JP2007014355A - 乾燥麺類 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間での湯調理又は湯戻しが可能で、食感が良く、さらにはほぐれ性も良好な乾燥麺類を提供すること。
【解決手段】乾燥後の麺線の内部に空洞が存在し、乾燥後の麺線の幅方向断面形状を観察したときに、対向する両面において、幅方向にわたって凹面状の薄肉部が存在し、湯戻し後の麺線の幅方向断面形状を観察したときに、前記薄肉部が消失し、かつ、麺線の中心部に芯が残らない、組織構造上又は形態上の特徴を備える乾燥麺類を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、湯調理後又は湯戻し後に食される乾燥食品の製造技術に関する。
湯で調理したり、湯戻ししたりすることによって、食に適する食感や風味に復元するように設計された様々な乾燥食品が知られている。例えば、ノンフライ即席麺、油揚げ即席麺、乾麺、パスタ、マカロニ、春雨、ビーフンなどを挙げることができる。
これらの乾燥食品は、一般に、デンプン質を含む原料を調製して得られる生地等を、所定の形状に加工した後に、水分供給(加水)を行いながら加熱を行うことによって、前記デンプン質を膨潤、柔軟化等させてレオロジーを変化させた後に、乾燥処理を施すことによって得られる食品である。
この乾燥食品の品質に対しては、(1)生状態の当該食品を調理したものに食感や風味ができるだけ近似すること、(2)粉っぽくないこと、(3)光沢感があること、(4)湯調理や湯戻しが短時間で済むこと(即食性)、(5)即席麺や乾麺などの麺類ではほぐれ性が良いこと、などが求められている。
ここでは、ノンフライ即席麺の製法を例に、主たる従来技術を説明すると、まず、蒸熱処理した後に熱風乾燥する、いわゆる「熱風乾燥製法」を挙げることができる。この製法で得られるノンフライ麺は、麺線を充分にアルファー化することが困難であるため、粉っぽく、生麺を調理したものとは食感や麺質等の差異が大きい。
次に、一旦茹で麺とした後に、水洗いし急速凍結乾燥する、いわゆる「フリーズドライ製法」が知られている。この製法によれば、食感は生麺を調理したものにある程度近づけることができるが、凍結乾燥の過程で水分を飛ばす際に、風味が損失し易いという問題を抱えるとともに、乾燥時間が長く、製造設備が高価であり、また、製造コストも高いという問題がある。
特許文献1には、生麺線を茹で処理し、この茹で処理した茹で麺を水洗いしたあとに水切りし、この状態で冷凍し、完全冷凍した茹で麺を氷温下で解凍しつつ半乾燥又は乾燥する方法が開示されている。この方法では、風味が損失し易く、また長時間の乾燥が必要である。
また、本願・特許出願人は、生麺または乾麺を茹でた後に、茹で麺を5〜60℃の水又は改質液に浸漬し、次いで、温度0〜35℃、湿度10〜60%の条件で冷風乾燥するノンフライ麺の製造方法を提供した(特許文献2参照)。
さらに、同特許出願人は、生麺または乾麺を茹でた後に、茹で麺を放置し、次いで水又は麺質改良剤を含む溶液で茹で麺を洗った後に、温度0〜40℃、湿度10〜60%の条件で冷風乾燥するノンフライ麺の製造方法を提案した(特許文献3参照)。
本願・特許出願人が提供した前掲の製法によって得られるノンフライ即席麺は、生麺を調理したものに近似する、滑らかな食感を備えるとともに、短時間での湯戻しを実現できたが、生麺を調理したものに近似した食感の再現や湯戻しの短時間化等には、依然として改善の余地を残していた。
特開平1−153055号公報。 特許第3394937号公報。 特許第3440231号公報。
そこで、本発明では、短時間での湯調理や湯戻しが可能で、食感が良く、さらにはほぐれ性も良好な乾燥食品であって、かつ生産性が高く、製造コストを低減できる乾燥食品を提供することを主な技術的課題とし、この課題を解決することを主な目的とする。
本発明は、湯調理後又は湯戻しした後に食する乾燥麺類を提供する。本乾燥麺類は、例えば、煮る、炊く、茹でる、蒸すなどの湯調理が施されたり、湯と接触させたりすることによって、食に適した風味や食感に復元するように品質設計された乾燥食品である。
本発明では、(1)乾燥後の麺線の内部に空洞が存在し、(2)乾燥後の麺線の幅方向断面形状を観察したときに、対向する両面において、幅方向にわたって凹面状の薄肉部が存在し、(3)湯戻し後の麺線の幅方向断面形状を観察したときに、前記薄肉部が消失し、かつ、麺線の中心部に芯が残らない、という以上(1)から(3)の組織構造上又は形態上の特徴を備える乾燥麺類を提供する。
本願発明者らは、上記内容の特徴をすべて備える乾燥麺類が、湯調理や湯戻しに要する時間が短く、かつ生麺を調理したものに極めて近似する食感となることを、長年に及ぶ研究によって新規に見出した。
この理由は、まず、本発明に係る乾燥麺類には、薄肉部が形成されているので、麺線全体の表面積が大きくなり、この結果、麺線と湯の接触効率が飛躍的に向上するからと推定できる。また、前記薄肉部の存在で、中心部への熱伝導と湯の浸透が促進され、これによって食感の復元が迅速化するからと推定できる。次に、麺線の内部に存在する空洞により、湯が麺線全体に浸透し、麺線全体が均一に柔軟化していくからと推定できる。
上記(1)から(3)の組織構造上又は形態上の特徴を備える乾燥麺類は、湯調理や湯戻しされた後には、前記薄肉部が膨張して、その外形は乾燥処理前の外形に復元して滑らかな表面を形成するとともに、麺線の中心部に芯が残らない。
以下、本発明で使用する技術用語の定義付けを行う。
本発明に係る「乾燥麺類」とは、人為的に水分含有率の低下が施された食品を意味し、長期保存に耐えられる低水分含有率(例えば、10%程度)の食品や比較的水分含有率が高い半乾燥食品も含む。
本発明に係る乾燥麺類は、湯調理や湯戻しに要する時間を短縮化でき、かつ生麺を調理したものに極めて近似する食感を提供できる。これらの効果は、口径の太い麺、厚みのある麺の場合には、特に顕著である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<乾燥麺類>
本発明に係る乾燥麺類を、図1から図5を用いて説明する。図1は、本発明に係る乾燥麺類の一実施形態であって、麺類の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である。
図1に示す通り、本発明に係る乾燥麺類には、麺線の内部に空洞が存在する。また、乾燥後の麺線の幅方向断面形状を観察したときに、対向する両面において、凹面状の薄肉部が幅方向にわたって形成され、全体的にはダンベルの如き形態である。
本発明に係る乾燥麺類は、表面積が増加するように、意図的に麺線を変形させ、かつ、意図的に麺線の内部に空洞を形成している。これは、本願発明者らの鋭意研究により、乾燥食品を湯で調理したり、湯戻ししたりする場合では、湯に接する当該食品の表面積の大小が、湯戻り時間や調理時間に大きく影響することを突き止めたことに基づいている。
本発明に係る乾燥麺線は、薄肉部を有することにより、湯に接する表面積が顕著に増加して湯接触効率が高まり、中心部への熱伝導と湯の浸透が促進され、麺線内部の空洞を介して湯の浸透を早めることができる。従って、湯調理や湯戻しに要する時間の短縮化を図ることができる。
図2は、図1とは別の実施形態に係る乾燥麺類であって、湯調理又は湯戻し前の麺線の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である。上記と同様に、本実施形態の乾燥麺線は、幅方向断面形状を観察したときに、対向する両面において、凹面状の薄肉部が幅方向にわたって形成され、全体的にはダンベルの如き形態である。
図3は、図2の乾燥麺線の湯戻し後の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である。図3に示す通り、湯戻し後の麺線は、幅方向断面形状を観察したときに、薄肉部を有さない。即ち、図2で示す湯戻し前の麺線と比較すると、湯戻し後には薄肉部が消失する。
本発明に係る乾燥麺線は、湯戻しによって薄肉部が膨張して、その外形からは薄肉部が消失して滑らかな表面を形成するとともに、麺線の中心部に芯が残らない。
図4は、図1及び図2とは別の実施形態に係る乾燥麺類であって、湯調理又は湯戻し前の麺線の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である。上記と同様に、本実施形態の乾燥麺線は、幅方向断面形状を観察したときに、対向する両面において、凹面状の薄肉部が幅方向にわたって形成され、全体的にはダンベルの如き形態である。
図5は、図4の乾燥麺線の湯戻し後の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である。図5に示す通り、湯戻し後の麺線は、幅方向断面形状を観察したときに、薄肉部を有さない。即ち、図4で示す湯戻し前の麺線と比較すると、湯戻し後には薄肉部が消失する。
<乾燥麺類の製造方法>
本発明に係る乾燥麺類の製造方法の一例について、フロー図である図6に基づいて説明する。なお、本発明に係る乾燥麺類の製造方法は、以下の実施形態や実施例に狭く限定されない。
<調製物形成工程A>
まず、本製造方法では、小麦粉などのデンプン質を含む原料を対象として、調製物形成工程Aを行う。本発明で用いる「デンプン質を含む原料」とは、植物の種子、根、茎、塊茎、塊根などに含まれるデンプン質、例えば、小麦、そば、米、とうもろこし、緑豆、馬鈴薯、甘藷、タピオカなどを由来とする原料や大麦、ライ麦、カラス麦、ハト麦、葛などの原料も広く包含し、狭く解釈されない。
また、「調整物」とは、前記原料を調整加工して得られる物であって、例えば、前記原料に水や目的に応じた添加剤(例えば、食塩、かんすい等)を加え、混合、混捏、混練、圧延等の処理を施すことによって得られる物(例えば、生地)を意味する。
調製物形成工程Aの例を幾つか挙げると、「中華麺」の場合は、例えば、準強力小麦粉に、食塩、かんすい粉、水を所定量加えて混合、混練して生地を形成する。「うどん」の場合は、例えば、中力小麦粉に食塩と水を所定量加えて混合、混練して生地を形成する。「そば」の場合は、例えば、そば粉に小麦粉、食塩、水を所定量加え、混合、混練して、生地を得る。
なお、小麦粉などに含まれるタンパク質(グリアジン、グルテニン)は、本調製物形成工程Aの過程で、粘り気のあるグルテンに変化する。このグルテンは、ネットワークを形成し、食感の重要な構成要素である「コシ」を形成する。
<形状加工工程B>
次に、調製物形成工程Aに続いて、形状加工工程Bを行う。即ち、調製物である生地等を、線状、棒状、帯状などの形状に加工して加工対象物を得る。「加工対象物」とは、線状、棒状、帯状などの形態を備える物であって、これらの形態物が、空隙あるいは隙間を有して、整列又は集合している状態の物を意味し、麺類であれば、麺線の集合体を意味する。
例えば、平板状に圧延して所定の厚みに形成した後に切断、切り出しなどを行い、あるいは押し出し、引き伸ばし等によって目的の形状に加工する。なお、本発明においては、形状加工の方法それ自体は狭く限定されない。
このようにして得られた形状物が、空隙あるいは隙間を有して整列、集合等している状態の物を、次工程での加工対象物とする。乾燥麺類を製造する場合では、この加工対象物は、麺線の集合物であり、一般に「麺塊」とも称される。
<加熱処理工程C>
次に、前記加工対象物を対象として、加熱処理工程Cを行う。この加熱処理工程Cは、本発明において必須の工程ではないが、目的や必要に応じて実施する。特に、麺類を加工対象物としてノンフライ即席麺などの乾燥麺類を製造する場合では、加熱処理工程Cを実施することが望ましい。
加熱処理工程Cの方法としては、例えば、蒸熱処理、マイクロウエーブ処理、遠赤外線処理、熱風又は温風処理などを挙げることができる。さらに、これらの処理と水分供給手段を組み合わせた処理を挙げることができる。どの加熱手段を採用するかは、目的に応じて適宜選択すればよい。
加熱処理工程Cを次の第一工程(茹で処理工程)Pの前段階で行なっておくことによって、次工程での加工対象物の表面部に存在するデンプン粒は崩壊状態までには至らず、膨潤状態に留まる。同時に、加工対象物表面の組織構造は強化され、被膜が形成されたような状態となる。
これにより、次の第一工程Pでの茹で溶け等を有効に防止でき、また、加工対象物表面同士の結着を有効に防止できる。
従って、後続の第三工程(風乾燥工程)Pにおける加工対象物の風通し(風抜け)が良くなる。加工対象物が麺類等の場合では、食する時の麺の「ほぐれ性」も非常に向上する。
例えば、ノンフライ即席麺等の麺類を製造する場合では、加熱処理工程Cにおいて蒸熱処理を行うことによって、茹で溶け防止やほぐれ性向上などの効果を確実に得ることができる。
<第一工程(茹で処理工程)P
この第一工程Pは、前段階の工程を経た加工対象物を、所定時間、湯中で茹で上げる工程である。この第一工程Pでは、この加工対象物に、充分に水分が供給されると同時に、熱が加えられることになる。
加工対象物中のデンプン粒は、アミロース、アミロペクチンのグルコース分子鎖が規則的に配列して、水も入りえない程に緻密なミセルを形成している部分を有するが、「茹で処理」を行うことによって、デンプン分子の運動が激しくなり、ついには前記ミセル部分に水が入り込むようになる。そうすると、デンプン分子鎖は不規則な配列に構造変化して、膨潤する。また、デンプンの結晶性が失われるにつれ、レオロジーが次第に変化し、柔軟になる。この茹で処理工程は、食する際の食感が概ね決定する重要な工程である。
この茹で処理は、例えば、沸騰湯槽中で、処理する加工対象物に適する処理時間を設定して実施する。茹で時間が不足すると、最終製品に硬い食感(芯があるような食感)が残存する。一方、茹で時間が長すぎると、表面のデンプン粒が完全に崩壊してしまい、柔らかくなりすぎるので、麺類の場合ではほぐれ性も悪化する。
例えば、蒸熱処理された切刃16番や20番から得られる太さの中華麺では、沸騰湯中に2〜4分程度、特に好適には、3〜4分程度で茹で処理すると、最終製品である乾燥食品(乾燥麺類)の食味とほぐれ性が良好となり、色調その他の麺線状態も良好となる。
このように、茹で処理の時間は、前段階での加熱処理工程Cの有無に加えて、加工対象物の口径(太さ)、厚みなどを考慮して、適宜決定することができる。
<第二工程(水溶液接触工程)P
この第二工程Pは、茹で処理された後の加工対象物を湯からより低温の水溶液中へ移し、所定時間、該水溶液と接触させる工程である。
この第二工程Pは、一般に、当業者において乾燥食品の製造過程では好ましくない現象であると半ば常識化している、いわゆる「茹で伸びに類似した現象」を、発想を大きく転換して、適度な範囲で意図的に起こさせることを特徴とする。
本工程Pの過程では、必要に応じて、第一工程Pを経た加工対象物を、流動する水溶液と接触させて水洗いしたり、あるいはこの水洗い後に、水溶液中に浸漬させたりするようにしてもよい。
この方法によれば、前記加工対象物に対して水洗い効果が加わる。この結果、特に、最終製品が麺類などの場合では、麺線のほぐれ性等もより向上させることができるので好適である。
この第二工程Pで使用する「水溶液」は、水、あるいは改質液を採用することができる。「改質液」としては、例えば、pH調整剤含有水溶液、ほぐれ性改良剤含有水溶液、アルコール水溶液、着味剤含有水溶液などを例示できる。
この水溶液の温度条件は、5〜55℃が適当であり、通常は、常温(15〜25℃程度)であればよい。55℃を超えた場合、特に、70℃以上の高温域の水溶液を採用した場合では、短時間で水分を吸収して増重するが、加工対象物の表面が荒れたり、べた付きが発生したりするという問題が発生するので、好ましくない。
なお、水溶液との好適な接触時間は、加工対象物の種類や物性に応じて、該水溶液の温度との相関性を充分に検証した上で決定する。
この第二工程Pは、次の4つの目的で行う。
第二工程Pの第1の目的は、茹で処理の過程で表面に溶出してきたデンプン質に起因するべた付きを除去することである。これにより、加工対象物間の結着を起こり難くする。加工対象物の表面同士の結着が防止されると、該加工対象物中に隙間や空隙が確保された状態を保持しながら後続の工程に移行する。これにより、特に、後続の風乾燥工程(第三工程P3)においては、風が加工対象物中を通り抜け易くなる。この結果、乾燥効率が飛躍的に向上し、短時間での風乾燥が可能となる。
前記第二工程Pの第2の目的は、加工対象物の中心部にまで水分を浸透させることによって膨潤(体積増大、増重)させ、かつ組織構造を水の介在により粗にすることである。
前記第二工程の第3の目的は、第一工程(茹で処理)を経て、中心部に比べて表面部側の水分含有率が高まっている加工対象物に対して、該加工対象物の表面と中心の水分差(水分含有率の差)を小さくすること、即ち、加工対象物の水分勾配が可及的に小さくなるように調整することである。この水分勾配調整により、後続の風乾燥工程(第三工程P3)においては、加工対象物の表面が中心部よりも速く乾燥が進行する。即ち、後続の風乾燥工程(第三工程)P3で、加工対象物の表面部と中心部での乾燥の進行に差を発生させる。
前記第二工程の第4の目的は、第一工程で茹で処理された加工対象物を冷却することにより加工対象物表面でのデンプン分子鎖の再配列化を促進して、後続の工程に移行させることである。
<放置工程D>
第二工程Pを経た加工対象物を、所定時間、「放置」するように工夫することが望ましい(図6参照)。
この放置工程Dとしては、例えば、−5〜40℃の環境下に静置し、より好適には、冷蔵温度域から室内環境温度域の雰囲気温度下に静置する方法を採用できる。
室内環境下での放置時間は、加工対象物の種類や形状、前工程での条件設定、放置の温度条件によっても異なるが、例えば、中華麺などの場合は10時間や15時間でも可能である。しかし、品質や生産性などを考えると、1〜6時間程度が好適である。
なお、色調のくすみ等の問題を除けば、24時間程度の放置も採用可能である。1時間未満であると、食感に硬さが感じられるようになり、ほぐれ性が悪化する場合がある。
放置時間が不足すると、部分的に硬い食感となったり、ほぐれ性が悪化したりしてしまう。一方、放置時間が過剰になると、麺の食感にコシがなくなり、色調が変化してしまう等の問題が起こる。
室内環境下での放置を、第二工程(水溶液接触工程)Pの後段階で行った場合では、加工対象物の表面の水分が適度に除去され、該表面の老化を適度に進行させることもできる。これにより、加工対象物の表面同士の結着をさらに有効に防止できる。
また、この放置工程Dとしては、加工対象物を水溶液に浸漬させる方法も採用することができる。特に、加工対象物がうどんや太い口径の中華麺などの場合では、室内環境下に静置する前記放置方法よりも、加工対象物を水溶液に浸漬させた状態で放置することがより望ましい。
水溶液浸漬による放置を行った場合では、うどんや太い口径の中華麺であっても、短時間で、効率よく水分勾配の調整を行うことができるという利点がある。
以上のような放置工程Dを行うことにより、前記第二工程Pで吸収した水分を、加工対象物全体に行き渡らせることができる。この結果、この加工対象物の表面と中心部での可及的な水分勾配調整を、上記第二工程Pに引き続いて実施することができる。
従って、この放置工程Dは、水分勾配調整工程としての意義も有している第二工程Pの補完的な工程としての役割を担う。
<水洗工程E>
前記放置工程Dに続いて、水分勾配調整が完了した状態の加工対象物に水洗工程Eを施してから第三工程(風乾燥工程)Pに移行するようにしてもよい(図6参照)。
この水洗工程Eは、流動する水溶液中に加工対象物を投入等することによって行うことができる。特に、加工対象物が麺線の集合物である場合では、本水洗工程Eを実施するのが望ましい。
この水洗工程Eは、加工対象物に水流を作用させて、加工対象物を「ほぐす」ことを主な目的とするので、ほぐし改良剤等の添加剤を用いることも可能である。
この「ほぐし効果」によって、次の第三工程(風乾燥工程)Pでの加工対象物に対する風通りが向上し、風乾燥効率を一層向上させることができるとともに、湯戻しや湯調理された後に食される際のほぐれ性の向上に役立つ。従って、特に、加工対象物が麺類の場合では、水洗工程Eを積極的に採用すべきである。
<水切り工程F>
第二工程(茹で処理工程)Pを実施して第三工程(風乾燥工程)Pに移行する場合、第二工程P後に室内環境下での静置(放置工程D)を行い、これに続いて水洗工程Eを実施して第三工程(風乾燥工程)Pに移行する場合、あるいは水溶液浸漬による放置工程Dやこれに続いて水洗工程Eを実施した後で第三工程(風乾燥工程)Pに移行する場合では、次の第三工程(風乾燥工程)Pの前に水切り工程Fを行うようにする。
この水切り工程Fでは、例えば、前段階の工程を経た加工対象物を、網状又は籠状などのケースに収容した状態で水溶液槽から引き上げて水分を自然落下させる方法を採用できる。または、前記ケースを適度に上下動させる方法、あるいは、遠心分離を用いる方法などによって水分を強制除去する方法などを採用できる。
この水洗工程Eによって、加工対象物の隙間に存在する水分や該加工対象物の表面に付着した余剰の水分を除去できるので、後続の第三工程Pでの風乾燥効率を向上させることができる。
<第三工程(風乾燥工程)P
この第三工程Pは、上記第二工程Pを経た加工対象物、あるいは、第二工程Pに続き、放置工程Dや水洗工程E等を順次経てきた加工対象物を、温度45〜100℃、湿度5以上55%未満の条件下で、風乾燥する工程である。
この第三工程Pでは、第一工程P→第二工程P、あるいは、加熱処理工程C→第一工程P→第二工程P→放置工程D→水洗工程E→水切り工程Fなど、適宜選択された必要な工程を順次経て、水分を充分に吸収し、かつ水分勾配が可及的に小さくなるように調製された加工対象物に対して、低湿度の風を中高温度条件下で接触させて、該加工対象物から水分を急速に奪い、乾燥食品として望ましい低水分含有率を達成する。
この温度条件は、45〜100℃、より好適には、50〜90℃の範囲に設定するのが望ましい。さらに70℃以上の温度域条件に設定すると、食感良好の乾燥麺類等が提供できるとともに、かつ大腸菌群や一般細菌類の増殖を確実に抑制しながら温風乾燥処理できるという利点がある。
また、この第三工程Pでの風速が遅すぎると、最終的に得られる乾燥製品は、ガラス質様の外観に変化する傾向があり、所望する変形や亀裂や空洞の形成を達成することが困難となる。風速2m/秒程度を確保できると、最終的に得られる乾燥製品には、所望する変形や亀裂や空洞の形成を達成することができ、最終品質も良好となる。
一方、第三工程Pでの風速が過剰であると、風圧の影響で製品形状が不良になる問題やエネルギー非効率の問題等が発生するので、このような問題が起こらない程度の風速上限を選定して、風乾燥を行うべきである。
また、加工対象物の特定の箇所に風が集中してしまった場合では、乾燥が不均一になってしまうばかりか、風が集中した部分が風方向に流されたり、踊ったりして、その部分がそのまま乾燥すると、形状不良となってしまうという問題が発生する。
従って、本発明では、好適な風速条件の風を、加工対象物の全体にわたって、均等に通り抜けて行くようにすることが望ましいことから、それを実現可能な装置的工夫や条件設定を選択して風乾燥を行うようにする。
この風乾燥を行う場合では、所定時間以内に乾燥前重量に対して、どの程度の乾燥後重量にするかという点が、非常に重要である。本願発明者らの鋭意研究の成果によって、加工対象物を短時間で、急速に風乾燥させることが、最終製品である乾燥食品に亀裂や空洞を形成するための重要な要因であることが判明した。
反対に言えば、長時間をかけた風乾燥では、加工対象物の表面と内部での水分含有率低下の進行の差(乾燥の進行の差)を有効に利用して、乾燥食品に亀裂や空洞が充分に形成することが困難である。
また、この第三工程Pにおいて、風乾燥効率を高いレベルに維持するためには、乾燥機や乾燥室等での低湿度環境を維持することが重要となるので、本第三工程Pでは非循環方式又は/及び除湿環境下での風乾燥を行うことがより望ましい。なお、非循環方式と除湿環境下での風乾燥は、それぞれ単独で実施してもよく、組み合わせてもよい。特に、乾燥の初期段階では、急速乾燥を確実に達成するため非循環方式の乾燥を採用するのが望ましい。
ここで「非循環方式」の風乾燥とは、一度乾燥に使用して湿度が高くなった空気を再使用しない方式の風乾燥方法を意味する。「除湿環境下」の風乾燥とは、乾燥室や乾燥機内に除湿装置等を付設し、強制的な除湿を行いながら送風する方式の風乾燥方法を意味する。
これらの風乾燥方法を採用した場合では、一度使用した空気を繰り返し使用することがなく、また、低湿度を確実に維持できることから、風乾燥効率が向上し、乾燥機や乾燥室内での微生物の繁殖を抑制できる。
この第三工程Pは、次の2つの目的で行う。
第三工程Pの第1の目的は、第一工程P、第二工程Pを経て水分を吸収した加工対象物に対して、低湿度の風を当てて、該加工対象物から水分を急速に奪い、長期保存にも適する水分含有率の低い乾燥食品や半乾燥食品を得ることである。
第三工程Pの第2の目的は、最終製品である乾燥食品の表面積が増加するように意図的に変形させ、かつ該食品中に亀裂や空洞を意図的に形成することである。これは、本願発明者らの鋭意研究により、乾燥食品を湯で調理したり、湯戻ししたりする場合では、湯に接する当該食品の表面積の大小が、湯戻り時間や調理時間に大きく影響することを突き止めたことに基づいている。
上記第一工程P(茹で処理)と第二工程P(水溶液接触)を経て、水分が供給されるとともに、表面部と中心部の水分勾配がより小さくなるように調製され、かつ結着のない状態に処理された上で、本第三工程に移行してきた加工対象物に対して、上記したような温度並びに湿度の条件の下で、所定時間かけて風乾燥を行うと、加工対象物の表面部と中心部の乾燥の進行に差が生じる。
これにより、乾燥が速く進む表面部が中心部に先んじて一気に固化し、これに伴って、乾燥の進行が遅く、まだ柔らかな状態にある中心部から水分が抜ける際に、加工対象物の内部が減圧状態となるので、大気圧によって押しつぶされて変形し、薄肉部が形成される。
例えば、加工対象物の幅方向の断面形状が長方形や楕円形などの形状である場合では、特に、断面長手表面部分が中心部に向って凹面状に変形して薄肉部を形成する。このような変形が発生する過程では、加工対象物の内部組織構造に収縮や歪が発生して、亀裂や空洞が形成されるようになる。特に、収縮や歪が集中する中心部には空洞が多数形成される。
これにより、(1)薄肉部からは中心部の水分が蒸発し易くなるので乾燥効率が向上し、(2)変形(薄肉化)により湯に接する表面積が顕著に増加して湯接触効率が高まり、(3)亀裂や空洞を介して湯の浸透を早めることができ、(4)薄肉部を有するので、中心部への熱伝導と湯の浸透が促進され、(5)表面部に亀裂や空洞が存在しないので生麺を調理したような滑らかな食感が得られる。これら(1)〜(5)の作用により、生産性の向上や製造コストの低減を図ることができるとともに、短時間での湯戻りや湯調理が可能で、かつ食感が良好な食品(湯調理又は湯戻り不充分箇所のない食品)を得ることができる。
上記した製造方法は、例えば、ノンフライ即席麺、油揚げ即席麺、乾麺、スパゲッティ、春雨、ビーフンなどの乾燥麺類の製造に好適であり、麺類以外にも、スパゲッティ以外のパスタ類、マカロニなどの乾燥食品の製造にも利用できる。特に、ノンフライ即席麺の製造に利用した場合では、生麺を調理したものに極めて近似する食感と滑らかな表面を備え、かつほぐれ性の良い品質のものを提供することができる。
また、上記した製造方法では、風乾燥前の工程段階で、充分に、水分勾配の調整、表面結着の防止を施すように工夫した上で、風乾燥を好適な温度、湿度の条件の下で行うようにしたので、乾燥食品の表面積を増加させるとともに、亀裂や空洞を多数形成することができる。これにより、湯に接する当該食品の表面積が顕著に増加し、湯の浸透を早めることができるので、短時間での湯戻りや湯調理が可能であり、かつ食感が良好で、ほぐれ性も良好である乾燥食品を製造することができる。更に、本製造方法は、短時間乾燥を前提とするので、生産性が高く、製造コストを低減できる。
<本発明に係る乾燥麺類の組織構造上又は形態上の特徴の検証試験>
本試験の目的は、本発明に係る乾燥麺類の組織構造上又は形態上の特徴を、電子顕微鏡を用いて確認することである。
本試験での分析は、電界放射型走査電子顕微鏡(日立製作所製:S−800)を用いて、試料である乾燥麺の幅方向断面のSEM像(凹凸による二次電子量の変化を輝度に返還してイメージ化したもの)を観察した。なお、加速電圧は6.0kVである。
本試験で使用した乾燥麺は、準強力小麦粉3kgを100重量部とし、これに食塩1重量部、かんすい粉末1重量部、色素0.05重量部、水35重量部を混合し、厚さ1.40mmの麺帯に圧延して、切刃16番角で太麺に切断し、加工対象物である生麺線を得た。
この生麺線に、温度100℃で3分間蒸熱処理(加熱処理工程)を行い、その後約100℃の熱湯で3分間茹で処理を行った後に、直ちに冷水に接触させた後に適量分取し、20℃の室内環境下で1時間放置した。その後、温度20℃の水道水で水洗いしてほぐした。続いて水切りし、第三工程(風乾燥工程)へ直ちに移行させたもの用いた。
第三工程での風乾燥の条件は、「実施例I」が温度80℃で、湿度15%の温風低湿度の条件であり、「比較例I」が温度80℃、湿度70%の温風高湿度の条件である。各々の条件で、1時間半かけて風乾燥を行った。
なお、補充試験で、温度80℃で、湿度15%の条件下で、1時間の風乾燥を実施したところ、以下と同様の結果が得られた。
ここで、図1、図7は、前記実施例Iの麺線の幅方向断面の拡大電子顕微鏡写真(図面代用写真)である。図8は、前記比較例Iの麺線の幅方向断面の他の拡大電子顕微鏡写真(図面代用写真)である。
添付した図1、図7を参照するとわかるように、「実施例I」では麺断面の内部に空洞が形成されているとともに、麺線の中心部から表面部付近にわたる範囲に亀裂が散在していることが明らかになった。また、麺線の幅方向断面形状を観察すると、幅方向中央部に薄肉部が存在し、ダンベルの如き形状を有していた。
一方、図8を参照するとわかるように、「比較例I」では、麺の断面に空洞がほとんど形成されていないことが判明した。また、麺線の中心部から表面部付近にわたる範囲に亀裂がわずかに認められるが、数、サイズともに「実施例I」に比べて顕著に劣っていることを確認できた。また、麺線の幅方向断面形状を観察すると、実施例Iのような凹面状の如き薄肉部を認めることができなかった。
以上から、本発明に係る製造方法で得られる乾燥麺は、独特の組織構造上又は形態上の特徴を備えることが明らかである。
これは、第一工程(茹で処理)と第二工程(水溶液接触)を経て、水分が供給されるとともに、表面部と中心部の水分勾配がより小さくなるように調製され、かつ結着のない状態に予め処理された上で、第三工程(風乾燥工程)に移行してきた麺線に対して、低湿度、中高温度域の条件で風乾燥を行うと、麺線の表面部と中心部の乾燥の進行に差が生じて、乾燥が速く進む表面部が中心部に先んじて一気に固化し、これに伴って、乾燥の進行が遅く、まだ柔らかな状態にある中心部から水分が抜ける際に内部が減圧状態となるので、大気圧によって押しつぶされるように変形し、薄肉部が形成されるからと推定できる。
例えば、麺線の幅方向の断面形状が長方形(「実施例I」参照)や楕円形などの形状である場合では、断面長手表面部分が中心部に向って凹面状に変形して薄肉部が形成され易くなる。このような変形が発生すると、麺線の内部組織構造に収縮や歪が発生することによって亀裂や空洞が形成され、特に、収縮や歪が集中する中心部には、空洞が多数形成されると推定できる。
このような特徴を備える乾燥麺類は、薄肉部が形成されて麺線全体の表面積が大きくなっており、これにより麺線と湯の接触効率が飛躍的に向上する。また、前記薄肉部を介して湯による食感復元が迅速化する。
また、中心部から表面部付近にわたる範囲に形成された多数の亀裂を介して、毛細管現象等により湯が中心部に向けて浸透し、麺線全体が均一に柔軟化する。この結果、この乾燥麺類は、湯調理や湯戻しに要する時間が短く、かつ生麺を調理したものに極めて近似する食感となる。
<風乾燥による変形と湯戻し後の麺の断面形状の確認試験>
本試験の目的は、麺線の形状が異なるサンプル(長方形、楕円形、円形)を用意し、風乾燥後の変形状態を確認するとともに、湯戻し後の麺の断面形状の変化を確認することである。
本試験では、オリンパス光学工業社製の実体顕微鏡(S6045TR-SCTV)を用いて、サンプル麺線の切断面を観察した。測定倍率は、50倍である(接眼10倍×対物5倍)。
このように用意した各サンプルを、以下の「表1」に示す時間だけ沸騰湯中に浸漬した後に、直ちに水切りした。その後エタノール中に浸漬してから取り出し、麺線に対して垂直にナイフを入れて、幅方向の切断面を作製し、該切断面を上記手法によって観察した。
本試験で使用した乾燥麺は、準強力小麦粉3kgを100重量部とし、これに食塩1重量部、かんすい粉末1重量部、色素0.05重量部、水35重量部を混合した。「実施例ア」の長方形麺の場合は、厚さ1.40mmの麺帯に圧延して、切刃16番角で太麺に形状加工し、加工対象物である生麺線を得た。また、「実施例イ」の楕円形麺の場合は厚さ0.95mmの麺帯に圧延し、「比較例ア」の円形麺の場合は厚さ1.42mmの麺帯に圧延し、その後、それぞれ切刃20番丸を用いて形状加工した。
これらの生麺線に、温度100℃で3分間蒸熱処理(加熱処理工程)を行い、その後約100℃の熱湯で、麺線の太さに応じて時間を設定して茹で処理を行った後に、直ちに冷水に接触させた後に適量分取し、20℃の室内環境下で1時間放置した。その後、温度20℃の水道水で水洗いしてほぐした。続いて水切りし、第三工程(風乾燥工程)へ直ちに移行させた。風乾燥は、温度60℃、湿度15%の条件で行った。なお、茹で処理時間は、実施例アは3分、実施例イは2分、比較例アは2分30秒である。
本試験で採用した実施例ア、実施例イ、比較例アの各幅方向垂直断面形状と、各測定時点に対応する各例の断面形状の顕微鏡写真を示す図番を一覧にした(「表1」参照)。なお、各顕微鏡写真には、各断面の外形を認識し易くするために、外形線を付記している。
まず、添付した図9A〜図9H(図面代用写真)を参照すると、実施例アの長方形麺では、乾燥直前の麺の断面形状は長方形をしている(図9A参照)。風乾燥工程直後では、凹面状の薄肉部が幅方向にわたって形成され、全体的にはダンベルの如き形態に変形していることがわかる(図9B参照)。
湯戻しすると、次第に形状が乾燥前の状態に復元することがわかる(図9C〜図9H参照)。湯戻し4分後でも、中心部には芯が確認できないので(図9F参照)、湯戻りが充分かつ迅速に行われたことがわかる。これは、薄肉部を有するので、中心部への熱伝導と湯の浸透が促進されたことが主な原因と考えられる。
次に、添付した図10A〜図10D(図面代用写真)を参照すると、実施例イの楕円形麺では、乾燥直後の麺には、凹面状の薄肉部が形成されている(図10A参照)。
湯戻しすると、次第に形状が乾燥前の状態に復元することがわかる(図10B〜図10D参照)。湯戻し3分後でも、中心部には芯が確認できないので(図10D参照)、湯戻りが早いことがわかる。これは、実施例ア同様に、薄肉部を有するので、中心部への熱伝導と湯の浸透が促進されたことが主な原因と考えられる。
そして、添付した図11A〜図11D(図面代用写真)を参照すると、比較例アの円形麺では、乾燥直後の麺には、小さな窪みが幾つか形成されているにとどまり、実施例アや実施例イのような幅方向中央位置で凹面状をなす薄肉部は確認できなかった(図11A参照)。これは、円形麺では、風乾燥工程時に水分の蒸発が均等に起こるので、歪みが生じないからと推定できる。
なお、円形麺でも湯戻しすると、次第に形状が乾燥前の状態に復元することがわかる(図11B〜図11E参照)。しかし、湯戻し4分後であっても、依然として中心部に芯(白濁部分)が残っていることが明らかに観察できる(図11E参照)。これは、風乾燥後に薄肉部が形成されていないので、中心部への熱の伝導や湯の浸透が遅いためと推定できる。
以上の試験結果から、麺線の幅方向断面が長方形や楕円形の場合では、湯戻しの間に、湯戻りが充分かつ迅速に行われることが明らかになった。従って、幅方向断面が長方形や楕円形の麺線は、即食性が要求される即席麺に好適である。
<第一工程(茹で処理工程)の「茹で時間」の検証試験>
本検証試験の目的は、第一工程における茹で処理時間の最終製品に及ぼす影響を検証して、好適な茹で時間を選定することである。
本試験では、準強力小麦粉3kgを100重量部とし、これに食塩1重量部、かんすい粉末1重量部、色素0.05重量部、水35重量部を混合し、圧延して麺帯を作成した。得られた麺帯を切刃20番(麺厚1.25mm)、16番(麺厚1.15mm)、16番太麺(麺厚1.40mm)で形状加工し、加工対象物である生麺線を得た。
この加工対象物に蒸熱処理(加熱処理工程)を100℃で3分間施し、第一工程(茹で処理)を約100℃の熱湯で1〜5分、あるいは1〜6分の範囲で変化させた。その後直ちに冷水に接触させた後に適量分取し、20度の室内環境下に1時間放置した。その後、20℃の水道水で水洗いしてほぐした。続いて水切りし、風乾燥(第三工程)は、温度60℃、湿度20%の条件で約1時間半行った。
このようにして得られた乾燥麺60gをカップに移し、約100℃の熱湯を注ぎ入れ蓋をした。切刃20番と16番の乾燥麺は4分後に、切刃16番太麺は5分後に、蓋を開封して、麺線状態、食味、ほぐれ性の評価を行った。
評価は、経験豊富なパネラー10名で行い、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)の三段階で行った。なお、「麺線状態」は、粉っぽさ、硬さ、べた付き、色調の4点で総合評価し、「食味」は、「風味」と「食感」の2点で総合評価した。評価結果を次の「表2」に示す。
前掲の「表2」に示されているように、第一工程での「茹で時間」の長短は、麺線状態、食味、ほぐれ性に影響を与えることを確認できた。切刃20番、16番の麺では、2〜4分の茹で処理が好適である。2分未満であると、芯が残った食感でほぐれ性が悪い。4分を超えると、べた付きが発生し、食感が柔らかくなり過ぎ、ほぐれ性も悪化した。
16番太麺では、3〜5分が好適であった。3分未満であると、麺線がばらけすぎてしまい、食感が粉っぽくなった。5分を超えると、べた付きが発生し、食感にコシがなくなる傾向が見られた。
<蒸熱処理工程の時間の検証試験>
本試験の目的は、第一工程(茹で処理)前に蒸熱処理工程を実施する製造工程を採用した場合に、蒸熱処理時間が品質に及ぼす影響を検証し、好適な蒸熱処理時間の選定を行うことである。
本試験では、準強力小麦粉3kgを100重量部とし、これに食塩1重量部、かんすい粉末1重量部、色素0.05重量部、水35重量部を混合し、圧延して厚さ1.40mmの麺帯を作成し、この麺帯を切刃16番角で形状加工し、加工対象物である生麺線を得た。
この生麺線に蒸熱処理(加熱処理工程)を温度100℃で1〜7分の間で変化させて実施し、以後茹で処理を温度約100℃で3分間行った。直ちに冷水に接触させた後に適量分取し、20度の室内環境下に1時間放置した。その後、20℃の水道水で水洗いしてほぐした。続いて水切りし、第三工程(風乾燥工程)へ直ちに移行させた。風乾燥の条件は、温度60℃、湿度20%として、乾燥時間は1時間半とした。
このようにして得られた乾燥麺(中華麺)60gをカップに移し、約100℃の熱湯を注ぎ入れ蓋をした。5分後に開封し、その時の麺線状態、食味、ほぐれ性の評価を行った。
評価は、経験豊富なパネラー10名で行い、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)の3段階で行った。なお、「麺線状態」は、粉っぽさ、硬さ、べた付き、色調の4点で総合評価し、「食味」は、「風味」、「食感」の2点で総合評価した。評価結果を次の「表3」に示す。
「蒸熱処理工程」を第一工程(茹で処理工程)の前に実施する製造工程を採用した場合では、蒸熱処理の時間の選定のやり方次第で、麺線状態や品質(食味とほぐれ性)に影響が発生することが明らかになった。蒸熱処理時間は、特に、2〜4分が好適であることがわかった。
<放置工程での「放置時間」の検証試験>
本試験の目的は、放置工程を実施する製造工程を採用した場合での好適な放置時間を選定することである。
本試験では、準強力小麦粉3kgを100重量部とし、これに食塩1重量部、かんすい粉末1重量部、色素0.05重量部、水35重量部を混合し、圧延して厚さ1.15mmの麺帯を作成した。この麺帯を切刃16番角で形状加工し、加工対象物である生麺線を得た。
この生麺線に、温度100℃で3分間蒸熱処理(加熱処理工程)を行い、その後約100℃の熱湯で3分間茹で処理を行った後に、直ちに冷水に接触させ、適量に分取した。続く放置工程は、温度20℃の室内環境下で静置することにより行い、放置時間は、0分、30分、1時間、3時間、6時間、10時間、15時間、24時間とした。放置工程後に、麺塊を温度20℃の水道水で水洗いした。続いて水切りした後に、第三工程(風乾燥工程)へ移行させた。風乾燥は、温度60℃、湿度20%の条件で、1時間半かけて行った。
このようにして得られた各乾燥麺(中華麺)60gをカップに移し、約100℃の熱湯を注ぎ入れ蓋をした。4分後に開封し、その時の食味、ほぐれ性の評価を行った。
評価は、経験豊富なパネラー10名で行い、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)の3段階で行った。なお、「食味」は、「風味」と「食感」の2点で総合評価した。評価結果を次の「表4」に示す。
前掲の「表4」に示すように、室内環境下での放置時間は、10時間や15時間でも可能であるが、品質や生産性などを考えると、1〜6時間程度が好適である。なお、色調のくすみの問題を除けば24時間程度の放置も採用可能であることがわかった。1時間未満であると、食感に硬さが感じられるようになり、ほぐれ性も悪化することが明らかになった。
<第二工程(水溶液接触工程)の条件設定に関する検証試験>
本試験の目的は、第二工程(水溶液接触工程)での好適な温度条件や処理時間を選定することである。
本試験では、準強力小麦粉3kgを100重量部とし、これに食塩1重量部、かんすい粉末1重量部、色素0.05重量部、水35重量部を混合し、圧延して麺帯を作成した。この麺帯を切刃20番角(麺厚1.25mm)に設定して形状加工し、加工対象物である生麺線を得た。
この生麺線に、温度100℃で3分間蒸熱処理(加熱処理工程)を行い、その後約100℃の熱湯で3分間茹で処理を行った後に直ちに冷水に接触させ、続いて5℃、25℃、55℃の各水溶液に接触(浸漬)させた。これを水切りし、第三工程(風乾燥工程)へ移行させた。風乾燥は、温度60℃、湿度20%の条件で、1時間半かけて行った。
このようにして得られた各乾燥麺(中華麺)60gをカップに移し、約100℃の熱湯を注ぎ入れ蓋をした。4分後に開封し、その時の食味、ほぐれ性の評価を行った。
評価は、経験豊富なパネラー10名で行い、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)の3段階で評価した。なお、「食味」は、「風味」、「食感」の2点で総合評価した。評価結果を次の「表5」に示す。
前掲の「表5」に示されているように、5℃の水溶液には1〜24時間、25℃の水溶液には30分から15時間、55℃の水溶液には15分から6時間程度、それぞれ接触させると好適であることが明らかとなった。また、浸漬温度などの条件次第では、6時間を越える水溶液接触でも、良好な品質の乾燥麺類を得ることは可能であるが、生産性や衛生面等を考えると実用的ではない。
このような条件で第二工程(水溶液接触工程)を行うと、加工対象物(麺線)の水分勾配調整が充分に行われるので、後続の工程において室内環境下での放置工程を設ける必要性がなくなる。
なお、補充試験の結果、70℃の水溶液と接触させた場合では、短時間で増重が最大になるが、麺線表面が荒れ始め、表面にべた付きが発生し易くなることが判明した。
<第三工程での乾燥時間、湿度条件等の検証試験>
本試験の目的は、第三工程での乾燥時間、湿度条件等を検証し、好適な風乾燥条件を選定することである。
本試験では、準強力小麦粉3kgを100重量部とし、これに食塩1重量部、かんすい粉末1重量部、色素0.05重量部、水35重量部を混合し、厚さ1.40mmの麺帯に圧延して、切刃16番角で太麺に形状加工し、加工対象物である生麺線を得た。
この生麺線に、温度100℃で3分間蒸熱処理(加熱処理工程)を行い、その後約100℃の熱湯で3分間茹で処理を行った後に、直ちに冷水に接触させた後に適量分取し、20℃の室内環境下で1時間放置した。その後、20℃の水道水で水洗いしてほぐした。続いて水切りし、第三工程(風乾燥工程)へ直ちに移行させた。風乾燥は、温度50℃で、湿度10%、30%、50%、70%の各条件で行った。
このようにして得られた各乾燥麺(中華麺)60gをカップに移し、約100℃の熱湯を注ぎ入れ蓋をした。5分後に開封し、その時の麺線状態、食味、ほぐれ性の評価を行った。
評価は、経験豊富なパネラー10名で行い、「麺線状態(粉っぽさ、硬さ、べた付き、色調)」、「食味(風味、食感)」、「ほぐれ性」を総合的にとらえた評価とし、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)の三段階で評価した。その評価結果を次の「表6」に示し、この「表6」のデータをグラフ化して得た乾燥曲線を添付の図12に示す。
本試験の結果、第三工程(風乾燥工程)を行う場合では、所定時間以内に乾燥前重量に対して、どの程度の乾燥後重量にするかという点が非常に重要であることがわかった。即ち、加工対象物を短時間で、急速に風乾燥させることが、最終製品である乾燥食品に亀裂や空洞を形成するための重要な要因となることがわかった。
前掲の「表6」及び添付した図12に示すように、第三工程(風乾燥工程)の開始から40分で乾燥前重量の50%以下、60分の間に、乾燥前重量の35%以下の重量に達する程度の急速な風乾燥を実施するのが望ましいことも明らかになった。
また、本試験の結果、湿度70%(比較例A)では、所望するレベルの品質の麺が得られないことが明らかになった(「表6」参照)。
なお、実施例A、実施例B、実施例C、比較例Aそれぞれに該当する乾燥麺類の水分含量は、順に11.3%、11.8%、11.0%、11.1%であった。
<第三工程(風乾燥工程)の温度・湿度条件の検証試験>
本試験の目的は、第三工程での好適な温度及び湿度条件を選定することである。
本試験では、準強力小麦粉3kgを100重量部とし、これに食塩1重量部、かんすい粉末1重量部、色素0.05重量部、水35重量部を混合し、切刃20番角を用いる場合は厚さ1.25mmの麺帯に圧延し、切刃16番角を用いる場合は厚さ1.15mmの麺帯に圧延し、切刃16番角で太麺にする場合は、麺厚1.40mmに設定してそれぞれ形状加工し、加工対象物である生麺線を得た。
この生麺線に、温度100℃で3分間蒸熱処理(加熱処理工程)を行い、その後約100℃の熱湯で3分間茹で処理を行った後に、直ちに冷水に接触させた後に適量分取し、20℃の室内環境下で1時間放置した。その後、温度20℃の水道水で水洗いした。続いて水切りし、第三工程(風乾燥工程)へ移行させた。風乾燥は、温度80℃、湿度30%の条件と温度90℃、湿度20%の条件で行った。
このようにして得られた各乾燥麺(中華麺)60gをカップに移し、約100℃の熱湯を注ぎ入れ蓋をした。切刃20番、16番の場合は4分後、切刃16番太麺の場合は5分後に、それぞれ開封し、その時の「食味」、「ほぐれ性」の評価を行った。
評価は、経験豊富なパネラー10名で行い、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)の三段階で行った。なお、「食味」は、「風味」、「食感」の2点で総合評価した。評価結果を次の「表7」に示す。
前掲の「表7」に示されているように、温度80℃・湿度20%(実施例1)、温度80%・湿度30%(実施例2)の各条件では、麺線の太さに関係なく食味及びほぐれ性が良好であるが、温度80%・湿度55%(比較例1)の条件では、食味やほぐれ性が劣るという評価であった。
また、温度90℃・湿度20%(実施例3)、温度90%・湿度30%(実施例4)の各条件では、食味は温度80℃に比べてやや硬い食感を呈する傾向はあるものの良好という評価であり、温度90%・湿度55%(比較例2)の条件では、食味やほぐれ性が劣るという評価であった。
従って、温度80〜90℃の高温域における低湿度の条件でも、良好な品質の乾燥麺類を製造できることが明らかになったと同時に、80℃以下の温度条件を選定することがより望ましいこともわかった(「表7」参照)。
<第三工程(風乾燥工程)での風速条件の検証>
本試験の目的は、第三工程(風乾燥工程)での好適な風速条件を検証、選定することである。
本試験では、準強力小麦粉3kgを100重量部とし、これに食塩1重量部、かんすい粉末1重量部、色素0.05重量部、水35重量部を混合し、厚さ1.40mmの麺帯に圧延して、切刃16番角で太麺に形状加工し、加工対象物である生麺線を得た。
この生麺線に、温度100℃で3分間蒸熱処理(加熱処理工程)を行った。その後約100℃の熱湯で3分間茹で処理を行った後に、直ちに冷水に接触させた後に適量分取し、20℃の室内環境下で1時間放置した。その後、温度20℃の水道水で水洗いしてほぐした。続いて水切りし、第三工程(風乾燥工程)へ直ちに移行させた。風乾燥は、温度50℃で、湿度30%に設定し、風速のみを変化させた。
なお、風速は、麺塊を収容するリテーナーの底部より下方約2.0cmの位置で麺塊設置前に測定した値である。風速計測機は、(株)日吉電気製作所製のハイブリッド風速計DP07を使用した。
風乾燥の結果得られた各乾燥麺(中華麺)60gをカップに移し、約100℃の熱湯を注ぎ入れ蓋をした。5分後に開封し、その時の「食味」、「ほぐれ性」の評価を行った。
評価は経験豊富なパネラー10名で行った。評価は、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)の三段階で行った。「食味」は、「風味」、「食感」の2点で総合評価した。その評価結果を次の「表8」に示す。
前掲した「表8」に示されているように、風速1.30m/s程度の微風条件では、乾燥した状態の麺線に空隙や亀裂を形成することが難しくなる。一方、風速2.10m/s程度の風速条件にすると、乾燥した状態の麺線に空隙や亀裂が形成されることが明らかになった。
この結果から、空隙や亀裂が形成された乾燥麺線を湯戻しすると、「食味」と「ほぐれ性」が非常に良好であることが明らかになった(「表8」参照)。
本発明に係る乾燥麺類は、湯調理や湯戻しに要する時間を短縮化でき、かつ生麺を調理したものに極めて近似する食感であるので、例えば、ノンフライ即席麺に好適である。
本発明に係る乾燥麺類の一実施形態、及び実施例Iにおける麺線の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である。 図1とは別の実施形態に係る乾燥麺類であって、湯調理又は湯戻し前の麺線の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である。 図2の乾燥麺線の湯戻し後の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である。 図1及び図2とは別の実施形態に係る乾燥麺類であって、湯調理又は湯戻し前の麺線の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である 図4の乾燥麺線の湯戻し後の幅方向断面の拡大顕微鏡写真(図面代用写真)である。 本発明に係る乾燥麺類の製造方法の好適な実施形態の工程フロー図である。 本発明に係る乾燥麺類(実施例I)の麺線の幅方向断面の他の拡大電子顕微鏡写真(図面代用写真)である。 比較例Iである麺線の幅方向断面の拡大電子顕微鏡写真(図面代用写真)である。 長方形麺(実施例ア)の乾燥直前の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 長方形麺(実施例ア)の乾燥直後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 長方形麺(実施例ア)の湯戻し1分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 長方形麺(実施例ア)の湯戻し2分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 長方形麺(実施例ア)の湯戻し3分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 長方形麺(実施例ア)の湯戻し4分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 長方形麺(実施例ア)の湯戻し5分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 長方形麺(実施例ア)の湯戻し6分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 楕円形麺(実施例イ)の乾燥直後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 楕円形麺(実施例イ)の湯戻し1分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 楕円形麺(実施例イ)の湯戻し2分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 楕円形麺(実施例イ)の湯戻し3分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 円形麺(比較例ア)の乾燥直後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 円形麺(比較例ア)の湯戻し1分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 円形麺(比較例ア)の湯戻し2分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 円形麺(比較例ア)の湯戻し3分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 円形麺(比較例ア)の湯戻し4分後の幅方向断面の拡大実体顕微鏡写真(図面代用写真)である。 「表6」のデータをグラフ化した乾燥曲線を示す図である。
符号の説明
A 調製物形成工程
B 形状加工工程
C 加熱処理工程
D 放置工程
E 水洗工程
F 水切り工程
第一工程(茹で処理工程)
第二工程(水溶液接触工程)
第三工程(風乾燥工程)

Claims (1)

  1. 次の(1)から(3)の組織構造上又は形態上の特徴を備える乾燥麺類。
    (1)乾燥後の麺線の内部に空洞が存在する。
    (2)乾燥後の麺線の幅方向断面形状を観察したときに、対向する両面において、幅方向にわたって凹面状の薄肉部が存在する。
    (3)湯戻し後の麺線の幅方向断面形状を観察したときに、前記薄肉部が消失し、かつ、麺線の中心部に芯が残らない。
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