JP2007022012A - 易剥離性フィルム及びそれを用いた二重フィルム包装袋 - Google Patents
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Abstract
二重フィルム包装袋の製造に適した易剥離性フィルム及びそれを用いた二重フィルム包装袋を提供する。
【解決手段】
少なくとも剥離層と支持層とを有する易剥離性フィルムであって、該易剥離性フィルムの一方の表層が、低密度エチレン樹脂65〜94重量%、線状低密度エチレン樹脂3〜25重量%、ブテン系樹脂3〜15重量%からなる剥離層であり、他方の表層が線状低密度エチレン樹脂からなる支持層である易剥離性フィルム。外面が剥離層、内面が支持層のチューブ状易剥離性フィルムである前記易剥離性フィルムを、支持層同士が接するように圧して二重フィルムとし、該二重フィルムを製袋して得られる二重フィルム包装体であって、該二重フィルム包装体の外面および内面が、いずれも剥離層から形成されてなる二重フィルム包装袋。
【選択図】 なし
Description
さらに本発明は、外面が剥離層、内面が支持層のチューブ状の前記易剥離性フィルムを支持層同士が接するように圧して二重フィルムとし、該二重フィルムを製袋して得られる二重フィルム包装体であって、該二重フィルム包装体の外面および内面が、いずれも剥離層から形成されてなる二重フィルム包装袋である。
さらに本発明は、前記チューブ状易剥離性フィルムを用いる製袋充填方法であって、下記の工程(1)〜(5)を順に含む製袋充填方法である。
工程(1):請求項4に記載のチューブ状易剥離性フィルムを支持層同士が接するように圧して二重フィルムとする工程
工程(2):前記二重フィルムの対向する一組の辺同士を重ね、該重ねた辺と略平行にシールし筒状体を製造する工程
工程(3):前記筒状体の一端を、工程(2)でシールした部位と一部が重なるようにしてシールする工程
工程(4):工程(3)で得られる2ヶ所をシールした筒状体に内容物を充填する工程
工程(5):筒状体の他の一端をシールし製袋する工程
本発明で用いられる剥離層の低密度エチレン樹脂とは、一般にLDPEと呼ばれるものであり、また、剥離層における線状低密度エチレン樹脂とは、LLDPEあるいはエチレン/α−オレフィン共重合体と呼ばれるものである。エチレン/α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンとしては、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1などの炭素原始数3〜12のα−オレフィンであり、その含量は通常20重量%以下である。さらに上記の低密度エチレン樹脂及び線状低密度エチレン樹脂のJIS K7210に準拠して測定される190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレートは15g/10分以下であることが、易剥離性およびフィルム加工安定性の観点から好ましく、同様の観点から、JIS K7112に準拠して測定される密度が、910〜930kg/m3の範囲であることが好ましい。なお、本発明における樹脂のメルトフローレートとは、特に断りのない限りJIS K7210に準拠して、190℃、2.16kg荷重で測定される値である。また、本発明における樹脂の密度とは、特に断りのない限りJIS K7112に準拠して測定される値である。
フィルム剛性の観点から、本発明の易剥離性フィルムは、剥離層と支持層との間に、密度920〜950kg/m3、好ましくは密度925〜945kg/m3のエチレン系樹脂からなる中間層を有することが好ましい。エチレン系樹脂としては、低密度エチレン樹脂(LDPE)、線状低密度エチレン樹脂(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のいずれか一種またはこれらの混合物が挙げられる。易剥離性フィルムの剛性および製膜性安定性から、線状低密度エチレン樹脂(LLDPE)が好ましい。
本発明の易剥離性フィルムの厚さは、好ましくは30〜200μm、より好ましくは40〜150μmである。
インフレーション成形により得られる筒状フィルムを適当な長さに切断し、チューブ状易剥離性フィルムを得ることができる。フィルム成形時に、筒状フィルムの外層、すなわち剥離層にコロナ処理を施してもよい。
工程(1):チューブ状易剥離性フィルムを支持層同士が接するように圧して二重フィルムとする工程
工程(2):前記二重フィルムの対向する一組の辺同士を重ね、該重ねた辺と略平行にシールし筒状体を製造する工程
工程(3):前記筒状体の一端を、工程(2)でシールした部位と一部が重なるようにしてシールする工程
工程(4):工程(3)で得られる2ヶ所をシールした筒状体に内容物を充填する工程
工程(5):筒状体の他の一端をシールし製袋する工程
前記充填方法では、ピロー包装機を用いることができる。充填する内容物は特に問わないが、飲料等の液体、バター、マーガリン、クリーム、ケチャップ等が挙げられる。
該二重フィルム包装袋のシール部位構成は、外面から順に<剥離層/支持層>//<支持層/剥離層>// <剥離層/支持層>//<支持層/剥離層>となる(記号//はシール箇所を示す)。フィルムの支持層同士のシール温度が、剥離層同士のシール温度より高い場合には、二重フィルム包装袋の支持層同士のシール強度が剥離層同士のシール強度より弱くなり、二重フィルム包装袋の形態をなすことができず好ましくない。
なお本発明におけるシール温度とは、易剥離性フィルム4枚を、シール部位が前記層構成となるように重ねて熱シールした際、支持層同士のシール強度が剥離層同士のシール強度より高く、かつ剥離層同士のシール部が易剥離性を示すようにシール可能な温度である。
本発明の二重フィルム包装袋は、外面が低密度エチレン樹脂65〜94重量%、線状低密度エチレン樹脂3〜25重量%、ブテン系樹脂3〜15重量%からなる剥離層となる。このような本発明の二重フィルム包装袋は、外面が耐傷付き性に優れるため、バックインボックス用内袋として好適に用いることができる。なお、耐傷付き性とは、バックインボックス用内袋として用いた場合に、段ボールや樹脂からなる外側容器とのこすれに対する耐性である。
支持層には、線状低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製 商品名スミカセンE:FV401、メルトフローレート=4g/10分、密度=905kg/m3)を用いた。剥離層には、低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製、商品名スミカセン:F200、メルトフローレート=2g/10分、密度=924kg/m3)83重量%、線状低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製 商品名スミカセンE:FV202、メルトフローレート=2g/10分、密度=925kg/m3)12重量%、ブテン系樹脂(三井化学(株)製、商品名タフマー:BL3450、メルトフローレート=4g/10分、密度=900kg/m3)5重量%を用いた。中間層には、線状低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製 商品名スミカセンα:FZ203−0、メルトフローレート=2g/10分、密度=932kg/m3)80重量%、低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製 商品名スミカセン:F208−1、メルトフローレート=1.5g/10分、密度=923kg/m3)20重量%を用いた。
上記材料を用い、3種3層共押出インフレ-ション加工機(押出機A:50mmφ、押出機B:50mmφ、押出機C:50mmφ、層構成:チューブ状フィルム=外面/中間面/内面=押出機A/押出機B/押出機C)を用い、押出機Aに剥離層用樹脂、押出機Bに中間層用樹脂、押出機Cに支持層用樹脂を投入し、押出温度170℃で成形し、剥離層、中間層、支持層の順に積層されてなる積層フィルムを製造した。得られた積層フィルムの支持層厚みは25μm、中間層厚みは35μm、剥離層厚みは10μm、全体厚みは70μmであった。
剥離層樹脂として、低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製、商品名スミカセン:F200、メルトフローレート=2g/10分、密度=924kg/m3)70重量%、線状低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製 商品名スミカセンE:FV202、メルトフローレート=2g/10分、密度=925kg/m3)20重量%、ブテン系樹脂(三井化学(株)製、商品名タフマー:BL3450、メルトフローレート=4g/10分、密度=900kg/m3)10重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、3種3層の積層フィルムを得た。
剥離層樹脂として、低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製、商品名スミカセン:F200、メルトフローレート=2g/10分、密度=924kg/m3)50重量%、線状低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製 商品名スミカセンE:FV202、メルトフローレート=2g/10分、密度=925kg/m3)40重量%、ブテン系樹脂(三井化学(株)製、商品名タフマー:BL3450、メルトフローレート=4g/10分、密度=900kg/m3)10重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、3種3層の積層フィルムを得た。
剥離層樹脂として、低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製、商品名スミカセン:F200、メルトフローレート=2g/10分、密度=924kg/m3)90重量%、ブテン系樹脂(三井化学(株)製、商品名タフマー:BL3450、メルトフローレート=4g/10分、密度=900kg/m3)10重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、3種3層の積層フィルムを得た。
剥離層樹脂として、線状低密度エチレン樹脂(住友化学(株)製 商品名スミカセンE:FV202、メルトフローレート=2g/10分、密度=925kg/m3)90重量%、ブテン系樹脂(三井化学(株)製、商品名タフマー:BL3450、メルトフローレート=4g/10分、密度=900kg/m3)10重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、3種3層の積層フィルムを得た。
(1)易剥離性
上記実施例および比較例で得られた積層フィルムの支持層面に巴工業(株)製コロナ処理機を用いコロナ処理を施した。康井精機(株)製コーターを用い、脂肪族エステル系コート剤(主剤=三井武田ケミカル(株)「タケラックXA−525」、硬化剤=三井武田ケミカル(株)「タケネートXA−52」、酢酸エチルをそれぞれ10対1対15の重量比で配合し十分に混合したもの)をポリエステルフィルム(ユニチカ(株)製、商品名「PTMX」、厚さ25μm、幅330mm)に塗布し、前記積層フィルムのコロナ処理面と圧着させた後、40℃のオーブンにて24時間加熱し、易剥離性フィルムを得た。該易剥離性フィルムを70×90mmに切り出したものを2枚用い、剥離層同士を密着させ、圧力1kg/cm2、時間1秒、シール温度140℃にて巾20mmの帯状(該易剥離性フィルムの90mm長さと平行方向に)にヒートシールした。この帯状のシール部分と垂直に、該シール部分を含むように15mm巾間隔に切り出し15mm×70mmの試験片を作製した。東洋精機(株)オートグラフAGS500D型引張試験機を使用し、23℃雰囲気下、300mm/分の引張速度で180度剥離させたときの剥離強度を測定した。剥離強度が3〜10N/15mm幅のフィルムは、二重フィルム包装袋とした場合に、流通過程では開封せず、かつ開封時には容易に剥離できる剥離強度であると判断した。
上記(1)の剥離強度測定後の易剥離性フィルムの剥離部位を観察し、樹脂伸び(糸引き)やフィルム切れで剥離できなかったものを×(外観不良)とし、樹脂伸びが認められず外観に優れるものを○とした。
上記実施例および比較例で得られた各積層フィルムから、70×90mmのサンプルを得た。該サンプルを4枚(フィルムA,フィルムB,フィルムC,フィルムD)用い、フィルムA(剥離層a/支持層a)/フィルムB(支持層b/剥離層b)/フィルムC(剥離層c/支持層c)/フィルムD(支持層d/剥離層d)の順に重ね合わせて二重フィルム包装袋のシール部と同様の層構成とし、圧力1kg/cm2、時間0.5秒で、シール温度を80℃から140℃までの5℃刻みの各温度で、巾20mmの帯状(該積層フィルムの90mm長さと平行方向に)にヒートシールした。この帯状のシール部分と垂直に、該シール部分を含むように15mm巾間隔に切り出し、15mm×70mmの試験片を作製した。前記試験片のフィルムAとフィルムBの融着部を手で剥離、フィルム伸びやフィルム切れが発生し剥離できなかった時の最も低いシール温度を、支持層の熱融着温度とした。
シール温度を140℃、シール時間1秒とした以外は上記(3)と同様に試験片を作製した。試験片を手で剥離したときの剥離形態を評価した。
○:フィルムAとフィルムBとの間(支持層同士)、およびフィルムCとフィルムDとの間(支持層同士)で剥離できず、かつフィルムBとフィルムCとの間(剥離層同士)で剥離でき剥離外観に優れる。
×(1):フィルムBとフィルムCとの間(剥離層同士)で剥離すると樹脂伸びが酷く剥離外観に劣る。
×(2):支持層同士はシールされているが、剥離層同士のシール部の剥離強度が低い。(流通過程で開封する恐れあり)
×(3):フィルムBとフィルムCとの間(剥離層同士)の剥離強度が高すぎ、剥離が困難。
Claims (7)
- 少なくとも剥離層と支持層とを有する易剥離性フィルムであって、該易剥離性フィルムの一方の表層が、低密度エチレン樹脂65〜94重量%、線状低密度エチレン樹脂3〜25重量%、ブテン系樹脂3〜15重量%からなる剥離層であり、他方の表層が線状低密度エチレン樹脂からなる支持層である易剥離性フィルム。
- 前記支持層を構成する線状低密度エチレン樹脂が、密度895〜925kg/m3であって、かつ190℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートが1〜15g/10分である請求項1記載の易剥離性フィルム。
- 剥離層と支持層との間に、密度920〜950kg/m3のエチレン系樹脂からなる中間層を有する請求項1または2に記載の易剥離性フィルム。
- 外面が剥離層、内面が支持層のチューブ状易剥離性フィルムである請求項1〜3いずれかに記載の易剥離性フィルム。
- 請求項4に記載のチューブ状易剥離性フィルムを支持層同士が接するように圧して二重フィルムとし、該二重フィルムを製袋して得られる二重フィルム包装体であって、該二重フィルム包装体の外面および内面が、いずれも剥離層から形成されてなる二重フィルム包装袋。
- バックインボックス用内袋である請求項5に記載の二重フィルム包装袋。
- 請求項4に記載のチューブ状易剥離性フィルムを用いる製袋充填方法であって、下記の工程(1)〜(5)を順に含む製袋充填方法。
工程(1):請求項4に記載のチューブ状易剥離性フィルムを支持層同士が接するように圧して二重フィルムとする工程
工程(2):前記二重フィルムの対向する一組の辺同士を重ね、該重ねた辺と略平行にシールし筒状体を製造する工程
工程(3):前記筒状体の一端を、工程(2)でシールした部位と一部が重なるようにしてシールする工程
工程(4):工程(3)で得られる2ヶ所をシールした筒状体に、内容物を充填する工程
工程(5):筒状体の他の一端をシールし製袋する工程
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