WO2004101934A1

WO2004101934A1 - 移動体開閉制御装置

Info

Publication number: WO2004101934A1
Application number: PCT/JP2004/006702
Authority: WO
Inventors: Shigeki Ueda; Hiroyuki Ogino
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2003-05-15
Filing date: 2004-05-12
Publication date: 2004-11-25
Also published as: EP1632633A1; US20070063527A1

Abstract

本発明は移動体開閉制御装置において、開扉途中の急な閉扉操作を安全に実行することを課題とするものである。　上記課題を解決するために、本発明の移動体開閉制御装置は、本体の開閉自在に構成された移動体と、この移動体を駆動する駆動手段（４）と、移動体の開閉を指令する入力手段（１）と、この移動体により発生する挟み込みを検出する可撓性でケーブル状の圧電センサ（２９）と、これらを制御する制御部（３５）とを備え、入力手段（１）から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には移動体が所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御することにより、開扉途中の急な閉扉指令に対して操作者が移動体の外側を目視で確認できるようになり、移動体への挟み込みの危険を未然に防ぐことができる。

Description

移動体開閉制御装置く技術分野 >

本発明は、自走式の走行装置、自動車のパワーウィンドウ、電動スライドドア、電動サンルーフ、建物の自動ドア等における移動体開閉制御装置、特に移動体が開扉途中に閉扉指令を受けた時の移動体の開閉制御に関するものである。

明 <背景技術 >

近年、移動体をモータ等の駆動源により自動書的に開閉する機器が増加している。この種の機器やシステムとしてはエレベータのドアやビルの出入り口の自動ドアなどがよく知られているが、最近は自動車において重いスライドドアやバックドァなどをモータにより付勢し、手動操作によらずにスィツチ操作で開閉する車種が増加している。この背景にはセダン中心の需要がワンボックスカーゃレクリエーシヨンビークルへとユーザーの好みが多様化したことが挙げられる。また、このような一般に車高のある大型車を女性が運転するケースも増加し、重いスライドドアや開扉時の位置が高いパックドアを手動で開閉することが困難な状況が増えてきたことも一因である。

従来、この種の移動体開閉制御装置としては、自動車の自動バックドアに導電ゴムよりなる挟み込みを検知するスィツチセンサを設ける例が知られている（例えば、特許文献 1参照）。

また、自動車の自動スライドドアに導電ゴムよりなる挟み込みを検知するスィツチセンサを設ける例が開示されている（例えば、特許文献 2参照）。

いずれもモータにより付勢されたドアが自動的に閉じる際に、ドアと車体の間で人体の一部や異物を挟み込むと、これを検出して開扉することで安全を図るというものである。

このような従来の移動体開閉制御装置における制御回路としては、図 7に示されるような回路構成の記載がある。バックドアスィッチ 1は車両の運転席ゃェンジンキーに設けられ、有線あるいは無線により制御部としてのコンピュータ 2へバックドアの開閉操作を指令する。コンピュータ 2は、バックドアスィッチ 1からの操作指令を受け、ドライバ 3を介してバックドアモータ 4を正転駆動、逆転駆動、或いは停止させる。ドライバ 3はバッテリー 5から給電され、バックドアモータ 4を駆動する。

また、車両側にはドアを引き込んで閉じてしまうクローザアセンブリが配置される。クローザアセンブリは駆動手段としてのクローザモータ 6と一対のジヤンクシヨン 7 . 8より構成される。ジャンクション 7、 8はバックドアが下方へ回動して全閉する直前の状態で互いに接続されるように設けられている。ジャンクシヨン 7はコンピュータ 2に接続され、ジャンクション 7とジャンクション 8が接続された際の信号をコンピュータ 2に入力する。するとコンピュータ 2はドラィパ 3を介してバックドアモータ 4を停止させると共に、別のドライバ 9を介してクローザモータ 6を駆動させる。クローザモータ 6はクローザアッセンプリを構成するロック手段を介してバックドアを全閉位置まで移動させてこれを口ックする。

以上の構成により車両はバックドアモータ 4とクローザモータ 6の駆動力により、バックドアスィツチ 1の操作のみでバックドアを回動させてこれを自動的に開閉できる構成が実現できる。

また、この先行技術においては感圧センサ 1 0が設けられ、バックドアと車体に異物が挟まれたことを検出して、電流検出素子 1 1を介してコンピュータ 2へ入力する。この感圧センサ 1 0としては、図 8に示される導電ゴムを用いたセンサが利用されている。この感圧センサ 1 0は断面円形で、ゴムや軟質の合成樹脂材等、絶縁性を有する弾性材より成る外皮部 1 2と、長手方向に沿って略螺旋形状に配置された 4本の電極線 1 3、 1 4、 1 5、 1 6により構成されている。かかる構成により、外皮部 1 2が弾性変形すると電極線 1 3〜 1 6が橈み、お互いが接触して導通する。

(特許文献 1 )

特開 2 0 0 2— 2 4 2 5 3 5号公報

(特許文献 2 ) 特開 2 0 0 2— 2 3 5 4 8 0号公報また、近年、移動体をモータ等の駆動源により自動的に開閉する機器が増加している。この種の機器やシステムとしてはエレベータのドアやビルの出入り口の自動ドアなどがよく知られているが、最近は自動車において重いスライドドアやバックドアなどをモータにより付勢し、手動操作によらずにスィッチ操作で開閉する車種が増加している。この背景にはセダン中心の需要がワンボックスカーやレクリエーシヨンビークルへとユーザーの好みが多様化したことが挙げられる。また、このような一般に車高のある大型車を女性が運転するケースも増加し、重ぃスライドドアや開扉時の位置が高いバックドアを手動で開閉することが困難な状況が増えてきたことも一因である。

従来、自動車の自動スライドドアにおいて、その位置を検出しながら開閉を制御することで、開閉移動速度が変化する場合や異物が小さな場合でも異物を検出して挟み込みを防止できる構成が開示されている（例えば、特許文献 3参照）。図 1 8はこのような自動スライドドアを備えた車両 1 0 1の斜視図、図 2 0は同制御プロック図である。車両 1 0 1にはスライドドア 1 0 2が設けられている。このスライドドア 1 0 2は、乗降用として車両 1 0 1の側面後方に形成された開口部 1 0 3を閉塞するように配置される。

また、スライドドア 1 0 2の下端には、ドアを前後方向にスライド可能にするスライド機構 1 0 4が配される。スライド機構 1 0 4はプラケットとその先端部に軸支されたローラ、このローラと当接するガイドレールから成り、ローラがガィドレール上を転動しながら車両 1 0 1の前後方向に沿って移動できるようになつている。

このブラケットに固定されたベルト 1 0 5は、プーリ 1 0 6と駆動ローラ 1 0 7にかけられている。駆動ローラ 1 0 7はスライドァクチユエータ 1 0 8に設けられた駆動手段としてのスライドモータ（図示せず）によってベルト 1 0 5を回転させる。ベルト 1 0 5が回転するとスライド機構 1 0 4に含まれるブラケットが移動してガイドレールに沿ってローラが回転し、スライドドア 1 0 2が移動する。また、図 2 0に示すように、スライドァクチユエータ 1 0 8はスライドドライノ 1 0 9を備え、これを介してスライドモータ 1 1 0をコンピュータ 1 1 1へ接続する。また、車両 1 0 1の運転席近傍に設けられた操作スィッチ 1 1 2 (図 1 8参照）もこのコンピュータ 1 1 1に接続され、この操作スィッチ 1 1 2の操作によりコンピュータ 1 1 1へ開扉あるいは閉扉の信号を入力することでスライドァクチユエータ 1 0 8をさせてスライドドア 1 0 2を開閉することができる。さらに自動スライドドアはクローザァクチユエータ 1 1 3を備える。このクローザァクチユエータ 1 1 3はスライドドア 1 0 2内に配置され、クローザモータ 1 1 4を有し、クローザドライバ 1 1 5を介してコンピュータ 1 1 1に接続される。このクローザモータ 1 1 4は、スライドドア 1 0 2が開口部 1 0 3を閉止する直前までスライドモータ 1 1 0が回転した後、コンピュータ 1 1 1により駆動され、ドアを閉扉位置にロックする。

また、スライドァクチユエータ 1 0 8はドアの位置検出装置を備えている。位置検出装置は、スライドモータ 1 1 0の駆動力を減速して回転する外周部に放射状に所定間隔で複数の突起を有する円盤部を備える。そしてパルスカウンタ 1 1 6がその突起を計数することで、そのパルス数から図 1 9に示すようにコンビュータ 1 1 1はスライドドア 1 0 2の開扉位置を検出することができる。すなわち、スライドドア 1 0 2が Aの全開位置から動き始めた加速領域にあるの力一定の速度に到達した Bの定速領域にあるのか、それとも閉扉に備えて Cの減速領域に入ったのか、あるいは閉扉位置にロックする Dのクローザ領域なのかを知ることができる。

各々の位置に応じて、コンピュータ 1 1 1はモータの回転の変化を検出する速度変化検出素子 1 1 7あるいは感圧センサ 1 1 8を駆使して、確実に挟み込みを検出する。すなわち、 Bの定速領域では速度変化検出素子 1 1 7と感圧センサ 1 1 8を併用し、各々の弱点を補完する。そして、 Aの加速領域及び Cの減速領域では、スライドドア 1 0 2の速度が低いため速度変化検出素子 1 1 7からの出力を、コンピュータ 1 1 1は無視する。 Dのクローザ領域では、クローザモータ 1 1 4が作動を始めるが、感圧センサ 1 1 8による異物検出が可能である。

(特許文献 3 ) 9 0 1 6 8号公報

<発明の開示 >

しかしながら、前記従来の移動体開閉制御装置では、開扉途中での閉扉操作でリスクが残っていた。すなわち、スライドドア等において開扉操作途中に急に運転席から閉扉操作が指令された際に、運転者がドアの向こう側にいる人に気づかずに閉扉操作する可能性である。特にそれが小さな子供である場合、スライドドァの窓からは姿が見えず、また開き始めたドアに子供が乗り込もうとして腕を出すリスクがあった。

また、このようなリスクを回避するために設けられた従来の図 8に示される感圧センサも、スライドドアがごくわずかしか開かないで閉じようとする上記のようなケースでは、外皮部 1 2が弾性変形するのに必要な十分なストロークが得られにくく、柔らかく細い対象物の挟み込みに対する感度が十分ではいという課題があった。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、開扉途中の急な閉扉指令に対してドアへの挟み込みの検出を確実に行える移動体開閉制御装置を提供することを目的とする。

前記目的を達成するために、本発明の移動体開閉制御装置は、開扉途中の急な閉扉指令に対してドアが所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御するよう構成する。

これにより、開扉途中の急な閉扉指令に対して運転者がドアの外側を目視で確認できるようになり、ドアへの挟み込みの危険を未然に防ぐことができる。

また、可撓性でケーブル状の圧電センサを備えることで、上記ドアの閉扉作動の遅延と相まって圧電センサが当該ドアの振動を検出することでドアへの挟み込みの検出を確実に行えるものである。一方、前記従来の移動体開閉制御装置では、開扉途中での閉扉操作でリスクが残っていた。すなわち、スライドドア等において開扉操作途中に急に運転席から閉扉操作が指令された際に、運転者がドアの向こう側にいる人に気づかずに閉扉操作する可能性である。特にそれが小さな子供である場合、スライドドアの窓からは姿が見えず、また開き始めたドアに子供が乗り込もうとして腕を出すリスクがあった。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、開扉途中の急な閉扉指令に対してドアへの挟み込みの検出を確実に行える移動体開閉制御装置を提供することを目白勺とする。

これにより、開扉途中の急な閉扉指令に対して運転者がドアの外側を目視で確認できるようになり、ドアへの挟み込みの危険を未然に防ぐことができる。ぐ図面の簡単な説明 >

図 1は、本発明の実施例 1における移動体開閉制御装置の斜視図であり、図 2は、同装置の開扉状態を示す斜視図であり、

図 3は、同装置のセンサ実装状態を示す要部断面図であり、

図 4は、同装置の圧電センサ詳細構成を示す部分斜視図であり、

図 5は、同装置のシステム構成を示すプロック図であり、

図 6は、同タイミングチャートであり、

図 7は、従来の移動体開閉制御装置のシステム構成を示すブロック図であり、図 8は、従来の移動体開閉制御装置のセンサ詳細構成を示す部分斜視図であり、図 9は、本発明の実施例 2におけるセンサ実装状態を示す要部断面図であり、図 1 0は、本発明の実施例 3における移動体開閉制御装置の斜視図であり、図 1 1は、本発明の実施例 4における移動体開閉制御装置の斜視図であり、図 1 2は、本発明の実施例 5における移動体開閉制御装置の斜視図であり、図 1 3は、同装置の開扉状態を示す斜視図であり、

図 1 4は、同装置のセンサ実装状態を示す要部断面図であり、

図 1 5は、同装置の圧電センサ詳細構成を示す部分斜視図であり、

図 1 6は、同装置のシステム構成を示すプロック図であり、図 1 7は、同タイミングチャートであり、

図 1 8は、従来の移動体開閉制御装置の斜視図であり、

図 1 9は、従来の移動体開閉制御装置の開扉位置の領域を示す図であり、図 2 0は、従来の移動体開閉制御装置のシステム構成を示すプロック図であり、図 2 1は、本発明の実施例 6におけるセンサ実装状態を示す要部断面図であり、図 2 2は、本発明の実施例 7における移動体開閉制御装置の斜視図であり、図 2 3は、本発明の実施例 8における移動体開閉制御装置の斜視図である。なお、図中の符号、 1はバックドアスィッチ、 1 8はバックドア、 2 6はブラケット、 2 8はプロテクタ、 2 9は圧電センサ、 3 5は制御部、 1 3 7はバックドアスィツチ、 1 2 0はバックドア、 1 3 8は制御部である。

<発明を実施するための最良の形態 >

本発明の移動体開閉制御装置は、本体の開口に開閉自在に構成された移動体と、移動体を駆動する駆動手段と、移動体の開閉を指令する入力手段と、この移動体と本体の間で物体の挟み込みを検出する検出手段と、移動体の開閉を制御する制御部を有する。そして、開扉途中の急な閉扉指令により挟み込みが起こりにくいよう、制御部が入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には、移動体を所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する。

本発明の移動体開閉制御装置は、移動体として自動車に設けられたスライドドァもしくはバックドアと、自動車の運転席に設けられた入力手段を有する。そして、スライドドアもしくはバックドアの開扉途中の急な閉扉指令に対して運転者がドアの外側を目視で確認できるよう、制御部が入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には移動体が所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する。

本発明の移動体開閉制御装置は、検出手段として可撓性でケーブル状の圧電センサを有する。そして、移動体と本体の間で起こる挟み込みを感度良く検出できる。

本発明の移動体開閉制御装置は、制御部が入力手段から開扉指令が発せられた時点で計数を開始するカウンタ手段を有する。そして、開扉途中に急な閉扉指令が発せられた時には、挟み込みの発生を防止するため、このカウンタ手段が所定時間を計数し終えるまでは閉扉指令が発せられても駆動手段への閉扉作動を遅延するよう制御する。

本発明の移動体開閉制御装置は、センサがノィズを除去するフィルタを備えた検出回路を有する。そして、開扉途中に急な閉扉指令が発せられた時には、挟み込みの発生を防止するため、制御部は入力手段から開扉指令が発せられた時点で計数を開始するカウンタ手段を有し、このカウンタ手段が少なくとも前記検出回路の時定数に基づく立上り時間を超える所定時間を計数し終えるまでは閉扉指令が発せられても駆動手段への閉扉作動を遅延するよう制御する。

以下本発明の実施例 1〜 4について図面を用いて説明する。

(実施例 1 )

図 1〜図 6は、本発明の実施例 1における移動体開閉制御装置とその応用例を示すものである。

図 1は本発明を移動体として自動車のバックドアに搭載した車両の斜視図である。車体 1 7の後方にはバックドア 1 8が開閉自在に設けられている。

図 2はこのバックドア 1 8が開扉された状態を示す斜視図である。バックドア 1 8が開くと、車内にはラゲッジルーム（荷物室） 1 9が形成されており、荷物等を車内に搬出入できる。バックドア 1 8はその上端近傍 2 0をヒンジ（図示せず）によって軸支され、バックドアモータ（図示せず）によって回動される。バックドア 1 8はダンパー 2 1によって支えられている。ダンパー 2 1はシリンダとビトンから成り、バックドア 1 8の開閉の衝撃を吸収し開閉をスムーズに行えるよう設けられる。バックドア 1 8と対向する車体 1 7の開口 2 2は一般にリャゲートと呼ばれ、バックドア 1 8と共に車体 1 7の内部を閉塞する。

図 3はバックドア 1 8の外周部の断面 A— Aであり、センサの実装構造を示す。バックドア 1 8は 2枚の板金で形成される。ラゲッジルーム 1 9側に位置するィン^ "一パネル 2 3と車外側に位置するァゥタ一パネル 2 4である。 2枚のパネルはその外縁部 2 5でアウターパネル 2 4の端部が折り返され、イン^ "一パネル 2 3と嚙みあうよう形成される。

バックドア 1 8の周縁部はかかる構成により図示の通り厚みのない薄板状となるが、中央部はインナー 2 3がラゲッジルーム 1 9側に膨らむよう掲載され、バックドア 1 8は厚みを持つ。この厚みのある部位にセンサは取り付けられる。ブラケット 2 6はビス 2 7によってこのバックドア 1 8の厚み部に固着され、その一端にプロテクター 2 8を保持する。プロテクタ 2 8の先端には圧電センサ 2 9が配される。圧電センサ 2 9は可撓性でケーブル状をした圧電センサで、その詳細は後述する。プロテクタ 2 8はこの圧電センサ 2 9を弾性保持し、圧電センサ 2 9よりも柔軟性を有する E P D Mなどゴムあるいは弾性を有するエラストマーなどの樹脂から成る。本実施例では中空部 3 0が設けられ、圧電センサ 2 9 が異物の挟み込みやバックドア 1 8への衝突に際してこれらを感度良く検出できるよう、センサを撓みやすくなるよう形成されている。中空部 3 0は必要に応じてゴムや樹脂は発泡させて置換できる。

図 4はかかる圧電センサ 2 9の詳細を示す部分破断斜視図である。信号導出用電極としての中心電極 3 1、外側電極 3 2と、両電極間の複合圧電材 3 3と、被覆層 3 4から構成されており、外径が 2 . 5 mm程度のケーブル状をしているものである。そして、複合圧電材 3 3は、塩素化ポリエチレンと圧電セラミックス粉体とを混合した複合圧電材を使用して成形されたものである。この圧電センサ 2 9は、高感度で耐久性がよく生産効率がよく、プロテクタ 2 8の前記した構成と相俟って本来の機能を十分に発揮し、良好な接触検知が行えるものである。図 5は本発明に関わる制御システムの構成を示すブロック図である。バックドァスィッチ 1は車両の運転席やエンジンキーに設けられ、有線あるいは無 /锒により制御部 3 5へバックドアの開閉操作を指令する。制御部 3 5はマイクロコンピユータ等で構成され、バックドアスィッチ 1からの操作指令を受け、ドライバ 3 を介してバックドアモータ 4を正転駆動、逆転駆動、或いは停止させる。ドライノ 3はバッテリー 5からスィツチ 3 6を介して給電され、ノックドアモータ 4を駆動する。また、スィッチ 3 5は制御部 3 5によってオン 'オフを制御される。また、車両側にはドアを引き込んで閉じてしまうクローザアセンブリが配置される。クローザアセンブリは駆動手段としてのクローザモータ 6とジャンクション 3 7より構成される。ジャンクション 3 7はバックドアが下方へ回動して全閉する直前の状態で制御部 3 5にクローザ信号を出力する。この信号を監視することで制御部 3 5はバックドアが閉扉位置に移動したことを検出できる。

すると制御部 3 5はドライバ 3を介してバックドアモータ 4を停止させると共に、別のドライバ 9を介してクローザモータ 6を駆動させる。クローザモータ 6 はクローザアッセンプリを構成するロック手段を介してバックドアを全閉位置まで移動させてこれをロックする。ドライバ 9もバッテリー 5からスィッチ 3 8を介して給電され、クローザモータ 6を駆動する。

ノッテリー 5はさらにスィッチ 3 9を介して圧電センサ 2 9にも給電し、もちろん制御部 3 5にも給電する。かかるスィッチ 3 5、 3 8、 3 9により、制御部 3 5は圧電センサ 2 9、バックドアモータ 4、クローザモータ 6への給電を自在に制御することができる。

圧電センサ 2 9の出力信号は、アンプ 4 0で所定倍率に増幅され、接触信号のみを取り出すためにローパスフィルタ 4 1に入力され、ノイズを除去した上でコンパレータ 4 2である閾値との比較が行われ、挟み込みや衝突があつたかどうかが判定された上で、制御部 3 5に入力される。

さて、かかる構成により車両の運転席に設けられたバックドアスィッチ 1からバックドアの開扉指令が制御部 3 5に入力され、上記の手順でバックドアが開き始めた時点で、運転席の操作者が急に閉扉指令をバックドアスィッチ 1から入力した場合の制御のしかたを説明する。このようなケースとしては、操作者、一般には運転手がバックドアスィッチを誤って操作し、あわてて閉扉操作を指令したケースや、いったんバックドアを開けようとして操作したものの気が変わった、あるいは急遽、別なことが気になったなどが考えられる。

このようなケースでは、最初のバックドアスィッチ 1の操作に基づいてクローザモータ 6が作動を始め、通常 1秒程度を要してロックが解除される。その後、バックドアモータ 4が正回転を始めてバックドアが開き始める。当然、ドアの初速は小さな値である。従ってノックドアスィッチ 1が連続して操作された場合、バックドアがほんの数ミリから数センチしか開かないうちに閉扉方向に逆転を開始するケースもある。このようなケースが最も危険であるが、操作者の意向を重視すると二度目の閉扉操作指令を無視することはできない。

そこで、本発明では制御部 3 5がバックドアスィッチ 1の操作指令に対して、遅延機能を有する。具体的には制御部 3 5はバックドアスィッチ 1から開扉指令が発せられた時点で計数を開始するカウンタ手段を有し、このカウンタ手段が所定時間を計数し終えるまでは続けて閉扉指令が発せられてもバックドアモータ 4 への閉扉作動を遅延するよう制御する。

図 6は制御部 3 5がかかるシステムにおいて、どのような制御を行うかを示したタイムチャートである。

バックドアスィッチは開扉指令 Aおよぴ閉扉指令 Bを入力する。これは通常一対の操作であり、開扉状態で荷物の出し入れなどが行われるため、開扉指令 Aと閉扉指令 Bの間は十分な時間が経過することが一般的である。

バックドアスィッチの開扉指令 Aによって、制御部はドライバ 9を介してクロ一ザモータを逆回転させ、バックドアは閉扉位置のロックが外される。合わせてカウンタ手段が計数を開始する。そして所定の時間 T 1が計数される。次いでドライバ 3を介してパックドアモータを正回転させ、開扉方向へ駆動する。

先にも述べた通り通常の開閉操作は十分な時間が経過しているため、閉扉指令 Bが入力された時点ではこの時間 T 1は経過し終わっている。従って、閉扉指令 Bはそのまま実行され、制御部はドライバ 3を介してバックドアモータを逆回転させ、閉扉方向へ駆動する。そして制御部はドライバ 9を介してクローザモータを正回転させ、パックドアは閉扉位置にロックされる。

開扉指令 Aを受け付けた時点で制御部は圧電センサへの給電を開始する。圧電センサの出力は若干の立上り時間を要した後、検知可能となる。開扉中は挟みこみが発生する可能性はないが、開扉時もセンサに通電することで、特にセンサにケーブル状の圧電センサを用いることで、開扉途中で人や異物や天井などの建物の一部にパックドアが接触した場合にもこれを検知することができる。つまり、接触によりバックドアが大きく強く振動するため、振動を検出するタイプの圧電センサはバックドアの接触を検出できるのである。このような場合、制御部はドライバ 3を介してバックドアモータを停止させ、それ以上ドアが開扉方向に動くことを中断するため、極めて安全である。

次いで、バックドアスィッチの開扉指令 Cと閉扉指令 Dが連続して短い間に入力された場合の制御のしかたを説明する。まず、開扉指令 Cが入力されるとそのまま実行され、制御部はドライバ 9を介してクローザモータを逆回転させ、バックドアは閉扉位置のロックが外される。合わせて力ゥンタ手段が計数を開始する。そして所定の時間 T 1が計数される。次いでドライバ 3を介してバックドアモータを正回転させ、開扉方向へ駆動する。続いて入力された閉扉指令 Dに対しては、カウンタ手段が所定の時間 T 1を計数し終えていないため、開扉のための作動はこれが経過するまで遅延される。すなわち、 T 1が経過した時点で制御部はドライバ 3を介してバックドアモータを逆回転させ、閉扉方向へ駆動する。そして制御部はドライバ 9を介してクローザモータを正回転させ、バックドアは閉扉位置にロックされる。

ここでカウンタ手段により計数される所定時間 T 1とは、運転席から後部を見た時に開きつつあるバックドアの向こう側に誰か人が立っているかどう力 \ 何か衝突や挟み込みの可能性のある状況が発生しているかどうかを確認できるほどの開口、例えば数十センチ以上の間隙が開く時間に設定される。

かかる構成により、開扉途中の急な閉扉指令に対して運転者がドアの外側を目視で確認できるようになり、ドアへの挟み込みの危険を未然に防ぐことができる。また、可撓性でケーブル状の圧電センサを備えることで、上記ドアの閉扉作動の遅延と相まって圧電センサが当該ドアの振動を検出することでドアへの挟み込みの検出を確実に行えるものである。

(実施例 2 )

図 9は本発明の実施例 2における移動体開閉制御装置を示すものであり、基本構成および作用は実施例 1と同じであるので、相違点についてのみ説明する。本実施例 2において、実施例 1と異なる点は、図 2において断面 B— Bにセンサを配した点である。つまり、移動体側ではなく固定側である車体にセンサを設けている。

この構成においては、センサが固定側に配されるので、ドアの開閉振動による影響を受けにくく、安定な検知が期待できる。

(実施例 3 )

図 1 0は本発明の実施例 3における移動体開閉制御装置を示すものであり、基本構成および作用は実施例 1と同じであるので、相違点についてのみ説明する。図に示すように、スライドドア 4 3の一端断面 A— A部に圧電センサを設けることができる。また、サンルーフ 4 4の断面 B— B部にも同様に本発明を実施できる。さらにはパワーウィンドウ 4 5の断面 C— C部にも設けることができる。この構成においては、本発明をバックドアのみならずスライドドアやサンルーフ、パワーウィンドウなど広く応用可能である。

(実施例 4 )

図 1 1は本発明の実施例 4における移動体開閉制御装置を示すものであり、基本構成および作用は実施例 1と同じであるので、相違点についてのみ説明する。実施例 1におけるカウンタ手段により計数される所定時間 T 1の代わりに、所定の開扉位置を超えて開扉しているか否かを検出する機能を備えている。 4 6がかかる機能を果たす光電式スィッチであり、制御部は移動体（本実施例ではスラィドドア） 4 3がこの光電式スィッチ 4 6により少なくとも所定の開扉位置を超えて開扉しているか否かを検出する。

入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時にはこの開扉位置を検出する機能により移動体が所定の開扉位置を超えて開扉していない場合には、所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する。

かかる構成により、開扉途中の急な閉扉指令に対して運転者がドアの外側を目視で確認できるようになり、ドアへの挟み込みの危険を未然に防ぐことができる。本発明の移動体開閉制御装置は、本体の開口に開閉自在に構成された移動体と、移動体を駆動する駆動手段と、移動体の開閉を指令する入力手段と、これらを制御する制御部を有する。そして、開扉途中の急な閉扉指令により挟み込みが起こりにくいよう、制御部が入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には、移動体を所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する。

本発明の移動体開閉制御装置は、移動体として自動車に設けられたスライドドァもしくはバックドアと、自動車の運転席に設けられた入力手段を有する。そして、スライドドアもしくはバックドアの開扉途中の急な閉扉指令に対して運転者がドアの外側を目視で確認できるよ、制御部が入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には移動体が所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する。

本発明の移動体開閉制御装置は、制御部が移動体の位置を少なくとも所定の開扉位置を超えているか否かを検出する機能を有する。そして、開扉途中に急な閉扉指令が発せられた時には、挟み込みの発生を防止するため、入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時にはこの開扉位置を検出する機能により移動体が所定の開扉位置を超えて開扉していない場合には、所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する。

以下本発明の実施例 5〜 8について図面を用いて説明する。

(実施例 5 )

図 1 2〜図 1 7は、本発明の実施例 5における移動体開閉制御装置とその応用例を示すものである。

図 1 2は本発明を移動体として自動車のバックドアに搭載した車両の斜視図である。車体 1 1 9の後方にはバックドア 1 2 0が開閉自在に設けられている。図 1 3はこのバックドア 1 2 0が開扉された状態を示す斜視図である。バックドア 2 1 0が開くと、車内にはラゲッジルーム（荷物室） 1 2 1が形成されており、荷物等を車内に搬出入できる。バックドア 1 2 0はその上端近傍 1 2 2をヒンジ（図示せず）によって軸支され、バックドアモータ（図示せず）によって回動される。バックドア 1 2 0はダンパー 1 2 3によって支えられている。ダンパ一 1 2 3はシリンダとビストン力ら成り、バックドア 1 2 0の開閉の衝撃を吸収し開閉をスムーズに行えるよう設けられる。バックドア 1 2 0と対向する車体 1 1 9の開口 1 2 4は一般にリャゲ一トと呼ばれ、バックドア 1 2 0と共に車体 1 1 9の内部を閉塞する。

図 1 4はバックドア 1 2 0の外周部の断面 A— Aであり、センサの実装構造を示す。バックドア 1 2 0は 2枚の板金で形成される。ラゲッジルーム 1 2 1側に位置するインナーパネル 1 2 5と車外側に位置するアウターパネル 1 2 6である 2枚のパネルはその外縁部 1 2 7でアウターパネル 1 2 6の端部が折り返され、インナーパネル 1 2 5と嚙みあうよう形成される。

バックドア 1 2 0の周縁部はかかる構成により図示の通り厚みのない薄板状となるが、中央部はインナー 1 2 5がラゲッジルーム 1 2 1側に膨らむよう掲載され、バックドア 1 2 0は厚みを持つ。この厚みのある部位にセンサは取り付けられる。

ブラケット 1 2 8はビス 1 2 9によってこのバックドア 1 2 0の厚み部に固着され、その一端にプロテクター 1 3 0を保持する。プロテクタ 1 3 0の先端には圧電センサ 1 3 1が配される。圧電センサ 1 3 1は可撓性でケーブル状をした圧電センサで、その詳細は後述する。プロテクタ 1 3 0はこの圧電センサ 1 3 1を弾性保持し、圧電センサ 1 3 1よりも柔軟性を有する E P DMなどゴムあるいは弾性を有するエラストマ一などの樹脂から成る。本実施例では中空部 1 3 2が設けられ、圧電センサ 1 3 1が異物の挟み込みやバックドア 1 2 0への衝突に際してこれらを感度良く検出できるよう、センサを撓みやすくなるよう形成されている。中空部 1 3 2は必要に応じてゴムや樹脂は発泡させて置換できる。

図 1 5はかかる圧電センサ 1 3 1の詳細を示す部分破断斜視図である。信号導出用電極としての中心電極 1 3 3、外側電極 1 3 4と、両電極間の複合圧電材 1 3 5と、被覆層 1 3 6から構成されており、外径が 2 . 5 mm程度のケーブル状をしているものである。そして、複合圧電材 1 3 6は、塩素化ポリエチレンと圧電セラミックス粉体とを混合した複合圧電材を使用して成形されたものである。この圧電センサ 1 3 1は、高感度で耐久性がよく生産効率がよく、プロテクタ 1 3 0の前記した構成と相俟って本来の機能を十分に発揮し、良好な接触検知が行えるものである。

図 1 6は本発明に関わる制御システムの構成を示すブロック図である。バックドアスィッチ 1 3 7は車両の運転席やエンジンキーに設けられ、有線あるいは無線により制御部 1 3 8へバックドアの開閉操作を指令する。制御部 1 3 8はマイク口コンピュータ等で構成され、バックドアスィツチ 1 3 7からの操作指令を受け、ドライバ 1 3 9を介してバックドアモータ 1 4 0を正転駆動、逆転駆動、或いは停止させる。ドライバ 1 3 9はバッテリー 1 4 1からスィツチ 1 4 2を介して給電され、バックドアモータ 1 4 0を駆動する。また、スィツチ 1 4 2は制御部 1 3 8によってオン .オフを制御される。

また、車両側にはドアを引き込んで閉じてしまうクローザアセンブリが配置される。クローザアセンブリは駆動手段としてのクローザモータ 1 4 3とジャンクシヨン 1 4 4より構成される。ジャンクション 1 4 4はバックドアが下方へ回動して全閉する直前の状態で制御部 1 3 8にクローザ信号を出力する。この信号を監視することで制御部 1 3 8はバックドアが閉扉位置に移動したことを検出できる。

すると制御部 1 3 8はドライバ 1 3 9を介してバックドアモータ 1 4 0を停止させると共に、別のドライノ 1 4 5を介してクローザモータ 1 4 3を駆動させる。クローザモータ 1 4 3はクローザアッセンプリを構成する口ック手段を介してバックドアを全閉位置まで移動させてこれをロックする。ドライバ 1 4 5もバッテリー 1 4 1からスィッチ 1 4 6を介して給電され、クローザモータ 1 4 3を駆動する。

ノッテリー 1 4 1はさらにスィッチ 1 4 7を介して圧電センサ 1 4 2にも給電し、もちろん制御部 1 3 8にも給電する。かかるスィッチ 1 4 2、 1 4 5、 1 4 7により、制御部 1 3 8は圧電センサ 1 4 2、バックドアモータ 1 4 0、クローザモータ 1 4 3への給電を自在に制御することができる。

圧電センサ 1 4 2の出力信号は、アンプ 1 4 8で所定倍率に増幅され、接触信号のみを取り出すためにローパスフィルタ 1 4 9に入力され、ノイズを除去した上でコンパレータ 1 5 0である閾値との比較が行われ、挟み込みや衝突があったかどうかが判定された上で、制御部 1 3 8に入力される。

さて、かかる構成により車両の運転席に設けられたバックドアスィッチ 1 0 1 からバックドアの開扉指令が制御部 1 3 5に入力され、上記の手順でバックドアが開き始めた時点で、運転席の操作者が急に閉扉指令をバックドアスィッチ 1 3 7から入力した場合の制御のしかたを説明する。このようなケースとしては、操作者、一般には運転手がバックドアスィッチを誤って操作し、あわてて閉扉操作を指令したケースや、いったんバックドアを開けようとして操作したものの気が変わった、あるいは急遽、別なことが気になったなどが考えられる。

このようなケースでは、最初のバックドアスィッチ 1 3 7の操作に基づいてクローザモータ 1 ₄ 3が作動を始め、通常 1秒程度を要してロックが解除される。その後、バックドアモータ 1 4 3が正回転を始めてバックドアが開き始める。当然、ドアの初速は小さな値である。従って、バックドアスィッチ 1 3 7が連続して操作された場合、バックドアがほんの数ミリから数センチしか開かないうちに閉扉方向に逆転を開始するケースもある。このようなケースが最も危険である力操作者の意向を重視すると二度目の閉扉操作指令を無視することはできない。そこで、本発明では制御部 1 3 5がバックドアスィッチ 1 3 7の操作指令に対して、遅延機能を有する。具体的には制御部 1 3 8はバックドアスィツチ 1 3 7 から開扉指令が発せられた時点で計数を開始するカウンタ手段を有し、このカウンタ手段が所定時間を計数し終えるまでは続けて閉扉指令が発せられてもバックドアモータ 4 0への閉扉作動を遅延するよう制御する。

図 1 7は制御部 1 3 8がかかるシステムにおいて、どのような制御を行うかを示したタイムチャートである。

バックドアスィツチの開扉指令 Aによって、制御部はドライノ 1 0 9を介してクローザモータを逆回転させ、バックドアは閉扉位置のロックが外される。合わせてカウンタ手段が計数を開始する。そして所定の時間 T 1が計数される。次いでドライバ 1 0 3を介してバックドアモータを正回転させ、開扉方向へ駆動する。先にも述べた通り通常の開閉操作は十分な時間が経過しているため、閉扉指令 Bが入力された時点ではこの時間 T 1は経過し終わっている。従って、閉扉指令 Bはそのまま実行され、制御部はドライバ 1 0 3を介してバックドアモータを逆回転させ、閉扉方向へ駆動する。そして制御部はドライバ 1 0 9を介してクローザモータを正回転させ、バックドアは閉扉位置にロックされる。

開扉指令 Aを受け付けた時点で制御部は圧電センサへの給電を開始する。圧電センサの出力は若干の立上り時間を要した後、検知可能となる。開扉中は挟みこみが発生する可能性はないが、開扉時もセンサに通電することで、特にセンサにケーブル状の圧電センサを用いることで、開扉途中で人や異物や天井などの建物の一部にバックドアが接触した場合にもこれを検知することができる。つまり、接触によりバックドアが大きく強く振動するため、振動を検出するタィプの圧電センサはバックドアの接触を検出できるのである。このような場合、制御部はドライバ 1 0 3を介してバックドアモータを停止させ、それ以上ドアが開扉方向に動くことを中断するため、極めて安全である。

次いで、バックドアスィッチの開扉指令 Cと閉扉指令 Dが連続して短い間に入力された場合の制御のしかたを説明する。

まず、開扉指令 Cが入力されるとそのまま実行され、制御部はドライバ 9を介してクローザモータを逆回転させ、バックドアは閉扉位置のロックが外される。合わせてカウンタ手段が計数を開始する。そして所定の時間 T 1が計数される。次いでドライバ 3を介してバックドアモータを正回転させ、開扉方向へ駆動する。続いて入力された閉扉指令 Dに対しては、カウンタ手段が所定の時間 T 1を計数し終えていないため、開扉のための作動はこれが経過するまで遅延される。すなわち、 T 1が経過した時点で制御部はドライバ 1 0 3を介してバックドアモータを逆回転させ、閉扉方向へ駆動する。そして制御部はドライバ 1 0 9を介してクローザモータを正回転させ、バックドアは閉扉位置にロックされる。

ここでカウンタ手段により計数される所定時間 T 1とは、運転席から後部を見た時に開きつつあるバックドアの向こう側に誰か人が立っているかどうか、何か衝突や挟み込みの可能性のある状況が発生しているかどうかを確認できるほどの開口、例えば数十センチ以上の間隙が開く時間に設定される。

(実施例 6 )

図 2 1は本発明の実施例 6における移動体開閉制御装置を示すものであり、基本構成おょぴ作用は実施例 5と同じであるので、相違点についてのみ説明する。本実施例 6において、実施例 5と異なる点は、図 1 3において断面 B— Bにセンサを配した点である。つまり、移動体側ではなく固定側である車体にセンサを設けている。

(実施例 Ί )

図 2 2は本発明の実施例 7における移動体開閉制御装置を示すものであり、基本構成および作用は実施例 5と同じであるので、相違点についてのみ説明する。図に示すように、スライドドア 1 5 1の一端断面 A— A部に圧電センサを設けることができる。また、サンルーフ 1 5 2の断面 B— B部にも同様に本発明を実施できる。さらにはパワーウィンドウ 1 5 3の断面 C一 C部にも設けることがでさる。

この構成においては、本発明をバックドアのみならずスライドドアやサンルーフ、パワーウィンドウなど広く応用可能である。

(実施例 8 )

図 2 3は本発明の実施例 8における移動体開閉制御装置を示すものであり、基本構成おょぴ作用は実施例 5と同じであるので、相違点についてのみ説明する。実施例 5におけるカウンタ手段により計数される所定時間 T 1の代わりに、所定の開扉位置を超えて開扉しているか否かを検出する機能を備えている。 1 5 4 がかかる機能を果たす光電式スィッチであり、制御部は移動体（本実施例ではスライドドア） 1 5 1がこの光電式スィッチ 1 5 4により少なくとも所定の開扉位置を超えて開扉しているか否かを検出する。

かかる構成により、開扉途中の急な閉扉指令に対して運転者がドアの外側を目視で確認できるようになり、ドアへの挟み込みの危険を未然に防ぐことができる。本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとつて明らかである。

本出願は、 2003年 5月 15 日出願の日本特許出願 Ν 2003- 136971、 2003年 5月 15日出願の日本特許出願 Νο.2003-136970に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

<産業上の利用可能性 >

以上説明したように本発明の移動体開閉制御装置によれば、制御部は入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には移動体が所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する構成としているので、開扉途中の急な閉扉指令に対して操作者が移動体の外側を目視で確認できるようになり、移動体による挟み込みの危険を未然に防ぐことができるという効果がある。

また、本発明の移動体開閉制御装置は、移動体を自動車に設けられたスライドドアもしくはバックドアとし、入力手段は自動車の運転席に設けられ、制御部は入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には運転席から車両の外側が見える位置まで移動体が開扉するまで閉扉操作を遅延するよう制御する構成としているので、開扉途中の急な閉扉指令に対して運転手がスライドドア等の外側を目視で確認できるようになり、スライドドア等による挟み込みの危険を未然に防ぐことができるという効果がある。

また、本発明の移動体開閉制御装置は、センサとして可撓性でケーブル状の圧電センサを用いた構成としているので、ドアの閉扉作動の遅延と相まって圧電センサが当該ドアの振動を検出することでドアへの挟み込みの検出を確実に行えるものである。

また、本発明の移動体開閉制御装置は、制御部が入力手段から開扉指令が発せられた時点で計数を開始するカウンタ手段を有し、このカウンタ手段が所定時間を計数し終えるまでは閉扉指令が発せられても駆動手段への閉扉作動を遅延するよう制御する構成としているので、所定時間の遅延を例えば制御部たるマイコンのソフトウエアなどで簡単に実現することができる。また、本発明の移動体開閉制御装置は、センサがノィズを除去するフィルタを有する検出回路を備え、制御部は入力手段から開扉指令が発せられた時点で計数を開始するカウンタ手段を有し、このカウンタ手段が少なくとも検出回路の時定数に基づく立上り時間を超える所定時間を計数し終えるまでは閉扉指令が発せられても駆動手段への閉扉作動を遅延するよう制御する構成としているので、センサが移動体と本体の間で発生する挟み込みをより確実に検出し閉扉操作を安全に実行できる。

また、本発明の移動体開閉制御装置によれば、制御部は入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には移動体が所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する構成としているので、開扉途中の急な閉扉指令に対して操作者が移動体の外側を目視で確認できるようになり、移動体による挟み込みの危険を未然に防ぐことができるという効果がある。

また、本発明の移動体開閉制御装置は、制御部が入力手段から開扉指令が発せられた時点で計数を開始するカウンタ手段を有し、このカウンタ手段が所定時間を計数し終えるまでは閉扉指令が発せられても駆動手段への閉扉作動を遅延するよう制御する構成としているので、所定時間の遅延を例えば制御部たるマイコンのソフトウエアなどで簡単に実現することができる。

また、本発明の移動体開閉制御装置は、制御部が移動体が少なくとも所定の開扉位置を超えて開扉しているか否かを検出する機能を備え、入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時にはこの開扉位置を検出する機能により移動体が所定の開扉位置を超えて開扉していない場合には、所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する構成としているので、所定時間の遅延を例えば光電式スィツチなどのスィツチング手段で簡単に実現することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 本体の開口に開閉自在に構成された移動体と、前記移動体を駆動する駆動手段と、前記移動体の開閉を指令する入力手段と、この移動体と本体の間で物体の接触を検出する検出手段と、前記移動体の開閉を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には前記移動体が所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御することを特徴とした移動体開閉制御装置。

2 . 移動体は自動車に設けられたスライドドアもしくはバックドアとし、入力手段は自動車の運転席に設けられ、制御部は前記入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には運転席から車両の外側が見える位置に移動体が開扉するまで閉扉操作を遅延するよう制御する請求の範囲第 1項記載の移動体開閉制御装置。

3 . 検出手段として可撓性でケーブル状の圧電センサを用いた請求の範囲第 1項または第 2項記載の移動体開閉制御装置。

4 . 制御部は入力手段から開扉指令が発せられた時点で計数を開始する力ゥンタ手段を有し、このカウンタ手段が所定時間を計数し終えるまでは閉扉指令が発せられても駆動手段への閉扉作動を遅延するよう制御する請求の範囲第 1項、第 2項または第 3項記載の移動体開閉制御装置。

5 . 検出手段はノイズを除去するフィルタを有する検出回路を備え、制御部は入力手段から開扉指令が発せられた時点で計数を開始するカウンタ手段を有し、このカウンタ手段が少なくとも前記検出回路の時定数に基づく立上り時間を超える所定時間を計数し終えるまでは閉扉指令が発せられても駆動手段への閉扉作動を遅延するよう制御する請求の範囲第 1項、第 2項または第 3項記載の移動体開閉制御装置。

6 . 本体の開口に開閉自在に構成された移動体と、前記移動体を駆動する駆動手段と、前記移動体の開閉を指令する入力手段と、この移動体と本体の間で物体の接触を検出する検出手段と、前記移動体の開閉を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力手段から開扉指令が発せられた時点で計数を開始する力ゥンタ手段を有し、このカウンタ手段が所定時間を計数し終えるまでは続けて閉扉指令が発せられても閉扉作動を遅延するよう制御することを特徴とした移動体開閉制御装置。

7 . 本体の開口に開閉自在に構成された移動体と、前記移動体を駆動する駆動手段と、前記移動体の開閉を指令する入力手段と、前記入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には前記移動体が所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する制御部とからなる移動体開閉制御装置。

8 . 移動体は自動車に設けられたスライドドアもしくはバックドアとし、入力手段は自動車の運転席に設けられ、制御部は前記入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時には運転席から車両の外側が見える位置に移動体が開扉するまで閉扉操作を遅延するよう制御する請求の範囲第 7項記載の移動体開閉制御装置。

9 . 制御部は入力手段から開扉指令が発せられた時点で計数を開始する力ゥンタ手段を有し、このカウンタ手段が所定時間を計数し終えるまでは閉扉指令が発せられても駆動手段への閉扉作動を遅延するよう制御する請求の範囲第 7項記載の移動体開閉制御装置。

1 0 . 制御部は移動体が少なくとも所定の開扉位置を超えて開扉しているか否かを検出する機能を備え、入力手段から開扉途中に閉扉指令が発せられた時にはこの開扉位置を検出する機能により前記移動体が所定の開扉位置を超えて開扉していない場合には、所定の開扉位置に至るまで閉扉操作を遅延するよう制御する請求の範囲第 7項記載の移動体開閉制御装置。