JP2007009007A - ε型銅フタロシアニン顔料組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より優れた着色力を示すε型銅フタロシアニン顔料組成物を提供する。
【解決手段】 ε型銅フタロシアニン顔料と、フタルイミドアルキル化フタロシアニンと、高級脂肪酸またはその塩とを含有し、質量基準で、ε型銅フタロシアニン顔料とフタルイミドアルキル化フタロシアニンの合計100部当たり高級脂肪酸またはその塩1〜10部であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料組成物。α型銅フタロシアニンと、ε型銅フタロシアニンと、フタルイミドアルキル化フタロシアニンとをソルベントソルトミリング処理するε型銅フタロシアニン顔料組成物の製造方法において、高級脂肪酸またはその塩の存在下でソルベントソルトミリング処理する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ε型銅フタロシアニン顔料組成物及びその製造方法に関する。
銅フタロシアニン顔料は、α型(C.I.Pigment Blue 15、同15:1及び同15:2)、β型(C.I.Pigment Blue 15:3)及びε型(C.I.Pigment Blue 15:6)の結晶多型を示す。これら結晶型のうちε型は、最も赤味の青色の色相であると共にα型に比べて着色力に優れるという、特異的な特徴を有している。
この様なε型銅フタロシアニン顔料の製造方法としては、例えば、特許文献1にある様に、ε型銅フタロシアニンを主成分として含有するε型粗製銅フタロシアニン顔料を乾式磨砕してε型銅フタロシアニンとα型銅フタロシアニンとの混合物を製造し、これを大過剰の有機溶剤中で加熱を行うソルベント処理によるε型銅フタロシニン顔料組成物の製造方法が知られている。
また、α型粗製銅フタロシアニン顔料またはα型銅フタロシアニン顔料を、フタルイミドアルキル化フタロシアニン誘導体と極少量のシードとなるε型銅フタロシアニンと、食塩等の磨砕助剤と共に有機溶剤の存在下で、ニーダー等の混練設備を使い機械的磨砕を行うソルベントソルトミリング処理によるε型銅フタロシニン顔料組成物の製造方法も知られている(特許文献2参照。)。
さらに、ε型粗製銅フタロシアニン顔料、α型銅フタロシアニンを含有するε型微細銅フタロシアニン顔料及び窒素吸着法によるBET比表面積90m/gからなる群から選ばれるε型銅フタロシアニンを、食塩等の磨砕助剤と共に有機溶剤の存在下で、ニーダー等の混練設備を使い機械的磨砕を行うソルベントソルトミリング処理によるε型銅フタロシニン顔料の製造方法も知られている(特許文献3参照。)
前記した各特許文献に記載された製造方法により得られるε型銅フタロシアニン顔料及びその組成物は、いずれも着色力が不充分であるという欠点があった。
特開平4−252273号公報 特開2000−258620公報 特開2002−121420公報
本発明が解決しようとする課題は、例えば、印刷インキ、塗料、着色プラスチック成形品、インクジェット記録用インク、カラーフィルタ用レジスト等の調製に青色着色剤として用いた際に、従来のε型銅フタロシアニン顔料より、より優れた着色力を示すε型銅フタロシアニン顔料組成物を提供することにある。
本発明者等は、より優れた着色力を示すε型銅フタロシアニン顔料及びその製造方法について鋭意検討したところ、ε型銅フタロシアニン顔料とフタルイミドアルキル化フタロシアニンと高級脂肪酸またはその塩とを含み、高級脂肪酸またはその塩を特定量含有させること、高級脂肪酸またはその塩を任意の段階において含有させ、フタルイミドアルキル化フタロシアニンを含有するα型銅フタロシアニンをソルベントソルトミリング処理することで、前記課題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、ε型銅フタロシアニン顔料(A)とフタルイミドアルキル化フタロシアニン(B)と高級脂肪酸またはその塩(C)とを含有し、質量基準で、前記顔料(A)と前記フタロシアニン(B)の合計100部当たり高級脂肪酸またはその塩(C)1〜10部であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料組成物を提供する。
また本発明は、α型銅フタロシアニン(X)と、ε型銅フタロシアニン(Y)と、フタルイミドアルキル化フタロシアニン(B)とをソルベントソルトミリング処理するε型銅フタロシアニン顔料組成物の製造方法において、高級脂肪酸またはその塩の存在下でソルベントソルトミリング処理することを特徴とする、前記ε型銅フタロシアニン顔料組成物の製造方法を提供する。
本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物は、高級脂肪酸またはその塩を特定量含有しているので、より着色力に優れる着色物が得られるという格別顕著な効果を奏する。また本発明の製造方法では、前記したε型銅フタロシニン顔料組成物を簡便に製造することが出来るという格別顕著な効果を奏する。
本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物は、青色顔料であるε型銅フタロシアニン顔料(A)と、フタルイミドアルキル化フタロシアニン(B)と、高級脂肪酸またはその塩(C)とを含有する。以下、フタルイミドアルキル化フタロシアニン(B)は誘導体(B)、高級脂肪酸またはその塩(C)は、脂肪酸(C)と略記する。
ε型銅フタロシアニン顔料(A)は、X線回折スペクトル(CuKα線)によるブラッグ角2θ(許容範囲±0.2°)=9.2°に最も強いピークを有する銅フタロシアニン顔料である。このピークは、α型やβ型とは異なるε型銅フタロシアニン顔料に固有なものである。このε型銅フタロシアニン顔料(A)は、C.I.Pigment Blue 15:6とも呼ばれる。
誘導体(B)は、フタルイミドアルキル化フタロシアニンからなる。この誘導体(B)は、少なくとも一つのフタルイミドアルキル基がフタロシアニン環上の水素原子と置換され結合した、無金属フタロシアニンまたは金属フタロシアニンである。尚、フタルイミドアルキル基として代表的なフタルイミドメチル基は、次の様な基をいう。
Figure 2007009007
本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物において、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と誘導体(B)の含有割合は、特に制限されるものではないが、質量基準で、ε型銅フタロシアニン顔料(A)100部当たり誘導体(B)1〜20部とすることが適切な着色力となることから好ましい。
脂肪酸(C)は、高級脂肪酸またはその塩である。高級脂肪酸は、炭素原子数5〜24のモノカルボン酸であり、分子内の炭素炭素二重結合の有無により、飽和酸または不飽和酸がある。それは、分枝構造、環状構造、三重結合を分子中に有しても良い。脂肪酸(C)としては、炭素原子数10〜20のモノカルボン酸、好適には、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラウリン酸およびこれらのアルカリ金属塩やアミン塩等を挙げることができる。脂肪酸(C)は、単一、または二種以上の混合物であっても良い。脂肪酸(C)は、固体であっても液体であっても良い。ちなみに、飽和酸の多くは固体、不飽和酸の多くは液体である。この脂肪酸(C)には、ワックスとして用いられている脂肪酸エステルや脂肪酸アミドは、包含されない。本発明における顔料組成物は、これらワックスを含む同様の顔料組成物に比べて優れたものである。
本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物において、脂肪酸(C)は、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と誘導体(B)の合計100部当たり1〜10部である。
本発明におけるε型銅フタロシアニン顔料組成物は、そこに含まれる粒子が微細であるほど被着色媒体を着色した際の着色物の着色力を高められる点で、窒素吸着法によるBET比表面積70〜130m/gであることが好ましい。窒素吸着法におけるBET比表面積は、JIS Z 8830−1990(気体吸着による粉体の比表面積測定方法)に従って測定することが出来る。着色物として、着色力の他に、高い耐光性や耐候性が要求される場合は、このBET比表面積は小さい方が好ましい。
この様なε型銅フタロシアニン顔料組成物は、被着色媒体中への顔料の分散性、分散後の分散安定性が高く、それを液媒体に分散させて得た後記する青色顔料分散液の粘度も低く安定(微細な粒子に分散)であり、この顔料組成物を含有するコーティング剤は、基材に塗布した場合に、均質な塗膜を形成して透明性が高い着色被膜を得ることが出来る。
また、この様なε型銅フタロシアニン顔料組成物は、カラーフィルター青色画素部を形成する光硬化性組成物への分散が容易であり、これを硬化する際に多用される365nmにおける遮光性が低下することもない(即ち高透過性)。また光硬化感度の低下もなく、現像時の膜へりやパターン流れも起こり難くなるので好ましい。そのため、近年要求されている塗膜の輝度、コントラストおよび光透過率のいずれもが高いカラーフィルター青色画素部をより簡便に得ることが出来る。ここでコントラストとは、2枚の偏光板の偏光方向を平行にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度を2枚の偏光板の偏光方向を垂直にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度で除したものであり、消偏性とも呼ばれるものである。
本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物は、例えば、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と、誘導体(B)と、脂肪酸(C)とを、前記した質量割合となる様に、混合すれば製造することが出来る。ε型銅フタロシアニン顔料組成物は、予め誘導体(B)と脂肪酸(C)とを充分に混合した後、それとε型銅フタロシアニン顔料(A)とを混合したり、予めε型銅フタロシアニン顔料(A)と脂肪酸(C)とを充分に混合した後、それと誘導体(B)とを混合することで製造することも出来る。必要であれば、ε型銅フタロシアニン顔料(A)、誘導体(B)及び脂肪酸(C)を予め混合前に、混合しながら、或いは、混合後に、ボールミリングやアトライター等の公知慣用の手段により摩砕して、前記した好適な比表面積となる様にすることも出来る。
しかしながら、より少量の脂肪酸(C)でより高い改良効果を発現させ、かつ前記した様な好適な比表面積のε型銅フタロシアニン顔料組成物を簡便に製造する方法がある。それは、α型銅フタロシアニン(X)と、ε型銅フタロシアニン(Y)と、誘導体(B)とをソルベントソルトミリング処理するε型銅フタロシアニン顔料組成物の製造方法において、任意の段階において高級脂肪酸またはその塩を含有させることを特徴とする、前記ε型銅フタロシアニン顔料組成物の製造方法である。
この製造方法では、ε型銅フタロシアニン(Y)をシードとして、α型銅フタロシアニン(X)と誘導体(B)との混合物をソルベントソルトミリング処理する。α型銅フタロシアニン(X)としては、α型銅フタロシアニン顔料が挙げられる。α型銅フタロシアニン顔料は、C.I.ピグメントブルー15、同15:1及び同15:2等の市販品のいずれもを用いることが出来る。X線回折スペクトルによるブラッグ角2θから、α型銅フタロシアニン(X)は、シードであるε型銅フタロシアニン(Y)と容易に区別することが出来る。
ε型銅フタロシアニン(Y)はシードであり、それは、α型銅フタロシアニン(X)の全てを、このソルベントソルトミリング処理により、より簡便にε型銅フタロシアニン顔料に転換させるために用いられる。ソルベントソルトミリングに供する混合物は、質量割合で、α型銅フタロシアニン(X)>>ε型銅フタロシアニン(Y)となる様に調整される。α型銅フタロシアニン(X)とε型銅フタロシアニン(Y)との質量割合は特に制限されないが、例えば、前者100部当たり後者0.05〜8部、中でも0.5〜5部であることが好ましい。
また、ε型銅フタロシアニン(Y)としては、前記したε型銅フタロシアニン顔料(A)だけでなく、それより比表面積が小さいε型粗製銅フタロシアニン顔料を用いることも出来る。
本発明においてソルベントソルトミリング処理とは、α型銅フタロシアニン(X)とε型銅フタロシアニン(Y)と誘導体(B)と、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。
このソルベントソルトミリング処理により、α型銅フタロシアニン(X)の結晶変換および微細化が同時並行に行われ、またε型フタロシアニン(Y)は、微細化が行われる。この処理により得られたε型銅フタロシアニン顔料組成物からは、被着色媒体への分散性、その中での分散安定性がより向上し、高い着色力の着色物が得られる。
脂肪酸(C)は、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物を製造する任意の段階において、系内に含ませることが出来る。シードや顔料誘導体を含ませることによる効果を最大限発揮させて、α型銅フタロシアニン(X)をε型銅フタロシニン顔料(A)とするためには、シードであるε型銅フタロシアニン(Y)と誘導体(B)とがいずれも極力、露出した形で仕込まれることが好ましい。即ち、これらは、いずれも脂肪酸(C)で被覆されていないことが好ましい。
そのため、ソルベントソルトミリング処理は、脂肪酸(C)を含有したα型銅フタロシアニン(X)と、脂肪酸(C)を含まないε型銅フタロシアニン(Y)と、脂肪酸(C)を含まない誘導体(B)と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練摩砕することが好ましい。
脂肪酸(C)をα型銅フタロシアニン(X)に含有させる代表的な方法としては、例えば、α型銅フタロシアニン(X)の製造前、製造中、製造後に、それを含ませる方法がある。具体的には、例えば、予め得た脂肪酸(C)を含まないα型銅フタロシアニン(X)に対して、塩となした脂肪酸(C)を加えて酸析する方法、脂肪酸(C)のエマルジョンを加える方法、脂肪酸(C)をドライブレンドする方法等がある。ソルベントソルトミリング処理において、ε型銅フタロシアニン(Y)と誘導体(B)とがいずれも露出した形で保たれる様に、フリーの脂肪酸(C)含有量が極力少ない、脂肪酸(C)を含有するα型銅フタロシアニン(X)を用いることが、最も好ましい。
ソルベントソルトミリング処理は、前記した各原料を混練機に仕込み、その中で混練摩砕することで行うことが出来る。この際の混練手段としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等の混練機が挙げられる。
前記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用出来、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を使用することが好ましい。また、平均粒子径が0.3〜70μmの無機塩を使用することがより好ましい。この様な無機塩としては、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得ることが出来る。
本発明において好適な比表面積のε型銅フタロシアニン顔料組成物を得るに当たっては、無機塩の使用量を、質量換算で、α型銅フタロシアニン(X)と、ε型銅フタロシアニン(Y)と、誘導体(C)との合計1部当たり3〜30部とすることが出来、カラーフィルター画素部を形成するための本顔料組成物を調製する場合には、なかでも7〜30部とするのが好ましく、特に15〜30部とするのが最も好ましい。
有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を使用することが出来る。
有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で、α型銅フタロシアニン(X)と、ε型銅フタロシアニン(Y)と、誘導体(C)との合計1部当たり0.01〜5部が好ましい。
本発明においては、色相等を変化させない範囲で必要であれば、金属フタロシアンスルホン酸の様な、フタルイミドアルキル化フタロシアニン以外のフタロシアニン誘導体、モノクロロ銅フタロシアニンやテトラクロロ銅フタロシアニンの様な部分塩素化フタロシアニン化合物を含有させることが出来る。金属フタロシアンスルホン酸や金属フタロシアニン高級脂肪族アミン塩の様な、フタルイミドアルキル化フタロシアニン以外のフタロシアニン誘導体は、ε型銅フタロシアニン顔料組成物を構成する粒子の内部または粒子の表面に存在していることが、粒子を含む被着色媒体の流動性等の改善効果が高くなるので好ましい。
ソルベントソルトミリング処理において、前記した様な無機塩や有機溶剤は、最初の仕込段階で必要量全量を仕込んで以降そのまま、α型銅フタロシアニン(X)が実質的にε型銅フタロシアニン顔料(A)となるまで、或いは、さらに前記した好適な比表面積の所望の比表面積となるまで摩砕を行っても良いし、必要量の一部だけを仕込んで摩砕を開始し、途中で無機塩および/または有機溶剤の残量を、一括または分割して仕込む様にして摩砕を行う様にしても良い。
ソルベントソルトミリング処理時の温度は、30〜150℃が好ましく、なかでも60〜120℃がより好ましい。また、ソルベントソルトミリング処理の時間は、3時間から36時間が好ましく、なかでも5〜24時間がより好ましい。
ソルベントソルトミリング中の経時サンプリングから、顔料組成物中のα型からε型への結晶変換の程度や比表面積値等に基づいて、必要とする特性をもった本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物を得るソルベントソルトミリングの条件を選定することが出来る。
本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物は、脂肪酸(C)を含むε型銅フタロシアニン(Y)を誘導体(B)の存在下で結晶変換させない様にソルベントソルトミリング処理することで得ることも可能であるが、脂肪酸(C)を含有するα型銅フタロシアニン(X)をシードのε型銅フタロシアニン(Y)と誘導体(B)の存在下で結晶変換と粒子が小さくなる様にソルベントソルトミリング処理する方が、原料の入手、トータルコスト低減化がいずれも容易であると共に、前者の製造方法に比べて製造条件の自由度を大きくとれる点で好ましい。
こうして、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物、無機塩、有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と、無機塩とを除去し、固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等を行うことにより、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物の粉体を得ることが出来る。
尚、この洗浄方法としては、水洗、湯洗のいずれをも採用することが出来る。水溶性無機塩および有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することが出来る。比電導度のもとなる物質は、極力除去されていることが好ましい。特に、インクジェット記録用インクやカラーフィルター画素部を調製するための本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物は、比電導度が水あるいは熱水との差において50μS/cm以下、好ましくは20μS/cm以下となるまで洗浄を行うのが好ましい。
前記した洗浄、濾過後の乾燥方法としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、液媒体を含んだ本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物の脱水および/または脱溶剤をする回分式あるいは連続式で乾燥する方法等が挙げられる。またその際に使用する乾燥機としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等が挙げられる。
乾燥後の粉砕方法としては、ε型銅フタロシアニン顔料組成物の比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、箱型乾燥機やバンド乾燥機を使用して乾燥する場合に、ランプ形状等のものとなった顔料組成物を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕方法が挙げられる。
こうして、窒素吸着法によるBET比表面積70〜130m/gである本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物の粉末が得られる。また、走査型電子顕微鏡測定による一次粒子径は20nm〜80nmであることが好ましい。比表面積が60m/g以下または、一次粒子径が100nm以上であると、被着色媒体を着色して得られた着色物の着色力が低下するので好ましくない。
尚、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物は、アスペクト比が1に近いほど好ましい。顔料組成物のアスペクト比が大きくなるほど、それの被着色媒体への分散性、その中での分散安定性が低下し、顔料粒子の再凝集が起こりやすくなる。これは、例えば、塗料を調製する際、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物と従来の青色顔料との混合物を使用して調製された顔料分散液、これを含む光硬化性化合物および/または合成樹脂の組成物の流動性、貯蔵安定性および基材への塗布性の低下、塗膜の透明性等へと繋がる点で好ましくない。
後記するカラーフィルター用の顔料分散液やこれを含む光硬化性化合物および/または合成樹脂の組成物でも、同様のこと言え、カラーフィルター青色画素部を形成するための透明基板への塗布性の低下、同画素部における塗膜の輝度、コントラストおよび光透過率のいずれもが低下する点で好ましくない。
本発明のε型銅フタロシニアン顔料組成物には、必要であれば、そこに更にその他の青色や紫色の有機顔料を含有させることが出来る。本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物とその他の青色や紫色の有機顔料との混合物に占める本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物の割合が多いほど、前記した様な効果は高くなるが、質量換算で、本発明のε型銅フタロシニアン顔料組成物100部当たり、その他の青色顔料を1〜200部を含有させることが出来る。
本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物は、公知慣用の各種用途、例えば、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インキ、ゴム、レザー、カラーフィルター青色画素部、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することが出来る。
被着色媒体は、常温固体または液体が挙げられ、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、レゾール型フェノール樹脂、エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤との混合物等の熱硬化性樹脂(組成物)、有機溶剤、光硬化性化合物、光硬化性化合物および分散剤を含有する光硬化性組成物のほか、ワニス、エナメル等が挙げられる。本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物を含有するコーティング剤を塗布することが出来る基材としては、例えば、各種合成樹脂フィルム・シート、ガラス、金属、セラミックス等が挙げられる。
本発明の好適なε型銅フタロシニアン顔料組成物は、従来公知の方法でカラーフィルター青色画素部、同青色画素部形成用青色顔料の調製に使用することが出来る。本発明のε型銅フタロシニアン顔料組成物を使用してカラーフィルター青色画素部を製造するに当たっては、顔料分散法が好適に採用出来る。
この方法で代表的な方法は、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルター用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
赤色、緑色、青色の各色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルターを製造することが出来る。前記した様に、本発明のε型銅フタロシニアン顔料組成物からは、青色画素部、同青色画素部形成用青色顔料が調製される。尚、赤色画素部および緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を調製するには、公知慣用の赤色顔料と緑色顔料を使用することが出来る。
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 177、同209、同254等が、緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green 7、同10、同36、同47等が挙げられる。これら赤色画素部と緑色画素部の形成には、黄色顔料を併用することも出来る。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルター全体を加熱処理(ポストベーク)することも出来る。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用出来る。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルターは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルターが完成する。
カラーフィルターの青色画素部を形成するための光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストとも呼ばれる。)は、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分とし、必要に応じて熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製することが出来る。青色画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルターの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として使用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルターの青色画素部を形成するための顔料分散液(着色ペーストとも呼ばれる。)を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで分散剤としては、例えば、ビックケミー社製のディスパービック130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、エフカ社製のエフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤等も併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが好ましい。水可溶の有機溶剤を使用する場合には、それに水を併用することも出来る。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
前記した様な各材料を使用して、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物は、質量換算で、その100部当たり、300〜1000部の有機溶剤と、0〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散液を得ることが出来る。次いで該顔料分散液に、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルター青色画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることが出来る。この様な光硬化性組成物は、通常は、分散粒子の平均粒子径が100nm以下となる様に調製される。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することが出来る。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルター青色画素部の形成に効果的である。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルター青色画素部の製造方法について詳記したが、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物を使用して調製されたカラーフィルター青色画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法等の方法で青色画素部を形成して、カラーフィルターを製造してもよい。
カラーフィルターは、赤色顔料組成物、緑色顔料組成物、ならびに本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルター着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルター着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることが出来る。
以下、製造例、実施例、及び比較例により本発明を詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」はいずれも質量基準である。
質量基準で、α型銅フタロシアニン顔料100部当たりオレイン酸5部を含有するα型銅フタロシアニン顔料組成物を準備した。
このα型銅フタロシアニン顔料組成物100部、ベンゼン環に1〜2モルのフタルイミドメチル基が結合したフタルイミドアルキル化銅フタロシアニン5.6部、シードとして市販ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)5.6部、塩化ナトリウム896部、およびジエチレングリコール168部をニーダー中で、内容物の温度を115〜125℃に保って15時間湿式摩砕した。得られた内容物を2%の希硫酸水溶液中で加熱処理し、濾過、水洗を繰り返し、ろ液が中性となるまで洗浄することによって、顔料分35%のε型銅フタロシアニン顔料組成物のウエットケーキを得た。
このウエットケーキを熱風乾燥機で乾燥、粉砕して、乾燥粉体のε型銅フタロシアニン顔料組成物1を得た。組成物1のBET比表面積は、90m/gであった。
市販ε型銅フタロシアニン顔料に代えて、有機アミンで表面処理されたε型銅フタロシアニン顔料組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ε型銅フタロシアニン顔料組成物1に対応する乾燥粉体のε型銅フタロシアニン顔料組成物2を得た。組成物2のBET比表面積は、85m/gであった。
実施例1で得られたε型銅フタロシアニン顔料組成物100部、ベンゼン環に1〜2モルのフタルイミドメチル基が結合したフタルイミドアルキル化銅フタロシアニン5部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール200部をニーダー中で、内容物の温度を80〜90℃に保って15時間湿式摩砕した。得られた内容物を水溶液中で加熱洗浄し、濾過、ろ液が中性となるまで水洗することによって、顔料分35%のε型銅フタロシアニン顔料組成物のウエットケーキを得た。
さらに、得られたこのウエットケーキのうち100部を温水1000部に再解膠後、銅フタロシアニンスルフォン酸5部を染め付け処理し、ろ過した。ろ液の比電導度が500μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。このウエットケーキを熱風乾燥機で乾燥、粉砕して、乾燥粉体のε型銅フタロシアニン顔料組成物3を得た。組成物3のBET比表面積は、100m/gであった。
実施例2で得られたε型銅フタロシアニン顔料組成物100部、ベンゼン環に1〜2モルのフタルイミドメチル基が結合したフタルイミドアルキル化銅フタロシアニン5部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール200部をニーダー中で、内容物の温度を80〜90℃に保って15時間湿式摩砕した。得られた内容物を水溶液中で加熱洗浄し、濾過、ろ液が中性となるまで水洗することによって、顔料分35%のε型銅フタロシアニン顔料組成物のウエットケーキを得た。
さらに、得られたこのウエットケーキのうち100部を温水1000部に再解膠後、銅フタロシアニンスルフォン酸5部を染め付け処理し、ろ過した。ろ液の比電導度が500μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。このウエットケーキを熱風乾燥機で乾燥、粉砕して、乾燥粉体のε型銅フタロシアニン顔料組成物4を得た。組成物4のBET比表面積は、110m/gであった。
<比較例1>
α型銅フタロシアニン顔料組成物に代えて、その原料のα型銅フタロシアニンだけを用いる以外は実施例1と同様の操作を行って、ε型銅フタロシアニン顔料組成物1に対応する乾燥粉体のε型銅フタロシアニン顔料組成物5を得た。組成物5のBET比表面積は、80m/gであった。
<比較例2>
特開2002−80745公報の比較例1に従い、ε型銅フタロシアニン顔料組成物を得た。組成物6のBET比表面積は、75m/gであった。
<比較例3>
特開2002−121420公報の実施例3に従い、ε型銅フタロシアニン顔料組成物を得た。組成物7のBET比表面積は、110m/gであった。
こうして得られた実施例3〜4及び比較例1〜3のε型銅フタロシアニン顔料組成物を用いて、カラーフィルタにおける評価を行った。
<応用例1>
前記実施例3で得られたε型銅フタロシアニン組成物1を青色顔料として使用し、フォトリソグラフィー法によりカラーフィルター青色画素部を製造した。
カラーフィルター青色画素部の製造方法としては、ε型銅フタロシアニン顔料組成物10部、N,N’−ジメチルホルムアミド(有機溶剤)2.5部、ディスパービック161(ビックケミー社製分散剤)6.78部、ユーカーエステルEEP(ユニオン・カーバイド社製有機溶剤)80.80部を0.5mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機(株)製)で1時間分散し、顔料分散液(着色ペースト)を得た。この顔料分散液75.00部とアロニックスM7100(ポリエステルアクリレート樹脂、東亜合成化学工業(株)製、光硬化性化合物に相当する。)5.50部、KAYARAD DPHA(ジぺンタエリスレートヘキサアクリレート、日本化薬(株)製、光硬化性化合物に相当する。)5.00部、KAYACURE BP−100(ベンゾフェノン、日本化薬(株)製、光重合開始剤に相当する。)1.00部、ユーカーエステルEFP13.5部を分散攪拌機で攪拌し、カラーフィルター青色画素部を形成するための光硬化性組成物を得た。該組成物は1mm厚ガラスに乾燥膜厚1μmとなるように塗布した。
次いでフォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤で洗浄することによりカラーフィルター青色画素部を製造した。
<応用例2>
前記実施例4で得られたε型銅フタロシアニン組成物2を青色顔料として用いた以外は応用例1と同様の操作により、カラーフィルター青色画素部を製造した。
<比較応用例1>
前記比較例1で得られたε型銅フタロシアニン組成物5を青色顔料として用いた以外は応用例1と同様の操作により、カラーフィルター青色画素部を製造した。
<比較応用例2>
前記比較例2で得られたε型銅フタロシアニン組成物6を青色顔料として用いた以外は実施例1と同様の操作により、カラーフィルター青色画素部を製造した。
<比較応用例3>
前記比較例3で得られたε型銅フタロシアニン組成物7を青色顔料として用いた以外は実施例1と同様の操作により、カラーフィルター青色画素部を製造した。
製造した応用例1〜2および比較応用例1〜3のカラーフィルター青色画素部の塗膜の輝度、コントラストおよび光透過率をそれぞれ評価した。その結果を表1に示した。
輝度(Y値)は、大塚電子(株)製の顕微分光光度計MCPD−3000を使用して、F10光源測色で色度座標x値とy値を算出し、両色度座標x、y値を合わせてCIE発色系色度におけるY値を測定した。ここでは、輝度(Y値)が大きいほど視覚明度が高いと評価した。また、コントラストは該カラーフィルター青色画素部を2枚の偏光板の間に設置し、一方には光源を、更にその反対側にはCCDカメラを設置して輝度の測定を行った。偏光軸が平行になる時と垂直になる時との輝度(透過光強度)の比より算出した。
光透過率は、該カラーフィルター青色画素部を、JIS Z 8722に規定する第一種分光測光器(上記に記載した分光光度計)を使用して分光透過率スペクトルの光透過率が最大となる波長(λmax=463nm)の光透過率(Tmax)を測定した。
表1
Figure 2007009007
表1の結果から明らかな様に、実施例1〜2のカラーフィルター青色画素部においては、顔料の凝集が極めて弱く、分散性、分散安定性に優れた光硬化性組成物をより短時間で調製出来、それから得られる青色画素部は、塗膜の輝度、コントラストおよび光透過率がいずれも高かった。
一方、比較例1〜3のカラーフィルター青色画素部においては、顔料の凝集が強く、分散性、分散安定性に劣る光硬化性組成物が調製され、それから得られる青色画素部は、塗膜の輝度、コントラストおよび光透過率がいずれも低かった。比較例1のε型銅フタロシアニン顔料と、オレイン酸アミドとを用いて調製したカラーフィルター青色画素部は、やはり実施例よりも前記した点において劣った性能であった。
次に塗料での評価を行った。
<応用例3>
前記実施例1で得られたε型銅フタロシアニン顔料組成物4部を、メラミンアルキッド混合ワニス(「ベッコゾールJ−524−IM−60」/「スーパーベッカミンJ−820−60」=7/3、いずれも大日本インキ化学工業(株)製)13部シンナー(キシレン/ブタノ−ル=3/1)13部及びガラスビーズ(3mmφ)80部と共に、100mlガラスビンに採り、ペイントコンディショナーにて15分間分散させた後、前記ワニス(メラミンアルキッド混合ワニス)50部を追加し、更に5分間分散させて青緑色塗料を得た。
別途、ε型銅フタロシアニン顔料組成物に代えて酸化チタン顔料(TiO2 )を用いた以外は同様にして、白塗料を得た。得られた青色塗料を、ε型銅フタロシアニン顔料組成物/TiO2 =1/10となるように、酸化チタン顔料からなる白塗料を用いて希釈した後、フィルムアプリケーターでアート紙上に展色し、140℃、20分間焼き付けて塗膜を作成した後、分光光度計を用いて、ファーストゲンブルーEP−7S(大日本インキ化学工業(株)製銅フタロシニアン顔料)を標準試料に設定して、相対着色力を測定した
<応用例4>
前記実施例2で得られたε型銅フタロシアニン顔料組成物を用いた以外は応用例3と同様の操作により、相対着色力を測定した。
<比較応用例4>
前記比較例1で得られたε型銅フタロシアニン顔料組成物を用いた以外は応用例3と同様の操作により、相対着色力を測定した。
<比較応用例5>
前記比較例2で得られたε型銅フタロシアニン顔料組成物を用いた以外は応用例3と同様の操作により、相対着色力を測定した。
<比較応用例5>
前記比較例3で得られたε型銅フタロシアニン顔料組成物を用いた以外は応用例3と同様の操作により、相対着色力を測定した。
表2
Figure 2007009007
以上より、本発明のε型銅フタロシアニン顔料組成物を使用すると、塗膜の輝度、コントラストおよび光透過率がいずれも高いカラーフィルター青色画素部及び着色力が高い塗料が得られることがわかる。



Claims (6)

  1. ε型銅フタロシアニン顔料と、フタルイミドアルキル化フタロシアニンと、高級脂肪酸またはその塩とを含有し、質量基準で、ε型銅フタロシアニン顔料とフタルイミドアルキル化フタロシアニンの合計100部当たり高級脂肪酸またはその塩1〜10部であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料組成物。
  2. 窒素吸着法によるBET比表面積70〜130m/gである請求項1記載のε型銅フタロシアニン顔料組成物。
  3. 質量基準で、ε型銅フタロシアニン顔料100部当たりフタルイミドアルキル化フタロシアニン1〜20部である請求項1または2記載のε型銅フタロシアニン顔料組成物。
  4. α型銅フタロシアニンと、ε型銅フタロシアニンと、フタルイミドアルキル化フタロシアニンとをソルベントソルトミリング処理するε型銅フタロシアニン顔料組成物の製造方法において、高級脂肪酸またはその塩の存在下でソルベントソルトミリング処理することを特徴とする請求項1記載のε型銅フタロシアニン顔料組成物の製造方法。
  5. 窒素吸着法によるBET比表面積70〜130m/gとなる様にする請求項4記載のε型銅フタロシアニン顔料組成物の製造方法。
  6. 質量基準で、α型銅フタロシアニン100部当たりフタルイミドアルキル化フタロシアニン1〜20部である請求項4または5記載のε型銅フタロシアニン顔料組成物の製造方法。


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