JP2007020459A - 緑化用具および緑化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 施工性に優れ、かつ、草食動物等による食害を確実に防止することができる緑化用具および緑化方法を提供すること。
【解決手段】 植生基材2を収容した植生袋3を備え、植生基材2および/または植生袋3が忌避機能を有するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、草食動物等による食害を防止しつつ緑化を図ることができる緑化用具および緑化方法に関する。
従来より、法面等の緑化対象地に植生基材を直接吹付ける緑化工が実施されており、この緑化工では、前記植生基材に緑化用植物の種子を混入して吹付けするか、あるいは植生基材の吹付けとは別に播種を行うことで、緑化対象地の緑化が図られる。また、植生基材を緑化用植物の種子とともに植生袋に収容した状態で緑化対象地に設置する緑化工も従来より実施されている。
しかし、上記いずれの緑化工においても、前記種子が例えばドングリなどの大型種子である場合にはノネズミなどにより食害にあい、また、種子の発芽初期に鹿などの草食動物によって食害を受けることも多かった。そして、その結果、緑化による侵食防止が不十分な状態で緑化対象地が放置されてしまうこととなっていた。
そこで、緑化用植物が上記食害にあわなくなる段階に生長するまでの間、網、柵などで囲って隔離したり、食害を引き起こす草食動物等が忌避する忌避材を種苗の周りに散布して、食害の防除を行っていた。
特開2004−222632号公報 特開2003−34933号公報
しかし、前記緑化工の年間の施工面積は膨大である上、その施工後の緑化対象地は無人状態となるので、上記の食害防止方法を実施するには多大な労力を要する。そのため、全ての緑化施工地において食害管理の徹底を図ろうとしても、その実現は非常に困難となるのが現状である。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、施工性に優れ、かつ、草食動物等による食害を確実に防止することができる緑化用具および緑化方法を提供することである。なお、ここでいう草食動物等とは、一般にいう草食動物に限らず、緑化対象地の植物(種子を含む)を摂食して食害を及ぼす動物全般をもさす。
上記目的を達成するために、本発明の第1の緑化用具は、植生基材を収容した植生袋を備え、植生基材および/または植生袋が忌避機能を有するように構成されていることを特徴としている(請求項1)。
また、上記緑化用具において、前記植生袋に種子が収容されていると共に、種子の通芽を阻害しないように前記植生袋が構成されていてもよい(請求項2)。
一方、本発明の第2の緑化用具は、シート状またはネット状または帯状に形成され忌避機能を有していることを特徴としており(請求項3)、この緑化用具が、植生基材を保持していてもよい(請求項4)。
他方、本発明の緑化方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の緑化用具を緑化対象地に敷設することを特徴としている(請求項5)。
請求項1〜4に係る発明によれば、施工性に優れ、かつ、草食動物等による食害を確実に防止することができる緑化用具が得られる。
具体的には、請求項1に係る発明では、通常、法面等の緑化対象地に配置され、その緑化対象地の緑化に寄与する植生基材および/またはこれを収容した植生袋に忌避機能を持たせるので、植生基材および/またはこれを収容した植生袋により緑化を図りつつ、その緑化に寄与する緑化用植物が食害にあうことを前記忌避機能により防止することができる緑化用具が得られる。従って、この緑化用具を用いれば、緑化対象地の緑化が確実に実現されることとなる。
請求項2に係る発明では、植生袋に収容した種子を生長させて緑化をより積極的に行える緑化用具が得られる。しかも、この緑化用具では、忌避機能を有する植生基材または忌避機能を有する植生袋によって前記種子は常に保護された状態で生長するので、この種子が生長する前に食害にあうことが確実に防止される。
ここで、請求項1および2に係る発明において、例えば、植生基材が忌避機能を有しており、その機能が匂いとして発揮される場合、植生袋を構成するシート状体の目合いを1mm以上とすることにより、植生基材の匂いを植生袋の外部に確実に漂わせて、植生袋付近における食害を防止することができる緑化用具が得られる。また、前記緑化用具では、種子を植生袋内に収容している場合、その種子の通芽を良好に行わせることができる。
請求項3に係る発明では、例えば緑化対象地に配置するだけで食害を防止することができる緑化用具が得られる。また、この緑化用具に、請求項4に記載しているように、植生基材を保持させれば、より積極的な緑化を図ることができる。
そして、請求項5に係る緑化方法は請求項1〜4に係る緑化用具を緑化対象地に敷設するだけで行えるため、非常に施工性に優れている。また、上記緑化用具を緑化対象地に敷設すると、緑化用具が有する忌避機能によって食害を確実に防止することができ、ひいては緑化用植物が良好に生長することによる緑化対象地の緑化被覆を早期に実現することができる。
また、請求項5に係る緑化方法において、法面を緑化対象地とする場合には、請求項1〜4に係る緑化用具を等高線に沿うように敷設することで、設置した緑化用具の山側に土砂が堆積し、この堆積土砂を生育基盤とすることで植物(周辺から飛来する植物種子など)が根付き易くなるため、緑化をより早期にかつ良好に図ることができるという効果が得られる。また、この場合、景観の向上にも寄与することとなる。
ここで、食害には、緑化用植物の種子が発芽前に小動物(例えばリスや鼠)や鳥類(例えば烏)等の草食動物に食べられてしまうパターンと、発芽後の幼苗期に鹿等の草食動物に食べられてしまうパターンとがあり、いずれのパターンの食害があった場合にも、所望する緑化が果たせなくなるおそれがある。しかし、請求項1〜4に係る緑化用具および請求項5に係る緑化方法では、前記忌避機能を有する植生基材等によって上記いずれのパターンの食害をも防止することが可能となる。
また、請求項1〜4に係る緑化用具および請求項5に係る緑化方法では、緑化対象地に植生基材や植生袋等を一度設置すれば、そのメンテナンスなどがほとんど不要であることから、その管理が非常に容易である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る緑化方法およびこの緑化方法に用いられる緑化用具1の構成を概略的に示す説明図、図2は、前記緑化用具1の構成を概略的に示す斜視図である。この実施の形態に係る緑化用具1は、図1に示すように、法面等の緑化対象地Nに敷設された状態で、前記緑化対象地Nにおいて緑化用植物を良好に生育させるように構成されている。
そこで、まず、前記緑化用具1の構成について説明する。この緑化用具1は、図1および図2に示すように、植生基材2を収容する植生袋3を備えている。前記植生基材2は、緑化用植物の種子(以下、植生種子という)、生育補助材(保水材、肥料等)および土壌改良材等から適宜に選択されたものを含んでいる。そのような植生基材2として、例えば、表土シードバンクを含み、具体的には、緑化対象地の近傍の地山や森林等の植生種子を含んでいる表土にピートモス、バーク堆肥や保水材など生育補助材を適宜混合してなるものが挙げられる。
なお、この実施形態の植生基材2は、植生種子、生育補助材および土壌改良材に忌避剤を混入してなり、これにより、忌避機能を有するように構成されている。前記忌避剤としては、例えば、カプサイシン、フタル酸や肉食動物(例えばライオン)のフェロモン等、食害を及ぼそうとする草食動物等を退け、かつ、緑化対象地Nにおいて生育対象とする緑化用植物の生長に悪影響を及ぼさないものを用いることが好ましい。
また、この実施の形態では、前記忌避剤は、1〜2mm程度の大きさの粒状または錠剤状に形成されている。しかし、忌避剤はそれより大きい塊状であってもよいし、それより小さい粒状であってもよく、更には液体状であってもよい。
一方、前記植生袋3は、図3に示すように、シート状体4を用いて形成される。詳述すると、図3は、前記植生基材2を収容した植生袋3の形成方法を概略的に示す説明図であり、この図に示すように、植生袋3は、二つ折りにされた状態の前記シート状体4の周縁部を縫着等により接合し、一端が閉塞され他端のみに開口3aを有する筒状とすることで形成される。そして、前記植生基材2は、上記のように形成された植生袋3の前記開口3aからその内部に投入され、この投入後、植生袋3の開口3aを接合することで、植生基材2を収容した植生袋3が完成する。
ここで、前記シート状体4は、例えば、不織布、フェルト、布(織布)、編織物、ジュート布、水分解性プラスチック、薄綿などで形成されている。また、シート状体4は、図2に示すように、植生袋3内に収容された植生種子あるいはその幼苗の通芽を阻害しないように構成されている必要がある。そのため、例えば、シート状体4を構成するシート状素材の強度が高すぎるような場合には、平織り、絡み織りもしくはラッセル織り等によりシート状体4を作製し、シート状体4が1mm以上の目合いを有する、或いは植物の生長と共に目合いが拡がるように構成することが好ましい。
そして、上記構成を有する植生袋3は、図1および図2に示すように、緑化対象地Nに敷設されるネット状部材5に設けられた収容部6に収容され、これにより、ネット状部材5に保持される。すなわち、前記収容部6は植生袋3を収容することができる程度の大きさを有する袋状あるいは筒状あるいはポケット状に形成され、植生袋3は収容部6の一端側からその内部に挿入される。そして、前記ネット状部材5には、適宜の間隔をおいて複数の収容部6が設けられている。
なお、ネット状部材5は、耐久性に富む繊維(例えばナイロンやポリエステル、アラミド、カーボン、ガラス、ポリアセタール等の繊維)あるいは腐食性繊維(例えば椰子等の繊維)を用いて、目合い5〜10mm程度の格子状に成形したものであるが、上記繊維による線条を用いて、上記と同様の目合いの網状体に編組したものにしてもよく、これら両者(格子状体と網状体)を重ね合わせてもよい。そして、この実施形態のネット状部材5は、幅1m当たりの引張強度が0.5〜4.0トン程度と高い強度を有するが、1m2 当たりの重量は200〜600g程度と軽量である。
さらに、前記ネット状部材5の下側には、図1および図2に示すように、シート状部材7が貼着等適宜の手段により固定されており、このシート状部材7は、例えばスフ薄綿、パルプ繊維、合成樹脂等の生分解性素材、可溶性素材または水解性素材を用いて形成され、水および植物の芽や根を通すように構成されている。そして、このシート状部材7の下面には、植生種子、肥料、土壌改良材、保水材等から適宜に選択されたものを含む植生基材8が水溶性糊材を用いて付着されており、これにより、シート状部材7は植生基材8を担持した状態となっている。また、この実施の形態における前記シート状部材7は、レーヨン製の薄綿を薄く延ばして形成されている。
そして、この実施形態の緑化方法は、図1に示すように、緑化用具1を緑化対象地Nに敷設するだけで完了する。なお、前記緑化用具1を敷設するには、例えばアンカーピン等の固定部材(図示していない)の打設により緑化用具1を緑化対象地Nに固定すればよい。また、緑化対象地Nが法面である場合、前記植生袋3が等高線に沿うように緑化用具1を敷設することが、緑化をより早期にかつ良好に図ることができる点で望ましい。これは、設置した各植生袋3の山側に土砂が堆積し、この堆積土砂を生育基盤とすることで植物(周辺から飛来する植物種子やシート状部材7から外れ緑化対象地Nを滑り落ちてきた植生種子など)が根付き易くなるためである。
ここで、前記緑化方法を実施する際、予め一体化された緑化用具1を緑化対象地Nに敷設してもよいが、例えば、前記植生袋3を装着していない状態の緑化用具1を緑化対象地Nに配置した後、植生袋3を前記収容部6内に挿入してもよく、この場合には、緑化用具1が軽量化し、緑化対象地Nまでの運搬を少人数で行うことができる。また、シート状部材7とネット状部材5とを貼着等によって直接固定する必要はなく、例えば、シート状部材7とネット状部材5とを緑化対象地N上に積層状態で配置した後、アンカーピン等の固定部材(図示していない)の打設を行うことにより、両者5,7を緑化対象地Nに敷設することができる。
上記のように緑化用具1を緑化対象地Nに敷設することにより、植生袋3内に収容された植生基材2中の植生種子が発芽・生長する。そして、このとき、植生袋3に収容された植生基材2中の忌避剤の忌避機能によって、草食動物等による食害が防止され、前記植生種子を良好に生長させることができ、ひいては確実に緑化対象地Nの緑化被覆がなされることとなる。すなわち、前記緑化方法では、忌避剤が植生基材2中の植生種子に接しているので、植生種子がノネズミなどにより食害にあうことはない。また、植生種子が生長して食害にあわなくなる苗の段階となるまでの間における鹿等の草食動物による食害も、前記忌避剤による忌避機能によって防止することができる。
また、前記忌避剤がその匂いによって忌避機能を発揮する場合、その匂いが植生袋3の外部にも伝わるように植生袋3を構成すれば、植生袋3内に収容された植生基材2中の植生種子だけでなく、シート状部材7に担持された植生基材8中の植生種子についての食害も防止することができる。具体的には、植生袋3を、忌避剤の匂いを通す小孔を多数あるいは無数に有するシート状体4で構成したり、雨水等により容易に溶解するシート状体4で構成すればよい。
しかし、上記のように植生袋3を構成した場合でも、植生袋3は間隔をおいて緑化対象地N上に配置されるため、植生袋3,3間の距離が大きいと、植生袋3,3間にあるシート状部材7に担持された植生種子は食害にあうおそれがある。そこで、この食害についてはその食害を及ぼす草食動物等との共生を図るために甘受する構成をとってもよいし、植生袋3,3間の距離を縮めて前記食害にあわないようにする構成を採用してもよい。
また、植生袋3が忌避剤の匂いを通すように構成されておらず、かつ、植生袋3,3間の距離が大きい場合であっても、植生袋3内の植生種子の通芽によって植生袋3は破れ、その部分から漏れた忌避剤の匂いが外部に漂うことになるので、これによっても、植生袋3,3間にあるシート状部材7に担持された植生種子についての食害をある程度防止することができる。
さらに、シート状部材7に担持された植生種子は、このシート状部材7とネット状部材5とで覆われた状態となっているので、この構成によっても食害からある程度守られることとなる。
なお、上記植生袋3は、図2に示すように、細長い袋状となっているものに限られず、例えば、図4に示すように、縦横の比率がほぼ同じである袋状であってもよい。なお、図4は、前記緑化用具1の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。この場合、植生袋3を保持するネット状部材5の収容部6の構成も、植生袋3にあわせて適宜に変更すればよい。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る緑化方法およびこの緑化方法に用いられる緑化用具9の構成を概略的に示す説明図である。なお、上記第1の実施の形態に示したものと同一または同等の部材等については、同じ符号を付しその説明を省略する。
上記第1の実施形態の緑化方法では、忌避機能を有する植生基材2を緑化対象地Nに配置するに際して、植生基材2を植生袋3に収容した状態としているが、第2の実施形態の緑化方法では、吹付け等により植生基材2の層を緑化対象地N上に形成している。それに伴って、第2の実施形態の緑化用具9は、第1の実施形態の緑化用具1が有していた植生基材2を収容するための植生袋3と、この植生袋3を収容するためにネット状部材5に設けられた収容部6とをそれぞれ有していない。
そして、この実施形態の緑化方法は、図5に示すように、緑化用具9を緑化対象地Nに敷設した後、植生基材2をその上側に吹付け等により配置するだけで完了する。上記のように行われる第2の実施形態の緑化方法では、緑化用具9がより軽量化し、その運搬や敷設作業に関する労力の軽減を図ることが可能となる。なお、前記緑化用具9の敷設は、第1の実施形態の緑化用具1と同様に行うことができる。
上記の構成からなる第2の実施形態の緑化方法では、忌避剤を含む植生基材2によって緑化用具9全体を覆うので、植生基材2中の植生種子のみならず、前記シート状部材7に担持された植生基材8中の植生種子をも良好に生長させることができる。
ここで、上記第1および第2の実施の形態に係る緑化用具1,9および緑化方法は、種々に変形して実施することができる。具体的には、第1および第2の実施形態において、前記シート状部材7に植生基材8を担持させなくてもよく、さらに、シート状部材7を設けなくてもよい。
また、第1および第2の実施形態において、植生基材2に混入する忌避剤として、例えば塊状または粒状(錠剤状)または粉状に形成され、その外面にコーティング層10が設けられた遅効性(徐放性)の忌避剤11(図6参照)を用いて、植生基材2が忌避機能をより長期間発揮することができるように構成してもよい。なお、図6は、前記忌避剤の変形例の構成を概略的に示す説明図である。この場合、前記コーティング層10は、雨水等により濡れることで溶け、これにより形成された亀裂部10aからその中にある忌避剤11が徐々に揮発(蒸発)あるいは溶出するように構成されていてもよいし、前記亀裂部10aが初期状態で設けられていてもよい。また、上記コーティング層10を有する遅効性の忌避剤11とコーティング層10を有しない通常の忌避剤とを併用してもよい。
また、第1の実施形態において、図7に示すように、植生袋3に収容する植生基材2に含まれる植生種子、生育補助材または土壌改良材等の材料のいずれかに、忌避剤12を付着あるいはコーティングすることで、植生基材2が忌避機能を有するように構成してもよい。ここで、図7は、前記植生袋3の変形例の構成を概略的に示す斜視図であり、この図では、植生基材2に含まれる植生種子aに忌避剤12を付着させた状態が示されている。なお、第2の実施形態で用いる植生基材2についても、同様に構成することができる。
また、第1および第2の実施形態において、ネット状部材5やシート状部材7に忌避剤を保持させて、これらが忌避機能を発揮するように構成してもよい。これらに忌避剤を保持させる方法は、前記シート状体4に忌避剤を保持させる方法と同様とすることができる。さらに、シート状部材7に忌避剤を保持させる場合、その保持は、植生基材8を担持する方法と同じ方法(例えば水溶性糊材を用いた付着)で行うこともできる。
また、第1および第2の実施形態において、シート状部材7に植生基材2および/または忌避剤を保持させる際、その保持位置は、シート状部材7の下面に限られず、上面または内面であってもよい。この場合には、シート状部材7の運搬中等に植生基材2や忌避剤が剥がれ落ちたりすること等を確実に防止することができる。尚、シート状部材7の内面に植生基材2や忌避剤を保持させる場合としては、例えば、シート状部材7の材料として紙を選択し、2枚の紙で植生基材2や忌避剤を挟持する場合が挙げられる。
また、第1の実施形態では、植生基材2に忌避剤を混入して植生基材2が忌避機能を有するように構成しているが、この構成に代えて、あるいはこの構成に加えて、植生袋3を形成するシート状体4に忌避剤を保持させて、植生袋3が忌避機能を有するように構成してもよい。ここで用いる忌避剤は、植生基材2に用いる忌避剤と同様のものを用いることができる。また、前記シート状体4に忌避剤を保持させる方法としては、前記シート状体4に忌避剤を練り込み、含浸、付着等させる方法や、シート状体4の原料に忌避剤を混練する方法などが挙げられる。
すなわち、第1の実施形態において、植生基材2、植生袋3、ネット状部材5、シート状部材7のいずれに忌避機能を持たせるかは任意に設定することができ、同様に、第2の実施形態において、植生基材2、ネット状部材5、シート状部材7のいずれに忌避機能を持たせるかも任意に設定することができる。
また、第1の実施形態において、前記植生袋3をアンカーピンや杭等の適宜の固定部材を用いて単独で緑化対象地Nに配置してもよい。この場合、ネット状部材5やシート状部材7が不要となるので、より安価で簡易に行える緑化方法が得られる。
また、第2の実施形態において、緑化用具9を植生基材2で覆う構成に代えて、植生基材2の層を緑化対象地N上に形成した後、その上側に緑化用具9を配置する構成を採用してもよい。すなわち、緑化用具9の上側に植生基材2を配置する場合には、緑化用具9のシート状部材7には専ら緑化用植物の生育補助材となる肥料や保水材を担持させることが好ましい。反対に、植生基材2の上側に緑化用具9を配置する場合には、緑化用具9のシート状部材7には植生種子を担持させることが好ましく、さらにこの場合には、前記生育補助材を担持させることが好ましい。
また、第2の実施形態において、緑化用具9を用いず、植生基材2のみを緑化対象地N上に配置してもよい。
また、第1の実施形態において、緑化対象地N上に配置した緑化用具1の上側に、スペーサー等を介してネットを緑化対象地Nから若干浮かせた状態で設置すれば、植物の根元を食害から防ぐことができ好適であり、このことは、第2の実施形態においても同様である。すなわち、第2の実施形態において、緑化対象地N上に配置した緑化用具9または植生基材2の上側に、スペーサー等を介してネットを緑化対象地Nから若干浮かせた状態で設置してもよい。さらに、前記ネットに上記忌避剤を塗布するなどして保持させれば、食害防止効果はより高まることとなる。また、このようなネットを設置する場合には、緑化用具1、9または植生基材2に忌避機能を持たせなくてもよい。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る緑化方法およびこの緑化方法に用いられる緑化用具13の構成を概略的に示す説明図である。なお、上記第1および第2の実施の形態に示したものと同一または同等の部材等については、同じ符号を付しその説明を省略する。
この実施の形態に係る緑化用具13は、図8に示すように、忌避機能を有するシート状体4を、帯状(テープ状)に加工して形成されたものである。なお、この実施の形態では、シート状体4に忌避剤を保持させることによりシート状体4が忌避機能を有するように構成している。ここで、シート状体4に忌避剤を保持させる方法は、上述した方法を用いることができる。
そして、この実施の形態に係る緑化方法は、前記緑化用具13を緑化対象地Nに敷設するだけで完了する。なお、前記緑化用具13を敷設するには、例えばアンカーピン等の固定部材(図示していない)の打設により緑化用具13を緑化対象地Nに固定すればよい。また、緑化対象地Nが法面である場合、等高線に沿うように緑化用具13を敷設することが、景観上の面などにおいて好ましい。
上記緑化方法では、緑化対象地Nに敷設した緑化用具13により、緑化用具13付近の植生を鹿等の草食動物等から保護することができ、これにより、現地の植生を最大限に活かした緑化を早期に実現することができる。
なお、第3の実施形態において、帯状の緑化用具13を、等高線(横)方向のみでなく、例えば、縦方向(等高線と垂直な方向)に敷設してもよく、縦横に格子状に敷設してもよい。さらに、この帯状の緑化用具13を当初よりネット(図示していない)に適宜の方法(接着剤を用いた接着や縫合等)によって付着させておけば、前記ネットを緑化対象地Nに敷設するだけで緑化用具13も敷設されることとなり、施工性を向上させることができる。ここで、前記ネットの敷設は、例えばアンカーピン等の固定部材(図示していない)の打設により行うことができる。
また、第3の実施形態において、緑化用具13は帯状でなく、例えば、矩形シート状、円形シート状、ネット状等に形成されていてもよい。
ここで、上記第1〜第3の実施形態における緑化方法では、それぞれ上述した効果が得られる他、例えば、各緑化方法で用いる忌避剤が降雨時等に雨水に濡れて各緑化用具から溶出するように構成されている場合には、そのように溶出した忌避剤が緑化用具の周囲に広がり、周囲における食害をも防止することができるという効果も得られる。
本発明の第1の実施の形態に係る緑化方法およびこの緑化方法に用いられる緑化用具の構成を概略的に示す説明図である。 前記緑化用具の構成を概略的に示す斜視図である。 上記実施の形態における植生基材を収容した植生袋の形成方法を概略的に示す説明図である。 前記緑化用具の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る緑化方法およびこの緑化方法に用いられる緑化用具の構成を概略的に示す説明図である。 第1および第2の実施の形態における忌避剤の変形例の構成を概略的に示す説明図である。 上記第1の実施の形態における植生袋の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る緑化方法およびこの緑化方法に用いられる緑化用具の構成を概略的に示す説明図である。
符号の説明
1 緑化用具
2 植生基材
3 植生袋
N 緑化対象地

Claims (5)

  1. 植生基材を収容した植生袋を備え、植生基材および/または植生袋が忌避機能を有するように構成されていることを特徴とする緑化用具。
  2. 前記植生袋に種子が収容されていると共に、種子の通芽を阻害しないように前記植生袋が構成されている請求項1に記載の緑化用具。
  3. シート状またはネット状または帯状に形成され忌避機能を有していることを特徴とする緑化用具。
  4. 植生基材を保持している請求項3に記載の緑化用具。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の緑化用具を緑化対象地に敷設することを特徴とする緑化方法。
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JP2023082708A (ja) * 2023-02-07 2023-06-14 国土防災技術株式会社 有害動物の忌避効果を有する緑化工法

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