JP2007018738A - 水素吸蔵合金粉末及びこれを用いたニッケル水素電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電池内部抵抗が低く、電池の保存特性が良好となる水素吸蔵合金粉末、及びこれを用いたニッケル水素電池を提供する。
【解決手段】 本発明の水素吸蔵合金粉末は、AB5型結晶構造を有し、Aサイトの元素にLaを含み、Bサイトの元素にNiを含む金属間化合物を有する。しかも、Laを20wt%以上、金属Niを2〜10wt%含むとともに、その表面にLa(OH)3を含む針状若しくは米粒状の析出物が付着してなり、CuのKα線を用いたX線回折分析において、回折角2θ=42.5deg付近に現れLaNi5の(111)面を示すピーク強度をP1とし、回折角2θ=15.8deg付近に現れLa(OH)3の(100)面を示すピーク強度をP2としたとき、比P2/P1が、P2/P1≧0.02となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素吸蔵合金からなり、ニッケル水素蓄電池などに用いられる水素吸蔵合金粉末、及びこれを用いたニッケル水素電池に関する。
水素吸蔵合金の粉末を用いた電極は、その理論容量密度がカドミウム電極より大きくなる、また、亜鉛電極のように変形やデンドライトの生成がないなどの利点があり、長寿命・無公害である。しかもエネルギー密度が高いことから、ニッケル水素電池の負極として小型ポータブル機器用電源などに多用されている。このニッケル水素電池は、近年、電気自動車やハイブリッドカーなどの動力電源としても注目を集めており、その出力特性や保存特性の向上などが強く要望されている。
その手法の一つとして、ニッケル水素電池の負極活物質として用いる水素吸蔵合金粉末の活性を高めるための処理があり、これについて多くの提案がなされている。
その1つとして、特許文献1が挙げられる。この特許文献1には、高率放電特性、自己放電特性およびサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を与え得る電極用合金粉末を提供するべく、Niを20〜70重量%含む水素吸蔵合金からなる原料粉末を、90℃以上で、水酸化ナトリウムを30〜80重量%含む水溶液に浸漬する第一の工程、および第一の工程を施した粉末を水洗する第二の工程を有する電極用合金粉末の製造法が開示されている。
特開2002−256301号公報(第 頁、図2,4)
しかしながら、この特許文献1に開示されている電極用合金粉末の製造法は、その適用範囲が広く、これに記載されている処理方法で処理を行った水素吸蔵合金粉末を負極に用いたニッケル水素電池であっても、水素吸蔵合金粉末の組成及び処理の時間などによって、作製したニッケル水素電池の内部抵抗値や保存特性に違いが生じることが判ってきた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされてものであって、電池内部抵抗が低く、電池の保存特性が良好となる水素吸蔵合金粉末及びこれを用いたニッケル水素電池を提供することを目的とする。
そして、その解決手段は、AB5型結晶構造を有し、Aサイトの元素にLaを含み、Bサイトの元素にNiを含む金属間化合物と、金属Niとを有する水素吸蔵合金粉末であって、Laを20wt%以上、上記金属Niを2〜10wt%含むとともに、その表面にLa(OH)3を含む針状若しくは米粒状の析出物が付着してなり、この水素吸蔵合金粉末に関するCuのKα線を用いたX線回折分析において、回折角2θ=42.5deg付近に現れLaNi5の(111)面を示すピーク強度をP1とし、回折角2θ=15.8deg付近に現れLa(OH)3の(100)面を示すピーク強度をP2としたとき、比P2/P1が、P2/P1≧0.02である水素吸蔵合金粉末である。
本発明の水素吸蔵合金粉末は、AB5型結晶構造を有し、Aサイトの元素にLaを含み、Bサイトの元素にNiを含む金属間化合物を有する、いわゆるLaNi5系の水素吸蔵合金粉末である。しかも、この合金は、Laの含有量が20wt%以上であり、Laを多く含んでいる。また、AB5型結晶構造からは遊離した金属Niを2〜10wt%含んでいる。また、その表面にはLa(OH)3を含む針状若しくは米粒状の析出物が付着してなり、XRDにおけるピークP1とP2の比が、P2/P1≧0.02である。
つまり、このLaを多く含む合金粉末において、LaNi5の量を基準とした場合に、析出物に含まれるLa(OH)3の存在量が多いものとなっている。
このような本発明の水素吸蔵合金粉末は、これを負極活物質として用いたニッケル水素電池を作製した場合に、電池の内部抵抗値が低くできる上、このニッケル水素電池の保存特性、具体的には、長期保存後の自己放電試験における残存容量が良好となる。
このようになる理由は、明確ではないが、まず、金属Ni量が或る程度の大きさを有することにより、金属Niによる水素吸脱蔵の触媒としての作用が発揮されるために、電池の内部抵抗が低下すると考えられる。また、比P2/P1で示されるLa(OH)3の存在量が多くなること、つまり、Laを多量に含む水素吸蔵合金粉末において、その表面にLa(OH)3を含む針状若しくは米粒状の析出物が増加し、また、その中でもLa(OH)3が増加することで、この析出物が効果的に電解液に対する耐食性保護層として機能する。そしてこれにより、この合金粉末を負極に用いたニッケル水素電池において、長期保存後の自己放電特性が向上すると考えられる。
さらに、上述の水素吸蔵合金粉末であって、この水素吸蔵合金粉末についてのCuのKα線を用いたX線回折分析において、回折角2θ=28.3deg付近に現れLa(OH)3の(101)面を示すピーク強度をP3とし、回折角2θ=27.5deg付近に現れLa(OH)3の(110)面を示すピーク強度をP4としたとき、比P4/P3が、P4/P3≦0.9である水素吸蔵合金粉末とすると良い。
本発明の水素吸蔵合金粉末は、比P4/P3がP4/P3≦0.9である。このような合金粉末は、この合金粉末を負極に用いたニッケル水素電池において、長期保存後の自己放電特性が良好となる。
このようになる理由も明確ではないが、P3はLa(OH)3の結晶の(101)面(c軸方向)の均質性を、P4は(110)面(a軸及びc軸方向)の均質性を示すから、比P4/P3は、合金粉末の表面の析出物におけるLa(OH)3結晶のa軸方向の均質性を示している。本発明の合金粉末は、この比P4/P3が1を下回るP4/P3≦0.9となっていることから、析出物に含まれるLa(OH)3はa軸には配向しておらず、c軸配向性の強い結晶となっている。このようにc軸配向性の高いLa(OH)3結晶を含む析出物を析出させることで、析出物が電解液に対する耐食性保護層としての機能が優れたものとなるものと考えられる。
さらに、上述のいずれかに記載の水素吸蔵合金粉末であって、前記金属Niを2.0〜6.0wt%含む水素吸蔵合金粉末とすると良い。
本発明の水素吸蔵合金粉末は、金属Niの含有量を2.0〜6.0wt%としている。前述したように、金属Niは、触媒としての役割を果たすため、電池の内部抵抗を低下させる機能を持つと考えられる。しかし、金属Ni量が多すぎる場合には、合金粉末のうち、充放電に関与する合金が相対的に少なくなり過ぎ、却って電池の内部抵抗が上がる傾向を示すため、上述の範囲に制限するのがより適切である。
さらに、上述のいずれか1項に記載の水素吸蔵合金粉末であって、この水素吸蔵合金粉末に含まれるCoの重量WcとNiの重量Wnとの重量比Wc/Wnが、Wc/Wn≦0.10である水素吸蔵合金粉末とすると良い。
本発明の水素吸蔵合金粉末では、合金粉末に含まれるCoを少なくし、Wc/Wn≦0.10としている。このような合金粉末は、Co量の多いものに比して、合金粉末を処理して金属Niを生成し析出物を析出させるにあたり、金属Niを容易に多く生成することができ、また析出物も多く生成することができる。このため、生産性が良く、物性に優れた合金粉末を容易に作製することができる。
さらに、上述のいずれか1項に記載の水素吸蔵合金粉末を負極活物質として用いてなるニッケル水素電池とすると良い。
本発明のニッケル水素電池は、上述の水素吸蔵合金粉末を負極活物質に用いているので、電池の内部抵抗を低くでき、長期保存後の自己放電特性も優れた電池となる。
本発明の水素吸蔵合金粉末の実施の形態を各表と共に、また、この水素吸蔵合金粉末をもちいた本発明の電池の実施の形態を図面と共に説明する。
まず、Mm(ミッシュメタル),La,Ni,Co,Al,Mnを所定の割合で混合し、高周波溶解炉で熔解して、LaNi5系合金、具体的には、組成がMmAl0.3Mn0.4Co0.75Ni3.55水素吸蔵合金のインゴットを作製し、次いでアルゴン雰囲気下、1060℃で10時間加熱処理した。この組成の水素吸蔵合金は、Laを22重量%含んでいる。このインゴットを粗粒子に粉砕後、湿式ボールミルを用いて水の存在下で粉砕し、目開き75μmの篩に通して、平均粒径20μmの水素吸蔵合金からなる合金粉末を得た。
次に、得られた合金粉末を、NaOHを35wt%含む100℃の水溶液に浸漬し、1時間攪拌した。なお、湿式ボールミルを用いて得られた合金粉末は水分を含んでいるため、その水分を考慮に入れて水溶液のNaOH濃度を上述の値に調整してある。
次いで、合金粉末を温水と混合して攪拌し、その後、加圧しながら脱水する作業を、使用後の温水のpHが9以下になるまで繰り返して行い、その後、合金粉末を乾燥させた。
なお、NaOH水溶液での処理の時間を変更した実施例2,比較例1,2、処理液をKOH35wt%に代えた比較例3,4、及びKOHでの処理後さらに酢酸で処理した比較例5にかかる合金粉末についても同様に作製した。
実施例1,比較例3,5にかかる合金粉末の表面のSEM写真を、図1、図2、及び図3に示す。図1に示すように、NaOHにより処理を行った実施例1,2にかかる合金粉末の表面には、針状あるいは米粒状の結晶性の析出物が全面に付着していた。この析出物は、La(OH)3を主成分とする結晶性の析出物であることも判明した。一方、KOHにより処理を行った比較例3,4にかかる合金粉末には、図2に示すように、針状の析出物が付着しているものの、析出物の量が少なく、大きさも小さい。そのほか、図3に示すように、KOHにより処理を行った後、さらに酢酸で処理をした比較例5にかかる合金粉末は、その表面に析出物の付着が観察されなかった。析出物が酢酸によって除去されたものと考えられる。
そこで、各実施例及び比較例にかかる合金粉末について、CuのKα線を用いたX線回折分析(XRD)を行い、回折角2θ=42.5deg付近に現れたLaNi5の(111)面を示すピーク強度P1、回折角2θ=15.8deg付近に現れLa(OH)3の(100)面を示すピーク強度P2を測定し、これらの比P2/P1を求めた。
また、回折角2θ=28.3deg付近に現れLa(OH)3の(101)面を示すピーク強度P3、回折角2θ=27.5deg付近に現れLa(OH)3の(110)面を示すピーク強度P4を測定し、これらの比P4/P3を求めた。
さらに、公知の金属Ni量の測定方法(特許2553616号参照)に従い、試料に磁場を印加して、その時の試料の磁化を測定するVSM(振動試料型磁力計)を用い、各実施例等の合金粉末について、これに含まれる金属Ni量を計測した。
さらに、これらの合金粉末を用い、後述するニッケル水素電池を作製し、その電池の内部抵抗Riを測定した。この電池の内部抵抗Riは、以下のようにして測定する。即ち、電池の満充電容量の60%に充電した後、2.5Cに相当する電流I2.5(本実施例では、I2.5=20A)を5秒間流し、この5秒経過時点での電池電圧V2.5を計測する。その後1分間休止し、12.5Cの電流I12.5(本実施例ではI12.5=100A)を5秒間流し、この5秒経過時点での電池電圧V12.5を計測する。そして、内部抵抗Riを、Ri=(V2.5−V12.5)/(I12.5−I2.5)の式により求めた。
さらにこのニッケル水素電池について、8ヶ月保存後の自己放電試験を行い、残存容量を測定した。具体的には、電池を満充電容量の60%に充電し、65℃環境下に1ヶ月放置する。これを8回繰り返した後(つまり8ヶ月後)、以下の自己放電試験を行う。即ち、電池を満充電容量の60%に充電し、45℃環境下に2週間放置する。その後放電を行い、残存容量を計測した。
これらの結果を、表1に示す。
この表1によれば、各合金粉末を負極活物質として用いたニッケル水素電池において、残存容量が良好な値(40%)を示した電池は、実施例1,2及び比較例2にかかる合金粉末を用いた電池である。一方、電池内部抵抗の観点からは、3.4mΩ/cell以下の低い値となったのは、実施例1,2及び比較例4,5にかかる合金粉末を用いた電池であることが判る。これらを総合すると、実施例1,2にかかる合金粉末を用いた電池が、電池内部抵抗も低く、長期間保存後の残存容量も高い良好な保存特性を示すことが判る。
さらにこの表1によれば、NaOHで処理をした実施例1,2及び比較例1,2では、KOHを用いた比較例3,4に比して、強度比P2/P1が大きくなっている。このことから、実施例1,2及び比較例1,2にかかる合金粉末の表面には、比較例3,4の合金粉末に比して、多くのLa(OH)3が析出付着していることが判る。
なお、比較例5においては、La(OH)3の(100)面を示すピーク強度P2が測定できなかった。比較例5の合金粉末の表面には、ほとんどLa(OH)3が析出付着していないためであると考えられる。
La(OH)3の析出物は、電解液に対する耐食性保護層として機能すると考えられる。従って、多くの析出物を有する合金粉末を用いると、長期保存後の自己放電特性が向上すると考えられる。このことは、析出物がほとんど存在しない比較例5では、長期保存後の残存容量が極端に低くなること、析出物の比較的少ない比較例3,4でも、残存容量が小さくなること、一方、析出物が多く強度比P2/P1が大きな値を示す実施例1,2及び比較例3において残存容量が大きくなっていることからも裏付けられる。
また、比較例3,4の合金粉末では、強度比P4/P3が1以上の値(具体的には1.1)となっているのに対し、実施例1,2及び比較例1,2の合金粉末では、強度比P4/P3が1未満(具体的には0.9以下)となっている。このことから、比較例3,4にかかる合金粉末の表面に析出している析出物は、a軸配向性の高いLa(OH)3の結晶であることが判る。これに対し、実施例1,2及び比較例1,2にかかる合金粉末の表面には、a軸配向性の低い、つまりc軸配向性の高いLa(OH)3の結晶であることが判る。
なお、比較例5においては、La(OH)3に関するピーク強度P3,P4のいずれも測定できなかった。比較例5の合金粉末の表面には、ほとんどLa(OH)3が析出付着していないためであると考えられる。
特に、実施例1,2及び比較例1では、強度比P4/P3が0.8以下となり、c軸配向性の強い結晶となっていることがわかる。このようにc軸配向性の高いLa(OH)3結晶を含む析出物を析出させることで、析出物が電解液に対する耐食性保護層としての機能がさらに優れたものとなり、残存容量が高くなると考えられる。
さらに、金属Ni量について、実施例1,2と比較例との比較から、金属Ni量を、2.0〜10wt%の範囲とするのが好ましいことが判る。
金属Niは水素吸脱蔵の触媒として作用すると考えられる。従って、金属Ni量を2.0wt%以上とすることで、電池の内部抵抗を低下させうると考えられる。但し、金属Ni量が多すぎる場合(例えば比較例2の場合)には、充放電に関与する合金が相対的に少なくなり過ぎ、却って電池の内部抵抗Riが上がるものと考えられるので、10wt%以下とするのが好ましいことが判る。
さらに、実施例1,2及び比較例1,2と同様に、NaOHによる処理を施した合金粉末を多数調製し、これを用いてニッケル水素電池を多数作製し、電池の内部抵抗Riを測定した。電池に用いた合金粉末における金属Ni量と、電池の内部抵抗Riとの関係を、図4に示す。
なお、電池の内部抵抗Riの測定方法は、前述の通りである。
この図4のグラフによれば、合金粉末の金属Ni量が増えると、金属Ni量が6.0wt%程度までは、電池の内部抵抗Riが徐々に低下することが判る。しかし、金属Ni量が6.0wt%を越えると、電池の内部抵抗Riのばらつきが大きくなり、また、これ以上内部抵抗Riの改善は見込めないことが判る。つまり、金属Ni量を6.0wt%を超えて大きくする必要はないと言える。一方、表1を参照すれば判るように、金属Ni量を多くするには、NaOHでの処理時間を長くする必要があるため、金属Ni量を少なくすれば、NaOHでの処理時間の短縮化が図れることが判る。従って、金属Ni量は、前述の電池の内部抵抗Riについての考察と相俟って、2.0〜6.0wt%とするのがさらに好ましいことが判る。
次いで、水素吸蔵合金として、含有するNiの重量Wnに対するCoの重量Wcを、前述の実施例1等を作製した合金から変化させた合金を作製し、同様に水素吸蔵合金粉末(実施例3,4,5)を作製し、ニッケル水素電池を作製した。この水素吸蔵合金粉末及びニッケル水素電池について、前述と同様にして、合金粉末についての金属Ni量、及びを電池内部抵抗及び長期保存後の残存容量を測定した。その結果を表2に示す。
なお、NaOHによる処理としては、実施例1と同様に、インゴッドから作製した合金粉末をNaOHを35wt%含む100℃の水溶液に浸漬し、1時間攪拌した。
この表2によれば、実施例1及び実施例3,4,5はいずれも残存容量の点で変わりがなく良好な保存特性を有している。一方、電池内部抵抗については、実施例1よりも実施例3,4,5で若干低くできる。従って、Niの重量Wnに対するCoの重量Wcの比、Wc/Wnを、Wc/Wn≦0.10とするのが好ましいことが判る。
さらに、この表2によれば、Niの重量Wnに対するCoの重量Wcの比であるWc/Wnが小さいほど、つまりCoが少ないほど、同じ処理時間で、P2/P1を大きく及び金属Ni量を多くできることが判る。従って、Wc/Wnが小さいほど、NaOHでの処理を短時間で済ますことが出来る。従って、さらには、合金粉末において、Wc/Wn≦0.05とするのが好ましい。
かくして、実施例1,2,さらには、実施例3,4,5にかかる合金粉末は、これを負極活物質として用いたニッケル水素電池において、電池内部抵抗を低くし、しかも、長期保存後の自己放電特性(残存容量)を良好なものとすることができる。
なお、本実施例等にかかる合金粉末を負極活物質とした負極を有するニッケル水素電池としては、公知の構成を有するものでよいが、図5及び図6を参照してその概要を説明する。
ニッケル水素電池10は、図5に示すように、蓋11bを備える金属製で角形のケース11と、ケース11内に配置された極板群12及び電解液(図示せず)と、蓋11bに固設された安全弁13と、正極端子14及び負極端子15とを備える角形密閉式アルカリ蓄電池である。
極板群12は、図6に示すように、袋状のセパレータ12d(ハッチングは省略する)と正極12bと負極12cとを備える。このうち、正極12bは袋状のセパレータ12d内に挿入されており、セパレータ12d内に挿入された正極12bと、負極12cとが交互に積層されている。
正極12bは、活物質支持体と、活物質支持体に支持された正極活物質と添加剤を備える。活物質支持体は、集電体としても機能する発泡ニッケルからなる。また正極活物質には水酸化ニッケルを、添加剤には金属コバルトを用いた。具体的には、正極活物質である水酸化ニッケルと添加物である金属コバルトを含む活物質ペーストを発泡ニッケル(活物質支持体)に充填し、乾燥、加圧、切断することによって、正極12bを作成した。
一方、負極12cは、パンチングメタルからなる活物質支持体と、この活物質支持体に支持された負極活物質とを備える。具体的には、負極活物質として実施例等にかかる水素吸蔵合金粉末を含むペーストをパンチングメタル(活物質支持体)に塗布し、乾燥、加圧、切断することによって、負極12cを作成した。
セパレータ12dには、親水化処理された合成繊維からなる不織布を用いた。具体的には、セパレータ12dとして、スルホン化によって親水性を付与したポリオレフィン系不織布を用いた。
また、電解液には、KOHを溶質の主成分とする比重1.3のアルカリ水溶液を用いた。
このようなニッケル水素電池10は、前述の実施例にかかる水素吸蔵合金粉末を負極12cの負極活物質に用いることで、前述したように(表1,2参照)、電池内部抵抗が低く、しかも長期保存後の自己放電特性の良好な電池となった。
以上において、本発明にかかる水素吸蔵合金粉末及びこれを用いた電池を、実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、ニッケル水素電池として、図5に示す形態の電池を例示したが、樹脂ケースを用いるなど他の形態の電池に適用することもできる。
実施例1にかかる水素吸蔵合金粉末の表面の様子を示すSEM写真である。 比較例3にかかる水素吸蔵合金粉末の表面の様子を示すSEM写真である。 比較例5にかかる水素吸蔵合金粉末の表面の様子を示すSEM写真である。 水素吸蔵合金粉末に含まれる金属Ni量と電池の内部抵抗Riとの関係を示すグラフである。 実施例1にかかる水素吸蔵合金粉末を負極活物質として用いた負極を備えるニッケル水素電池の部分破断斜視図である。 図5に示す電池のうち、正極、負極及びセパレータの様子を示す断面図である。
符号の説明
10 ニッケル水素電池
11 ケース
12 極板群
12b 正極
12c 負極
12d セパレータ

Claims (5)

  1. AB5型結晶構造を有し、Aサイトの元素にLaを含み、Bサイトの元素にNiを含む金属間化合物と、金属Niとを有する水素吸蔵合金粉末であって、
    Laを20wt%以上、上記金属Niを2.0〜10wt%含むとともに、
    その表面にLa(OH)3を含む針状若しくは米粒状の析出物が付着してなり、
    この水素吸蔵合金粉末に関するCuのKα線を用いたX線回折分析において、回折角2θ=42.5deg付近に現れLaNi5の(111)面を示すピーク強度をP1とし、回折角2θ=15.8deg付近に現れLa(OH)3の(100)面を示すピーク強度をP2としたとき、比P2/P1が、P2/P1≧0.02である
    水素吸蔵合金粉末。
  2. 請求項1に記載の水素吸蔵合金粉末であって、
    この水素吸蔵合金粉末についてのCuのKα線を用いたX線回折分析において、回折角2θ=28.3deg付近に現れLa(OH)3の(101)面を示すピーク強度をP3とし、回折角2θ=27.5deg付近に現れLa(OH)3の(110)面を示すピーク強度をP4としたとき、比P4/P3が、P4/P3≦0.9である
    水素吸蔵合金粉末。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水素吸蔵合金粉末であって、
    前記金属Niを2.0〜6.0wt%含む
    水素吸蔵合金粉末。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水素吸蔵合金粉末であって、
    この水素吸蔵合金粉末に含まれるCoの重量WcとNiの重量Wnとの重量比Wc/Wnが、Wc/Wn≦0.10である
    水素吸蔵合金粉末。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水素吸蔵合金粉末を負極活物質として用いてなるニッケル水素電池。
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