JP2007017360A - 指示計器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 界磁巻線の誘起電圧がしきい値電圧よりも低い場合は指針が帰零位置に達したものと判定する帰零処理において、しきい値電圧をステッピングモータの駆動電圧に応じて可変することで、帰零判定を精度よく行なう。
【解決手段】 帰零判定手段66は、誘起電圧検出回路7の電圧比較器72の出力に基づいて指針4が零(基準)位置に復帰したことを判定する。ステッピングモータ2の駆動電圧であるVDD電源電圧を電圧検出手段57によって検出する。しきい値可変手段68は、VDD電源電圧対しきい値特性を格納したしきい値テーブルを備え、検出されたVDD電源電圧に基づいてしきい値テーブルを参照して、そのVDD電源電圧に対応するしきい値電圧を算出し、算出したしきい値電圧を発生させる。このしきい値電圧を電圧比較器72の基準入力端子に供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】 帰零判定手段66は、誘起電圧検出回路7の電圧比較器72の出力に基づいて指針4が零(基準)位置に復帰したことを判定する。ステッピングモータ2の駆動電圧であるVDD電源電圧を電圧検出手段57によって検出する。しきい値可変手段68は、VDD電源電圧対しきい値特性を格納したしきい値テーブルを備え、検出されたVDD電源電圧に基づいてしきい値テーブルを参照して、そのVDD電源電圧に対応するしきい値電圧を算出し、算出したしきい値電圧を発生させる。このしきい値電圧を電圧比較器72の基準入力端子に供給する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ステッピングモータを指針の駆動源として用いる指示計器に関する。
ステッピングモータを指針の駆動源として用いる指示計器では、指針を帰零位置に向け回動させストッパ機構によって指針を帰零位置で停止させることで、指針の基準位置(0位置)を設定している。指針が移動している間すなわちステッピングモータのマグネットロータが回転している間は、界磁巻線に誘起電圧が生ずる。指針が帰零位置で停止しマグネットロータの回転が停止したときは、界磁巻線に誘起電圧が生じない。そこで、ステッピングモータを帰零信号で駆動する過程において、界磁巻線を非励磁状態に切り替え、界磁巻線に生ずる誘起電圧が所定のしきい値電圧以下となったとき、指針が帰零位置に達したものと判定している。(特許文献1および2参照)
特開2001−314099号公報
特開2002−250641号公報
図5は従来の指示計器の回路構成図、図6は従来の指示計器の課題を示すタイミングチャートである。図5に示すように、従来の指示計器は、ステッピングモータMのC相巻線に誘起される誘起電圧を低域通過型のフィルタ回路101を介して電圧比較器102に供給し、誘起電圧としきい値電圧VTHとを比較し、その比較出力をCPU部103に供給している。車両用の指示計器では、クランキング時などバッテリ電源電圧VBATが低下するとステッピングモータ駆動回路の電源電圧VDDも低下し、ステッピングモータの動作スピードが低下する。ステッピングモータの動作スピードが低下すると、誘起電圧も低下する。従来の指示計器は、帰零判定を行なうためのしきい値電圧VTHが固定値であるため、誘起電圧が低下した場合にはマグネットロータが回転している状態であっても、帰零位置に達したものとして誤判定することがある。そこで、図6(a),(b)に示すように、バッテリ電源電圧VBATの低下を検知し、図6(c),(d),(e)に示すように、VDD電源が所定電圧以上に復帰し、CPUがリセット状態から復帰しても、低電圧検知から復帰するまでは帰零処理を行なわないようにしている。
このように従来の指示計器では、ステッピングモータ駆動回路の電源電圧の低下に伴って帰零位置を誤判定するという問題があり、これを回避するために電源電圧が所定値以上に復帰した以降に帰零処理を行なうため、応答性が悪くなってしまうという問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、帰零位置を判定するためのしきい値をステッピングモータの駆動電圧に応じて可変することで、帰零判定を精度よく行なうことができ、また、駆動電圧が所定値以上に復帰する以前でも帰零処理を開始することができ、これにより応答性を改善することのできる指示計器を提供することを目的とする。
本発明に係る指示計器は、マグネットロータおよびこのマグネットロータを回転させるための少なくとも2つの界磁巻線を備えたステータを有するステッピングモータと、前記マグネットロータを回転させるための駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記マグネットロータの回動に伴い指針を回動させるギア機構と、前記指針が帰零位置に戻ったとき指針の回動を停止するストッパ機構と、前記界磁巻線に帰零信号を供給して前記ステッピングモータを帰零方向へ駆動し、前記界磁巻線を非励磁にしたときにその界磁巻線に誘起される誘起電圧がしきい値以上である場合はマグネットロータが回動していると判断し、しきい値未満である場合はマグネットロータの回動が停止されたと判断する帰零処理手段とを備えた指示計器であって、前記駆動信号の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段で検出した電圧に基づいて前記しきい値を可変するしきい値可変手段とを備える。
上記の構成によれば、ステッピングモータを駆動する駆動信号の電圧に応じて帰零判定のためのしきい値を変更するので、駆動信号の電圧が低下している場合でも帰零判定を精度よく行なうことができる。
本発明によれば、帰零位置を判定するためのしきい値をステッピングモータの駆動電圧に応じて可変することで、帰零判定を精度よく行なうことができ、また、駆動電圧が所定値以上に復帰する以前でも帰零処理を開始することができ、これにより応答性を改善することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例に係る指示計器の構成図である。本実施例では、指示計器として車両用のスピードメータ(車速計)について説明する。指示計器1は、2相式のステッピングモータ2と、減速ギア機構3を介して回動される指針4と、指針4の回動を停止させるストッパ機構5と、CPU部6と、誘起電圧検出回路7とを有して構成される。
指示計器1は、図示しない安定化電源回路から供給されるVDD電源で動作する。なお、図示しない安定化電源回路は、バッテリ電源(公称12ボルト)から電力の供給を受けてVDD電源を出力する。VDD電源の公称電圧は5ボルトであるが、バッテリ電源が低下した場合、VDD電源は4ボルト以下に低下する。図示しないリセット回路は、VDD電源が4ボルト以下に低下している間は、Lレベルのリセット信号を出力する。図示していないが、このリセット信号はCPU部6に供給される。CPU部6は、リセット状態が解除されると指針4を帰零位置に復帰させる帰零処理を行なった後、車速センサ10の検出出力に基づいてステッピングモータ2を駆動し、図示しない目盛盤の車速に対応した目盛位置に指針4を回動させる。
ステッピングモータ2は、S相コイル(界磁巻線)21とC相コイル(界磁巻線)22とを備えるステータ(図示しない)と、マグネットロータ23とを備える。マグネットロータ23の外周面には、N極とS極とが交互に多数着磁されている。
減速ギア機構3は、入力段ギア31と、第1の中間ギア32と、第2の中間ギア33と、出力段ギア34とを備える。マグネットロータ23の回転は入力段ギア31へ伝達され、各中間ギア32,33を介して出力段ギア34へ伝達される。出力段ギア34の回動に伴って指針4が回動される。
ストッパ機構5は、出力段ギア34に取り付けられたストッパ部材51と、ストッパ部材が当接することで指針4の帰零方向への回動を阻止する係止アーム52とから構成されている。ストッパ機構5によって指針4の帰零方向への回動が阻止された状態では、各ギア31〜34およびマグネットロータ23の回動も阻止される。
CPU部6は、マイクロコンピュータシステムを用いて構成されており、車速指示制御手段61と、駆動信号(PWM信号)生成手段62と、駆動信号(PWM信号)の出力回路63と、帰零処理手段64とを有している。
車速指示制御手段61は、図示しないイグニッションスイッチがオン状態にあるときに、車速センサ10から供給される車速信号に基づいて指針4の回動方向および回動角度を演算し、駆動信号(PWM信号)生成手段62を介してステッピングモータ2を駆動し、図示しない目盛盤の車速に対応した目盛位置に指針4を回動させる。
駆動信号(PWM信号)生成手段62は、S相コイル21の一端側および他端側に供給する擬似正弦波の各駆動(PWM)信号Sin+,Sin−、ならびに、C相コイルの一端側および他端側に供給する擬似余弦波の各駆動(PWM)信号Cos+,Cos−を生成する。駆動信号(PWM信号)生成手段62によって生成された4系統の駆動(PWM)信号は、出力回路63を介してステッピングモータ2の各相コイル21,22にそれぞれ供給される。
出力回路63は、高レベル(VDD電源電圧レベル)の電圧を出力するトランジスタ等のスイッチング素子と、グランドレベルの電圧を出力するトランジスタ等のスイッチング素子とが電源に対して直列接続された回路が、各駆動信号Sin+,Sin−,Cos+,Cos−に対応してそれぞれ設けられている。この出力回路63は、各スイッチング素子をともにオフ状態に駆動することで、出力ポートを開放(高インピーダンス)状態にすることができる。
帰零処理手段64は、図示しないイグニッションスイッチがオフに操作されたとき、および図示しないイグニッションスイッチがオンに操作されたとき、ならびに、リセット状態から復帰したときに、指針4を零(基準)位置に復帰させる帰零処理を行なう。帰零処理手段64は、C相コイル22の一端側を開放状態に制御する出力ポート開放制御手段65と、誘起電圧検出回路7の出力に基づいてマグネットロータ23の回転が停止されたことを検出し、これにより指針4が零(基準)位置に復帰したと判定する帰零判定手段66と、ステッピングモータ2の駆動電圧であるVDD電源電圧を検出する電圧検出手段67と、しきい値可変手段68とを有する。
電圧検出手段67は、A/D変換器を備え、VDD電源電圧に対応するVDD電源電圧データを出力する。しきい値可変手段68は、VDD電源電圧対しきい値特性を格納したしきい値テーブルと、しきい値電圧を発生するためのD/A変換器とを備える。しきい値可変手段68は、検出されたVDD電源電圧に基づいてしきい値テーブルを参照して、そのVDD電源電圧に対応するしきい値電圧を算出し、算出したしきい値電圧をD/A変換器を介して発生させる。
誘起電圧検出回路7は、C相コイル22に誘起された誘起電圧に重畳されている高周波ノイズ成分を軽減または除去するための低域通過特性を有するフィルタ回路71と、誘起電圧としきい値可変手段68から供給されるしきい値電圧とを比較して2値出力を発生する電圧比較器72とを備える。この電圧比較器72は、誘起電圧がしきい値電圧以上であるときはHレベルを出力し、誘起電圧がしきい値電圧よりも低い場合はLレベルを出力する。電圧比較器72の2値出力は、帰零判定手段66へ供給される。
なお、本実施例では電圧比較器72を用いて誘起電圧がしきい値電圧以上であるか否かの判定を行なう構成を示したが、誘起電圧をA/D変換して得た誘起電圧データとしきい値電圧データとを比較する構成としてもよい。
帰零処理手段64は、指針4を帰零方向へ回動させる帰零信号を駆動信号生成手段62によって生成させ、出力回路63を介して各相コイル21,22へ供給させる。そして、C相コイル22に供給する信号Cos+,Cos−がともにグランドレベルとなるときに、Cos+信号を出力するポートを開放状態に制御し、その時の電圧比較器72の2値出力に基づいて指針4が回動中であるか停止したかを判定する。指針4が停止したと(零位置に戻ったと)判定した場合は、帰零信号の出力を停止する。
図2はしきい値可変処理を含む帰零処理のフローチャート、図3はしきい値テーブルに格納されたVDD電源電圧対しきい値特性の一例を示すグラフである。帰零処理が開始されると、電圧検出手段67によってVDD電源電圧が検出され(ステップS1)、しきい値可変手段68によってVDD電源電圧に対応したしきい値電圧が設定される(ステップS2)。しきい値可変手段68は、図3に示すVDD電源電圧対しきい値特性を格納したしきい値テーブルを参照して、VDD電源電圧に対応したしきい値電圧を設定し、D/A変換器を介して設定したしきい値電圧を出力する。
電圧比較器72は、出力されたしきい値電圧と誘起電圧とを比較し、誘起電圧がしきい値電圧以上である場合にはHレベルの出力を、誘起電圧がしきい値電圧よりも低い場合はLレベルの出力を発生する(ステップS3)。帰零判定手段66は、電圧比較器72の出力がLレベルの場合は、指針4が零(基準)位置に戻ったと判定し、帰零処理を停止する(ステップS4)。
図4は本実施例に係る指示計器の動作を示すタイミングチャートである。本実施例に係る指示計器は、しきい値を可変することで、CPUリセットから復帰後に帰零処理を行なうことが可能である。
本発明によれば、帰零位置を判定するためのしきい値をステッピングモータの駆動電圧に応じて可変することで、帰零判定を精度よく行なうことができ、駆動電圧が所定値以上に復帰する以前でも帰零処理を開始することができ、これにより応答性を改善することができるという効果を有し、車両用のスピードメータ等の指示計器に有用である。
1 指示計器
2 ステッピングモータ
3 減速ギア機構
4 指針
5 ストッパ機構
6 CPU部
7 誘起電圧検出回路
21 S相コイル(界磁巻線)
22 C相コイル(界磁巻線)
23 マグネットロータ
62 駆動信号生成手段
63 出力回路部
64 帰零処理手段
65 出力ポート開放制御手段
66 帰零判定手段
67 電圧検出手段
68 しきい値可変手段
71 フィルタ回路
72 電圧比較器
2 ステッピングモータ
3 減速ギア機構
4 指針
5 ストッパ機構
6 CPU部
7 誘起電圧検出回路
21 S相コイル(界磁巻線)
22 C相コイル(界磁巻線)
23 マグネットロータ
62 駆動信号生成手段
63 出力回路部
64 帰零処理手段
65 出力ポート開放制御手段
66 帰零判定手段
67 電圧検出手段
68 しきい値可変手段
71 フィルタ回路
72 電圧比較器
Claims (1)
- マグネットロータおよびこのマグネットロータを回転させるための少なくとも2つの界磁巻線を備えたステータを有するステッピングモータと、前記マグネットロータを回転させるための駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記マグネットロータの回動に伴い指針を回動させるギア機構と、前記指針が帰零位置に戻ったとき指針の回動を停止するストッパ機構と、前記界磁巻線に帰零信号を供給して前記ステッピングモータを帰零方向へ駆動し、前記界磁巻線を非励磁にしたときにその界磁巻線に誘起される誘起電圧がしきい値以上である場合はマグネットロータが回動していると判断し、しきい値未満である場合はマグネットロータの回動が停止されたと判断する帰零処理手段とを備えた指示計器であって、
前記駆動信号の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段で検出した電圧に基づいて前記しきい値を可変するしきい値可変手段とを備えることを特徴とする指示計器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005201115A JP2007017360A (ja) | 2005-07-11 | 2005-07-11 | 指示計器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005201115A JP2007017360A (ja) | 2005-07-11 | 2005-07-11 | 指示計器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007017360A true JP2007017360A (ja) | 2007-01-25 |
Family
ID=37754639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005201115A Withdrawn JP2007017360A (ja) | 2005-07-11 | 2005-07-11 | 指示計器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007017360A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008259404A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-10-23 | Rohm Co Ltd | 送りモータのロック検出装置 |
JP2011209059A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Denso Corp | 車両用指示計器 |
JP2012073171A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Denso Corp | 車両用指示計器 |
-
2005
- 2005-07-11 JP JP2005201115A patent/JP2007017360A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008259404A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-10-23 | Rohm Co Ltd | 送りモータのロック検出装置 |
JP2011209059A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Denso Corp | 車両用指示計器 |
JP2012073171A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Denso Corp | 車両用指示計器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080627 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20100106 |