JP2007015329A - ゴムベルトの製造方法、及びゴムベルト - Google Patents

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弘章 田島
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Abstract

【課題】ゴムベルトの製造、及びゴム単体から成るゴム単体ベルトにおいて、簡易な構成により、強度の高い成型ベルトを得る製造方法及びゴムベルトを提供する。
【解決手段】内型の外周面に、筒状の離型用帆布を被せる。この離型用帆布の上にさらに第1及び第2ゴムシートを巻き付ける。このとき、ゴムシートの端部同士は、対向するようにまたは重なるように巻き付ける。これら離型用帆布等を装着した内型を外型内に挿入する。離型用帆布、並びに第1及び第2ゴムシートを内型及び外型によって挟圧するとともに、こられを加熱し、加硫成型する。これにより、第1及び第2ゴムシートは、それぞれの端部同士が接合するとともに、ゴムシート同士が接着する。さらには、離型用帆布が第1ゴムシートに圧着し、円筒形の無端状の帆布付きゴムベルト体を得る。次に、内型を外型から離脱した後、帆布付きゴムベルト体から離型用帆布を剥離し、ゴムベルト体を得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、ゴムベルトの製造に関し、特にゴム単体から成るゴム単体ベルトに関する。
従来、ゴムのみから成形されるゴム単体ベルトが知られており、ゴム単体ベルトを成型するためには、例えばワンポット式の加硫成型装置が使用される(例えば特許文献1の図8参照)。この加硫成型装置においては、円筒状の金型の周囲に、端部が突き合わされるように未加硫ゴムシートが巻き付けられた後、加熱・加圧されることにより、未加硫ゴムシートが加硫成型される。
未加硫ゴムシートは、加硫成型されることにより、その端部同士が接合され、金型形状に応じた円筒形状のベルトスラブに成型される。ベルトスラブは、金型から取り外され、切断・研磨され、これによりゴム単体ベルトが得られる。
このような加硫成型装置においては、金型にゴムシートが巻き付けられる際、加硫成型後のベルトスラブが金型から取り外しやすいように、通常、金型の外周面には離型剤が塗付されている。
特開平9−52234号公報
しかし、ワンポット式の加硫成型装置でゴム単体ベルトを製造しようとすると、離型剤がゴムシートに接することとなるので、加硫成型工程において未加硫ゴムシートの端部同士の接合部分に離型剤が混入される。離型剤は、通常ゴムシート同士の接着を阻害するので、離型剤がゴムシートの接合部分に混入すると、ゴムシートの継ぎ目における接着強度は低下させられる。このように、端部の接合部分の強度が低下させられると、接合部分が早期に破壊され、結果として寿命の長いベルトを得ることが困難になる。
また、継ぎ目における強度低下を解消するために、ベルトを押し出し成型により製造し継ぎ目のないベルトを得ることが知られているが、押し出し成型によれば、異なる種類のゴム層を層状に積層して成るベルトを得ることが困難である。すなわち、従来、複数種類のゴム層が層状に積層され、継ぎ目における強度低下のないベルトを得ることはできなかった。さらには、押し出し成型により、ベルトを成型しようとすると、同一の成型装置で異なる大きさの成型ベルトを製造することができないので、複数種の成型ベルトを製造しようとすると、そのベルトの種類に合わせて複数の成型装置が必要になる。
そこで、本願発明はこれら問題点に鑑みて成されたものであり、簡易な構成により、強度の高い成型ベルト、特にゴム単体ベルトを得ることを目的とする。
本発明に係るゴムベルトの製造方法は、柱状の内型を、その周面に、筒状に形成されたシート状の離型材を被せ、さらに離型材上にゴムシートを端部同士が突き合うようにまたは重なるように巻き付けて、外型の内部に配置する第1工程と、離型材及びゴムシートを、外型と内型によって挟圧するとともに加熱し、ゴムシートを加硫成型することにより、ゴムシートの端部同士を接合させるとともに、ゴムシートに離型材を圧着させ、無端状の離型材付きゴムベルト体を得る第2工程と、内型を外型から離脱させ、離型材付きゴムベルト体を内型から取り外し、さらに離型材をこのゴムベルト体から剥離させ、ゴムベルト体を得る第3工程とを備えることを特徴とする。
本発明においては、ゴムシートは、離型材上に巻き付けられる第1ゴムシートと、第1ゴムシートの上にさらに巻き付けられる第2ゴムシートを含むことが好ましい。これにより、ゴムベルトにおいて、物性の異なる2層以上のゴム層を積層することができる。すなわち、本発明においては、従来押し出し成型において困難であった、複数種類のゴム層が層状に積層され、かつ継ぎ目による強度低下のないゴムベルトを容易に製造することができる。
ただし、第2ゴムシートの代わりに樹脂シート、心線、帆布等が巻き付けられても良いし、第2ゴムシートの外側、及び/または第1ゴムシートと第2ゴムシートの間に樹脂シート等が巻き付けられていて良い。
離型材は帆布であることが好ましく、帆布は、シームレス状に織られ、または編まれた帆布であることが好ましい。また、帆布は、フィラメント糸を含むことが好ましい。フィラメントは、ゴムに対するアンカー効果が低いので、帆布をゴムベルト体から容易に剥離させることができる。
離型材の表面には凹凸があり、ゴムベルト体は離型材により圧着されることにより、その表面に凹凸が形成されることが好ましい。
本発明に係るゴムベルトは、少なくとも第1ゴム層が積層され、第1ゴム層の一方の表面がベルト表面を形成するゴムベルトであって、第1ゴム層は未加硫ゴムが加硫成型されることにより得られ、第1ゴム層の一方の表面は、加硫成型時、その表面に凹凸を有する帆布が圧着後、剥離されることにより凹凸が形成されることを特徴とする。
本発明に係る無端状単体ベルトは第1ゴム層と、第1ゴム層と成分が異なる第2ゴム層を有し、第1ゴム層の一方の表面がベルト表面を形成するとともに、第2ゴム層が、第1ゴム層の他方の面に密着積層して構成されるゴムのみから成る無端状ゴム単体ベルトであって、第1及び第2ゴム層は両端部が継ぎ合わされて無端状に形成され、その継ぎ目には離型剤が混入されないことを特徴とする。このように、継ぎ目に離型剤が混入されないと、継ぎ目部分における強度の低下が生じないベルトを得ることができる。
本発明のゴムベルトの製造方法によれば、ゴムシートの接合部分に離型剤が混入されないので、ゴムシートの接合部分において継ぎ目による強度の低下が生じないゴムベルトを製造することができる。このように製造されたゴムベルトは、接合部分において高い強度を有し、容易に切断されないので、寿命が長くなる。また、離型材として凹凸のある帆布を用いた場合には、ゴムベルト表面に凹凸が生じ、ベルト表面の摩擦係数を低下させることができるので、ゴムベルトをプーリに装着しやすくなる。
図1は、本実施形態に係る平ベルトの斜視図を示す。本実施形態に係る平ベルト100は、無端状に形成されたゴム単体ベルトであって、ゴムのみから成形される。平ベルト100は、第1及び第2ゴム層110及び120から成り、第1ゴム層110の一方の面が平ベルト100の内周面101を形成する。第1ゴム層110の他方の面には、第2ゴム層120の一方の面が密着され、第2ゴム層120の他方の面が、平ベルト100の外周面102を形成する。平ベルト100の外周面102は、平面状に形成される一方、内周面101は溝103が形成されることにより凹凸に形成される。
本実施形態の平ベルト100は後述するように、ゴムシートの表面に離型用帆布80(図3参照)が圧着された状態で加硫成型された後、離型用帆布80が剥がされることにより製造されたものであり、溝103は離型用帆布80の表面の凹凸によって目付けされたものである。したがって、離型用帆布80が、例えば経糸及び、経糸に直交する緯糸により格子状に織られる場合、図1に示すように溝103は、ベルトの長手方向に延びる縦溝104と、ベルトの幅方向に延びる横溝105から成り、格子状に形成される。このとき、溝103の幅は、離型用帆布80の経糸又は緯糸の太さに略等しく、また縦溝104、及び横溝105のピッチは、離型用帆布80の経糸及び緯糸の糸密度に一致する。なお、縦溝104及び横溝105は、ベルトの長手方向及び幅方向に対して、斜め方向に延びていても良い。
第1及び第2ゴム層110及び120は、ゴム成分に適宜添加剤が添加された成分により形成される。ゴム成分は、それぞれ天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体配合物(EPDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、フッ素ゴム等の単体、またはこれらの混合物から選択されて構成される。
第1及び第2ゴム層110及び120は、それぞれ異なる成分を有し(好ましくはゴム成分も異なり)、第1ゴム層110は、第2ゴム層120と物性が異なる。すなわち、第1ゴム層110と、第2ゴム層120とは、引張強度、剛性、硬度、弾性率等の少なくとも1種以上が異なる。硬度が異なる場合、例えば第2ゴム層120の硬度は、第1ゴム層110の硬度よりも低く、第1ゴム層110は、平ベルト100において、抗張部材と成る。この場合、本実施形態の平ベルト100は、硬度が相対的に高い第1ゴム層110によって、長手方向における耐抗張力が向上するとともに、硬度が相対的に低い第2ゴム層120によって屈曲性が良好になる。なお、ゴム層の硬度とは、JISK6253に記載される方法により、測定された硬度をいう。
第1及び第2ゴム層110及び120は、それぞれ後述するように、第1及び第2ゴムシート81及び82(図3参照)が加硫成型されることにより、得られる層である。第1及び第2ゴムシート81及び82は、それぞれその端部同士が接合されることにより、無端状の第1及び第2ゴム層110及び120に形成されるが、本実施形態においては、ベルトの成型工程において従来使用されていた離型剤が使用されないので、第1及び第2ゴムシート81及び82の端部間には離型剤が混入されない。したがって、第1及び第2ゴムシート81及び82は、その端部同士が加硫により完全に接着し、端部同士が接着された部分は、継ぎ目による強度の低下が生じない。このように、ゴムシート同士の継ぎ目による強度低下が見られないベルトは、その継ぎ目を起点として切断されることがないので、強度が高くなる。
平ベルト100は、例えば、その内周面101がプーリに面するように、2つのプーリ(図示せず)に掛け回されて使用される。ここで、平ベルト100は、その内周面101が凹凸を有しており、内周面101のプーリに対する摩擦係数は低いので、平ベルト100はプーリに容易に装着される。
以下、本発明の実施形態に係る平ベルトの製造方法について図面を参照して説明する。図2は、平ベルトを製造するための加硫成型装置を示す。加硫成型装置は、内型20と、内型20を内部に収納するための外型40を有する。内型20は、略円柱状に金属で形成され、その内型20内部には熱媒体や冷却水が通過するための通路が設けられ、熱媒体が通過することにより、内型20の外周面27が加熱させられる。内型20の上面および下面には、内型20内部に熱媒体を送入出するための入出管24、入出管25が設けられる。
外型40は、有底の略円筒形状を呈する外枠41と、外枠41の上面に固定される上蓋42と、外枠41の内側に設けられるゴムジャケット43を備える。上蓋42は、内型20を挿入するための円形の開口部が設けられ、該開口部は上蓋42の側面45により形成される。外枠41の底部50は、その中央部に略円形の挿通孔46が設けられる。
ゴムジャケット43は、略円筒形状を呈しており、外枠41と同心的に配設され、その両端部が、上蓋42の下面と外型40の底部50に固定されている。ゴムジャケット43と外枠41の側面72の間には、底部50を底面とし、上蓋42を上面とする密閉空間54が形成される。密閉空間54には、圧力媒体が注入口52から注入されるとともに、排出口53から排出される。ゴムジャケット43の内周面は、上蓋42の側面45とともに、略同一曲面を形成し、これにより、この同一曲面を内周面とし、底部50を底面とする円筒状の収納室67が設けられる。
図3は、内型20に離型用帆布、ゴムシートが装着される工程を模式的に示した図である。図3(a)に示すように内型20の外周面27には、まず略円筒状に形成された離型用帆布(離型材)80が被せられる。離型用帆布80の上には、図3(b)に示すように、第1ゴムシート81が巻き付けられる。第1ゴムシート81は、その端部同士が突き合わせられるように、巻き付けられ、巻き付けられた第1ゴムシート81は、略円筒形状を呈する。ただし、第1ゴムシート81は、その端部同士が重なるように巻き付けられても良い。第1ゴムシート81の上には、第1ゴムシート81と同様に、第2ゴムシート82が巻き付けられる。なお、第2ゴムシート82の上には、さらにゴムシートが巻き付けられても良いし、樹脂シートや帆布等が巻き付けられても良い。樹脂シートや帆布は第1ゴムシートと第2ゴムシートの間に巻き付けられても良い。また、第2ゴムシート82は、巻き付けられなくても良い。なお、第1及び第2ゴムシート81、82は、上述したゴム成分を有する未加硫ゴムに各種添加剤が添加されて構成されたものである。
離型用帆布80は好ましくは継ぎ目がなく、すなわちシームレス状に織られ、または編まれていることが好ましい。離型用帆布80は、後述するように、加硫成型工程において、弱い圧着力で第1ゴムシート81に圧着し、その後、第1ゴムシート81から容易に剥がすことが可能なものが好ましい。したがって、離型用帆布80を構成する糸は、ゴムに対してアンカー効果の低いものが好ましく、例えばフィラメント糸が使用される。フィラメント糸としては、例えばモノフィラメント、撚り糸等のマルチフィラメント等が挙げられる。離型用帆布80は、織物である場合、例えば経糸及び、経糸に直交する緯糸により、格子状に織られる。ここで、加硫成型工程において、ゴムシートのゴムは離型用帆布80の糸と糸の間にできる隙間から内側に向けて染み出さないことが好ましい。このため、離型用帆布80の経糸及び緯糸の間隔は狭い方が良く、これらの糸密度は、例えば20本/cm以上であることが好ましい。また経糸又は緯糸の太さは、例えば420デニール程度である。
なお、離型用帆布80は、例えばスパン糸等が含まれるとゴムに対するアンカー効果が高くなるので、フィラメント糸のみにより織られ、または編まれている方が良い。また、離型用帆布80は、例えば合成繊維によって構成され、内型20の外周面27に対する静摩擦係数が、ゴムから成る第1ゴムシート81に比べ低い。
図4は、内型20が外型40内に収納されたときの加硫成型装置を示す図である。図5は、加硫成型により形成される帆布付きゴムベルト体及び加硫済ゴムベルト体を示す斜視図である。離型用帆布80及び第1及び第2ゴムシート81、82が装着された内型20は、図4に示すように外型40内に挿入されるとともに、入出管25が挿通孔46に挿通され、収納室67に収納される。内型20が外型40内に収納された状態において、外型40に設けられた密閉空間54には圧力媒体が供給され、ゴムジャケット43がその径方向内側に膨張させられ、第2ゴムシート82に密着する。そして、第1及び第2ゴムシート81、82及び離型用帆布80は、ゴムジャケット43に押圧され、これにより第1及び第2ゴムシート81、82及び離型用帆布80は、ゴムジャケット43と内型20に挟圧され、所定圧力が付勢される。
内型20と外型40による挟圧とともに、内型20内部には熱媒体(例えば水蒸気)が供給される。また、密閉空間54に供給される圧力媒体は、例えば水蒸気であって、熱媒体の役割を兼ねているので、内型20及び外型40内部に供給される熱媒体により、第1及び第2ゴムシート81、82及び離型用帆布80が加熱される。
以上の加熱・加圧により、所定時間にわたって第1及び第2ゴムシート81、82が加硫させられ、第1及び第2ゴムシート81及び82がそれぞれ端部同士が接合されるとともに、第1及び第2ゴムシート81、82が加硫接着され、さらには離型用帆布80が第1ゴムシート81に圧着される。これにより、円筒形の加硫済ゴムベルト体90の内周面に離型用帆布80が圧着された無端状の帆布付きゴムベルト体91(図5参照)が、内型20の外周面27上に成形される。なお、加硫済ゴムベルト体90は、第1及び第2ゴムシート81、82が加硫接着されることにより形成されたものである。
次に、内型20及び外型40内部に冷却水が注入され、帆布付きゴムベルト体91が冷却される。その後、帆布付きゴムベルト体91が取り付けられた内型20は、外型40から離脱され、次いで、帆布付きゴムベルト体91が、内型20から離型される。ここで、ゴムベルト体がゴム体のみから成る場合、ゴム体は通常内型に対する静摩擦係数が高いので、ゴムベルト体を内型20から離型されることは困難である。しかし、本実施形態では、帆布付きゴムベルト体91の内周側に静摩擦係数がゴムシートより低い離型用帆布80が設けられているので、帆布付きゴムベルト体91は内型20から容易に離型される。
内型20から離型された帆布付きゴムベルト体91は、次に、その内周面側に圧着された離型用帆布80が剥がされる(図5参照)。離型用帆布80は、例えば上述したようにゴムとのアンカー効果が低いフィラメント糸等により構成されるので、ゴムベルト体から容易に剥がされる。離型用帆布80が剥がされた加硫済ゴムベルト体90は幅方向に切断され、図1に示す平ベルト100に形成される。
以上説明したように、ゴムベルトの製造工程において、内型20の外周面27に離型用帆布80が被せた後に第1ゴムシート81が巻き付けられるので、加硫成型により得られた加硫済ゴムベルト体90が内型20から離型しやすくなる。したがって、内型20の外周面27には、例えば液体の離型剤を塗布する必要がなく、離型剤がゴムシートの接合部分に混入されないので、本実施形態においては、ゴムシートの接合部分において継ぎ目による強度の低下が生じないゴムベルトを製造することが可能である。
なお、本実施形態においては、離型材として離型用帆布80を用いたが、静摩擦係数が第1ゴムシート81より低くシート状に形成されるものであれば、例えば樹脂シート等であっても良い。
以下、実施例を用いて本発明について説明するが、本発明は以下述べる実施例に限定されるものではない。
[実施例の平ベルト]
(A)実施例1
実施例1における離型用帆布は、シームレス状の帆布であり、経糸及び緯糸を織ることによって得られた織物であった。この帆布の経糸及び緯糸は、撚り数が120回/m、太さが420デニールのナイロン製のマルチフィラメントであり、経糸及び緯糸の糸密度は、20本/cmであった。実施例1においては、第1ゴムシートとしてクロロプレンゴム(高硬度ゴム)から成る厚さ2mmのゴムシートを、第2ゴムシートとして天然ゴムから成る厚さ4mmのゴムシート(低硬度ゴム)を用いた。これらゴムシート及び離型用帆布を用いて、本実施形態の製造方法に倣って、実施例1の平ベルトを製造した。なお、第1及び第2ゴムシートそれぞれの端部は、周方向における同一位置で突き合わせて接合した。実施例1において製造された平ベルトは、図1に示すように、第1及び第2ゴム層から成り、幅10mm、長さ505mm、厚さ6mmの無端状の平ベルトであった。実施例1の平ベルトの第1及び第2ゴム層にはそれぞれ、外観上、第1及び第2ゴムシートが接合したことによる継ぎ目が見られなかった。
(B)実施例2
実施例2の平ベルトは、第1ゴムシートの厚さが2mmであり、第2ゴムシートの厚さが6mmである点を除いて実施例1と同様に製造された。実施例2において製造された平ベルトは、幅10mm、長さ505mm、厚さ8mmの無端状の平ベルトであった。実施例2の平ベルトの第1及び第2ゴム層にはそれぞれ、外観上、第1及び第2ゴムシートが接合したことによる継ぎ目が見られなかった。
[比較例の平ベルト]
比較例の平ベルトについては、離型用帆布の代わりに金型に離型剤を塗布して製造した。その他の条件は実施例1と同一であった。なお、比較例においては、離型剤としてフッ素系離型剤を使用した。比較例において製造された平ベルトは、幅10mm、長さ505mm、厚さ6mmの無端状の平ベルトであった。比較例の平ベルトの第1及び第2ゴム層にはそれぞれ、外観上、第1及び第2ゴムシートが接合したことによる継ぎ目が見られた。
[性能評価]
(A)引張歪み試験
引張歪み試験は、引張試験機を用いて行った。引張歪み試験においては、無端状の平ベルトを、長さ100mmの短冊状に切断した各試験片の両端を引張試験機のチャックによって挟み込み、長さ方向に引っ張ることにより行った。このとき、第1及び第2ゴムシートの接合部分が長さ方向の中央に位置するように挟んだ。また、試験片の元の長さを100%としたとき、引張速度が200%/分となるように各試験片を引っ張った。引張歪み試験の結果を図6に示す。なお、張力(N/mm)は試験片の幅1mm当たりに作用される張力を示す。
図6に示すように比較例の平ベルトは、試験片の伸びが128%、張力が23N/mmのとき切断した。このとき、比較例の平ベルトは、ゴムシートの接合部分にできた継ぎ目において切断された。一方、実施例の平ベルトは、上記条件で引っ張ったところ、試験片の伸びが250%、張力が36N/mmに達しても、実施例ベルトの試験片は切断しなかった。以上のように、比較例の平ベルトは、ゴムシートの接合部分に離型剤が混入されることにより継ぎ目が生じ、その継ぎ目において切断された。一方、本実施例1及び2の平ベルトは、ゴムシートの端部同士が継ぎ目無く強固に加硫接着されているので、引張歪み試験において、その接着部分が切断されなかった。
(B)屈曲試験
上記実施例1及び比較例の平ベルトを、それぞれ、プーリ径60mmの第1及び第2プーリに装着し、一方のプーリを回転させることにより、平ベルトを回転させ、耐屈曲試験を行った。耐屈曲試験においては、平ベルトは、元のベルトの長さを100%としたとき、10%伸張させて、2つのプーリに装着した。平ベルトの回転速度は、実施例1及び比較例においては、10.5m/秒であった。実施例2の平ベルトについても、同様に第1及び第2プーリに装着して耐屈曲試験を行った。ただし、実施例2においては、第1及び第2プーリのプーリ径が80mmであり、平ベルトの回転速度は、13.9m/秒であった。その他の条件は実施例1と同様であった。
比較例の平ベルトは、屈曲回数2.0×107回のとき、クラックが生じることにより破壊された。このとき、比較例の平ベルトは、ゴムシートの継ぎ目部分で切断された。一方、実施例1の平ベルトは、屈曲回数9.7×107回のとき、クラックが生じることにより破壊された。実施例2の平ベルトは、屈曲回数1.3×108回のとき、同様にクラックが生じることにより破壊された。このとき、実施例1及び2の平ベルトは、ゴムシートの接合部分では切断されていなかった。すなわち、本実施例1及び2の平ベルトは、ゴムシートの継ぎ目における強度の低下が無く、強固に接合されているので、屈曲試験において、その部分が切断されなかった。なお、本屈曲試験においては、平ベルトは、1回転する毎に、第1及び第2のプーリにより、2回屈曲されるので、平ベルト1回転につき、屈曲回数を2回とカウントした。
本実施形態に係る平ベルトの斜視図である。 本実施形態に係る加硫成型装置の断面図である。 内型に離型用帆布及びゴムシートが装着される様子を模式的に示す図である。 内型が外型内に挿入されたときの加硫成型装置の断面図である。 帆布付きゴムベルト体及び加硫済ゴムベルト体を模式的に示す斜視図である。 実施例1と比較例の引張歪み試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
20 内型
40 外型
80 離型用帆布(離型材)
81 第1ゴムシート
82 第2ゴムシート
100 平ベルト(単体ベルト)
101 内周面
102 外周面
103 溝
110 第1ゴム層
120 第2ゴム層

Claims (8)

  1. 柱状の内型を、その周面に、筒状に形成されたシート状の離型材を被せ、さらに前記離型材上にゴムシートを端部同士が突き合うようにまたは重なるように巻き付けて、外型の内部に配置する第1工程と、
    前記離型材及び前記ゴムシートを、前記外型と内型によって挟圧するとともに加熱し、前記ゴムシートを加硫成型することにより、前記ゴムシートの端部同士を接合させるとともに、前記ゴムシートに前記離型材を圧着させ、無端状の離型材付きゴムベルト体を得る第2工程と、
    前記内型を前記外型から離脱させ、前記離型材付きゴムベルト体を内型から取り外し、さらに前記離型材をこのゴムベルト体から剥離させ、ゴムベルト体を得る第3工程と
    を備えるゴムベルトの製造方法。
  2. 前記ゴムシートは、前記離型材上に巻き付けられる第1ゴムシートと、前記第1ゴムシートの上に巻き付けられる第2ゴムシートを含むことを特徴とする請求項1に記載のゴムベルトの製造方法。
  3. 前記離型材が帆布であることを特徴とする請求項1に記載のゴムベルトの製造方法。
  4. 前記帆布は、シームレス状に織られ、または編まれた帆布であることを特徴とする請求項3に記載のゴムベルトの製造方法。
  5. 前記帆布が、フィラメント糸を含むことを特徴とする請求項3に記載のゴムベルトの製造方法。
  6. 前記離型材の表面には凹凸があり、前記ゴムベルト体は前記離型材により圧着されることにより、その表面に凹凸が形成されることを特徴とする請求項1に記載のゴムベルトの製造方法。
  7. 少なくとも第1ゴム層が積層され、前記第1ゴム層の一方の表面がベルト表面を形成するゴムベルトであって、
    前記第1ゴム層は未加硫ゴムが加硫成型されることにより得られ、前記第1ゴム層の一方の表面は、加硫成型時、その表面に凹凸を有する帆布が圧着後、剥離されることにより凹凸が形成されることを特徴とするゴムベルト。
  8. 第1ゴム層と、前記第1ゴム層と成分が異なる第2ゴム層を有し、前記第1ゴム層の一方の表面がベルト表面を形成するとともに、前記第2ゴム層が、前記第1ゴム層の他方の面に密着積層して構成されるゴムのみから成る無端状ゴム単体ベルトであって、前記第1及び第2ゴム層は両端部が継ぎ合わされて無端状に形成され、その継ぎ目には離型剤が混入されないことを特徴とする無端状ゴム単体ベルト。

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