JP2007016979A - 緩衝器、およびこの緩衝器を用いた鞍乗型車両におけるステアリング装置 - Google Patents

緩衝器、およびこの緩衝器を用いた鞍乗型車両におけるステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 相対移動可能な両部材に外力が与えられるとき、緩衝器により減衰力を生じさせて上記外力に基づく衝撃力を緩和させるようにすることと、減衰力を生じさせないようにすることとのいずれかを選択できるようにして、緩衝器の利用分野に関する自由度を向上させるようにする。
【解決手段】 緩衝器16は、一方の部材に連結されたハウジング19と、このハウジング19に内嵌されて、この内部を第1、第2油室20,21に仕切ると共に他方の部材に連結される仕切体22と、第1、第2油室20,21を互いに連通させる油路28と、この油路28の中途部に形成され内部にボール32を遊嵌させるボール室31とを備える。両部材14,15の相対移動Aが所定速度以上のとき、作動油18からの外力で、ボール32が上記油路28の開度を減少させ、この開度の減少に基づき減衰力を生じるようにする。ボール室31の寸法を調整可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、互いに相対移動可能な両部材が、外部からの衝撃力により相対移動するとき、この移動に連動した作動油による減衰力で、上記衝撃力が緩和されるようにし、かつ、その減衰力特性が調整されるようにした緩衝器、およびこの緩衝器を用いた鞍乗型車両におけるステアリング装置に関するものである。
自動二輪車におけるステアリング装置に用いられた緩衝器には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、上記緩衝器は、車体フレームに連結され、内部に作動油が充填されたシリンダチューブと、このシリンダチューブに軸方向に相対移動可能に内嵌されて、このシリンダチューブの内部を第1、第2油室に仕切ると共にハンドル側部材であるフロントフォークに連結されるピストンと、上記第1、第2油室を互いに連通させる油路と、この油路の中途部に形成され、この油路よりも大きい断面積を有して、内部にボールを遊嵌させるボール室とを備えている。
自動二輪車は、その走行時、走行面から衝撃力を与えられる。そして、この衝撃力により、上記ハンドル側部材が車体フレームに対し不意に相対移動(操向)させられることがある。この場合、上記車体フレームとハンドル側部材とに連結されている上記シリンダチューブとピストンとが相対移動する。すると、この相対移動により加圧される第1、第2油室のうちの一方の油室の作動油が、上記油路とボール室とを流動して他方の油室に向かわされる。
ここで、車両の高速走行時では、一般に、走行面から自動二輪車に与えられる衝撃力は大きい。このため、この衝撃力により、上記ハンドル側部材は車体フレームに対し不意に大きく相対移動しようとする。また、高速走行であるため、上記ハンドル側部材の相対移動の速度は大きくなりがちであり、これに伴い上記ボール室を流動する作動油の速度も速くなりがちである。
よって、上記ボール室を流動する作動油からの外力により上記ボールは油路の開度を減少させるよう作動させられ、上記ボール室における作動油の流動が規制される。そして、これに基づき、上記緩衝器が減衰力を生じて上記衝撃力が緩和されると共に、上記シリンダチューブに対するピストンの相対移動が規制されて、上記ハンドル側部材が不意に大きく相対移動することが防止される。この結果、高速走行時に、良好な操安性が確保される。
一方、低、中速走行時では、一般に、走行面から自動二輪車に与えられる衝撃力は小さい。このため、この衝撃力による上記ハンドル側部材が不意に相対移動することは小さく抑制される。また、低、中速走行であるため、上記ハンドル側部材の相対移動の速度は小さいことから、上記ボール室を流動する作動油の速度も小さく抑制される。
よって、上記ボール室を流動する作動油からの外力により上記ボールが油路の開度を減少させるよう作動する、ということは防止される。このため、上記緩衝器は減衰力を生じないで、上記ボール室における作動油の流動はそのまま継続される。この結果、上記ハンドル側部材が不意に相対移動することは許容されるが、この相対移動は上記したように小さいため、操安性を阻害するものではなく、このため、この低、中速走行時でも、良好な操安性が維持される。
特開2003−237672号公報
ところで、上記したように、自動二輪車の低、中速走行時では、走行面から自動二輪車に与えられる衝撃力が小さいため、車体フレームに対するハンドル側部材の相対移動の速度は小さい。しかし、このような場合でも、上記ボールの作動により油路の開度を減少させて、緩衝器に減衰力を生じさせると共に、ハンドル側部材の不意の相対移動を防止して、より良好な操安性を確保したい場合がある。
そこで、上記ハンドル側部材の相対移動の速度が小さく、このため、ボール室における作動油の流動速度が小さい場合でも、この作動油の流動による外力で、ボールが作動して油路の開度を減少させるようにすることが考えられる。
しかし、単に、このようにすると、次のような不都合が生じる。
即ち、自動二輪車の取り回し時や、低速でのコーナリング時には、車体フレームに対しハンドル側部材は少なくとも低速にて相対移動する。すると、上記したように、ボールが作動して油路の開度が減少させられようとする。
ここで、上記取り回し時などでは、ハンドル側部材を大きい角度で操向させること(小回りさせること)が必要であるが、上記したように油路の開度が減少すると、上記第1、第2油室間での作動油の流動が規制されがちとなる。そして、この場合には、上記ハンドル側部材の大きい角度での操向が阻害され、自動二輪車の取り回しや低速のコーナリングが阻害されるという不都合を生じる。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、自動二輪車における車体フレームとハンドル側部材とのように、相対移動可能な両部材に外力が与えられるとき、緩衝器により減衰力を生じさせて上記外力に基づく衝撃力を緩和させるようにすることと、上記減衰力を生じさせないようにすることとのいずれかを選択できるようにして、緩衝器の利用分野に関する自由度を向上させるようにすることである。
また、本発明の他の目的は、上記緩衝器を鞍乗型車両におけるステアリング装置に適用し、走行時に、良好な操安性が確保されるようにし、その一方、車両の取り回し時や低速のコーナリング時には、大きい角度での操向(小回り)が円滑にできるようにして、これら取り回しや低速のコーナリングが良好にできるようにすることである。
請求項1の発明は、全図に例示するように、相対移動A可能な両部材14,15のうち、一方の部材に連結され、内部に作動油18が充填されたハウジング19と、このハウジング19に相対移動可能に内嵌されて、このハウジング19の内部を第1、第2油室20,21に仕切ると共に他方の部材に連結される仕切体22と、上記第1、第2油室20,21を互いに連通させる油路28と、この油路28の中途部に形成され、この油路28よりも大きい断面積を有して、内部にボール32を遊嵌させるボール室31とを備え、上記両部材14,15の相対移動Aが所定速度以上のとき、上記ボール室31を流動する作動油18からの外力で、上記ボール32が上記油路28の開度を減少させ、この開度の減少に基づき減衰力を生じるようにした緩衝器において、
上記ボール室31の寸法を調整可能としたものである。
請求項2の発明は、全図に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記ハウジング19に上記油路28とボール室31とを形成し、上記油路28の中途部の軸方向における上記ボール室31の各端面33,34同士の離間寸法Lを調整可能としたものである。
請求項3の発明は、図5に例示するように、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記第1、第2油室20,21を互いに連通させる他の油路42を設け、この他の油路42の開度を調整可能とする調整弁43を設けたものである。
請求項4の発明は、全図に例示するように、請求項1の緩衝器16を用いた鞍乗型車両におけるステアリング装置であって、
上記両部材14,15を、車体フレーム2とこの車体フレーム2に操向可能に支持されるハンドル6側部材とで構成したものである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、相対移動可能な両部材のうち、一方の部材に連結され、内部に作動油が充填されたハウジングと、このハウジングに相対移動可能に内嵌されて、このハウジングの内部を第1、第2油室に仕切ると共に他方の部材に連結される仕切体と、上記第1、第2油室を互いに連通させる油路と、この油路の中途部に形成され、この油路よりも大きい断面積を有して、内部にボールを遊嵌させるボール室とを備え、上記両部材の相対移動が所定速度以上のとき、上記ボール室を流動する作動油からの外力で、上記ボールが上記油路の開度を減少させ、この開度の減少に基づき減衰力を生じるようにした緩衝器において、
上記ボール室の寸法を調整可能としている。
ここで、上記ボール室の寸法を調整してやれば、上記ボール室における作動油の流速や流線の位置が変化して、上記ボール室におけるボールが上記油路の開度を減少させる際の特性を変化させることができる。
よって、上記両部材に外力が与えられてこれら両部材が相対移動するとき、上記ボール室の寸法を予め調整しておけば、そのときの状況に応じて、緩衝器により減衰力を生じさせて上記外力に基づく衝撃力を緩和させることと、上記減衰力を生じさせないようにすることとのいずれかが選択できる。このため、緩衝器の利用分野に関する自由度を向上させることができる。
請求項2の発明は、上記ハウジングに上記油路とボール室とを形成し、上記油路の中途部の軸方向における上記ボール室の各端面同士の離間寸法を調整可能としている。
つまり、上記ハウジングには、第1、第2油室を仕切る仕切体が取り付けられると共に、油路とボール室とが形成される。しかも、上記ボール室の寸法の調整は、長さを大きく採れる油路の軸方向でなされており、ボール室の寸法調整のために油路の径方向外方域を大きく占有するということは防止される。よって、上記緩衝器がコンパクトとなり、特に、限られた狭い余剰空間しか有しない鞍乗型車両に上記緩衝器を適用する場合に有益である。
請求項3の発明は、上記第1、第2油室を互いに連通させる他の油路を設け、この他の油路の開度を調整可能とする調整弁を設けている。
このため、上記調整弁により、上記他の油路の開度を調整すれば、上記ボールが油路の開度を減少させることにより上記緩衝器が減衰力を生じるとき、この減衰力特性を種々選択することができる。よって、上記外力に基づく衝撃力を所望状態に緩和できる。
請求項4の発明は、請求項1の緩衝器を用いた鞍乗型車両におけるステアリング装置であって、
上記両部材を、車体フレームとこの車体フレームに操向可能に支持されるハンドル側部材とで構成している。
このため、車両の走行時に、走行面から車両に外力である衝撃力が与えられて、車体フレームに対しハンドル側部材が不意に相対移動(操向)しようとするとき、上記ボール室の寸法を予め調整しておけば、上記ボールが油路の開度を減少するようにさせることができる。そして、このようにすれば、上記緩衝器が減衰力を生じて上記衝撃力が緩和されると共に、上記車体フレームに対するハンドル側部材の相対移動が防止されて、良好な操安性が確保できる。
一方、上記ハンドル側部材の相対移動の速度が極めて小さいとき、上記ボール室の寸法を予め調整しておけば、上記ボールが油路の開度を減少しないようにさせることができる。そして、このようにすれば、車両の取り回し時や低速のコーナリング時であって、ハンドル側部材の相対移動の速度が極めて小さい場合には、上記ボールによる油路の開度の減少が防止されて、上記緩衝器が減衰力を生じることはなく、上記第1、第2油室の間で、上記油路とボール室とを通し作動油が円滑に流動させられる。よって、大きい角度での操向ができることから、これら取り回しや低速のコーナリングが良好にできる。
本発明の緩衝器に関し、自動二輪車における車体フレームとハンドル側部材とのように、相対的に往、復移動可能な両部材に外力が与えられるとき、緩衝器により減衰力を生じさせて上記外力に基づく衝撃力を緩和させるようにすることと、上記減衰力を生じさせないようにすることとのいずれかを選択できるようにして、緩衝器の利用分野に関する自由度を向上させるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、緩衝器は、相対移動可能な両部材のうち、一方の部材に連結され、内部に作動油が充填されたハウジングと、このハウジングに相対移動可能に内嵌されて、このハウジングの内部を第1、第2油室に仕切ると共に他方の部材に連結される仕切体と、上記第1、第2油室を互いに連通させる油路と、この油路の中途部に形成され、この油路よりも大きい断面積を有して、内部にボールを遊嵌させるボール室とを備えている。上記両部材の相対移動が所定速度以上のとき、上記ボール室を流動する作動油からの外力で、上記ボールが上記油路の開度を減少させ、この開度の減少に基づき減衰力を生じるようにしている。上記ボール室の寸法を調整可能としている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1−4に従って説明する。
図1,2において、符号1は、自動二輪車として例示される鞍乗型車両である。また、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。
上記車両1は、車体フレーム2と、この車体フレーム2の前上端部を構成するヘッドパイプ3にその軸心4回りに往、復するように相対移動(操向)A可能に支持されるフロントフォーク5と、このフロントフォーク5の下端部に支持される不図示の前車輪と、上記フロントフォーク5の上端部に支持されるバー形状のハンドル6とを備えている。このヘッドパイプ3、フロントフォーク5、前車輪、およびハンドル6は、上記車両1のステアリング装置7を構成している。
上記ハンドル6側部材であるフロントフォーク5は、上記ヘッドパイプ3に嵌入され、その軸心4回りに回動可能となるよう支持される操向軸8と、この操向軸8の上、下端部に支持されるアッパ、ロアブラケット9,10と、これらブラケット9,10に支持される左右一対のフォークチューブ11とを備え、上記アッパブラケット8に上記ハンドル6が支持されている。
上記車両1は、相対移動(操向)A可能な両部材14,15に架設される緩衝器16を備えている。具体的には、両部材14,15のうち、一方の部材14は上記車体フレーム2で、他方の部材15は上記フロントフォーク5を含むハンドル6側部材である。上記緩衝器16は、上記車体フレーム2のヘッドパイプ3に枢支軸17により回動可能に連結され、内部に作動油18が充填されたハウジング19と、このハウジング19の内部を第1、第2油室20,21に仕切ると共に上記フロントフォーク5に連結される仕切体22とを備えている。
具体的には、上記緩衝器16は油圧シリンダ式で、上記ハウジング19はシリンダチューブである。また、上記仕切体22は、上記シリンダチューブの軸方向に往、復摺動可能となるようこのシリンダチューブに嵌入されるピストンである。上記仕切体22は、この仕切体22から突出するピストンロッド23と、このピストンロッド23の突出端部に設けられる枢支軸24とにより上記フロントフォーク5に連結されている。
上記仕切体22には、上記第1、第2油室20,21を互いに連通させるオリフィス27が形成されている。また、上記ハウジング19には、上記第1、第2油室20,21を互いに連通させる円形断面の油路28が形成されている。この油路28の中途部は水平方向に延びている。この油路28の中途部の孔軸心29上に孔軸心30を有し、円形断面でこの孔軸心29よりも断面積(径寸法)の大きいボール室31が上記ハウジング19に形成されている。このボール室31にはボール32が遊嵌状に嵌入されている。
上記ボール室31は、その孔軸心30の軸方向の各端面33,34がそれぞれ円錐台形状の凹面とされ、かつ、互いに同形同大とされている。そして、上記各端面33,34の台形の頂部にそれぞれ上記油路28が開口している。
外力により、上記車体フレーム2のヘッドパイプ3とハンドル6側部材とが上記ヘッドパイプ3の軸心4回りで相対移動(操向)Aするとき、上記各枢支軸17,24とピストンロッド23とを介し、上記相対移動Aに連動して上記ハウジング19に対し仕切体22が相対移動Bする。そして、この相対移動Bにより第1油室20の作動油18が加圧される。ここで、上記オリフィス27の断面積は極めて小さく流動抵抗が大きいため、上記第1油室20の作動油18のほとんどは、上記油路28とボール室31とを流動して上記第1油室20から第2油室21に向かおうとする(図1中矢印C)。
上記車体フレーム2とハンドル6側部材との相対移動Aが所定速度未満のとき、上記ボール32は、その自重によりボール室31の底部に沈んでいて、上記ボール室31の各端面33,34における油路28の開口は全開状に開けられている(図1中実線)。
このため、上記第1油室20の作動油18は上記第2油室21に向けて上記油路28とボール室31とを円滑に流動する。このため、上記緩衝器16が減衰力を生じることはない。
一方、上記車体フレーム2とハンドル6との相対移動Aが所定速度以上のとき、上記ボール室31を速い速度で流動する作動油18からの外力(流体抵抗)で、上記ボール32は上記ボール室31の作動油18内を上昇して、上記ボール室31の両端面33,34のうち、一方の端面33における油路28の開度を減少させ(図1中一点鎖線)。最終的には、ほぼ全閉状態にさせる。
すると、上記油路28とボール室31とを作動油18が流動することが防止されて、上記第1油室20の作動油18は、第2油室21に向かって上記オリフィス27を流動する。このオリフィス27における作動油18の流動は規制されたものであり、流動抵抗が大きいため、これにより、減衰力が生じ、上記外力(衝撃力)が緩和される。
なお、上記車体フレーム2のヘッドパイプ3とハンドル6側部材とが上記と逆に相対移動(矢印Aと逆)するとき、上記作動油18は、上記第2油室21から第1油室20に向かうよう、上記オリフィス27、油路28、およびボール室31を流動する。そして、上記と同様の作用が生じる。
上記ボール室31の寸法が調整可能とされている。具体的には、上記ハウジング19は、上記第1、第2油室20,21が形成されたハウジング本体36と、上記油路28の中途部の孔軸心29上で、上記ハウジング本体36に形成された有底の円形孔37に上記孔軸心29回りに回動可能に嵌入された円柱体38とを備えている。
上記ハウジング本体36には、上記油路28の一部が形成され、上記円柱体38には、上記孔軸心29上を通るよう上記油路28の他部が形成されている。上記円形孔37の底面と、上記円柱体38の嵌入端面とにより、上記ボール室31の軸方向における各端面33が形成されている。上記孔軸心29上で、上記円形孔37には調整ボルト39が螺合されており、この調整ボルト39に上記円柱体38が一体的に形成されている。上記調整ボルト39を捻回すれば、この調整ボルト39と共に、上記円柱体38が軸方向に往、復移動し、これにより、上記ボール室31の各端面33,34同士の離間寸法Lが調整可能とされている。これを換言すれば、前記したように、ボール室31の寸法が調整可能とされている。そして、上記離間寸法Lを大きくすると、上記ボール室31における作動油18の流速は油路28におけるそれに比べて、より遅くなる。
図3で示すように、上記離間寸法Lを大きくすればするほど、上記ハンドル6の相対移動Aの速度が、より大きくなければ、上記ボール32により油路28の開度が減少させられて油路28が閉じられる、ということはない。
図1,4において、上記調整ボルト39への操作により、上記離間寸法Lを小さくすると(図1中二点鎖線)、上記ボール室31における作動油18の流速は油路28におけるそれに近づくため、何らかの外力により上記ハンドル6側部材が相対移動Aした場合において、この相対移動Aの速度が小さくても、早いタイミングで上記ボール32により油路28の開度が減少させられる(閉じられる)。
すると、上記第1油室20の作動油18は第2油室21に向かい上記オリフィス27を流動するが、この流動は規制されたものである。このため、第1に、上記緩衝器16は早いタイミングで減衰力を生じ(図4中二点鎖線)、上記外力による衝撃力が直ちに緩和される。また、第2に、上記ハウジング19に対する仕切体22の相対移動Bは抑制され、上記ハンドル6側部材の相対移動Aは早いタイミングで抑制される。
一方、上記離間寸法Lを大きくすると(図1中実線)、上記ボール室31における作動油18の流速は油路28におけるそれよりも遅くなるため、上記ハンドル6側部材の相対移動Aの速度がある程度大きくなるまでは、上記ボール32により油路28の開度が減少させられることはなく、上記第1油室20の作動油18は第2油室21に向かい上記油路28とボール室31とを円滑に流動する。このため、上記相対移動Aの速度が大きくなるまで、第1に、上記緩衝器16は、減衰力を生じるタイミングが遅くされる(図4中実線)。また、第2に、上記ハウジング19に対する仕切体22の相対移動Bが抑制されることが防止され、上記ハンドル6側部材の相対移動Aが許容される。
なお、上記ボール室31の寸法を調整するのは、次のようにしてもよい。即ち、上記油路28の中途部に、この油路28の孔軸心29上に軸心を有する円柱体を介在させ、この円柱体にその軸心に平行かつ偏心した大径孔のボール室31を形成する。このようにすれば、上記円柱体を上記孔軸心29回りで回転させれば、上記油路28に対する上記ボール室31の底面高さを調整でき、つまり、上記油路28を基準としたボール室31の寸法を調整できる。
上記構成によれば、ボール室31の寸法を調整可能としている。
ここで、上記ボール室31の寸法を調整してやれば、上記ボール室31における作動油18の流速や流線の位置が変化して、上記ボール室31におけるボール32が上記油路28の開度を減少させる際の特性を変化させることができる。
よって、上記両部材14,15に外力が与えられてこれら両部材14,15が相対移動Aするとき、上記ボール室31の寸法を予め調整しておけば、そのときの状況に応じて、緩衝器16により減衰力を生じさせて上記外力に基づく衝撃力を緩和させることと、上記減衰力を生じさせないこととのいずれかが選択できる。このため、緩衝器16の利用分野に関する自由度を向上させることができる。
また、前記したように、ハウジング19に上記油路28とボール室31とを形成し、上記油路28の中途部の軸方向における上記ボール室31の各端面33,34同士の離間寸法Lを調整可能としている。
つまり、上記ハウジング19には、第1、第2油室20,21を仕切る仕切体22が取り付けられると共に、油路28とボール室31とが形成される。しかも、上記ボール室31の寸法の調整は、長さを大きく採れる油路28の軸方向でなされており、ボール室31の寸法調整のために油路28の径方向外方域を大きく占有するということは防止される。よって、上記緩衝器16がコンパクトとなり、特に、限られた狭い余剰空間しか有しない鞍乗型車両1に上記緩衝器16を適用する場合に有益である。
また、前記したように、両部材14,15を、車体フレーム2とこの車体フレーム2に操向可能に支持されるハンドル6側部材とで構成している。
このため、車両1の走行時に、走行面から車両1に外力である衝撃力が与えられて、車体フレーム2に対しハンドル6側部材が不意に相対移動Aしようとするとき、上記ボール室31の寸法を予め調整しておけば、上記ボール32が油路28の開度を減少するようにさせることができる。そして、このようにすれば、上記緩衝器16が減衰力を生じて上記衝撃力が緩和されると共に、上記車体フレーム2に対するハンドル6側部材の相対移動Aが防止されて、良好な操安性が確保できる。
一方、上記ハンドル6側部材の相対移動Aの速度が極めて小さいとき、上記ボール室31の寸法を予め調整しておけば、上記ボール32が油路28の開度を減少しないようにさせることができる。そして、このようにすれば、車両1の取り回し時や低速のコーナリング時であって、ハンドル6側部材の相対移動Aの速度が極めて小さい場合には、上記ボール32による油路28の開度の減少が防止されて、上記緩衝器16が減衰力を生じることはなく、上記第1、第2油室20,21の間で、上記油路28とボール室31とを通し作動油18が円滑に流動させられる。よって、大きい角度での操向ができることから、これら取り回しや低速のコーナリングが良好にできる。
以下の図5は、実施例2を示している。この実施例2は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図5に従って説明する。
図5において、上記ハウジング19の内部は、上記操向軸8の軸心4を中心とした扇形状をなしている。上記ハウジング19の内部にはベーン形状の仕切体22が設けられている。この仕切体22は上記ハンドル6に連動する操向軸8と共に回動するようこの操向軸8に固着されている。
上記ハウジング19とは別個の他のハウジング41が設けられ、車体フレーム2に支持されている。この他のハウジング41に、上記油路28の中途部、ボール32を内有するボール室31、および円形孔37が形成され、上記他のハウジング41に円柱体38や調整ボルト39が取り付けられている。また、上記他のハウジング41に、上記第1、第2油室20,21を互いに連通させる他の油路42が形成され、この他の油路42の開度を調整可能とするニードル弁である調整弁43が設けられている。
上記構成によれば、上記第1、第2油室20,21を互いに連通させる他の油路42を設け、この他の油路42の開度を調整可能とする調整弁43を設けている。
このため、上記調整弁43により、上記他の油路42の開度を調整すれば、上記ボール32が油路28の開度を減少させることにより上記緩衝器16が減衰力を生じるとき、この減衰力特性を種々選択することができる。よって、上記外力に基づく衝撃力を所望状態に緩和できる。
なお、以上は図示の例によるが、上記ハウジング19と他のハウジング41とは一体的に形成してもよい。また、上記調整弁43を設けないで、上記仕切体22にオリフィス27を形成してもよい。
実施例1を示し、緩衝器の縦断面図である。 実施例1を示し、車両の部分簡略平面図である。 実施例1を示し、離間寸法とハンドル側部材の相対移動との関連図である。 実施例1を示し、ハンドル側部材の相対移動と減衰力との関連図である。 実施例2を示し、図1に相当する図である。
符号の説明
1 車両
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
4 軸心
5 フロントフォーク
6 ハンドル
7 ステアリング装置
14 部材
15 部材
16 緩衝器
18 作動油
19 ハウジング
20 第1油室
21 第2油室
22 仕切体
27 オリフィス
28 油路
29 孔軸心
30 孔軸心
31 ボール室
32 ボール
33 端面
34 端面
42 他の油路
43 調整弁
A 相対移動
B 相対移動
L 離間寸法

Claims (4)

  1. 相対移動可能な両部材のうち、一方の部材に連結され、内部に作動油が充填されたハウジングと、このハウジングに相対移動可能に内嵌されて、このハウジングの内部を第1、第2油室に仕切ると共に他方の部材に連結される仕切体と、上記第1、第2油室を互いに連通させる油路と、この油路の中途部に形成され、この油路よりも大きい断面積を有して、内部にボールを遊嵌させるボール室とを備え、上記両部材の相対移動が所定速度以上のとき、上記ボール室を流動する作動油からの外力で、上記ボールが上記油路の開度を減少させ、この開度の減少に基づき減衰力を生じるようにした緩衝器において、
    上記ボール室の寸法を調整可能としたことを特徴とする緩衝器。
  2. 上記ハウジングに上記油路とボール室とを形成し、上記油路の中途部の軸方向における上記ボール室の各端面同士の離間寸法を調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 上記第1、第2油室を互いに連通させる他の油路を設け、この他の油路の開度を調整可能とする調整弁を設けたことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の緩衝器。
  4. 請求項1の緩衝器を用いた鞍乗型車両におけるステアリング装置であって、
    上記両部材を、車体フレームとこの車体フレームに操向可能に支持されるハンドル側部材とで構成したことを特徴とする鞍乗型車両におけるステアリング装置。
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