JP2007023101A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 混合加工性を犠牲にすることなく、タイヤトレッド用ゴム組成物のウェットグリップを向上させる。
【解決手段】 ガラス転移温度(Tg)が−30℃〜0℃のスチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)50重量%以上を含むジエン系ゴム成分100重量部及び平均粒径D50が1〜15ミクロンでアスペクト比が3〜25のウォラストナイト5〜50重量部を含んでなり、前記ウォラストナイト、カーボンブラック及びシリカの配合量の総量が90〜200重量部であるタイヤトレッド用ゴム組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 ガラス転移温度(Tg)が−30℃〜0℃のスチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)50重量%以上を含むジエン系ゴム成分100重量部及び平均粒径D50が1〜15ミクロンでアスペクト比が3〜25のウォラストナイト5〜50重量部を含んでなり、前記ウォラストナイト、カーボンブラック及びシリカの配合量の総量が90〜200重量部であるタイヤトレッド用ゴム組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明はタイヤトレッド用ゴム組成物に関し、更に詳しくは混合加工性を損なうことなくウェットグリップ性能を向上させたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
タイヤトレッド用ゴム組成物のウェットグリップ性能を向上させる目的で、シリカを配合することは良く知られているが、粘度が高くなり加工しにくかったり、混合機やロールに密着しやすいという問題がある。一方、シリカに代わるフィラーとして水酸化アルミニウムを配合したり(特許文献1及び2参照)、デンプンを配合したりすること(特許文献3参照)が検討されている。しかしながら、例えば水酸化アルミニウムを配合した場合には、シリカを使用した場合と比較してウェットグリップ性能が劣ることが確認されている。以上より、従来技術では、混合加工性を損なうことなく、ウェットグリップ性能を向上させたタイヤトレッド用ゴム組成物を得ることは困難であった。
従って、本発明の目的は混合加工性を損なうことなく、タイヤトレッド用ゴム組成物のウェットグリップ性能を向上させることにある。
本発明に従えば、ガラス転移温度(Tg)が−30℃〜0℃のスチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)50重量%以上を含むジエン系ゴム成分100重量部及び平均粒径D50が1〜15ミクロンでアスペクト比が3〜25のウォラストナイト5〜50重量部を含んでなり、前記ウォラストナイト、カーボンブラック及びシリカの配合量の総量が90〜200重量部であるタイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
本発明によれば、Tgが−30℃〜0℃のSBR50重量%以上を含むジエン系ゴムに、特定のウォラストナイトを補強用充填剤の一部として配合することにより、ゴム組成物の混合加工性を犠牲にすることなく、ウェットグリップ性能を向上させることができるため、特に高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物として使用するのに好適である。
本発明者らは前記課題を解決すべく研究を進めた結果、SBRを主体としたジエン系ゴム組成物に、シリカの一部に代えてウォラストナイトを配合することによって、混合加工性を犠牲にすることなく、ゴム組成物のウェットグリップ性能を向上させることができることを見出した。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物に使用するゴム成分は、Tgが−30℃〜0℃のSBRを50重量%以上含むジエン系ゴム成分で、ジエン系ゴムとしては、タイヤ用として使用することができる任意のジエン系ゴムを用いることができる。具体的には天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−イソブチレン共重合体ゴム及びそのハロゲン化物などをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明のゴム組成物のゴム成分としては、前述の如く、Tgが−30℃〜0℃、好ましくは−30℃〜−15℃のSBRをジエン系ゴムの合計量の50重量%以上、好ましくは70重量%以上用いる。このSBRの配合量が少ないとグリップ性能が劣るので好ましくない。また使用するSBRのTgが低過ぎるとグリップ性能が劣るので好ましくなく、逆に高過ぎると硬度や貯蔵弾性率の温度依存性が大きくなるので好ましくない。
本発明に従えば、前記ゴム組成物に平均粒径D50(即ち粒径加積曲線から、通過重量百分率が50%に対する粒径)が1〜15μm、好ましくは2〜10μmで、アスペクト比(即ち長軸と短軸の比)が3〜25、好ましくは8〜20のウォラストナイトを、前記ジエン系ゴム100重量部に対し、5〜50重量部、好ましくは16〜40重量部、更に好ましくは18〜30重量部配合する。ウォラストナイトの平均粒径D50が1μm未満のものは製造が困難であり、逆に大き過ぎると分散性が悪化し、結果としてゴム組成物の破断物性が低下するので好ましくない。ウォラストナイトのアスペクト比が小さ過ぎると補強性が低いので好ましくなく、逆に大き過ぎると分散性が悪化するので好ましくない。ウォラストナイトの配合量が少な過ぎるとグリップ性能向上効果が小さいので好ましくなく、逆に多過ぎると分散性が悪化し、結果として、ゴム組成物の破断物性が低下するので好ましくない。
本発明において使用するウォラストナイト(Wollastonite)(珪灰石)は化学式CaSiO3で示される珪酸塩鉱物で、天然鉱物として産出されるウォラストナイトは、石灰石と花岡岩の接触部で変成作用を受けて発達した鉱物で、色はガラス光沢のある白色、帯灰色、帯褐色を呈し、結晶形態は針状、塊状をなしている。主成分はSlO2とCaOをほぼ等量含有し、微量成分としてAl2O3,Fe2O3等を含有しており、天然に産出される低温型(β型)と合成の高温型(α型)がある。なお、ウォラストナイトは例えば巴工業株式会社などから各種グレードが市販されており、本発明においてはこれらの市販品のうち、前記平均粒径D50及びアスペクト比のものを使用することができる。
本発明のゴム組成物には、前記ジエン系ゴム成分100重量部に対し、ウォラストナイト、カーボンブラック及びシリカの合計フィラー量が90〜200重量部、好ましくは90〜160重量部であり、ウォラストナイト/シリカの比(重量)が0.2〜0.8であるのが好ましく、0.2〜0.6であるのが更に好ましい。合計フィラー量が少な過ぎるとグリップ性能が劣るので好ましくなく、逆に多過ぎると混合加工性が悪化するので好ましくない。
本発明のゴム組成物に配合するカーボンブラックはグリップ性能とトレッド剛性の両立という観点からCTAB吸着比表面積が100〜260m2/gで、DBP吸油量が110〜170ml/100gであるのが好ましい。
本発明に係るゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。また本発明に係るゴム組成物を用いたタイヤ製造工程も従前通りである。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜4及び比較例1〜3
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を2リットルの密閉型ミキサーで5〜7分間混練し、150±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いて以下に示す試験法で未加硫物性(ムーニー粘度)を評価した。結果は表Iに示す。
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を2リットルの密閉型ミキサーで5〜7分間混練し、150±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いて以下に示す試験法で未加硫物性(ムーニー粘度)を評価した。結果は表Iに示す。
性能評価試験法
ムーニー粘度:JIS K−6300に準拠して測定したML1+4(100℃)。この値が80以下が混合加工性が良好である。
ムーニー粘度:JIS K−6300に準拠して測定したML1+4(100℃)。この値が80以下が混合加工性が良好である。
グリップ性能評価
各例のゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ(サイズ:195/55R15)を用いて横浜ゴム(株)所有のハンドリングコースにてグリップ性能を官能評価した。水深が2〜3mmとなるようコース全体に散水して、人工的にWET路面を作成して評価を行った。その結果を以下の基準で評価した。評点が3+以上が性能が優れていることを示す。
5は基準タイヤ比で運転頻度の低いドライバーが良いと感じるもの
4は基準タイヤ比でプロドライバーが良いと感じるもの
3は比較例1のゴム組成物をトレッドに用いた基準タイヤのグリップレベルを意味する
2は基準タイヤ比でプロドライバーが悪いと感じるもの
各例のゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ(サイズ:195/55R15)を用いて横浜ゴム(株)所有のハンドリングコースにてグリップ性能を官能評価した。水深が2〜3mmとなるようコース全体に散水して、人工的にWET路面を作成して評価を行った。その結果を以下の基準で評価した。評点が3+以上が性能が優れていることを示す。
5は基準タイヤ比で運転頻度の低いドライバーが良いと感じるもの
4は基準タイヤ比でプロドライバーが良いと感じるもの
3は比較例1のゴム組成物をトレッドに用いた基準タイヤのグリップレベルを意味する
2は基準タイヤ比でプロドライバーが悪いと感じるもの
ロール密着性
各例のゴム組成物(マスターバッチ)に加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練する際、そのロール作業性を以下の基準で評価した。評点が3+以上が性能に優れていることを示す。
5は熟練者でなくても容易に作業できるもの
4は熟練者が容易に作業できるもの
3は比較例1の作業レベル
2は熟練者が容易に作業できないもの
各例のゴム組成物(マスターバッチ)に加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練する際、そのロール作業性を以下の基準で評価した。評点が3+以上が性能に優れていることを示す。
5は熟練者でなくても容易に作業できるもの
4は熟練者が容易に作業できるもの
3は比較例1の作業レベル
2は熟練者が容易に作業できないもの
表I脚注
*1:日本ゼオン(株)製SBR(Tg=−20℃)
*2:日本ゼオン(株)製SBR(Tg=−50℃)
*3:三菱化学(株)製カーボンブラック(N2SA=128m2/g,CTAB=134m2/g,DBP=121ml/100g)
*4:デグッサ製シリカ
*5:昭和電工(株)製水酸化アルミニウム
*6:NYCO社製ウォラストナイトNYAD400(D50=7ミクロン、アスペクト比=5)
*7:昭和シェル石油(株)製デソレックス3号
*8:住友化学(株)製
*9:正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種
*10:日本油脂(株)製ビーズステアリン酸
*11:三新化学工業(株)製
*12:大内新興化学工業(株)製
*13:鶴見化学工業(株)製5%油入り微粉硫黄
*1:日本ゼオン(株)製SBR(Tg=−20℃)
*2:日本ゼオン(株)製SBR(Tg=−50℃)
*3:三菱化学(株)製カーボンブラック(N2SA=128m2/g,CTAB=134m2/g,DBP=121ml/100g)
*4:デグッサ製シリカ
*5:昭和電工(株)製水酸化アルミニウム
*6:NYCO社製ウォラストナイトNYAD400(D50=7ミクロン、アスペクト比=5)
*7:昭和シェル石油(株)製デソレックス3号
*8:住友化学(株)製
*9:正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種
*10:日本油脂(株)製ビーズステアリン酸
*11:三新化学工業(株)製
*12:大内新興化学工業(株)製
*13:鶴見化学工業(株)製5%油入り微粉硫黄
以上の通り、本発明に従って、特定のSBRを主成分として含むジエン系ゴムからなるゴム組成物に、シリカの一部に代えて、特定のウォラストナイトを配合することによって、混合加工性を損なうことなく、ウェットグリップ性能を向上させることができ、空気入りタイヤのトレッド用ゴム組成物として有用である。
Claims (3)
- ガラス転移温度(Tg)が−30℃〜0℃のスチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)50重量%以上を含むジエン系ゴム成分100重量部及び平均粒径D50が1〜15ミクロンでアスペクト比が3〜25のウォラストナイト5〜50重量部を含んでなり、前記ウォラストナイト、カーボンブラック及びシリカの配合量の総量が90〜200重量部であるタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記カーボンブラックがCTAB吸着比表面積100〜260m2/gでDBP吸油量が110〜170ml/100gである請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記ウォラストナイト及びシリカの配合量の比(ウォラストナイト/シリカ)が0.2〜0.8である請求項1又は請求項2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005204490A JP2007023101A (ja) | 2005-07-13 | 2005-07-13 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005204490A JP2007023101A (ja) | 2005-07-13 | 2005-07-13 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007023101A true JP2007023101A (ja) | 2007-02-01 |
Family
ID=37784310
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JP2005204490A Pending JP2007023101A (ja) | 2005-07-13 | 2005-07-13 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
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JP (1) | JP2007023101A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031578A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴム組成物 |
WO2014157494A1 (ja) | 2013-03-29 | 2014-10-02 | コニカミノルタ株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 |
-
2005
- 2005-07-13 JP JP2005204490A patent/JP2007023101A/ja active Pending
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WO2014157494A1 (ja) | 2013-03-29 | 2014-10-02 | コニカミノルタ株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 |
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