JP2007021010A - 双性イオンコーティング - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑成分が使用時に溶出することなく、レンズへの潤滑成分の付着を回避した耐久性、潤滑性に優れたコーティング層を有する医療用具および、基材表面にコーティング層を形成することによる基材の表面処理方法を提供する。
【解決手段】双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を架橋させてなる潤滑性に優れたコーティング層を有する医療用具に関する。前記双性イオン化合物のアニオンが、カルボキシレートイオン、サルフェートイオン、およびホスフェートイオンからなる群より選択されるアニオンであり、カチオンがアンモニウムイオンであることが好ましい。前記双性イオン化合物が、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェートであることが好ましい。前記混合物にさらに架橋剤を含有することが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を架橋させてなる潤滑性に優れたコーティング層を有する医療用具に関する。前記双性イオン化合物のアニオンが、カルボキシレートイオン、サルフェートイオン、およびホスフェートイオンからなる群より選択されるアニオンであり、カチオンがアンモニウムイオンであることが好ましい。前記双性イオン化合物が、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェートであることが好ましい。前記混合物にさらに架橋剤を含有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を架橋させてなる潤滑性に優れたコーティング層を有する医療用具および該コーティング層による医療用具の表面処理方法に関する。
フォールダブル眼内レンズ(フォールダブルIOL)挿入用のインサーターに用いられるカートリッジとしては、主としてポリプロピレンなど、疎水性のプラスチック樹脂を成形したものが用いられている。また、フォールダブルIOLとしては、アクリル樹脂からなる眼内レンズが主流であるが、原料のアクリル樹脂やシリコーンなどが粘着性を有するために、カートリッジ内壁表面に眼内レンズが付着して、インサーターの押出軸(プランジャー)を前進させても眼内レンズは押し出されないなどの問題が起こっている。
眼内レンズの押出の効率を改善するために、通常、ヒアルロン酸などの粘弾性物質を潤滑剤としてカートリッジに添加し、眼内レンズを眼球内へ送り込む方法が採用されている。しかしながら、前記のように、カートリッジは通常ポリプロピレンなどの疎水性プラスチック樹脂であり、また、フォールダブルIOLもアクリル樹脂やシリコーンなどであるため、親水性物質であるヒアルロン酸などとの親和性が低い。このため、眼内レンズが接触するカートリッジ内壁表面の潤滑性を向上させる必要がある。
カートリッジ内壁表面の潤滑性を向上させる方法として、特許文献1には、予めカートリッジ内壁にプラズマ処理を施した後、加熱条件下において潤滑剤成分と親油性成分を物理的に固定、凝集させることが記載されている。特許文献2には、疎水性の潤滑成分を湿度50〜90%の条件下で1〜7日間かけてカートリッジ表面に表出させることが記載されている。これらの方法で処理したカートリッジ内壁表面は、IOLを押し出すための力を低減する効果があるものの、疎水性を有するためにフォールダブルIOLへの潤滑剤成分の付着問題を充分に改善できない。フォールダブルIOLに疎水性成分が付着すると、IOLの光学性能を低下させたり、疎水性成分が眼球内に入る可能性が高くなり、該成分が眼内に溜まるという危惧がある。
したがって、カートリッジ内壁表面とIOLの接触による成分付着の問題を解決し、フォールダブルIOLをより安全で効率よく眼球内に送り込むための技術が望まれていた。
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、潤滑成分が使用時に溶出することなく、レンズへの潤滑成分の付着を回避した耐久性、潤滑性に優れたコーティング層を有する医療用具および、基材表面にコーティング層を形成することによる基材の表面処理方法を提供することである。
本発明は双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を架橋させてなる潤滑性に優れたコーティング層を有する医療用具に関する。
前記双性イオン化合物のアニオンが、カルボキシレートイオン、サルフェートイオン、およびホスフェートイオンからなる群より選択されるアニオンであり、カチオンがアンモニウムイオンであることが好ましい。
前記双性イオン化合物が、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェートであることが好ましい。
前記混合物にさらに架橋剤を含有することが好ましい。
本発明の医療用具には、眼内レンズ挿入用インサーターがあげられる。
また、本発明は、双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を基材表面に塗布した後、該混合物を架橋する基材の表面処理方法に関する。
本発明によれば、双性イオン化合物および親水性ポリマーを用いるので、潤滑性に優れたコーティング層を基材表面に形成することが可能となる。また該コーティング層をIOL挿入用のインサーターに適用すれば、IOLがカートリッジ内壁に接触、付着することなく、効率よく眼球内にIOLを送り込むことができる。
双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を架橋させてなる潤滑性に優れたコーティング層を有する医療用具に関する。
本発明においては、双性イオンモノマーおよび親水性ポリマーを含む混合物を用いる。
双性イオン化合物は、水との親和性が高く、保湿性、吸湿性に優れている。汎用性、安定性の点から、双性イオン化合物のアニオンとしてカルボキシレート、サルフェート、ホスフェートからなる群より選択されるアニオンを有し、該モノマーのカチオンとしてはアンモニウムを有することが好ましい。
双性イオン化合物の具体例としては、例えば、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェート、N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)−2’−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−カルボキシエチル)−2’−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)−3’−アクリルアミドプロピルアンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−カルボキシエチル)−3’−アクリルアミドエチルアンモニウムベタインなどがあげられる。これらのなかでも、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェートが、少量の添加によりコーティング層に潤滑性を付与することができる点から好ましい。
前記双性イオン化合物は、1種または2種以上を選択して使用すればよい。
混合物における双性イオン化合物の含有量は、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.0〜5.0重量%である。双性イオン化合物の含有量が0.1重量%未満の場合は、充分な潤滑性が得られない傾向があり、含有量が10重量%をこえる場合は、該双性イオンを含む混合物から形成されるコーティング層が厚くなり、潤滑性が低下してコーティング層が破損しやすくなる傾向がある。
本発明においては、双性イオン化合物と親水性ポリマーとを用いることによって、基材上に均一なコーティング層を形成することが可能となる。
親水性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などが成膜性の点から好ましい。
親水性ポリマーの重量平均分子量は、10,000〜2,000,000であることが好ましく、より好ましくは100,000〜500,000である。親水性ポリマーの重量平均分子量が、10,000より小さい場合には、混合物から形成されるコーティング層が効果的に形成されない傾向があり、2,000,000をこえる場合には、粘度が高くなるために、混合物の調製が困難となる傾向がある。
前記親水性ポリマーは、1種または2種以上を選択して使用すればよい。
混合物における親水性ポリマーの含有量は、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.0〜5.0重量%である。親水性ポリマーの含有量が0.1重量%未満の場合には、親水性ポリマーの添加効果が充分に得られず、混合物から形成されるコーティング層が均一に形成できない傾向がある。含有量が10重量%をこえる場合には、混合物の粘度が高くなり、均一なコーティング層を形成することが困難であり、また、双性イオン化合物の重合を阻害する傾向がある。
本発明において、架橋とは、架橋剤を添加せず、γ線の照射などにより架橋させる場合と架橋剤を添加して架橋させる場合がある。
本発明におけるコーティング層は、さらに架橋剤を含有した混合物を架橋して得られることが、コーティング層を基材表面と強固に固定化できる点から好ましい。
架橋剤、特に限定されるものではなく、例えば、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート化合物;ジアリルフマレート、アリル(メタ)アクリレートなどのアリルアクリレート化合物;ビニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アジピン酸ジアリル、トリアリルジイソシアネート、α−メチレン−N−ビニルピロリドン、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼンなどがあげられる。これらの中でも、共重合性の点から、ジ(メタ)アクリレート系化合物であることが好ましい。
前記架橋剤は、1種または2種以上を選択して使用すればよい。
架橋剤を使用する場合、混合物における架橋剤の含有量は、0.01〜5.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0重量%である。架橋剤の含有量が0.01重量%未満の場合は、得られるコーティング層が安定しないため、表面がべたつき、潤滑性の障害となる傾向があり、5.0重量%をこえる場合は、得られるコーティング層が脆くなり、また、疎水性が高くなるために、潤滑性が低下する傾向がある。
前記混合物に、必要に応じて重合開始剤を添加してもよい。
重合開始剤としては、光重合開始剤を単独で用いてもよく、増感剤をさらに添加して私用してもよい。
重合開始剤の具体例としては、特に限定されるものではなく、例えば、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベンゾイルフォルメート、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(Darocure1173:登録商標)、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノンなどのフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム;2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンなどのチオキサンソン系光重合開始剤;ジベンゾスバロン;2−エチルアントラキノン;ベンゾフェノンアクリレート;ベンゾフェノン;ベンジルなどがあげられる。これらの重合開始剤の中でも、得られるコーティング層の製造に適した波長の光に対して、適当な感度を有する点から、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが好ましい。
前記重合開始剤は、1種または2種以上を選択して使用すればよい。
混合物における重合開始剤の含有量は、重合を開始せしめるのに充分な量であれば、特に限定されるものではないが、0.01〜5.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0重量%である。
ここで、本発明において、双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を架橋させてコーティング層を得ることにより、使用時に潤滑成分がカートリッジ内壁表面から溶出することがなく、それによりレンズなどの医療用具に潤滑成分が付着することを回避できる。
本発明において、前記混合物成分を混合する際、溶媒を使用してもよい。
溶媒としては、特に限定されるものではく、水、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミドなどが使用できる。
基材は、特に限定されるものではなく、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール、塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどがあげられる。
本発明において、混合物を基材の表面に塗布する方法としては特に限定されるものではなく、浸漬、噴霧、かけ流しなどの方法を用いることができる。
本発明におけるコーティング層は、混合物を基板上に塗布した後、該混合物を架橋して得られる。架橋は、前記混合物の重合反応によるものであり、マイクロ波、紫外線、放射線(γ線)、電子線などの電磁波を照射して重合反応を行なうことができる。紫外線の照射強度としては、10〜1000mW/cm2であることが好ましく、より好ましくは30〜300mW/cm2である。照射強度が10mW/cm2以下の場合には、コーティング層が完全に硬化しないことから所望の潤滑性が得られない傾向があり、1000mW/cm2をこえると、ポリマーの分子量が低くなり、得られるコーティング層が脆くなる傾向がある。また、照射時間は、コーティング層が、完全に硬化するのに充分な時間であれば特に限定されるものではないが、60〜1800秒、好ましくは300〜600秒である。
前記コーティング層を形成させる前に、基板にあらかじめプラズマ処理を施してもよい。プラズマ処理により、コーティング層の成膜性を高め、基材との接着性を向上させることができる。
本発明の医療用具としては、とくに限定されるものではないが、コンタクトレンズ、眼内レンズ、眼内レンズ挿入器具(眼内レンズ用インサーター)などがあげられる。
ここで、眼内レンズ挿入用インサーターとは、眼球の微小切開口を介して、眼内レンズを眼球内に挿入するための装置であって、折りたたまれた眼内レンズを設置する設置手段、前記眼内レンズをプランジャーにより押し出す押出手段、押出手段により眼内レンズを通過させる導入管からなる通過手段、および眼内レンズが導入管から眼球内に挿入されるときに通過する導入管先端部からなる導入手段を含み、かつ、通過手段および導入手段における導入管の内壁が本発明の処理方法により表面処理されたものである。前記手段を含有し表面処理が施されたものであれば、眼内レンズ挿入用インサーターの構造は特に限定されるものではなく、設置手段における眼内レンズ設置部分と通過手段および導入手段における導入管とは、分離可能でも一体化されていてもいずれでもよい。例えば、一般に使用されている設置手段におけるレンズ設置部分と、通過手段および導入手段における導入管からなるノズル部分を有するカートリッジ式のもの、具体的には、特開平2004−41271号公報記載の眼内レンズ挿入装置の先端ノズル部、特開2003−506144号公報に記載されているインサーター、特開2004−339405号公報に記載されているプラスチックからなるインサーター;前記レンズ設置部分と前記ノズル部分が一体化されたものがあげられる。
また、本発明は、双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を基材表面に塗布した後、該混合物を架橋する基材の表面処理方法に関する。
表面処理方法は、前記基板上へのコーティング層の形成方法を採用することができる。
本発明の処理方法により、医療用具の基材表面に潤滑性に優れたコーティング層を形成することができ、たとえば、コンタクトレンズ、眼内レンズ、眼内レンズ挿入器具(眼内レンズ用インサーター)などに用いた場合に有効である。
以下、本発明のコーティング層および処理方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。
混合物の製造
混合物の製造
製造例1
2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェート0.4g(2重量%)、ポリビニルピロリドン(ナカライテスク(株)社製、K−90、平均分子量:360,000)0.4g(2重量%)、エチレングリコールジメタクリレート0.2g(1重量%)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.2g(1重量%)をエタノール18.8g(94重量%)を30mlのサンプル瓶中で均一に混合して、混合物1を得た。
2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェート0.4g(2重量%)、ポリビニルピロリドン(ナカライテスク(株)社製、K−90、平均分子量:360,000)0.4g(2重量%)、エチレングリコールジメタクリレート0.2g(1重量%)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.2g(1重量%)をエタノール18.8g(94重量%)を30mlのサンプル瓶中で均一に混合して、混合物1を得た。
製造例2
2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェートの代わりに、N,N−ジメチル−N−(2−カルボキシエチル)−2’−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムベタイン0.4g(2重量%)を用いた以外は製造例1と同様にして、混合物2を得た。
2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェートの代わりに、N,N−ジメチル−N−(2−カルボキシエチル)−2’−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムベタイン0.4g(2重量%)を用いた以外は製造例1と同様にして、混合物2を得た。
製造例3
ポリビニルピロリドン(平均分子量:360,000、0.4g(2重量%))、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.4g(2重量%)、エチレングリコールジメタクリレート0.2g(1重量%)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.2g(1重量%)、エタノール18.8g(94重量%)を均一に混合して、混合物3を得た。
ポリビニルピロリドン(平均分子量:360,000、0.4g(2重量%))、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.4g(2重量%)、エチレングリコールジメタクリレート0.2g(1重量%)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.2g(1重量%)、エタノール18.8g(94重量%)を均一に混合して、混合物3を得た。
製造例4
ポリビニルピロリドン(平均分子量:360,000)0.4g(2重量%)、2−メタクロイルオキシエチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェート0.4g(2重量%)、蒸留水19.2g(96重量%)を均一に混合して、混合物Aを得た。
ポリビニルピロリドン(平均分子量:360,000)0.4g(2重量%)、2−メタクロイルオキシエチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェート0.4g(2重量%)、蒸留水19.2g(96重量%)を均一に混合して、混合物Aを得た。
実施例1〜2、比較例1(表面処理)
製造例1〜3で得られた混合物1〜3をそれぞれポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製)のペレットで成形したプレート(厚さ:1.1mm、径:22mm)に20μl塗布し、50℃、1時間の条件下で乾燥させた。これに紫外線照射装置(ウシオ電機(株)、SP3−250U)により、室温下にて照射強度60mW/cm2、照射時間10分間紫外線(365nm)を照射した。照射後、プレートを流水洗浄し、乾燥させて試料プレート1〜3とした。また、製造例1〜3で得られた混合物1〜3を、それぞれポリプロピレン製インサーターノズルの内壁に100μLかけ流し、50℃、1時間の条件下で乾燥させた。つづいて、前記紫外線照射装置により室温下にて照射強度100mW/cm2、照射時間10分間で紫外線(365nm)を照射した。照射後、インサーターノズルの内壁を流水洗浄し、乾燥させて試料インサーターノズル1〜3を得た。
製造例1〜3で得られた混合物1〜3をそれぞれポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製)のペレットで成形したプレート(厚さ:1.1mm、径:22mm)に20μl塗布し、50℃、1時間の条件下で乾燥させた。これに紫外線照射装置(ウシオ電機(株)、SP3−250U)により、室温下にて照射強度60mW/cm2、照射時間10分間紫外線(365nm)を照射した。照射後、プレートを流水洗浄し、乾燥させて試料プレート1〜3とした。また、製造例1〜3で得られた混合物1〜3を、それぞれポリプロピレン製インサーターノズルの内壁に100μLかけ流し、50℃、1時間の条件下で乾燥させた。つづいて、前記紫外線照射装置により室温下にて照射強度100mW/cm2、照射時間10分間で紫外線(365nm)を照射した。照射後、インサーターノズルの内壁を流水洗浄し、乾燥させて試料インサーターノズル1〜3を得た。
実施例3
混合物3をポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製)のペレットで成形したプレート(厚さ:1.1mm、径:22mm)に20μLを塗布し、γ線(線量:20kGy)を照射した後、プレートを流水洗浄し、乾燥させて試料プレートAとした。
混合物3をポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製)のペレットで成形したプレート(厚さ:1.1mm、径:22mm)に20μLを塗布し、γ線(線量:20kGy)を照射した後、プレートを流水洗浄し、乾燥させて試料プレートAとした。
表面処理の効果
試料プレート1〜3およびAに、ヒアルロン酸(メニコン製、ハイビスコ)を滴下した後、アクリル製眼内レンズを設置し、こすりつけたところ、製造例1および2の混合物でコーティング層を形成した試料プレート1、2およびAは、潤滑性に非常に優れていたのに対し、比較製造例3の混合物でコーティング層を形成した試料プレート3は潤滑性に乏しく、眼内レンズの粘着性によるレンズのプレートへの付着が観測された。
試料プレート1〜3およびAに、ヒアルロン酸(メニコン製、ハイビスコ)を滴下した後、アクリル製眼内レンズを設置し、こすりつけたところ、製造例1および2の混合物でコーティング層を形成した試料プレート1、2およびAは、潤滑性に非常に優れていたのに対し、比較製造例3の混合物でコーティング層を形成した試料プレート3は潤滑性に乏しく、眼内レンズの粘着性によるレンズのプレートへの付着が観測された。
試料インサーターノズル1〜3に、ヒアルロン酸(メニコン製、ハイビスコ)を滴下した後、アクリル製眼内レンズをセットし、プランジャーで押出した。製造例1および2の混合物でコーティング層を形成したインサーターノズル1および2では、眼内レンズを容易に押出すことができ、潤滑性に優れていることがわかった。一方、製造例3の混合物でコーティング層を形成したインサーターノズル3では、ノズル内壁に眼内レンズが付着してしまい、押出すことができなかった。
Claims (6)
- 双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を架橋させてなる潤滑性に優れたコーティング層を有する医療用具。
- 双性イオン化合物のアニオンが、カルボキシレートイオン、サルフェートイオン、およびホスフェートイオンからなる群より選択されるアニオンであり、カチオンがアンモニウムイオンである請求項1記載の医療用具。
- 双性イオン化合物が、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェートである請求項1または2記載の医療用具。
- 前記混合物に、さらに架橋剤を含有する請求項1、2または3記載の医療用具。
- 医療用具が眼内レンズ挿入用インサーターである請求項1、2、3または4記載の医療用具。
- 双性イオン化合物および親水性ポリマーを含む混合物を基材表面に塗布した後、該混合物を架橋する基材の表面処理方法。
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- 2005-07-20 JP JP2005210141A patent/JP2007021010A/ja active Pending
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