JP2007019812A - 電源の逆接続保護機能を備えた負荷駆動装置 - Google Patents

電源の逆接続保護機能を備えた負荷駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数を増加することなく、逆接続発生時における回路の損傷防止できる電源の逆接続保護機能を備えた負荷制御回路を提供する。
【解決手段】FET(T1)のゲートとグランドとの間に、ドライバ回路2より出力されるの駆動信号によりオン、オフ動作するFET(T2)を設け、該FET(T2)がオンのときには、FET(T1)のゲートがグランドに接地されるので、FET(T1)がオフとなるように制御される。また、FET(T2)に備えられる寄生ダイオードD2は、アノードがグランド側、カソードがFET(T1)のゲート側に接続されるので、直流電源VBを逆接続した場合でも、寄生ダイオードD2が存在することにより、FET(T1)がオンとなり、該FET(T1)の寄生ダイオードD1に逆接続電流が流れ、寄生ダイオードが発熱するのを防止できる。これにより、FET(T1)及びその他の回路部品の損傷を防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、直流電源よりの電圧を供給して負荷を駆動する負荷駆動装置に係り、特に、直流電源の極性を反対に接続した場合でも回路の損傷を防止する技術に関する。
例えば、車両に搭載されるランプ等の負荷は、バッテリより直流電圧が供給されて駆動する。また、負荷とバッテリとの間には、電子スイッチとしてFET(電界効果トランジスタ)が設けられ、該FETのゲートにドライバ回路よりの駆動信号を出力するを制御することにより、FETのオン、オフを切り替え、負荷の駆動、停止を制御するようにしている。
図2は、このような負荷駆動回路の構成を示す回路図である。同図に示すように、この負荷駆動回路は、負荷101と、N型のMOSFET(T101;以下単に「FET」という)と、直流電源VBとを備えており、直流電源VBのプラス側出力端子はFET(T101)のドレインに接続され、ソースが負荷101の一端に接続され、負荷101の他端がグランドに接地されている。
更に、FET(T101)のゲートには、ドライバ回路102が接続されており、該ドライバ回路102より出力される駆動信号により、FET(T101)のオン、オフが制御されるようになっている。また、FET(T101)には、寄生ダイオードD101が備えられている。
そして、ドライバ回路102からの駆動信号により、FET(T101)がオンとされている場合には、直流電源VBのプラス端子→FET(T101)のドレイン→FET(T101)のソース→負荷101→直流電源VBのマイナス端子、の経路で電流が流れ、負荷101が駆動する。
ここで、FET(T101)のドレイン→チャネル→ソースの経路の抵抗が、FET(T101)のオン抵抗であり、通常5[mΩ]程度である。また、負荷101の抵抗を1[Ω]、直流電源VBの電圧を12[V]とすると、負荷101に流れる電流IDは12[A]となり、FET(T101)に発生する損失は0.005*12=0.72[W]となる。
一方、操作者が直流電源VBを取り付ける際に、プラス、マイナスの極性を誤って反対に接続することがあり得る。
図3は、直流電源VBの極性を逆接続した際の回路図を示している。上述したように、FET(T101)には、寄生ダイオードD101が存在し、該寄生ダイオードD101のアノードがソース、カソードがドレインに結合しているので、FET(T101)がオフ状態であっても、寄生ダイオードD101の存在により、図中I1に示す経路で、図2の場合とは逆方向に電流が流れてしまう。
ここで、負荷101の抵抗は変化しないものとすると、直流電源VBの逆接続時に流れる電流は12[A]となる。そして、寄生ダイオードD101の順方向の電圧降下を0.7[V]とすると、電力損失は、0.7[V]*12[A]=8.4[W]となる。これは、極性が正常の場合、即ち、上記の0.72[W]と比較して11.67倍となる。
そして、FET(T101)から大気への熱抵抗が、正常極性のときの電力損失に基づいて設定されているとすると、直流電源VBの逆接続状態が継続した場合には、FET(T101)の温度が急激に上昇し、熱破壊に至ることになる。
また、このような問題を解決するために、特開平6−129337号公報(特許文献1)には、FET(T101)のゲートとグランドとの間に、グランド側がアノードとなるようにダイオードを配置し、直流電源VBが逆接続された際には、FET(T101)をオンとさせることにより、寄生ダイオードD101に電流が流れることを防止する構成としたものが開示されている。
特開平6−129337号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された技術は、逆接続防止用のダイオードを保護回路として設ける必要があるので、部品点数の増加、コストアップにつながるという問題がある。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、部品点数を増加させることなく、且つ電源の逆接続時において確実に回路を保護することのできる電源の逆接続保護機能を備えた負荷制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、直流電源と負荷との間にスイッチング用N型MOSFETを配置し、前記スイッチング用N型MOSFETのゲートと接続されたドライバ回路より出力される駆動信号により、前記スイッチング用N型MOSFETのオン、オフを制御して、前記負荷の駆動、停止を切り替えるようにした負荷駆動装置において、前記スイッチング用N型MOSFETのゲートとグランドとの間に、前記ドライバ回路よりの駆動信号により、前記スイッチング用N型MOSFETのゲートをグランドに接地するための制御用N型MOSFETを設け、前記制御用N型MOSFETは、寄生ダイオードのアノードがグランド側、カソードが前記スイッチング用N型MOSFETのゲート側に接続されることを特徴とする。
本発明に係る電源の逆接続保護機能を備えた負荷制御装置では、スイッチング用N型MOSFETのゲートとグランドとの間に、制御用N型MOSFETが設けられ、該制御用N型MOSFETをオンとすることにより、スイッチング用N型MOSFETのゲートとグランドとを接続して、制御用N型MOSFETをオフとする制御を行っている。この際、制御用N型MOSFETが有する寄生ダイオードは、アノードがグランド側、カソードがスイッチング用N型MOSFETのゲートに接続されるので、直流電源の極性を反対に接続した場合には、この寄生ダイオードにより、スイッチング用N型MOSFETのドレイン、ゲート間に所定の電圧が発生して、該スイッチング用N型MOSFETがオンとなるので、スイッチング用N型MOSFETの寄生ダイオードに、大電流が流れることを防止することができる。
従って、たとえ直流電源を逆接続した場合であっても、スイッチング用N型MOSFET及びその他の負荷制御回路の損傷を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る負荷制御装置の構成を示す回路図である。同図に示すように、この負荷制御装置は、車両に搭載されるランプ等の負荷1と、バッテリ等の直流電源VBと、ソースが負荷1に接続されドレインが直流電源VBのプラス端子に接続されるN型MOSFET(T1;スイッチング用N型MOSFET、以下単に「FET」という)が設けられている。
また、FET(T1)のゲートは、抵抗Rgを介してドライバ回路2に接続されており、ドライバ回路2より出力される駆動信号s1により、制御される。更に、FET(T1)のゲートとグランドとの間には、N型MOSFET(T2;制御用N型MOSFET、以下単に「FET」という)が設けられている。
FET(T2)は、ゲートがドライバ回路2に接続され、該ドライバ回路2より出力される駆動信号s2により、オン、オフが制御される。また、FET(T2)が有する寄生ダイオードD2はアノードがグランドに接続され、カソードがFET(T1)のゲートに接続される。
次に、上記のように構成された本実施形態に係る負荷制御装置の動作について説明する。
直流電源VBが正常に接続されている場合には、直流電源VBのプラス側端子がFET(T1)のドレインに接続される。この状態で、ドライバ回路2より出力される駆動信号s1がHレベルとなり、且つs2がLレベルになると、FET(T1)のゲートにHレベル信号が与えられるので、FET(T1)がオンとなり、負荷1に電流IDが流れて負荷1が駆動する。
また、ドライバ回路2より出力される駆動信号s1がLレベルとなり、且つ、駆動信号s2がHレベルとなると、FET(T2)がオンとなり、FET(T1)のゲートがグランドに接地されるので、該FET(T1)はオフとなる。従って、負荷1を停止させることができる。
駆動信号s1をLレベルにすれば、FET(T1)をオフすることができるが、この方法ではFET(T1)のゲートが抵抗Rgを経由して接地されるので、ゲート電荷の放電が遅れ、遮断が遅れることになる。通常の動作では問題ないが、デッドショート発生時のように急速遮断が必要な場合には、遅れ時間が問題になる。この遅れを回避するために、FET(T2)が追加されている。
ここで、操作者が誤って図1の符号Aに示すように、直流電源VBの極性を反対に接続した場合を考える。直流電源VBが逆接続されると、FET(T1)のドレイン電位は−VBとなり、FET(T1)のゲート電位は、寄生ダイオードD2の順方向電圧降下を0.7[V]とすると、−0.7[V]となる。
一方、FET(T1)のソース電圧は寄生ダイオードD1により、−VB+0.7[V]となる。従って、FET(T1)のソース、ゲート間には、ソースに対して−0.7−(−VB+0.7)=VB−1.4[V]のプラス電圧が印加されることになり、この電圧によりFET(T1)がオンとなる。その結果、FET(T1)のソースからドレインに向けて、正常接続時とは逆方向となる電流が流れる。
このときのFET(T1)の通電電流は、正常動作時における負荷電流とほぼ同じ大きさであり、FET(T1)のオン抵抗も正常動作時とほぼ同一となる。従って、FET(T1)の発熱量は、正常動作時(直流電源VBを正常に接続したとき)と同一となる。よって、直流電源VBを逆接続した場合でも、FET(T1)が加熱により破壊されることを防止することができる。
このようにして、本実施形態に係る負荷制御装置では、直流電源VBを逆接続した場合でも、FET(T2)に設けられる寄生ダイオードD2が存在することにより、FET(T1)のドレイン、ゲート間に所定の電圧を印加することができ、該FET(T1)をオンとすることができるので、FET(T1)の寄生ダイオードD1に過電流が流れることを防止できる。
これにより、たとえ操作者が誤って直流電源VBを逆接続した場合であっても、FET(T1)、及びその他の回路構成部品を損傷することを防止できる。
また、FET(T1)のオン、オフ制御に用いるFET(T2)の寄生ダイオードD2を用いているので、逆接続時の回路保護の専用部品として、ダイオード或いはFET等を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑え、且つコストアップを避けることができる。つまり、直流電源VBを逆接続するという極めて稀に発生するトラブルのために、保護用の回路を設けて部品点数を増加したり、コストアップするという欠点を回避することができる。
部品点数を増加させずに、電源の逆接続時に回路を保護する上で極めて有用である。
本発明の一実施形態に係る負荷制御装置の構成を示す回路図である。 従来における負荷制御装置の構成を示す回路図である。 従来における負荷制御装置で、直流電源を逆に接続したときの電流の流れを示す説明図である。
符号の説明
1 負荷
2 ドライバ
VB 直流電源
T1 スイッチング用N型MOSFET
T2 制御用N型MOSFET
D1 寄生ダイオード
D2 寄生ダイオード

Claims (1)

  1. 直流電源と負荷との間にスイッチング用N型MOSFETを配置し、前記スイッチング用N型MOSFETのゲートと接続されたドライバ回路より出力される駆動信号により、前記スイッチング用N型MOSFETのオン、オフを制御して、前記負荷の駆動、停止を切り替えるようにした負荷駆動装置において、
    前記スイッチング用N型MOSFETのゲートとグランドとの間に、前記ドライバ回路よりの駆動信号により、前記スイッチング用N型MOSFETのゲートをグランドに接地するための制御用N型MOSFETを設け、
    前記制御用N型MOSFETは、寄生ダイオードのアノードがグランド側、カソードが前記スイッチング用N型MOSFETのゲート側に接続されることを特徴とする電源の逆接続保護機能を備えた負荷駆動装置。
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