JP2007017881A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水、酸素、光などによる信頼性低下の問題が発生せず、長寿命化を実現可能なECLディスプレイ、およびEC・ECLディスプレイを提供する。
【解決手段】 本発明の表示装置は、第1の基板1と、前記第1の基板上に形成された第1の電極2と、前記第1の電極に接触するように形成され、臨界ミセル濃度以上の油溶性界面活性剤を含んだ電解質溶液層5とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エレクトロケミルミネッセンス(ECL)反応により発光する表示装置、およびエレクトロクロミック(EC)反応により発色する表示装置に関する。
液晶ディスプレイ(以下、「LCD」と称する)と同様な液体を内包したセル構造を有し、発光表示が可能なディスプレイとしてエレクトロケミルミネッセンス(以下、「ECL」と称する)ディスプレイがある。このECLディスプレイは、一例として、電気化学的な酸化もしくは還元反応により発生したイオンラジカル種が反応して発光する発光用物質(ECL材料)、および非水系電解質が第1電極と第2電極との間に配置されている構造となる(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−324401公報
ECLディスプレイには次のような問題点があった。すなわちECディスプレイと同様、非水系電解質の劣化や発光材料、電極の分解が発生するため、ディスプレイの寿命が短い。そのためECLディスプレイも実用化が難しい。ディスプレイの短寿命化を引き起こす原因として水、酸素、光が挙げられる。特に非水系電解質に外部から水が混入すると水の電気分解が生じるため、ECL反応が正常に起きなくなってしまう。
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、水、酸素、光などによる信頼性低下の問題が発生せず、長寿命化を実現可能なECLディスプレイ、およびEC・ECLディスプレイを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明の表示装置は、第1の基板と、前記第1の基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極に接触するように形成され、臨界ミセル濃度以上の油溶性界面活性剤を含んだ電解質溶液層とを有することを特徴とする。
本発明の表示装置は、電解質溶液層中に臨界ミセル濃度以上の油溶性界面活性剤が含まれているため、外部から入ってくる水は電解質溶液層中で油溶性界面活性剤に捕捉され、逆ミセルを形成する。このため水による信頼性低下の問題が解消される。
従って、本発明によれば高品位の表示を長期間に亘って安定して得ることができる表示装置を提供することができる。
本発明の表示装置についての説明に先立ち、従来の表示装置の問題点につき、具体的に説明する。
図6は従来の表示装置(ECLディスプレイ)の電解質溶液層105における電気化学反応を示した図である。図6に示すように、電解質溶液層105中に水が浸入すると電解質溶液層内で水の電気分解が次式のとおり発生する。
Figure 2007017881
この電気分解により生じた酸素が電解質溶液層105の電気化学反応特性を低下させてしまうことにより、発光強度の減少、さらには全く発光しなくなることが起こりうるという問題がある。
本発明は、上記の知見に基づきなされたものである。以下、図面を参照して本発明の表示装置について詳細に説明する。
図1は本発明の表示装置の一例を示す断面図である。この表示装置はECL現象を利用したディスプレイである。
図1において、0.3〜1.1mm程度の厚さの第1の基板1上には、第1の電極2が50〜100nmの厚さに形成されている。ここで図1ではこの第1の電極2は1つであるが、複数であってもよい。第1の基板1に対向するように、0.3〜1.1mm程度の厚さの第2の基板3が配置されている。これら第1の基板1、第2の基板3の距離は2〜8μm程度である。第2の基板3上には同様に第2の電極4が50〜100nmの厚さに形成されている。そして、第1の基板1、第2の基板3間には、電解質溶液層5が形成されている。
図1のような構成の表示装置において、電解質溶液層5は、電解質溶液または電気化学的な酸化もしくは還元反応により発光する発光材料を含有する、非水系の電解質溶液によって形成されており、そして同様の、前記非水系電解質溶液層中に臨界ミセル濃度(CMC)以上の油溶性界面活性剤が含まれている。臨界ミセル濃度(CMC)とは、疎水部と親水部からなる油溶性界面活性剤(図3参照)が、外側(非水溶媒)に疎水部を、内側(混入した水)に親水部を向けることによって、水の分子に対して集合した逆ミセル(図2参照)を形成する濃度を示す。CMC以上で逆ミセルを形成し、CMC以下では逆ミセルを形成しない。参考までに、外側(水)に親水部を、内側(非水溶媒)に疎水部を、向けて会合した場合には、その会合体をミセルと呼ぶ。ここで、油溶性界面活性剤がCMC以上の濃度下では非水系電解質溶液中で逆ミセルを安定に形成するようになる。
図3は油溶性界面活性剤の分子の模式図である。図3に示すように、親水部と疎水部とからなる油溶性界面活性剤として、例えばAOT(ヒ゛ス-(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;次式参照)や、
Figure 2007017881
オクチル酸ジルコニウム(次式参照)
Figure 2007017881
等がある。そして図1に示すように、この油溶性界面活性剤の親水部が外から電解質溶液層に浸入してきた水と逆ミセル11を形成する。このように油溶性界面活性剤が水と逆ミセルを形成することにより、電解質溶液層中に浸入してきた水が電気分解し、ECL分子のラジカル化を妨害することを防ぐ役割を果たす。
図5は、本実施例の表示装置における、輝度の油溶性界面活性剤オクチル酸ジルコニウムの濃度依存性を示す実験結果を示す。図5に示すように、オクチル酸ジルコニウムの濃度が1wt%以上の場合良好な発光を示したが、オクチル酸ジルコニウムがない場合にはほとんど発光が観察されなかった。
以下、本実施例の表示装置の各構成の材料について示す。
(第1、第2の基板)
第1の基板1は通常、表示装置の観察面となる部分であるから、第1の基板1は光透過性材料で形成するのが普通である。そのような光透過性材料として、好ましくは可視光領域で吸収が少ない材料、例えばガラス等の無機材料、および光透過性樹脂等の有機性材料が良く、具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)等を挙げることができる。
第2の基板3は、光透過性の必要がないが、通常、第1の基板1と同様な材料で形成するのが普通である。
(第1、第2の電極)
第1の電極2、第2の電極4としては電解質溶液層およびEC層による表示を観察できるように、通常、光透過性材料によって形成される。そのような光透過性材料としては、金属酸化物半導体では、遷移金属の酸化物、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、亜鉛、錫、インジウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンの(複合)酸化物、SrTiO、CaTiO、BaTiO、MgTiO、SrNbのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物または酸化物混合物、GaN、等を用いることができる。よく使用されるものとして、ITOがある。また、耐酸性を付与するためにフッ素を含んだFTOがある。透明であることを要しない電極としては、各種の導電性材料を用いることができる。そのうち光反射率が高いもの、例えばAl、Ag等、を用いると、発光表示および反射表示をより明るく、鮮明に行うことが可能になる。
(電解質溶液層)
電解質溶液層5を構成する非水系電解質溶液は、電気化学的な酸化もしくは還元反応により発光する発光材料、つまり電気化学発光(エレクトロケミルミネッセンス(ECL))を示す材料(ECL材料)、溶媒(液体電解質用)、もしくはこの溶媒で膨潤したゲル状の高分子(固体電解質用)と、これに溶解した支持塩とを含みうる。ここで、電解質はECL発光を実現できる液体もしくは固体を指す。通常は支持塩と有機溶媒からなる。ECL分子の酸化還元反応を促す液体、もしくは固体であれば別の構成でも構わない。このECL分子は、発光材料が電極近傍で酸化されてカチオンラジカル、還元されてアニオンラジカルとなり、この両者が会合消失する際に、発光材料の励起状態が生成しその失活過程において発光する。
支持塩としては、テトラブチルアンモニウムペークロレート、ヘキサフルオロりん酸カリウム、リチウムトリフルオロメタンスルホネート、過塩素酸リチウム、テトラフルオロほう酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリプロピルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオロボレート等があげられる。
また、溶媒としては、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、o−ジクロロベンゼン、グリセリン、水、エチルアルコール、プロピルアルコール、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリル、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、アセトン、ニトロベンゼン、1,3−ジオキソラン、フラン、ベンゾトリフルオリド、等があげられる。
また、ゲル状の高分子としては、ポリアクリルニトリル(PAN)、フッ化ビニリデン(VDF)と6フッ化プロピレン(HFP)の共重合体、ポリエチレンオキシド(PEO)、等があげられる。
ECL材料としては、多環芳香族化合物である、ナフタセン誘導体(ルブレン、5,12−ジフェニルナフタセン)、アントラセン誘導体(9,10−ジフェニルアントラセン)、ペンタセン誘導体(6,10−ジフェニルペンタセン)、ペリフランテン誘導体(ジベンゾテトラ(メチルフェニル)ペリフランテン)等や、π電子共役高分子である、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、等や、ヘテロ芳香族化合物である、クマリン等や、キレート金属錯体である、Ru(bpy)32−等や、有機金属化合物である、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム等や、キレートランタノイド錯体などがあげられる。
電解質溶液層5は支持塩フリーの溶液であったとしても発光を行うことができる場合もある。その他上記ECL材料、溶媒もしくはゲル状の高分子、および支持塩は、従来からこの種の表示装置において用いられてきたものを本発明でも採用することができる。
次に、図1の表示装置の表示方法について説明する。実際にこの表示装置の発光表示を行うには、第1の電極2と第2の電極4との間で、直流電圧もしくは交流電圧を印加する。直流電圧印加時には、これらの第1の電極2と第2の電極4側から相異なる極性のラジカル種(アニオンラジカルとカチオンラジカル)が発生し、これらが会合消失して励起された発光材料が生成・失活により発光する。もしくは交流電圧印加時には、これらの第一電極および第二電極の近傍で交互にECL分子のアニオンラジカル、カチオンラジカルが生成し、これらが会合消失して励起された発光材料が生成・失活により発光する。このような電圧の印加が継続的になされない場合、非発光状態となる。
次に、図1の表示装置の製造方法について説明する。ここでは、2.5インチ四方の表示装置を以下のように作製する。なお、各画素は単色の電気化学反応装置からなる図1に示す構成とし、1画素のサイズを100μm四方となるようにしている。
まず、基板として厚さ0.7mmのガラスからなる基板を用い、膜厚1000ÅのITO(Indium Tin Oxide)をスパッタにより形成し、パターニングして第一電極を有する板とした。厚さ0.7mmのガラス基板を用い、厚さ1000ÅのAg膜を形成してパターニングし、第二電極を有する板を形成する。
乾燥Arガスバブリングを行いながら、2wt%の水、5mMのルブレン、濃度の異なる油溶性界面活性剤オクチル酸ジルコニウム(0、0.4、1.0、2.0、3.0wt%の)とを1,2−ジメトキシエタン中に添加して、ECL分子含有電解質溶液(5種類)を調製する。
その後、2つの基板間を10μmの接着スペーサーを介して、両電極板間が2μmギャップとなるよう対向配置する。その際、セルのエッジ部に接着剤を塗布し、ECL分子含有電解質溶液を注入できるように2箇所未塗布部を設けた状態で貼り合わせ、表示セルとする。乾燥Arガス下で、このECL分子含有電解質溶液を毛細管現象を利用してセルに注入し、接着剤未塗布部をUV硬化剤でエンドシールする。
以上、本発明の実施例1においては、電解質溶液層5は非水系の電解質溶液によって形成されており、臨界ミセル濃度(CMC)以上の油溶性界面活性剤が含まれている。従って、実施例1と同様、非水系電解質溶液中で逆ミセルを安定に形成するようになる。この逆ミセルにより、電解質溶液層中に浸入してきた水が電気分解し、ECL分子のラジカル化を妨害することを防ぐことが可能となる。
次に本発明の実施例2について、図4を参照して説明する。
図4は、発色表示を行うEC(エレクトロクロミック)デバイスに本発明を適用した際の構造を示す図である。図4においては、図1に示す実施例1の構造とは異なり、第2の基板3上には、ECデバイスの反射電極6が形成されている。この反射電極はその上に形成されるEC膜7との間で電荷の受け渡しを行うことで、電解質溶液層5中に存在するイオンから正電荷の受け渡しが行われ、酸化、還元反応が律速される。
本実施例の反射表示については、次のように行う。すなわち、第1の電極2と反射電極6との間に直流の電圧を印加し、その後、印加される電圧の極性の反転を行う。この場合のEC反応は下記[数4]のように示すことができる。
Figure 2007017881
酸化反応([数4]の左辺)では消色(透明)、還元反応([数4]の右辺)では変色(青色)する。
以下、本実施例の表示装置の各構成の材料について示す。
(第1、第2の基板)
第1の基板1と第2の基板3は通常、光透過性材料で形成するのが普通である。そのような光透過性材料として、好ましくは可視光領域で吸収が少ない材料、例えばガラス等の無機材料、および光透過性樹脂等の有機性材料が良く、具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)等を挙げることができる。
(第1、第2の電極、反射電極)
第1の電極2、第2の電極4としては電解質溶液層およびEC層による表示を観察できるように、通常、光透過性材料によって形成される。そのような光透過性材料としては、金属酸化物半導体では、遷移金属の酸化物、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、亜鉛、錫、インジウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンの(複合)酸化物、SrTiO、CaTiO、BaTiO、MgTiO、SrNbのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物または酸化物混合物、GaN、等を用いることができる。よく使用されるものとして、ITOがある。また、耐酸性を付与するためにフッ素を含んだFTOがある。透明であることを要しない電極としては、各種の導電性材料を用いることができる。そのうち光反射率が高いもの、例えばAl、Ag等、を用いると、発光表示および反射表示をより明るく、鮮明に行うことが可能になる。
反射電極6は、Alを用いている。
(電解質溶液層)
電解質溶液層5を構成する非水系電解質溶液は、溶媒(液体電解質用)、もしくはこの溶媒で膨潤したゲル状の高分子(固体電解質用)と、これに溶解した支持塩とを含みうる。通常は支持塩と有機溶媒からなる。EC膜の酸化還元反応を促す液体、もしくは固体であれば別の構成でも構わない。支持塩としては、テトラブチルアンモニウムペークロレート、ヘキサフルオロりん酸カリウム、リチウムトリフルオロメタンスルホネート、過塩素酸リチウム、テトラフルオロほう酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリプロピルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオロボレート等があげられる。
また、溶媒としては、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、o−ジクロロベンゼン、グリセリン、水、エチルアルコール、プロピルアルコール、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリル、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、アセトン、ニトロベンゼン、1,3−ジオキソラン、フラン、ベンゾトリフルオリド、等があげられる。
また、溶媒としては、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、o−ジクロロベンゼン、グリセリン、水、エチルアルコール、プロピルアルコール、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリル、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、アセトン、ニトロベンゼン、1,3−ジオキソラン、フラン、ベンゾトリフルオリド、等があげられる。
また、ゲル状の高分子としては、ポリアクリルニトリル(PAN)、フッ化ビニリデン(VDF)と6フッ化プロピレン(HFP)の共重合体、ポリエチレンオキシド(PEO)、等があげられる。
(EC膜)
EC膜7の材料としては、(イ)無機材料である、MnO、CoOOH、NiOOH、CuO、RuO、Rh、IrO、プルシアンブルー、WO、MoO、TiO、V、Nb、AgI等や、(ロ)低分子有機材料である、ビオロゲン系有機材料、オルソクロラニル、4−ベンゾイルピリジウム誘導体、ルテニウム−トリス、ルテニウム−ビス、オスミウム−トリス、オスミウム−ピス型の遷移金属錯体、多核錯体、またはルテニウム−シス−ジアクア−ビピリシル錯体、またはフタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素、ペリレン色素、アントラキノン色素、アゾ色素、キノフタロン色素、ナフトキノン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、ジフタロシアニン錯体、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレニリデンマロノニトリル、テトラシアノキノジメタン等や、(ハ)導電性高分子である、ポリピロール誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリアズレン誘導体、ポリイソチアナフテン、ポリ(N−メチルイソインドール)、ポリ(ジチエノ[3,4−b:3’,4’−d]チオフェン)、ポリジアリルアミン誘導体、ポリピロロピロール誘導体、Ru錯体系導電性高分子等があげられるが、これらに限定されるものではない。
次に、図4の表示装置の表示方法について説明する。この表示装置の反射表示を行うには、前述のとおり、第1の電極2と第2の電極4との間に直流の電圧を印加し、その後、印加される電圧の極性の反転を行う。
本実施例においても、電解質溶液層5は非水系の電解質溶液によって形成されており、臨界ミセル濃度(CMC)以上の油溶性界面活性剤が含まれている。従って、実施例1と同様、非水系電解質溶液中で逆ミセルを安定に形成するようになる。この逆ミセルにより、電解質溶液層中に浸入してきた水が電気分解し、表示に不要な電流や電解質の劣化を防ぐことが可能となる。
なお、上述した各実施例は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を実施例に開示されたもののみに特定するものではない。本発明はその要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができるものである。
本発明の実施例1のECLデバイスの断面図である。 図1のECLデバイスにおいて、電解質溶液層中に逆ミセルが形成されていることを示す図である。 油溶性界面活性剤の分子の模式図である。 本発明の実施例2のECデバイスの断面図である。 本発明における輝度の油溶性界面活性剤オクチル酸ジルコニウム濃度依存性を示す図である。 本発明の比較例である表示装置における水分進入の際の問題点を示す図である。
符号の説明
1 … 第1の基板
2 … 第1の電極
3 … 第2の基板
4 … 第2の電極
5 … 電解質溶液層
6 … 反射電極
7 … EC膜
11 … 逆ミセル

Claims (5)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板上に形成された第1の電極と、
    前記第1の電極に接触するように形成され、臨界ミセル濃度以上の油溶性界面活性剤を含んだ電解質溶液層とを有することを特徴とする表示装置。
  2. 前記第1の電極は複数形成されていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記電解質溶液層を介して前記第1の基板に対向する第2の基板と、前記第2の基板上に形成される第2の電極とをさらに具備することを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の表示装置。
  4. 前記電解質溶液は、電気化学的な酸化もしくは還元反応により発光する発光材料を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 前記電解質溶液層と前記第2の電極との間に介在し、電気化学的な酸化もしくは還元反応によって変色する着色材料を含む固体層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。


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