JP2007016567A - パワーウインドウ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバーの意思に反する不慮の行為による窓ガラスの閉め忘れを防止することができ、より安全で快適なパワーウインドウ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明によれば、イグニッションスイッチオフ後のタイマー機能に加え、ドア開放時においては、窓ガラスの閉方向の操作のみを許容する。これにより、イグニッションスイッチオフ後にドライバーの意思に反して、窓ガラスが開動作に陥ることを防ぐことができる。これにより、エンジンを切った後等に再度イグニッションスイッチのオン操作をして窓ガラスの閉操作をする煩わしさを解消することができる。また、窓ガラスが半開き状態のまま車両を離れることを予防することができる。したがって、より安全で快適なパワーウインドウ装置を提供することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、乗員の操作により、窓ガラスの開閉操作を行うパワーウインドウ装置に関するものである。
近年、車両の利便性の向上を目的として、車両には、DCモータ等により窓ガラスを電動で上昇または下降させる、いわゆるパワーウインドウ装置が搭載されている。このパワーウインドウ装置は、操作者が操作スイッチを操作すると、この操作スイッチと電気的に接続された電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下、ECUという。)が、操作スイッチからの入力信号に基づいて駆動モータの回転制御を行う。そして、操作スイッチの操作態様に応じた駆動モータの回転方向がECUにより決定され、この駆動モータの回転がウインドウ駆動部を介して往復動に変換されて、窓ガラスが上昇又は下降する構成となっている。
しかしながら、従来のパワーウインドウ装置は、イグニッションスイッチがオン状態のときには操作スイッチからの入力信号がECUを介して駆動モータに通電可能となり、オフ状態のときには操作スイッチからの入力信号が通電されないようにECUにより制御されていた。したがって、イグニッションスイッチがオン状態にあるときには、窓ガラスの開閉動作が操作スイッチの操作により常時可能となるが、イグニッションスイッチがオフ操作された場合には、ウインドウ駆動部の駆動モータへは電気が通電されないため、操作スイッチを操作しても窓ガラスが作動しない状態となっていた。
したがって、例えば、乗員がイグニッションスイッチをオフ状態にした後に窓ガラスの閉め忘れに気づいたときや、ガソリンスタンドの給油時のように車両のエンジンを停止させた状態にしなければならない時に窓ガラスの操作を行いたいときは、再度、イグニッションスイッチをオンにして、窓ガラスの開閉を操作しなければならなかった。このような操作は、乗員にとって大変不便であった。
上記のようなパワーウインドウ装置に対して、いわゆる、キーオフタイマー機能を備えたパワーウインドウ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のパワーウインドウ装置は、イグニッションスイッチがオン状態にあるときは常時その作動が可能とされ、イグニッションスイッチがオフされたときに、そのオフされた時点から予め定められた時間内であって、且つ乗員が運転席のドアを開け、さらにドアを閉めるに至るまでの間は窓ガラスの開閉を操作できる発明である。
特願平02−28665号公報
ここで、キーオフタイマー機能を備えたパワーウインドウ装置の機能構成を図6及び図7により説明する。図6は、従来のキーオフタイマー機能を備えたパワーウインドウ装置の機能ブロック図である。また、図7は、従来のキーオフタイマー機能を備えたパワーウインドウ制御装置の制御(動作)を示すフローチャート図である。
キーオフタイマー機能を備えたパワーウインドウ装置は、車両のドア5aに備えられた窓ガラス1を開閉操作する操作スイッチ2と、駆動モータ31の駆動により窓ガラス1を開閉させるウインドウ駆動部3と、操作スイッチ2の操作状態に基づいて駆動モータ31を制御するECU4を備え、ECU4には、イグニッションスイッチ検出センサ6と、ドア開閉状態検出センサ5と、タイマー7を有する構成となっている。
図6に示すように、開操作ボタンは、開操作回路S1を介して駆動モータ31に接続されている。また、閉操作ボタンは、閉操作回路S2を介して駆動モータ31に接続されている。イグニッションスイッチがオン状態にあるときは、イグニッションスイッチ検出センサ6は、イグニッションオン信号を検出する。このイグニッションオン信号がオア回路を介してECU4に入力されると、ECU4は、窓ガラス1を開動作させる開操作回路S1及び窓ガラスを閉動作させる閉操作回路S2の接続をする。開操作回路S1及び閉操作回路S2が接続されると、開操作回路S1と繋がる開操作ボタン及び閉操作回路S2と繋がる閉操作ボタンを操作することにより、窓ガラス1の開閉が可能になる。また、イグニッションスイッチ検出センサ6がイグニッションオフの信号を検出すると、イグニッションオフ信号がECU4に入力され、ECU4内のタイマーがイグニッションオフ信号検出時からの経過時間(T)のカウントを開始する。
ここで、ドア開閉状態検出センサ5がドア閉状態の信号を検出すると、ドア開閉状態検出センサ5はドア閉状態の信号をECU4に入力し、ECU4は、開操作回路S1及び閉操作回路S2の接続をする。なお、開操作回路S1及び閉操作回路S2がイグニッションオン状態から継続して接続されている状態であれば、このまま接続を継続する。これにより、窓ガラス1の開閉操作が可能になる。
その後、所定時間(Tend)、例えば、イグニッションオフ信号検出から10分以内に、ドア開閉状態検出センサ5がイグニッションオフ後の最初のドア開信号を検出し、さらにドア閉信号を検出すると、最初のドア開信号及びその次に検出されたドア閉信号が順次ECU4に入力される。このドア閉信号が入力されると、イグニッションオフ信号検出時からの経過時間(T)が所定時間(Tend)の範囲内であるか否かに係らず、ECU4内の開操作回路S1及び閉操作回路S2の接続が遮断される。また、ドアの開閉状態に係らず、イグニッションオフ信号検出時からの経過時間(T)が所定時間(Tend)を経過した場合には、所定時間(Tend)経過の信号がECU4に入力され、ECU4内の開操作回路S1及び閉操作回路S2の接続が遮断される構成となっている。つまり、イグニッションオフ後、所定時間(Tend)内であれば、運転席のドアが開放されている間においては窓ガラスの開閉操作が可能であり、その後、運転席のドアを閉めた後は窓ガラスの開閉が不可能となっていた。
次に、上述したパワーウインドウ装置の制御動作について説明する。図7に示すように、上記キーオフタイマー機能を備えたパワーウインドウ装置のECU4は、制御処理の実行を開始すると、まず、イグニッションスイッチがオフであるか否かを判定する(ST401)。これは、イグニッションスイッチ検出装置からのイグニッションオン/オフ信号に基づいて判定する。
そして、イグニッションスイッチがオフである場合には、ST402に移行し、タイマーの作動を判定する。タイマーが作動していなければ、タイマーの作動を指示する(ST403)。タイマーが作動すると、ST404に移行し、運転席のドアの開閉が行われたか否かを判定する。なお、ドアの開閉は、ドア開閉状態検出装置からの開閉信号に基づいて判定する。
運転席のドアの開閉が行われていなければ、所定時間(Tend)が経過しているか否かを判定する(ST405)。所定時間が経過していなければ、再度、ST404で運転席のドアの開閉が行われたか否かを判定し(ST404)、以下これを繰り返す。
運転席のドアの開閉が行われていれば(ST404)、パワーウインドウの作動は停止される(ST406)。そして、タイマーがリセットされ(ST407)、終了する。
上述のパワーウインドウ装置は、イグニッションスイッチオフ後の所定時間の経過に加え、運転席のドアの開閉が終了するまで窓ガラスの開閉操作が可能となっているため、イグニッションスイッチオフ後、乗員がドアを開けるときに誤って操作スイッチに触れてしまうと、乗員の意思に反して窓ガラスが開いてしまうことがあった。これは、ドアハンドルと窓ガラスの操作スイッチが近接して配置されている車両において発生しやすい傾向にある事象である。
上記のような事象においては、タイマー時間経過後あるいはドア閉操作後に、再度、イグニッションスイッチをオンにして窓ガラスを閉操作しなければならないため煩わしい。また、窓ガラスが開いたことに気づかず、半開きの状態のまま車両から離れてしまうことは防犯上の観点から好ましくない。そして、このことが本発明の課題といってよい。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、イグニッションスイッチオフ後タイマー機能による所定の時間の経過内であって、ドアを開閉する前の状態においては、パワーウインドウ装置の開閉を可能とし、ドアを開放した場合には、パワーウインドウ装置の開方向の操作を無効とする。これにより、乗員の意思に反する不慮の行為による窓ガラスの閉め忘れを防止することができ、より安全で快適なパワーウインドウ装置を提供することを目的とする。
(1) 車両のドアに備えられた窓ガラスを開閉操作する操作スイッチと、電動機の駆動力により前記窓ガラスを開閉させるウインドウ駆動部と、前記開閉操作に基づいて前記窓ガラスを開方向へ移動させる開信号及び前記窓ガラスを閉方向へ移動させる閉信号を前記電動機へ送信することにより前記電動機の駆動力を制御する制御部と、を備えたパワーウインドウ装置であって、前記制御部は、前記ドアの開閉状態を検出するドア開閉状態検出手段と、イグニッションスイッチのオンオフ状態を検出するイグニッションスイッチ検出手段と、前記イグニッションスイッチがオン状態からオフ状態になったイグニッションオフ操作時からの経過時間を計時するタイマー手段と、を有しており、前記制御部は、前記イグニッションオフ操作時から所定時間が経過するまでの間であって、前記ドアが開状態である場合において、前記開信号を無効とすることを特徴とするパワーウインドウ装置。
(2) 前記制御部は、前記所定時間を任意に変更可能とする(1)記載のパワーウインドウ装置。
(3) 前記制御部は、前記窓ガラスと窓フレームとの間に異物が挟み込まれているか否かを検知する挟み込み検知手段を更に備え、前記制御部は、前記挟み込み検出手段により異物が挟み込まれたことを検知した場合に、前記操作スイッチの入力を無効にし、所定の開動作を行う前記開信号を出力する制御を実行する(1)及び(2)に記載のパワーウインドウ装置。
(1)の発明によれば、パワーウインドウ装置は、イグニッションオフの操作をした後に、所定時間の経過をカウントするタイマーを設け、所定時間内かつ、ドア開閉前であれば窓ガラスの開閉操作を有効とすると共に、所定時間内であっても、乗員がドアを開放すると窓ガラスの開方向の操作を無効とし、さらにドアを閉めると窓ガラスの開閉操作が無効となるように構成した。これにより、イグニッションオフ後、例えば、乗員の昇降時において誤って操作スイッチに触れてしまい、窓ガラスが開いてしまう不都合を解消することができる。さらに、乗員の意思に反して窓ガラスが半開き状態に陥ることを解消することができる。また、所定時間内であれば、運転席のドアを開放する前の状態においては、窓ガラスの開閉操作は可能なため、例えば、夏場など車内温度の上昇を防止するため多少窓ガラスを開いておきたいとする乗員の意思による窓ガラスの開閉操作は可能である。したがって、より安全で快適なパワーウインドウ装置を提供することができる。
(2)の発明によると、(1)に加え、任意に所定時間を設定可能とする計時手段を用いる。これにより、初期設定のタイマー有効時間を乗員の車両の使用態様及び好みに応じて時間を変える事ができる。このようなタイマー設定機能は、例えば、エンジンを切った後、昇降するまでに時間を要するファミリー使用及び商用車等に有効と考えられる。したがって、より安全で快適なパワーウインドウ装置を提供することができる。
(3)の発明によると、(1)及び(2)に加え、窓ガラスと窓フレームの間に異物が挟まれた場合に所定の開動作を実行する挟み込み検知手段を用いる。ここで、所定の開動作とは、一定時間、又は、一定量の窓ガラスの開動作を実行することをいう。例えば、10秒間の開動作を実行してもよく、例えば、10cmの開動作を実行してもよい。なお、動作が過大あるいは過小とならないようにするため、一定量(例えば、20cm程度)の開口を確保するとともに、最低作動量(例えば、5cm)開動作させるように構成することが好ましい。また、所定の開動作をした後、窓ガラスを停止させる動作を含む構成としてもよい。これにより、イグニッションオン時に加え、イグニッションオフ後の開動作が無効とされている場合においても、異物、例えば、子供等の手を挟んでも所定の開動作を実行することによりすぐに挟んだものを取り除くことができる。したがって、より安全で快適なパワーウインドウ装置を提供することができる。
本発明によれば、イグニッションスイッチオフ後のタイマー機能に加え、ドア開放時においては、窓ガラスの開方向の操作を無効とする。これにより、イグニッションスイッチオフ後に乗員の意思に反して、窓ガラスが開状態に陥ることを防ぐことができる。また、エンジンを切った後等に再度のイグニッションスイッチのオン操作をして窓ガラスの閉操作をする煩わしさを解消することができる。さらに、窓ガラスが半開き状態であることに気づかず車両を離れることを予防することができる。したがって、より安全で快適なパワーウインドウ装置を提供することができる。
また、上記に加え、挟み込み検知手段を備えることにより、上記制御が実行されている場合においても挟まれた異物をすぐに取り除くことができ、更に安全で快適なパワーウインドウ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
図1は、本実施形態のパワーウインドウ装置の構成図である。図2は、本実施形態によるパワーウインドウ装置の機能ブロック図である。図3は、本実施形態によるパワーウインドウ装置のフローチャート図である。図4は、本実施形態によるパワーウインドウ装置のタイムチャート図である。図5は、本実施形態によるパワーウインドウ制御装置の車内ネットワークを示すブロック図である。図6は、従来のタイマー機能を備えたパワーウインドウ装置の機能ブロック図である。図7は、従来のキーオフタイマー機能を備えたパワーウインドウ制御装置の制御(動作)を示すフローチャート図である。
最初に、本実施例による車両のパワーウインドウ装置100の構成を説明する。図1は、本実施例に係る車両の運転席側のドア5aを示している。図1に示すように、パワーウインドウ装置100は、窓を有するドア5aに取り付けられ窓を開閉する窓ガラス1の開閉操作をする操作スイッチ2と、窓ガラス1を開閉させる駆動力を出力する電動機としての駆動モータ31を有するウインドウ駆動部3と、開閉操作に基づいて窓ガラス1を開方向へ移動させる開信号及び窓ガラス1を閉方向へ移動させる閉信号をウインドウ駆動部3に出力する制御部としてのECU4とを備えている。
また、ECU4には、運転席側のドアの開閉状態を検出するドア開閉状態検出センサ5と、イグニッションスイッチのオン/オフ状態を検出するイグニッションスイッチ検出センサ6と、イグニッションスイッチから出力されるイグニッション状態信号に基づいて、イグニッションスイッチがオン状態からオフ状態になったイグニッションオフ操作時からの経過時間を計時するタイマー7と、窓ガラス1と窓との間に異物が挟みこまれているか否かを検知する挟み込み検知装置8を有している。さらに、ECU4には、バッテリーが接続されており、電源は、ここから供給される構成となっている。
操作スイッチ2は、ドア5aの内面側に露出して配置され、ECU4に制御線で接続される。また、ECU4と電源線にて接続されており、ECU4と接続されたバッテリーから電源を供給されている。操作ボタンは、押すと窓ガラスが下降する開操作ボタンと、引くと窓ガラスが上昇する閉操作ボタンを備える。開操作ボタンは、開操作回路S1a及びS1bを介して駆動モータ31に接続されている。また、閉操作ボタンは、閉操作回路S2を介して駆動モータ31に接続されている。
操作者は、この操作ボタンを操作して窓ガラスを開閉する構成となっている。操作スイッチ2の形状は、例えば、上記プッシュ式又は一つの操作ボタンの両端に開操作部と閉操作部が配置され、開操作部及び閉操作部を押すことにより窓ガラス1が上昇及び下降する開閉操作が可能となるシーソー型を用いることができる。本発明は、このような押した時に窓ガラスが下降するタイプの操作スイッチを有するパワーウインドウ装置に対して特に効果的である。
運転席の操作スイッチ2には、助手席及び後部座席の開閉操作を可能とする操作ボタンを備える。さらに、運転席側の窓以外の全ての席の操作スイッチのオンオフを無効にすることができるメインスイッチを備えていてもよい。なお、上述した運転席での助手席及び後部座席の窓ガラスの操作は、車内ネットワークの接続により可能となる(図5参照)。
ウインドウ駆動部3は、運転席側のドア5aの内側に配置され、駆動モータ31とワイヤ32とレール33及びキャリアプレート34を備える。駆動モータ31には、ドラム(図示せず)が連結されている。ワイヤ32は、レール33の上端から回り込んで下端から排出さており、ワイヤ32の両端は、ドラムに互いに異なる方向に巻き掛けられている。そして、ドラムが正転するとワイヤ32の一端部がドラムに巻き取られると共にワイヤ32の他端部がドラムから引き出されることで、ワイヤ32がレール33内を上下動するよう構成されている。レール33は、車両のドア5aの内側のほぼ中央に略垂直に設けられ、キャリアプレート34が摺動可能に取り付けられている。キャリアプレート34には、ワイヤ32が固定されており、ワイヤ32がレール33内を上下動することにより、キャリアプレート34がレール33上を上下動する。窓ガラス1は、キャリアプレート34に固定される。したがって、ワイヤの上下動、ひいては、キャリアプレート34の上下動により、窓ガラスは開閉する。なお、本実施例においては、ウインドウ駆動部3にワイヤ式を用いたが、窓ガラス1を駆動する手段としては、これに限られず、アームにより、窓ガラスが開閉するアーム式を用いてもよい。
ECU4は、タイマー機能を備える。このタイマー機能により、所定時間を計時する。タイマーは、所定時間の設定を任意に変更することができる。また、ECU4は、ドア開閉状態検出センサ5及びイグニッションスイッチ検出センサ6が接続されている。ECU4は、ドアの開閉状態の検知信号及びイグニッションスイッチのオン/オフ信号を受けることにより、パワーウインドウ装置100の開閉動作を制御する。
ECU4は、運転席、助手席及び後部座席にそれぞれ設けられ、各ECU4は車内ネットワークにて接続されている(図5参照)。これにより、運転席において、助手席及び後部座席の窓ガラス1の操作が可能となる。
以上のパワーウインドウ装置100は、以下のように作用する。
パワーウインドウ装置100は、操作者が操作スイッチ2を操作すると、この操作スイッチ2と電気的に接続されたECU4が、操作スイッチ2からの入力信号に基づいて駆動モータ31の回転駆動制御を行う。まず、操作スイッチ2の操作態様に応じて駆動モータ31の出力軸の回転方向が決定し、駆動モータ31の出力軸の回転がウインドウ駆動部3を介して往復動に変換されることにより窓ガラス1に伝えられ、窓ガラス1が上昇または下降する構成となっている。
図2に示すように、イグニッションスイッチがオン状態にあるときは、イグニッションスイッチ検出センサ6がイグニッションオン信号を検出する。このイグニッションオン信号がオア回路を介してECU4に入力されると、ECU4は、窓ガラス1を開動作させる開操作回路S1a及び窓ガラスを閉動作させる閉操作回路S2の接続をする。開操作回路S1aが接続されると、操作スイッチ2の開操作ボタンとウインドウ駆動部3の駆動モータ31が通電可能(有効)となる。また、閉操作回路S2が接続されると、操作スイッチ2の閉操作ボタンとウインドウ駆動部3の駆動モータが通電可能(有効)となる。ここで、操作スイッチ2の開操作ボタン及び閉操作ボタンを操作することにより、ウインドウ駆動部3の駆動モータ31へ通電され、駆動モータ31の回転により窓ガラス1が開閉される。
また、イグニッションスイッチ検出センサ6がイグニッションオフの信号を検出すると、イグニッションオフ信号がECU4に入力され、ECU4内のタイマーがイグニッションオフ信号検出時からの経過時間(T)のカウントを開始する。
さらに、ドア開閉状態検出センサ5がドア閉状態の信号を検出すると、ドア閉状態の信号がECU4に入力され、ECU4は、開操作回路S1a及び閉操作回路S2の接続をする。なお、開操作回路S1a及び閉操作回路S2がイグニッションオン状態から継続して接続されている状態であれば、このまま接続を継続する。これにより、窓ガラス1の開閉操作が有効になる。
その後、所定時間(T)、例えば、イグニッションオフ信号検出から10分以内に、ドア開閉状態検出センサ5がイグニッションオフ後の最初のドア開信号を検出すると、ドア開状態の信号がECU4に入力され、ECU4は、接続されていた開操作回路S1aの接続を遮断する。これにより、開操作ボタンは、駆動モータと接続されなくなり、窓ガラス1の開操作が無効となる。
さらに、所定時間(T)内にドア開閉状態検出センサ5からドア閉信号が検出されると、最初のドア開信号の次に検出されたドア閉信号がECT4に入力される。このドア閉信号が入力されると、イグニッションオフ信号検出時からの経過時間(T)が所定時間(T)の範囲内であるか否かに係らず、ECU4は、開操作回路S1a及び閉操作回路S2の接続を遮断し、窓ガラス1の開閉操作が無効となる。
また、ドア5aの開閉状態に係らず、イグニッションオフ信号検出時からの経過時間(T)が所定時間(T)を経過した場合には、所定時間(T)経過の信号がECU4に入力され、ECU4は、開操作回路S1a及び閉操作回路S2の接続を遮断し、窓ガラス1の開閉操作が無効となる。
ここで、所定時間(T)内に、ドア開閉状態検出センサ5がイグニッションオフ後の最初のドア開信号を検出し、窓ガラスの開操作が不可能となった場合において、窓ガラス1の上昇中に、挟み込み検知装置8により、窓ガラス1と窓フレームの間に異物の挟みこみを検知すると、挟み込み検知信号がECU4に入力される。挟み込み検知信号が入力されると、ECU4は、この信号に基づいて、開操作回路S1bを接続する。そして、駆動モータを停止し、駆動モータ31を開方向に一定量回転させることにより、開動作を行う。
挟み込みの検知は、車両の窓ガラス1が上昇中に窓ガラス1と窓フレームとの間に異物が挟みこまれたときに生ずるロック電流に基づいて行われる。なお、挟み込みの検知は、モータの回転数(パルス)の変化から移動速度の低下(負荷の増加)を検出し、挟み込み荷重を推定して判定する方法を用いてもよい。
一方、窓ガラス1の締め切りの際にも、窓ガラス1の開閉が窓枠で拘束されてロック電流が生ずる。したがって、窓ガラス1が異物の挟み込みの恐れのない所定位置へ達した以降は、ロック電流が生じても挟み込み検知措置を採らずに窓ガラスを締め切る必要がある。
そこで、ECU4は、回転検出部から発せられるパルスのパルスカウント数によって、駆動モータ31の回転位置を知る。そして、ECU4は、窓ガラス1の開閉位置が知られることで、パルスカウント数が窓ガラス1の所定カウント数に達した以降は、挟み込み検知措置を採らないように駆動モータ31の制御を行う。なお、回転検出部から発せられるパルスは、位相差をもって、ECU4に入力される。
次にパワーウインドウ装置の制御順序を図2から図4を用いて説明する。図3及び図4に示すように、パワーウインドウ装置100のECU4は、イグニッションオン/オフ信号に基づいて制御処理の実行を開始すると、イグニッションスイッチがオフであるか否かを判定する(ST201)。
そして、イグニッションスイッチがオフである場合には、ST202に移行し、ECU4は、タイマー7の作動を判定する。タイマー7が作動していなければ、ECU4は、タイマー7の作動を指示する(ST203)。ここで、図4に示すTは、イグニッションのオフ信号検出時であり、タイマー7の作動が開始されたときを示す。
タイマー7が作動すると、ECU4は、フラグのセットを判定する(ST204)。フラグがセットされていなければ、ST205に移行し、ECU4は、運転席のドア5aが開いているか否かを判定する。なお、ドア5aの開閉は、ドア開閉状態検出センサ5からの開閉信号に基づいて判定する。
また、ST204においてフラグのセットが確認されたら、一度、運転席のドア5aの開動作が行われているため、ST207に移行し、運転席ドア5aの閉信号の検出について判定する。ここで、図4に示すTは、運転席のドアの開信号が検出されたときを示す。
ドア開閉状態検出センサ5から運転席のドア5aの開信号が検出されていなければ、ECU4は、ST211において所定時間(T)を経過しているか否かを判定する。ここで、経過時間(T)が所定時間(T)を経過していなければ(T>T)、ECU4は、再度、ST204に戻る。
つまり、運転席のドア5aを開く(T)前であって、経過時間(T)が所定時間(T)を超えるまでは、ECU4により開操作回路S1a及び閉操作回路S2が閉状態に接続されているため、操作スイッチ2の操作により、窓ガラスの開閉操作が有効となる(図4参照)。
ST205でドア開閉状態検出センサ5から運転席のドア5aの開信号が検出されていれば、まず、ECU4は、フラグを立てておく(ST206)。そして、ECU4は、運転席のドア5aの閉信号の検出について判定する(ST207)。ここで、図4に示すTは、運転席のドアの閉信号が検出されたときを示す。
ドア開閉状態検出センサ5から運転席のドア5aの閉信号が検出されていれば、イグニッションスイッチオフ後、運転席のドア5aの開閉が行われたこととなるので、ECU4により開操作回路S1a及び閉操作回路S2は、開状態のままになり、パワーウインドウ装置は開閉操作が無効となる(ST212)。
また、ドア開閉状態検出センサ5から運転席のドア5aの閉信号が検出されていなければ、運転席のドア5aが開放されていることより、ECU4により開操作回路S1aが開状態になるため窓ガラス1の開操作が無効となる(ST208)。
つまり、所定時間(T)以内であって、運転席のドア5aを開け(T)、運転席のドア5aを閉めるまで(T)の間においては、閉操作回路S2が閉状態に接続されているため、閉操作のみが有効になる。
続いて、ドア5aを閉めてしまう(T)と、開操作回路S1a及び閉操作回路S2の接続が遮断されるため、窓ガラスの開閉操作は無効になる。
また、運転席のドア5aを開けた(T)ままの状態で、所定時間(T)を経過してしまうと、つまり、ドア5aを閉める(T)前に所定時間(T)を経過してしまう(T<T)と、TからTの間は閉操作回路S2が閉状態に接続されているため、操作スイッチ2の操作により、窓ガラスの閉操作が有効となる。
さらに、運転席のドア5aを開く(T)前に所定時間(T)を経過してしまう(T<T)、と以後の窓ガラスの開閉操作は無効となる。
ST209においてECU4は、窓ガラス1と窓フレームの間に異物が挟みこまれているか否かを判定する。異物が挟み込まれているか否かの判定は、挟み込み検知装置8により行う。窓ガラス1と窓フレームの間に異物が、挟みこまれていると判定した場合には、所定の開動作、つまり、開方向への一定量のモータの駆動を行う(ST211)。この場合、ECU4は、開操作回路S1bの接続をし、駆動モータ31を駆動する。
挟み込み検知は、窓ガラス1の閉操作中に実行されるものである。ここで、Tは、挟み込み検知により、ECU4が開操作回路S1bを接続したときを示し、Tは、開操作回路S1bの接続が終了したときを示す。図4に示されるように、挟み込み検知は、T>Tにおいては、Tのまでの間で実行される。
ST211においてECU4は、所定時間(T)を経過しているか否かを判定する。経過時間(T)が所定時間(T)を経過していなければ(T>T)、ECU4は、再度、ST204でフラグのセットを確認し、ST205においてドア5aの開信号の有無の判定に戻る。
経過時間(T)が所定時間(T)を経過していれば(T<T)、ST212に移行し、パワーウインドウの操作は停止される。そして、タイマーがリセットされ(ST213)、終了する。
このように、本発明によるパワーウインドウ装置は、エンジンを切った後等に乗員の意思に反して、ドア開操作時に不用意に窓を開放することを防止することができる。これにより、再度のイグニッションスイッチのオン操作をして窓ガラスの閉操作をする煩わしさを解消することができる。また、窓ガラスが半開き状態であることに気づかず車両を離れることを予防することができる。
本実施形態のパワーウインドウ装置の構成図である。 本実施形態によるパワーウインドウ装置の機能ブロック図である。 本実施形態によるパワーウインドウ制御装置を示すフローチャート図である。 本実施形態によるパワーウインドウ装置の動作タイムチャート図である。 本実施形態によるパワーウインドウ制御装置の車内ネットワークを示すブロック図である。 従来のタイマー機能を備えたパワーウインドウ装置の機能ブロック図である。 従来のキーオフタイマー機能を備えたパワーウインドウ制御装置の制御(動作)を示すフローチャート図である。
符号の説明
1 窓ガラス
2 操作スイッチ
3 ウインドウ駆動部
4 ECU
5 ドア開閉状態検出センサ
5a ドア
6 イグニッションスイッチ検出センサ
7 タイマー
31 駆動モータ
100 パワーウインドウ装置

Claims (3)

  1. 車両のドアに備えられた窓ガラスを開閉操作する操作スイッチと、電動機の駆動力により前記窓ガラスを開閉させるウインドウ駆動部と、前記開閉操作に基づいて前記窓ガラスを開方向へ移動させる開信号及び前記窓ガラスを閉方向へ移動させる閉信号を前記電動機へ送信することにより前記電動機の駆動力を制御する制御部と、を備えたパワーウインドウ装置であって、
    前記制御部は、前記ドアの開閉状態を検出するドア開閉状態検出手段と、イグニッションスイッチのオンオフ状態を検出するイグニッションスイッチ検出手段と、前記イグニッションスイッチがオン状態からオフ状態になったイグニッションオフ操作時からの経過時間を計時するタイマー手段と、を有しており、
    前記制御部は、前記イグニッションオフ操作時から所定時間が経過するまでの間であって、前記ドアが開状態である場合において、前記開信号を無効とすることを特徴とするパワーウインドウ装置。
  2. 前記制御部は、前記所定時間を任意に変更可能とする請求項1記載のパワーウインドウ装置。
  3. 前記制御部は、前記窓ガラスと窓フレームとの間に異物が挟み込まれているか否かを検知する挟み込み検知手段を更に備え、
    前記制御部は、前記挟み込み検出手段により異物が挟み込まれたことを検知した場合に、前記操作スイッチの入力を無効にし、所定の開動作を行う前記開信号を出力する制御を実行する請求項1及び請求項2に記載のパワーウインドウ装置。
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