JP2007019230A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解コンデンサの火花発生電圧が低下させずに、少量の薬品添加でもラジカル連鎖熱酸化反応を長期的に抑え、電解液の比抵抗の上昇を抑制しながら、容量変化率、tanδの上昇の抑制が可能な電解コンデンサの駆動用電解液を提供すること。
【解決手段】電解コンデンサの駆動用電解液として、溶媒としてのエチレングリコールなど多価アルコールと、溶質として、カルボン酸、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、マンニトール、ソルビトール等を溶解するほかに、フェルラ酸またはコーヒー酸もしくはそのそれぞれの塩を溶解する。

Description

本発明は、電解コンデンサ用電解液に関するものである。
従来のコンデンサ素子に含浸する電解液は、エチレングリコールを主溶媒とし、カルボン酸またはその塩、ホウ酸またはそのアンモニウム塩、およびマンニトールまたはソルビトールを溶解してなる電解液が使用されていた。電解液の耐電圧を向上させる手段としては、合成高分子であるポリビニルアルコールを溶解していた。また、カルボン酸、ホウ酸と多価アルコール類はエステル化合物を形成し、その構造的な特性によっても電解液の耐圧が向上することが知られていた。
しかしながら、このエステル化合物は、電解コンデンサ内部の発熱や雰囲気温度などにより、アミド類を生成し、このアミド類がコンデンサ素子内部や電解液に残存する酸素および陽極で発生する酸素ガスによって、ラジカル連鎖熱酸化反応を起こし、そのアミド類の酸化反応によって得られた生成物が、電解液の比抵抗を上昇させるという問題があった。
このラジカル連鎖熱酸化反応を抑制するために、従来、ハイドロキノン(例えば特許文献1)やプロトカテキュ酸(例えば特許文献2)などを使用してきた。
ハイドロキノンは、ベンゼン環に水酸基が2つ付いたもので、反応性が強く電解コンデンサとしての長期使用には不向きであった。
プロトカテキュ酸は、ベンゼン環に2つの水酸基と1つのカルボキシル基とが付いたもので、反応性がハイドロキノンに比べ緩慢で、また、カルボキシル基を有しているためにカルボン酸としての性質があり、電解液の電導度の低下が少ないことが特徴ではあるが、電解液を高温放置して比抵抗の変化を調べると、多量に溶解しても比抵抗増加の抑制に効果は少なく、多量に溶解すると火花発生電圧が低下する傾向があった。

特開平1−103820号公報 特開平11−74160号号公報
本発明の目的は、火花発生電圧が低下させずに、少量の薬品添加でもラジカル連鎖熱酸化反応を長期的に抑え、電解液の比抵抗の上昇を抑制することを課題とするものである。
本発明は、多価アルコールを主溶媒とする電解コンデンサ用電解液において、フェルラ酸またはコーヒー酸を溶解することを特徴とした電解コンデンサ用電解液を提供するものである。
本発明によるフェルラ酸またはコーヒー酸を溶解した電解液を用いることで、電解コンデンサの火花発生電圧が低下させずに、少量の薬品添加でもラジカル連鎖熱酸化反応を長期的に抑え、電解液の比抵抗の上昇を長期に抑制するので、電解コンデンサの容量の減少やtanδの上昇を抑制し、信頼性の高い電解コンデンサ用の電解液が得られる。
本発明の電解液は、多価アルコールを溶媒とし、フェルラ酸またはコーヒー酸を含めたカルボン酸などの溶質等を溶解する電解コンデンサ用電解液である。
本発明の電解液に溶解するフェルラ酸は、ベンゼン環に、水酸基と、メトキシ基と、カルボキシル基が付いたビニル基が付いたものである。また、本発明の電解液に溶解するコーヒー酸は、ベンゼン環に2つの水酸基とカルボキシル基が付いたビニル基を持つ化合物で、フェルラ酸のメトキシ基が、水酸基に置き換わったものである。
フェルラ酸またはコーヒー酸のベンゼン環に付いたビニルカルボン酸部分は、その不飽和二重結合部分が酸化を受けやすく、コンデンサ素子内部や電解液に残存する酸素および陽極で発生する酸素ガスと反応する。そのため、活性酸素の元を減らすことができる。
ベンゼン環に付いた水酸基はフェノール性の水酸基で、活性酸素の消去とフリーラジカルに水素を供給することでの抗酸化反応作用の2つの作用を有している。そのため発生した活性酸素を消去させるとともに、発生したアミド類のラジカル連鎖熱酸化反応のラジカル性を消失させる坑酸化作用をもたらし、アミド類の酸化反応、二塩基酸の重縮合反応を抑えることができる。そのために、電解液の比抵抗の上昇を抑制することができる。
また、カルボキシル基を有しているために、カルボン酸としての性質があり、電解液の電導度の低下が少ない。
また、フェルラ酸またはコーヒー酸は不飽和脂肪酸とも見ることができ、不飽和部分であるビニル基部分が活性酸素のために電子を失って酸化が進む場合でも、抗酸化反応作用部分である水酸基部分からは電子が放出されるので、フェルラ酸またはコーヒー酸自身の安定化が図られるために、その使用量は、数wt%程度と少量でも目的の抑制が可能であり、そのため火花発生電圧が低下する傾向は少ない。
また、フェルラ酸は、バニリンとマロン酸の縮合反応等による化学合成のほか、食品抽出製造法から製造することができ、安全性が高く、また効率的に製造することができる。また、コーヒー酸は、このフェルラ酸を脱メチル化剤により脱メチル化することにより容易に製造することができる。
溶媒としての多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、へキシレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどの多価アルコール類のほか、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−ノナラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトンなどのラクトン類も用いることができる。
これらの溶媒は単独もしくは混合して用いることができる。
カルボン酸としては、アゼライン酸、2−メチルアゼライン酸、3−tert−オクチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニル−ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸、カプリル酸、エナント酸などを用いることができる。
カルボン酸の塩としては、アンモニウム塩、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミンなどの一級アミン塩、ジメチル、エチルメチルアミン、ジエチルアミンなどの二級アミン塩、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミンなどの三級アミン塩、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウムなどの四級アンモニウム塩、イミダゾリニウム塩などを用いることができる。
溶解したフェルラ酸またはコーヒー酸は、電解液中で、上記の塩を添加したことによりアンモニウム塩やアミン塩、イミダゾリニウム塩などの塩として存在する場合もあるし、始めからアンモニウム塩やアミン塩、イミダゾリニウム塩などの塩の形で溶解してもかまわない。
また、カルボン酸、フェルラ酸またはコーヒー酸以外の溶質としては、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、マンニトール、ソルビトール等を溶解する。
本発明の実施例について説明する。表1の組成で電解液を調合し、30℃における電解液の比抵抗と85℃における火花発生電圧を測定し、合わせて表1に示した。また、フェルラ酸またはコーヒー酸を省いた場合を表2に示し比較した。
Figure 2007019230

Figure 2007019230
表1と表2の組成の電解液を用い、定格400V680μFのアルミ電解コンデンサを作成した。なお、このアルミ電解コンデンサに用いた陽極箔は530Vの電圧で化成した箔とした。また、試作時のエージング条件は、85℃の雰囲気中で455VDC、3時間印加とした。試料数は各40個とした。コンデンサの初期特性および105℃雰囲気中での高温負荷試験3,000時間後の20℃における静電容量とtanδを測定し、その平均値を表3に示す。
Figure 2007019230
表1、表2より、フェルラ酸の溶解量は、多いほど容量変化率、tanδの上昇を抑制する効果は大きいが、溶解量が5.0wt%以上あたりから電解液の火花発生電圧の低下が大きく、溶解量は3.0wt%以下が望ましい。
また、コーヒー酸を溶解した電解液は、フェルラ酸のそれに比べ、火花電圧は同等であり、比抵抗は低くなる。
表3より、フェルラ酸またはコーヒー酸を溶解した実施例は従来例に比べて3,000時間後の容量変化率、tanδの上昇を抑制していることが分かる。

Claims (1)

  1. 多価アルコールを主溶媒とする電解コンデンサ用電解液において、フェルラ酸またはコーヒー酸を溶解することを特徴とした電解コンデンサ用電解液。
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