JP2007016124A - 潤滑剤、磁気ヘッドスライダ、磁気記録媒体および磁気記録装置 - Google Patents

潤滑剤、磁気ヘッドスライダ、磁気記録媒体および磁気記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対象となる表面への密着性が高く、摩擦・摩耗が少なく、かつ耐熱性も良好な潤滑層を供給することができる潤滑剤ならびにこの潤滑剤を用いた磁気ヘッドスライダ、磁気記録媒体および磁気記録装置を提供する。
【解決手段】本潤滑剤は、溶媒に可溶であって、極性基の存在率が0.1重量%以下であり、かつ不活性雰囲気下での5%重量減少温度が400℃を超えるフッ素含有ポリエーテルを含んでなる。極性基が水酸基であることが好ましく、フッ素含有ポリエーテルが末端有機基または末端オルガノシリル基の構造を有することがより好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なフッ素系樹脂を含んだ潤滑剤技術に関する。より具体的には、磁気記録装置の磁気ヘッドスライダや磁気記録媒体における潤滑層用に好適に使用できる潤滑剤技術に関する。
近年、パーソナルコンピュータの爆発的な普及と高性能化に伴い、磁気ディスク装置の高記録密度化や高速処理化が加速してきており、これに伴い磁気ヘッドスライダとディスクの距離(浮上量)を短くしたり、ディスクの回転速度を速くすることが必要となってきている。特に最近急速に普及しているノート型パーソナルコンピュータ等では、使用環境が高温高湿から低温低湿まで様々であるため、これらの環境においても、磁気ヘッドスライダがディスクと摩擦を起こしたり磁気ヘッドスライダがディスクとくっついてしまう等のスティクションを抑えることが必要とされている。
また、近年、磁気ディスク装置においては、ドライブ装置の起動・停止方式として、停止時に記録変換素子(磁気ヘッド)を磁気ディスクの表面に接触させておき、ドライブ装置の駆動に伴い磁気ディスクを回転させることで、磁気ヘッドスライダ機構により磁気ヘッドをディスク表面から一定量だけ浮上させ、ドライブ装置の停止によって磁気ヘッドが再びディスク表面に接触して触れ合うようになるコンタクト・スタート・ストップ(CSS)方式および、磁気ディスクを回転させた後に磁気ヘッドをロードして浮上させ、この回転を停止する前に磁気ヘッドをアンロードする、ロード/アンロード方式が主流となっている。
このうちCSS方式では、磁気ディスクと磁気ヘッドスライダとが長時間接触した後ディスクを起動する際には、高いスティクションが発生することによりディスクが起動できなくなったり、または両者が接触して磁気記録データが破壊(磁気ヘッドクラッシュ)されたり、磁気ヘッドやジンバルを損傷したりする恐れがある。さらに、ロード/アンロード方式においても、記録密度を増加させる一つの手段としての磁気ヘッドの浮上量低下に伴い、浮上中のスティクション(フライングスティクション)が問題となってきている。
上記スティクションの発生には、ディスクの表面粗さや材料の性質が大きく影響する。このため、近年の磁気ディスク装置においては、磁気ヘッドや磁気ディスクにおける潤滑層の役割が従来以上に重要度を増している。具体的には、フッ素系樹脂に使用が注目されている。たとえばディスク磁性層上の保護膜(一般にダイヤモンドライクカーボン(DLC)や二酸化珪素よりなる)の上に特定のフッ素系樹脂からなる潤滑層を形成することが提案されている(特許文献1〜3参照。)。
このような潤滑層に用いるフッ素系樹脂として一般的に用いられているものは、潤滑層の下地となる層(以下、単に下地ともいう。通常保護層が該当する)との密着性を上げるため、樹脂構造の末端に極性基を有するように設計されている。たとえば、オキソ酸基、水酸基、エステル基、エーテル基がフッ素系樹脂骨格の末端に直接結合しているものが知られている。
しかしながら、これまで知られている磁気ディスク用潤滑剤の大きな問題として、基板である磁気ディスク(下地)との密着性を上げるため樹脂構造の末端に極性基を有するように設計されているとは言え、実際に得られるディスク(下地)との密着性が不十分であること、また末端基の極性が大きいために末端基同士の相互作用が大きく、そのため潤滑剤分子が凝集しやすいことがあった。
潤滑剤は、磁気ディスク(下地)表面に塗布される際に、前述の潤滑剤分子末端の極性基が下地表面に吸着することで、潤滑剤と下地との密着性が保たれる。しかしながら、密着性の悪い潤滑剤では、塗布された潤滑剤の上層部に、下地と結合せず自由に動き回るモバイル(mobi1e)成分が多量に存在する。このモバイル成分の層(モバイル層)は、磁気ディスク装置起動後のディスクの高速回転の際に遠心力でディスク周辺部に押し出されるためディスクの半径方向に膜厚変動を起こすとともに、磁気ヘッド部分に付着して堆積し、特に浮上量を低下させた場合には磁気ヘッドクラッシュを引き起こす原因となる。
潤滑剤の凝集は、均一で単分子〜数分子層の超薄膜が要求される磁気ディスクの潤滑層では膜質劣化の要因となる。磁気ディスクにおいては潤滑剤の塗布均一性は極めて重要であり、いわゆる塗布ムラが発生すると、磁気ヘッドの浮上性や摩擦特性を劣化させて磁気ヘッドクラッシュの要因となると同時に、塗膜がない部分では空気中の不純物を媒体内部にまで侵入させ、磁性体の腐食を招くという問題を引き起こす。
更に、従来の潤滑剤には、耐熱性が低く、磁気ディスク製造時の加熱や高速回転化した際の摩擦熱で潤滑剤が分解し、その分解物が摩擦特性を劣化させて磁気ヘッドクラッシュを起こすという問題もあった。この熱分解問題は、次世代磁気記録装置として適用が検討されている、コンタクト記録方式および熱アシスト記録方式の実用化の上で特に重要である。
一般に樹脂の耐熱性は分子量を上げると改善する傾向にあるが、潤滑剤の場合には高分子量化することによって浮上性および溶解性を阻害する。また潤滑剤分子への極性基導入率を増大させると耐熱性が改善するが、低温での粘度上昇や汚染物質の吸着を招き、好ましくない。このように、コンタクト記録方式、および熱アシスト記録方式では、従来の潤滑剤への諸要求特性を満足し、かつ磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触や、記録時のアシスト加熱に耐えうる高耐熱性のフッ素系樹脂系潤滑剤がないため、実用化の目処が立っていないのが現状である。
なお、上記事情は、磁気ディスクに限らず、その他の磁気記録装置においても同様であり、潤滑剤に関わる問題点は、磁気記録媒体および磁気ヘッドスライダの潤滑層全般に関わる問題である。
米国特許第3778308号明細書(クレーム) 米国特許第4267238号明細書(クレーム) 米国特許第4268556号明細書(クレーム)
そこで、本発明は、対象となる表面への密着性が高く、摩擦・摩耗が少なく、かつ耐熱性も良好な潤滑層を供給することができる潤滑剤を提供しようとするものである。本発明はまた、この潤滑剤を用いた磁気ヘッドスライダ、磁気記録媒体および磁気記録装置の提供を目的とするものでもある。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の一態様によれば、溶媒に可溶であって、極性基の存在率が0.1重量%以下であり、かつ不活性雰囲気下での5%重量減少温度が400℃を超えるフッ素含有ポリエーテルを含んでなる潤滑剤が提供される。
本発明態様により、対象となる表面への密着性が高く、摩擦・摩耗が少なく、かつ耐熱性も良好な潤滑層を供給することができる潤滑剤が得られる。
前記極性基が水酸基であること、前記フッ素含有ポリエーテルが下記式(1)で表されること、
Figure 2007016124
(ここで、p0,q0は、互いに独立に0または正の整数であって合計で10以上であり、pi,qiは、互いに独立に0または正の整数であって合計で10以上であり、rは2以上の整数を示し、Rは、分子内で互いに独立に水素または一価の有機基またはオルガノシリル基であって、Rのうちの90%以上が一価の有機基またはオルガノシリル基である。)
Rの少なくともいずれかが下記式(2)または(3)で示される基であること、
Figure 2007016124
Figure 2007016124
(ここで、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、またはこれらをハロゲンまたは窒素で置換した基を表し、R1とR2とR3との少なくとも一つはアリール基またはアラルキル基であり、R4とR5とR6との少なくとも一つはアリール基またはアラルキル基である。)
1、R2、R3、R4、R5およびR6が、互いに独立に、フェニル基またはベンジル基であること、および前記フッ素含有ポリエーテルの数平均分子量が1,000〜1,000,000であることが好ましい。
本発明の他の態様によれば、上記の潤滑剤を磁気ヘッド潤滑層に使用してなる磁気ヘッドスライダ、上記の潤滑剤を磁気記録媒体潤滑層に使用してなる磁気記録媒体および、上記磁気ヘッドスライダと上記磁気記録媒体との少なくともいずれか一方を使用してなる磁気記録装置が提供される。
これらの発明態様により、対象となる表面への密着性が高く、摩擦・摩耗が少なく、かつ耐熱性も良好な潤滑層を持つ、磁気ヘッドスライダ、磁気記録媒体および磁気記録装置が得られる。
上記磁気記録装置としては、磁気記録時と磁気記録再生時とに磁気ヘッドスライダと磁気記録媒体が接触する機構を備えることおよび、磁気記録時に加熱アシストする機構を備えてなること、が好ましい。
本発明により、対象となる表面への密着性が高く、摩擦・摩耗が少なく、かつ耐熱性も良好な潤滑層を供給することができる潤滑剤ならびにこの潤滑剤を用いた磁気ヘッドスライダ、磁気記録媒体および磁気記録装置が得られる。
以下に、本発明の実施の形態を図、表、式、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、表、式、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、本発明に係る、「磁気ヘッドスライダ」、「磁気記録媒体」および「磁気記録装置」は、磁気情報の記録(書き込み)のみ、磁気情報の再生(読み取り)のみおよび磁気情報の記録と再生の両方のいずれにも使用可能である。
図1はハードディスク装置の内部構造を示す模式的平面図であり、図2は、磁気ヘッドスライダと、磁気記録媒体との関係を示す模式的横断面図(磁気記録媒体磁性層に垂直な方向で切断した図)である。
このハードディスク装置は、図1に示すように磁気記録媒体(磁気ディスク)1と磁気ヘッドを備えた磁気ヘッドスライダ2、磁気記録媒体1の回転制御機構(たとえばスピンドルモータ)3、磁気ヘッドの位置決め機構4および記録再生信号の処理回路(リードライトアンプ等)5を主要構成要素としている。
磁気ヘッドスライダ2は、図2に示すように、サスペンジョン6および磁気ヘッドスライダ2を柔軟に支持するためのジンバル7により、磁気ヘッドの位置決め機構4と連結されており、その先端に磁気ヘッド8が設けられている。磁気ヘッドスライダ面には磁気ヘッド保護層9と磁気ヘッド潤滑層10が設けられている。
磁気記録媒体11は、図2の下方から基板12、Cr下地13,磁性層14,磁気記録媒体保護層15,磁気記録媒体潤滑層16等がある。シード層等のその他の層が設けられる場合もあるが本図では省略してある。各層の厚さは、ハードディスクの場合、磁気記録媒体潤滑層で1nm程度、磁気記録媒体保護層で5nm程度、磁性層で50nm程度、Cr下地で10nm程度が一般的である
本発明に係る潤滑剤の用途は特に限定されないが、上記のような磁気ヘッドスライダ、磁気記録媒体、磁気記録装置に使用される場合に特に有用である。以下、本発明を主としてハードディスク装置における磁気記録媒体(磁気ディスク)の潤滑層について説明するが、磁気ヘッドスライダについても同様に考えることができる。また、本発明に係る「磁気記録媒体」は、ハードディスク装置に使用される、面内媒体、SFM(Synthetic Ferri Coupled Media)、垂直記録媒体、パターンド媒体など、どのような記録媒体であってもよい。さらに、本発明に係る「磁気記録装置」には、このような磁気記録媒体を使用するすべての磁気記録装置が含まれる。
本発明に係る潤滑剤は、(a)溶媒に可溶であって、(b)水酸基の存在率が0.1重量%以下であり、かつ(c)不活性雰囲気下での5%重量減少温度が400℃を超えるフッ素含有ポリエーテルを含んでなる潤滑剤である。
(a)は塗布特性における要求特性である。フッ素含有ポリエーテルの溶媒に対する可溶性の度合いについては、本潤滑剤を塗布する場合における膜形成の容易さ、形成された膜の均一性等の膜形成性を見て適宜判断すればよい。
(b)は汚染物質耐性および流動性における要求特性である。水酸基が多いと汚染物質を吸着し易くなる。また、凝集が生じやすく、潤滑剤の塗布に際して不都合が生じ易い。水酸基の存在率が0.1重量%以下であると、この両方について好ましい結果が得られることが判明した。水酸基の存在率は分子中の末端または分子鎖の途中に存在する水酸基の割合を意味し、フッ素含有ポリエーテルの全重量に対する割合として求めることができる。なお、このような汚染物質耐性および流動性に対する影響は、他の極性基についても同様と考えられる。
(c)は耐熱性における要求特性である。窒素等の不活性雰囲気下での5%重量減少温度が400℃を超えると、高温高湿環境での使用においても信頼性の著しく高い、磁気ヘッドスライダ、磁気記録媒体および磁気記録装置を実現することができる。特に、磁気記録時と磁気記録再生時とに磁気ヘッドスライダと磁気記録媒体が接触する機構を備えるコンタクト方式および磁気記録時に加熱アシストする熱アシスト方式の磁気記録装置への適用が有利である。5%重量減少温度はたとえば、熱重量分析装置(TGA)を使用して行うことができる。
フッ素含有ポリエーテルが好ましいのは、一般的に凝集しにくく、均一な表面を形成する性質を有し、耐熱性も高く、エーテル結合により、下地との密着性も良好であるためである。また、フッ素の含有により撥水性が良好であるため、水分の侵入を防止でき、磁性層の腐食防止の観点からも好ましい。
フッ素含有ポリエーテルとしては、下記式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 2007016124
ここで、p0,q0は、互いに独立に0または正の整数であって合計で10以上であり、pi,qiは、互いに独立に0または正の整数であって合計で10以上であり、rは2以上の整数を示し、Rは、分子内で互いに独立に水素または一価の有機基またはオルガノシリル基であって、Rのうちの90%以上が一価の有機基またはオルガノシリル基である。
p0,q0、pi,qiを上記の範囲に選択すれば、好ましい膜形成性を有する潤滑剤を容易に得ることができる。「分子内で互いに独立に」とは、一分子内にあるRが互いに異なる構造のものであってもよいことを意味する。「Rのうちの90%以上が一価の有機基またはオルガノシリル基である」とは、一定量のフッ素含有ポリエーテル中に含まれるRの数について、その90%以上が一価の有機基またはオルガノシリル基であることを意味する。
特に、Rの少なくともいずれかが下記式(2)または(3)で示される基(非極性基)であることが好ましい。すべてのRが、下記式(2)または(3)で示される基(非極性基)であることがより好ましい。
Figure 2007016124
Figure 2007016124
ここで、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、またはこれらをハロゲンまたは窒素で置換した基を表し、R1とR2とR3との少なくとも一つはアリール基またはアラルキル基であり、R4とR5とR6との少なくとも一つはアリール基またはアラルキル基である。R1、R2、R3、R4、R5およびR6が、互いに独立に、フェニル基またはベンジル基であることがより好ましい。(2)で示される基の代表例はトリオルガノシリル基である。
このようなフッ素含有ポリエーテルが好ましいのは次のような理由によると考えられる。すなわち、従来の樹脂は線状、もしくは枝分かれ状の骨格の端部のみに、下地と吸着するための基(以下、単に「吸着基」という)が配置されているが、本発明に係るフッ素含有ポリエーテルは線状骨格の内部にも吸着基が配置されている。このため、下地との吸着サイト(以下、単に「吸着サイト」という)の増加により潤滑層と下地との密着性が良好であり、かつ吸着サイトが長い主鎖部分を途中で固定するため、主鎖が上方に盛り上がって磁気ヘッド浮上を阻害するという従来の潤滑剤の問題を回避できる。
なお、吸着基としては、末端にある水酸基、カルボン酸基、エーテル結合末端基等の極性基の他、ペンダント状態で主鎖の途中に結合する水酸基、カルボン酸基、エーテル結合基を例示することができるが、本発明に係る潤滑剤では、特に、エーテル結合末端基とペンダント状態で主鎖の途中に結合するエーテル結合基が吸着基として好ましい。式(1)では、両端にあるR−O−がエーテル結合末端基に、式(1)の途中にあるR−O−がペンダント状態で主鎖の途中に結合するエーテル結合基に該当する。
このようなフッ素含有ポリエーテルの吸着の様子を図3に示す。図3の(a)は末端部にのみに吸着基31が配置された分子が下地32に吸着された様子を示す。この場合には、分子の長い主鎖部分33が(a)のように下地32上に大きく伸び上がり、磁気ヘッド浮上を阻害することになる。これに対して図3の(b)は、末端部の他に、分子の線状骨格の内部にも吸着基31が配置された分子が下地32に吸着された様子を示す。この場合には、主鎖部分33の途中にも吸着サイト34が生じるため、主鎖部分33が下地上に大きく伸び上がらず、従って磁気ヘッド浮上を阻害しなくなるのである。
本発明における式(1)中のRは末端水酸基および線状骨格の内部にある極性基(内部水酸基)を封止するキャップ基である。本発明に係る吸着基の典型例は、このように末端水酸基や内部水酸基がRでキャップされた状態の基である。
Rとしては、式(2),(3)に示すような立体障害性の大きい嵩高な非極性基が好ましい。このような立体障害性の大きい基は、分子の動きを制限できることから、分子の熱運動が制限され、熱分解を起こしにくくなる。また、一般的な水酸基系の末端基に比べ、浮上を阻害する潤滑剤分子の凝集が起こりにくく、さらに低温での粘度上昇が小さいことから、低温で問題となる摩擦や摩耗を抑制することができる。
特に、フェニル基やベンジル基に代表されるようなπ電子系吸着基を使用する場合には、極性が低いため汚染物質を吸着しにくい。下地としてDLCを使用する場合にはそのπ電子と相互作用し、高い密着性を実現することもできる。式(2),(3)におけるR1からR6は、そのすべてがフェニル基やベンジル基であってもよいが、そうでなくてもよく、式(2)と(3)とのそれぞれについて少なくとも一つ含まれていればよい場合もある。
なお、上記フッ素含有ポリエーテルの重合度については、数平均分子量が1,000〜1,000,000であることが好ましい。1,000未満では粘性が低く、例えば磁気ディスクでは、その回転により潤滑剤が周辺部に移動し易く、ディスクの半径方向に膜厚変動を起こすとともに、磁気ヘッド部分に付着して堆積し、特に浮上量を低下させた場合には磁気ヘッドクラッシュを引き起こす原因となる。1,000,000を超えると、たとえば磁気ヘッドと磁気ディスクの衝突が増えたり、溶媒への溶解性が不足する問題が生じやすくなる。
このようにして、上記構造のフッ素含有ポリエーテルを採用することにより、前述の(a)塗布特性、(b)汚染物質耐性および流動性、(c)耐熱性といった重要な要求特性を満足し、磁気ヘッドスライダや磁気記録媒体の下地への密着性が高く、摩擦・摩耗が少なく、かつ耐熱性も良好な潤滑層を実現することができる。この潤滑剤をたとえば磁気ディスク用潤滑剤として使用することにより、潤滑膜のモバイル層によるディスクの高速回転時の膜厚変動や磁気ヘッドクラッシュを防止でき、特に高温高湿環境での使用においても信頼性の著しく高い磁気記録装置を供給することができる。本発明は、上記のCSS方式、ロード/アンロード方式のみならず、磁気記録時と磁気記録再生時とに磁気ヘッドスライダと磁気記録媒体が接触する機構を備えるコンタクト記録方式にも適用することができる。また、磁気記録時に加熱アシストする熱アシスト記録方式への適用も可能である。水平記録、垂直記録のいずれにも適用可能であり、磁気ディスクの他、磁気テープにも適用できることは言うまでもない。
本発明のフッ素含有ポリエーテルは、末端水酸基および内部水酸基等の極性基を有するフッ素含有ポリエーテルを、キャップ基となる特定の基を有する物質と反応させて、フッ素含有ポリエーテルの末端極性基および線状骨格の内部にある極性基(内部極性基)を封止することで容易に製造することができる。
たとえば、上記の式(1)+(2)で表されるトリオルガノシリルキャップ基を有するフッ素含有ポリエーテルは、末端極性基および内部極性基として水酸基を有するフッ素含有ポリエーテルを、適切な基を有するクロロシラン類、シリルアミン類、シリルアミド類等でシリル化することにより簡単に製造することができる。
この場合には、特にCH結合とCCl結合との一方または両方を有しかつCF結合を有する溶媒に、このようなフッ素含有ポリエーテルとアミン系触媒とを溶解させ、トリオルガノクロロシランを加えてシリル化する方法を好ましく用いることができる。
上記の条件を満たす溶媒の好ましい例として、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンと1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンとの混合物のほか、3M社製のHFE(ハイドロフルオロエーテル)、日本ゼオン社製のゼオローラ(Zeorora)などを挙げることができる。アミン系触媒としては、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができる。
また、上記の式(2)で表されるキャップ基を有するフッ素含有ポリエーテルは、末端水酸基と内部水酸基とを有する樹脂を適切な基を有する物質と酸触媒の存在下で脱水縮合反応させる等の方法により、やはり簡単に製造することができる。
本発明に係る潤滑剤は、フッ素含有ポリエーテルのみから成り立っている場合も、フォスファゼン系低分子や同系高分子等の添加剤、界面活性剤を含む場合もある。さらに溶媒を含んでいてもよい。
本発明のフッ素含有ポリエーテルを澗滑剤として用いる場合は、これを溶媒に溶解し、必要に応じて添加剤、界面活性剤を添加して、磁気ディスクに塗布することができる。
塗布するために溶媒を含んだ潤滑剤中におけるフッ素含有ポリエーテルの濃度には特に制限はなく、塗布の容易性、塗布膜の均一性等の塗布性能を見て適宜決めることができる。
潤滑剤中に使用される溶媒としては、市販のフッ素系溶剤,例えばHFE,フロリナート,バートレル,Hガルデンなどを挙げることができる。
このような潤滑剤の塗布の方法は特に限定されず、用途に応じて、公知の方法を採用することができるが、ディップコート法やスピンコート法を好ましく用いることができる。ディップコート法やスピンコート法は、磁気ヘッドスライダや磁気記録媒体に潤滑層を形成する場合に特に好ましい。
このような潤滑剤を塗布する下地の材質も特に限定されず、用途に応じて、公知の方法を採用することができる。磁気ヘッドスライダや磁気記録媒体の場合には、それらの保護層が下地に該当し、上記のπ電子の相互作用の観点からDLC膜の場合が特に好ましい。特に高記録密度磁気ディスクの場合は、CVD(化学的気相成長法)もしくはカソーディックアーク法で成膜した膜厚1〜5nmのDLC膜を好ましく用いることができる。これらの成膜法は、一般的にスパッタ成膜より薄いDLC膜を供給できるため磁気スペーシングの短縮が可能である。また、この潤滑層は被覆性に優れ、下地のDLC膜を完全に覆うことになるので、環境中の湿分や有機物等に由来する汚染物を遮断する効果が高く、それにより、従来の潤滑層を用いた場合よりも高温高湿下で優れた腐食耐性能力を有効に発揮でき、信頼性の高い高記録密度磁気ディスクを供給できる。下地としては、このほかに二酸化珪素(SiO2)などが用いられる場合もある。
一般的に、潤滑剤を塗布して形成した潤滑層は、溶媒を除去した段階では、先に説明したように下地と完全に結合していないモバイル層を含んでいる。この層は、ディスクの回転によって生じる遠心力でディスクの周辺部に集まりやすく、この現象は、特に高記録密度用のディスクにおけるように、より高速でのディスクの回転が要求される場合に益々顕著となる。
本発明の潤滑剤を用いて形成した潤滑層は、下地への密着性が高いため、5,000rpm程度の通常のディスク回転速度であれば、ディスク周辺へのモバイル層の移動の度合いはそれほど大きくないが、特に、15,000rpm程度にもなる高速回転の磁気ディスクおよび磁気ディスク装置の場合に、この現象は厄介な問題の引き金となりかねない。
本発明においては、このような場合に、潤滑剤の塗布により形成した潤滑層に、引き続き加熱または活性エネルギー線照射、またはその双方による架橋処理を施すことで、潤滑層の下地への密着性を更に向上させることができる。なお、この処理は、低速で回転するディスクに対しても有効なものであることは言うまでもない。この加熱または活性エネルギー線照射処理は、上記の式(1)+(2)で表されるトリオルガノシリル末端基におけるR1〜R6がいずれもπ電子を含まないアルキル基である場合に、対象となる表面に形成した潤滑層の密着性を改善するのに特に有効である。使用される活性エネルギー線としては、紫外線、遠紫外線、真空紫外線、極端紫外線、X線および電子線が好ましい。
以下、本発明の実施例を示す。
[実施例1]
この例では、フッ素樹脂の合成を説明する。アセトン500mLに市販品のFOMBLIN Z DOL(ソルベイソレクシス社製、数平均分子量約2000)100gとエピクロロヒドリン0.125molとを加え、よく撹拌しながら、水5gに水酸化ナトリウム0.11molを溶解した水溶液を10分間かけて滴下し、8時間加熱還流した。
その後エバポレーターでアセトンを蒸発させ、トリフルオロ酢酸25g、水250mLを加え、70℃で3時間撹拌した。沈殿物を回収し、80℃の水で洗浄した。
生成物は、分子構造が水酸基のユニットを末端と主鎖中に有し、式(1)に記載の構造を有するフッ素含有ポリエーテルであることを、FT−IR,1HNMR,13CNMR,19FNMRで決定した。19FNMRより、数平均分子量は4680と決定された。また、このフッ素含有ポリエーテル中の任意の水酸基と、分子鎖の連結上この水酸基に隣接する水酸基との間の構造部分の数平均分子量は、平均値として1980であると計算された。
次に、上記で合成された樹脂の末端水酸基および内部水酸基の修飾方法を説明する。還流塔、窒素バブリング管、撹拌棒、滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、上記で合成した樹脂を、等重量の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンと1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペシタフルオロプロパンとの混合溶液(旭硝子社製AK−225)で希釈し、末端水酸基と内部水酸基の合計量に対して3倍モルの脱水ピリジンを加え、50℃で窒素バブリングしながら撹拌し、滴下ロートから末端水酸基と内部水酸基の合計量の3倍モル量のトリフェニルクロロシラン(TPh)を2倍モル量のAK−225で希釈して滴下し、滴下後70℃の温度で4時間撹拌し、シリル化反応を行った。
次に、反応溶液が中性になるまで水洗し、更に酢酸ブチルで2回洗浄した後、ロータリーエバポレータで溶媒成分を蒸発させ、目開きが0.1μmのメンブランフィルタで濾過を行った。NMRにて組成分析を行ったところ、残存水酸基の全樹脂重量に対する存在率は0.04重量%であることを確認した。
[実施例2]
実施例1のシリル化剤であるトリフェニルクロロシラン(TPh)に代え、トリベンジルクロロシラン(TBz)、アリルジメチルクロロシラン(ADM)、ジメチルビニルクロロシラン(DMV)、トリビニルクロロシラン(TVn)、ジフェニルビニルクロロシラン(DPV)およびトリエチルクロロシラン(TEt)を用いて、実施例1と同様にフッ素含有ポリエーテルを合成した。
NMRにて組成分析を行ったところ、残存水酸基の全樹脂重量に対する存在率は、すべて、0.05重量%以下であることを確認した。
[実施例3]
実施例1と2で合成したフッ素含有ポリエーテル(全7種)の耐熱性を調べるために、熱重量分析により各樹脂の熱分解性試験を行った。測定は、熱重量分析装置(TGA)を使用し、窒素雰囲気中で20℃/分の昇温速度で行い、5%重量減少時の温度を表1に示した。表中に示したキャップ基を表す記号は、シリル化に用いたシリル化剤を表す記号と一致しており、たとえばトリフェニルクロロシラン(TPh)でシリル化した樹脂のキャップ基はTPhで表示されている。比較のために、実施例1で得た、変性せずに末端水酸基および内部水酸基を持ったままのフッ素含有ポリエーテルについても耐熱性を測定した(比較用)。
表1の結果から、立体障害性の大きいフッ素含有ポリエーテル(記号TPh、TBz、DPVのものが該当))の場合、耐熱性が良好であることが理解される。
Figure 2007016124
[実施例4]
実施例1と実施例2とで合成したフッ素含有ポリエーテル(全7種)を、住友3M社製のフッ素系溶媒FC−77溶媒に溶解した。Ni−Pメッキされたアルミニウム板を研磨し、テクスチャー処理して中心線粗さ(Ra)を6.5nmとした基板上に、DCマグネトロンスパッタリングによりArガス雰囲気中でCr磁性層とCoCrTa系磁性層とを形成し、そしてCVD法でダイヤモンドライクカーボン(DLC)保護膜(膜厚8nm)を形成したディスクを用意した。
これに、上記のFC−77溶媒にフッ素含有ポリエーテルを溶解した潤滑剤7種をそれぞれディップコート法で塗布して成膜した。比較のために、実施例1で得た、変性せずに末端水酸基および内部水酸基を持ったままのフッ素含有ポリエーテルを使って、同様にディスク上に潤滑剤を成膜した(比較用)。
ディスク上の潤滑剤膜厚を赤外吸収スペクトルにて測定し、続いてこのディスクをFC−77溶媒に浸漬して、ディスクに結合していない樹脂を溶解除去し、膜厚を再測定して、ボンド率(=溶解後膜厚/初期膜厚)を測定した。得られた結果を表2に示す。表2中に示したキャップ基を表す記号は、シリル化に用いたシリル化剤を表す記号と一致している。表1,2の結果より、溶媒に可溶であって、水酸基の存在率が0.1重量%以下であり、かつ不活性雰囲気下での5%重量減少温度が400℃を超えるフッ素含有ポリエーテル(記号TPh、TBz、DPVのものが該当)の場合、5%重量減少温度が400℃を超えるという耐熱性に加えて、磁気ディスク表面への密着性が高いことが理解される。
Figure 2007016124
[実施例5]
Ni−Pメッキされたアルミニウム板を研磨し、テクスチャー処理して中心線粗さ(Ra)を5nmとした基板上に、DCマグネトロンスパッタリングによりArガス雲囲気中でCr磁性層を50nm、CoCrTa系磁性層を40nm順次形成後、その上にDLC保護膜を形成したディスクを用意した。このディスク表面に、実施例1の潤滑剤(TPhの系)を使用し、実施例4と同様にして潤滑層(2.5nm厚)を形成した。
得られた磁気ディスクについて、アルミナとTiCとの焼結体からなる薄膜磁気ヘッドを取り付けた磁気ヘッドスライダを用い、磁気ヘッドスライダ浮上量0.1μm、ディスク回転数3600回転/分(rpm)で15秒稼動−15秒停止のサイクル試験を行い、耐CSS(コンタクト・スタート・ストップ)特性をディスク摩擦試験機で調べた。
この結果を、摩擦係数が0.6に達した時のCSS回数として表3に示す。表3より、本発明に係る潤滑層を備えたディスクは、摩擦・摩耗が少ないことが理解される。
Figure 2007016124
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
(付記1)
溶媒に可溶であって、極性基の存在率が0.1重量%以下であり、かつ不活性雰囲気下での5%重量減少温度が400℃を超えるフッ素含有ポリエーテルを含んでなる潤滑剤。
(付記2)
前記極性基が水酸基である、付記1に記載の潤滑剤。
(付記3)
前記フッ素含有ポリエーテルが下記式(1)で表される、付記1または2に記載の潤滑剤。
Figure 2007016124
(ここで、p0,q0は、互いに独立に0または正の整数であって合計で10以上であり、pi,qiは、互いに独立に0または正の整数であって合計で10以上であり、rは2以上の整数を示し、Rは、分子内で互いに独立に水素または一価の有機基またはオルガノシリル基であって、Rのうちの90%以上が一価の有機基またはオルガノシリル基である。)
(付記4)
Rの少なくともいずれかが下記式(2)(2)または(3)で示される基である、付記3に記載の潤滑剤。
Figure 2007016124
Figure 2007016124
(ここで、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、またはこれらをハロゲンまたは窒素で置換した基を表し、R1とR2とR3との少なくとも一つはアリール基またはアラルキル基であり、R4とR5とR6との少なくとも一つはアリール基またはアラルキル基である。)
(付記5)
1、R2、R3、R4、R5およびR6が、互いに独立に、フェニル基またはベンジル基である、付記4記載の潤滑剤。
(付記6)
前記フッ素含有ポリエーテルの数平均分子量が1,000〜1,000,000である、付記5に記載の潤滑剤。
(付記7)
付記1〜6のいずれかに記載の潤滑剤を磁気ヘッド潤滑層に使用してなる磁気ヘッドスライダ。
(付記8)
付記1〜6のいずれかに記載の潤滑剤を磁気記録媒体潤滑層に使用してなる磁気記録媒体。
(付記9)
付記7に記載の磁気ヘッドスライダと付記8に記載の磁気記録媒体との少なくともいずれか一方を使用してなる磁気記録装置。
(付記10)
磁気記録時と磁気記録再生時とに磁気ヘッドスライダと磁気記録媒体が接触する機構を備える、付記9に記載の磁気記録装置。
(付記11)
磁気記録時に加熱アシストする機構を備えてなる、付記10に記載の磁気記録装置。
ハードディスク装置の内部構造を示す模式的平面図である。 ハードディスク装置のヘッドスライダと磁気記録媒体との関係を示す模式的横断面図である。 フッ素含有ポリエーテルが下地に吸着する様子を示す模式図である。
符号の説明
1 磁気記録媒体
2 ヘッドスライダ
3 回転制御機構
4 ヘッドの位置決め機構
5 記録再生信号の処理回路
6 サスペンジョン
7 ジンバル
8 磁気ヘッド
9 磁気ヘッド保護層
10 磁気ヘッド潤滑層
11 磁気記録媒体
12 基板
13 Cr下地層
14 磁性層
15 磁気記録媒体保護層
16 磁気記録媒体潤滑層
31 吸着基
32 下地
33 主鎖部分
34 吸着サイト

Claims (5)

  1. 溶媒に可溶であって、極性基の存在率が0.1重量%以下であり、かつ不活性雰囲気下での5%重量減少温度が400℃を超えるフッ素含有ポリエーテルを含んでなる潤滑剤。
  2. 前記フッ素含有ポリエーテルが下記式(1)で表される、請求項1に記載の潤滑剤。
    Figure 2007016124
    (ここで、p0,q0は、互いに独立に0または正の整数であって合計で10以上であり、pi,qiは、互いに独立に0または正の整数であって合計で10以上であり、rは2以上の整数を示し、Rは、分子内で互いに独立に水素または一価の有機基またはオルガノシリル基であって、Rのうちの90%以上が一価の有機基またはオルガノシリル基である。)
  3. 請求項1または2に記載の潤滑剤を磁気ヘッド潤滑層に使用してなる磁気ヘッドスライダ。
  4. 請求項1または2に記載の潤滑剤を磁気記録媒体潤滑層に使用してなる磁気記録媒体。
  5. 請求項3に記載の磁気ヘッドスライダと請求項4に記載の磁気記録媒体との少なくともいずれか一方を使用してなる磁気記録装置。
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