JP2007023744A - 管路の構築工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】推進工法とシールド工法を併用し、推進工法の推進が限界に達した時点でシールド工法に移行することで、必要とする長さの管路を効率よく連続して構築することができる管路の構築工法を提供する。
【解決手段】掘進機1の後方にシールド筒ユニット2を配置し、このシールド筒ユニット2の予め取付け用セグメント7を組み込んだ異形ジョイント6に推進管3を接続し、推進管3を押圧すると共に掘進機1で掘削する推進工法によって推進管3を地中に進入させ、推進工法の推力に限界が生じた時点で推進工法を停止してシールド工法に切換え、シールド筒ユニット2の推進ジャッキ5を伸縮作動させ、掘進機1の前進とセグメント7aの組み立てにより、推進管3の先端に取付け用セグメント7とセグメント7aを用いて管路を構築する。
【選択図】図2

Description

この発明は、管路の構築に推進工法とシールド工法を併用し、推進工法での推進が限界に陥った時点でシールド工法に切り換えることにより、必要な長さの管路を効率よく構築することができるようにした管路の構築工法に関する。
地面を掘削することなく地中に管路を構築するための工法には、大別して推進工法とシールド工法があり、構築する管路の管径や土質等に応じて使い分けがなされているが、シールド工法は掘進機による掘進とその後方でのセグメントの組み立てを並行して行いながら管路を構築していくため、工期が比較的長くかかることになり、このため、人が中に入れる程度の口径を有する小口径の管路構築においては、推進工法が多用されている。
上記推進工法において、長距離化を達成するため、以前は中押方法が用いられ、近年は掘進機による掘削径を推進管の外径よりも大きく設定することで、推進管と地山の間にテールボイドを確保する推力減少方法が主流になっている。
上記推進工法における中押方法は、掘進機の後方50mほどの地点において、推進管の途中にジャッキを組込み、推進工程中にジャッキを伸長させてそれより前の50m分を動かし、推進用ジャッキの推力を軽減しようとするものであり、また、テールボイドによる推力減少方法は、テールボイドの滑材により推進管と地山の摩擦発生を少なくし、推進用ジャッキの伸長に要する推力を軽減し、長距離化を図ろうとするものである。
ところで、推進工法の推進能率は、異なる土質条件や地下水圧の有無、管路線形等により左右されやすく、実際の現場においては、これらの推進工法技術は理論通りにはならず、全国でトラブルが発生しているのが現状である。
例えば、1スパン500mの内、途中にたった10mでも、推進管に対する地山の締付けが起きただけで、推進用ジャッキの推力に限界が生じ、推進管全体が全く動かなくなり、一旦推進管が動かなくなると、再稼動が極めて困難になるのが推進工法の弱点である。
また、推進管において、耐圧強度の高い高強度管の開発も進んではいるが、推進工法の弱点を払拭するに至っていないのが現状である。
そこで、この発明の課題は、推進工法とシールド工法を併用し、推進工法の推進が限界に達した時点でシールド工法に移行することで、必要とする長さの管路を効率よく連続して構築することができる管路の構築工法を提供することにある。
上記のような課題を解決するため、この発明は、掘進機の後方に、取付け用セグメントを内蔵する独立したシールド筒ユニットを配置し、このシールド筒ユニットに接続した推進管を推進工法によって地中に進入させ、推進工法の推力に限界が生じた時点で推進工法を停止してシールド工法に切換え、シールド筒ユニット内の推進ジャッキを作動させて掘進機を前進させ、推進管の先端にセグメントを用いて管路を構築する構成を採用したものである。
上記シールド筒ユニットは、外径の異なる推進管と取付け用セグメントを接続する異形ジョイントを備え、シールド工法に切換えてセグメントで管路を構築するとき、異形ジョイントをシールド筒ユニットから切離して推進管と取付け用セグメントの接続部分に残置し、前記シールド工法で取付け用セグメントに連続するよう管路を構築するように構成することができる。
また、上記異形ジョイントとこれに嵌合する推進管及び取付け用セグメントの嵌合部分にシール剤を注入し、推進管と取付け用セグメントの接続部分を止水状にしたり、上記推進機に接続されている排泥パイプを伸縮可能とし、セグメントを用いた管路の構築による推進機の前進に追従して前記排泥パイプを伸長させるようにすることができる。
ここで、シールド筒ユニットは、スキン円筒の内部に複数のシールドジャッキを組み込み、スキン円筒の後端に位置させた異形ジョイントの内部に取付け用セグメントをリングに組み立てた状態で収納し、この異形ジョイントの内周面には、推進管及び取付け用セグメントの嵌合部分を水密にする止水シールが設けられ、また、スキン円筒の内周面にもセグメントで構築する管路の嵌合部分を水密にする止水シールが設けられている。
この発明によると、推進工法とシールド工法を併用し、推進工法の推進が限界に達した時点でシールド工法に移行することで、推進工法からシールド工法への切換えが短時間で行え、推進工法の推進が限界になるような条件が発生しても、必要とする長さの管路を効率よく連続して構築することができ、管路の掘進延長を飛躍的に伸ばすことができ、推進工法の問題点を完全に払拭することができ、リスク回避と工期短縮で経済効率が格段に高まる。
また、異形ジョイントとこれに嵌合する推進管及び取付け用セグメントの嵌合部分と、シールド筒ユニットとセグメント管路の嵌合部分を止水するようにしたので、シールド筒ユニット内に予め組み込んだ取付け用セグメントと推進管の接続部分を水密にすることができ、シールド工法への移行においてセグメントでの管路構築時の漏水発生を防ぐことができ、シールド工法による管路構築が円滑に行え、止水性の高い管路を構築することができる。
さらに、推進工法とシールド工法の併用により、河川、鉄道横断、電力、ガス管等の重量構造物下の施工がシールド工法によって安心して行える。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、管路の構築工法に用いる構築装置の推進工法時の状態を示し、テールボイドによる推力減少方法を利用する掘進機1の後方にシールド筒ユニット2を配置し、このシールド筒ユニット2の後端に接続した推進管3を推進工法によって地中に進入させるようになっている。
上記推進管3は、RC、ダクタイル管、鋼管等を用い、順次後端側に接続されながら発進竪坑の推進用押し込みジャッキで地中に押し込まれることになる。
上記シールド筒ユニット2は、単体の製品として別途製作され、図3のように、推進管3の外径に見合うスキン円筒4の内部に複数の推進ジャッキ5を組み込み、スキン円筒4の後端に異形ジョイント6を接続した構造を有し、上記異形ジョイント6の内部に、図5に示す鋼製やRC製の4〜6分割の取付け用セグメント7を予め組み立てた状態で収納しておく。
上記異形ジョイント6は、図4のように、推進管3と同様の外径を有し、中間部から後端側の内径が推進管3に外嵌し、先端側の内径は、推進管3と内径が等しく外径が推進管3よりも小径となる取付け用セグメント7の組み立てリングに外嵌するよう、外径の異なる推進管3と取付け用セグメント7を接続するように形成され、この異形ジョイント6の内周面で推進管及び取付け用セグメント7の嵌合部分に、それぞれの嵌合部分を止水する前後一対の止水シール8が設けられている。
この異形ジョイント6には、中間部内周面から一対となる各シール8間の内周面に達して開口する通路9が設けられ、推進管3及び取付け用セグメント7の嵌合部分で前後一対の止水シール8間に、注入器10を用いてシール剤11を注入することで、嵌合部分の水密性の向上を図ることができるようにしている。
また、シールド筒ユニット2におけるスキン円筒4の内周面にも、取付け用セグメント7の先端側に組み立てられて行くセグメント7aの組み立てリングの嵌合部分を水密にする止水シール12が設けられ、セグメント7aによる管路構築作業時の止水を図るようにしている。
図6は、上記推進機1のチャンバーに先端が接続され、構築した管路内に配置することにより、推進機1による掘進排泥を地上に導出させる排泥パイプ13を示し、シールド工法による掘進機1の前進に追従するよう、伸縮可能な構造になっている。
この伸縮構造は、塩化ビニル、アルミ、鋼管等の複数の大小異径パイプ14を水密状に接続して伸縮自在としたり、図示省略したが蛇腹パイプを用いるようにすればよい。
次に、この発明の管路の構築工法を説明する
図1のように、推進工法の施工において、掘進機1と推進管3の間に単体のシールド筒ユニット2を配置し、掘進機1による掘削と推進管3の後端を押し込み用推進ジャッキで押圧することにより推進工法を開始し、推進管3の後端側に新たな推進管3を順次継足していく。
この時、シールド筒ユニット2は、後端側に位置させた異形ジョイント6の後端側を推進管3の先端と接続すると共に、異形ジョイント6の先端側内部に、例えば、幅60cm程度の取付け用セグメント7を予めリングに組み立てて収納しておき、異形ジョイント6の内周面で推進管3及び取付け用セグメント7の嵌合部分を、それぞれ前後一対の止水シール8で止水し、異形ジョイント6の内周面で推進管3及び取付け用セグメント7の嵌合部分にシール剤を注入することでこの嵌合部分を水密にし、かつ、推進ジャッキ5を伸長させて取付け用セグメント7の先端面に当接させておく。
なお、異形ジョイント6の内周面で一対の止水シール8間にシール剤11を注入することにより、推進管3と取付け用セグメント7の接続部分の止水がより完全に行え、震動に強い接続状態が得られる。
上記のような推進工法の施工状態で、押し込み用推進ジャッキによる推力での推進管3の推進が不能に陥った場合、そこで推進工法を停止し、シールド筒ユニット2を用いて管路を構築するシールド工法に切換える。
このシールド工法の切換えは、推進管3による管路からシールド筒ユニット2内に作業者が入れば直ぐに行えるので、切換えに要する時間が1時間程度でよく、待機時間が少ないので工期の大幅な短縮が可能になる。
シールド工法を行うには、図2のように、シールドジャッキ5を収縮させ、シールド筒ユニット2内に搬入したセグメント7aを円筒のリングに組み立て、このリングを取付けセグメント7の先端に当接させた状態で推進ジャッキ5を伸長させ、掘進機1を稼動させた状態で、組み立てたセグメント7aを反力として、シールド筒ユニット2と掘進機1をセグメント7aのリングの長さ分だけ前進させる。なお、掘進機1の前進に伴って排泥パイプ13は伸長し、排泥の搬送が支障なく行えることになる。
このようにして、シールド筒2と掘進機1を前進させると、推進ジャッキ5を収縮させ、シールド筒ユニット2内で再びセグメント7aを円筒のリングに組み立てて先のリングに接続し、再度推進ジャッキ5を伸長させ、掘進機1を稼動させた状態で組み立てたセグメント7aのリングを反力として、シールド筒ユニット2と掘進機1をセグメント7aのリングの長さ分だけ前進させる。
上記のようなセグメント7aの組み立てと推進ジャッキ5の伸縮による前進を必要な長さにわたって繰り返すことにより、推進管3の先端に取付け用セグメント7とセグメント7aを用いて管路を構築することができ、これによって、推進管3と取付け用セグメント7及びセグメント7aで連続した管路が得られることになる。
上記のようなシールド工法の施工において、シールド筒ユニット2の後端に位置させた異形ジョイント6は、シールド筒ユニット2から切離して推進管3の先端と取付け用セグメント7の接続部分に残置する。
図4のように、異形ジョイント6と推進管3及び取付け用セグメント7の嵌合部分をそれぞれ止水シール8とシール剤11によって水密にすると共に、シールド筒ユニット2の内周面にもセグメント7aのリングに圧接する止水シール12が設けてあるので、高水圧下でも継手部の止水効果は抜群であり、シールド工法への移行時における管路内への漏水の発生を確実に防ぐことができ、シールド工法の施工が支障なく行えることになる。
管路の構築工法に用いる構築装置の推進工法時の状態を示す縦断正面図 管路の構築工法に用いる構築装置のシールド工法時の状態を示す縦断正面図 管路の構築工法に用いる構築装置のシールド工法時のシールド筒の部分を拡大した縦断正面図 管路の構築工法に用いる構築装置のシールド工法時の異形ジョイント部分を拡大した縦断正面図 セグメントを組み立てたリングの正面図 排泥パイプの縦断正面図
符号の説明
1 掘進機
2 シールド筒ユニット
3 推進管
4 スキン円筒
5 推進ジャッキ
6 異形ジョイント
7 セグメント
8 シール
9 通路
10 注入器
11 シール剤
12 止水シール
13 排泥パイプ
14 大小異径パイプ

Claims (4)

  1. 掘進機の後方に、取付け用セグメントを内蔵する独立したシールド筒ユニットを配置し、このシールド筒ユニットに接続した推進管を推進工法によって地中に進入させ、推進工法の推力に限界が生じた時点で推進工法を停止してシールド工法に切換え、シールド筒ユニット内の推進ジャッキを作動させて掘進機を前進させ、推進管の先端にセグメントを用いて管路を構築する管路の構築工法。
  2. 上記シールド筒ユニットは、外径の異なる推進管と取付け用セグメントを接続する異形ジョイントを備え、シールド工法に切換えてセグメントで管路を構築するとき、異形ジョイントをシールド筒ユニットから切離して推進管と取付け用セグメントの接続部分に残置し、前記シールド工法で取付け用セグメントに連続するよう管路を構築する請求項1に記載の管路の構築工法。
  3. 上記異形ジョイントとこれに嵌合する推進管及び取付け用セグメントの嵌合部分にシール剤を注入し、推進管と取付け用セグメントの接続部分を止水状にする請求項2に記載の管路の構築工法。
  4. 上記推進機に接続されている排泥パイプを伸縮可能とし、セグメントを用いた管路の構築による推進機の前進に追従して前記排泥パイプを伸長させる請求項1乃至3の何れかに記載の管路の構築工法。
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