JP2000262170A - 畜舎空調制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御情報を一括で読書出来るメモリーカード
付き畜舎空調制御装置を提供する。 【解決手段】 制御部１４のメモリーカード読書手段２
６はコントローラ１２に据付け時のシステムの設定や通
常の運転操作の設定や家畜の成長に合わせた制御内容の
設定等の初期設定値を書込んであるメモリーカード１５
を接続したときに、この初期設定値を読取り制御情報記
憶手段２５に記憶させたり、制御情報記憶手段２５で記
憶している設定値をメモリーカード１５に書込み複写さ
せるようプログラムしたものとし、メモリーカード１５
としては初期設定値を読取り制御情報記憶手段２５に記
憶させるための据付け時のシステムの設定や、通常の運
転操作の設定や、家畜の成長に合わせた制御内容の設定
等の初期設定値として、新規納入時用と、制御対象家畜
の入替え時用と、季節による制御内容変更時用等の設定
値を夫々書込んであるものや、制御情報記憶手段２５で
記憶しているタッチパネル部１３からの設定値を書込み
複写させる時の複写用のもの等数種類用意した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、家畜の成長過程に
合わせ畜舎内の温度等環境・運転・育成条件を設定出
来、また、家畜の成長過程に合わせ畜舎内の温度等の制
御情報をメモリーカードから設定出来、又は設定変更し
た制御情報をメモリーカードに複写出来る畜舎の空調制
御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の畜舎用換気装置として、例えば特
公平３−６２９７８号公報に示すごとく、ウインドレス
畜舎内をその長手方向に対して複数のブロックに仮想分
割し、各ブロックの舎内毎に、舎内の環境状態を感知す
るセンサを設置するとともに、各ブロック毎に、そのブ
ロックの舎内を換気する換気扇を畜舎の長手方向の側壁
に設置し、各ブロック毎の換気扇の回転数を制御するイ
ンバータを各ブロック毎に設置し、各ブロック毎のセン
サよりのデータを目標データと比較してインバータに伝
達する子シーケンサを各ブロック毎に設け、各ブロック
毎に独立して換気を行うようにし、更に、舎内の天井壁
に畜舎の長手方向に対して空気流出用のスリットを設
け、換気扇よりの圧送空気をスリットより舎内に送るよ
うにし、舎内全域の換気効率を善くして、四季の気象環
境に対して畜舎内の温度を所定の温度に維持することを
目的としたものがある。

【０００３】また、養豚システムとして、例えば特開平
４−５８２９６号公報に示すごとく、分娩豚舎を中心に
一方側にストール豚舎、群飼、雄豚舎の順に、他方側に
育成豚舎、肥育豚舎の順に横に並べて配置し、屋根に換
気ファンを設けるとともに舎内にファンコントローラと
温度センサを設けて舎内温度をコントロールする換気手
段を配置し、天井を二重構造にし、分娩豚舎はウインド
レス陰圧換気方式を採用し、他の豚舎はオーブンの強制
換気方式を採用し、全体は暑さに弱い豚向きに天井から
の輻射熱を防ぎ、強制換気を行い、畜舎を飼育の過程に
応じた環境となる構造とすることを目的としたものがあ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前者の従来例では、換
気扇の回転数を変化させるだけで所定の温度に維持しよ
うとしているが、外気との温度差が大であれば対応困難
であり、設定値に対し夏場は回転数を最大にしても高過
ぎ、冬場は換気しなくても低過ぎの不適となる恐れが大
であり、また、新規納入時、家畜の入替え時、季節によ
る制御内容の変更時等、家畜の成長に合わせて所定温度
は変化させるべきであるが、その点も配慮もなされてい
ず、その都度設定し直すには大変な工数がかかる等とい
う問題があった。

【０００５】一方、後者の従来例では、畜舎を飼育の過
程に応じた環境の畜舎を設けたものとし、家畜を移動す
ると記してはあるが、換気手段として、屋根に換気ファ
ンを設けるとともに舎内にファンコントローラと温度セ
ンサを設けて舎内温度をコントロールする程度であり、
前者同様外気との温度差が大であれば対応困難であり、
設定値に対し夏場は回転数を最大にしても高過ぎ、冬場
は換気しなくても低過ぎの不適となる恐れが大であり、
また、新規納入時、季節による制御内容の変更時等、状
況に応じて所定温度は変化させるべきであるが、その点
も配慮もなされていず、その都度設定し直すには大変な
工数がかかり、また、大規模でなくいくつも畜舎を設け
られない場合には適していぬ等という問題があった。
尚、家畜は移動して畜舎が変わる場合にストレスにより
発育不良になり易い。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、家畜の成長過程に合わせ畜舎内の温度
等環境・運転・育成条件を設定出来、また、家畜の成長
過程に合わせ畜舎内の温度等の制御情報をメモリーカー
ドから設定出来、又は設定変更した制御情報をメモリー
カードに複写出来る畜舎空調制御装置とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明は、家畜を飼育する畜舎の
外気入気開口に設けた入気用ダンパーと、畜舎の屋根部
に開口した適数個の排気用開口に夫々設けた換気扇と、
主な排気用開口に設けた排気用ダンパーと、適数個の換
気扇を制御するファン制御部と、畜舎の内外の温度を測
定する適数個の温度センサーと、畜舎内に設けたヒータ
ー、プレヒーター、クーラー等任意の冷暖房装置と、演
算・記憶・入出力手段としての制御部を備えたコントロ
ーラとで構成された畜舎空調制御装置において、コント
ローラに制御部とともに入力設定・表示手段としてのタ
ッチパネル部を備え、このタッチパネル部は畜舎の据付
け時のシステムの設定又は変更を行なう環境設定手段や
通常の運転操作の設定又は変更を行なう運転設定手段や
家畜の成長に合わせた制御内容の設定又は変更を行なう
発育設定手段等と、運転に必要な項目や２４時間の温度
の移り変わりのグラフや３０日間の最高最低温度の移り
変わりのグラフ等のモニター表示を行うモニター表示手
段とで構成し、制御部は環境設定手段や運転設定手段や
発育設定手段からの設定又は変更された設定値やモニタ
ー表示手段へのモニター表示出力等からなる制御情報を
記憶する制御情報記憶手段と、別途用意したメモリーカ
ードとの間で制御情報を読込み及び書込みするメモリー
カード読書手段と、適数個の温度センサーからの温度デ
ータを入力する外部情報入力手段と、制御情報記憶手段
で記憶している制御情報及び外部情報入力手段から入力
された外部情報から新しい制御情報を演算する制御情報
演算手段と、この制御情報演算手段にて演算した制御情
報から入気用ダンパーや排気用ダンパーやファン制御部
や複数の換気扇の制御命令を出力する制御情報出力手段
とで構成した。

【０００８】このように構成した畜舎空調制御装置は、
家畜の成長に合わせた制御内容の環境・運転・育成設定
等に従い、適数個の温度センサーから畜舎の内外の温度
データ入力を受け、空調制御のメインとなる換気扇を直
接またはファン制御部を介して制御して換気し、さらに
安定した換気を実現するために畜舎の外気入気用の開口
の入気用ダンパーや排気用開口の排気用ダンパーの開口
率を制御するとともに、ヒーター、プレヒーター、クー
ラー等冷暖房装置をも運転制御し、夏期の高温時や冬期
の低温時にも対応出来、自動的に家畜の成長に合わせた
最適な空調環境とするとともに、無駄な冷暖房費を押さ
える作用をし、また、メモリーカードとの間で上記制御
情報を読込み及び書込み出来る。

【０００９】制御部のメモリーカード読書手段はコント
ローラに別途用意した据付け時のシステムの設定や通常
の運転操作の設定や家畜の成長に合わせた制御内容の設
定等の初期設定値を書込んであるメモリーカードを接続
したときに、このメモリーカードからの初期設定値を読
取り制御情報記憶手段に記憶させたり、制御情報記憶手
段で記憶しているタッチパネル部からの設定値をメモリ
ーカードに書込み複写させるようプログラムし、メモリ
ーカードとしては初期設定値を読取り制御情報記憶手段
に記憶させるための据付け時のシステムの設定や、通常
の運転操作の設定や、家畜の成長に合わせた制御内容の
設定等の初期設定値として、新規納入時用と、制御対象
家畜の入替え時用と、季節による制御内容変更時用等の
設定値を夫々書込んであるものや、制御情報記憶手段で
記憶しているタッチパネル部からの設定値を書込み複写
させる時の複写用のもの等数種類用意すると、据付け時
や、切り替え時はメモリーカードの初期設定値を読取る
ことにより、短時間にしかも正確な制御情報を設定出
来、また、実情に合わせて変更した制御情報もメモリー
カードに書き込み複写して保存することが出来る。

【００１０】また、入力設定・表示手段としてのタッチ
パネル部はタッチパネルからなる入力設定手段及び２０
０×１５０ドット〜４００×３００ドットと大型の液晶
表示器からなる表示手段で構成すると、利用者は表示手
段による見易く判り易い画面表示に従い入力設定手段で
あるタッチパネルを操作することで、容易に各種のシス
テムの環境、運転、育成の設定や変更が出来るととも
に、表示面積が広いので、複数の設定値や、モニター値
を同時に表示することが出来る。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例を図１〜図１０により
説明する。図１は本発明の一実施例による畜舎空調制御
装置のシステム構成図であり、図２は同畜舎空調制御装
置のコントローラのソフトウェアの原理構成図であり、
図３は同畜舎空調制御装置のブロック回路図であり、図
４は同畜舎空調制御装置のコントローラ複数台数の接続
図であり、図５は同コントローラのタッチパネル部にお
ける画面サンプル及び画面構成を示す図であり、図６は
同じく環境設定のインレットポジション設定画面の例で
あり、図７は同じく換気ファン設定画面の例であり、図
８は同じく発育設定のポイント設定画面の例であり、図
９は同じく発育設定のオフセット設定画面の例であり、
図１０は同じくメモリーカード操作画面の例である。

【００１２】図１において、１は家畜を育成する畜舎で
あり、２は畜舎１への外気入気用の開口であり、入気用
ダンパー３を設けてある。４は畜舎１の屋根部に設けた
排気用開口であり、畜舎１の規模に合わせて必要数を決
めるが、本例では夫々、ファースト換気扇５−１、セカ
ンド換気扇５−２、サード換気扇５−３を備えた必要数
３とした場合の例を示す。６はファースト換気扇５−
１、セカンド換気扇５−２、サード換気扇５−３を内部
トライアック出力、インバータ等により制御するファン
制御部である。７はファースト換気扇５−１とともに排
気用開口４に設けた排気用ダンパーである。８−１は外
気温度を検出する外気温センサーであり、８−２は畜舎
１内室温を検出する室温センサーであり、８−３は任意
の位置の温度を検出するマルチ温度センサーである。畜
舎１内の冷暖房機器として、ヒーター９、プレヒーター
１０及びクーラー１１を設けてある。

【００１３】１２は畜舎１全体の空調制御を行うコント
ローラであり、入力設定手段１３−１としての「タッチ
パネル」及び表示手段１３−２として３２０×２４０ド
ットの「液晶表示器」からなるタッチパネル部１３と、
演算、記憶及び入出力手段としての制御部１４で構成さ
れ、外気温センサー８−１、室温センサー８−２及びマ
ルチ温度センサー８−３等を入力側に接続し、入気用ダ
ンパー３、ファースト換気扇５−１、セカンド換気扇５
−２、ファン制御部６、排気用ダンパー７、ヒーター
９、プレヒーター１０及びクーラー１１等を出力側に接
続している。１５は環境設定値、運転設定値、発育設定
値、モニター表示内容等を書込むメモリーカードであ
る。１６は例えば単相ＡＣ２００Ｖの電源であり、直接
又はコントローラ１２を介して、入気用ダンパー３、フ
ァースト換気扇５−１、セカンド換気扇５−２、サード
換気扇５−３、ファン制御部６、排気用ダンパー７等に
供給している。

【００１４】図２に示す畜舎空調制御装置のコントロー
ラ１２のソフトウェアの原理構成図及び、図３に示す畜
舎空調制御装置のブロック回路図において、タッチパネ
ル部１３は畜舎１の据付け時のシステムの設定や通常の
運転操作の設定や家畜の成長に合わせた制御内容の設等
の新規設定や変更を行なう環境設定手段２１や運転設定
手段２２や発育設定手段２３と、運転に必要な項目や２
４時間の温度移り変わりのグラフや３０日間の最高最低
温度の移り変わりのグラフ等のモニター表示を行うモニ
ター表示手段２４とで構成されている。

【００１５】また、制御部１４は前記環境設定手段２１
や運転設定手段２２や発育設定手段２３からの設定値を
記憶する制御情報記憶手段２５と、メモリーカード１５
からの初期設定値を複写し制御情報記憶手段２５に記憶
させたり制御情報記憶手段２５で記憶しているタッチパ
ネル部１３からの設定値をメモリーカード１５に書込む
メモリーカード読書手段２６と、外気温センサー８−
１、室温センサー８−２及びマルチ温度センサー８−３
からの温度データを入力する外部情報入力手段２７と、
制御情報記憶手段２５で記憶している制御情報及び外部
情報入力手段２７から入力された外部情報から制御情報
を演算する制御情報演算手段２８と、制御情報演算手段
２８にて演算した制御情報を入気用ダンパー３、ファー
スト換気扇５−１、セカンド換気扇５−２、サード換気
扇５−３、ファン制御部６、排気用ダンパー７、ヒータ
ー９、プレヒーター１０及びクーラー１１に出力する制
御情報出力手段２９とで構成されており、また、制御情
報演算手段２８にて演算した制御情報も制御情報記憶手
段２５にフィードバックされモニター表示手段２４の表
示データとして記憶される。

【００１６】なお、メモリーカード１５としては初期設
定値を読取り制御情報記憶手段２５に記憶させるための
据付け時のシステムの設定や、通常の運転操作の設定
や、家畜の成長に合わせた制御内容の設定等の初期設定
値として、新規納入時用と、制御対象家畜の入替え時用
と、季節による制御内容変更時用等の設定値を夫々書込
んであるものや、制御情報記憶手段２５で記憶している
タッチパネル部１３からの設定値を書込み複写させる時
の複写用のもの等数種類用意する。

【００１７】また、畜舎空調制御装置のコントローラ１
２を複数台数用いる場合は図４に示す如く、１２−１、
１２−２、１２−３、１２−４、……と直列に接続す
る。コントローラ１２にはネットワーク通信機能があ
り、タッチパネル部１３の環境設定手段２１のコントロ
ーラナンバー設定メニューにより、単独で運転する場合
はＮｏ０に設定するが、親機のコントローラ１２のナン
バーを１として、ナンバー２以降子機として設定する
と、親機に接続された外気温センサー８−１の温度デー
タを子機全てに表示でき、子機全ての現在換気量を親機
で集計して入気用ダンパー３の制御できる。また、親機
で設定した各種の設定内容と同一に一括で子機全てを設
定できる。

【００１８】図５はコントローラ１２のタッチパネル部
１３における表示手段１３−２としての液晶表示器に表
示される画面サンプル及び画面構成を示す図であり、画
面は大きく分けて通常の運転操作やモニター等ユーザー
が多く使用する設定、モニターおよび操作メニューを選
ぶための「メインメニュー画面」と、据付け時等そのシ
ステムに合わせたシステムの設定メニューを選ぶための
「環境設定メニュー画面」と、家畜の成長に合わせ制御
設定内容を徐々に変化させる機能の設定メニューを選ぶ
ための「発育設定メニュー画面」がある。

【００１９】例えば「メインメニュー画面」の画面サン
プルから環境設定を選ぶと、「環境設定メニュー画面」
となり画面構成として時刻設定、ファン環境・タイプ設
定、コントローラナンバー設定、出力設定、インレット
ポジション設定、一括コピー操作等が表示され、また、
発育設定を選ぶと、「発育設定メニュー画面」となり画
面構成としてポイント設定、発育・温度設定、温度幅設
定、最小換気量設定、最大換気量設定、ヒーター設定、
プレヒーター設定、クーラー設定、オフセット設定等が
表示され、「メインメニュー画面」には他に運転モニタ
ー、３０日モニター、換気ファン設定、メモリーカード
設定等が表示されている。従って利用者は見易く判り易
い表示手段１３−２である３２０×２４０ドットと大き
な「液晶表示器」の画面表示に従い入力設定手段１３−
１である「タッチパネル」を操作することで、容易に上
記各種のシステムの設定、運転が出来るとともに、表示
面積が広いので、複数の設定値や、モニター値を同時に
表示することが出来る。

【００２０】図６はタッチパネル部１３における環境設
定のインレットポジション設定画面であり、予め定めた
換気量に対する前記入気用ダンパー３の開口率を定め、
それに従い制御している換気量に合わせ入気用ダンパー
３の開口率を変化させるよう設定する。画面では「換気
ボタン」を押すと「換気ボタン」の下の「換気量ポイン
ト」が反転する。「アップ／ダウン」のキーを押すと
「換気量ポイント」の値が画面左ポジション設定枠のあ
る換気量の値の通り順に表示する。次に「ダンパーボタ
ン」を押すと、「ダンパーボタン」の下の「開口率値」
が反転する。「アップ／ダウン」のキーを押すと「開口
率値」の値が設定できる。設定値が決定したら「入力」
キーを押して入力完了する。以上の操作を必要なポジシ
ョンの数だけ繰り返し設定する。

【００２１】図７は同じく換気ファン設定画面であり、
換気の制御は「暑いときには換気を多く」、「寒いとき
は最低限の換気」が基本であり、実際は「最低換気領
域」、「比例制御領域」、「最高換気領域」に分け、夫
々「最低換気量」、「最大換気量」、「設定温度」、
「制御幅」を設定する。画面では例えば温度設定の場合
は「温度設定ボタン」を押すとボタン表示が反転し変更
可能となる。「アップ／ダウン」のキーを使い設定値を
変更する。設定値が決定したら「入力」キーを押して入
力完了する。以上の操作を残りの「最低換気量」、「最
大換気量」、「制御幅」の内必要なものに対し繰り返し
設定値を設定する。

【００２２】図８は同じく発育設定のポイント設定画面
であり、発育設定する場合、最大１０ポイントの経過日
を入力する。設定した各ポイント毎に各制御機器の設定
値を入力し、それに従い各機器は制御される。まず１０
ポイントの経過日を入力する。画面では「ポイントボタ
ン」を押すとボタン表示が反転し、ポイントを変更する
ことができるようになり、「アップ／ダウン」のキーを
使いポイント値を変更する。次に左側に表示されている
ポイントに対して「経過日ボタン」を押すとボタン表示
が反転し、経過日を変更することができるようになり、
「アップ／ダウン」のキーを使い経過日を変更する。ポ
イント値に対する経過日が決定したら「入力」キーを押
して入力完了する。以上の操作を必要なポイントの数だ
け繰り返し設定する。

【００２３】図９は同じく発育設定のオフセット設定画
面であり、発育設定で設定されている各制御機器の全ポ
イントの設定値に対してプラス又はマイナスのオフセッ
トを設定するもので、設定は各制御機器毎に設定するこ
とが出来、プラスのオフセットを設定すると全ポイント
の設定値に「オフセット値」を付加した値が実際の制御
で使われる値となる。画面では「オフセットボタン」を
押すとボタン表示が反転し、オフセット値を変更するこ
とができるようになり、「アップ／ダウン」のキーを使
いオフセット値を変更する。オフセット値が決定したら
「入力」キーを押して入力完了する。このオフセット値
はコントローラ１２に記憶され、オフセット値を「０」
にすることによって元の設定内容に戻る。

【００２４】図１０はメモリーカード操作画面であり、
専用のメモリーカード１５を使用すると設定した内容を
「複写」したり、「書込み」したり出来る。メモリーカ
ード１５の設定データをコントローラ１２に書込む場
合、「書込みボタン」を押すとボタン表示が反転し、
「確認ボタン」が表れます。そのまま実行する場合は
「ＹＥＳボタン」を押すと「書込み」が実行され完了す
る。また、設定データをメモリーカード１５に複写する
場合、「複写ボタン」を押すとボタン表示が反転し、
「確認ボタン」が表れます。そのまま実行する場合は
「ＹＥＳボタン」を押すと「複写」が実行され完了す
る。

【００２５】以下上記構成からなる本実施例の作用を説
明する。まず畜舎１の据付け時には、タッチパネル部１
３からの操作と制御部１４での制御によりコントローラ
１２を立ち上げ、システムの環境設定や通常の運転操作
の運転設定や家畜の成長に合わせた制御内容の育成設定
等の新規設定として、メモリーカード１５に書込んであ
る初期設定値をメモリーカード読書手段２６にて読取り
制御情報記憶手段２５に書込み記憶させる。運転開始す
ると、コントローラ１２では外気温センサー８−１、室
温センサー８−２及びマルチ温度センサー８−３からの
温度データを外部情報入力手段２７にて制御情報演算手
段２８に入力し、この外部情報入力手段２７から入力さ
れた外部情報と制御情報記憶手段２５で記憶しているメ
モリーカード１５から書込んだ設定値とから制御情報を
演算し、この制御情報演算手段２８にて演算した制御情
報を制御情報出力手段２９にて入気用ダンパー３、ファ
ースト換気扇５−１、セカンド換気扇５−２、サード換
気扇５−３、ファン制御部６、排気用ダンパー７、ヒー
ター９、プレヒーター１０及びクーラー１１に出力し
て、畜舎１の空調運転制御をする。

【００２６】コントローラ１２による空調運転制御は、
前記家畜の成長に合わせた制御内容の環境・運転・育成
設定等に従い、外気温センサー８−１、室温センサー８
−２及びマルチ温度センサー８−３からの温度データ入
力を受け、空調制御のメインとなるファン（ファースト
換気扇５−１、セカンド換気扇５−２、サード換気扇５
−３）をファン制御部６によりトライアック出力、イン
バータ等により制御して換気し、さらに安定した換気を
実現するために畜舎１の外気入気用の開口２の入気用ダ
ンパー３や排気用開口４の排気用ダンパー７の開口率を
制御し、寒いときは家畜に必要な最低換気量で運転し無
駄な暖房費や飼料を抑え、暑いときは換気量を増加させ
て家畜の発汗作用や呼吸を助けて体温調整しやすい環境
を作る。

【００２７】また、ファースト換気扇５−１、セカンド
換気扇５−２、サード換気扇５−３の他にヒーター９、
プレヒーター１０及びクーラー１１等の冷暖房機器をＯ
Ｎ／ＯＦＦ制御し、温度の上がり過ぎや下がり過ぎを防
ぎ、畜舎１全体のより良い空調制御を行うものである。
また、制御情報演算手段２８にて演算した制御情報も制
御情報記憶手段２５にフィードバックされて記憶される
ので、運転に必要な項目や２４時間の温度移り変わりの
グラフや３０日間の最高最低温度の移り変わりのグラフ
等のモニター表示を行う途中経過等はタッチパネル部１
３のモニター表示手段２４によるモニター画面でチェッ
クすることが出来る。

【００２８】一方、設定条件の変更を行う場合は、タッ
チパネル部１３の環境設定手段２１にて据付け時のシス
テムの設定変更、運転設定手段２２にて通常の運転操作
の設定変更、発育設定手段２３にて家畜の成長に合わせ
た制御内容の設定変更を行ない、この変更した設定値を
制御情報記憶手段２５にて記憶し、制御情報記憶手段２
５で記憶しているタッチパネル部１３からの設定値をメ
モリーカード読書手段２６にてメモリーカード１５に複
写し、以下前記同様、外部情報入力手段２７から入力さ
れた外部情報と制御情報記憶手段２５で記憶している設
定値とから制御情報を演算し、この制御情報演算手段２
８にて演算した制御情報を制御情報出力手段２９にて出
力して、畜舎１の空調運転制御をする。

【００２９】従って、コントローラ１２は畜舎１の空調
環境を最適に制御し、使いやすく、広範囲なシステムに
対応出来るもので、操作は見易く判り易い表示手段１３
−２である大画面の「液晶表示器」の画面表示に従い入
力設定手段１３−１である「タッチパネル」を操作する
ことで、タッチパネル部１３を使った簡単操作で設定、
運転が出来、表示面積が広いので、複数の設定値や、モ
ニター値を同時に表示することが出来る。また、いろい
ろな規模のシステムや制御機器に合わせて制御すること
が出来るので、設定する項目も数多くあり、複数台のコ
ントローラ１２−１、１２−２、１２−３、１２−４…
…を設置している場合等は設定や変更するには多くの手
間と時間がかかるが、複数のコントローラ１２−１、１
２−２、１２−３、１２−４……がネットワークで結ば
れている場合、一括コピー操作により、親機で設定した
設定内容全てを子機に一括でコピーすることが出来る。
また、メモリーカード１５を使用すると任意のコントロ
ーラ１２−ｎの設定内容をメモリーカード１５に「書込
み」したり、逆にメモリーカード１５の設定内容を任意
のコントローラ１２−ｍに「複写」したり出来るので、
据付け時や、切り替え時はメモリーカード１５の初期設
定値を読取ることにより、短時間にしかも正確な制御情
報を設定出来、また、実情に合わせて変更した制御情報
もメモリーカード１５に書き込み複写して保存すること
が出来る。なお、排気用開口４、換気扇５、温度センサ
ー８、ヒーター９、１０、クーラー１１、コントローラ
１２、メモリーカード１５等の数や、また、表示手段１
３−２である「液晶表示器」の大きさや、上記に限定す
るものでなく、本発明の主旨に合えば良い。

【００３０】

【発明の効果】本発明は、家畜を飼育する畜舎の外気入
気開口に設けた入気用ダンパーと、畜舎の屋根部に開口
した適数個の排気用開口に夫々設けた換気扇と、主な排
気用開口に設けた排気用ダンパーと、適数個の換気扇を
制御するファン制御部と、畜舎の内外の温度を測定する
適数個の温度センサーと、畜舎内に設けたヒーター、プ
レヒーター、クーラー等任意の冷暖房装置と、演算・記
憶・入出力手段としての制御部を備えたコントローラと
で構成された畜舎空調制御装置において、コントローラ
に制御部とともに入力設定・表示手段としてのタッチパ
ネル部を備え、このタッチパネル部は畜舎の据付け時の
システムの設定又は変更を行なう環境設定手段や通常の
運転操作の設定又は変更を行なう運転設定手段や家畜の
成長に合わせた制御内容の設定又は変更を行なう発育設
定手段等と、運転に必要な項目や２４時間の温度の移り
変わりのグラフや３０日間の最高最低温度の移り変わり
のグラフ等のモニター表示を行うモニター表示手段とで
構成し、制御部は環境設定手段や運転設定手段や発育設
定手段からの設定又は変更された設定値やモニター表示
手段へのモニター表示出力等からなる制御情報を記憶す
る制御情報記憶手段と、別途用意したメモリーカードと
の間で制御情報を読込み及び書込みするメモリーカード
読書手段と、適数個の温度センサーからの温度データを
入力する外部情報入力手段と、制御情報記憶手段で記憶
している制御情報及び外部情報入力手段から入力された
外部情報から新しい制御情報を演算する制御情報演算手
段と、この制御情報演算手段にて演算した制御情報から
入気用ダンパーや排気用ダンパーやファン制御部や複数
の換気扇の制御命令を出力する制御情報出力手段とで構
成した。

【００３１】このように構成したから、家畜の成長に合
わせた制御内容の環境・運転・育成設定等に従い、温度
センサーから畜舎の内外の温度データ入力を受け、空調
制御のメインとなる換気扇を直接またはファン制御部を
介して制御して換気し、さらに安定した換気を実現する
ために畜舎の外気入気用の開口の入気用ダンパーや排気
用開口の排気用ダンパーの開口率を制御するので、ヒー
ター、プレヒーター、クーラー等冷暖房装置をも運転制
御し、夏期の高温時や冬期の低温時にも対応出来、自動
的に家畜の成長に合わせた最適な空調環境とし、無駄な
飼料を押さえるよう自動的に畜舎の空調運転制御出来る
とともに、更に冷暖房費を押さえ、また、メモリーカー
ドとの間で上記制御情報を読込み及び書込み出来る効果
的な畜舎空調制御装置が提供出来る。

【００３２】制御部のメモリーカード読書手段はコント
ローラに別途用意した据付け時のシステムの設定や通常
の運転操作の設定や家畜の成長に合わせた制御内容の設
定等の初期設定値を書込んであるメモリーカードを接続
したときに、このメモリーカードからの初期設定値を読
取り制御情報記憶手段に記憶させたり、制御情報記憶手
段で記憶しているタッチパネル部からの設定値をメモリ
ーカードに書込み複写させるようプログラムしたものと
し、メモリーカードとしては初期設定値を読取り制御情
報記憶手段に記憶させるための据付け時のシステムの設
定や、通常の運転操作の設定や、家畜の成長に合わせた
制御内容の設定等の初期設定値として、新規納入時用
と、制御対象家畜の入替え時用と、季節による制御内容
変更時用等の設定値を夫々書込んであるものや、制御情
報記憶手段で記憶しているタッチパネル部からの設定値
を書込み複写させる時の複写用のもの等数種類用意した
ものとしたから、据付け時や、切り替え時はメモリーカ
ードの初期設定値を読取ることにより、短時間にしかも
正確な制御情報を設定出来、また、実情に合わせて変更
した制御情報もメモリーカードに書き込み複写して保存
することが出来る、使い勝手の良い畜舎空調制御装置が
提供出来る。

【００３３】また、入力設定・表示手段としてのタッチ
パネル部はタッチパネルからなる入力設定手段及び２０
０×１５０ドット〜４００×３００ドットと大型の液晶
表示器からなる表示手段で構成したから、利用者は表示
手段による見易く判り易い画面表示に従い入力設定手段
であるタッチパネルを操作することで、容易に各種のシ
ステムの環境、運転、育成の設定や変更が出来るととも
に、表示面積が広いので、複数の設定値や、モニター値
を同時に表示することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による畜舎空調制御装置のシ
ステム構成図である。

【図２】同畜舎空調制御装置のコントローラのソフトウ
ェアの原理構成図である。

【図３】同畜舎空調制御装置のブロック回路図である。

【図４】同畜舎空調制御装置のコントローラ複数台数の
接続図である。

【図５】同コントローラのタッチパネル部における画面
サンプル及び画面構成を示す図である。

【図６】同じく環境設定画面の例である。

【図７】同じく換気ファン設定画面の例である。

【図８】同じく発育設定のポイント設定画面の例であ
る。

【図９】同じく発育設定のオフセット設定画面の例であ
る。

【図１０】同じくメモリーカード操作画面の例である。

【符号の説明】

１ 畜舎 ３ 入気用ダンパー ５−１、５−２、５−３ 換気扇 ６ ファン制御部 ７ 排気用ダンパー ８−１、８−２、８−３ 温度センサー ９、１０ ヒーター １１ クーラー １２、１２−１、１２−２、１２−３、１２−４ コン
トローラー １３ タッチパネル部 １３−１ 入力設定手段（タッチパネル） １３−２ 表示手段（液晶表示器） １４ 制御部 １５ メモリーカード ２１ 環境設定手段 ２２ 運転設定手段 ２３ 発育設定手段 ２４ モニター表示手段 ２５ 制御情報記憶手段 ２６ メモリーカード読書手段 ２７ 外部情報入力手段 ２８ 制御情報演算手段 ２９ 制御情報出力手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 家畜を飼育する畜舎の外気入気開口に設
   けた入気用ダンパーと、畜舎の屋根部に開口した適数個
   の排気用開口に夫々設けた換気扇と、主な排気用開口に
   設けた排気用ダンパーと、前記適数個の換気扇を制御す
   るファン制御部と、畜舎の内外の温度を測定する適数個
   の温度センサーと、畜舎内に設けたヒーター、プレヒー
   ター、クーラー等任意の冷暖房装置と、演算・記憶・入
   出力手段としての制御部を備えたコントローラとで構成
   された畜舎空調制御装置において、前記コントローラ
   （１２）に制御部（１４）とともに入力設定・表示手段
   としてのタッチパネル部（１３）を備え、このタッチパ
   ネル部（１３）は畜舎（１）の据付け時のシステムの設
   定又は変更を行なう環境設定手段（２１）や通常の運転
   操作の設定又は変更を行なう運転設定手段（２２）や家
   畜の成長に合わせた制御内容の設定又は変更を行なう発
   育設定手段（２３）等と、運転に必要な項目や２４時間
   の温度の移り変わりのグラフや３０日間の最高最低温度
   の移り変わりのグラフ等のモニター表示を行うモニター
   表示手段（２４）とで構成し、前記制御部（１４）は環
   境設定手段（２１）や運転設定手段（２２）や発育設定
   手段（２３）からの設定又は変更された設定値やモニタ
   ー表示手段（２４）へのモニター表示出力等からなる制
   御情報を記憶する制御情報記憶手段（２５）と、別途用
   意したメモリーカード（１５）との間で制御情報を読込
   み及び書込みするメモリーカード読書手段（２６）と、
   適数個の温度センサー（８−１、８−２、８−３）から
   の温度データを入力する外部情報入力手段（２７）と、
   前記制御情報記憶手段（２５）で記憶している制御情報
   及び外部情報入力手段（２７）から入力された外部情報
   から新しい制御情報を演算する制御情報演算手段（２
   ８）と、この制御情報演算手段（２８）にて演算した制
   御情報から入気用ダンパー（３）や排気用ダンパー
   （７）やファン制御部（６）や複数の換気扇（５−１、
   ５−２、５−３）の制御命令を出力する制御情報出力手
   段（２９）とで構成し、家畜の成長に合わせた制御内容
   の育成設定等に従い、適数個の温度センサー（８−１、
   ８−２、８−３）から畜舎の内外の温度データ入力を受
   け、空調制御のメインとなる換気扇（５−１、５−２、
   ５−３）を直接またはファン制御部（６）を介して制御
   して換気し、更に安定した換気を実現するために畜舎
   （１）の外気入気用の開口の入気用ダンパー（３）や排
   気用開口の排気用ダンパー（７）の開口率を制御すると
   ともに、夏期の高温時や冬期の低温時等にはヒーター
   （９）、プレヒーター（１０）、クーラー（１１）等冷
   暖房装置をも運転制御し、自動的に家畜の成長に合わせ
   た最適な空調環境とするとともに、無駄な冷暖房費や飼
   料を押さえるよう自動的に制御出来、また、メモリーカ
   ード（１５）との間で上記制御情報を読込み及び書込み
   出来るものとしたことを特徴とする畜舎空調制御装置。
2. 【請求項２】 前記制御部（１４）のメモリーカード読
   書手段（２６）はコントローラ（１２）に別途用意した
   据付け時のシステムの設定や通常の運転操作の設定や家
   畜の成長に合わせた制御内容の設定等の初期設定値を書
   込んであるメモリーカード（１５）を接続したときに、
   このメモリーカード（１５）からの初期設定値を読取り
   制御情報記憶手段（２５）に記憶させたり、制御情報記
   憶手段（２５）で記憶しているタッチパネル部（１３）
   からの設定値をメモリーカード（１５）に書込み複写さ
   せるようプログラムしたものとし、メモリーカード（１
   ５）としては初期設定値を読取り制御情報記憶手段（２
   ５）に記憶させるための据付け時のシステムの設定や、
   通常の運転操作の設定や、家畜の成長に合わせた制御内
   容の設定等の初期設定値として、新規納入時用と、制御
   対象家畜の入替え時用と、季節による制御内容変更時用
   等の設定値を夫々書込んであるものや、制御情報記憶手
   段（２５）で記憶しているタッチパネル部（１３）から
   の設定値を書込み複写させる時の複写用のもの等数種類
   用意したものとした請求項１記載の畜舎空調制御装置。
3. 【請求項３】 前記入力設定・表示手段としてのタッチ
   パネル部（１３）はタッチパネルからなる入力設定手段
   （１３−１）及び２００×１５０ドット〜４００×３０
   ０ドットと大型の液晶表示器からなる表示手段（１３−
   ２）で構成され、表示手段（１３−２）に表示される見
   易く判り易い画面表示に従い入力設定手段（１３−１）
   であるタッチパネルを操作することで、容易に各種のシ
   ステムの環境、運転、育成の設定や変更が出来るととも
   に、表示面積が広いので、複数の設定値や、モニター値
   を同時に表示することが出来るものとした請求項１又は
   ２記載の畜舎空調制御装置。