JP2007013450A - 導波管伝送線路変換装置 - Google Patents
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Abstract
導波管伝送線路変換装置を密閉するには、伝送線路を形成した誘電体基板と、一方を閉じた導波管の間を誘電体などで接着しなければならず、高周波信号の損失が増加する。
【解決手段】
伝送線路を有し、2層以上の誘電体基板を用いて形成した導波管伝送線路変換装置において、片端が終端された導波管部と伝送線路と接続するための接続用伝送線路部とを一体化構造とする。外部導波管と接続するための接続用導波管部は、誘電体基板または空洞で構成し、終端部は金属板、あるいは、導電性を有する誘電体基板で空洞に蓋をした構造とする。
【選択図】 図1
Description
従来の高周波帯の移動無線端末や画像伝送装置等に用いられ、金属筐体と単層の誘電体基板を用いた導波管伝送線路変換装置の第一の例には、非特許文献1に示すように、マイクロストリップ線路等の伝送線路を形成した単層の誘電体基板を接地用金属筐体の面上に配置した、導波管‐ストリップ線路変換器がある。
上述の第一の例では、接地用金属筐体の面上に配置した単層の誘電体基板を導波管の中に挿入し、一方を閉じた導波管で遮蔽し、他方の導波管から高周波信号を外部に取り出す構造としている。
上述の第二の例では、接地用金属筐体の面上に配置した誘電体基板で導波管の開口面を塞ぎ、誘電体基板の面上に形成した伝送線路を、一方を閉じた導波管で遮蔽し、他方の導波管から高周波信号を外部に取り出す構造としている。また、一方を閉じた導波管と高周波信号を外部に取り出す導波管とは誘電体基板の表面に設けた接地電極と裏面の接地電極を接続するスルーホールにより接続している。
更に、誘電体基板103は、接地用金属筐体101に設けられた導波管の穴104に一端が乗りだす様な形で固定されている。
金属蓋体108は、金属蓋体108の穴107が、誘電体基板103を貫通させるようにして配置され、接地用金属筐体101に設けられた取り付け穴105と、金属蓋体108に設けられた取り付けネジ穴109の対応する穴同士がネジ110で固定されている。
しかし、誘電体基板に形成した伝送線路を、一方を閉じた導波管で密閉しなければならず、伝送線路の電気的特性に影響を与えず密閉することは難しい。このため、導波管伝送線路変換装置を密閉するには、伝送線路を形成した誘電体基板と、一方を閉じた導波管の間を誘電体などで接着しなければならず、高周波信号の損失が増加する。
上記の従来技術で示した第二の例でも同様に、単層の誘電体基板を用いており、誘電体基板に形成した伝送線路を、一方を閉じた導波管で遮蔽し、他方の導波管から高周波信号を外部に取り出す構造としている。また、一方を閉じた導波管と、高周波信号を外部に取り出す導波管とを、誘電体基板の表面に設けた接地電極と裏面の接地電極を接続するスルーホールにより接続している。このため、導波管伝送線路変換装置を密閉するには、伝送線路を形成した誘電体基板と、一方を閉じた導波管の間を誘電体などで接着しなければならず、高周波信号の損失が増加する。
本発明の目的は、上記のような課題を解決し、伝送線路を有し、誘電体基板を用いて形成した導波管伝送線路変換装置において、一体構造で気密構造とすることが可能な導波管伝送線路変換装置を提供することにある。
また、本発明の導波管伝送線路変換装置は、好ましくは、1層目に伝送線路を有して3層以上の誘電体基板を用いて形成した導波管伝送線路変換装置において、3層以上の誘電体基板の最上層目と上記1層目の誘電体基板の間にある少なくとも1層以上の誘電体基板の一部を除去し空洞を設けたものである。
また、本発明の導波管伝送線路変換装置は、好ましくは、空洞の内部に誘電体基板と同じ比誘電率かまたはより比誘電率の低い誘電体材料を充填して密閉し、気密構造としたものである。
また、本発明の導波管伝送線路変換装置は、好ましくは、1層目に伝送線路を有し、2層以上の誘電体基板を用いて形成した導波管伝送線路変換装置において、片端が終端された導波管部と伝送線路と接続するための接続用伝送線路部とを一体化構造としたものである。
また、外部導波管と接続するための接続用導波管部は、誘電体基板または空洞で構成し、終端部は金属板、あるいは、導電性を有する誘電体基板で空洞に蓋をした構造としたものである。
更に、本発明によれば、誘電体基板の材料としてガラス、セラミック、またはガラスセラミック等の低温焼成セラミックを用い、誘電体基板の一部を除去して設けた空洞の内部にガラス、セラミック、または低音焼成セラミックより比誘電率の低い誘電体材料を充填して密閉し、気密構造とすることが容易となる。
また、誘電体基板1,9,14の外形形状及び寸法は同一である。
スルーホール51は、例えば、誘電体基板1に微小な径の貫通穴を設け、導電性の材料で充填して、接地用金属電極3のスルーホール接続部4と、接地用金属電極6のスルーホール接続部8とを、電気的に接続するスルーホールである。
更に、第2層目の誘電体基板9には、接地用金属電極6と第1層目の誘電体基板1の上面に形成した伝送線路による導体2とを、外部回路(例えば、マイクロストリップ線路等)の伝送線路と接続するための切り欠き13を形成する。切り欠き13があるため、導体2とマイクロストリップ線路等の外部回路と接続が可能となる。
また、スルーホール52(後出の図2参照)を介して、第2層目の誘電体基板9上面に形成した接地用金属電極10と第1層目の誘電体基板1の上面に形成した接地用金属電極3とを電気的に接続する。
スルーホール52は、例えば、誘電体基板9に微小な径の貫通穴を設け、導電性の材料で充填して、接地用金属電極3のスルーホール接続部4と、接地用金属電極10のスルーホール接続部12とを、電気的に接続するスルーホールである。このとき、接地用金属電極パターン3のスルーホール接続部4の位置やその数、その穴径、または充填材は、スルーホール51と異なっていても良い。
更に、第3層目の誘電体基板14には、接地用金属電極6と第1層目の誘電体基板1の上面に形成した伝送線路による導体2とを、外部回路と接続するための切り欠き15を形成する。このため、導体2とマイクロストリップ線路等の外部回路と接続が可能となる。
また、スルーホール53(後出の図2参照)を介して第3層目の誘電体基板14の上面に形成した接地用金属電極16と第2層目の誘電体基板9の上面に形成した接地用金属電極10とを電気的に接続する。
スルーホール53は、例えば、誘電体基板14に微小な径の貫通穴を設け、導電性の材料で充填して、接地用金属電極10のスルーホール接続部12と、接地用金属電極16のスルーホール接続部18とを、電気的に接続するスルーホールである。このとき、接地用金属電極10のスルーホール接続部18の位置やその数、その穴径、または充填材は、スルーホール51やスルーホール52と異なっていても良い。
第1層の誘電体1には、スルーホール51形成用の貫通穴があけられ、貫通穴に導電材料を充填することによって、接地用金属電極6と接地用金属電極3とが、スルーホール51を介して電気的に結合している。
第2層の誘電体9には、スルーホール52形成用の貫通穴があけられ、貫通穴に導電材料を充填することによって、接地用金属電極3と接地用金属電極10とが、スルーホール52を介して電気的に結合している。
第3層の誘電体14には、スルーホール53形成用の貫通穴があけられ、貫通穴に導電材料を充填することによって、接地用金属電極10と接地用金属電極16とが、スルーホール53を介して電気的に結合している。
接地用金属電極パターン16と蓋19は、電気的及び機械的に密着して結合し、第2の誘電体9と第3層の誘電体14に開口している空間(導波管)を密閉している。
また、誘電体基板1,9,14の外形形状及び寸法は同一としたが、それぞれ異なっても良い。
また、蓋19として同様のセラミックス材を使用することで、図2の構造を一体構造で製作することもできる。また蓋19として金属材を用いる場合は、上記のセラミックス材を焼結する温度条件に対して十分融点が高ければ、同時に製作可能であるし、別々に製作後、蓋19をロウ付けすることも可能である。
しかし、スルーホールの代わりに、例えばスルーホール51〜53の充填に使用するような導電性材料によって内壁にも導電膜を形成しても良いし、また、スルーホールを設け、かつ内壁に導電性材料を形成する構造でも良い。
また、図1と図2の実施例では、マイクロストリップ線路等の外部回路と接続するため、切り欠き13と15を設けている。この切り欠きは、各層毎に同じ形状、同じ寸法であっても良いが、それぞれ異なる形状、寸法であっても良い。また、外部回路と接続することができれば、切り欠き以外でも良い。
しかし、例えば第3層目の誘電体基板14と蓋19の間に穴11を形成した第2層目の誘電体基板9、あるいは、穴17を形成した第3層目の誘電体基板14と同様の誘電体基板を重ねて3層以上にする場合もあり、誘電体基板の層数を特に限定するものではない。
図3、図4の実施例では、穴11の部分に誘電体材料61を充填したが、充填ではなく、誘電体基板として、第2層目の誘電体基板9の比誘電率より低い材料のガラスまたはセラミックの基板を用いて、一体成形して製作することでも良い。
図5、図6の実施例においても、3層以上にする場合もあり、誘電体基板の層数を特に限定するものではない。
即ち、図7、図8において、第4層目の誘電体基板20の上面(表面)に、接地用金属電極パターン21を形成し、かつ、第1層目の誘電体基板1の上面に形成した伝送線路による導体2を外部回路と接続するための切り欠き22を形成する。そして、スルーホール54を介して第4層目の誘電体基板20の上面に形成した接地用金属電極21と第3層目の誘電体基板14の上面に形成した接地用金属電極16とを接続している。第4層の誘電体20には、スルーホール54形成用の貫通穴があけられ、貫通穴に導電材料を充填することによって、接地用金属電極パターン22と接地用金属電極パターン16とが、スルーホール54を介して電気的に結合している。図7(e)のスルーホール接続部23は、接地用金属電極パターン22のスルーホール接続部であることを示す。
図7、図8の実施例においても、3層以上にする場合もあり、誘電体基板の層数を特に限定するものではない。
図9において、外部回路としての導波管91を、導波管伝送線路変換装置の第1層の誘電体基板1の裏面の接地用金属電極6にはんだ、あるいは、ロウ付け等の周知の技術で接続する。このとき、図1の接地用金属電極6の領域7が、高周波信号を取り出す外部回路の導波管91配置が同じになるように接続する。またこの接続は、導波管伝送線路変換装置及び外部回路の導波管とが密着される構造であれば、何でも良く、例えば、ネジあるいはボルトナットによって密着させる構造であっても良い。
更に、誘電体基板の材料としてガラス、セラミック、またはガラスセラミック等の低温焼成セラミック等を用い、誘電体基板の一部を除去して設けた空洞の内部にガラス、セラミック等より比誘電率の低い誘電体材料を充填して密閉し、気密構造とすることが容易となる。
Claims (3)
- 1層目に伝送線路を有して2層以上の誘電体基板を用いて形成した導波管伝送線路変換装置において、上記伝送線路の接地用電極の一部を除去し、上記誘電体基板の少なくとも2層目以降の誘電体基板の一部を除去した空洞を設け、金属板または導電性を有する誘電体基板で上記空洞に蓋をしたことを特徴とする導波管伝送線路変換装置。
- 1層目に伝送線路を有して3層以上の誘電体基板を用いて形成した導波管伝送線路変換装置において、上記3層以上の誘電体基板の最上層目と上記1層目の誘電体基板の間にある少なくとも1層以上の誘電体基板の一部を除去し空洞を設けたことを特徴とする導波管伝送線路変換装置。
- 請求項1または請求項2のいずれかに記載の導波管伝送線路変換装置において、上記空洞の内部に上記誘電体基板と同じ比誘電率かまたはより比誘電率の低い誘電体材料を充填して密閉し、気密構造としたことを特徴とする導波管伝送線路変換装置。
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