JP2007016879A - 空圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基本長を確保しつつ減衰力の発生に遅れを生じない空圧緩衝器を提供することである。
【解決手段】 シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内に形成される作動室Aを一方室R1と他方室R2とに区画するピストン2と、ピストン2を介してシリンダ1内に移動自在に挿入されたロッド3と、を備えた空圧緩衝器Kにおいて、一方室R1もしくは他方室R2の一方または両方に収容され作動室Aの容積を減じる収容部材M1,M2を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両等に搭載される緩衝器に関し、特に車両等のサスペンションとして使用可能な空圧緩衝器の改良に関する。
従来、空圧緩衝器としては、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、シリンダにピストンを介して移動自在に挿通されるロッドとを備えたものが知られている(たとえば、特許文献1,2参照)。
この空圧緩衝器は、シリンダ内に形成の作動室をピストンで一方室と他方室とに区画し、この作動室内に作動流体として気体を封入し、減衰力の発生に際しては、油圧緩衝器と同様に、ピストンで一方室もしくは他方室を圧縮して、一方室内圧力と他方室内圧力に差を生じせしめるようにしている。
特開2004−132429号公報 特開2004−132428号公報
さて、上述のような空圧緩衝器では、作動流体に気体を用いることにより緩衝器の軽量化等を達成する点で、有用な技術であるが、以下の問題がある。
すなわち、従来の空圧緩衝器を車両のサスペンションとして利用する場合、車両用の油圧緩衝器と同等の取付長を確保しなければならないが、そうすると、シリンダ内の作動室の容積が油圧緩衝器と同等程度となることになる。
すると、空圧緩衝器は上述のように作動流体を気体としており、気体は圧縮性に富み、体積弾性係数が小さいことから、作動流体に作動油を使用する油圧緩衝器に比較して、伸縮作動時に圧縮される一方室もしくは他方室の容積変化に対して該圧縮される一方室もしくは他方室の圧力上昇が遅れることになる。
したがって、従来の空圧緩衝器は、油圧緩衝器に比較して必要とされる減衰力の発生が遅れる問題があった。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、基本長を確保しつつ減衰力の発生に遅れを生じない空圧緩衝器を提供することである。
本発明の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内に形成される作動室を一方室と他方室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、を備えた空圧緩衝器において、一方室もしくは他方室の一方または両方に収容され作動室の容積を減じる収容部材を設けたことを特徴とする。
本発明の空圧緩衝器によれば、収容部材によって、作動室内の容積を減ずることができるので、基本長を車両に搭載可能な程度に確保しても、減衰力の発生が遅れることがない。
また、本空圧緩衝器にあっては、収容部材を作動室内に収容することで、基本長の確保および減衰力の発生遅れを回避していることから、その基本長の確保において、シリンダの上下長さを短くし、さらには、ロッドの上下長さを長くする必要がないので、シリンダやロッドを空圧緩衝器用の特別品として新たに設計製作する必要が無く、油圧緩衝器用のシリンダやロッドをそのまま流用することができることから、空圧緩衝器の開発、製造等のコストを低減することができる。
したがって、この空圧緩衝器にあっては、コスト低減を図りつつ、車両への搭載性と車両における乗り心地を確保することができるのである。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、空圧緩衝器の概略縦断面図である。図2は、一実施の形態の変形例における空圧緩衝器の概略縦断面図である。図3は、一実施の形態の変形例における空圧緩衝器の概略縦断面図である。図4は、他の実施の形態における空圧緩衝器の概略縦断面図である。
一実施の形態における空圧緩衝器Kは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に形成される作動室Aを一方室たるロッド側室R1と他方室たるピストン側室R2とに区画するピストン2と、ピストン2を介してシリンダ1内に移動自在に挿入されたロッド3とを備えて構成されている。
以下、詳細に説明すると、シリンダ1は、筒状に形成され、その上下端は、それぞれヘッド部材5とボトム部材6によって閉塞されており、これにより、シリンダ1内に作動室Aが隔成され、さらに、この作動室Aは、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2によってロッド側室R1とピストン側室R2とに区画されている。
そして、ピストン2には、ロッド3が連結されるとともに、ロッド側室R1とピストン側室R2とを連通する通路21,22が設けられ、これら通路21,22の途中には減衰力発生要素23,24が設けられている。
また、上記通路21の途中には、ロッド側室R1からピストン側室R2へ向かう流れのみを許容する逆止弁25が設けられ、通路22の途中には、ピストン側室R2からロッド側室R1へ向かう流れのみを許容する逆止弁26が設けられている。したがって、通路21にあっては、空圧緩衝器Kが伸長する、すなわち、シリンダ1からロッド3が突出する作動を行うときのみに流体の通過を許容し、他方の通路22にあっては、空圧緩衝器Kが収縮する、すなわち、シリンダ1内にロッド3が進入する作動を行うときのみに流体が通過を許容するようになっている。
そして、減衰力発生要素23,24は、図示したところでは、可変絞り弁とされており、空圧緩衝器Kの伸縮周波数や伸縮速度等に応じて、流体の流れに与える抵抗を変化させることができるようになっている。なお、減衰力発生要素23,24は、この空圧緩衝器Kが搭載される車両に適せば可変絞り弁以外にも固定絞り弁や、リーフバルブ等とされてもよい。
また、ロッド3の外周であってピストン2の近傍には、環状に形成されロッド側室R1内に収容される収容部材M1が固定されており、この収容部材M1は、シリンダ1との間に隙間を形成すべく、その直径は、シリンダ1の内径より小径とされている。
したがって、収容部材M1とシリンダ1との間に隙間が形成されることで、上記隙間空圧緩衝器Kの伸縮作動時のロッド側室R1とピストン側室R2とを行き交う気体の流れを妨げることがない。ここで、上記気体の流れを考えると収容部材M1とシリンダ1との間に隙間を生じさせないようにして、その代わりに、収容部材M1に上記気体の流れを許容可能なようにその上下端を連通する通孔を設けるようしてもよいが、この場合には、収容部材M1の加工コストの増加するとともに摺動部が増加するので、収容部材M1とシリンダ1との間に隙間を設けておく方が有利である。
なお、収容部材M1の材質としては、具体的にはたとえば、金属や合成樹脂等を使用すればよいが、なるべくなら、ロッド側室R1内の圧力の変化に対して体積変化が少ないものと使用するとよく、内部は中空とされてもよい。
また、収容部材M1をロッド3の外周を膨出させてロッド3と一体的に形成するようにしてもよいが、上記実施の形態のようにロッド3の外周に固定するように構成することで、ロッド3を特別品とする必要が無いので、この点でも、空圧緩衝器の製造等のコストを削減することが可能である。
さらに、上記収容部材M1は、ロッド3の外周であって、ピストン2の近傍に設けられているので、収容部材M1が空圧緩衝器のストローク長に与える影響が最小限に留められている。
転じて、ヘッド部材5は、環状に成型され、その内周側にはロッド3を軸支する軸受51を備えるとともに、上端側から開口する凹部52が設けられている。
そして、上記したシリンダ1は、シリンダ1の外方に配置される有底筒状の外筒10によって覆われており、この外筒10の底部には、ボトム部材6が嵌合され、また、外筒10の図中上端である開口端部には、内周側で環状シールSを保持する封止部材11が上記ヘッド部材5に積層された状態で固定されている。
上記した封止部材11において、図1中、上下方向長さとなる軸方向長さは、環状シールSの上下方向長さとなる軸方向長さより、短く設定されるととともに、環状シールSは、封止部材11の下端からシリンダ1の内方に向けて突出するように封止部材11によって保持されている。なお、上記したところでは、封止部材11は環状シールSを保持しているが、環状シールSを封止部材11に溶着して分離不能な状態としておくとしても差し支えない。
封止部材11から突出している環状シールSの下端は、ヘッド部材5の凹部52内に配置されており、この凹部52と封止部材11とで貯油室Tが隔成されている。
上記した環状シールSの内周側には、シリンダ1から突出し、ヘッド部材5の軸受51内に摺動自在に挿入されるロッド3が挿入され、この環状シールSは所定の緊迫力でロッド3の外周に圧接されている。
したがって、ロッド3は、貯油室Tを貫いており、この貯油室Tは、ロッド3と環状シールSとの摺接部に臨むようになっている。
さらに、貯油室Tは、ヘッド部材5に設けた通路53によってロッド側室R1に連通されるとともに、通路54によって、シリンダ1と外筒10との間の隙間Bに連通されている。
ここで、通路53の貯油室T側の端部53aは、上記凹部52の側壁部52aから開口しており、この端部53aは、少なくとも環状シールSの図中最下端より上方に位置するように設定されている。また、通路53の途中には、貯油室Tからロッド側室R1へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁55が設けられている。
他方、ボトム部材6には、ピストン側室R2と上記隙間Bとを連通する通路61が設けられ、この通路61の途中には、ピストン側室R2から隙間Bへ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁62が設けられている。
したがって、貯油室Tは、上記した通路54、隙間Bおよび通路61を介してピストン側室R2に連通されていることになる。
また、ボトム部材6の上端には、突起63が設けられ、この突起63の先端にピストン側室R2内に収容される収容部材M2が設けられている。すなわち、この収容部材M2はシリンダ1の端部側に設けられており、シリンダ1との間に隙間を形成すべく、その直径は、シリンダ1の内径より小径とされている。
したがって、収容部材M2とシリンダ1との間に隙間が形成されることで、上記隙間空圧緩衝器Kの伸縮作動時の通路61を通過する気体の流れを妨げることがない。
なお、収容部材M2の材質としては、具体的にはたとえば、金属や合成樹脂等を使用すればよいが、なるべくなら、ピストン側室R2内の圧力の変化に対して体積変化が少ないものと使用するよく、内部は中空とされてもよい。
また、収容部材M2をボトム部材6と一体的に形成するようにしてもよいが、ボトム部材6に固定するように構成することで、ボトム部材6を特別品とする必要が無いので、空圧緩衝器の製造等のコストを削減することが可能である。
さらに、上記収容部材M2は、シリンダ1の端部側に設けられているので、収容部材M2が空圧緩衝器のストローク長に与える影響が最小限に留められている。
転じて、シリンダ1内には作動気体が封入されるとともに、貯油室T内には、油が充填され、また、貯油室T内の油の油面Oが、環状シールSの最下端より下方に下がらないような配慮のもと、上記隙間B内にも充分な量の油が充填されている。
なお、ロッド側室R1およびピストン側室R2内にも少量の油が充填されるが、ロッド側室R1内に充填される油は、空圧緩衝器が伸縮動作を初めて行うときに、シリンダ1とピストン2と間を潤滑するためであり、ピストン側室R2内の油は、空圧緩衝器の収縮時における貯油室T内の油面Oの下降を防止するためである。
つづいて、上述のように構成された空圧緩衝器Kの作動について説明する。まず、空圧緩衝器Kが伸長作動する場合、ロッド側室R1が圧縮され、ピストン側室R2が膨張させられるので、ロッド側室R1内の気体は、通路21を介してピストン側室R2内に移動する。この移動時に、気体は減衰力発生要素23を通過するので、圧力損失が生じロッド側室R1とピストン側室R2の圧力差に見合った減衰力が発生する。
このとき、収容部材M1,M2によって作動室A内の容積が小さくされており、空圧緩衝器の伸長時の作動室A内の圧力変化は、作動室Aの容積に反比例するので、収容部材M1,M2がない状態よりも、ロッド側室R1内の圧力は速やかに上昇するとともに、ピストン側室R2内の圧力は速やかに減少することになる。したがって、シリンダ1やロッド3の長さを油圧緩衝器と同等のものとしても、上記収容部材M1,M2によってロッド側室R1内の圧力上昇およびピストン側室R2内の圧力降下が早くなるので、減衰力の発生も同様に従来空圧緩衝器よりも早くなる。
また、ロッド側室R1内の油は、油は気体より重たく、通路21の開口部に溜まった状態となることから、該油も気体とともにピストン側室R2内に移動する。
このロッド側室R1内の油は、上述したように、シリンダ1とピストン2との間を潤滑する役割を有しているが、気体より先んじて減衰力発生要素23を通過することからロッド側室R1内の速やかな圧力上昇を促すことになる。
つづいて、空圧緩衝器Kが収縮作動する場合、ピストン側室R2が圧縮され、ロッド側室R1が膨張させられるので、ピストン側室R2内の気体は、通路22を介してロッド側室R1内に移動する。この移動時に、気体は減衰力発生要素24を通過するので、圧力損失が生じロッド側室R1とピストン側室R2の圧力差に見合った減衰力が発生する。
また、上記ピストン側室R2内の圧力上昇によって、ピストン側室R2内の気体は、通路54、隙間Bおよび通路61を介して貯油室Tにも流入する。
このとき、収容部材M1,M2によって作動室A内の容積が小さくされており、空圧緩衝器の収縮時の作動室A内の圧力変化は、作動室Aの容積に反比例するので、収容部材M1,M2がない状態よりも、ピストン側室R2内の圧力は速やか上昇するとともに、ロッド側室R1内の圧力は速やかに減少することになる。したがって、シリンダ1やロッド3の長さを油圧緩衝器と同等のものとしても、上記収容部材M1,M2によってロッド側室R1内の圧力下降およびピストン側室R2内の圧力上昇が早くなるので、減衰力の発生も同様に従来空圧緩衝器よりも早くなる。
すなわち、この空圧緩衝器Kでは、収容部材M1,M2によって、作動室A内の容積を減ずることができるので、基本長を車両に搭載可能な程度に確保しても、減衰力の発生が遅れることがない。
また、本空圧緩衝器Kにあっては、収容部材M1,M2を作動室A内に収容することで、基本長の確保および減衰力の発生遅れを回避していることから、その基本長の確保において、シリンダ1の図中上下長さを短くし、さらには、ロッド3の図中上下長さを長くする必要がないので、シリンダ1やロッド3を空圧緩衝器用の特別品として新たに設計製作する必要が無く、油圧緩衝器用のシリンダやロッドをそのまま流用することができることから、空圧緩衝器の開発、製造等のコストを低減することができる。
したがって、この空圧緩衝器Kにあっては、コスト低減を図りつつ、車両への搭載性と車両における乗り心地を確保することができるのである。
さらに、上記した収容部材M1,M2が中空に形成される場合には、空圧緩衝器Kの重量を軽減することが可能であり、車両のバネ下部材の振動をバネ上部材に伝達し難くすることができ、さらに乗り心地を向上することが可能となる。
なお、空圧緩衝器Kが収縮作動においては、ピストン側室R2内の油は、油は気体より重たく、通路61の開口部に溜まった状態となることから、気体より先んじて、通路61を通過することからピストン側室R2内の速やかな圧力上昇を促すことになる。
そして、貯油室Tは、ピストン側室R2と同様に加圧されることになるので、貯油室T内の油の油面Oが上昇し、この油面Oの上昇と貯油室T内の圧力上昇とによって、貯油室T内の油は、通路53を通過してロッド側室R1内に気体とともに流入する。ここで、通路53の端部53aの開口位置は環状シールSの最下端より上方に位置しているので、上記のごとく貯油室Tから油がロッド側室R1内に移動しても、貯油室T内の油の油面Oは、必ず環状シールSの最下端より上方に位置することになり、貯油室T内の油は、ロッド3と環状シールSとの摺接部の潤滑を維持しつづける。
したがって、空圧緩衝器Kが伸縮を繰り返しても、貯油室T内の油は、ロッド3と環状シールSとの摺接部の潤滑を維持しつづけることになり、正立型に形成された空圧緩衝器Kのロッド3の摺動部を確実に潤滑することになる。
また、ロッド3の摺接部に臨む貯油室を設けて油面を上記摺接部の最下端より上方に位置させることで、上記摺動部の確実な潤滑が可能となるので、構造が複雑となることが無く、大幅なコスト上昇を伴わずに空圧緩衝器を正立型とすることができる。
この空圧緩衝器Kが伸縮作動しつづけると、空圧緩衝器K内の油は、ロッド側室R1、ピストン側室R2および貯油室Tを循環し、空圧緩衝器Kの摺動部分、すなわち、シリンダ1とピストン2との間の摺動部、ロッド3と環状シールSの摺動部を潤滑しつづけることになる。
すなわち、この空圧緩衝器Kでは、上記油の循環によって、ロッド側室R1内に油が無くならないようにすることができ、シリンダ1とピストン2との間の摺動部をも潤滑することができ、上記摺動部の潤滑を相まって、空圧緩衝器Kの円滑な伸縮作動が実現され、手動抵抗を低減することができ、車両における乗り心地を向上することができるとともに、空圧緩衝器Kの耐久性の向上が可能となる。
なお、上記したところでは、一方室たるロッド側室R1内に収容部材M1を、他方室たるピストン側室R2内に収容部材M2をそれぞれ収容するようにしているが、図2および図3にした一実施の形態の変形例における空圧緩衝器K2,K3のように、収容部材M1,M2の一方を廃しても、ロッド側室R1とピストン側室R2内のトータルの容積を減ずることができ、このようにしても、上記した一実施の形態の空圧緩衝器Kと同様に、基本長の確保および速やかな減衰力の発生が可能である。
また、この他の実施の形態における空圧緩衝器K1,K2では、収容部材が一つで済むので、空圧緩衝器の製造コストをより一層低減することが可能である。
なお、収容部材M2のみを設ける図3に示した空圧緩衝器K2にあっては、収容部材M2がシリンダ1に対して移動することが無いので、伸縮作動時に、シリンダ1と干渉してしまう危険がなく、この点で、空圧緩衝器K2の円滑な伸縮作動を妨げることが皆無である。
さらに、図4に示した他の実施の形態における空圧緩衝器K3に示すように、収容部材M3をロッド3の先端に固定してピストン側室R2内に収容し、ロッド3が挿入される環状の収容部材M4をヘッド部材5に固定するようにしてもよい。
この場合、収容部材M3にあっては、ロッド側室R1とピストン側室R2とを行き交う気体の流れを妨げない配慮、具体的には、収容部材M3とシリンダ1との間に隙間が形成される配慮がなされ、また、収容部材M4にあっても上記通路53を塞がない配慮がなされる。
このように構成しても、作動室A内の容積が減少することになるので、一実施の形態における空圧緩衝器Kと同様に、基本長の確保および速やかな減衰力の発生が可能である。
なお、上記収容部材M3,M4のうち一方を廃してもよいことは、もちろん可能であり、そうしても、上記作用効果は失われず、収容部材が一つで済むので、空圧緩衝器の製造コストをより一層低減することが可能である。
また、空圧緩衝器K1の構成に、空圧緩衝器K3の収容部材M3を適用することも可能であるとともに、空圧緩衝器K2の構成に空圧緩衝器K3の収容部材M4を適用することも可能である。そして、また、以上述べてきたところの空圧緩衝器は、いわゆる片ロッド型の緩衝器として構成されているが、両ロッド型の緩衝器として構成されるとしてもよく、上述の基本長の確保と速やかな減衰力の発生という効果は失われない。さらに、本実施の形態の空圧緩衝器においては特に摺動部の潤滑を念頭に少量の油を一方室、他方室および貯油室に循環させる構造を採用しているが、空圧緩衝器の構造はこれに限定されない。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における空圧緩衝器の概略縦断面図である。 一実施の形態の変形例における空圧緩衝器の概略縦断面図である。 一実施の形態の変形例における空圧緩衝器の概略縦断面図である。 他の実施の形態における空圧緩衝器の概略縦断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
21,22,53,54,61 通路
23,24 減衰力発生要素
25,26 逆止弁
3 ロッド
5 ヘッド部材
51 軸受
52 凹部
53a 通路における端部
55,62 逆止弁
6 ボトム部材
10 外筒
11 封止部材
A 作動室
B 隙間
K,K1,K2,K3 空圧緩衝器
M1,M2,M3,M4 収容部材
O 貯油室内の油の油面
R1 一方室たるロッド側室
R2 他方室たるピストン側室
S 環状シール部材
T 貯油室

Claims (4)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内に形成される作動室を一方室と他方室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、を備えた空圧緩衝器において、一方室もしくは他方室の一方または両方に収容され作動室の容積を減じる収容部材を設けたことを特徴とする空圧緩衝器。
  2. 少なくとも1つの収容部材は、ロッドの外周もしくは先端であってピストン近傍に設けられることを特徴とする請求項1に記載の空圧緩衝器。
  3. 少なくとも1の収容部材は、シリンダの端部側に固定されることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の空圧緩衝器。
  4. 収容部材とシリンダとの間には隙間が形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の空圧緩衝器。
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