JP2007010151A - 流体カップリング用キャップ - Google Patents

Abstract

【課題】流体カップリング用キャップ及び流体カップリングアセンブリを提供すること。
【解決手段】流体カップリング（１０）内に挿入するのに適したステム部材（２４）とこのステム部材（２４）に連結されたカバー部材（２６）を含む流体カップリング（１０）に用いるキャップ（１２）である。カバー部材（２６）は、流体カップリング（１０）を受け入れる大きさの内部空間（２８）を備えているため、流体カップリング（１０）はステム部材（２４）とカバー部材（２６）との間に配設される。内部空間（２８）は、少なくとも一つの長手方向に延びる溝部（３２）と長手方向に延びる突条部を有する壁部（３０）によって形成されている。
【選択図】 図１

Description

本発明は、主に流体カップリングに関するものであり、特に、流体カップリングに用いる防塵キャップ及び衝突保護キャップに関するものである。

流体パワーシステムでは、ホースアセンブリと、タンク、リザーバ、ポンプ、モータ或はバルブなどの装置との間に適用される接続を必要としており、数多くの適用例が存在する。一つの適用例では、流体カップリングの雄部を装置に接続して、流体カップリングのホース固定用の雌部を接続することができるポートとして機能させる。流体カップリングの雄部は、流体カップリングの雌部から取り外されたとき、塵埃や残がいから保護するために、キャップでカバーされる。また、流体カップリングの雄部は装置から突出しているので、流体カップリングの雄部が他の物体と衝突して損傷するのをキャップで保護している。以下、本発明の課題として、キャップを改良することについて説明する。

本発明の課題は、流体カップリング用の改良されたキャップ及びこのキャップを備えた流体カップリングアセンブリを提供することにある。

本発明は、流体カップリング内に挿入するのに適したステム部材とこのステム部材に連結されたカバー部材を備えた流体カップリング用のキャップを提供する。ここで、カバー部材には、流体カップリングを受け入れる大きさの内部空間が形成されており、流体カップリングはステム部材とカバー部材との間に配設される。内部空間は、少なくとも一つの長手方向に延びる溝部と長手方向に延びる突条部を有する壁部によって形成される。また、流体カップリングアセンブリは、本発明の実施の形態に基づいて提供されるキャップを備えている。本発明の他の特徴は、以下の図面及び詳細な説明を読むことによって当業者には明らかとなるであろう。

以下、本発明に係る実施の形態を、添付した図面を例として参照することにより説明する。
図１を参照すると、本発明の実施の形態に係る流体カップリング１０とキャップ１２を含む流体カップリングアセンブリが例示されている。流体カップリング１０は、流体カップリングの「雄部」として参照され、流体カップリング１０を、ポンプ、モータ或はバルブなどの装置に接続するアダプタ１４と、このアダプタ１４内に、バルブ１８をスプリング２０の付勢力に抗して移動するように固定するボディ部１６を含んでいる。また、流体カップリング１０は、複数のシール部材２２ａ〜２２ｆを備えており、これらのシール部材は、流体カップリング１０にキャップ１２が接続された場合、或は、別の流体カップリング（図示省略）に接続された場合に、流体の漏洩を阻止するように機能する。また、流体カップリング１０は、装置内で流体を流通させるポート、例えば、流体カップリングを接続する流体ホースを提供するように使用することもできる。流体カップリングが接続されていない場合には、流体カップリング１０はキャップ１２でカバーされ、塵埃や他の残がいが流体カップリング１０内に侵入することを阻止すると共に、衝突に対しても保護される。

図１に示す実施の形態では、キャップ１２は、流体カップリング１０内に挿入するのに適したほぼ円筒状のステム部材２４と、このステム部材２４に連結されたカバー部材２６を備えている。カバー部材２６は、流体カップリング１０のボディ部１６を受け入れる大きさの内部空間２８を備えており、流体カップリング１０はステム部材２４とカバー部材２６との間に配設される。

図２及び図３に示す実施の形態では、カバー部材２６の内部空間２８は、少なくとも一つの長手方向に延びる溝部３２を有する壁部３０によって形成されている。壁部３０の少なくとも一部は、カバー部材２６と流体カップリング１０のボディ部１６との間にポケット部３３（図１参照）を形成するように流体カップリング１０の外表面に係合する。長手方向に延びる溝部３２は、ポケット部３３とキャップ１２の外部３４との間に流体通路を形成して、ポケット部３３内に収容されている流体を排出する。例えば、キャップ１２が流体カップリング１０上に配設されている場合に、キャップ１２と流体カップリング１０との間に捕らえられている空気を溝部３２を介して排出して、組み付け後に捕らえられている空気の圧力によりキャップ１２が抜けることを阻止することができる。さらに、接続中に、ポケット部３３に圧力流体として集積され、キャップ１２を流体カップリング１０から外そうとする流体圧力が作用する前に、ステム部材２４と流体カップリング１０との境界面を通過して漏れる流体を排出させることができる。図２及び図３に示すように、壁部３０に、複数の長手方向に延びる溝部３２を形成して、ポケット部３３から流体をさらに容易に排出することができる。

或は、溝部３２の内表面は、少なくとも一つの長手方向に延びる突条部を有するものであるとも考えることができる（例えば、図２において参照番号３０で示す。）。このように定義した場合には、長手方向に延びる突条部が流体カップリング１０の外表面に係合して、カバー部材２６の壁部と流体カップリング１０との間にポケット部３３を形成する。溝部３２と同様に、長手方向に延びる突条部が、ポケット部３３とキャップ１２の外面３４との間に流体通路を形成する。カバー部材２６が複数の長手方向に延びる突条部を備えることにより、ポケット部３３からの流体排出をさらに容易とすることができる。

流体通路を形成する際に、長手方向に延びる溝部及び突条部により、流体カップリング１０に接触するカバー部材２６の表面積が減少する。比較的低い温度では、キャップ１２は流体カップリング１０の周囲で収縮するため、キャップ１２の移動を困難にすることができる。流体カップリング１０に接触するカバー部材２６の表面積を減少させることにより、キャップ１２を移動させようとする力も減少される。

再度、図１を参照すると、ステム部材２４は、その端部３８に隣接して開口部３６を備えている。また、開口部３６をステム部材２４の外部に連通するダクト４０が形成されている。ダクト４０は、ステム部材２４を流体カップリング１０から離脱させる際に、シール部材２２ａと２２ｆとの間に捕らえられている流体圧力の排出を制御する。また、ステム部材２４は、カバー部材２６にステム部材２４を固定するために、カバー部材２６の凹部４６及び４８内にそれぞれ収容される第１及び第２フランジ４２及び４４を備えることもできる。

図２及び図３を参照すると、カバー部材２６は、キャップ１２を流体カップリング１０或は装置構造体（図示省略）に連結するのに適した繋ぎ部材５０を備えることもできる。この実施の形態では、繋ぎ部材５０は、孔５４とこの孔５４から延在する細長い溝５６が形成された可撓性のアイレット５２を備えており、このアイレット５２を流体カップリング１０或は隣接する装置構造体に挿入する際に、流体カップリング１０或は隣接する装置構造体の周囲でアイレット５２を変形させることができる。カバー部材２６は、繋ぎ部材５０と同様に、ゴム或は合成樹脂材などの可撓性部材から製造することができる。

本発明を、特に、前述した実施の形態に関連して説明したが、この実施の形態は、本発明を実施するための最良の形態を示すに過ぎない。当業者であれば、ここで説明した本発明の実施の形態の種々の変更は、請求の範囲で限定する本発明の精神及び範囲から離れることなく実施することができることを理解すべきである。請求の範囲は本発明の範囲を限定するものであり、また、これらの請求の範囲内の方法や装置並びに同等のものは、これらに含まれるものである。また、本発明の説明は、ここで説明した新規でかつ非自明な要素の全ての組み合わせを含むものであり、また、請求の範囲は、これらの新規でかつ非自明な要素の全ての組み合わせに適用できることを理解すべきである。さらに、前述した実施の形態は、個々の特徴や要素が全ての可能な組み合わせに対して必須となるものではないことを示している。

図１は、本発明の実施の形態に係る流体カップリングとキャップの部分断面図である。 図２は、図１に示すキャップに使用するカバー部材の底面図である。 図３は、図２に示すカバー部材の部分断面図である。

符号の説明

１０ 流体カップリング
１２ キャップ
１４ アダプター
１６ ボディ部
１８ バルブ
２０ スプリング
２２ａ〜２２ｆ シール部材
２４ ステム部材
２６ カバー部材
２８ 内部空間
３０ 壁部
３２ 溝部
３３ ポケット部
３４ キャップの外部
３６ 開口部
３８ 端部
４０ ダクト
４２ 第１フランジ
４４ 第２フランジ
４６，４８ 凹部
５０ 繋ぎ部材
５２ アイレット
５４ 孔
５６ 溝

Claims (20)

1. 流体カップリング用キャップであって、該キャップは、流体カップリング内に挿入するのに適したステム部材と、該ステム部材に連結されたカバー部材とから構成されており、また、該カバー部材は、ステム部材とカバー部材との間に流体カップリングを配設するように、流体カップリングを受け入れる大きさの内部空間を備えており、該内部空間は、少なくとも一つの長手方向に延びる溝部と長手方向に延びる突条部を有する壁部によって形成されていること、を特徴とする流体カップリング用キャップ。
2. 壁部は、複数の長手方向に延びる溝部を備えることを特徴とする請求項１に記載の流体カップリング用キャップ。
3. 壁部は、複数の長手方向に延びる突条部を備えることを特徴とする請求項１に記載の流体カップリング用キャップ。
4. 壁部の一部は、流体カップリングの外表面に係合してカバー部材と流体カップリングとの間にポケット部を形成すると共に、長手方向に延びる溝部は、ポケット部とキャップの外部との間に流体通路を形成することを特徴とする請求項１に記載の流体カップリング用キャップ。
5. 突条部は、流体カップリングの外表面に係合してカバー部材と流体カップリングとの間にポケット部を形成すると共に、長手方向に延びる突条部は、ポケット部とキャップの外部との間に流体通路を形成することを特徴とする請求項１に記載の流体カップリング用キャップ。
6. ステム部材は、その端部に隣接して開口部を備えることを特徴とする請求項１に記載の流体カップリング用キャップ。
7. ステム部材が流体カップリングから離脱されるときに、閉じ込めらた流体圧力の排気を制御するために、ステム部材の外部に流体連結される開口部を提供するようにダクトが配設されていることを特徴とする請求項６に記載の流体カップリング用キャップ。
8. ステム部材は、該ステム部材をカバー部材に固定するために、カバー部材内の凹部内に収容される第１及び第２フランジを備えることを特徴とする請求項１に記載の流体カップリング用キャップ。
9. さらに、流体カップリングにキャップを固定する繋ぎ部材を備えることを特徴とする請求項１に記載の流体カップリング用キャップ。
10. カバー部材は可撓性部材であることを特徴とする請求項１に記載の流体カップリング用キャップ。
11. 流体カップリングアセンブリであって、該流体カップリングアセンブリは、流体カップリングと、流体カップリング内に挿入するのに適したステム部材と該ステム部材に連結されたカバー部材を含むキャップとから構成されており、また、カバー部材は、ステム部材とカバー部材との間に流体カップリングを配設するように、流体カップリングを受け入れる大きさの内部空間を備えており、該内部空間は、少なくとも一つの長手方向に延びる溝部と長手方向に延びる突条部を有する壁部によって形成されていること、を特徴とする流体カップリングアセンブリ。
12. 壁部は、複数の長手方向に延びる溝部を備えることを特徴とする請求項１１に記載の流体カップリングアセンブリ。
13. 壁部は、複数の長手方向に延びる突条部を備えることを特徴とする請求項１１に記載の流体カップリングアセンブリ。
14. 壁部の一部は、流体カップリングの外表面に係合してカバー部材と流体カップリングとの間にポケット部を形成すると共に、長手方向に延びる溝部は、ポケット部とキャップの外部との間に流体通路を形成することを特徴とする請求項１１に記載の流体カップリングアセンブリ。
15. 突条部は、流体カップリングの外表面に係合してカバー部材と流体カップリングとの間にポケット部を形成すると共に、長手方向に延びる突条部は、ポケット部とキャップの外部との間に流体通路を形成することを特徴とする請求項１１に記載の流体カップリングアセンブリ。
16. ステム部材は、その端部に隣接して開口部を備えることを特徴とする請求項１１に記載の流体カップリングアセンブリ。
17. ステム部材が流体カップリングから離脱されるときに、閉じ込めらた流体圧力の排気を制御するために、ステム部材の外部に流体連結される開口部を提供するようにダクトが配設されていることを特徴とする請求項１６に記載の流体カップリングアセンブリ。
18. ステム部材は、該ステム部材をカバー部材に固定するために、カバー部材内の凹部内に収容される第１及び第２フランジを備えることを特徴とする請求項１１に記載の流体カップリングアセンブリ。
19. さらに、流体カップリングにキャップを固定する繋ぎ部材を備えるを特徴とする請求項１１に記載の流体カップリングアセンブリ。
20. カバー部材は可撓性部材であることを特徴とする請求項１１に記載の流体カップリングアセンブリ。
    

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