JP2007008970A - 導電性ローラ - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 導電性の芯金、該芯金の周囲に設けられたシリコーンゴム弾性層、更にその周囲に樹脂からなる表層を設けた導電性ローラであって、上記シリコーンゴム弾性層が、120℃における10%硬化時間をT10(秒)、90%硬化時間をT90(秒)とした時、30秒≦T10≦120秒で、かつ、20秒≦T90−T10≦120秒である硬化性シリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする導電性ローラ。
【効果】 本発明の導電性ローラは、表層の樹脂との接着耐久性に優れ、かつ圧縮永久歪が小さいものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性の芯金、該芯金の周囲に設けられたシリコーンゴム弾性層、更にその周囲に樹脂からなる表層を設けた体積抵抗率が10kΩ・m以下の導電性ローラであって、ローラとしての耐久性、特に表層である樹脂層との接着耐久性に優れる導電性ローラに関する。
従来、芯金の周囲に導電性の弾性層を被覆した導電性ローラは、複写機やプリンター用に広く使用されている。特に弾性層として、電気絶縁性を示すゴム状物質に導電性材料を配合した導電性ゴムは種々知られており、例えば導電性材料としてカーボンブラック等を配合し、電気抵抗率を10-3〜10-1Ω・mの範囲にした導電性ゴムが広い分野で応用されている。
一方、電気絶縁性ゴム状物質の一つであるシリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れ、電気絶縁性ゴムとして多く利用されているが、他のゴム状物質と同様に導電性材料を添加することで、導電性ゴムとしても実用化されている。
この場合、導電性シリコーンゴム組成物に添加する導電性材料としては、例えばカーボンブラックやグラファイト、銀,ニッケル,銅等の各種金属粉、各種非導電性粉体や短繊維表面を銀等の金属で処理したもの、炭素繊維,金属繊維などを混合したものが、ゴムがもつ特異な特性を損なうことなく、その導電性材料の種類及び充填量によりシリコーンゴムの電気抵抗率を10kΩ・m以下まで低下させ得ることから頻繁に使用されている。
特に、液状付加硬化タイプのシリコーンゴム組成物は、成形性に優れることや、短時間での硬化が可能であることからロール材として広く使用されている。しかしながら、シリコーンゴムは、架橋に加わらないオリゴマー成分が微量存在し、これが感光体を汚染したり、トナーを凝集させたりしてしまうため、表層として樹脂層が必要である。ところが、シリコーンゴムは、離型性に優れるため、硬化したゴムに樹脂を接着させるのは困難である。また、液状付加硬化型シリコーンゴム組成物は、成形性に優れるが、粘度が低すぎると成形機からの漏れが生じてしまったり、高すぎるとロール内の電気抵抗のバラツキが大きくなってしまうなどの問題が生じてしまう。更に、シリコーンゴム硬化物としての強度が不十分な場合、ロールとして電子写真装置に組み込んだ時に耐久性に劣るため、ゴム破壊が生じてしまう。これを改良するために、ヒュームドシリカや沈降性シリカを加えると圧縮永久歪が悪くなってしまうばかりか、経時で抵抗が変化してしまうという大きな問題が生じてしまう。
このような問題に対する対策として、特開2005−82617号公報(特許文献1)では、特定の粒子径及びかさ密度をもつ無機質充填剤を配合することにより、圧縮永久歪が小さく安定した体積抵抗率が得られることが示されているが、表層との接着性については全く記述がなく、重要なポイントとなるゴム組成物の硬化性についても全く触れられていない。特開2003−321610号公報(特許文献2)においては、特定のシリコーンポリマーにカーボンブラックを添加することで、低硬度で低圧縮永久歪の導電性ゴムが得られることが開示されているが、表層についての具体的な記述がなく、従って表層との接着性については、示唆さえもされていない。また、特開2004−37665号公報(特許文献3)には、100℃での液状ゴムの硬化性が記載されているが、これは安定な抵抗を得るためと記載されており、表層との接着性については全く触れられていない。更に、100℃では実際の硬化温度として低すぎる。
特開2005−82617号公報 特開2003−321610号公報 特開2004−37665号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、表層である樹脂との接着性に優れ、圧縮永久歪が小さく、更に耐久性にも優れる導電性ローラ、特に複写機やプリンターなどの電子写真画像形成装置における帯電ローラ、現像ローラ、トナー搬送ローラ、転写ローラ、クリーニングローラとして好適に用いられる導電性ローラを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、導電性の芯金、該芯金の周囲に設けられたシリコーンゴム弾性層、更にその周囲に樹脂からなる表層を設けた導電性ローラにおいて、上記シリコーンゴム弾性層として、120℃における10%硬化時間をT10(秒)、90%硬化時間をT90(秒)とした時、30秒≦T10≦120秒で、かつ、20秒≦T90−T10≦120秒である硬化性シリコーンゴム組成物を硬化させたものを使用した場合、表層の樹脂層との接着に優れ、しかも圧縮永久歪が小さく、耐久性にも優れたものであることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は下記導電性ローラを提供する。
請求項1:
導電性の芯金、該芯金の周囲に設けられたシリコーンゴム弾性層、更にその周囲に樹脂からなる表層を設けた導電性ローラであって、上記シリコーンゴム弾性層が、120℃における10%硬化時間をT10(秒)、90%硬化時間をT90(秒)とした時、30秒≦T10≦120秒で、かつ、20秒≦T90−T10≦120秒である硬化性シリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする導電性ローラ。
請求項2:
シリコーンゴム層が、25℃での粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする請求項1記載の導電性ローラ。
請求項3:
シリコーンゴム層が、
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜30質量部、
(C)無機質充填剤 0.5〜50質量部、
(D)導電性付与材料 硬化物の体積抵抗を10kΩ・m以下とする量、
(E)付加反応触媒 触媒量
を必須成分とするシリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性ローラ。
請求項4:
(A)成分の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンのうち、0.3〜20質量%が、一分子中に少なくとも4個の珪素原子と結合するビニル基を含有するオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項3記載の導電性ローラ。
請求項5:
(D)成分の導電性付与材料が、導電性カーボンブラックである請求項3又は4記載の導電性ローラ。
請求項6:
導電性カーボンブラックが、アセチレンブラックであり、かつ比表面積が30〜120m2/g、沃素吸着量が30〜120mg/g、DBP吸油量が100〜200ml/100gであることを特徴とする請求項5記載の導電性ローラ。
請求項7:
シリコーンゴム層のデュロメータタイプAによる硬度が、20以上60以下である請求項1〜6のいずれか1項記載の導電性ローラ。
請求項8:
シリコーンゴム層の体積抵抗率が10Ω・m以上10kΩ・m以下である請求項1〜7のいずれか1項記載の導電性ローラ。
請求項9:
シリコーンゴム層の引張り強度が2.0MPa以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の導電性ローラ。
請求項10:
シリコーンゴム層の180℃×22時間(25%)での圧縮永久歪が10%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の導電性ローラ。
請求項11:
表層を形成する樹脂が、ウレタン結合及び/又はアミド結合を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の導電性ローラ。
請求項12:
導電性ローラが、現像ロール、帯電ロール、転写ロール及びこれらロールのベルトタイプから選ばれるものである請求項1〜11のいずれか1項記載の導電性ローラ。
本発明の導電性ローラは、表層の樹脂との接着耐久性に優れ、かつ圧縮永久歪が小さいものである。
本発明の導電性ローラは、導電性の芯金、該芯金の周囲に設けられたシリコーンゴム弾性層、更にその周囲に樹脂からなる表層を設けた導電性ローラであって、上記シリコーンゴム弾性層が、120℃における10%硬化時間をT10(秒)、90%硬化時間をT90(秒)とした時、30秒≦T10≦120秒で、かつ、20秒≦T90−T10≦120秒である硬化性シリコーンゴム組成物を硬化させたものである。
この場合、この硬化性シリコーンゴム組成物としては、付加硬化型シリコーンゴム組成物、特に25℃での粘度が10〜100Pa・sの液状付加硬化型シリコーンゴム組成物であり、シリコーンゴム弾性層はこのシリコーンゴム組成物の硬化物であることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計による測定値である。
このようなシリコーンゴム層としては、
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜30質量部、
(C)無機質充填剤 0.5〜50質量部、
(D)導電性付与材料 硬化物の体積抵抗を10kΩ・m以下とする量、
(E)付加反応触媒 触媒量
を必須成分とするシリコーンゴム組成物を硬化させたものであることが好適である。
ここで、(A)成分の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンは、本組成物の主剤(ベースポリマー)であり、このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
上記式(1)中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.02の範囲の正数である。ここで、上記R1で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基等や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、アルケニル基を除く全R1基のうち90モル%以上(90〜100モル%)、特に95モル%以上(95〜100モル%)がメチル基であることが好ましい。また、R1のうち少なくとも2個(通常、2〜50個、特に2〜30個)はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。
なお、上記式(1)において、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中1.0×10-6mol/g〜5.0×10-3mol/g、特に5.0×10-6mol/g〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないと架橋が不十分でゲル状になってしまう場合があり、また5.0×10-3mol/gより多いと圧縮永久歪が悪くなってしまう場合があるだけでなく、脆いゴムとなってしまうおそれがある。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するものであるが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。重合度については、室温(25℃)で液状(例えば、25℃での粘度が100〜1,000,000mPa・s、好ましくは200〜100,000mPa・s程度)であればよいが、平均重合度(例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)分析におけるポリスチレン換算の重量平均重合度など、以下同様。)が100〜1,000、特に100〜800であることが好ましく、更に好ましくは150〜600である。100未満ではゴム弾性が不十分となる場合があり1,000を超える量(例えば、いわゆる生ゴム状のオルガノポリシロキサン)では圧縮永久歪が悪くなってしまう場合がある。
本発明において、これら少なくとも2個のアルケニル基をもつ(A)成分のオルガノポリシロキサンのうち、0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%が、一分子中に少なくとも4個(通常、4〜50個)、好ましくは5個以上(例えば、5〜30個)の珪素原子と結合するビニル基をもつオルガノポリシロキサンであるとよい。
このようなオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(2)で示されるものを用いることができる。
2 bSiO(4-b)/2 (2)
上記式(2)中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.02の範囲の正数である。ここで、ビニル基を除く上記R2で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、ビニル基を除く全R2基のうち90モル%以上(90〜100モル%)、特に95モル%以上(95〜100モル%)がメチル基であることが好ましい。また、R2のうち少なくとも4個(通常、4〜50個)、好ましくは5個以上(例えば、5〜30個)がビニル基であることが必要である。4個未満では、表層との接着性が十分に得られない場合がある。
なお、上記式(2)において、ビニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中3.0×10-4mol/g〜1.4×10-2mol/g、特に5.0×10-4mol/g〜5.0×10-3mol/gとすることが好ましい。ビニル基の量が3.0×10-4mol/gより少ないと表層との接着が不十分になってしまう場合がある。このビニル基は、分子鎖末端の珪素原子及び分子鎖途中の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子のみに結合していてもよい。
このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するものであるが、部分的には分岐状の構造、あるいは環状構造などであってもよい。重合度については、4〜600、好ましくは10〜500、より好ましくは20〜300である。4未満では、ビニル基を4個以上もつのが困難であり、600以上では接着性への効果が薄れてしまう。
(B)成分は、一分子中に珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、分子中のSi−H基が前記(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための硬化剤(架橋剤)として作用するものである。この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(3)で示され、一分子中に少なくとも2個(通常、2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば、3〜200個)、より好ましくは3〜100個の珪素原子結合水素原子を有するものが好適に用いられる。
3 cdSiO(4-c-d)/2 (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、cは0.7〜2.1、dは0.001〜1.0で、かつc+dは0.8〜3.0を満足する正数である。)
ここで、R3の一価炭化水素基としては、R1で例示したものと同様のものを挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、cは好ましくは0.8〜2.0、dは好ましくは0.01〜1.0、c+dは好ましくは1.0〜2.5を満足する正数であり、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。
この珪素原子結合水素原子(Si−H基)の含有量は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中0.001〜0.017mol/g、特に0.002〜0.015mol/gとすることが好ましい。珪素原子結合水素原子(Si−H基)の量が少なすぎると架橋が不十分でゲル状になってしまう場合があり、また多すぎると架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムになってしまうおそれがある。なお、珪素原子に結合する水素原子は、分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
上記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは0.3〜20質量部である。0.1質量部未満では硬化が不十分でゲル状になってしまい、ゴム状の弾性体硬化物を与えることができず、30質量部を超える量では硬化物の強度と耐圧縮永久歪性が著しく低下して(圧縮永久歪が大きくなって)しまう。また、上記と同様の理由で(A)成分のアルケニル基(A’)に対する珪素原子結合水素原子(B’)のモル比((B’)/(A’))が、0.3〜5.0、特に0.5〜2.5の範囲とすることが好適である。
次に、(C)成分の無機質充填剤は、組成物の強度アップや粘度・硬度の調整などの目的で使用されるものである。このようなものとしては、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、粉砕石英、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタンなどシリコーンゴムの硬化反応を阻害しないものであればいかなるものでよい。これらの中で、補強性目的としてはヒュームドシリカが好適で、比表面積が50〜350m2/gのものが好ましい。配合量は(A)成分100質量部に対して10質量部以下、好ましくは0.5〜8質量部である。10質量部を超えると圧縮永久歪が高くなってしまう。粘度・硬度の調整などの目的としては、粉砕石英、珪藻土が好適で、この場合、平均粒径が0.5〜30μm、好ましくは1〜20μmである。平均粒径が0.5μmより小さいと圧縮永久歪が高くなってしまい、30μmより大きいとゴム物性の低下が著しくなってしまう。また、配合量としては、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部、好ましくは2〜40質量部である。1質量部未満では、粘度や硬度の調整として効果がなく、50質量部を超えると、ゴム物性の低下が大きくなってしまう。なお、平均粒径は、例えばレーザー光回折法などによる粒度分布測定装置を用いて、累積重量平均値(又はメジアン径)等として求めることができる。
また、これら無機質充填剤は、シラン系カップリング剤又はその部分加水分解物、アルキルアルコキシシラン又はその部分加水分解物、有機シラザン類、チタネート系カップリング剤、オルガノポリシロキサンオイル、加水分解性官能基含有オルガノポリシロキサン等により表面処理されたものであってもよい。これら処理は、無機粉体自体を予め処理しても、あるいはオイルとの混合時に処理を行ってもよい。
これら(C)成分の無機質充填剤の混合方法は、常温でプラネタリーミキサーやニーダーなどの機器を用いて(A)、(B)成分と混合してもよいし、あるいは100〜200℃の高温で混合してもよい。
(D)成分の導電性付与材料としては、導電性カーボンブラックが好適に用いられる。導電性カーボンブラックとしては、通常導電性ゴム組成物に常用されているものが使用し得、例えばアセチレンブラック、コンダクティブファーネスブラック(CF)、スーパーコンダクティブファーネスブラック(SCF)、エクストラコンダクティブファーネスブラック(XCF)、コンダクティブチャンネルブラック(CC)、1,500℃程度の高温で熱処理されたファーネスブラックやチャンネルブラック等を挙げることができる。
具体的に、アセチレンブラックとしては、電化アセチレンブラック(電気化学社製),シャウニガンアセチレンブラック(シャウニガンケミカル社製)等が、コンダクティブファーネスブラックとしては、コンチネックスCF(コンチネンタルカーボン社製),バルカンC(キャボット社製)等が、スーパーコンダクティブファーネスブラックとしては、コンチネックスSCF(コンチネンタルカーボン社製),バルカンSC(キャボット社製)等が、エクストラコンダクティブファーネスブラックとしては、旭HS−500(旭カーボン社製),バルカンXC−72(キャボット社製)等が、コンダクティブチャンネルブラックとしては、コウラックスL(デグッサ社製)等が例示され、また、ファーネスブラックの一種であるケッチェンブラックEC及びケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェンブラックインターナショナル社製)等を用いることもできる。なお、これらのうちでは、アセチレンブラックが特に好ましく、更に比表面積が30〜120m2/g、好ましくは35〜100m2/g、沃素吸着量が30〜120mg/g、好ましくは40〜100mg/g、DBP吸油量が100〜200ml/100g、好ましくは120〜180ml/100gである。これらの範囲を外れると、抵抗が安定しない場合がある。
上記(D)成分の配合量は、本シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率を10kΩ・m以下、好ましくは0.1〜10kΩ・m、特に好ましくは1Ω・m〜1kΩ・mとする量である。
具体的に、導電性カーボンブラックの添加量としては、(A)成分100質量部に対して0.5〜50質量部、特に1〜20質量部とすることが好ましい。添加量が0.5質量部未満では所望の導電性を得ることができない場合があり、50質量部を超えると圧縮永久歪が悪くなってしまう場合がある。
(E)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、白金族金属として(A)、(B)成分の合計量に対し、0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度である。
本発明のシリコーンゴム組成物には、更にアセチレンアルコール系化合物などの付加反応制御剤、低分子シロキサン、チタン酸エステル、シラノール、例えばジフェニルシランジオール等の分散剤、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、接着性や成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させるハロゲン化合物等を本発明の目的を損なわない範囲で添加混合してもよい。
なお、本発明のシリコーンゴム組成物の粘度は、25℃において、10〜100Pa・s、特に20〜80Pa・sであることが好ましい。10Pa・s未満では、粘度が低すぎて成形が困難になってしまい、100Pa・sを超えると、成形による抵抗のバラツキが大きくなってしまう。
本発明において、上記硬化性シリコーンゴム組成物は、120℃における10%硬化時間をT10(秒)、90%硬化時間をT90(秒)とした時、30秒≦T10≦120秒であり、かつ、20秒≦T90−T10≦120秒である硬化性を満足する。ここで、T10、T90はそれぞれキュラストメータ(日合商事(株)製、キュラストメータV型で6分測定)で、MAXトルクの10%硬化時間と90%硬化時間を示す。
T10は、30秒以上120秒以下で、好ましくは40秒以上100秒以下である。30秒未満では表層との接着が不十分になってしまい、120秒を超えると工程時間が長くなり、経済的に不利である。また、T90−T10は、硬化反応の速度を示す重要な因子であり、20秒以上120秒以下である必要があり、好ましくは25秒以上100秒以下、より好ましくは30秒以上90秒以下である。20秒未満では硬化反応の終了が速すぎて表層との接着が不十分になってしまい、120秒以上では脱型までの成形サイクルが長くなってしまい、経済的に不利である。
上記硬化性は、特にシリコーンゴム組成物において、付加反応触媒及び/又はアセチレンアルコール等の付加反応制御剤の添加量のコントロール、組成物中の珪素原子結合アルケニル基に対する珪素原子結合水素原子のモル比の制御、更にアルケニル基含有化合物として、一分子中にアルケニル基を多数含有する化合物(例えば、非珪素系化合物や珪素原子に対して50モル%以上のアルケニル基を含有するシロキサン化合物など)を少量配合することなどの手段により達成することができる。
本発明に係るシリコーンゴム組成物の成形方法は、注入成形、射出成形、コーティングなどの方法があり、硬化条件としては100〜300℃、好ましくは110〜200℃、より好ましくは120〜160℃の温度で1分〜3時間、好ましくは10分〜2時間の範囲が好適に採用される。また、圧縮永久歪を低下させる、低分子シロキサン成分を低減させる等の目的で、成形後、更に120〜250℃、好ましくは150〜220℃のオーブン内で30分〜70時間程度のポストキュア(2次キュア)を行ってもよい。
なお、本発明のシリコーンゴム組成物の硬化物(シリコーンゴム層)は、体積抵抗率が10kΩ・m以下であり、好ましくは0.1Ω・m〜10kΩ・m、より好ましくは1Ω・m〜1kΩ・mである。10kΩ・mより大きいと、電気抵抗が安定せず、鮮明な画像が得られない。0.1Ω・m未満では、導電性付与剤の配合量が多くなりすぎてロール耐久性が得られない場合がある。また、硬化物の引張り強度は2.0MPa以上、特に2.5MPa以上であることが好ましい。2.0MPa未満では、ローラとしての耐久性が不十分になってしまう場合がある。また、本発明のシリコーンゴム組成物の硬化物は圧縮永久歪[25%圧縮、180℃×22時間]が通常10%以下、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下のものであり、圧縮永久歪が大きすぎるとローラ耐久性に劣るものとなる場合がある。
更に、シリコーンゴム層のデュロメータタイプAによる硬度が20〜60、より好ましくは30〜50であることが望ましい。硬度が低すぎると、導電性ローラとしてトナーの受理、転写性能が低下してしまう場合があり、高すぎると、トナーにダメージを与えてしまう場合がある。
本発明のローラ用導電性シリコーンゴム組成物は、帯電ロール、現像ロール、紙送りロール、トナー搬送ロール、転写ロールなどの電子写真装置のロール用途として、特に現像ロール、帯電ロール、転写ロール及びこれらロールのベルトタイプから選ばれるロールとして、とりわけ現像ロール用として好適である。
なお、本発明のシリコーンゴム組成物は、これらのロール用として、芯金の上にその硬化物層を被覆し、更にその周囲に樹脂からなる表層を設ける必要がある。そのような樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、フッ素系樹脂などがあるが、特にウレタン結合及び/又はアミド結合をもつ樹脂を被覆したものが好適である。尚、シリコーンゴム層の上にこれら樹脂層を設ける際に、シリコーンゴム層をUVやプラズマ、エキシマレーザーなどにより表面処理をしてもよいし、各種のプライマーや接着剤を使用してもよい。表層樹脂の形成方法としては、バーコート、スプレーコート、リングコートなどの各種のコーティング法や注入成形あるいはディッピングなどがある。
なお、シリコーンゴム層の厚みは、適宜選定されるが、通常0.5〜50mm、特に1〜30mmであり、また表層の厚みは1〜1,000μm、特に5〜500μmの範囲とすることが好適である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示す。
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度300)95部、一分子中に平均9個の珪素原子結合ビニル基を有する両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度100、ビニル価1.2×10-3mol/g)5部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、R−972)2部、平均粒径5μmの粉砕石英25部、比表面積が70m2/g、沃素吸着量が92mg/g、DBP吸油量が160ml/100gのアセチレンブラック4.0部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度20、Si−H基量0.0045mol/g)4.2部、反応制御剤として、エチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(1)とした。なお、この組成物(1)の25℃における粘度は、62Pa・sであり、キュラストメータV型による120℃での硬化性は、T10=1分10秒、T90=2分30秒である。
このシリコーンゴム組成物(1)を150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、JIS K6249に準じて、硬さ(デュロメータタイプA)及び引張り強度、体積抵抗及び圧縮永久歪[25%圧縮、180℃×22時間]を測定した。結果を表1に示す。
次に、プライマーNo.4(信越化学工業(株)製)を塗布した直径6mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲に上記のシリコーンゴム組成物(1)を注入し、140℃で30分硬化後、型から取り出し、200℃のオーブンに4時間放置して、直径14mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この上にウレタン樹脂をディッピングし、風乾後、150℃で2時間の熱処理により、およそ20μmの厚さのポリウレタン樹脂層を形成した。
この導電性ローラを2本作製し、1kgの加重で重ね合わせ、105℃のオーブン内で、30rpmで耐久テストを実施した。200時間連続試験してもローラの外観に異常は全く見られなかった。
[実施例2]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度300)98部、一分子中に平均6個の珪素原子結合ビニル基を有する両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度50、ビニル価1.6×10-3mol/g)2部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、R−972)0.5部、平均粒径7μmである珪藻土10部、比表面積が39m2/g、沃素吸着量が52mg/g、DBP吸油量が140ml/100gのアセチレンブラック4.5部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度20、Si−H基量0.0045mol/g)3.5部、反応制御剤として、エチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.12部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(2)とした。なお、この組成物(2)の25℃における粘度は、46Pa・sであり、キュラストメータV型による120℃での硬化性は、T10=58秒、T90=1分29秒である。
このシリコーンゴム組成物(2)を150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、JIS K6249に準じて、硬さ(デュロメータタイプA)及び引張り強度、体積抵抗及び圧縮永久歪[25%圧縮、180℃×22時間]を測定した。結果を表1に示す。
次に、プライマーNo.101A/B(信越化学工業(株)製)を塗布し、150℃で30分焼付けした直径8mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲に上記のシリコーンゴム組成物(2)を注入し、120℃で45分硬化後、型から取り出し、220℃のオーブンに2時間放置して、直径18mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この上にアミド樹脂をスプレーコートし、風乾後、130℃で2時間の熱処理により、およそ10μmの厚さのポリアミド樹脂層を形成した。
この導電性ローラを2本作製し、2kgの加重で重ね合わせ、120℃のオーブン内で、45rpmで耐久テストを実施した。300時間連続試験してもローラの外観に異常は全く見られなかった。
[比較例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度300)100部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、R−972)0.2部、平均粒径12μmの粉砕石英25部、比表面積が70m2/g、沃素吸着量が92mg/g、DBP吸油量が160ml/100gのアセチレンブラック4.0部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度20、Si−H基量0.0045mol/g)4.0部、反応制御剤として、エチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.15部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(3)とした。なお、この組成物(3)の25℃における粘度は、59Pa・sであり、キュラストメータV型による120℃での硬化性は、T10=48秒、T90=1分6秒である。
このシリコーンゴム組成物(3)を150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、JIS K6249に準じて、硬さ(デュロメータタイプA)及び引張り強度、体積抵抗及び圧縮永久歪[25%圧縮、180℃×22時間]を測定した。結果を表1に示す。
次に、プライマーNo.4(信越化学工業(株)製)を塗布した直径6mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲に上記のシリコーンゴム組成物(3)を注入し、140℃で30分硬化後、型から取り出し、200℃のオーブンに4時間放置して、直径14mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この上にウレタン樹脂をディッピングし、風乾後150℃で2時間の熱処理により、およそ20μmの厚さのポリウレタン樹脂層を形成した。
この導電性ローラを2本作製し、1kgの加重で重ね合わせ、105℃のオーブン内で、30rpmで耐久テストを実施した。120時間経過で表面に僅かなシワがみられ、130時間で停止し、ローラを観察すると端部で表層とゴムとの剥がれが観察された。
[比較例2]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度300)98部、一分子中に平均6個の珪素原子結合ビニル基を有する両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度50、ビニル価1.6×10-3mol/g)2部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、R−972)0.5部、平均粒径7μmである珪藻土10部、比表面積が39m2/g、沃素吸着量が52mg/g、DBP吸油量が140ml/100gのアセチレンブラック4.5部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度20、Si−H基量0.0045mol/g)3.5部、反応制御剤として、エチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.22部を添加し、15分撹拌を続けてできあがった組成物をシリコーンゴム組成物(4)とした。なお、この組成物(4)の25℃における粘度は、46Pa・sであり、キュラストメータV型による120℃での硬化性は、T10=27秒、T90=1分18秒である。
このシリコーンゴム組成物(4)を150℃で5分プレス硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、JIS K6249に準じて、硬さ(デュロメータタイプA)及び引張り強度、体積抵抗及び圧縮永久歪[25%圧縮、180℃×22時間]を測定した。結果を表1に示す。
次に、プライマーNo.101A/B(信越化学工業(株)製)を塗布し、150℃で30分焼付けした直径8mm、長さ300mmの鉄製芯軸を金型中央部に設置し、芯軸の周囲に上記のシリコーンゴム組成物(4)を注入し、120℃で45分硬化後、型から取り出し、220℃のオーブンに2時間放置して、直径18mm、ゴム部分の長さ240mmの導電性ローラ弾性層を得た。この上にアミド樹脂をスプレーコートし、風乾後130℃で2時間の熱処理により、およそ10μmの厚さのポリアミド樹脂層を形成した。
この導電性ローラを2本作製し、2kgの加重で重ね合わせ、120℃のオーブン内で、45rpmで耐久テストを実施した。250時間経過後で表面にシワが見られ、260時間で停止し、ローラを観察するとローラ全体的に表層とゴム層との剥がれが観察された。
Figure 2007008970

Claims (12)

  1. 導電性の芯金、該芯金の周囲に設けられたシリコーンゴム弾性層、更にその周囲に樹脂からなる表層を設けた導電性ローラであって、上記シリコーンゴム弾性層が、120℃における10%硬化時間をT10(秒)、90%硬化時間をT90(秒)とした時、30秒≦T10≦120秒で、かつ、20秒≦T90−T10≦120秒である硬化性シリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする導電性ローラ。
  2. シリコーンゴム層が、25℃での粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする請求項1記載の導電性ローラ。
  3. シリコーンゴム層が、
    (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜30質量部、
    (C)無機質充填剤 0.5〜50質量部、
    (D)導電性付与材料 硬化物の体積抵抗を10kΩ・m以下とする量、
    (E)付加反応触媒 触媒量
    を必須成分とするシリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性ローラ。
  4. (A)成分の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンのうち、0.3〜20質量%が、一分子中に少なくとも4個の珪素原子と結合するビニル基を含有するオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項3記載の導電性ローラ。
  5. (D)成分の導電性付与材料が、導電性カーボンブラックである請求項3又は4記載の導電性ローラ。
  6. 導電性カーボンブラックが、アセチレンブラックであり、かつ比表面積が30〜120m2/g、沃素吸着量が30〜120mg/g、DBP吸油量が100〜200ml/100gであることを特徴とする請求項5記載の導電性ローラ。
  7. シリコーンゴム層のデュロメータタイプAによる硬度が、20以上60以下である請求項1〜6のいずれか1項記載の導電性ローラ。
  8. シリコーンゴム層の体積抵抗率が10Ω・m以上10kΩ・m以下である請求項1〜7のいずれか1項記載の導電性ローラ。
  9. シリコーンゴム層の引張り強度が2.0MPa以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の導電性ローラ。
  10. シリコーンゴム層の180℃×22時間(25%)での圧縮永久歪が10%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の導電性ローラ。
  11. 表層を形成する樹脂が、ウレタン結合及び/又はアミド結合を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の導電性ローラ。
  12. 導電性ローラが、現像ロール、帯電ロール、転写ロール及びこれらロールのベルトタイプから選ばれるものである請求項1〜11のいずれか1項記載の導電性ローラ。
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