JP2007011782A - 仕訳自動作成機能を備えた会計システム - Google Patents

仕訳自動作成機能を備えた会計システム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザーが原則的に摘要(取引内容)のデータの入力・選択を行わないでも仕訳を自動的に作成することができる仕訳自動作成機能付きの会計システムを提供する。
【解決手段】複数の仕訳パターンを、それぞれ各取引先と対応付けて記録しておくための仕訳パターン記録手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、前記仕訳パターン記録手段から、その入力された取引先に対応する仕訳パターンを抽出するための仕訳パターン抽出手段と、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、その取引の金額を入力するための金額入力手段と、前記仕訳パターン抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段と金額入力手段により入力された、その抽出された前記仕訳パターンの月日及び金額のデータとに基づいて、前記取引の仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、を備える。
【選択図】図1−1

Description

本発明は仕訳自動作成機能を備えた会計システムに関する。
従来のパソコン会計システムでは、摘要(取引内容)とそれに適合する科目をリンクさせて登録しておき、ユーザーが選択・入力した摘要(取引内容)によって導かれる科目を表示させてから仕訳を作成するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−13979号公報
しかしながら、前記の特許文献1に示すような従来システムの方式は、摘要(取引内容)の選択・入力に基づく「科目」についての自動設定とは言えるが、「仕訳」の自動作成とまでは言えない。また、前述のように従来システムにおいては、次の(1)〜(3)に述べるような問題が存在していた。(1)科目の自動設定を可能にしているが、仕訳を構成する要素は摘要(取引内容)と科目だけでなく、他に取引先、日付、金額、消費税区分もあり、それらについても、必要最小限の入力ですべてが自動作成されるシステムでなければ顧客に十分な利便性を提供することができないが、そのようなシステムになっていない。(2)仕訳を作成するための入力についても、一部の取引については補助元帳の画面を使って入力させたり、複合仕訳のような複雑な取引については振替伝票のフォ−マットで入力させたり、というように簿記の素養を必要とする複数の入力形式を用いており、自動仕訳作成を標榜するには程遠いものである。(3)入力した仕訳の正否を検証することはできるが、仕訳の入力(計上)漏れを自動チェックすることはできない。このように、従来の会計システムは、自動会計の前提である仕訳の自動作成においてさえ十分な自動化がなされておらず、システム自体として不完全なものであった。
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、ユーザーが原則的に摘要(取引内容)のデータの入力・選択を行わないでも仕訳を自動的に作成することができる仕訳自動作成機能付きの会計システムを提供することを目的とする。また、本発明は、従来のように補助元帳や振替伝票のフォ−マットなどの複数の入力形式を画面に表示することなく単一の入力形式を画面に表示するだけで仕訳を自動的に作成することができる仕訳自動作成機能付きの会計システムを提供することを目的とする。また、本発明は、仕訳の入力(計上)漏れや重複計上を自動チェックすることができ、さらに画面に表示される所定欄への入力をするだけで自動的に月次締切や決算締切などを行なうことができる仕訳自動作成機能付きの会計システムを提供することを目的とする。
(1.随時変額取引の仕訳作成手段)
以上のような課題を解決するための本発明による会計システムは、予め、月日と、金額と、借方貸方双方の少なくとも科目、取引先、及び取引内容とを項目として含み、科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが対応付けられており、月日と金額の項目には特定のデータが対応付けられてない複数の仕訳パターンを、それぞれ各取引先と対応付けて記録しておくための仕訳パターン記録手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、ある取引の仕訳を行うために、前記取引先入力手段により取引先が入力されたとき、前記仕訳パターン記録手段から、その入力された取引先に対応する仕訳パターンを抽出するための仕訳パターン抽出手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の金額を入力するための金額入力手段と、前記仕訳パターン抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段と金額入力手段により入力された、その抽出された前記仕訳パターンの月日及び金額のデータとに基づいて、前記取引の仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、を備えている。
(2.金額自動計算による仕訳作成手段)
また、本発明による仕訳自動作成機能付き会計システムは、予め、月日と、金額と、借方貸方双方の少なくとも科目、取引先、及び取引内容とを項目として含み、科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが対応付けられており、月日と金額の項目には特定のデータが対応付けられてない複数の仕訳パターンを、それぞれ各取引先と対応付けて記録しておくための仕訳パターン記録手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、ある取引の仕訳を行うために、前記取引先入力手段により取引先が入力されたとき、前記仕訳パターン記録手段から、その入力された取引先に対応する仕訳パターンを抽出するための仕訳パターン抽出手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の金額を予めプログラムされた計算式により自動算出し入力するための金額自動入力手段と、前記仕訳パターン抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段と前記金額自動入力手段により入力された、その抽出された前記仕訳パターンの月日及び金額のデータとに基づいて、前記取引の仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、を備えている。
(3.随時定額取引の仕訳作成手段)
また、本発明による仕訳自動作成機能付き会計システムは、予め、月日と、金額と、借方貸方双方の少なくとも科目、取引先、及び取引内容とを項目として含み、金額及び科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが対応付けられており、月日の項目には特定のデータが対応付けられてない複数の仕訳パターンを、それぞれ各取引先と対応付けて記録しておくための仕訳パターン記録手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、ある取引の仕訳を行うために、前記取引先入力手段により取引先が入力されたとき、前記仕訳パターン記録手段から、その入力された取引先に対応する仕訳パターンを抽出するための仕訳パターン抽出手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、前記仕訳パターン抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段により入力された、その抽出された前記仕訳パターンの月日データとに基づいて、前記取引の仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、を備えている。
(4.月次変額取引の仕訳作成手段と仕訳併合処理手段)
また、本発明による仕訳自動作成機能付き会計システムは、発生月を項目の一つとして含み、毎月又は特定月に1回定期的に発生する、金額が変動する取引(月次変額取引)に対応する複数の仕訳パターンであって、予め、発生月と、月日と、金額と、借方貸方双方の少なくとも科目、取引先、及び取引内容とを項目として含み、(A)発生月の項目に所定のデータが入力されており、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、月日の項目と、前記未決済科目の相手側の科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが入力されているが、金額の項目には特定のデータが入力されていないために一部が未完成となっている月次変額取引の発生仕訳Aと、(B)発生月、月日、及び金額の項目に特定のデータが入力されておらず、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、その未決済科目の相手側の科目の項目に現金などの決済科目のデータが入力され、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目に特定のデータが入力されており、しかもその未決済科目の取引先の項目には、前記月次変額取引の発生仕訳Aにおける未決済科目の取引先と同じ取引先のデータが入力されている月次変額取引の決済仕訳パターンBとを、それぞれ各取引先と対応付けて予め記録しておくための仕訳パターン記録手段と、毎月の所定時期に、前記仕訳パターン記録手段の中の前記月次変額取引の発生仕訳Aの発生月の項目に所定のデータが記録されているかどうかをチェックして所定の信号を出力するための発生月チェック手段と、前記発生月チェック手段からの出力に基づいて、前記仕訳パターン記録手段から、前記月次変額取引の発生仕訳Aを当月の取引仕訳として一応計上するための月次変額取引発生仕訳Aの計上手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、前記月次変額取引の決済が行われた後に、ユーザーによりその決済の取引先が入力されたとき、前記仕訳パターン記録手段から、その取引先に対応する月次変額取引の決済仕訳パターンBを抽出するための月次変額取引の決済仕訳パターンB抽出手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の金額を入力するための金額入力手段と、前記月次変額取引の決済仕訳パターンB抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段と金額入力手段により入力された、その抽出された前記月次変額取引の決済仕訳パターンの月日及び金額のデータとに基づいて、前記月次変額取引の決済仕訳Cの仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、前記月次変額取引の発生仕訳Aの計上手段により当月の仕訳として一応計上された月次変額取引の発生仕訳Aと、前記月次変額取引の決済仕訳Cの生成手段により生成された月次変額取引の決済仕訳Cとの2つの仕訳に基づいて、それら2つの仕訳の未決済科目の側の項目の特定データを互いに相殺消去した後、貸借いずれかの科目の項目に現金などの特定の決済科目のデータが入力されており、その決済科目の相手側に月次変額取引の発生仕訳Aの未決済科目の相手側の科目の特定のデータが入力されている1つの月次変額取引の併合仕訳Dを作成するための併合仕訳D作成手段と、を備えているものである。
(5.月次定額取引の仕訳作成手段と仕訳併合処理手段)
また、本発明による仕訳自動作成機能付き会計システムは、発生月を項目の一つとして含み、毎月又は特定月に1回定期的に発生する、金額が固定された取引(月次定額取引)に対応する複数の仕訳パターンであって、予め、発生月と、月日と、金額と、借方貸方双方の少なくとも科目、取引先、及び取引内容とを項目として含み、(A)発生月の項目に所定のデータが入力されており、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、月日の項目と、金額の項目と、前記未決済科目の相手側の科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが入力されることにより、既に月次定額取引の仕訳として一応完成されている月次定額取引の発生仕訳Aと、(B)発生月、及び月日の項目に特定のデータが入力されておらず、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、その未決済科目の相手側の科目の項目に現金などの決済科目のデータが入力され、金額の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが入力されており、しかもその未決済科目の取引先の項目には、前記月次定額取引の発生仕訳Aにおける未決済科目の取引先と同じ取引先のデータが入力されている月次定額取引の決済仕訳パターンBとを、それぞれ各取引先と対応付けて予め記録しておくための仕訳パターン記録手段と、毎月の所定時期に、前記仕訳パターン記録手段の中の前記月次定額取引の発生仕訳Aの発生月の項目に所定のデータが記録されているかどうかをチェックして所定の信号を出力するための発生月チェック手段と、前記発生月チェック手段からの出力に基づいて、前記仕訳パターン記録手段から、前記月次定額取引の発生仕訳Aを当月の取引仕訳として計上するための月次定額取引発生仕訳Aの計上手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、前記月次定額取引の決済が行われた後に、ユーザーによりその決済の取引先が入力されたとき、前記仕訳パターン記録手段から、その取引先に対応する月次定額取引の決済仕訳パターンBを抽出するための月次定額取引の決済仕訳パターンB抽出手段と、ある取引の仕訳を行うときに、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、前記月次定額取引の決済仕訳パターンB抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段により入力された、その抽出された前記月次定額取引の決済仕訳パターンの月日のデータとに基づいて、前記月次定額取引の決済仕訳Cの仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、前記月次定額取引の発生仕訳Aの計上手段により当月の仕訳として計上された月次定額取引の発生仕訳Aと、前記月次定額取引の決済仕訳Cの生成手段により生成された月次定額取引の決済仕訳Cとの2つの仕訳に基づいて、それら2つの仕訳の未決済科目の側の項目の特定データを互いに相殺消去した後、貸借いずれかの科目の項目に現金などの特定の決済科目のデータが入力されており、その決済科目の相手側に月次定額取引の発生仕訳Aの未決済科目の相手側の科目の特定のデータが入力されている1つの月次定額取引の併合仕訳Dを作成するための併合仕訳D作成手段と、を備えているものである。
(6.仕訳パターン記録手段)
また本発明においては、前記仕訳パターン記録手段は、少なくとも月日と金額を記録するための共通節記憶領域と、借方の少なくとも科目と取引先と取引内容とを記録するための借方科目節記憶領域と、貸方の少なくとも科目と取引先と取引内容とを記録するための貸方科目節記憶領域とを備えるものである。
(7.取引区分および取引先区分と関連付けられた取引先の入力手段)
また、本発明においては、予め、すべての取引先をそれぞれ取引区分および取引先区分の取引先属性と関連付けて記録しておくための属性別取引先記録手段を備え、前記取引先入力手段において、前記属性別取引先記録手段に記録された複数の取引区分および取引先区分からそれぞれひとつの区分をユーザーが選択するための、取引区分および取引先区分選択画面表示手段と、その選択された取引区分および取引先区分と関連付けられた複数の取引先のうちいずれかひとつの取引先を、ユーザーが前記属性別取引先記録手段から選択するための取引先選択画面表示手段と、を備えるものである。
(8.取引先名称による仕訳パターンの識別手段)
また本発明においては、予め、すべての取引先をそれぞれ取引区分および取引先区分の取引先属性と関連付けて記録しておくための属性別取引先記録手段を備え、前記属性別取引先記録手段は、ある一つの取引先と関連する仕訳パターンが複数存在するときは、その実際の取引先の名称とその関連するそれぞれの仕訳パターンの識別データとを含む名称を、その取引先を識別する名称として記録する。
(9.証憑連番チェックによる自動検証手段)
また、本発明においては、前記仕訳パターン記録手段の共通節記憶領域は、領収書、領収書控、請求書控、納品書控、又はレジシートなどの証憑の連番を自動カウントするための連番証憑の項目をも含んでおり、仕訳作成時に、ユーザーにより入力された取引先に基づいて対応する仕訳パターンが抽出されたとき、その仕訳パターンの前記連番証憑の項目には、前記取引区分および取引先区分に対応する証憑の名称と、その証憑の、前回の仕訳で自動カウントされた連番に1をプラスした連番とが自動的に入力され、前記抽出された仕訳パターンの連番証憑の項目欄で、(1)番号重複、(2)複数番号、(3)書損、(4)証憑なしという4つの選択肢を選択するための画面をユーザー側に表示するための選択肢表示手段と、ユーザーにより上記(1)が選択されたとき、2つのデータの番号が同一となるため直前の番号と同じ番号を強制的に重複入力した場合に次の番号からカウントし直す手段と、ユーザーにより上記(2)が選択されたとき、複数の証憑を一括する取引に対して、何番から何番までと入力できる画面を表示する手段と、ユーザーにより上記(3)が選択されたとき、その番号を書損番号としてカウントする手段と、ユーザーにより上記(4)が選択されたとき、自動振替や振込入金等、証憑を必要としない場合に「証憑なし」の選択によって連番がそのデータをスキップするようにする手段とを備え、月次締切時には、ユーザーにより証憑の連番チェックの指示が入力されたとき、前記自動作成された仕訳の連番証憑の項目の中の各証憑についてその連番の一部欠落や重複の有無をチェックし、一部欠落や重複が存在する場合は所定の警告を出力するための自動検証手段を備えている。
本発明によれば、ユーザーが原則的に摘要(取引内容)のデータの入力・選択を行わないでも仕訳を自動的に作成することができる。また、本発明によれば、従来のように補助元帳や振替伝票のフォ−マットなどの複数の入力形式を画面に表示することなく単一の入力形式を画面に表示するだけで仕訳を自動的に作成することができる。さらに、本発明によれば、仕訳の入力(計上)漏れや重複計上を自動チェックすることができ、画面に表示される所定欄への入力をするだけで自動的に月次締切や決算締切などを行なうことができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について述べる。本実施形態のシステムは、パソコンなどのコンピュータシステムに本実施形態の機能を実現するためのプログラムをインストールすることにより実施可能となる。以下では、パソコンを使用して本実施形態を実現する場合を例に述べる。
随時発生取引の仕訳自動作成機能を説明するための概念ブロック図
図1−1は本実施形態による会計システムにおいて、特に随時発生取引(金額は固定の場合と変動する場合とがある)の仕訳を自動的に作成する機能を果たす部分について説明するための概念ブロック図である。図1−1において、1はパソコンのキーボードやマウスなどの入力部、2はパソコンのディスプレイなどの表示部、3は前記入力部1や表示部2を制御するためのインターフェース制御部、4は複数の取引先をその属性(取引区分や取引先区分)と関連付けて予め記録しておく属性別取引先記録部、である。また、5は、随時発生取引の仕訳の元になる仕訳パターンを、その各取引類型(取引区分)ごとに各取引先または各取引先区分と対応付けて予め記録しておく仕訳パターン記録部である。すなわち、前記仕訳パターン記録部5は、月日と、金額と借方貸方双方の科目、取引先、取引内容、消費税、併合、棚卸管理(少なくとも科目、取引先、取引内容)を項目として含み、科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが対応付けられており、月日と金額の項目には特定のデータが対応付けられてない(金額固定の場合は特定のデータが対応付けられている)複数の仕訳パターンを、それぞれ各取引先または各取引先区分と対応付けて記録しておくのである。
また、図1−1において、6は計上された仕訳を記録しておく計上仕訳記録部、7はユーザーからの指示に基づいて前記属性別取引先記録部4のデータを検索し、前記表示部2に表示されるべき取引先選択入力用の画面を生成するための取引先選択画面生成部、8はある取引の仕訳作成時に前記入力部1から当該取引の取引先が入力されたとき、その取引先に対応する仕訳パターンを前記仕訳パターン記録部5から抽出するための仕訳パターン抽出部、9はある取引の仕訳作成時にその取引の金額を自動算出し入力するための金額自動入力部、10は前記仕訳パターン抽出部により抽出された仕訳パターンと前記入力部1や前記金額自動入力部9から入力された月日、金額などのデータとに基づいて当該取引の仕訳を作成するための仕訳作成部、である。この仕訳作成部10により作成された仕訳は、当月の仕訳として前記計上仕訳記録部6に記録される。これにより、随時に発生する金額変動の取引の仕訳については、ユーザーが取引先及び金額を入力するだけで自動的に作成することができることになる(金額が固定の随時発生取引場合は、もともと前記仕訳パターン記録部に記録された仕訳パターンの中に特定の金額のデータが入力されているので、仕訳作業時の金額の入力は不要である)。なお図には示していないが、前記仕訳作成部10は、(1)領収書、領収書控、請求書控、納品書控、又はレジシートなどの連番証憑を必要とする取引類型の場合に、内蔵のカウンタを使用してその証憑の、前回の仕訳で自動カウントされた連番に1をプラスした連番を、前記仕訳パターンの連番証憑の項目に自動的に入力する連番自動入力機能と、(2)内蔵の暦データを使用して、当該仕訳作成日の日付を、前記仕訳パターンの月日の項目に自動的に入力する機能とを備えている。
また、図1−1において、11は前記計上仕訳記録部6に記録されたある月又は年度の仕訳の前記連番証憑の項目をチェックして、領収書、領収書控、請求書控、納品書控など同種の証憑間で連番の漏れや重複があるかどうかを検証し、漏れや重複があるときはその旨の警告を出力するための連番検証部である。この連番検証部11により、ユーザーは、前記検証の指示を行うだけで、個々の仕訳作業時や月次締切時や決算締切時に、仕訳の計上漏れや重複があるかどうかを自動的に検証することができる。
なお、図1−1において、前記各記録部4,5,6はパソコンのハードディスクなどにより構成されている。また、前記のインターフェース制御部3、取引先選択画面生成部7、仕訳パターン抽出部8、仕訳作成部10、及び連番検証部11は、パソコンのCPU(中央処理装置)とプログラムとにより構成されている。
月次発生取引の仕訳自動作成機能を説明するための概念ブロック図
(月次変額取引)
次に、図1−2は本実施形態による会計システムにおいて、特に月次発生取引(毎月あるいは特定の月に1回発生する取引。金額は固定の場合と変動する場合とがある)の仕訳を自動的に作成する機能を果たす部分について説明するための概念ブロック図である。図1−2において、図1−1と構成及び動作・機能が共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図1−2において、5aは、月次発生取引の仕訳の元になる仕訳パターンを、その各取引類型ごとに各取引先と対応付けて予め記録しておく仕訳パターン記録部である。すなわち、前記仕訳パターン記録部5aは、発生月を項目の一つとして含み、毎月又は特定月に1回定期的に発生する、金額が変動する取引(月次変額取引)に対応する複数の仕訳パターンであって、(A)発生月の項目に所定のデータが入力されており、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、月日、その未決済科目の相手側の科目、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目に特定のデータが入力されているが、金額の項目には特定のデータが入力されていないために一部が未完成となっている月次変額取引の発生仕訳Aと、(B)発生月、月日、及び金額の項目に特定のデータが入力されておらず、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、その未決済科目の相手側の科目の項目に現金などの決済科目のデータが入力され、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目に特定のデータが入力されており、しかもその未決済科目の取引先の項目には、前記月次変額取引の発生仕訳Aにおける未決済科目の取引先と同じ取引先のデータが入力されている月次変額取引の決済仕訳パターンBとを、それぞれ各取引先と対応付けて予め記録しておくものである。
(月次定額取引)
また同時に前記仕訳パターン記録部5aは、発生月を項目の一つとして含み、毎月又は特定月に1回定期的に発生する、金額が固定された取引(月次定額取引)に対応する複数の仕訳パターンであって、(A)発生月の項目に所定のデータが入力されており、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、月日、金額、その未決済科目の相手側の科目、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目に特定のデータが入力されることにより、既に月次定額取引の仕訳として一応完成されている月次定額取引の発生仕訳Aと、(B)発生月、及び月日の項目に特定のデータが入力されておらず、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、その未決済科目の相手側の科目の項目に現金などの決済科目のデータが入力され、金額の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが入力されており、しかもその未決済科目の取引先の項目には、前記月次定額取引の発生仕訳Aにおける未決済科目の取引先と同じ取引先のデータが入力されている月次定額取引の決済仕訳パターンBとを、それぞれ各取引先と対応付けて予め記録しておくものでもある。
また、図1−2において、12は毎月の所定時期に、前記仕訳パターン記録部5aの中の前記月次取引の発生仕訳Aの発生月の項目に所定のデータが記録されているかどうかをチェックして所定の信号を出力するための発生月チェック部、13は前記発生月チェック部12からの出力に基づいて、前記仕訳パターン記録部5aから、前記月次取引の発生仕訳Aを当月の取引仕訳として一応計上するための月次取引発生仕訳Aの計上部、14は前記月次取引の決済が行われた後に、ユーザーによりその決済の取引先が前記入力部1から入力されたとき、前記仕訳パターン記録部5aから、その取引先に対応する月次取引の決済仕訳パターンBを抽出するための月次取引の決済仕訳パターンB抽出部、15は前記月次取引の決済仕訳パターンB抽出部14により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段(月次変動取引の場合は金額入力手段も含む)により入力された、その抽出された前記月次取引の決済仕訳パターンの月日(月次変動取引の場合は金額も含む)のデータとに基づいて、前記月次取引の決済仕訳Cの仕訳を自動的に作成するための仕訳作成部、16は前記月次取引の発生仕訳Aの計上部13により当月の仕訳として一応計上された月次取引の発生仕訳Aと、前記月次取引の決済仕訳Cの生成部15により生成された月次取引の決済仕訳Cとの2つの仕訳に基づいて、それら2つの仕訳の未決済科目の側の取引先、取引内容、消費税、併合、棚卸管理などの全ての項目の特定データを互いに相殺消去した後、貸借いずれかの科目の項目に現金などの特定の決済科目のデータが入力されており、その決済科目の相手側に月次取引の発生仕訳Aの未決済科目の相手側の科目の特定のデータが入力されている1つの月次取引の併合仕訳Dを作成するための併合仕訳D作成部、である。
なお図には示していないが、前記仕訳C作成部15は、(1)領収書、領収書控などの連番証憑を必要とする取引類型の場合に、内蔵のカウンタを使用してその証憑の、前回の仕訳で自動カウントされた連番に1をプラスした連番を、前記仕訳パターンの連番証憑の項目に自動的に入力する連番自動入力機能と、(2)内蔵の暦データを使用して、当該仕訳作成日の日付を、前記仕訳パターンの月日の項目に自動的に入力する機能とを備えている。
なお、図1−2において、前記各記録部4,5a,6はパソコンのハードディスクなどにより構成されている。また、前記のインターフェース制御部3、取引先選択画面生成部7、連番検証部11、発生月チェック部12、月次取引仕訳A計上部13、月次取引仕訳パターンB抽出部14、月次取引仕訳C生成部15、及び併合仕訳D作成部16は、パソコンのCPU(中央処理装置)とプログラムとにより構成されている。
一般に、企業の会計取引は、業種業態によっても、個々の企業においても千差万別である。また個々の企業にあっても、それぞれの取引先との固有の取引が、月次あるいは随時に反復され、それが継続して行われているのであるから、その会計取引の実態を考えると、その仕訳自動作成には、取引の固有性と反復性・継続性に対応したデータを仕訳作成の前工程で登録するシステムとその登録データを仕訳作成時に抽出するシステムとが必要であると、本発明者は考える。このような考えに基づいて作製された本発明の実施例1による会計システム(以下「本システム」という)の構成及び作用を次に述べる。
(取引の類型化と取引先の包括登録)
本システムにおいては、個々の企業における「取引先と、その取引先との固有取引データ」の登録(仕訳作業の前工程での登録)とその仕訳作業時の抽出を、仕訳自動作成の骨子とする。そして、前記取引データの登録にあたっては、まず、「取引先」を「取引の区分」と「取引先の区分」に応じて区別して登録する。また「取引の区分」に応じた「取引データ」(本明細書では、「取引データ」という用語は、原則として、一つの取引の仕訳に必要な全部の又は一部のデータ、という意味で使用する)を登録することによって、登録データ(仕訳の元となる会計取引データ)の類型化を行っている。さらに、本システムでは、売上、仕入をはじめとする主要な(取引の大部分である)類型取引については、「売掛先」「仕入先」等の「取引先区分」を取引先の包括名称として取引先登録することによって、1つの取引先登録がそのまま類型取引データの登録となるような、登録の省力化を図っている。そのうえで、一部の類型化されない固有の取引については、その類型取引枠内での個別登録ができるように工夫し、これらのデータ登録ファイルからの、データ抽出と仕訳自動作成にも、独自の仕組みを開発している。
(本自動会計システムの特長)
(1)その結果、“どこに(取引先)”を選び、“いくらか(金額)”を入力するだけの、必要最小限の入力だけで(取引内容の入力さえ必要とせず、月次の定額取引については金額さえも入力しないままで)、仕訳を自動作成することができることとなった(仕訳自動作成)。(2)そのうえ、入力ミスだけでなく、決済忘れや、決済金額の誤り等、実務上の処理ミスがあった場合に、それを、「棚卸と証憑連番の併用チェック」によって自動検証するシステム内での牽制システムも採用した。(3)さらに、画面に表示される所定欄への入力をするだけで自動的に「月次締切」や「決算締切」が行なえるようにもした。これによって、自動会計システムが完成することとなり、簿記知識のない人でも、仕訳を意識することなく、対話形式の画面ガイドに従って最小限の項目選択と入力をするだけで「仕訳を自動作成」し、その結果を「自動検証」することができ、最終的には「決算締切」までもできるようになった。
本システムは、複式簿記の仕訳によって示される取引を、1つの取引としてではなく、原因発生を表す取引(原因取引)と、その結果を示す取引(結果取引)との2つの取引の結合取引として捉えるという考えをパソコン会計に取り入れている点に特徴を有している。例えば、「借方:現金」/「貸方:売上」○○円という仕訳(複式簿記による仕訳)を、“商品を現金○○円で売った”という1つの取引とみるのではなく、原因発生の“商品を○○円で売った”という貸方の取引(原因取引)と、その結果としての“現金が○○円増えた”という借方の取引(結果取引)との2つの取引から構成されるものと考える。
本システムは、前述のような複式簿記による仕訳の借方及び貸方のそれぞれの要素を、因果関係をもちながらもそれぞれに独立した取引と捉えるようにした。そして、本システムは、貸借各々に、その「借方取引」「貸方取引」を特定する“取引データ領域”を持たせ、それぞれに、取引の発生頻度、取引金額、その他各種自動計算機能等のデータ制御機能をもつフィ−ルドを設定して、仕訳作業の前工程でデータ登録できるようにした。
(単式簿記の概念)
また、本システムは、その損益取引(原因取引)側の“取引データ領域”のフィ−ルドを使って、損益発生取引の実取引データを自動抽出する仕組みをも取り入れた。現金(結果取引)側に焦点をあてて、現金の収支を記載し、その収支の差額で損益を計ろうとする“大福帳”は単式簿記の典型といえるが、この単式簿記の考えを取り入れながら、資産(結果取引)側でなく、逆に損益取引(原因取引)側に焦点をあて、損益取引のデータを自動抽出した後、その正否を(結果取引)側の実地棚卸高の入力によって検証しようとする方式を採用した。
(1損益取引1登録)
一方、本システムでは、取引データの登録については、前述のように貸借2つの“取引データ領域”の結合した「結合取引データ」として、複式の形式で登録することとなる。その際、損益取引(原因取引)に対して結果取引となる側の科目については、未決済科目(売掛金、未払金等)となるか、決済科目(現預金、手形等)となるか、それぞれの決済方法に応じた登録が通常必要とされるところであるが、本システムでは、それを、損益取引の内容と、取引先の区分によって、損益取引データごとに、決済取引か未決済取引かのいずれかに特定して登録することができるように工夫した。これにより、本システムでは、1つの損益取引(原因取引)とそれに導かれる結果取引を、紐付きの固定された「結合取引データ」として、1損益取引1登録とすることが可能になった。また、これにより、本システムでは、損益取引(原因取引)の決済方法(結果取引)に左右されない登録ができるようになった。また、これにより、本システムでは、重複登録のない損益取引(原因取引)側に焦点を絞って、そのフィ−ルドを使ってデータを制御、抽出するという単式簿記的な考え方を取り入れた自動会計への道筋ができることとなった(詳細は後述)。
(資産・負債・資本科目の機能と意義)
損益取引の把握を第一とする本発明による単式簿記的な考え方を取り入れた自動会計システムでは、主取引は損益取引となる。資産・負債・資本側の「結果取引」は、(1)抽出すべき損益取引(原因取引)データを、その取引区分単位に絞込む為のガイドしての役割をもつものとなり、また、(2)損益取引(原因取引)側のフィ−ルドを使って、自動抽出された損益取引側のデータの正否を、結果取引側のデータの集積結果である帳簿残高によって検証するという従取引としての役割をもつもの、となる。
(取引デ−タのフォ−ム設定)
上記の単式簿記の考え方をとりいれた本システムにおいて、仕訳の元となる取引データ(結合される取引データ)は、(1)貸借共通の取引データを記録する領域である「共通節」、(2)借方取引に属するデータを記録する領域である「借方科目節」、及び(3)貸方取引に属するデータを記録する領域である「貸方科目節」、の3つの領域(分節)に分けられ、それぞれに、次に掲げるデータ制御機能をもつフィ−ルドが設定される。
(取引デ−タのフィ−ルド設定)
すなわち、図2に示すように、(1)「共通節」の領域については、発生月、月日、連番証憑、及び金額のフィールドが設定される。また(2)「借方科目節」の領域については、科目、取引先、取引内容、消費税、併合、及び棚卸管理のフィールドが設定される。また(3)「貸方科目節」の領域については、科目、取引先、取引内容、消費税、併合、及び棚卸管理のフィールドが設定される。
上記の各フィールドに関して本システムが備えているデータ制御機能を説明すると、次のとおりである(図2を参照)。
(発生月フィ−ルド)
(a)発生月のフィールドは、発生月の項目に「毎月(あるいは特定の月)」とするフラグが入力されている仕訳について、その発生月にその仕訳を自動計上するときに使用される(月次定額取引の仕訳自動作成、月次変額取引の仕訳自動作成の項に関して後述)。
(月日フィ−ルド)
(b)月日のフィールドへの月日の入力は、本システムが内蔵する暦自動入力機能により、ユーザーが使用している端末の画面の仕訳パターンの月日の項目の中に入力日が自動的に表示されるので、ユーザーは、例えばエンター・キーを押すだけで、その入力日を月日フィールドのデータとして入力できる。なお、入力日以外の日を月日フィールドに入力したいときは、キーボードなどを使用して変更入力できる。
(連番証憑フィ−ルド)
(c)連番証憑のフィールドにおいて、領収書、請求書控、納品書控、領収書控、レジシ−トなどの証憑は、取引先グル−プを絞り込むためのガイド機能を果たすために使用される。また、本システムでは、証憑の連番の自動カウント機能によって、同一番号の取引データが重複計上されないようにし、且つ、証憑の見落としによる計上もれも防止することができる(誤計上防止機能)。一方、本システムにおいて、連番証憑欄にカ−ソルを置くと(1)番号重複、(2)複数番号、(3)書損、(4)証憑なしという4つの選択肢が表示される。上記(1)では、2つのデータの番号が同一となるため直前の番号と同じ番号を強制的に重複入力した場合に次の番号からカウントし直す。上記(2)では逆に、複数の証憑を一括する取引に対して、何番から何番までと入力できる。上記(3)では、書損の場合にその番号を書損番号としてカウントする。上記(4)では、自動振替や振込入金等、証憑を必要としない場合に、「証憑なし」の選択によって連番がそのデータをスキップする。これらによって、連番が不順になる場合に対応している。尚、これらについては、後述の「月次締切」の機能の中で書損、重複等のリストを出力し、その確認ができるようになっている。
(金額フィ−ルド)
(d)金額のフィールドは、本システムにおいて、データ登録時に、定額取引の金額を入力したり、減価償却、固定資産の売却損益、預金利子税、県民税利子割、配当源泉税、報酬源泉税等の金額自動計算機能を選択し設定する他、通常は、データ抽出時に不特定の金額を入力するときに、使用される。
(科目フィ−ルド)
(e)科目のフィールドは、本システムにおいて、取引先(場合により取引内容)が入力されたとき、それらと適合する科目(を含む仕訳パターン)が、それらとセットになって自動抽出される(よって、取引入力の都度、科目の入力をする必要はない)。
(取引先フィ−ルド)
(f)取引先のフィールドは、本システムにおいて、データ抽出時に、データ抽出のキーとして、使用される。すなわち、取引先の選択によって、その取引先に属する(取引内容も含めた)固有の取引データ(を含む仕訳パターン)が、一括して抽出される。これにより、その抽出データの「貸借科目節」の他のフィ−ルド(科目、消費税区分、併合の有無、棚卸管理、連番証憑)がすべて確定する。つまり、本システムでは、取引入力時に、原則として取引先を選択するだけで、科目設定は勿論、消費税区分の判断、その他、そのデータのすべての処理が決まる仕組みになっている。尚、ユーザーが選択(マウスによるクリックなどによる)・指定する取引先は、原因取引側の取引先であり、その取引先の結合取引データが抽出される。結果取引側の取引先は、特に登録で指定しないかぎり自動的に、原因取引側の取引先と同一の取引先となる。すなわち、「損益取引に対しては結果取引となる側の」売掛金、未収入金、買掛金、未払金等、未決済科目の取引先は、特に登録で指定しないかぎり自動的に、損益科目の取引先と同一となる。
(その他のフィ−ルド)
(g)取引内容のフィールドは、本システムにおいて、上記の取引先が選択されることによって、取引データが抽出されるときに使用される。その際、その取引先の取引内容が複数あり、かつ仕訳パターンを識別する取引先名称を使用しない場合にかぎり、取引内容の選択欄が画面に表示され、ユーザーがそこから一つを選択することで、データ(取引内容)が抽出されることになる。
(h)消費税のフィールドは、本システムにおいて、抽出データの科目節に登録された取り扱い区分に従い消費税が処理されるときに使用される。
(i)併合のフィールドについては、後述の「当月仕訳の自動併合」の項で詳述する。
(j)棚卸管理のフィールドは、売上原価計算、工事原価計算、償却資産増減、手形受払など棚卸管理を必要とする科目節のデータ制御をするために使用される。
第1 取引データの類型化と登録方法
次に、本システムにおける、取引データの類型化と、本システムの初期登録時(システム導入時の段階だけでなく導入後の仕訳の前工程の段階での登録をも含む。以下同じ)に行う取引データの登録方法(各取引先と各取引先に対応する各仕訳パターンの登録方法)について、述べる。
1.取引区分の設定
ユーザーが仕訳作成作業時に、取引データ(仕訳パターン)を抽出し仕訳を自動作成するためには、本システムでは、ユーザーの便宜(ユーザーによる取引先の選択の便宜など)のため、まず、発生した取引がどういう取引に該当するか、その取引区分(業務)を選択させるようにしている。そのデータ抽出のガイドとなるべき取引(取引先との取引)は、基本的に、(1)収入か、(2)支払いか、そうでなければ、(3)将来収入となるものか、(4)将来支払いとなるものか、以上の4つだけである。上記(1)(2)の決済取引となる取引については、決済手段に応じて、さらに1 現預金出納・入金、2 現預金出納・出金、3 手形受取、4 手形支払、及び、5 仮受計上・仮払精算の5つの取引に区分する。また、上記(3)(4)の未決済金計上取引となる取引については、業務内容に応じ、さらに、6 売掛売上、7 買掛仕入、8 未収雑収入等、9 未払営業費等、10 資産減等、11 資産増等、及び、12給与の7つの取引に区分する。したがって、取引先に対する取引はすべてこの12の取引区分のうち、いずれかに分別される(図3−1参照)。上記の1 現預金出納・入金、2 現預金出納・出金においては、さらに預貯金の口座ごとに区分する。また、上記の6 売掛売上、7 買掛仕入、8 未収雑収入等、9 未払営業費等、10 資産減等、11 資産増等において値引や返品が発生した場合は、主となる元の債権(債務)発生取引を減額調整する別取引として区分したりすることにはなる。しかし、基本的には、全ての取引は、これら12の取引区分に分けられ、その区分ごとに取引データが登録され、その各取引区分ごとのルーティンを経て実取引データが抽出される。尚、上記の「取引先に対する取引(対外取引)」以外では、内部取引等の仕訳を自動作成するための13 月次締切や、14 決算締切の取引区分がある。
2.取引先区分の設定・登録・抹消
すべての取引先は、収入先か、支払先かのいずれかに分けられる。収入先については、取引内容に応じて売上先と他の収入先とに分け、さらに、それぞれを、決済の仕方や証憑に応じ、代引売上先(または代引収入先)、請求書控を根拠証憑とする売掛先(または同未収先)、納品書控を根拠証憑とする売掛先(または同未収先)の6つの収入先に区分する。支払先についても同じく、仕入先と他の支払先とに分け、さらにそれぞれを、代引仕入先(または代引支払先)、請求書を根拠証憑とする買掛先(または同未払先)、納品書を根拠証憑とする買掛先(または同未払先)の6つの支払先に区分する。これによってすべての取引先が、これら12のいずれかに分類され、取引先登録される(図3−2参照)。因みに、売上先が同時に他の収入先や支払先にもなる場合は、売上先と、他の収入先や支払先の両方で登録するが、同じ売上先グル−プ内では複数の区分に登録することはできないよう初期登録時に自動チェックされる。これは、他の収入先、仕入先、他の支払先においても同様である。尚、この取引先登録時には、併せて、その取引先の締日も登録する。
このように、取引先を、取引内容、決済の仕方、及び根拠証憑によって‘性格づける’のは、(1)仕訳作業時に、取引先の選択入力によって仕訳パターンを特定・抽出しようとする本システムにとって、ユーザーが特定の取引先を選択する際の絞込みを行うために便利であるからである。また、(2)初期登録時に、前記の性格づけられた取引先区分ごとに取引データを登録することで、例えば「売掛先」を選択すれば、代金引換売上が計上されることはないし、請求書控を証憑とする「売掛先」を選択すれば、納品書控からの重複売上が計上されることもなく、また入金についても、「未収先」を選択すれば、代金引換売上と処理されたり、売掛金の入金とされたりすることもないというように、どの取引先を選択しても、その取引先区分に適合しない取引は、自動的に排除される仕組みとすることができ、損益の二重計上や誤決済を防止することができるから、である。
新規の取引先については、継続的な取引が見込まれる登録先のみを取引先として登録し、スポットの取引先は‘代引一般顧客’等として、スポットの代引取引先を包括する名称で登録する。尚、登録した取引先について、3年間取引の発生がなかった場合は、自動的にその登録は抹消される。
3.全取引の16類型化
上記1で設定されたすべての取引区分(図3−1参照)に、上記2で設定された全ての取引先区分(図3−2参照)を、その該当するものから充て、さらに分別していくと、図3−3のA〜Pに掲げるような16区分の取引別取引先に分けられる。したがって、この16の取引先区分は、すべての取引区分に応じる、すべての取引先区分を網羅したものということになる。言い換えれば、取引先に対する取引は、どんな場合でも、これら16の類型化された取引(と、その値引や返品の減額調整取引)のいずれかに該当する、ということになる(図3−4及び図3−5参照)。なお、以下では、前記の16の類型化された取引を、「取引区分」又は「取引類型(類型取引)」と呼ぶ場合がある。
4.各類型取引の登録データの設定
取引先に対する取引はすべて、図3−4及び図3−5に掲げる全16個の類型取引(減額調整取引を含む。以下同じ)のいずれかに該当するのであるから、その全16の類型取引の取引データおよびそれを原型とする個別取引データは、すべての取引先に対する、すべての取引の取引データを網羅するものといえる。本システムでは、その取引データは、下記のa)〜h)に掲げる方法にしたがって、初期登録される。
a)未決済金計上取引先の特定
未決済金計上取引先として登録された取引先(図3−3のE〜HおよびM〜P)の取引は、かならず未決済科目を経由して計上される。したがって、現預金出納区分でこれらの取引先を選択しても、損益取引データが抽出されることはなく、損益が重複して計上されることがないようになっている。
b)取引先名の包括登録
上記の類型取引データにおいては、下記h)の「固有データの個別登録」に掲げる型の取引を除き、その取引先を、個々の具体的な取引先の名称だけでなく、「売掛先」「代引売上先」等の、その取引先区分を示す取引先属性の名称をも用いて、初期登録する。これにより、個々の取引先ごとに取引データ(仕訳パターン)を登録するのではなく、前記の取引先区分に対応して取引データ(仕訳パターン)を一括して登録することができる。わずかの類型データの初期登録により、売上や仕入の計上・決済などに係る多くの取引のデータ(仕訳パターン)の抽出ができるようになり、その上、取引先が新規に増えたり減ったりしても、逐一それに応じた取引先ごとの取引データの追加や抹消の変更登録をする必要はなくなる。
c)決済科目の包括登録
同一の取引については、それを決済手段ごとに重複して登録しなくて済むように、現金科目を、預貯金、手形、仮受金・仮払金(代表者勘定)等の決済科目を包括する科目として初期登録する。したがって、初期登録データで例えば現金とされている科目はすべて、これらの他の決済科目にも置き換えることができる。たとえば、取引区分で手形支払を選択した場合、抽出の対象となるデータには、手形支払区分に元から登録されていたもののほか、現金出金区分で登録されたデータも含まれることになる。
d)複合データのセット登録
前記の16の類型データ(A型からP型まで)は基本データであり、複合仕訳となる場合は主データとなるこれらの類型データに附加データを加えたセットデータとして登録される。
e)減額調整取引
前記のE型〜H型およびM型〜P型の、値引や返品の減額調整取引データは、それら未決済金計上取引の逆仕訳の取引データとして登録される。
f)仮受計上と仮払精算
前記のI型、J型、K型、及びL型の場合の貸方の仮受金計上と仮払い精算については決済手段の1つとみなす。一方借方となる仮受金の精算と仮払金の支払いについては代引き支払いとして処理される。
g)類型データの一括登録
上記a〜hにより、図3−4及び図3−5に掲げる、A型、C型、D型、E型、G型及びI型、K型、L型、M型、O型の10種類の類型取引については、1類型に、取引内容も科目も一括して特定された1データだけが登録される。したがって、取引先区分が決まれば、この類型登録データをそのまま抽出できることになる。例えば「根拠証憑」を請求書とする取引区分の「買掛仕入」を選択すれば、基本取引データとしてのM型が抽出される。その後、取引先の選択肢には請求書を証憑とする「買掛先」だけが画面表示されるので、そこから特定の買掛先を選択し、金額を入力することによって仕訳が自動作成される。
h)固有データの個別登録
一方、B型、F型、H型、及びJ型、N型、P型の取引については、同一の取引区分内であっても、発生する各種取引しだいで、「原因取引」の取引内容も科目も違ってくるため、固有の取引データを個別に初期登録する。この場合においても、取引先の初期登録が包括でなく個別の登録となる以外は、その類型取引の枠内での登録も抽出も、他の類型取引と同様にできるようになっている。ただ、個別登録する取引の数だけ、その取引先区分ごと(取引の類型ごと)に、類型データが細分化されるだけである。尚、未払金は原価以外の未払い勘定を包括しており、このなかには預り金も含まれる。
第2 取引データ(仕訳パターン)の抽出と仕訳の自動作成
本システムにおいては、前記の初期登録された取引データ群の中から、取引の仕訳に必要な取引データ(仕訳パターン)が個別に抽出され、仕訳が自動作成される。このデータの抽出と仕訳の自動作成は、抽出されるデータの種類に応じ、以下に掲げる4つの方法のいずれかによって行われる(図4参照)。
1.取引先別抽出法
各データの取引先フィ−ルドのデータを抽出のためのガイド(キー)として用いて、取引データ(仕訳パターン)を抽出し、仕訳を自動作成する方法である。具体的には、取引データ抽出の際に、「取引先」を選択することによって(取引先登録によってすでに取引先区分の設定がされているので、取引先を選択することはそのまま取引先区分の特定、すなわち類型取引デ−タの特定になっている)、その取引先に属する(取引内容も含めた)固有の取引データを一括して抽出し、これに続く「金額」の入力によって仕訳が自動的に作成される。なお、ここで、金額が定額であったり、自動計算の対象となるものであれば、自動入力・自動表示されるので、「金額」の入力は不要となる。汎用性にシフトした従来のパソコン会計では、取引データを作成するのに、まず「摘要(取引内容)」を選択して取引を位置づけた後に、さらに「取引先」を選択・入力するという手順を踏まなければならないが、基本的に「1取引先毎に、1取引データ(仕訳パターン)」(1つの取引先ごとに1つの取引データ(仕訳パターン)が対応付けられている)とする本システムにおいては、「取引先」を選択した時点で、ほとんどの取引データ(仕訳に必要なデータ=仕訳パターン)が特定・抽出される。その際、「摘要(取引内容)」の選択は不要となる(なぜなら、各取引先毎に、その初期登録の段階で、対応する取引内容(摘要)を含む仕訳パターンが登録されているから)。
すなわち、本システムでは、システム導入時のデータ初期登録の段階で、各取引先と各取引データ(仕訳パターン)とを、互いに対応させて登録しておく。例えば、同じ「A商店」との取引で、A商店が売掛先となる取引とA商店が買掛先となる取引とがあるという場合であっても、A商店を売掛先として登録すると同時に買掛先としても登録ことによって(第1の「2.取引先区分の設定」参照)、それぞれの取引先すなわち「売掛先としてのA商店」及び「買掛先としてのA商店」毎に売掛と買掛にかかるそれぞれ別個の取引データ(仕訳パターン)が存在することになる。また、同じ「NTT」との取引で、電話番号が963−3455となる取引と電話番号が963−3257となる取引とがあるという場合は、3455となる取引データ(仕訳パターン)については、それに対応する取引先として「NTT3455」を登録すると共に、3257となる取引データ(仕訳パターン)については、それに対応する取引先として「NTT3257」を登録する。こうすれば、それぞれの取引先「NTT3455」及び「NTT3257」毎に別個の取引データ(仕訳パターン)が存在することになる。すなわち、この場合は、取引先としてその名称と取引内容(取引データの一部を特定する文字・数字・記号)とを結合した言葉を、「取引先」(例えば「NTT3455」や「NTT3257」など)として登録するようにしている。これにより、複数の分化された取引先から固有の仕訳パターンを特定・抽出することが可能になる。また、このように仕訳パターンを抽出してから仕訳を完成するとき、金額が不定の場合は金額の入力が必要だが、金額が定額の場合は(取引データの一部として、予め初期登録されているので)金額の入力も不要である。
2.完全自動抽出法
完全自動抽出法は、上記1の取引先別抽出法を、毎月又は特定月に定期的に発生する取引(月次取引)に関して、より進化させたものである。完全自動抽出法は、初期登録時に、仕訳パターンの発生月フィ−ルドのデータとして「毎月(あるいは特定の月)」とするフラグを入力・登録しておき、月初の更新作業のル−ティンの中で、そのフラグを検出することによって、月次発生する取引の仕訳を抽出し、その仕訳を自動作成する方法である。その際、仕訳パターン又は仕訳データを抽出するためにユーザーが行う選択・入力は一切必要ない。また、金額が不定の場合は、仕訳パターンを抽出してから金額を入力して仕訳を完成することが必要である。しかし、金額が定額の場合は(予めシステム導入時に初期登録されているので)金額の入力も不要であるから、前記ル−ティンの中で抽出された仕訳がそのまま正式な仕訳として計上される。
3.所定欄からの抽出法
各種帳表の所定欄への入力によって、自動的に取引データを抽出し、仕訳パターンを自動作成する方法である。
4.自動計算による二次作成法
棚卸管理フィ−ルドを使って作成される棚卸仕訳、金額フィ−ルドを使って作成される資産売却損益、及び預金利子税等の計算仕訳など、上記1,2,又は3により作成された仕訳(一次自動作成仕訳)をもとにして、自動作成される仕訳(二次作成仕訳)である。
第3 本自動会計システムの概要
前記の第2に述べたところにより、本システムの仕訳自動作成機能の仕組みができあがる。本システムでは、さらに、その自動仕訳の結果を「自動検証」によって裏付けることができ、最終的には、「月次締切」や「決算締切」までの自動処理も可能としている。これら本システムによる具体的な諸機能の概要を以下に説明する。
(1)月次に発生する取引を、月初の更新作業の中で、いっさいの入力なしに自動計上し、仕訳を自動作成する(月次取引の仕訳自動作成)。
(2)さらにそれらの取引について、決済の漏れや、決済金額の誤りを自動検証する。(決済データによる当月仕訳の自動併合)。
(3)該当の取引区分を画面で選択した後、その取引区分に対応する複数の「取引先」(プルダウンメニューの画面)の中から該当するものを選択する(取引先登録によってすでに取引先区分の設定がされているので、取引先を選択することはそのまま取引先区分の特定、すなわち類型取引デ−タの特定になっている)ことにより(さらに「取引金額」の入力をすることにより)、予め登録しファイルされていた取引データを抽出して、仕訳を自動作成する(随時取引の仕訳自動作成)。
(4)小切手、支払手形、請求書控、領収書控等の番号を自動カウントすることによって、番号の見落としによる計上もれや、番号の重複による二重計上を防止する(自動連番による誤計上防止)。
(5)取引先を、取引内容や決済の仕方、根拠証憑に応じて区分することによって、データ抽出時に、証憑の連番チェックによりデータの重複計上を防止し、同時に取引先の絞込みをおこなう(取引先区分による重複計上防止とデータ絞込み)。
(6)給与台帳や社会保険告知書を画面入力することによって、給与や社会保険料に関する仕訳を自動作成する(給与台帳等からの仕訳自動作成)。
(7)商品払出しの入力時に在庫一覧を表示し、払出チェックをすると同時に商品受払台帳を自動作成し、月次締切日には棚卸仕訳も自動作成する(売上原価の自動計算)。
(8)工事売上とその原価について、画面から工事現場を選択することによって、現場ごとに配賦する仕訳を自動作成し、その他、工事台帳も自動作成する(工事原価の自動計算)。
(9)償却資産の増減についても、商品と同様に受払いチェックをし、償却資産明細表を自動作成する(償却資産の自動棚卸)。
(10)手形の受払いについても、その受払いチェックを行い、手形記入帳を自動作成する(手形の自動受払管理)。
(11)金額の自動計算機能を使って法定福利費、社会保険預り金、減価償却費、資産売却損益、源泉徴収税等、計算によって金額が確定する仕訳をすべて自動作成する(金額の自動計算)。
(12)画面に表示される「資産、負債の実際の在り高確認欄」に実残高を入力し、併せて、証憑の最終番号を入力することによって、損益取引の誤入力や入力洩れを「自動検証」し、棚卸仕訳等を自動作成する(月次締切)。
(13)画面に表示される所定欄への入力をするだけで自動的に決算処理をおこなう(決算締切)。
(14)仕訳日記帳、総勘定元帳、補助元帳から決算書に至るすべての必須会計帳表を自動作成する(帳表出力)。
第4 本システムの自動会計機能の詳細
本システムは、上記の第3の(1)から(14)までで述べた複数の自動会計機能を備えた総合的な会計システムである。以下各番号ごとにその仕組みを詳述する。
まず、本システムでは、自動会計の根幹をなす仕訳の自動作成機能を果たすための前提として、取引について「頻度と金額に応じた分類」を行っている。すなわち、発生する取引を、その反復頻度と金額とに視点をおいてみると、全ての取引が、(1)−1.毎月(あるいは特定の月に)1回発生する定額の「月次定額取引」、(1)−2.毎月(あるいは特定の月に)1回発生する金額変動の「月次変額取引」、及び(3)定額か変額かを問わず随時発生する「随時発生取引」、と以上の3種の取引のいずれかに分類されることがわかる。従ってそれぞれの分類に応じた仕訳自動作成の仕組みができれば、結果として、全ての取引について仕訳が自動作成できることになる。
以下に、これらの3種類の取引の分類ごとに、本システムによる仕訳自動作成の仕組みを詳述する。
(1)−1.月次定額取引の仕訳自動作成
メンテナンス収入、家賃、保険料、リ−ス料、顧問料、諸会費、積立金、借入元金返済など毎月(あるいは特定の月に)1回発生する金額固定の取引はこれを「月次定額取引」とする。以下図5−1を参照して説明する。なお、図5−1においては、原因取引を太線で囲んでいる(以下に説明する他の全ての図面についても同様)。また、図5−1において、その末尾に記載されている「以上」という文字の右側にある一覧表は、図5−1に示す例については、取引データ基本型がN,L型であること、取引データ抽出法が完全自動抽出法と取引先別抽出法であること、及び、使用するフィールドが発生月、金額、消費税、併合、月日、連番証憑、及び取引先であることを示すものである(以下に説明する他の全ての図面についても同様)。
まず、初期登録時の動作を説明する。初期登録時には、図5−1のAに示すように、共通節の発生月のフィールドに毎月(あるいは特定の月)とするフラグ(属性情報)を入力し、売掛金、未払金等の未決済科目を使って取引データ(仕訳パターン)の登録を行う(図5−1のA参照)。すなわち、図5−1のAに示すように、発生月の項目に「毎月」というデータを入力し、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータを入力し、月日、金額、その未決済科目の相手側の科目、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目に特定のデータを入力することにより、既に月次定額取引の仕訳として一応完成されている月次定額取引の発生仕訳Aを初期登録しておく。
また、これと同時に、図5−1のBに示すように、前記仕訳Aの決済処理用のデータ(決済が終わった後の仕訳作成時に入力するときに使用する仕訳パターン)を、決済日を空欄にして登録する(図5−1のB参照)。すなわち、図5−1のBに示すように、発生月と月日の項目が空欄のままで、前記仕訳Aで入力した未決済科目のデータを、前記仕訳Aの相手科目側に入力し、その未決済科目の相手側の科目の項目に現金などの決済科目のデータを入力して、金額の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータを入力した、決済仕訳パターンB(月日が空欄なので未完成の仕訳)を初期登録しておく。
尚、前記決済データの決済科目は、初期登録時には現金や預貯金の口座、手形など複数の決済手段を包括して科目登録しておくので、決済手段ごとに同じデータを登録する必要はなく、仕訳作業時の取引データ抽出の際も、どの決済手段で決済しても、入力したその決済手段(普通預金なら普通預金)のデータに置き換えられて抽出される(前記第1の「4.各類型取引の登録データの設定」の中の「c」決済科目の包括登録)の項目を参照)。
次に、月初の更新作業のル−ティンの中で、図5−1のAに示す「月次定額取引」の仕訳の発生月フィ−ルドがチェックされることにより、前記仕訳Aが当月の仕訳として自動計上される。このとき、ユーザー側では一切の入力を要しない。
次に、決済後の仕訳作業時には、以下の手順でデータを絞り込んでいく。ユーザーは取引区分の選択画面から「現金・出金」を選択すると、予め取引先登録で仕入先または他の支払先と登録された支払先が複数個(プルダウンメニュー形式で)表示され(ここまでが損益取引(原因取引)データに導く為の、「結果取引」データによるガイドとなる)、その中から、ユーザーが取引先「山田太郎」を選択すると、図5−1のCに示すような決済仕訳Cが自動作成される。このとき、前記仕訳Cの月日の項目には、本システムに内蔵の暦自動表示機能により、その作業時の日付が自動表示されるので、ユーザーが例えばエンター・キーを押すことによりその入力が確定する。また、前記連番証憑の項目の連番も本システムに内蔵の自動カウント機能により自動的に表示され、ユーザーが例えばエンター・キーを押すことによりその入力が確定する。このように、本システムでは、業務(取引区分)を選択し、次に、取引先の選択(取引先を選択することはそのまま取引先区分の特定、すなわち類型取引デ−タの特定になっている)をして、実取引データを抽出していく。尚、決済日は前述のように暦自動表示機能によりユーザーの手入力は不要、固定金額も初期登録されているので入力不要、連番証憑となる領収書#(入金決済取引の場合は領収書控#となる)も自動カウント機能による(月次更新によって毎月#1にもどる)ので入力不要となる。実務上、領収書については、自動カウントされた#(領収書番号)を記入して、領収書綴りに1枚づつ証憑として貼付する。
次に、図5−1の仕訳Aと仕訳Cとに基づいて、これらの2つの仕訳A,Cを併合処理する(互いに科目と金額と取引先と月が同じふたつの科目節を相殺消去しあう)ことにより、図5−1のDに示す併合仕訳Dを自動的に作成する。すなわち、決済仕訳では、その未決済科目(図5−1Aの例では未払金)の科目節に、併合処理有りとして登録されている場合は、その科目節と科目、取引先、金額が同一である相手側の科目節を当月中の仕訳のなかから探し出して、互いに相殺消去しあい、残った科目節同士が合併して1つの仕訳を形成する(併合仕訳)ように設定されている。このとき月日は決済日に置き換えられる。図5−1の例では、未払金の科目節が相殺消去されて図5−1のAとCとの2つの仕訳が併合され、結果として1つの仕訳Dだけが作成される。
(2)当月仕訳の自動併合
このように、相手科目に売掛金、未収入金、買掛金、未払金等の未決済科目をたてて月次発生仕訳を計上し、その決済時に、金額や決済回数についての一致確認をしたのち、それら当月分の未決済科目の左右科目節を消去して、2つの仕訳を1つにするのが、本システムにおける“当月仕訳の自動併合”である。つまり未決済科目を取引の発生と決済の繋ぎ手として結び付け、発生取引が当月で決済されれば、未決済科目を消去して現預金等の決済科目を発生取引の相手科目として直接計上し、決済されなかった場合は、そのまま売掛金、未払金等の未決済金計上仕訳を自動作成し、同時に未決済リスト(月次取引未決済リストの画面)に表示し、されるべき決済がされていない旨を警告する。結局、本システムでは、月次取引については、その「結果取引」側の科目を、すべて一律に未決済科目を経由して登録することによって、二重計上や、誤計上、計上もれを事前に防止し、かつ、決済時の“当月仕訳の自動併合”によって二重決済や、誤決済、決済もれを回避し、発生と決済の両面から月次取引の正否を検証(チェック)するという仕組みになっている。従来のパソコン会計においては、月次発生仕訳をすべて一律に未決済科目を経由して登録するというシステムにはなっていないため、その計上が決済の有無に左右されることになり、上記のチェックができない。
尚、前月以前の未決済取引については仕訳としてすでに確定しているので、併合処理ありと設定されていても相殺消去はされず、通常の売掛金や未払金の決済仕訳として処理されるだけであり、併合処理は行われない。しかしながら未決済科目節の一致確認はおこなわれ、同種の取引の未決済が複数月に亘った場合、その決済は先に発生したものから順に充てられるようになっている。
(1)−2.月次変額取引の仕訳自動作成
電話代、電気代、水道代等、毎月(あるいは数ヶ月ごとに等、特定の月に)1回発生する金額変動の取引は、これを「月次変額取引」とする。以下、図5−2を参照して説明する(上記「(1)−1.月次定額取引」と共通する部分の説明は省略する)。
まず、月次変額取引の初期登録時には、図5−2の共通節の発生月のフィールドに毎月(あるいは特定の月)とするフラグ(属性情報)をたて、売掛金、未払金等の未決済科目を使って金額空欄のまま取引データの登録をし(図5−2のA参照)、同時にその決済データも金額のほか決済日を空欄のまま登録しておく(図5−2のB参照。決済科目の包括登録については前記の「月次定額取引」と同様である)。
次に、月初の更新作業のル−ティンの中で、図5−2のAの「月次変額取引」データの発生月の項目のフラグをチェックすることにより、仕訳パターン(結合データ。金額の項目が空欄なのでまだ完全な仕訳とはいえない)が当月の取引デ−タとして自動計上される。
次に、前記月次変額取引の決済が終わった後の仕訳作業時には、図5−2のBの仕訳の下方の「決済時の選択・入力画面」に示すように、取引区分の選択画面から「福銀普通・出金」(これが損益取引「原因取引」データに導く為の、「結果取引」データによるガイドとなる)を選択し、次に「NTT74」を選択・クリックした後、金額を入力すれば、図5−2のCで示す決済仕訳Cが自動作成される。このとき、決済日は前記暦自動表示機能により手入力不要、領収書#「連番証憑」も自動カウント機能により入力不要となる。
併合処理の仕組みは前記「月次定額取引」と同様であるが、このとき、計上データの金額欄が空欄であれば、日付だけでなく、金額も決済データのものに置き換えられるように設定されている(図5−2の例では、未払金の科目節が相殺消去されて図5−2のAとCとの2つの仕訳が併合され、結果として同Dの1つの仕訳だけが作成される)。
また、その月に決済されなかったものは自動的に未決済リストが表示されチェックされるので、そのガイド(図5−3のE参照)にしたがって金額を入力すれば、売掛金、未払金等の発生仕訳として自動計上される。尚、貸借科目節の一致の確認も前記「月次定額取引」と同様に行われるので、翌月以降の決済仕訳が、発生仕訳から同一の相手科目節を探し出せなかった場合は“NTT74あての支払い○○○円に一致する発生仕訳がありません。金額、取引先のご確認を。”というエラ−メッセージが表示される。これによって、計上ミスや決済ミスを発生側と決済側との相互間で自動的にチェックできるようになっている(図5−3参照)。
(1)−3.月次複合取引の仕訳自動作成
借入返済のように複合データとなるものについては、セットデータとして登録される。発生月フィ−ルドが「毎月」となっているような元金均等方式の借入元利返済の登録セットデータ(図5−4のA,B参照)の場合は、取引先「返済銀行」を選択後、元利合計金額を入力すれば、セットデータの金額集計機能(図5−4の中の「選択・入力画面」の中の入力項目を参照)を用いて支払い利息が差し引き計算されセット仕訳が自動作成される(図5−4のC,D参照)。元利均等方式の場合も同様に処理されるが、この場合登録データの元金欄は空欄とし、抽出時に入力される。月次取引なので、その月に決済されなかったものが自動的に未決済リストとして表示されチェックされるのは、「月次変額取引」に関して説明した前記3の図5−3の場合におけると同様である。
(3)−1.随時発生取引の仕訳自動作成
月次取引以外の随時発生する取引についても、上記の月次取引における決済時のデータ抽出のときと同様に、まず複数の取引区分の中のいずれか一つを選択画面(プルダウンメニュー)から選択し、その選択した取引区分に対応して表示される選択画面(プルダウンメニュー)からさらに取引先の選択(取引先登録によってすでに取引先区分の設定がされているので、取引先を選択することはそのまま取引先区分の特定、すなわち類型取引デ−タの特定になっている)をすることにより、取引データ(仕訳パターン)を抽出し、取引金額を入力して(随時定額取引の場合は金額は初期登録済みなので、入力不要)、仕訳を自動作成する。
すなわち、図6−1において、Aは初期登録時に初期登録する仕訳パターン、Aの下方の「選択・入力画面」は取引後の仕訳作業時の入力画面を説明する図である。仕訳作業時には、ユーザーが選択画面から「B銀行普通・出金」という業務(取引区分)を選択し、さらに、その業務に対応する選択画面から「A商事」という取引先を選択する。すると、本システムがこの「A商事」に対応する仕訳パターンAを抽出し、画面に表示する。そこで、ユーザーが金額の項目に「30,000」を入力すると、本システムが、この「30,000」のデータと前記抽出された仕訳パターンAとに基づいて、図6−1のBで示す仕訳を自動作成する。以下、本システムにおける随時発生取引の仕訳自動作成の機能を各取引形態ごとに説明する。
(3)−2.決済取引の仕訳自動作成
イ.代引き仕入れ
取引区分が(1)現預金出納・入金、(2)現預金出納・出金、(3)手形受取、(4)手形支払、(5)仮受計上・仮払精算のような決済取引である場合、たとえば“A商事の代引き仕入代金30,000円をB銀行の普通預金から支払った場合”は、図6−1に示すように、「B銀行普通・出金」を選択しそのプルダウンメニューから「A商事」を選択して抽出データを絞込み、あとは取引金額を入力して、仕訳が自動作成される(図6−1のB参照)。取引月日は前記暦自動表示の機能により手入力不要、連番証憑となる領収書#(入金決済取引の場合は領収書控#)も自動カウントの機能により入力不要となる。尚、図6−1Aの初期登録データのうち取引先の項目を“仕入先”としているデ−タは、仕入先として登録している取引先をすべて包括・包含しているものであるから、仕入先1件ごとに同じデータを登録する必要はなく、またデータ抽出の際も、どの仕入先であっても指定した特定仕入先のデータに置き換えられる。この点は、前記の“包括決済科目”として科目登録したケ−スと同様である(上記第1の「4.各類型取引の登録データの設定」の中のb)取引先名の包括登録の項目を参照)。
結果取引の科目節に売掛金、買掛金、未収入金、未払金等の未決済科目をもつ決済取引業務の場合は、金額を入力する都度、それら未決済科目の補助元帳残高(取引先ごとの残高)の自動チェックをする。そして残高がマイナスとなった場合は、「残高がマイナスになります。」という警告が画面に表示される。
ロ.レジ(現金)売上
業務がレジ(現金)売上の場合は、図6−2に示すように、「現金・入金」を選択して、そのプルダウンメニューから取引先として「一般現金顧客」を選択し、抽出データを絞込んでいく。あとはレジシ−トより売上金額を入力して、仕訳が自動作成される(図6−2のB参照)。取引月日は暦自動表示の機能により入力不要、連番証憑となるレジシ−ト#も自動カウント機能により入力不要となる。レジシ−トどおりに入金がされなかった場合は、レジシ−トに基づく帳簿残高と実際の現金有高が一致しなくなるので、そこでレジシ−トの入力ミスや入金もれがチェックできる。
ハ.仮払清算(仮受計上)
小口経費を計上する取引となる仮払精算(または仮受計上。以下同じ)の場合は、現預金・出金と同じ決済取引として処理される。具体的には、図6−3に示すように、「仮払精算」を選択してそのプルダウンメニューから「取引先」を選択し、抽出データを絞込んでいく。あとは金額を入力して、仕訳が自動作成される(図6−3のB参照)。仮払精算月日(または仮受計上月日。月末が多い)は、暦自動表示の機能により入力不要、連番証憑となる領収書番号も自動カウントの機能により入力不要となる。但し連番証憑については、小口経費業務の性質上「複数番号」を選択することが多くなる(上記実施例1、段落0037(連番証憑フィ−ルド)および図2参照)。
(3)−3.未決済取引の仕訳自動作成
イ.売掛売上等
随時発生する取引のうち、前述の(3)−2.の決済取引((1)現預金出納・入金、(2)現預金出納・出金、(3)手形受取、(4)手形支払、及び(5)仮受計上・仮払精算)として登録したもの以外のすべての取引については、(6)売掛売上、(7)買掛仕入、(8)未収雑収入等、(9)未払営業費等、(10)資産減等、(11)資産増等、(12)給与、およびこれらの値引や返品等の、未決済金計上取引として、売掛金、未収入金、買掛金、未払金等の未決済科目を用いて登録する(図7のA参照。上記第1の「4.各類型取引の登録デ−タの設定」の「a」未決済金計上取引の特定)参照)。
そして、そこから以下の手順でデータが抽出される。たとえば“5月末の売上締切日に、請求書控から山田屋宛の小売金額31,250円を計上する場合”は、まず、図7に示すように、取引区分から「売掛売上」を選択すると、プルダウンメニューにより根拠証憑が表示される。ここで「請求書控」を選択すると、取引先登録において「売上先・根拠証憑を請求書控」として登録した取引先が表示され、その中から、取引先「山田屋」を選択すると、Aの初期登録データが自動抽出される。後は取引金額を入力して仕訳が自動作成される(図7のB参照)。尚、取引月日は山田屋の登録締切日の月末で表示され、連番証憑となる請求書控#は自動カウントの機能により入力不要となる。
(4)自動連番による誤計上の防止
前述のように、本システムでは、証憑番号が自動的に連番で付される自動連番付与機能を備えているので、誤計上のチェックができ、誤計上の可能性があるときは画面に警告表示を行うことができる。
(5)取引先区分による重複計上防止とデータ絞込み
前述の場合に、取引先登録で「売上先・根拠証憑を請求書控」として登録した取引先だけしか表示されないようにするのは、その売上先については、代金引換売上(現金売上)が計上されたり、納品書控から、重複して売上が計上されたりしないようにする為である。一方、このことは表示取引先を絞込むことにもなるので、データ抽出時の取引先選択のスピ−ドを早くするという機能も併せもつ。これについては証憑を「請求書」と登録した仕入先を表示する場合の、代金引換仕入(現金仕入)の計上や、納品書からの仕入計上においても同様である(上記第1の「2.取引先区分の設定・登録・抹消」参照)。そのほか請求書控(または納品書控)のNo.を自動カウント表示することによって、番号の見落としによる収入計上もれや、番号の重複による収入二重計上が防止される(上記実施例1、段落0037(連番証憑フィ−ルド)および図2参照)。尚、「初期登録データ」で“売上先”としている取引先の取り扱いは、前述の「(3)−2.
決済取引の仕訳自動作成」の項目の中の「イ.代引き仕入」における“仕入先”包括登録の場合と同様である(上記第1の「4.各類型取引の登録デ−タの設定」の「b)取引先名の包括登録」参照)。また月日フィ−ルドは、取引先登録における締切日が、自動的に、その取引先の未決済金計上取引の月日となる。
(6)給与台帳等からの仕訳自動作成
給与は月次取引だが、他の取引と異なり給与台帳を中心とする独特の会計ル−ティンを持つので、給与取引区分を別に設ける。そこで、図8−1に示すように、給与台帳からの未払金計上、給与支給処理、社会保険告知書(および労働保険料申告書)に基づく社会保険料処理、と続く一連の表示画面に従って、所定の欄へ入力することにより、給与に関する仕訳が自動作成され併せて法定福利費が自動計算される。以下に詳述する。
a)給与の計上と支給
図8−1の上欄は、給与締切日3月20日に給与台帳の入力により自動計上される仕訳を説明するための図であり、図8−1の下欄と図8−2は、支給日3月25日の支給処理や、未払いの受給者がいた場合の未払受給者振替処理の入力画面を示す図である。支給処理の入力画面において、受給者あて未払金の計上(A,B)と支給(C〜G)が一致しないときは、自動的にアンマッチである旨の警告が表示され、支給額を再入力するか、給与「賞与」台帳の給与計上個所まで戻ることになるので、これらの科目節に、併合処理は設定していない。尚、給与台帳は給与の支給によって金額が確定するまで翌月に更新されることはない。
b)健保・厚生保険料の自動検証と仕訳自動作成
図8−3を参照して説明する。図8−3の最上段の入力レコード画面に示すように、4月20日に社会保険事務所から送付される保険料納入告知書の内容に従って金額を入力する。すると、本システム(パソコン内のソフトウェア)による自動計算において、給与(賞与)台帳の{社会保険料徴収額計を(労使折半負担となっているので)2倍した額}と{納入告知額通知書記載の社会保険料合計額から(全額使用者負担である)児童手当拠出金を控除した金額}と比較し、(円未満の端数処理を考慮し)許容誤差が「2円×受給者数」以内となった場合に、法定福利費を自動計上する(図8−3のイ参照)。
なお、上記の場合において、給与(賞与)台帳と険料納入告知額通知書との許容誤差が「2円×受給者数」を超えた場合は、図8−3のロに示すように警告画面が表示される。この場合は、給与支給前であれば給与台帳画面にもどって訂正し、支給後であればその翌月更新後の台帳の、過不足を生じた受給者の健康保険・厚生年金欄の上段(過不足調整欄)に徴収過不足額を入力することによって、その過不足額を織り込んだ上で当月分の再計算を自動的におこない告知額通知書との一致をさせる。
c)労災・雇用保険料の自動検証と仕訳自動作成
労災・雇用保険料に関する取引については、共通節の発生月の項目に、労働保険料の申告月である「特定月5月」とするフラグをたて、金額空欄のまま、取引データの初期登録をし、同時にその決済データも金額のほか決済日も空欄のままにして登録しておく。労働保険料の申告月に、自動表示される下記労働保険料申告書の画面に、算定基礎額を入力すれば、その会社の(登録しておいた)法定保険料率(例示では、労災保険料率は1,000分の5、雇用保険料率は1,000分の17.5。)が呼び込まれ、申告書の下記金額が自動計算され表示される(図8−4参照)。図8−4(労働保険料申告書の自動作成の機能の説明図)の右下の「不足額」の欄は、前年度の申告済概算保険料「90,000」が確定保険料額「112,500」に対して、不足(例示では22,500不足)であるか、過大であるかによって、「不足額」か「還付・充当額」か、が表示される。その後、図8−5及び図8−6に示すように、前記の申告書の金額をもとにして仕訳A〜Iがすべて自動作成され、決済時に仕訳Jが自動作成される。
棚卸管理フィールドの機能
棚卸管理フィ−ルドでは、次に掲げる4つの棚卸に関するデータ処理を行ない、それぞれについて台帳を出力する。
(7)商品の受払管理を行い、締日の在庫の棚卸仕訳を自動作成し、商品受払台帳を出力する。
(8)工事原価計算を行い、締日の原材料や仕掛品「仕掛工事」の棚卸仕訳を自動作成し、完成「及び未成」工事台帳を出力する。
(9)償却資産の増減管理を行い、資産払い出し時の減価償却仕訳を自動作成し、償却資産台帳を出力する。
(10)受取手形の受払管理を行い、受取手形記入帳を出力し、また支払手形の振出・決済管理を行い支払手形記入帳を出力する。
(7)売上原価の自動計算と棚卸仕訳自動作成
棚卸管理フィ−ルドが「売上原価」となっている初期登録データ(図9−1のA,B参照)は、抽出後、商品の受払管理とその自動棚卸処理のル−ティンに入り、「商品登録・選択」欄が画面表示される。そこで、画面の指示に従って、商品を登録して、金額を入力すれば、仕入計上仕訳が自動作成される(図9−1のC参照)。売上計上時には、在庫一覧(商品名・細目・仕入先・数量)が表示され、その中から払出商品を選択する。月次締切では、締日の在庫について棚卸仕訳を自動作成し商品受払台帳も自動作成する。尚、支払先の請求書、納品書については、抽出データの絞込みのため連番証憑フィ−ルドに根拠証憑として登録されるが、連番管理の対象ではない(以下請求書、納品書の取り扱いにおいて同様)。
(8)工事原価の自動計算と棚卸仕訳自動作成
棚卸管理フィ−ルドが「工事原価」となっている登録データ(図9−2のA,B参照)は、抽出後、工事原価計算とその自動棚卸処理のル−ティンに入り、「工事現場の登録・選択」欄が画面表示される。そこで、画面に従って、現場ごとに配賦した金額を入力すれば、仕入計上仕訳が自動作成される(図9−2のC,D参照)。月次締切では、未成工事現場の原価は集計され、原材料や未成工事支出金(仕掛品)として棚卸仕訳が自動計上される。原価計算の対象となる賃金については給与取引区分のル−ティンの中で表示される工事現場欄への入力によって、賃金に関する原価配賦仕訳の自動作成がされる。これらの処理を経て工事台帳が自動作成される。
因みに「工事現場の新規登録・選択」欄には本来、未成工事現場だけが表示されるのであるが、その表示欄の下部に「当期完成工事」欄と「過年度完成工事」欄の2枠を設定して、それぞれの完成工事現場がスクロ−ル表示されるようになっており、完成工事分についての追加工事や値引きが生じた場合は、そこから工事現場を選択する。
(9)償却資産増減の仕訳自動作成と自動棚卸
棚卸管理フィ−ルドが「償却資産」となっている登録セットデータ(図9−3のA〜F参照)は、抽出後、償却資産の増減管理(除却・売却の場合は減価償却仕訳自動作成も行なう。後述。)のル−ティンに入る。取引区分で「資産増等・購入」を選択した場合は「償却資産登録欄」が(取引区分で「除却・売却業務」を選択した場合は「償却資産有高一覧」が)画面表示され、そこで、画面に従って、購入資産を登録(または除却・売却資産を選択)して、金額を入力すれば、仕訳が自動作成される(図9−3のG〜L参照)。このフィ−ルドで償却資産台帳が自動作成される。因みに、償却資産登録欄の入力項目は「資産名・細目・耐用年数・事業供用割合」、償却資産有高一覧の表示項目は「資産名・細目・金額」となる。償却方法については会社登録時に選択するので、個々の資産ごとの登録はしない。尚、償却資産科目の科目節の棚卸管理フィ−ルドは、登録の際、入力しなくても自動的に「償却資産」として登録される。
(10)手形の自動受払管理
取引区分で「手形支払・裏書譲渡」を選択して抽出される登録データ(図9−4のA参照)は、棚卸管理フィ−ルドが「手形棚卸」となっているので、受取手形の受払管理のル−ティンに入り、手形払出の際は、手持手形一覧が画面表示され、その中から裏書する手形を選択すれば、手形払い出しの仕訳が自動作成される(図9−4のB参照)。このフィ−ルドで受取手形記入帳が自動作成される。尚、手形受取時のデータの、手形棚卸欄の入力項目は「決済日・受取先・手形番号」となる。一方、取引区分で「手形支払・振出」を選択した場合は、支払手形の振出・決済管理のル−ティンに入り、決済データ抽出時には、未決済手形一覧が画面表示されることになり、その中から決済する手形を選択して、手形決済の仕訳が自動作成される。このフィ−ルドで支払手形記入帳が自動作成される。手形振出し時のデータの、手形棚卸欄の入力項目は「決済日・支払先・手形番号」となる。受取手形・支払手形の科目節の棚卸管理フィ−ルドは、登録の際、入力しなくても自動的に「手形棚卸」として登録される。因みに、手形割引の場合は、「現預金出納・入金」の取引区分でデータが抽出される。
(11)金額の自動計算
本システムでは、金額の自動計算機能を使用して、計算によって金額が確定する仕訳を全て自動作成する。これについては、現行の労災・雇用保険料の料率や報酬、預金利子税、配当源泉税等の税率が法律により改正されることとなっても、仕訳自動作成の仕組みを変えることなく、料率や税額をもとめる算式の数値を変更入力することによって対応できるようになっている。次に詳述する。
a)法定福利費・社会保険料預り金
上記の「(6)給与台帳等からの仕訳自動作成」の中の「b)健保・厚生保険料の自動検証と仕訳自動作成」と「c)労災・雇用保険料の自動検証と仕訳自動作成」の項目において上述したとおりである。
b)減価償却・資産売却損益(資産売却仕訳の自動作成)
「資産減等・売却」の登録データには、予め、減価償却と資産売却損益の取引データがセットになって登録されている(図10−1のA〜E参照)。取引区分で「資産減等・売却」を選択した場合は、償却資産有高一覧が画面表示される。そこで、画面に従って、除却・売却資産を選択して、売却金額を入力すれば、減価償却と資産売却損益もふくめ資産売却にかかる仕訳がすべて自動作成される(図10−1のF〜J参照)。このフィ−ルドで償却資産台帳が自動作成される。因みに、償却資産有高一覧の表示項目は「資産名・細目・金額」である。尚、下取り売却によって新たな資産を購入する場合は、前述の「棚卸管理フィールドの機能」の中の「(9)償却資産増減の仕訳自動作成と自動棚卸」の資産購入処理とこの資産売却処理とがセットされた登録データとなるが、この際の登録データでは(図10−1のA〜E)の未収入金は、未払金と置き換えて登録される。
c)報酬分源泉所得税の仕訳自動作成
金額フィ−ルドが「司法書士源泉税」となっている、司法書士報酬支払いの登録セットデータ(図10−2のA,B参照)は、取引先の選択後、支払金額を入力すれば、「司法書士源泉税」が自動計算されセット仕訳が自動作成される(図10−2のC,D参照)。すなわち、図10−2において、パソコンの選択・入力画面で、支払金額(80,000)を入力し、(¥80,000−¥10,000)÷9=7,777 により「司法書士源泉税」を算定し、仕訳C,Dを自動作成する。尚、税理士報酬支払いの場合の「税理士源泉税」については、支払金額÷9(支払金額が900,000を超える場合は支払金額÷4−125,000)により算定されるが、それ以外は同様の処理となる。
d)預金利子税・県民税利子割の仕訳自動作成
金額フィ−ルドが「預金利子税」または「県民税利子割」となっている預金利息受取の登録セットデータについても、前記の報酬分源泉税におけると同様に、取引先の選択後、受取利息額を入力すれば、図10−3に示す手順で、セット仕訳(図10−3のD〜F参照)が自動作成される。すなわち、図10−3において、パソコンの選択・入力画面で、受取利息額(1,000)を入力して、「預金利子税」については(受取利息額×0.1875)により、「県民税利子割」については(受取利息額×0.0625)により、自動計算し、セット仕訳(図10−3のD〜F参照)を自動作成する。
e)配当源泉税・県民税配当割の仕訳自動作成
金額フィ−ルドが「配当源泉税」または「県民税配当割」となっている配当受取の登録セットデータについても、受取利息におけると同様に、取引先の選択後、受取配当額を入力すれば、「配当源泉税」「県民税利子割」ともに、所定の算式により算定され、セット仕訳が自動作成される(詳細は省略)。
(12)月次締切(損益取引の自動検証)
a)実残高棚卸と最終番号チェック
取引区分で「月次締切」を選択すると、図11−1の表に掲げる資産ごとに実残高の入力欄と証憑最終番号入力欄が画面に表示される(図11−1参照)。その実際の在り高確認欄に実残高を入力して帳簿残高との一致が確認され(図11−1の(イ)実残高棚卸を参照)、さらに証憑最終番号を入力することによって損益取引の誤入力や入力洩れがなかったということが実証されると(図11−1の(ロ)最終番号チェックを参照)、続いて「b)月次棚卸の仕訳自動作成」が行われ、「c)消費税の仕訳自動作成」が行われて、「月次締切」は完了する。図11−1の(イ)の「実残高棚卸」と図11−1の(ロ)の「最終番号チェック」で残高や番号の不一致があった場合は、その不一致となった取引区分に戻り入力し直すことになる。「最終番号チェック」は主に連番証憑フィ−ルドを使っておこなわれるが、小切手控の番号チェックは当座預金の口座ごとに、支払手形の番号チェックは棚卸管理フィ−ルドでそれぞれ別におこなわれる。尚、書損(番号欠落)や重複(ひとつの証憑番号が2つのデ−タにまたがる場合)はそれらの番号一覧が出力され、その確認ができるようになっている。
b)月次棚卸の仕訳自動作成
棚卸管理フィ−ルドが売上原価や工事原価と登録されている場合には、月次棚卸仕訳が自動作成される。月次締切では、締日の在庫について棚卸仕訳を自動作成し、「商品受払台帳」を自動作成する。
また、未成工事現場の原価は集計され、原材料や未成工事支出金(仕掛品)として棚卸仕訳が自動計上される(図11−2のC,E参照)。翌月にはその洗替え仕訳を自動作成する(図11−2のA,B,D参照)。原価計算の対象となる賃金については、給与のル−ティンの中で表示される工事現場欄への入力によって、賃金に関する原価配賦仕訳の自動作成がされる。これらの処理を経て「工事台帳」が自動作成される。
c)消費税の仕訳自動作成
消費税処理は税込処理か一括税抜処理のいずれかを選択することになるが、どちらを選択しても、月次締切では、抽出デ−タの消費税フィ−ルドによって集計された受払消費税差額にて、消費税の計上仕訳が自動作成される(図11−3のCを参照。還付の場合は図11−3のDを参照)。これについては翌月初の更新時に洗替え仕訳が自動作成される。尚、消費税額計算表は、原則課税と簡易課税の両方により消費税額が算出表示される。
(13)決算締切
取引区分で「決算締切」を選択すると、自動的に、(a)締後請求の仕訳自動作成、(b)家事否認等の仕訳自動作成、(c)貸付認定利息の仕訳自動作成、(d)期末棚卸仕訳自動作成、(e)減価償却仕訳自動作成、(f)1年基準振替仕訳自動作成、(g)消費税一括税抜処理のル−ティンに入る。各ル−ティンの中では、順次、表示される所定の欄へ所定のデータを入力することによって、登録データを抽出し、決算修正仕訳を自動作成する(なお、上記の(f)1年基準振替仕訳自動作成、(g)消費税一括税抜処理については、すべて自動につき、一切の入力は不要となる)。尚、仕訳の日付は自動的に決算日となる。この取引区分で算出された当期未処分利益(または当期未処理損失)は、翌期の株主総会開催月の月初更新で前期繰越利益(または前期繰越損失)に自動的に振替えられる。以下に前記の(a)〜(g)の処理について述べる。
a)締後請求の仕訳自動作成
証憑書を請求書控または請求書として登録している取引先(売掛先、未収先、買掛先、未払先)のうち、その登録締切日が決算日と異なるものについては図12−1(a)に示す締後請求一覧のリストが自動表示される。そこで画面にしたがい締後請求分として入力した金額が、決算修正で仕訳計上される(図12−1(b)のBを参照)。このとき、抽出データの棚卸管理フィ−ルドが工事原価となっていれば「工事現場の登録・選択」欄が表示されることになり、前記の「工事原価の自動計算」について前述したル−ティンに入ることになる。
b)家事関連否認(又は損金認容)の仕訳自動作成
図12−2(a)は家事関連否認(又は損金認容)表である。この家事関連否認(又は損金認容)の取引区分(図12−2(b)参照)で初期登録されたデータの取引内容とその当期発生額が自動表示される。家事否認(認容)率(%)は、前期の率(%)が事前に表示されているので、それを参考にしながら当期の割合を上書き入力できる。その入力により、否認又は認容の金額が算出され、代表者勘定振替(又は損金算入)の仕訳が自動作成される(図12−2(b)のBを参照)。
c)貸付認定利息の仕訳自動作成
図12−3(a)は貸付認定利息計上表である。この貸付認定利息計上の取引区分で初期登録された同族関係者(同族関係会社を含む)については、その貸借勘定の各月残高の累計が自動表示される。貸付認定利率は前期の利率が事前に表示されているので、それを参考にしながら当期の利率を上書き入力できる。入力後、貸付科目の各月残高累計(図12−3(a)のイ)から借入科目の各月残高累計(図12−3(a)のロ)を控除した残高に貸付認定利率を乗じて12で除した金額が「貸付認定利息」として算出され、仕訳が自動作成される(図12−3(b)のBを参照)。金額がゼロ以下になる場合には計上されない。
d)期末棚卸の仕訳自動作成
図12−4(a)は実地棚卸表である。この期末棚卸の取引区分で表示される実地棚卸表に、決算日現在の実地棚卸高「1,550,000」を入力して、仕訳が自動作成される(図12−4(b)参照)。尚、このとき、抽出データの棚卸管理フィ−ルドが売上原価となっている場合は、すでに決算日現在の月次棚卸の仕訳(前記の図11−2参照)が自動作成されているので、その金額との一致を自動確認するだけで、あらためて仕訳が作成されることはないが、不一致となった場合は、その旨が表示される(図12−4(b)E参照)。
e)減価償却の仕訳自動作成
この減価償却の取引区分で表示される減価償却明細表の期末有高資産について、資産(または資産の種類)ごとに減価償却の有無を指示入力することによって、減価償却仕訳が自動作成される(図12−5参照)。
f)1年基準振替仕訳自動作成
図12−6(a)は本システムにおいてパソコン画面に自動表示される1年基準振替表である。固定資産(又は固定負債)の減額となる月次定額取引データについては、その「減額月額×12」とその固定資産(又は固定負債)の期末残高とのいずれか少ない金額について、流動資産(又は流動負債)への振替仕訳が自動作成される(図12−6(b)参照)。尚、翌期首においては、その洗替仕訳が自動作成される。
g)消費税一括税抜処理
消費税一括税抜処理を選択した場合は、決算月の「月次締切」で作成した消費税計上仕訳について、その洗替仕訳を自動作成して取り消した後、あらためて、各科目の取引内容ごとに消費税額を仮受消費税(または仮払消費税)に振替える仕訳を自動作成する(図12−7参照)。
(14)帳表出力
仕訳日記帳、総勘定元帳、試算表、決算書のほか「月次締切」で掲げる諸出力帳表についても指定すれば、月中でも、「決算締切」後でも、その時点での出力ができる。図13は、本システムにおける残高明細表の表示形式を示す図である。本システムでは、月別売掛残高明細表、月別未収残高明細表、月別買掛残高明細表、月別未払残高明細表の作表は、各取引先の月末残高から、その各月の発生額を、直近月の分から順に控除していき、残った額について、その残った月の発生額の内書きのかたちで表示して、長期滞留分や、計上間違い、決済もれなどが一覧で確認できる形式になっている。
第5 本システムのその他の機能
1.消費税選択
翌々期の課税選択は当期の決算締切後に、当期を基準期間として行うことになる。原則として当期の課税選択を継続させるが、図14の左欄に示す場合に該当することとなった場合に応じて、図14の右欄に示すように選択肢が画面に表示され、必要な諸届出書も表示される。
また、翌々期経理処理選択は、原則として当期の経理処理を継続する。但し免税となる場合、一括税抜の選択はできない。また、課税売上割合が95%未満の場合の仕入控除については、消費税額計算表の仕入控除税額に課税売上割合を乗じて自動計算する「比例配分」の方式を採用する。
2.登録仕訳のメンテナンス
個々の企業固有のデータ登録を前提とするので、取引状況の変化によっては登録仕訳の追加や修正等のメンテナンスが必要となる。しかし本システムは、取引を類型化し、取引先を一括する、データの包括登録を骨子とするので、売上先や仕入先等主要な取引先については、その増減の都度1件ごとにデータ登録をし直す必要はない。また、システム導入時に、それまでの発生取引をすべてデータ登録するので、いちど登録しさえすれば、あとは月次定額取引の金額変更や、あらたな種類の取引が増えた場合の追加登録ていどの、わずかな登録メンテナンスですむ。かりに新規取引の登録もれがあったとしても、登録がないかぎりデータ抽出もできないので、誤入力がおきることもない、安全な会計システムとなっている。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明及び本発明を構成する各構成要件は、それぞれ、前記の各実施例及び前記の各実施例を構成する各要素として述べたものに限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、本実施例1では、前述のように、初期登録する仕訳パターンに共通節と借方科目節と貸方科目節との3つの記憶領域を備えるようにしているが、本発明では、共通節の項目デ−タを貸借に帰属させて、借方科目節と貸方科目節との2つの記憶領域のみを備えるようにしてもよい。
本発明の実施形態(随時発生取引)の概略構成を示す概念ブロック図。 本発明の実施形態(月次発生取引)の概略構成を示す概念ブロック図。 本発明の実施例1で使用する仕訳パターンの項目を説明するための図。 本発明の実施例1で使用する取引区分を説明するための図。 本実施例1で使用する取引先区分を説明するための図。 本実施例1で使用する取引区分とこれに対応する取引先を説明するための図。 本実施例1で使用する収入先の類型取引データを説明するための図。 本実施例1で使用する支払先の類型取引データを説明するための図。 本実施例1による仕訳自動作成法を説明するための図。 本実施例1の動作(月次定額取引および随時定額取引の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(月次変額取引の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(月次変額取引の計上もれ等の表示)を説明するための図。 本実施例1の動作(月次複合取引の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(随時変額取引の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(随時変額取引の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(随時変額取引の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(随時変額取引の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(給与台帳等からの仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(給与支給処理等の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(健保・厚生保険料の自動検証と仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(労働保険料申告書の自動作成の機能)を説明するための図。 本実施例1の動作(労災・雇用保険料の自動検証と仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(労災・雇用保険料の自動検証と仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(売上原価の自動計算と棚卸仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(工事原価の自動計算と棚卸仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(償却資産増減の仕訳自動作成と自動棚卸)を説明するための図。 本実施例1の動作(手形の自動受払管理)を説明するための図。 本実施例1の動作(減価償却・資産売却損益の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(報酬分源泉所得税の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(預金利子税・県民税利子割の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(実残高棚卸と最終番号チェック)を説明するための図。 本実施例1の動作(月次棚卸の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(消費税の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(締後請求の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(家事関連否認(又は損金認容)の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(貸付認定利息の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(期末棚卸の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(減価償却の仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(1年基準振替仕訳自動作成)を説明するための図。 本実施例1の動作(消費税一括税抜処理)を説明するための図。 本実施例1における残高明細表の表示形式を説明するための図。 本実施例1における翌々期の課税選択を説明するための図。
符号の説明
1 入力部
2 表示部
3 インターフェース制御部
4 属性別取引先記録部
5,5a 仕訳パターン記録部
6 計上仕訳記録部
7 取引先選択画面生成部
8 仕訳パターン抽出部
9 金額自動入力部
10 仕訳作成部
11 連番検証部
12 発生月チェック部
13 月次取引仕訳A計上部
14 月次取引仕訳パターンB抽出部
15 月次取引仕訳C生成部
16 併合仕訳D作成部

Claims (9)

  1. 予め、月日と、金額と、借方貸方双方の少なくとも科目、取引先、及び取引内容とを項目として含み、科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが対応付けられており、月日と金額の項目には特定のデータが対応付けられてない複数の仕訳パターンを、それぞれ各取引先と対応付けて記録しておくための仕訳パターン記録手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、
    ある取引の仕訳を行うために、前記取引先入力手段により取引先が入力されたとき、前記仕訳パターン記録手段から、その入力された取引先に対応する仕訳パターンを抽出するための仕訳パターン抽出手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の金額を入力するための金額入力手段と、
    前記仕訳パターン抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段と金額入力手段により入力された、その抽出された前記仕訳パターンの月日及び金額のデータとに基づいて、前記取引の仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、
    を備えている、仕訳自動作成機能付き会計システム。
  2. 請求項1において、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の金額を予めプログラムされた計算式により自動算出し入力するための金額自動入力手段を備えている、仕訳自動作成機能付き会計システム。
  3. 予め、月日と、金額と、借方貸方双方の少なくとも科目、取引先、及び取引内容とを項目として含み、金額及び科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが対応付けられており、月日の項目には特定のデータが対応付けられてない複数の仕訳パターンを、それぞれ各取引先と対応付けて記録しておくための仕訳パターン記録手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、
    ある取引の仕訳を行うために、前記取引先入力手段により取引先が入力されたとき、前記仕訳パターン記録手段から、その入力された取引先に対応する仕訳パターンを抽出するための仕訳パターン抽出手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、
    前記仕訳パターン抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段により入力された、その抽出された前記仕訳パターンの月日データとに基づいて、前記取引の仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、
    を備えている、仕訳自動作成機能付き会計システム。
  4. 発生月を項目の一つとして含み、毎月又は特定月に1回定期的に発生する、金額が変動する取引(月次変額取引)に対応する複数の仕訳パターンであって、
    予め、発生月と、月日と、金額と、借方貸方双方の少なくとも科目、取引先、及び取引内容とを項目として含み、
    (A)発生月の項目に所定のデータが入力されており、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、月日の項目と、前記未決済科目の相手側の科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが入力されているが、金額の項目には特定のデータが入力されていないために一部が未完成となっている月次変額取引の発生仕訳Aと、
    (B)発生月、月日、及び金額の項目に特定のデータが入力されておらず、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、その未決済科目の相手側の科目の項目に現金などの決済科目のデータが入力され、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目に特定のデータが入力されており、しかもその未決済科目の取引先の項目には、前記月次変額取引の発生仕訳Aにおける未決済科目の取引先と同じ取引先のデータが入力されている月次変額取引の決済仕訳パターンBとを、それぞれ各取引先と対応付けて予め記録しておくための仕訳パターン記録手段と、
    毎月の所定時期に、前記仕訳パターン記録手段の中の前記月次変額取引の発生仕訳Aの発生月の項目に所定のデータが記録されているかどうかをチェックして所定の信号を出力するための発生月チェック手段と、
    前記発生月チェック手段からの出力に基づいて、前記仕訳パターン記録手段から、前記月次変額取引の発生仕訳Aを当月の取引仕訳として一応計上するための月次変額取引発生仕訳Aの計上手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、
    前記月次変額取引の決済が行われた後に、ユーザーによりその決済の取引先が入力されたとき、前記仕訳パターン記録手段から、その取引先に対応する月次変額取引の決済仕訳パターンBを抽出するための月次変額取引の決済仕訳パターンB抽出手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の金額を入力するための金額入力手段と、
    前記月次変額取引の決済仕訳パターンB抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段と金額入力手段により入力された、その抽出された前記月次変額取引の決済仕訳パターンの月日及び金額のデータとに基づいて、前記月次変額取引の決済仕訳Cの仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、
    前記月次変額取引の発生仕訳Aの計上手段により当月の仕訳として一応計上された月次変額取引の発生仕訳Aと、前記月次変額取引の決済仕訳Cの生成手段により生成された月次変額取引の決済仕訳Cとの2つの仕訳に基づいて、それら2つの仕訳の未決済科目の側の項目の特定データを互いに相殺消去した後、貸借いずれかの科目の項目に現金などの特定の決済科目のデータが入力されており、その決済科目の相手側に月次変額取引の発生仕訳Aの未決済科目の相手側の科目の特定のデータが入力されている1つの月次変額取引の併合仕訳Dを作成するための併合仕訳D作成手段と、
    を備えている、仕訳自動作成機能付き会計システム。
  5. 発生月を項目の一つとして含み、毎月又は特定月に1回定期的に発生する、金額が固定された取引(月次定額取引)に対応する複数の仕訳パターンであって、予め、発生月と、月日と、金額と、借方貸方双方の少なくとも科目、取引先、及び取引内容とを項目として含み、
    (A)発生月の項目に所定のデータが入力されており、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、月日の項目と、金額の項目と、前記未決済科目の相手側の科目の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが入力されることにより、既に月次定額取引の仕訳として一応完成されている月次定額取引の発生仕訳Aと、
    (B)発生月、及び月日の項目に特定のデータが入力されておらず、貸借いずれかの科目の項目に売掛金、未払金などの未決済科目のデータが入力され、その未決済科目の相手側の科目の項目に現金などの決済科目のデータが入力され、金額の項目と、少なくとも借方貸方いずれかの取引先及び取引内容の項目とに特定のデータが入力されており、しかもその未決済科目の取引先の項目には、前記月次定額取引の発生仕訳Aにおける未決済科目の取引先と同じ取引先のデータが入力されている月次定額取引の決済仕訳パターンBとを、それぞれ各取引先と対応付けて予め記録しておくための仕訳パターン記録手段と、
    毎月の所定時期に、前記仕訳パターン記録手段の中の前記月次定額取引の発生仕訳Aの発生月の項目に所定のデータが記録されているかどうかをチェックして所定の信号を出力するための発生月チェック手段と、
    前記発生月チェック手段からの出力に基づいて、前記仕訳パターン記録手段から、前記月次定額取引の発生仕訳Aを当月の取引仕訳として計上するための月次定額取引発生仕訳Aの計上手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の取引先を入力するための取引先入力手段と、
    前記月次定額取引の決済が行われた後に、ユーザーによりその決済の取引先が入力されたとき、前記仕訳パターン記録手段から、その取引先に対応する月次定額取引の決済仕訳パターンBを抽出するための月次定額取引の決済仕訳パターンB抽出手段と、
    ある取引の仕訳を行うときに、その取引の月日を入力するための月日入力手段と、
    前記月次定額取引の決済仕訳パターンB抽出手段により抽出された仕訳パターンと、前記月日入力手段により入力された、その抽出された前記月次定額取引の決済仕訳パターンの月日のデータとに基づいて、前記月次定額取引の決済仕訳Cの仕訳を自動的に作成するための仕訳作成手段と、
    前記月次定額取引の発生仕訳Aの計上手段により当月の仕訳として計上された月次定額取引の発生仕訳Aと、前記月次定額取引の決済仕訳Cの生成手段により生成された月次定額取引の決済仕訳Cとの2つの仕訳に基づいて、それら2つの仕訳の未決済科目の側の項目の特定データを互いに相殺消去した後、貸借いずれかの科目の項目に現金などの特定の決済科目のデータが入力されており、その決済科目の相手側に月次定額取引の発生仕訳Aの未決済科目の相手側の科目の特定のデータが入力されている1つの月次定額取引の併合仕訳Dを作成するための併合仕訳D作成手段と、
    を備えている、仕訳自動作成機能付き会計システム。
  6. 請求項1から5までのいずれか一つにおいて、
    前記仕訳パターン記録手段は、少なくとも月日と金額を記録するための共通節記憶領域と、借方の少なくとも科目と取引先と取引内容とを記録するための借方科目節記憶領域と、貸方の少なくとも科目と取引先と取引内容とを記録するための貸方科目節記憶領域とを備えている、仕訳自動作成機能付き会計システム。
  7. 請求項1から5までのいずれか一つにおいて、
    予め、すべての取引先をそれぞれ取引区分および取引先区分の取引先属性と関連付けて記録しておくための属性別取引先記録手段を備え、
    前記取引先入力手段において、前記属性別取引先記録手段に記録された複数の取引区分および取引先区分からそれぞれひとつの区分をユーザーが選択するための、取引区分および取引先区分選択画面表示手段と、
    その選択された取引区分および取引先区分と関連付けられた複数の取引先のうちいずれかひとつの取引先を、ユーザーが前記属性別取引先記録手段から選択するための取引先選択画面表示手段と、
    を備えた仕訳自動作成機能付き会計システム。
  8. 請求項1から5までのいずれか一つにおいて、
    予め、すべての取引先をそれぞれ取引区分および取引先区分の取引先属性と関連付けて記録しておくための属性別取引先記録手段を備え、
    前記属性別取引先記録手段は、ある一つの取引先と関連する仕訳パターンが複数存在するときは、その実際の取引先の名称とその関連するそれぞれの仕訳パターンの識別データとを含む名称を、その取引先を識別する名称として記録する、仕訳自動作成機能付き会計システム。
  9. 請求項1から5までのいずれか一つにおいて、
    前記仕訳パターン記録手段の共通節記憶領域は、領収書、領収書控、請求書控、納品書控、又はレジシートなどの証憑の連番を自動カウントするための連番証憑の項目をも含んでおり、
    仕訳作成時に、ユーザーにより入力された取引先に基づいて対応する仕訳パターンが抽出されたとき、その仕訳パターンの前記連番証憑の項目には、前記取引区分および取引先区分に対応する証憑の名称と、その証憑の、前回の仕訳で自動カウントされた連番に1をプラスした連番とが自動的に入力され、
    前記抽出された仕訳パターンの連番証憑の項目欄で、(1)番号重複、(2)複数番号、(3)書損、(4)証憑なしという4つの選択肢を選択するための画面をユーザー側に表示するための選択肢表示手段と、
    ユーザーにより上記(1)が選択されたとき、2つのデータの番号が同一となるため直前の番号と同じ番号を強制的に重複入力した場合に次の番号からカウントし直す手段と、
    ユーザーにより上記(2)が選択されたとき、複数の証憑を一括する取引に対して、何番から何番までと入力できる画面を表示する手段と、
    ユーザーにより上記(3)が選択されたとき、その番号を書損番号としてカウントする手段と、
    ユーザーにより上記(4)が選択されたとき、自動振替や振込入金等、証憑を必要としない場合に「証憑なし」の選択によって連番がそのデータをスキップするようにする手段とを備え、
    月次締切時には、ユーザーにより証憑の連番チェックの指示が入力されたとき、前記自動作成された仕訳の連番証憑の項目の中の各証憑についてその連番の一部欠落や重複の有無をチェックし、一部欠落や重複が存在する場合は所定の警告を出力するための自動検証手段を備えている、
    仕訳自動作成機能付き会計システム。
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