより畜舎内の温度を検出し、その検出した温度に応じて各送風装置の回転数を設定するように構成されているので、温度検出センサの設置場所付近の送風装置は、比較的温度検出センサの検出温度に対応する回転数で駆動させることができるものの、温度検出センサの設置場所から離れている場所に設置されている送風装置においては、温度検出センサの設置場所に比べて日当りが良かったり、逆に、日陰とか風の流通が悪いような場合、畜舎内の全送風装置は、前記温度検出センサにて検出した温度に対応する回転数(風量)で駆動制御されることになるため、前記のように、送風装置の設置場所が異なった場合、温度に対応して適切に回転数を制御することができなくなるという問題があった。
更に、前記の問題を考慮して各送風装置には、回転数を個別に制御する手段も付加されているので、各送風装置の回転数を設置場所に対応して個別に制御すれば良いが、この場合、送風装置が数台程度であれば特に問題はないが、畜舎が広く数10台以上の送風装置が設置されているような場合、送風装置の温度条件を個々に変更してその回転数を個別に設定するには、多大な時間と労力を要するとともに、日々の温度変化に追随して、毎日送風装置の駆動条件を個別に設定することは非常に手間がかかり面倒であるばかりか、家畜の飼育作業(例えば、畜舎の清掃時間、餌を与える時間、家畜の生育観察の遅れ等)に悪影響をおよぼすという問題もあった。
本発明は、前記の種々な問題点に鑑み、畜舎内に配設した複数の送風装置をその設置場所の温度に適応する回転数にて駆動させるようにした、飼育環境及び省エネ効果に適した送風装置の駆動制御装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、畜舎内に所定の間隔を保って複数台配設した送風装置と、前記各送風装置に個別に取付けた温度検出センサと、設定温度に対応する送風装置の回転数を設定したプログラムを格納して前記送風装置に設けた駆動制御手段に送風装置の温度・回転数情報を送出するコントローラとからなり、前記送風装置をコントローラにて設定した温度に対応する回転数にて起動させ、送風装置の起動後は各送風装置に取付けた温度検出センサにて検出した温度に対応する回転数情報を選択・設定して各送風装置を駆動制御させるように構成したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の送風装置の駆動制御装置において、前記コントローラは、畜舎内の最低温度から最高温度に至るまでの各温度と、前記温度に対応する送風装置の回転数のデータを事前にプログラム設定したプログラムと、畜舎内温度に設定した温度情報と、該温度情報に対応する送風装置の回転数情報を各送風装置の駆動制御手段に送出する温度・回転数情報送出プログラムとをそれぞれ格納して構成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の送風装置の駆動制御装置において、前記コントローラに格納したプログラムは、送風装置の回転数を各温度に対応して選択的に設定する温度・回転数選択手段と、前記温度・回転数を選択しない送風装置を事前に設定して該送風装置を駆動させないようにした送風装置駆動停止選択手段とを具備して構成したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1,2記載の送風装置の駆動制御装置において、送風装置の駆動制御手段は、コントローラから送出される温度・回転数情報及び温度検出センサにて検出した送風装置付近の検出温度が入力される入力部と、前記温度・回転数情報を記憶するメモリと、温度検出センサにて検出した温度情報に対応する送風装置の回転数情報を前記メモリより読み出す制御部と、前記制御部にて読み出した前記回転数情報を当該送風装置の運転を駆動制御するインバータに駆動制御信号として出力する出力部とを具備して構成したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の送風装置の駆動制御装置において、前記駆動制御手段の制御部は、温度検出センサによる送風装置付近の検出温度が入力されたときメモリに記憶されている当該温度情報に対応する回転数情報を前記メモリから読み出して出力部に出力する機能を備え、かつ、該出力部は前記制御部から出力された回転数情報に基づく駆動制御信号をインバータ駆動信号として出力する機能を具備して構成したことを特徴とする。
請求項1記載の発明においては、コントローラに各送風装置を所定の設定温度に対応する回転数(風量)にて回転させるようにした温度・回転数情報を備えたプログラムと、前記温度・回転数情報にて設定されている温度に対応する送風装置の回転数、即ち、例えば、畜舎内の温度が0℃から40℃までというように、所定の温度範囲内において各温度に対応する送風装置の回転数を、各送風装置の駆動制御手段に送出(出力)する温度・回転数情報送出手段を備えたプログラムを格納し、各送風装置を、起動時はコントローラにより設定された温度に対応する回転数にて起動させ、起動後は、各送風装置にそれぞれ設置された温度検出センサにより検出した温度に対応する回転数を各送風装置の駆動制御手段より検索して送風装置を前記検索した回転数にて駆動するように構成したので、畜舎内に配設した各送風装置は、これまでのように、畜舎内に設けた1個の温度検出センサにて畜舎内のすべての送風装置の回転数を設定・制御したり、あるいは、畜舎内に配設した各送風装置をコントローラにて個別に回転数を制御して駆動させるようにした場合と全く異なり、各送風装置はその起動後当該送風装置に設置された温度検出センサにより検出した温度に対応する回転数により駆動するように構成したので、送風装置は畜舎内において、日当りの良い場所や、通気性に優れた場所とか、逆に、日照の乏しい場所とか、風通しの悪い場所に応じてその回転数を、検出温度に応じて任意に自動変更できるため、広い畜舎内においても、常に送風装置は自体の配設場所の温度に対応して回転数を設定して回転させることができるので、畜舎内をほぼ均一に換気することが可能となり、家畜の飼育環境を良好に向上させることができる利点を備えている。
請求項2記載の発明においては、コントローラ自体が各送風装置を所定の温度に対応した回転数にて回転させるための温度・回転数情報のプログラムと、前記温度・回転数情報を各送風装置の駆動制御手段に送出するための温度・回転数情報送出プログラムとを具備した簡素なプログラムを格納して構成されているので、多数の送風装置を制御するためのコントローラ自体を、簡素なプログラム設定によって構成することが可能となり、送風装置の駆動制御装置を簡素に、かつ、経済的に製作することができ利便である。
請求項3記載の発明においては、コントローラに格納した温度・回転数情報の中に、送風装置をその起動時所定の温度に対応した回転数にて起動させるための温度・回転数選択手段と、送風装置を必要に応じて駆動させないようにした送風装置駆動停止選択手段とを具備して構成されているので、各送風装置はその起動時畜舎内の平均温度に近い温度に対応する回転数にて起動させ、送風装置の起動後は、直ちに送風装置自体に設置した温度検出センサにて検出した温度に対応する回転数を選択して送風装置を駆動させるようにしても、両者に大きな違和感を発生させることがないので、回転数(風量)の変更に伴う家畜の飼育環境に悪影響を与えることがほとんどなく、むしろ、飼育環境に適した風量を早期に提供することができ、利便であるとともに、換気に不要な送風装置(送風装置の設置場所に家畜がいない場合等)は事前にコントローラにて送風を停止させることができるため、省エネ効果が期待できるという利便性も具備している。
請求項4記載の発明においては、各送風装置に該送風装置の駆動(回転数)を制御する駆動制御手段が具備されており、かつ、前記駆動制御手段には、コントローラからの温度・回転数情報を格納するためのメモリと、温度検出センサにて検出した温度に対応する回転数情報を前記メモリから読み出して、送風装置の駆動を制御するインバータに送出する制御部とを備えて構成されているので、送風装置に具備した温度検出センサにて検出した温度に対応する回転数情報に基づく送風装置の回転数を演算処理するための演算手段とか、前記検出温度とメモリに記憶されている温度・回転数情報と比較するための比較手段等を全く必要とせず、常に最適温度に対応する回転数情報のみを読み出して、その回転数情報に相当する駆動制御信号を送風装置を駆動する電動機のインバータに送出する機能のみによって駆動制御手段が構成されているので、送風装置の駆動制御手段自体を簡易に、かつ、経済的に製作できるという優れた利点を備えている。
請求項5記載の発明においては、駆動制御手段の制御部が、送風装置に設置されている温度検出センサにて検出した温度が入力されたとき、メモリに格納されている前記検出温度に相当する回転数情報を読み出してその回転数情報に対応する駆動制御信号を出力部を介して送風装置を駆動する電動機のインバータに送出するように構成されているので、制御部自体は温度検出センサが検出した温度に対応する回転数情報をメモリから読み出すという簡易な機能だけを具備すればよいので、送風装置の駆動制御手段を簡易化することができることと相まって、簡易に、かつ、必要な情報(送風装置の回転数情報)のみを入手できるように構成すればよいので、信頼性に優れた送風装置の駆動制御手段を簡素な構成で、しかも、経済的に製作することができるという優れた効果を備えている。
以下、本発明の実施例を図1ないし図8によって説明する。図1において、1は例えば、畜舎に配設した複数の送風装置2に駆動電力を供給するための駆動電源で、商用電源、あるいは、自家用発電装置により発電した電源からなる。また、前記複数配置された送風装置2は、前記駆動電源1に対してそれぞれ電力線1aを介して並列接続されている。
そして、前記駆動電源1に並列接続された各送風装置2は、図1,2に示すように、電動機3に取付けた送風ファン4と、この送風ファン4を回転可能に取付けた前記電動機3を支持する送風枠体5とによって概略構成されている。6は前記駆動電源1に接続した操作装置を示し、この操作装置6は、基本的には前記送風装置2をその起動・停止と、起動時における送風装置2の回転数を一括にて駆動制御するためのコントローラ7を具備して構成されている。また、前記コントローラ7と各送風装置2は信号線7aを介して接続されており、コントローラ7からの指令を各送風装置2の後述する駆動制御手段に送出する。
次に、操作装置6に具備したコントローラ7は、図4に示す操作部8に設けた各種のスイッチ、設定キーによって任意に操作できるように構成されている。即ち、図4に示す操作装置6の操作部8において、9はコントローラ7の電源スイッチを示し、10は各送風装置2を運転したり、停止させたりする運転/停止スイッチであり、11は畜舎内の温度を所定の温度に設定したとき、その設定温度に対応する回転数にて各送風装置2を起動させる温度・回転数選択スイッチ、12は設定温度をデジタル表示する表示器、13は運転しない送風装置2を事前に選択するための送風装置駆動停止選択スイッチであり、14は前記駆動を停止させる送風装置2を選択した場合、その送風装置2の番号をデジタル表示する表示器を示し、15は前記表示器14に表示された番号の送風装置12の運転を停止させる送風装置駆動停止スイッチである。
そして、前記操作装置6に具備したコントローラ7は、前記操作部8に設けた各種スイッチや設定キーを操作することにより、事前にプログラム設定した所要プログラムにて各送風装置2を所要温度に対応する回転数(風量)にて起動させたり、停止させたりする機能を備えており、このコントローラ7には概略次に示すプログラムが格納されている。
(1)電源ON/OFF機能
操作装置6のコントローラ7に電源を投入したり、停止させたりしてコントローラ7の駆動・停止を行うための機能を備えたプログラム。
(2)温度・回転数情報選択機能
畜舎内に設置した各送風装置2を所定の温度条件において、あらかじめ設定した回転数にて起動させるようにしたもので、本例では、例えば、図8の図表で示すように、0℃〜40℃の温度の範囲で、温暖地仕様の場合、温度が0℃のとき送風装置2の回転数として、100rpmを温度・回転数情報の最小回転数として選択でき、以後温度が1℃上昇する毎に回転数を1分間当り10回転増量した値で選択でき、更に、温度が40℃の場合は、送風装置2の回転数として、500rpmを温度・回転数情報の最大回転数として選択し設定することができる機能を備えたプログラム。また、図8において、寒冷地仕様の場合は、例えば、温度が0℃のとき送風装置2の最小回転数を40rpmとし、以後温度が1℃上昇する毎に回転数を10rpm増量し、温度が40℃の時点では最大回転数が440rpmとなるようにプログラム設定されている。
なお、前記の温度と回転数との関係は、送風装置2を設置する場所とか環境に応じて任意に温暖地、寒冷地仕様のプログラムが選択できることはもとより、温度が0℃〜40℃までの間において、温度を1℃昇・降する毎に送風装置2の回転数をその都度10rpmづつ増・減させて、設定温度に対応する送風装置2の回転数を設定可能としたプログラムを事前にコントローラ7に格納するか、あるいは、温度・回転数情報(0℃〜40℃までの間で、1℃昇・降する毎に送風装置2の回転数を任意に変更)を事前に変更することができる図示しない変更手段に相当するプログラムをコントローラ7に具備させ、畜舎の設置場所に適した温度に対応する送風装置2の回転数を、その都度前記変更手段により所要温度毎に変更することができるようにしてもよい。更に、コントローラ7に格納したプログラムにて選択される温度が0℃〜40℃までにおける温度・回転数情報のデータ(各温度毎における送風装置2の回転数を設定したデータ)は、後述する送風装置2の駆動制御手段のメモリにおいても事前に記憶されている。
(3)畜舎温度設定機能
温度・回転数選択スイッチ11を操作して畜舎内の温度条件を設定することにより、送風装置2の回転数を設定温度に設定するようにした機能を備えたプログラムで、前記温度・回転数選択スイッチ11により、例えば、畜舎の温度が20℃ぐらいである場合に20℃の温度を設定すると、その温度が温暖地仕様であれば、送風装置2の回転数は、温度が0℃の場合100rpmであり、かつ、温度が1℃上昇する毎に回転数は10rpmづつ増加するため(10rpm×20℃+100rpm)、送風装置2は畜舎内温度を20℃と設定した場合、300rpmの回転数を選択・設定して回転することができるようにしたものである。
(4)設定温度表示機能
前記、温度・回転数選択スイッチ11により、畜舎内の温度を選択して設定した場合、その設定温度を表示器12にて表示させるようにした機能を備えたプログラムで、前記のように、温度を20℃と設定した場合、表示器12に「20」の数字をデジタル表示させることにより、操作者、あるいは、他者がこの表示器12を見ることにより、畜舎内温度を何度に設定したかを容易に確認することができるものである。
(5)温度・回転数情報送出機能
温度・回転数選択スイッチ11により選択・設定した畜舎内温度と、当該温度に対応して設定されている回転数情報、即ち、温度・回転数情報を、各送風装置2の後述する駆動制御手段のメモリに送出する機能を備えたプログラム。
(6)送風装置駆動停止選択機能
畜舎内に配設した送風装置2のうち、駆動を必要としない送風装置2を選択する機能を備えて、送風を不要とする送風装置2を、駆動を必要とする送風装置2と事前に区別するための機能を備えたプログラムで、送風装置駆動停止選択スイッチ13を操作し、あらかじめ送風を必要としない送風装置2を事前に選択・設定することができる。
(7)送風装置停止表示機能
畜舎内において送風を必要としない送風装置2を、送風装置駆動停止選択スイッチ13にて選択したとき、その送風装置2の番号を送風装置駆動停止選択スイッチ13により次の駆動を停止する送風装置2を選択するまでの間デジタル表示するようにした機能を備えたプログラム。
(8)送風装置駆動停止情報送出機能
送風装置駆動停止選択スイッチ13にて選択した送風装置2の駆動信号情報(送風装置2の番号)を、その送風装置2に具備した駆動制御手段のメモリに送出するようにした機能を備えたプログラムで、本例では、例えば、送風装置駆動停止選択スイッチ13により駆動を必要としない送風装置2の番号(No.)を事前に選択した後、送風装置駆動停止スイッチ15を投入することにより、前記送風装置駆動停止情報を該当送風装置2の後述する駆動制御手段に送出することができるように構成されている。
(9)運転/停止
畜舎内の温度設定と駆動停止する送風装置2を選択した後、前記設定した温度情報と送風装置駆動停止情報を送風装置2に、所要プログラムにて送出させるとともに、各送風装置2の電動機3に通電(駆動を必要としない送風装置2には通電しない)を行い、各送風装置2を駆動させたり、停止させたりするようにした機能を備えたプログラムで、このプログラムは、運転/停止スイッチ10の投入・開放操作を行うためのものである。
つづいて、前述した各送風装置2に具備した前記駆動制御手段20の構成を図2,3により説明する。図3において、前記駆動制御手段20は、基本的には駆動制御部20aと出力部24とからなり、送風装置2の回転数をその設置場所の温度に対応して可変できるように構成したものである。
最初に、駆動制御部20aは、入力部21と制御部22とメモリ23とによって構成されている。入力部21はコントローラ7から送出される温度情報と、送風装置駆動停止情報と、送風装置2に取付けた温度検出センサ26にて検出した温度情報とを受け入れ、かつ、これら各情報(データ値)をA/D変換した後、その変換信号(デジタル信号)を制御部22に送出する機能を備えている。
つづいて、制御部22はコントローラ7から入力部21を介して入力された温度情報をメモリ23に送出して格納(記憶)させるとともに、温度検出センサ26にて検出した温度情報に対応する温度・回転数情報をメモリ23から読み出して出力部24に指令信号(送風装置2の回転数情報)を出力する機能を備えている。
メモリ23は、コントローラ7に格納されている場合と同様な送風装置2に関する温度・回転数情報が事前に格納されているとともに、制御部22からの読み出し指令にて温度検出センサ26にて検出した温度検出情報に対応する温度・回転数情報を制御部22に送出する機能を備えている。
更に、出力部24は、前記制御部22から出力された温度・回転数情報に基づき、該温度・回転数情報に定められている回転数情報のタイミングにてインバータ25を駆動制御させる駆動制御信号(インバータを構成する各アームのON・OFF時間を制御する信号)を出力する機能を備えている。
出力部24からの駆動制御信号はインバータ25に出力され、インバータ25は前記駆動制御信号により駆動制御されて電動機3への通電を制御して当該電動機3を、温度検出センサ26にて検出した温度情報に基づく回転数情報にて駆動させるように構成されている。
次に、本発明の動作について説明する。送風装置2は、図1,2に示すように、図示しない畜舎内に複数台、例えば、飼育する家畜の頭数とか飼育環境等を考慮して、それぞれ所定の間隔を保ち一般には複数列配置(吊設)した状態で設置されている。
つづいて、前記畜舎内に配設した送風装置2を駆動する場合について説明する。送風装置2の駆動は、操作装置6の操作部8に設けた各種のスイッチや設定キーを手動操作し、送風装置2の運転状況を設定してから行う。そして、送風装置2の運転状況の設定は、操作装置6に具備したコントローラ7によって行われる。前記コントローラ7には、前述したように、畜舎内の温度に応じて送風装置2の回転数を選択(設定)することができるプログラムをはじめ、前記設定した温度・回転数情報を送風装置2の駆動制御手段20に送出するプログラムや、畜舎内において例えば、家畜のいない部位に配設した送風装置2を回転させないようにしたプログラム等、送風装置2の起動に必要なプログラムとか、前記温度・回転数情報を選択するためのデータベースが格納されている。
前記データベースとしては、例えば、図6〜8に示すように、畜舎の設置場所を考慮して、温暖地仕様と寒冷地仕様とを準備し、前記畜舎の設置場所に適したデータ(温度・回転数情報)がコントローラ7に前記各種プログラムとともに格納されている。なお、コントローラ7には2種類のデータベースを格納し、畜舎の設置場所に対応して温暖地用と寒冷地用とを使い分けるようにしてもよいことは勿論である。
そして、前記所要のデータベースは、図6〜8に示されているように、温暖地仕様と寒冷地仕様とはそれぞれ各温度毎に送風装置2の回転数が異なるように設定されている。即ち、例えば、温暖地仕様においては、温度が0℃の場合、送風装置2の最小回転数は100rpmで設定し、以下温度が1℃上昇する毎に回転数は10rpmづつ増えるようにして設定されている。このため、温度が最大40℃の場合の最大回転数は500rpmとなるように設定されている。一方、寒冷地仕様においては、温暖地仕様に比べ、各温度毎の送風装置2の回転数がそれぞれ60回転づつ少なくなるように設定されている。従って、図8に示すように、0℃の場合は最小回転数を40rpmにて設定し、以下1℃上昇する毎に10rpmづつ増えるように設定されているので、温度が40℃の場合、最大回転数は440rpmに設定されている。なお、本例における前記温暖地、寒冷地仕様の温度・回転数の設定は標準的な設定であり、必要に応じて使用者等において、温度・回転数を任意に可変できるようにデータベースを変更して使用したり、それに対応するプログラムを別に用意して使用するようにしてもよいことは勿論である。
前記のようにして構成されたコントローラ7を有する操作装置6を操作して、送風装置2を駆動する場合を図5に基づいて説明する。操作装置6の操作に際しては、最初に電源スイッチ9を投入してコントローラ7を起動する。この後、操作装置6に設けた温度・回転数選択スイッチ11を操作し、畜舎内の温度を選択する(図5のS1参照)。
この場合は、例えば、畜舎内の温度が約30℃(畜舎内に設けた温度計で測定するか、あるいは、操作者自身が畜舎内は約30℃と判断することにより決める)である場合は、表示器12に「30」と数字が表示されるまで、前記の温度・回転数選択スイッチ11を操作し、送風装置2の設置場所における温度に対する回転数を設定する。畜舎内の温度を30℃に設定すると、送風装置2の回転数は温度・回転数情報のデータベースにより、図6,8に示すように、400rpmが選択され設定されることになる(図5のS2参照)。
前記のようにして畜舎内の温度を設定した後、つづいて、畜舎内に配設した送風装置2において、回転を必要としない送風装置2、例えば、その送風装置2の近辺に家畜が収容されていないような場合は、省エネ等の関係から送風装置2の駆動を事前に停止させておく。この場合は、送風を必要としない送風装置2を決定したら、送風装置駆動停止選択スイッチ13を操作して送風を停止させる送付装置2の番号(No.)を表示器14に表示させる都度、送風装置駆動停止スイッチ15を投入し、当該送風装置2の通電時における駆動を阻止する(図5のS3参照)。
前記のようにして、送風装置2の回転数(風量)を設定する温度条件の選択・設定と、送風を行わない送風装置2の選択・設定作業が終了したら、操作装置6に設けた運転/停止スイッチ10を投入する(図5のS4参照)。
運転/停止スイッチ10の投入により、送風装置2を駆動するための温度・回転数情報の信号が、コントローラ7に設けた温度・回転数情報送出機能によって、所要送風装置2の駆動制御手段20の入力部21→制御部22→メモリ23に送出される。送風を行わない送風装置2を選択・設定した場合は、コントローラ7に設けた送風装置駆動停止情報送出機能により、前記温度・回転数情報と同様に駆動を行わない送風装置2の情報を駆動制御手段20のメモリ23に送出する(図5のS5参照)。
コントローラ7から各送風装置2の駆動制御手段20のメモリ23にコントローラ7にて設定された温度・回転数情報が送出されると、各送風装置2の回転数は前記温度・回転数情報の送出により設定される。即ち、畜舎温度は30℃であるとの情報がメモリ23に入力されると、メモリ23には事前に設定温度30℃に対応する送風装置2の回転数情報が記憶されており、前記コントローラ7からの温度・回転数情報の指令がメモリ23に入力された時点で、各送風装置2の回転数(30℃・400rpm)が設定されることになる(図5のS6参照)。
前記コントローラ7からの温度・回転数情報によって各送風装置2の回転数が設定されると、温度・回転数情報(30℃・400rpm)は、制御部22によりメモリ23から読み出される(図5のS7参照)。
前記制御部22にてメモリ23から読み出された温度・回転数情報は、回転数信号として制御部22から出力部24に出力される。そして、前記出力部24に送風装置2の回転数信号が送出されると、出力部24は回転数信号に基づく駆動制御信号をインバータ25に出力する。インバータ25は前記出力部24からの駆動制御信号の入力を受けると、アームのON・OFF時間が前記駆動制御信号により制御され、前記アームのON・OFF制御に対応した起動電流が電動機3に通電され、電動機3をコントローラ7にて設定した温度(30℃)に対応する回転数情報(400rpm)にて起動させ、送風装置2の電動機3を回転させる(図5のS8〜S10参照)。
前記により、畜舎内に配設した複数台の送風装置2は、操作装置6のコントローラ7にて設定した一律の温度情報(30℃)により、事前に駆動停止を設定した送風装置2を除き同一回転数にて起動を開始し、畜舎内の換気を始める。そして、前記畜舎内の各送風装置2が起動して換気を開始すると、各送風装置2に個別に取付けた温度検出センサ26が作動を開始し、当該温度検出センサ26を取付けた送風装置2近辺の温度をリアルタイムに検出する。温度検出センサ26によりリアルタイムに検出された温度情報は、入力部21から制御部22に出力される(図5のS11参照)。
温度検出センサ26からの温度情報が制御部22に入力されると、該制御部22は前記温度検出センサ26にて検出した温度情報に対応する温度・回転数情報を、メモリ23から読み出し、温度検出センサ26により検出した温度情報に対応する送風装置2の回転数情報を前記メモリ23から制御部22に出力する。即ち、温度検出センサ26にて当該温度検出センサ26を備えた送風装置2近辺の温度を検出し、その検出温度が、例えば、30℃であると、制御部22は検出温度30℃に対応する温度・回転数情報(30℃・400rpm)をメモリから読み出し、30℃に対応する送風装置2の温度・回転数情報(30℃・400rpm)をメモリ23から前記制御部22に出力するものである。
また、温度検出センサ26により検出した温度が、例えば、29℃である場合、制御部22はメモリ23より前記検出温度29℃に対応する温度・回転数情報(29℃・390rpm)読み出し、29℃に対応する送風装置2の温度・回転数情報(29℃・390rpm)をメモリ23から制御部22に出力することになる。このように、畜舎内に配設された各送風装置2は、その起動開始時はコントローラ7にて設定された温度情報に対応する回転数情報により起動し、起動後は温度検出センサ26により検出された温度情報に対応する回転数情報をメモリ23から読み出して制御部22に新しい回転数情報として出力する(図5のS12参照)。
そして、前記出力部24に送風装置2の回転数信号が送出されると、出力部24は回転数信号に基づくインバータ25制御用の駆動制御信号をインバータ25に出力する。インバータ25は前記出力部24からの駆動制御信号の入力を受けると、アームのON・OFF時間が前記駆動制御信号に対応した駆動電流が電動機3に通電され、電動機3を温度検出センサ26にて検出した温度情報に対応する回転数情報にて駆動し、送風装置2の送風ファン4を回転させる。
前記において、温度検出センサ26により検出された温度情報がコントローラ7にて設定された温度情報と異なる場合は、前記のように、温度検出センサ26にて検出された温度情報が優先し、その検出温度に対応する送風装置2の回転数情報をメモリ23から読み出し、制御部22から出力部24に回転数信号として出力する。この場合、コントローラ7にて設定された温度情報が30℃である場合に、温度検出センサ26が検出した温度情報が29℃であると、温度検出センサ26が検出した温度情報が優先し、その回転数情報、即ち、検出温度29℃に対応する回転数情報(390rpm)が制御部22から出力部24に送出され、出力部24から、前記回転数情報(390rpm)に基づく駆動制御信号をインバータ25に出力し、インバータ25を前記回転数情報に対応する回転数の駆動制御信号により駆動制御して、送風装置2の電動機3を駆動する。
この結果、前記温度検出センサ26を備えた送風装置2は、起動時はコントローラ7の設定温度(30℃)に対応する回転数(400rpm)にて起動するものの、起動後温度検出センサ26の検出温度がコントローラ7の設定温度と異なる場合は、送風装置2は温度検出センサ26にて検出した温度(29℃)に対応する回転数情報(390rpm)に基づき回転数を変更して回転することが可能となる(図5のS13〜S15参照)。送風装置2の駆動を停止させる場合は、操作装置6の運転/停止スイッチ10をOFFすることにより、畜舎内全部の送風装置2の運転を停止させる(図5のS16,S17参照)。
本発明は、以上説明したように、畜舎内に設置した各送風装置2は、その起動に際してはコントローラ7にて設定した温度情報に対応する回転数情報により起動し、送風装置2起動後は、各送風装置2に個別に取り付けた温度検出センサ26にて検出した温度情報をベースにして送風装置2の回転数を設定するように構成したので、畜舎内は家畜の収容状況に応じて畜舎内の各部位の温度が可変することになるため、温度が高くなる部位とそうでない部位とで温度差が生じた場合、送風装置2は当該送風装置2に取付けた温度検出センサ26により個々に回転数を制御して畜舎内を換気することができるため、家畜の収容数とか、畜舎内の日当たり状況に応じて個々の送風装置2自体が自動的にその周辺温度に対応して回転数を設定することができるので、広い畜舎内においても送風装置2はその周辺温度と対応して自動的に駆動制御して回転させることができるため、畜舎内を常に温度状況に追随して換気することができるので、家畜の飼育が良好な換気状況において行うことができ利便である。
また、本発明は、コントローラ7に格納する送風装置2の温度・回転数情報を畜舎が設定される地域に応じて温暖地・寒冷地仕様が区分して取り込むことができるとともに、畜舎内の温暖化に追随して送風装置2の回転数を図6,7に示すように、ほぼ比例した状態で可変することができるように構成されているので、畜舎内の各部位の温度変化に応じて送風装置2を個別に駆動制御することができることと相まって、畜舎内の換気を家畜数に応じて効率よく、かつ、省エネを考慮して経済的に行うことができる。しかも、送風を必要としない送風装置2は、事前に運転を停止させておくことができるため、電力の使用効果を向上させることができるという利点も備えており利便である。
本発明の駆動制御装置を備えた送風装置の配置状況を概略的に示す構成図である。 本発明の駆動制御装置の結線状態を概略的に示す構成図である。 送風装置に具備した駆動制御手段の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の駆動制御装置に用いる操作装置を示す正面図である。 本発明の動作を説明するためのフローチャート図である。 温暖地仕様にて使用する送風装置の温度と回転数との関係を説明する図である。 寒冷地仕様にて使用する送風装置の温度と回転数との関係を説明する図である。 送風装置の回転数と温度との関係を設定する場合の一例を示す図表である。
符号の説明
2 送風装置
3 電動機
6 操作装置
7 コントローラ
20 駆動制御手段
26 温度検出センサ

Claims (5)

  1. 畜舎内に所定の間隔を保って複数台配設した送風装置と、前記各送風装置に個別に取付けた温度検出センサと、設定温度に対応する送風装置の回転数を設定したプログラムを格納して前記送風装置に設けた駆動制御手段に送風装置の温度・回転数情報を送出するコントローラとからなり、前記送風装置をコントローラにて設定した温度に対応する回転数にて起動させ、送風装置の起動後は各送風装置に取付けた温度検出センサにて検出した温度に対応する回転数情報を選択・設定して各送風装置を駆動制御させるように構成したことを特徴とする送風装置の駆動制御装置。
  2. 前記コントローラは、畜舎内の最低温度から最高温度に至るまでの各温度と、前記温度に対応する送風装置の回転数のデータを事前にプログラム設定したプログラムと、畜舎内温度に設定した温度情報と、該温度情報に対応する送風装置の回転数情報を各送風装置の駆動制御手段に送出する温度・回転数情報送出プログラムとをそれぞれ格納して構成したことを特徴とする請求項1記載の送風装置の駆動制御装置。
  3. 前記コントローラに格納したプログラムは、送風装置の回転数を各温度に対応して選択的に設定する温度・回転数選択手段と、前記温度・回転数を選択しない送風装置を事前に設定して該送風装置を駆動させないようにした送風装置駆動停止選択手段とを具備して構成したことを特徴とする請求項2記載の送風装置の駆動制御装置。
  4. 送風装置の駆動制御手段は、コントローラから送出される温度・回転数情報及び温度検出センサにて検出した送風装置付近の検出温度が入力される入力部と、前記温度・回転数情報を記憶するメモリと、温度検出センサにて検出した温度情報に対応する送風装置の回転数情報を前記メモリより読み出す制御部と、前記制御部にて読み出した前記回転数情報を当該送風装置の運転を駆動制御するインバータに駆動制御信号として出力する出力部とを具備して構成したことを特徴とする請求項1,2記載の送風装置の駆動制御装置。
  5. 前記駆動制御手段の制御部は、温度検出センサによる送風装置付近の検出温度が入力されたときメモリに記憶されている当該温度情報に対応する回転数情報を前記メモリから読み出して出力部に出力する機能を備え、かつ、該出力部は前記制御部から出力された回転数情報に基づく駆動制御信号をインバータ駆動信号として出力する機能を具備して構成したことを特徴とする請求項4記載の送風装置の駆動制御装置。
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